説明

試料キャリヤを切断するための装置

概念は、試料キャリヤ(5)を収容するための装置に関し、該装置は、試料キャリヤ(5)の一部分を収容するための開口(10)と、この開口(10)から延出した試料キャリヤ(5)の部分を除去するためのカッタとを有する。カッタは蓋(25)に結合されており、蓋(25)は、カッタが試料キャリヤ(5)において切断を行うと同時に、少なくとも、試料キャリヤ(5)の収容後に開放したままにされている開口の部分を閉鎖するように、可動である。本開示は、さらに、このような装置を有するシステム、及びこのような装置を操作する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料キャリヤを収容するための装置に関し、この装置は、
試料キャリヤの一部分を収容するための開口と、
開口から延出した試料キャリヤの一部分を除去するためのカッタとを有している。
【0002】
本発明は、このような装置を有するシステムにも関する。
【0003】
本発明は、以下のステップ、すなわち、
試料キャリヤを収容するための開口に試料キャリヤを配置するステップと、
開口から延出した試料キャリヤの部分においてカッタを用いて切断を行うステップとを含む方法にも関する。
【0004】
発明の背景
前記形式の装置及び方法の実施の形態は、米国特許出願公開第2006/0094028号明細書から公知である。この文献に記載された装置においては、ターゲット試料を得るためにスワブが使用された後に、スワブの遠位部分が獲得ポートに挿入される。スワブの試料含有部分が実質的に先端停止部に当接するまで、スワブは挿入される。獲得ポートは、獲得ポートに含まれた短い管を有している。機械的な切断装置を有する支持ブロックが設けられている。切断装置は、スワブをクリーンに破断若しくは切断するために移動する。スワブが切断された後、スワブの近位部分は獲得ポートから除去される。切断装置は元の位置へ戻される。最後に、残留している短い管における獲得ポートの部分は、支持ブロックに対して圧搾され、これにより、装置が設けられているカートリッジをシールする。公知の装置の欠点は、装置の操作が比較的複雑で、スワブを切断し、スワブが切断された後に獲得ポートを圧搾するために別々の異なるステップを必要とすることである。装置が自動化された環境において使用され、その場合、操作が外部の機器によって行われる場合には、この欠点は特に顕著となる。なぜならば、より複雑な相互作用、ひいてはより複雑なシステムが必要とされるからである。
【0005】
発明の概要
本発明の課題は、試料キャリヤにおける切断と、装置の密閉とがより容易に使用されることを可能にする装置及び方法を提供することである。切断という用語は、試料キャリヤの部分的な切断及び完全な切断を含む。部分的な切断は、試料キャリヤがオペレータによって破断されるために、試料キャリヤを十分に弱めるべきである。適切な試料キャリヤの例は、例えば、スワブ、ブラシ、スティック等の棒状の試料キャリヤである。
【0006】
本発明の一つの態様によれば、この課題は、請求項1に記載の装置によって実現される。
【0007】
本発明は、試料キャリヤにおける切断を行うためのカッタを、試料キャリヤを収容するための開口を閉鎖するための蓋と組み合わせることにより、一回の動作で試料キャリヤの切断を行いかつ開口を密閉することができるという認識に基づく。蓋の閉鎖動作は、試料キャリヤとカッタとを互いに押し付けるために用いられ、これにより、カッタは試料キャリヤにおいて切断を行う。切断が行われた後、開口から延出した、試料材料を有さない試料キャリヤの部分を、破断して除去することができる。蓋は、開放位置、すなわち第1の位置から、閉鎖位置、すなわち第2の位置へ移動させられ、この移動の間に、カッタ、例えば、蓋に設けられた切断エッジは、試料キャリヤにおいて切断を行い、試料キャリヤの一部を破断して除去することができる。一回の動作が、試料キャリヤを収容する開口の閉鎖と、試料キャリヤの切断とを行うことは、試料材料を含んだ試料キャリヤの部分が常にコントロールされた状態に保たれることを意味する。試料材料は、試料キャリヤに取り付けられているか、収容部内に封入されている。これにより、試料は偶発的な汚染を受けにくくなる。また、この一回の動作は、装置の操作を単純化し、これは、ケアセッティングのポイントにおける主要な利益であり、また、自動化された環境への組込みを促進する。なぜならば、行われるステップの数と、評価及び操作される必要がある部品の数とが、減じられるからである。この関連における「密閉」は、装置の内部の試料材料が装置の外部の環境へもはやアクセス可能ではなく、逆に、装置の内部の試料材料が装置の外部の環境へアクセスする(汚染する)ことができないように、開口を閉鎖することを意味する。これは、必ずしも、装置の内部と外界との間の気密な封止を必要とするわけではないが、装置のハウジング及び/又は蓋は、好適には、例えばゴムシールを用いて、内部と外部との間の気密封止を行うための手段を提供する。開口は、行われる封止のために蓋によって完全に閉鎖される必要はない。蓋によって完全に閉鎖若しくは被覆された開口は、シーリングの有益な実施の形態と考えられるが、封止に寄与する蓋による開口のあらゆる他の閉鎖若しくは被覆も、「密閉を行う」ことに含まれる。有利には、開口の一部が蓋によって閉鎖されてよく、これに対して、開口の別の部分は、切断され、開口のこのような他の部分に圧入により保持された試料キャリヤの残りの部分によって閉鎖されていてよい。一つの実施の形態において、蓋は、ロッキング手段又はスナップ式係止手段等の適切な手段によって第2の位置に保持される。このような手段は、試料材料へのアクセスを許可する装置のあらゆる偶発的な再開放を妨げる。
