説明

認証情報を格納するための、印刷文書上の二次元バーコードスタンプの作成と配置

【課題】文書認証データを二次元バーコードスタンプに符号化し、ページにわたって分散させてバーコードスタンプを配置する方法及びこれに関連する装置を提供する。
【解決手段】多数の小さいサイズの二次元バーコードを生成して印刷文書上に分散した態様で配置する文書認証方法が開示される。小さいサイズのバーコードスタンプは集合的に文書の内容を符号化し、これらは文書認証に用いられる。ある実施例では、スタンプサイズは約1/4×1/4インチ以下であり、スタンプのタイルサイズは解像度400dpiで4×4ピクセルである。文書は、それぞれテキストの一段落又は一行を含む区分に分割される。各区分について、各区分の認証データを符号化するバーコードスタンプセットが当該区分の周辺に配置される。バーコードスタンプセットは各段落の最終行の余白、隣接する段落の間の余白、又は各行の先頭又は末尾に配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は文書認証における二次元バーコードの適用に関し、特に、印刷文書上のバーコードスタンプの作成と配置に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードは、データ符号化のための機械読取可能な記号の形式であり、多様な応用分野で幅広く採用されている。二次元バーコード(2dバーコード)はこのような記号の一つの様式であり、一般にテキスト、数字、画像及びバイナリデータストリームを符号化するのに用いることができ、IDカード、出荷ラベル、証明書、及びその他の文書に用いられてきた。広く用いられている2dバーコード規格の例には、PDF417規格やQRコード(登録商標)が含まれており、このような2dバーコードを印刷し、読み取るためのソフトウェア及びハードウェア製品が提供されてきた。
【0003】
テキスト、グラフィックス、画像等を含む元のデジタル文書は、多くの場合印刷され、印刷されたハードコピーは配布、コピー等を経て、多くの場合再びデジタル形式にスキャンされる。これは閉ループ処理といわれている。スキャンされたデジタル文書の認証とは、スキャンされた文書が元のデジタル文書の真正なコピーであるかを判断すること、つまりハードコピー形式において文書が改変されたかを判断することをいう。改変は意図的行為又は偶発的事象によって起こりうる。2dバーコードを用いて印刷文書を認証する方法が提案されてきた。具体的には、文書の内容を2dバーコード(認証バーコード)に符号化し、印刷文書と同じ記録媒体にバーコードを印刷する方法がある。文書の内容は、文書のページのビットマップ画像、文書内に含まれるテキストもしくはグラフィックス又はこれらの組合せでありうる。認証バーコードを有する印刷文書を認証するには、文書がスキャンされて、その文書の内容を表すスキャンされたデータを取得する。例えば、光学式文字認識(OCR)技術を用いて、ビットマップ画像又はテキストを抽出することがあげられる。認証バーコードもスキャンされて、そこに含まれるデータ(認証データ)が抽出される。次に、スキャンされたデータは認証データと比較され、印刷文書のいずれかの部分が最初に印刷されたものから改変されているか、つまり文書が真正のものかの判断がなされる。認証技術については、内容の真正を判断することができるものもあれば、単に改変が加えられたかを判断するのみのものもある。認証バーコードを有する印刷文書は、自己認証するものであるといわれている。なぜなら、その内容を認証するのに印刷文書に記載される以外の情報が必要ないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、文書認証データを二次元バーコードスタンプに符号化し、ページにわたって分散させてバーコードスタンプを配置する方法及びこれに関連する装置を対象としている。
【0005】
本発明の目的は、ページの余白を有効活用してバーコードスタンプを配置することを目的とする。
【0006】
本発明の付加的な特徴及び効果は、以下の記述において説明され、その一部は該記述より明らかであり、又は本発明の実施により理解されうる。本発明の目的及びその他の効果は、特に、添付図面と共に、明細書の記載及び特許請求の範囲において摘示される構造によって実現され、達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これら及び/又は他の目的を達成するために、具現化され広義に記載されているように、本発明は、文書を印刷する方法を提供する。この方法は、前記文書の内容を取得するステップと、前記文書の内容を、少なくともいくつかの区分がそれぞれ一段落分のテキストの内容を含む段落区分である、複数の区分に分割するステップと、各段落区分について、文字認識を用いて当該区分からテキストを抽出するステップと、前記抽出されたテキストを処理し、前記区分の認証データを生成するステップと、前記認証データを一以上のバーコードスタンプを含むバーコードスタンプセットに符号化するステップと、前記バーコードスタンプセットを前記文書における前記区分の周辺に配置するステップと、記録媒体上に前記文書の内容及び前記バーコードスタンプセットを印刷するステップと、を含む。
