説明

試験装置

【課題】システム全体の処理時間を短縮できる試験装置を提供する。
【解決手段】要求信号送信部232は、要求信号を送信する。応答信号判断部236は、応答信号が、通信が異常であるか否かを判断する。通信が正常である場合、時刻比較部238は、共有サーバ3からの最新時刻情報と試験結果格納部220からの最新時刻情報とを比較する。両者が一致しない場合、試験結果取得部240は、共有サーバ3から、試験結果情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験器に対して試験を行う試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、故障装置とそれに対応する計測装置とを自動的に接続して性能試験を行い、試験結果に基づいて故障部位を特定する試験装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−304129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、システム全体の処理時間を短縮できる試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る試験装置は、被試験器に対して試験を実行する試験装置であって、この試験装置は、当該試験装置とは別の1つ以上の他の試験装置とともに記憶装置と接続可能であり、前記記憶装置は、当該試験装置および前記1つ以上の他の試験装置によって実行されて得られた試験結果を、試験が実行された時刻とともに記憶し、前記被試験器に対して試験を実行して得られた試験結果を前記記憶装置に送信する試験結果送信手段と、前記記憶装置に記憶された前記1つ以上の他の試験装置の試験結果を取得する試験結果取得手段と、前記取得された前記他の試験装置の試験結果を、試験が実行された時刻とともに記憶する試験結果記憶手段と、前記記憶装置に対して、この記憶装置と当該試験装置とが通信可能か否かを確認するための応答信号を要求する要求信号を送信する要求信号送信手段と、前記記憶装置から、前記要求信号に応答して送信された応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答手段によって前記応答信号が受信され、受信された応答信号が通信可能であることを示す場合に、前記試験結果記憶手段に記憶された前記他の試験装置の試験結果に関する時刻と、前記記憶装置に記憶された前記他の試験装置の試験結果に関する時刻とを比較する比較手段とを有し、
前記比較手段によって、前記記憶装置に記憶された前記他の試験装置の試験結果に関する時刻が、前記試験結果記憶手段に記憶された前記他の試験装置の試験結果に関する時刻よりも新しいと判断された場合に、前記試験結果取得手段は、前記記憶装置に記憶された前記他の前記試験装置の試験結果を取得する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、システム全体の処理時間を短縮可能な試験装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態にかかる試験システムおよび試験装置の構成を示す図である。
【図2】試験装置において動作する試験プログラム、および、試験プログラムにおいて処理される各情報の構成を示す図である。
【図3】試験プログラムによる試験結果情報の取得処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施形態にかかる試験システム1および試験装置2の構成を示す図であり、(A)は本実施形態に係る試験システム1の構成を示し、(B)は試験システム1の試験装置2のハードウェア構成を示す。
図1(A)に示すように、試験システム1は、試験装置2−1〜2−N、測定器120−1〜120−nが、LAN(Local Area Network)などのネットワーク100を介して接続されて構成されている。
また、測定器120−1〜120−nには、切替器102を介して、被試験器110−1〜110−m(N,n,mは2以上の整数。但し、N,n,mがそれぞれ常に同じ数とは限らない)が接続されている。
試験装置2−1〜2−Nは、被試験器110−1〜110−mおよび共有サーバ3と、ネットワーク100を介して接続されている。
【0009】
なお、以下の各図において、図示の具体化および明確化のために、本実施形態の説明に必要ない構成部分が、適宜、省略される。
さらに、以下、試験装置2−1〜2−Nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に試験装置2などと略記することがある。
【0010】
また、図1(A)に示した試験システム1を構成する装置のうち、任意の2つ以上は、適宜、一体に構成されうる。
また、ある1つの装置において実現される複数の機能が、それぞれ別々の装置において実現されるようにしてもよいし、図1(A)に示されていない装置において実現されるようにしてもよい。