【0008】
本発明による装置の実施の形態は、カッタが切断エッジによって形成されていることを特徴とする。
【0009】
この実施の形態は、容易な製造を可能にするという利点を有する。
【0010】
本発明による装置の別の実施の形態は、切断エッジが、ポリカーボネートを含むか若しくはポリカーボネートから形成されていることを特徴とする。
【0011】
この実施の形態は、ポリカーボネートが、容易な製造をも可能にする、カッタを製造するための適切な材料であるという利点を有する。概して、あらゆる材料、好適には試料キャリヤにおける切断を行うために十分に強いプラスチックが適している。
【0012】
本発明による装置の別の実施の形態は、カッタが蓋に設けられていることを特徴とする。
【0013】
この実施の形態は、容易な組立てを可能にするという利点を有する。
【0014】
本発明による装置の別の実施の形態は、装置が、さらに、支持構造を有しており、少なくとも蓋の移動の一部の間、蓋がこの支持構造に沿って可動であることを特徴とする。
【0015】
この実施の形態は、蓋の容易な案内を可能にするという利点を有する。
【0016】
本発明による装置の別の実施の形態は、支持構造が、少なくとも、カッタを有する蓋の側に配置されていることを特徴とする。
【0017】
この実施の形態は、支持構造が、カッタへのアクセスを制限し、ひいては装置を取り扱う人員の安全性を高めるという利点を有する。
【0018】
本発明による装置の別の実施の形態は、カッタが、開口を形成している縁部に設けられていることを特徴とする。
【0019】
この実施の形態は、蓋の厚さを選択する際の自由度を高めるという利点を有し、蓋の厚さは、カッタが、蓋ではなく縁部に設けられている場合にはより薄くてよい。この構成は、注型成形等の製造技術を利用する場合に有利である。
【0020】
本発明による装置の別の実施の形態は、切断エッジが開口の平面に位置することを特徴とする。
【0021】
この実施の形態は、切断エッジによって行われた切断を有する試料キャリヤを破断することができる位置を、例えば、切断エッジが、試料キャリヤの受入れ方向に関して開口の平面よりも下方に位置する場合よりも、よりよく規定することができるという利点を有する。後者の場合、試料キャリヤは、切断エッジと、開口から延出した試料キャリヤの端部との間の、切断エッジよりも上方のどこかで破断される。
【0022】
本発明による装置の別の実施の形態は、試料キャリヤの一部分を収容するための開口が、試料キャリヤを収容するための主要部分と、補助部分とを有しており、この補助部分は、試料キャリヤを所定の位置に保持するようになっており、主要部分と、補助部分とは、共同で一つの開口を形成している。
【0023】
この実施の形態は、一方では、主要部分が、試料キャリヤを開口に容易に挿入するために十分に大きな開口を提供し、他方では、補助部分が、試料キャリヤが特定の位置に保持されることを可能にする。この位置において、試料キャリヤにおいて切断を行うためにカッタを使用することができる。補助部分は、試料キャリヤを補助開口内に圧入することができるように、少なくとも試料キャリヤの一部分の直径と等しいか又はそれよりも幾分小さな直径を有することによって試料キャリヤを所定の位置に保持するように適応されていてよい。その結果、好適な実施の形態において、補助部分は、収容された試料キャリヤを圧入によって保持するように設計されている。補助部分においてこのような圧入の状態に移動させる場合には、試料キャリヤは、より簡単に切断されてよい。それと同時に、又は補助部分の存在と無関係の択一的な実施の形態において、開口の主要部分は、収容された試料キャリヤを、遊びを備えて保持するように設計されていてよい。これは、装置への試料キャリヤの容易な導入を提供する。有利には、主要部分の直径は、試料キャリヤの最も大きな直径よりも大きく、これにより、挿入の間に試料をキャリヤから引きずることなく、試料キャリヤの滑らかな挿入を可能にする。その結果、別の実施の形態において、開口の補助部分の寸法は、主要部分の寸法よりも小さい。
【0024】
主要部分と補助部分とを提供する開口の場合、閉鎖位置に配置された時に、蓋が開口の主要部分を閉鎖することが有利である。これは、試料キャリヤが、切断のために開口の補助部分に対応する位置へ移動させられる前に、最初に試料キャリヤを収容するために使用された開口の部分の閉鎖を可能にする。補助部分は、最後に、切断の後、試料キャリヤ自体の残りの部分によって被覆若しくは閉鎖されてよい。
【0025】
さらに、特に、蓋の切断エッジが、閉鎖位置において補助部分内へ延びている場合、閉鎖された蓋は、部分的に、開口の補助部分をも閉鎖してよい。これは、さらに、試料キャリヤの残りの部分を開口の補助部分に対応する位置に保持させることを助ける。
【0026】
別の好適な実施の形態において、蓋は、蓋を開口に対して開放位置から閉鎖位置へ移動させる時に試料キャリヤが開口の補助部分へ押し込まれるように、設計されている。これは、単に蓋を移動させることによって全ての3つの動作、すなわち、試料キャリヤを開口の補助部分内へ移動させ、試料キャリヤにおいて切断を行い、少なくとも開口の一部分を閉鎖することが、自動的に行われるので、手動で行われるステップを減じることを助ける。
【0027】
本発明による別の実施の形態は、蓋が摺動可能又は回転可能であることを特徴とする。