【0008】
他の側面において、本発明は、文書を印刷する方法を提供する。この方法は、前記文書の内容を取得するステップと、前記文書の内容を、少なくともいくつかの区分がそれぞれ一行分のテキストの内容を含む行区分である、複数の区分に分割するステップと、各行区分について、文字認識を用いて当該区分からテキストを抽出するステップと、前記抽出されたテキストを処理し、前記区分の認証データを生成するステップと、前記認証データを一以上のバーコードスタンプを含むバーコードスタンプセットに符号化するステップと、前記バーコードスタンプセットを前記文書における前記区分の周辺に配置するステップと、記録媒体上に前記文書の内容及び前記バーコードスタンプセットを印刷するステップと、を含む。
【0009】
他の側面において、本発明は、データ処理装置を制御して上述の方法を実行するコンピュータプログラム製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aは、本発明の実施形態による文書認証のための2dバーコードスタンプを有する印刷文書の概略図を図示している。
【図1B】図1Bは、本発明の実施形態による文書認証のための2dバーコードスタンプを有する印刷文書の概略図を図示している。
【図1C】図1Cは、本発明の実施形態による文書認証のための2dバーコードスタンプを有する印刷文書の概略図を図示している。
【図2A】図2Aは、文書認証のための2dバーコードスタンプを有する印刷文書の生成処理を図示している。
【図2B】図2Bは、文書認証のための2dバーコードスタンプを有する印刷文書の生成処理を図示している。
【図2C】図2Cは、文書認証のための2dバーコードスタンプを有する印刷文書の生成処理を図示している。
【図3】図3は、2dバーコードスタンプを有する印刷文書をスキャンして、文書を認証する処理を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当然のことながら、先の一般的記載及び後の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲に記載された発明について更なる説明を提供することを意図するものである。
【0012】
2dバーコードを用いて自己認証文書を生成するには、文書の内容を表す比較的大容量のデータをバーコードに符号化する必要がある。文書の内容にはビットマップ画像、グラフィックス及びテキストが含まれうる。テキストは、文書が作成されたアプリケーションによって作成されたもの又は光学式文字認識(OCR)技術を用いて画像から抽出されて作成されたものでありうる。文書を認証する従来の方法では、2インチ×2インチ等の比較的大きいスタンプサイズの2dバーコードが用いられてきた。閉ループ処理後に復元可能な一般的なタイルサイズは解像度400dpi(ドット/インチ)で6×6ピクセル(ドット)以上にわたる。ここで、バーコードスタンプとは、個々に明確な境界を有し、バーコードを構成する独立したブロックをいい、タイルとは、集合的にバーコードスタンプを構成する明確なパターンに配列された小さい白黒(又はカラー)の要素をいう。文書の一ページの内容を符号化するには通常複数のバーコードスタンプが必要である。例えば、上述のタイルサイズで2インチ×2インチのスタンプを用いた場合、文書の一般的な一ページの内容を符号化するには10個を超えるスタンプが必要となりうる。このようなスタンプは文書画像が存在しない文書の余白(つまり空白)領域に配置しなければならない。多くの場合、文書上にはスタンプを印刷するのに十分な余白領域が存在しない。そこで、スタンプを文書の裏面に印刷することが提案されてきた。
【0013】
本発明の実施形態により、多数の小さいサイズの2dバーコードスタンプを生成し、これらを印刷文書上に分散した態様で配置する文書認証方法が提供される。ある具体例では、スタンプのタイルサイズは解像度400dpiで4×4ピクセルであり、スタンプサイズは100×100ピクセル、又は約1/4×1/4インチである。このようなスタンプにはそれぞれ約50バイトの情報が含まれる。他の例では、スタンプサイズは50×50ピクセル又は約1/8×1/8インチであり、タイルサイズは4×4ピクセルである。文書はいくつかの区分に分割され、各区分には例えばテキストの一段落、テキストの一行、一個のグラフィックスオブジェクト、一個の画像オブジェクト等が含まれ、各区分の認証データを符号化する2dバーコードスタンプはその区分の周辺にあるページの余白に配置される。
【0014】