【0011】
ネットワーク100は、たとえば、LAN(Local Area Network)などであり、信号を伝送するための伝送路である。
試験装置2は、たとえばコンピュータであって、測定器120を用いて、被試験器110に対して所定の試験を実行する。
また、試験装置2は、ネットワーク100を介して、測定器120、切替器102、被試験器110および共有サーバ3と通信を行うように構成されている。
【0012】
被試験器110は、たとえば無線機などであって、試験装置2によって実行される試験の対象となる。
測定器120は、汎用の測定機器であって、試験装置2が実行する試験で使用され、試験装置2からの制御信号に応じて、試験信号を発信する。
切替器102は、各被試験器110から出力信号を受け入れ、試験装置2からの切替信号に応じて、どの被試験器110から発信された出力信号を測定器120に対して送信するかを選択し、選択された出力信号を測定器120に送信する。
共有サーバ3は、試験装置2−1〜2−N間の通信を仲介し、また、試験装置2−1〜2−Nからの試験結果を示す情報(図2(B)を用いて後述する試験結果情報)を格納する。
【0013】
試験装置2は、被試験器110に対して、測定条件を示す情報(測定条件情報)を送信する。
被試験器110は、試験装置2から受信した測定条件情報に従って信号を出力し、その出力信号は、切替器102を介して測定器120に入力される。
測定器120は、被試験器110からの出力信号を測定し、その結果得られた試験結果を示す信号(試験結果信号)を、試験装置2に対して送信する。
また、試験装置2は、試験の内容に応じて、試験対象の被試験器110と使用する測定器120とを選択する。
さらに、試験装置2は、選択された被試験器110からの出力信号が選択された測定器120に送信されるようにするための切替信号を、切替器102に対して送信する。
【0014】
また、本実施形態にかかる試験システム1においては、複数の試験装置2−1〜2−Nが、複数の測定器120−1〜120nおよび切替器102を使用して、複数の被試験器110−1〜110−mに対して並列に試験を実行することができる。
また、試験装置2−1がある試験を実行する場合であって、試験装置2−1に直接接続されていない測定器120−2を使用するとき、試験装置2−1は、測定器120−2が接続された試験装置2−2に対し、ネットワーク100および共有サーバ3を介して、測定指示を送信する。
これによって、試験装置2−1は、直接接続されていない測定器120−2を使用して、試験を実行することができる。
また、共有サーバ3に格納された各試験装置2からの試験結果情報は、他の試験装置2からも参照することができるようになっている。
【0015】
図1(B)に示すように、試験装置2は、CPU152およびメモリ154などを含む本体150、キーボードおよび表示装置などを含む入出力装置156、他の装置との通信を行う通信装置158、および、CD装置およびHDD装置など、記録媒体162に対するデータの記録および再生を行う記録装置160から構成される。
つまり、試験装置2は、情報処理および他の装置との通信が可能なコンピュータとしてのハードウェア構成部分を有している。
【0016】
図2は、試験装置2において動作する試験プログラム20と、この試験プログラム20によって処理される情報および信号を示す図であり、図2(A)は、試験プログラム20を示す図であり、図2(B)〜(E)は、この試験プログラム20によって処理される情報および信号の構成を示す図である。
図2(A)に示すように、試験プログラム20は、操作部202、試験実行制御部206、通信IF208、切替器インタフェース(IF)210、測定器IF212、被試験器IF214、試験結果格納部220、表示部222、試験結果送信部224、試験結果取得モジュール23、および試験結果取得制御部230から構成される。
試験結果モジュール23は、要求信号送信部232、応答信号受信部234、応答信号判断部236、時刻比較部238、および試験結果取得部240から構成される。
【0017】
試験プログラム20は、たとえば、記憶媒体162を介して試験装置2に供給され、メモリ154にロードされ、試験装置2にインストールされたOS上で、試験装置2のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
この場合、操作部202および試験結果表示部222は入出力装置156によって実現されるようにしてもよいし、切替器IF210、測定器IF212および被試験器IF214は通信装置158によって実現されるようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、コンピュータである試験装置2が試験プログラム20を実行するとしたが、試験プログラム20の機能をハードウェアで構成することによって実現してもよい。
【0018】
操作部202は、作業者が試験項目等を選択するための機能であって、キーボードなどの入出力装置156に対する作業者の操作を受け入れ、その操作を示す信号を試験実行制御部206に対して出力する。