【0028】
この実施の形態は、これらの2つの動作形式が、試料キャリヤとカッタとを互いに押し付けるために適した蓋の容易な操作を可能にするという利点を有する。
【0029】
本発明による装置の別の実施の形態は、装置が、蓋の閉鎖位置を示すための終端を有することを特徴とする。
【0030】
この実施の形態は、終端が、装置のオペレータに、試料キャリヤを収容するための開口が完全に閉鎖されているかどうかを知らせるための容易な手段を提供するという利点を有する。装置の閉鎖は、化学分析が、生物学的物質を含む危険な化学物質を伴う場合には特に重要である。
【0031】
本発明による装置の別の実施の形態は、化学分析が分子診断検査であることを特徴とする。
【0032】
この実施の形態は、分子診断検査が発明から利益を得るという特徴を有する。なぜならば、試料キャリヤを開口を通じて挿入することができ、かつ試料キャリヤの一部のその後の除去及び開口の閉鎖を必要とする装置は、この分野において頻繁に使用されるからである。
【0033】
本発明による別の実施の形態は、装置がカートリッジであり、カートリッジが、カートリッジを処理するための機器に挿入可能であることを特徴とする。
【0034】
この実施の形態は、検査において使用するための装置に設けられた開口を通じて試料キャリヤを挿入し、試料キャリヤの一部分を除去し、試料キャリヤが挿入された開口を閉鎖することを必要とする、分子診断検査を含む化学的試験は、しばしば、カートリッジを取り扱うための機器に挿入することができるカートリッジを用いるという利点を有する。その結果、このようなカートリッジは、本発明から利益を得る。
【0035】
蓋の形状と、装置における蓋の配置とに関して、以下の好適な実施の形態が開示される。
【0036】
蓋は、長さと、幅と、高さとを有する平坦なエレメントとして形成されていてよく、長さ及び幅はそれぞれ、少なくとも高さの5倍を超えている。これにより、装置は、薄い、小さなスケールの装置として実現することができる。好適な実施の形態において、装置は、壁部を備えたハウジングを有しており、壁部は、凹部を有している。開口は、壁部の凹部に配置されている。蓋は、凹部に可動に配置されている。これにより、装置は、薄い小さなスケールの装置となることができ、オペレータが、装置を保持するのと同時に、開口を閉鎖するために蓋を及び/又は試料キャリヤにおいて切断を行うためにカッタを操作するための位置にある時に、蓋が容易に掴まれる。特に、壁部の凹部は、蓋の平坦な底面に面した平坦な上面を有していてよい。壁部における凹部の高さは、蓋の高さに対応していることも有利である。これは、カッタのための突出した支持構造を必要とすることなく、薄い、小さなスケールの装置を構成することを支援する。別の実施の形態によれば、蓋は、蓋の手動での移動を支援するための掴み手段を有している。このような掴み手段は、ハンドル、又はオペレータが蓋を移動させることができるようにするための、蓋の上面の粗くなった部分として、実現されていてよい。別の実施の形態において、平坦な蓋の長さ及び幅によって規定された領域として理解される、蓋の平面寸法は、やはり同様に凹部の長さ及び幅として理解される、壁部の凹部の平面寸法よりも小さい。
【0037】
本発明の課題は、さらに、
請求項18記載の装置と、
請求項18記載の機器とを有するシステムによって実現される。
【0038】
前記システムは、前記実施の形態のうちのいずれか一つから利益を得る。
【0039】
本発明の課題は、さらに、試料キャリヤにおいて切断を行うための方法によって実現され、この方法は、以下のステップ、すなわち、
試料キャリヤを収容するための開口に試料キャリヤを配置するステップと、
開口から延出した試料キャリヤの部分においてカッタを用いて切断を行うステップとを有しており、
切断を行うステップにおいて、切断は、蓋を、開口が開放している位置から、少なくとも開口の一部分が閉鎖される位置へ移動させることによって行われることを特徴とする。
【0040】
好適な実施の形態において、閉鎖位置において、開口による試料キャリヤの収容後に試料キャリヤによって開放したままにされている、少なくとも開口の一部分が、閉鎖されるように、蓋は設計されている。
【0041】
前記実施の形態は、同様に、装置、システム、及び方法に関する。共同の効果が、実施の形態の様々な組合せから生じるが、これらは詳細に説明されていない。
【0042】
本発明の前記態様及びその他の態様、特徴及び利点は、以下に説明される実施の形態の例からも導き出すことができ、実施の形態の例に関連して説明される。発明は、実施の形態の例に関連して以下により詳細に説明されるが、それに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による装置の実施の形態を概略的に示す図である。
【図2】本発明による装置の別の実施の形態を概略的に示す図である。
【図3】本発明による装置の別の実施の形態を概略的に示す図である。
【図4】本発明による装置の別の実施の形態を概略的に示す図である。
【図5】本発明によるシステムの実施の形態を概略的に示す図である。
【図6】本発明による方法の実施の形態を概略的に示す図である。
【0044】
実施の形態の詳細な説明
図1は、本発明による装置の実施の形態を概略的に示している。この図は、カートリッジを取り扱うための機器に挿入可能なカートリッジであってよい装置1を示している。カートリッジは、例えば唾液又は便の試料を検査するための分子診断カートリッジであってよい。カートリッジは、カートリッジ内の試料を処理するのに適した機器に挿入可能であり、この機器は、例えば、カートリッジ内の試料のための加熱、冷却、細胞溶解、及びデータ収集サービスを提供してよい。
【0045】
この図は、さらに、この場合スワブである試料キャリヤ5を示している。択一的に、試料キャリヤは、ブラシ、スティック等であってよい。通常、試料キャリヤ5は棒状である。装置1は、試料キャリヤ5を収容するための開口10を有している。図1aにおける矢印は、試料キャリヤ5が開口10に向かって、部分的にこの開口10内へ移動していることを示している。この特定の実施の形態において、開口10は主要部分15を有しており、この主要部分15を通って試料キャリヤ5は装置に進入し、さらに開口10は、試料キャリヤ5を特定の位置に保持するようになっている補助部分20を有している。この場合、補助部分20の寸法は、試料キャリヤ5が補助部分20内に密着して嵌合するようになっている。その結果、試料キャリヤ5を補助部分20に位置決めすることができ、その後、試料キャリヤ5は、互いの寸法により、補助部分20によって所定の位置に保持される。しかしながら、本発明の場合、補助部分20の存在は不要である。装置1は、さらに、蓋25を有している。蓋25は、図1bに矢印によって示したように摺動可能である。この特定の実施の形態において、蓋25は、カッタとして機能する切断エッジ30を有している。蓋25を並進させる場合、切断エッジ30は、開口10から延出した、試料材料を保持していない試料キャリヤ5の部分において切断を行う。試料材料は、試料キャリヤ5の先端35に位置している(図1a参照)。切断を行うのと同時に、蓋25は、開口10への試料キャリヤ5の挿入後に開放したままになっている、少なくとも開口の部分、すなわち、この実施の形態において特に開口10の主要部分15を、閉鎖する。切断が行われた後、開口10から延出した試料キャリヤ5の部分を破断して除去することができる。これは図1cに示されている。図1dは、蓋25が閉鎖位置にある装置1を示している。蓋25は、開口10の主要部分15と、補助開口20の一部とを閉鎖している。補助開口20自体は、開口10からもともと延出していた試料キャリヤ5の部分が破断されて除去された後に装置1に残っている試料キャリヤ5の部分によって閉鎖される。破断されて除去された試料キャリヤ5の部分は、装置1の隣に示されている。図1は、さらに、支持構造40を示している。この支持構造40は、蓋25を案内する。しかしながら、支持構造40は、蓋25に設けられた切断エッジ30へのアクセスも制限する。この実施の形態において、支持構造40によって切断エッジ30へのアクセスを制限することは、一方では、蓋25が開放位置にある時に(図1a)切断エッジ30の隣に支持構造40を有することによって、他方では、支持構造40を凹みとして成形することによって、達成される。これらの2つの手段のそれぞれは、切断エッジ30へのアクセスを制限するために十分である。蓋25及び開口10は領域45に配置されており、この領域45の表面は、図1aにおいて試料キャリヤ5に面した装置1の面の他の部分よりも、装置1の内部により近く配置されており、すなわち、カートリッジの表面は、この領域45において凹んでいてよい。この実施の形態において、支持構造40は基本的に、領域45を包囲する縁部によって形成されている。
【0046】
図2は、本発明による装置の別の実施の形態を概略的に示している。この図は、基本的に、図1aに示されたものと同じ装置を示している。対応するエレメントには、図1と同じ参照符号が付されている。しかしながら、この図では、開口10の補助部分20は設けられていない。これは、概して補助部分20は本発明のために不要であることを例示するだけである。もちろん、本発明による装置は、補助部分20を有するように適応されてもよい。蓋25に設けられた切断エッジ30は、矢印で示したように蓋25の移動方向に面している。前の図面と同様に、試料キャリヤ5を開口10に挿入することができる。試料キャリヤ5を開口10に挿入した後、蓋25が開口10に向かって移動させられる。蓋25が開口10を覆い始めると、切断エッジ30は、開口10から延出した試料キャリヤ5の部分において切断を行い始める。試料キャリヤ5が切断によって十分に弱められると、図1に示された手順と同様に、開口10から延出した試料キャリヤ5の部分を破断して除去することができる。しかしながら、この実施の形態において、蓋25は、開口10を完全に被覆することができる。これは、カッタ、この場合は切断エッジ30が、蓋25の移動方向に配置されている結果である。この実施の形態において、切断エッジ30は、蓋25の移動方向に対して90゜とは異なる角度で傾斜させられている。これは、切断機能を高める。本発明の全ての実施の形態に関連して、切断エッジ30、又はより一般的にカッタは、歯が設けられていてもよい(図示せず)。
【0047】