試験実行制御部206は、試験項目等を示す信号に基づいて、切替器102がその試験項目に対応する被試験器110からの出力信号を測定器120に送信するように、切替信号を、切替器IF210およびネットワーク100を介して、切替器102に対して送信する。
切替器102は、この切替信号に応じて、被試験器110からの出力信号をどの測定器120に送信するかを選択するように構成されている。
【0019】
また、試験実行制御部206は、試験対象の被試験器110に対して、試験項目に応じた測定条件を、被試験器IF214およびネットワーク100を介して送信する。
さらに、試験実行制御部206は、測定器120から、ネットワーク100および測定器IF212を介して試験結果信号を受信し、受信した試験結果信号に、時刻その他の必要な情報を付加して、試験結果情報を作成する。
さらに、試験実行制御部206は、作成した試験結果情報を試験結果格納部220に対して出力する。
【0020】
試験結果格納部220は、試験実行制御部206からの試験結果情報(自身の試験装置2によって実行された試験に関する試験結果情報)を格納する。
さらに、試験結果格納部220は、後述する試験結果取得モジュール23よって取得された、他の試験装置2によって実行された試験に関する試験結果情報を格納する。
【0021】
図2(B)は、試験結果格納部220が格納する試験結果情報のグループ(試験結果情報グループ)の構成を例示する図である。
図2(B)に例示するように、試験結果情報グループは、最新時刻情報(タイムスタンプ)と試験結果情報#1〜#M(Mは1以上の整数)とを含む。
最新時刻情報は、各試験装置2が実行した試験のうちの最新の時刻を示す。
試験結果情報#1〜#Mは、それぞれ、その試験の識別子である試験識別子、その試験を実行した試験装置2の識別子である試験装置識別子、その試験の対象の被試験器110の識別しである被試験器識別子、その試験に使用された測定器120の識別子である測定器識別子、その試験が実行された時刻(日時)に関する情報、および、試験結果データを含む。
【0022】
また、試験結果格納部220は、試験結果情報を受け入れたときに、既に格納されている試験結果情報のうち、試験識別子が同じものがあるか否かを判断し、試験識別子が同じ試験結果情報がある場合は、その試験結果情報に含まれる試験結果データおよび時刻の更新のみを行ってもよい。
試験結果格納部220は、新たな試験結果情報が格納された(あるいは更新された)場合に、最新時刻情報を、その試験結果情報に含まれる時刻に合わせて更新する。
【0023】
なお、共有サーバ3もまた、図2(B)に例示する態様で、各試験装置2に関する試験結果情報グループを格納する。
つまり、共有サーバ3は、各試験装置2から試験結果情報を受信する毎に、最新時刻情報を、その試験結果情報に含まれる時刻に合わせて更新する。
【0024】
試験結果格納部220は、試験結果情報が格納または更新された場合に、その試験結果情報を、表示部222に対して出力する。
表示部222は、試験結果格納部220からの試験結果情報を、入出力装置156に表示するための処理を行う。
【0025】
試験結果取得制御部230は、所定のタイミングで、共有サーバ3から、他の試験装置2の試験結果情報を取得するための処理を行う。
この所定のタイミングとは、例えば、自身の試験装置2の電源がONとなった場合、自身の試験装置2が試験を行って試験結果情報を格納または更新する場合、または試験結果情報の表示を行う場合である。
また、試験結果取得制御部230は、試験結果取得モジュール23の処理を制御し、状態判定フラグによって、試験結果取得モジュール23の処理内容の状態を管理する。
状態判定フラグは、送信完了ビット、応答ビット、および最新状態ビットを含む。
【0026】
試験結果取得モジュール23において、要求信号送信部232は、試験結果取得制御部230からの制御に応じて、図2(C)に例示する要求信号を、通信IF208およびネットワーク100を介して、共有サーバ3に対して送信する。
図2(C)は、要求信号の構成を例示する図である。
図2(C)に例示するように、要求信号は、この信号のタイプを指定するタイプコード、チェックサム、送信元(自身の試験装置2)アドレス、および宛先(共有サーバ3)アドレスを含む。
ここで、要求信号は、例えば、ICMP(Internet Control Message Protocol)メッセージである。
ICMPメッセージのタイプを、以下に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
この場合、要求信号のタイプコードは「8」(エコー要求)である。
また、試験結果取得制御部230は、要求信号送信部232が要求信号を送信すると、状態判定フラグの送信完了ビットを「0」から「1」に設定する。
【0029】
応答信号受信部234は、ネットワーク100および通信IF208を介して、共有サーバ3から、図2(D)または図(E)に例示する応答信号を受信する。