図3は、本発明による装置の別の実施の形態を概略的に示している。この図は、前の2つの図面に示されたものと同様の装置を示している。同様のエレメントには同じ参照符号が付されている。しかしながら、この図において、試料キャリヤにおいて切断を行うために、並進運動ではなく回転運動が利用される。装置1は、回転可能な蓋50を有している。回転可能な蓋50は、蓋50を、一点鎖線によって示された軸線を中心にして回転させるためのグリップ55を有している。装置1は、試料キャリヤ5を収容するための開口10を有している。開口10は、図1に示したように、主要部分15と、補助部分20とを有している。しかしながら、既に図2に示したように、これは必須ではない。補助部分20は、蓋50の回転軸線に向けられており、すなわち、補助部分20は、主要部分15よりも蓋50の中心に近く配置されている。蓋50は、さらに、ディスク60を有している。ディスク60は、様々な半径を有する様々な領域を有している。半径R1を有する第1の領域は、試料キャリヤ5を収容するために開口10を開放させておく。第2の領域は、R1よりも大きな半径R2を有している。半径R2を有する第2の領域は、第2の領域が切断エッジ30を有していることにより、カッタを形成している。半径R2は、第2の領域が試料キャリヤ5に沿って移動した時に切断エッジ30が試料キャリヤ5において切断を行うようになっている。切断が行われた後、図1及び図2に示したように、装置1から延出した試料キャリヤ5の部分を破断して除去することができる。その後、蓋50をさらに回転させることができ、R2よりも大きな半径R3を有する第3の領域が、開口10を完全に被覆する。
【0048】
図3bは、図3aに示したものと同様の装置1を示している。この場合も、同様のエレメントには同じ参照符号が付されている。しかしながら、この場合は、開口10の補助部分20は、周方向で主要部分15に隣接して配置されており、蓋50が回転すると、蓋が、主要部分15と、補助部分20とに、順次に到達する。蓋50は、半径R1を有する第1の領域を有しており、この第1の領域は、試料キャリヤ5を収容するために開口10を開放させておく。蓋50は、さらに、図2に示した切断エッジ30と同様の切断エッジ30を有する切断領域65を有している。蓋50が、示された方向に回転すると、切断エッジ30は試料キャリヤ5に係合する。この場合も、試料キャリヤ5において切断が行われ、その後、装置1から延出した試料キャリヤ5の部分を破断して除去することができる。その後、蓋50をさらに回転させることができ、R1よりも大きな半径R2を有する第2の領域は、開口10を完全に被覆する。
【0049】
図3cは、図3a及び図3bに示した装置と同様の装置1を示している。この場合にも、同様のエレメントには同じ参照符号が付されている。この実施の形態において、補助開口20は、蓋50の回転軸線から離れる方向へ向けられており、すなわち、補助開口は、主要部分15よりも、蓋50の中心から離れて配置されている。この配置は、蓋50が切断エッジ30と試料キャリヤ5とを互いに押し付ける時に、蓋50が試料キャリヤ5を開口10の補助部分20へ押し込む傾向があるという利点を有する。蓋50は、半径R1を有する第1の領域を有しており、この第1の領域は、試料キャリヤ5を収容するために開口10を開放させておく。蓋50は、さらに、R1よりも大きな半径R2を有する第2の領域を有している。第2の領域は切断エッジ30を有している。R2は、切断エッジ30が、試料キャリヤ5が固定された位置に保持されている補助部分20に沿って部分的に通過した時に、試料キャリヤ5において切断を行うことができるようになっている。この場合も、切断が行われた後、装置1から延出した試料キャリヤ5の部分を破断して除去することができる。蓋50が十分な角度にわたって回転させられると、蓋50の第2の領域は、開口10の主要部分15を完全に被覆することができる。試料キャリヤ5の残りの部分を破断して除去した後、開口10の補助部分20は、装置1と共に残っている試料キャリヤ5の部分によって閉鎖される。択一的に、蓋50は、さらに、半径R3を有する第3の領域(図示せず)を有していてよく、R3はR2よりも大きい(例えば、同様の構成について図3aを参照)。R3が十分に大きいならば、蓋50は、試料キャリヤ5において切断が行われた後に、半径R3を有する第3の領域が開口10の主要部分15と補助部分20とを被覆するように、回転させられてよい。
【0050】
図4は、本発明による装置の別の実施の形態を概略的に示している。図4aは、図1に示された装置1と同様の装置を示している。この場合にも、同様のエレメントには同じ参照符号が付されている。しかしながら、この図面における装置1は、図1に示されていない複数の特徴を有している。この図面のこれらの特徴のいずれも、他の図面に示された装置と組み合わされてもよいことが当業者に明らかであろう。
【0051】
図4aにおいて、切断エッジは、蓋25ではなく、開口10の補助部分20の縁部に設けられている。これは、蓋25の厚さを選択する際の自由度を高め、これは、注型成形等の製造方法を採用する場合に有利である。例えば、切断エッジを有する蓋が薄くなりすぎると、試料キャリヤと切断エッジとを押し付ける時に蓋が曲がってしまう。これは、切断エッジの表面が、蓋の移動方向に対して90゜ではない角度で傾斜させられている一方で、試料キャリヤがこの方向に対して90゜であることによるものである。
【0052】
図4aは、図1に示した蓋25と比べて、付加的な付属部25aを有する蓋25を示している。付加的な付属部25aにより、蓋25が開放位置から閉鎖位置に向かって十分に移動させられると、蓋25は開口10の主要部分15と補助部分20とを被覆することができる。
【0053】
この図に示された蓋25は、さらに、領域25bを有しており、この領域25bの縁部は、蓋の移動方向に対して90゜ではない角度で傾斜させられている。その結果、蓋25を閉鎖位置へ移動させる場合、領域25bの傾斜した縁部が試料キャリヤ5に接触するまで、領域25bのより狭い端部は、開口10の補助部分20における試料キャリヤ5を通過する。その時点から、領域25bの傾斜した縁部は試料キャリヤを開口10の補助部分20内へ押し込む。
【0054】
補助部分20の寸法が、試料キャリヤ5を補助部分20内へさらに移動させるようになっているならば、領域25bの傾斜した縁部を用いて押し付けることにより、試料キャリヤ5は、補助部分20の縁部に設けられた切断エッジ30に沿って移動する。切断エッジ30に沿った試料キャリヤ5の移動は、さらに、試料キャリヤ5内への切断エッジ30による切断の形成を高める。これは、例えば、開口10の主要部分15からスリット(図示せず)のように延びた補助部分20によって達成することができる。従って、補助部分20の幅と、試料キャリヤ5の幅とは、以下のようになっている。つまり、補助部分20と試料キャリヤ5とが共同で試料キャリヤ5を補助部分20において特定の向きで固定させるのに対し、補助部分20を形成するスリットは、領域25bの傾斜した縁部を用いて加えられる押付け力を受けて試料キャリヤ5を主要部分15からさらにスリット内へ移動させるように十分に長くなっている。要するに、領域25bの傾斜した縁部は、試料キャリヤ5を補助部分20内へさらに押し込むために使用され、補助部分20の縁部に設けられた切断エッジ30に沿った試料キャリヤ5の移動を生ぜしめる。
【0055】
開口10の補助部分20は、試料キャリヤが補助部分に挿入されると、試料キャリヤを固定された位置に保持することをさらに容易にするように成形されていてよい。このために、補助部分は、補助部分20が主要部分15に結合されている位置から、補助部分の閉鎖された端部まで狭まっていてよい(図示せず)。
【0056】
領域45aの形状は、蓋25の形状の一部分に対して相補的である。その結果、領域45aの縁部は、開放位置から閉鎖位置への蓋25の移動のための終端を形成している。蓋25が、領域45aの縁部に当接させられると、装置1のオペレータは、開口10が完全に閉鎖されたことを確信することができる。開口10が閉鎖されていることを保証することは、装置1又は試料キャリヤ5によって支持された試料が化学物質又は生物物質等の危険な材料を含む場合に、特に重要である。蓋25が閉鎖位置に到達したことを示すために、蓋25、領域45a、及び/又は領域47に、着色符号が提供されてもよい。蓋25及び領域47には、例えば、45aの領域の色とは異なる色(蓋25及び領域47において同じであってよい)が提供されてよい。領域45aの色が依然として見えている限りは、蓋25はまだ閉鎖位置に到達していない。終端は様々な態様で提供されてよいことが当業者に明らかであろう。この図に示された実施の形態に代えて、領域45aは、蓋25が閉鎖位置において接触する突出部を有していてよい。蓋25は、凹所を有していてよく、この凹所の形状は突出部の形状に対して相補的である。
【0057】
図4bは、図4aに示された装置のための切断エッジ30の実施の形態を、図4aに示したIVbc−IVbc線に沿って見た状態で、概略的に示している。切断エッジは、試料キャリヤの収容方向に関して、開口10の補助部分20を形成する上面90よりも下方に位置している。
【0058】
図4cは、図4aに示された装置1のための切断エッジ30の好適な実施の形態を、図4aに示したIVbc−IVbc線に沿って見た状態で、概略的に示している。切断エッジ30は、この場合、開口10の補助部分20を形成する上側平面90に位置している。この実施の形態は、切断エッジ30によって切断が行われた後に試料キャリヤ5を破断することができる位置が、図4bに示された切断エッジ30を用いる場合よりも、明確に規定されるという利点を有している。この実施の形態においては、切断エッジ30によって切断が行われた後に試料キャリヤ5が十分に曲げられると、試料キャリヤ5は切断エッジ30の位置において破断する。図4bにおいては、試料キャリヤ5は切断エッジ30よりも上方のどこかで破断する恐れがある。なぜならば、この配置では、試料キャリヤ5は、図に点線で示されているように、曲がるためのより大きな空間を有するからである。
【0059】
図4cは、さらに、試料キャリヤ5における切断の形成の間、又は切断が行われた後に試料キャリヤ5を破断するために試料キャリヤ5を曲げる間、試料キャリヤ5の移動を制限するための支持部100を示している。この支持部100は、本発明の実施の形態による装置に挿入された試料キャリヤ5の部分の全長に沿って延びていてもよいし、延びていなくてもよい。この図において、装置から延出した試料キャリヤ5の部分が図の左側に向かって曲げられた時に試料キャリヤ5の挿入された部分の曲げを制限する。別の方向での曲げを制限するために、支持部100は、当業者に明らかなように、この図に示された位置とは対応して異なる位置に配置されるべきである。装置から延出した試料キャリヤ5の部分が図の右側に向かって曲げられる場合は、支持部100は、図4cに示したように補助部分20の開口の右側ではなく、左側に配置されるべきである。支持部100は、補助部分20の縁部から、本発明の実施の形態による装置内へ延びていてよい。この図に示された支持部100の代わりに、又はこの支持部100に加えて、試料キャリヤ5の移動は、試料キャリヤ5が挿入される容積を形成した壁部に設けられた壁部分によって制限されてもよい。その場合、この図に示された支持部100は、試料キャリヤ5が挿入された容積200を仕切る壁部に設けられていてよい。択一的に又は付加的に、試料キャリヤ5の移動は、専用の支持部100と、試料キャリヤ5が挿入される容積を形成した壁部に設けられた壁部分とによって制限されてよい。その場合、支持部100は、一方の方向での移動を制限し、壁部分が、別の方向での移動を制限してよい。