図2(D)および図(E)は、応答信号を例示する図であり、(D)は通信が正常であることを示す応答信号であり、(E)は通信が異常であることを示す応答信号である。
応答信号は、図2(D)および図(E)に例示するように、タイプコード、チェックサム、送信元(共有サーバ3)アドレス、および宛先(自身の試験装置2)アドレスを含む。
通信が異常であることを示す応答信号は、さらに、異常の種類を示すコードを含む。
応答信号は、要求信号と同様に、例えば、ICMPメッセージであり、応答信号のタイプコードは、表1のように、通信が正常である場合は「0」であり、異常である場合は「3」である。
また、通信が異常であることを示す応答信号(図2(E))の異常の種類を示すコードは、例えば、以下の宛先到達不能コードから選択される。
【0030】
【表2】

【0031】
応答信号判断部236は、試験結果取得制御部230の制御に応じて、応答信号受信部234が受信した応答信号が、通信が正常であることを示すか異常であることを示すかを判断する。
具体的には、応答信号判断部236は、応答信号のタイプコードが「0」(エコー応答)であるか「3」(宛先到達不能)であるかを判断する。
応答信号判断部236によって、応答信号がエコー応答であると判断された(つまり通信が正常である)場合には、試験結果取得制御部230は、状態判定フラグの応答ビットを「0」から「1」に設定する。
一方、応答信号判断部236によって、応答信号がエコー応答でないと判断された(つまり通信が異常である)場合、または要求信号が送信されてから所定の期間内に応答信号を受信しない場合には、試験結果取得制御部230は、状態判定フラグの応答ビットを「0」から「1」に設定しない。
【0032】
応答信号判断部236によって応答信号がエコー応答であると判断された(つまり通信が正常である)場合、時刻比較部238は、試験結果取得制御部230の制御に応じて、共有サーバ3から、図2(B)に示す試験結果情報グループに含まれる最新時刻情報を取得する。
また、時刻比較部238は、試験結果格納部220から、図2(B)に示す試験結果情報グループに含まれる最新時刻情報を取得する。
さらに、時刻比較部238は、共有サーバ3からの最新時刻情報と試験結果格納部220からの最新時刻情報とを比較する。
【0033】
自身の試験装置2が共有サーバ3と接続されていない間または自身の試験装置2の電源がOFFである間に、他の試験装置2が試験を行った場合は、その間に、自身の試験装置2が未取得の試験結果情報が共有サーバ3に格納されるので、共有サーバ3に格納された最新時刻情報は、自身の試験装置2に格納された最新時刻情報よりも新しい。
このように、時刻比較部238が、共有サーバ3からの最新時刻情報が示す時刻が試験結果格納部220からの最新時刻情報が示す時刻よりも新しいと判断した場合(つまりタイムスタンプが一致しない場合)には、試験結果取得制御部230は、状態判定フラグの最新状態ビットを「0」から「1」に設定する。
一方、時刻比較部238が、共有サーバ3からの最新時刻情報が示す時刻が試験結果格納部220からの最新時刻情報が示す時刻よりも新しいと判断しない場合(つまりタイムスタンプが一致する場合)には、試験結果取得制御部230は、状態判定フラグの最新状態ビットを「0」から「1」に設定しない。
【0034】
試験結果取得制御部230が、状態判定フラグの最新状態ビットを「0」から「1」に設定した場合、つまり、状態判定フラグの全てのビットが「1」に設定された場合、試験結果取得部240は、試験結果取得制御部230の制御に応じて、共有サーバ3から、他の試験装置2によって作成された試験結果情報を取得する。
この場合、試験結果取得部240は、全ての試験装置2に関する試験結果情報を取得してもよいし、指定された試験装置2に関する試験結果情報を取得してもよいし、試験結果格納部220に格納された最新時刻情報が示す時刻以降の試験結果情報を取得してもよい。
さらに、試験結果取得部240は、取得した試験結果情報を、試験結果格納部220に格納する。
この場合、試験結果格納部220は、格納された試験結果情報に含まれる時刻に合わせて、最新時刻情報を更新する。
【0035】
図3は、試験プログラム20による試験結果情報の取得処理を示すフローチャート(S10)である。
ステップ102(S102)において、試験結果取得制御部230は、状態判定フラグのビットが全て「1」であるか否かを判断し、全て「1」であればS114に進み、そうでなければS104に進む。
ステップ104(S104)において、要求信号送信部232は、要求信号(エコー要求)を送信する。
このとき、試験結果取得制御部230は、送信完了ビットを「1」に設定する。
【0036】
ステップ106(S106)において、試験結果取得制御部230は、要求信号が送信されてから所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間が経過した(タイムアウトとなった)場合は処理を終了し、そうでない場合はS108に進む。