【0060】
図5は、本発明によるシステムの実施の形態を概略的に示している。この図は、前の図のいずれかに示された装置と同様の装置1を示している。この特定の実施の形態において、装置1は、図1dに示された装置1と同じものである。装置1を収容しかつ取り扱うための機器70も示されている。システム75は、機器70と、装置1とを有している。この実施の形態において、装置1は、装置1に試料材料を提供するために使用された試料キャリヤの一部分が、前の図面に示された手順に従って破断及び除去された後に機器70に挿入することができるカートリッジを形成している。装置1は、化学反応を行うための成分を保持していてよいのに対し、機器70は、化学反応を行って検出するための設備を提供する。機器70は、例えば、装置1に、加熱、冷却、細胞溶解、及びデータ収集設備を提供してよい。装置1は、例えば、前の図に示されたような試料キャリヤを用いて装置1に挿入された唾液、便、又は血液の試料における1つ又は2つ以上の病原菌の存在を検出するためのカートリッジであってよい。様々な装置1である様々なカートリッジが、様々な検査を行うために機器70に挿入されてよい。
【0061】
図6は、本発明による方法の実施の形態を概略的に示している。ステップ80において、試料キャリヤは、試料キャリヤを収容するための装置に設けられた開口に配置される。次に、ステップ85において、蓋は、開口が開放している位置から、開口が閉鎖される位置へ移動させられる。この移動の間、蓋は、試料キャリヤをカッタと係合させ、これにより、試料キャリヤの切断が行われる。切断が行われると、開口を通って装置から延出した試料キャリヤの部分を破断して除去することができる。
【0062】
上記実施の形態は、発明を限定するのではなく、例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく多くの択一的な実施の形態を構成することができるであろう。請求項において、括弧の間に配置された符号は、請求項を限定するものであると解釈すべきではない。「含む」との記載は、請求項に列挙されたエレメント又はステップ以外のエレメント又はステップの存在を排除しない。単数で示したエレメントは、複数のこのようなエレメントの存在を排除しない。複数の手段を列挙したシステム請求項において、複数のこれらの手段を、コンピュータ読取り可能なソフトウェア又はハードウェアの1つの同じアイテムによって具体化することができる。互いに異なる従属請求項に記載された手段は、これらの手段の組合せを有利に用いることができないことを示していない。
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料材料の化学分析において使用するための装置であって、
分析される試料材料を含む試料キャリヤ(5)を収容するための開口(10)と、
前記試料キャリヤ(5)において切断を行うためのカッタとが設けられている形式のものにおいて、
可動な蓋(25)が設けられており、該蓋が、該蓋(25)を第1の位置から、前記開口(10)の少なくとも一部分が蓋(25)によって閉鎖される第2の位置へ移動させることによって前記開口(10)の密閉を行い、かつ前記蓋は、同じ移動によって、前記カッタと、前記試料キャリヤ(5)とを互いに押し付けるようになっていることを特徴とする、試料材料の化学分析において使用するための装置。
【請求項2】
前記カッタが、切断エッジ(30)によって形成されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記切断エッジ(30)は、ポリカーボネートを含む又はポリカーボネートから形成されている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記カッタは、蓋(25)に設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
支持構造(40)が設けられており、蓋の移動の少なくとも一部の間、前記蓋(25)が前記支持構造(40)に沿って可動である、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記支持構造(40)は、少なくとも、カッタが設けられた蓋(25)の側に配置されている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記カッタは、前記開口(10)を形成している縁部に設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記切断エッジ(30)は、前記開口(10)の平面に位置している、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記試料キャリヤを収容するための開口(10)が、試料キャリヤ(5)の一部分を収容するための主要部分(15)と、補助部分(20)とを有しており、該補助部分(20)は、試料キャリヤ(5)を所定の位置に保持するようになっており、主要部分(15)と補助部分(20)とは共同で一つの開口(10)を形成している、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記開口(10)の補助部分(20)は、主要部分(15)よりも小さい、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記補助部分(20)は、収容された試料キャリヤ(5)を圧入によって保持するように設計されており、前記主要部分(15)は、収容された試料キャリヤ(5)を、遊びを備えて保持するように設計されている、請求項9又は10記載の装置。