ステップ108(S108)において、応答信号受信部234は、応答信号を受信する。
ステップ110(S110)において、応答信号判断部236は、応答信号が、通信が異常であるか否かを判断し、異常である場合には処理を終了する。
一方、正常である場合、試験結果取得制御部230は、応答ビットを「1」に設定し、処理はS112に進む。
【0037】
ステップ112(S112)において、時刻比較部238は、共有サーバ3からの最新時刻情報と試験結果格納部220からの最新時刻情報とを比較し、両者が一致する場合は処理を終了する。
一方、一致しない場合(つまり共有サーバ3からの最新時刻情報が示す時刻が試験結果格納部220からの最新時刻情報が示す時刻よりも新しい場合)、試験結果取得制御部230は、最新状態ビットを「1」に設定し、処理はS114に進む。
ステップ114(S114)において、試験結果取得部240は、共有サーバ3から、試験結果情報を取得する。
【0038】
従来、試験装置は、共有サーバと接続されているか否かに関わらず、また、自身に格納された試験情報が最新か否かに関わらず、共有サーバからの試験情報の取得処理を行うので、共有サーバから情報を取得できないとの結果を得るまでに冗長な応答処理時間(待ち時間)を要し、結果としてシステム全体の処理時間が増大していた。
一方、以上説明したように、本実施形態に係る試験装置2は、共有サーバ3と通信可能な状態であり、かつ、試験装置2に格納された試験情報が最新の状態でない場合のみに、共有サーバ3からの試験情報の取得処理を行うので、上記のような問題が発生せず、システム全体の処理時間の短縮が可能である。
【0039】
なお、上記実施形態においては、測定器120が被試験器110からの出力信号を測定する場合を実施例として示したが、例えば測定器120が信号発生器等である場合、試験装置2からの制御信号に応じて、測定器120が試験を行うための試験信号を被試験器110に対して発信するようにしてもよい。
この場合、被試験器110は、受信した試験信号に応じて出力信号を送信し、試験装置2は、その出力信号に応じて試験結果を得るようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、被試験器に対して試験を行う試験装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・試験システム、100・・・ネットワーク、102・・・切替器、110・・・被試験器、120・・・測定器、2・・・試験装置、20・・・試験プログラム、202・・・操作部、206・・・試験実行制御部、220・・・試験結果格納部、222・・・表示部、224・・・試験結果送信部、23・・・試験結果取得モジュール、230・・・試験結果取得制御部、232・・・要求信号送信部、234・・・応答信号受信部、236・・・応答信号判断部、238・・・時刻比較部、240・・・試験結果取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験器に対して試験を実行する試験装置であって、この試験装置は、当該試験装置とは別の1つ以上の他の試験装置とともに記憶装置と接続可能であり、前記記憶装置は、当該試験装置および前記1つ以上の他の試験装置によって実行されて得られた試験結果を、試験が実行された時刻とともに記憶し、
前記被試験器に対して試験を実行して得られた試験結果を前記記憶装置に送信する試験結果送信手段と、
前記記憶装置に記憶された前記1つ以上の他の試験装置の試験結果を取得する試験結果取得手段と、
前記取得された前記他の試験装置の試験結果を、試験が実行された時刻とともに記憶する試験結果記憶手段と、
前記記憶装置に対して、この記憶装置と当該試験装置とが通信可能か否かを確認するための応答信号を要求する要求信号を送信する要求信号送信手段と、
前記記憶装置から、前記要求信号に応答して送信された応答信号を受信する応答信号受信手段と、
前記応答手段によって前記応答信号が受信され、受信された応答信号が通信可能であることを示す場合に、前記試験結果記憶手段に記憶された前記他の試験装置の試験結果に関する時刻と、前記記憶装置に記憶された前記他の試験装置の試験結果に関する時刻とを比較する比較手段と
を有し、
前記比較手段によって、前記記憶装置に記憶された前記他の試験装置の試験結果に関する時刻が、前記試験結果記憶手段に記憶された前記他の試験装置の試験結果に関する時刻よりも新しいと判断された場合に、前記試験結果取得手段は、前記記憶装置に記憶された前記他の前記試験装置の試験結果を取得する
試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−221697(P2011−221697A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88564(P2010−88564)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】