【請求項12】
前記蓋(25)の第2の位置において、開口(10)の主要部分(15)は蓋(25)によって閉鎖されている、請求項9から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
前記蓋の第2の位置において、開口(10)の補助部分(20)は蓋(25)によって完全には被覆されていない、請求項9から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記蓋(25)は、該蓋(25)を第1の位置から第2の位置へ移動させる時に試料キャリヤ(5)が開口(10)の補助部分(20)へ押し込まれるように、設計されている、請求項9から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
前記蓋(25)は、摺動可能又は回転可能である、請求項1から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
蓋(25)の閉鎖位置を示すための終端が設けられている、請求項1から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
前記化学分析が、分子診断検査である、請求項1から16までのいずれか1項記載の装置。
【請求項18】
前記装置はカートリッジであり、該カートリッジは、該カートリッジを処理するための機器(70)に挿入可能である、請求項1から17までのいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
前記蓋(25)が、長さと、幅と、高さとを備える平坦なエレメントであり、長さと、幅とのそれぞれが、最小でも高さの5倍を超えている、請求項1から18までのいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
壁部を備えたハウジングが設けられており、前記壁部は凹部を有しており、前記開口(10)が、前記壁部の凹部に配置されており、前記蓋(25)が、前記凹部に可動に配置されている、請求項1から19までのいずれか1項記載の装置。
【請求項21】
前記壁部に設けられた凹所の高さが、蓋(25)の高さに相当する、請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記蓋(25)が、蓋(25)の手動による移動を補助するための掴み手段(55)を有している、請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記蓋(25)の平坦な寸法が、前記壁部の凹部の平坦な寸法よりも小さい、請求項20又は22記載の装置。
【請求項24】
前記蓋(25)が、平坦な底面を有しており、前記壁部の凹部が、平坦な上面を有しており、蓋(25)の平坦な底面が、壁部の凹部の平坦な上面の上に配置されている、請求項20から23までのいずれか1項記載の装置。
【請求項25】
前記可動な蓋(25)が、
a.開口(10)を完全に閉鎖する
b.試料キャリヤ(5)が開口(10)によって収容された時に試料キャリヤ(5)によって開放したままにされている開口(10)の部分を閉鎖する
のいずれか一方によって開口(10)の密閉を行うように設計されている、請求項1から24までのいずれか1項記載の装置。
【請求項26】
前記蓋(25)を第2の位置に保持するための手段が設けられている、請求項1から25までのいずれか1項記載の装置。
【請求項27】
システムにおいて、
請求項18記載の装置と、
請求項18記載の機器(70)とが設けられていることを特徴とする、システム。
【請求項28】
試料キャリヤにおいて切断を行う方法であって、
試料キャリヤ(5)を、該試料キャリヤ(5)を収容するための開口(10)に配置するステップと、
前記開口(10)から延出した試料キャリヤ(5)の部分においてカッタを用いて切断を行うステップとを含む方法において、
切断を行うステップにおいて、切断が、蓋(25)を、前記開口(10)が開放している第1の位置から、前記開口(10)の少なくとも一部分が閉鎖されている第2の位置へ移動させることによって行われ、この移動が開口の密閉を行うことを特徴とする、試料キャリヤにおいて切断を行う方法。

【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−525821(P2012−525821A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508870(P2012−508870)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/CH2010/000119
【国際公開番号】WO2010/127464
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(510089557)ビオカルティ ソシエテ アノニム (10)
【氏名又は名称原語表記】Biocartis SA
【住所又は居所原語表記】Quartier Innovation EPFL−G, CH−1015 Lausanne, Switzerland
【Fターム(参考)】