図1Aはこのようなページの例の概略図を図示している。図1Aに示されるように、文書10のページは、多数の区分11a、11b、11c、11d等からなる内容を含む。図示例では、区分11aは一個のグラフィックスオブジェクト(ロゴ)を含み、区分11bはテキスト付きの表を含み、区分11c及び11dはテキストを含む。小さい2dバーコードスタンプが含まれる多数のグループ12a、12b、12c、12d等が分散した態様でページ上に印刷され、各バーコードスタンプグループは文書の区分の認証データを符号化している。各グループは1以上のバーコードスタンプを有し、好ましくは、関連する区分(つまり当該バーコードスタンプグループが認証データを符号化している区分)の周辺に配置される。例えば、バーコードグループ12aは、区分11a(ロゴ)の認証データを符号化しており、区分11aに隣接して配置されている。バーコードグループ12cは区分11c(テキストの一段落)の認証データを符号化しており、当該段落のテキストの最終行の余白で、その行の末尾の近くに配置されている。
【0015】
他の例では(図示せず)、テキストの各段落のバーコードスタンプは当該段落とその隣接する段落の間の余白に配置される。他の例では、図1Bに示されるように、文書のテキストオブジェクトが分割され、テキストの各行、例えば11e、11f等が区分を構成し、各行の認証データを符号化する一以上のバーコードスタンプを有するグループ、例えば12e、12f等がその行の先頭か末尾のいずれかにおいて、その行に隣接して配置される。通常、認証情報が(テキストのビットマップ画像ではなく)テキストとして符号化される場合、約1/4×1/4インチのサイズで、タイルサイズが解像度400dpiで4×4ピクセルのバーコード1個か2個で十分、一行のテキストを符号化することができる。他の例では、テキストが75%以上の圧縮率で圧縮される場合、50×50ピクセル(約1/8×1/8インチ)のスタンプサイズで、タイルサイズ4×4ピクセルのスタンプ1個で一行の情報を十分に格納することができる。さらに他の例では、文書の文字サイズが小さい場合でも(例えば10ポイント)、36×36ピクセルのスタンプサイズでタイルサイズが4×4ピクセルのスタンプ2個で一行の情報を格納するのに通常十分である。バーコードスタンプはページの下部付近に余白があれば、このような余白に配置することも可能であり、図1Cに示されるように、テキストオブジェクト13内のすべてのテキストを符号化するバーコードスタンプ12gが余白14に配置されている。図1A〜図1Cに示されるバーコードスタンプの配置は、例示に過ぎない。バーコードスタンプをページ上で分散させるその他の方法も用いることができる。
【0016】
より小さいスタンプサイズを用いることによって、バーコードスタンプのタイルサイズを小さくすることができる。これはタイルサイズの下限はスキュー等の印刷やスキャン処理の際に起こる変形によって通常決定づけられるからである。バーコードスタンプのサイズを小さくすることにより、各スタンプにわたる変形の全体量が減る。その結果、タイルサイズを減らして、情報の密度を増やすことができる。上述の例では、スタンプサイズを約1/4×1/4インチに減らすことによって、タイルサイズを6×6ピクセルから4×4ピクセルに減らすことができる。多数の小さいバーコードスタンプの集合は、集合した小さいバーコードスタンプと物理的に同じ大きさを有する単独の大きいバーコートスタンプよりも、通常大きなデータ記憶容量を有する。
【0017】
さらに、小さいバーコードスタンプを用いることにより、スタンプ配置の自由度が高められる。図1A〜図1Cに示されるような配置、又はその他の好適な配置によって小さいサイズのスタンプを分散させることによって、文書の余白を有効に活用することができる。その結果、文書画像のサイズを縮小する必要がないか、又はサイズの縮小を最低限(例えば20%未満)にとどめることができる。小さいサイズのバーコードスタンプが分散された配置により、大きなバーコードスタンプによる望ましくない視覚的効果を最小限にとどめることができる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、文書のページを分析して、符号化すべきデータ量とバーコードスタンプを配置するのに利用できるページ上の余白の量を推定する。次に、符号化すべきデータ量と利用可能な余白の量に基づいてバーコードスタンプの配置が決定される。比較的広い余白がページの下部付近又はその他の箇所に存在する場合は、図1Cに示されるように、バーコードスタンプはこれらの余白に配置される。バーコードスタンプを配置する広い余白が存在しない場合は、図1A及び図1Bに示されるように、スタンプは分散した態様でページ上に配置される。また、ユーザはどちらの配置を用いてバーコードスタンプを配置するかを選択することができる。
【0019】
本発明の実施形態により、文書認証のための2dバーコードスタンプを生成する方法が図2A〜図2Cを参照して説明される。この方法は通常コンピュータ、プリンタ、又はその他のデータ処理装置上のソフトウェアにより実行される。図2Aに示されるように、この処理ではまず処理すべき文書を取得する(ステップS21)。文書は通常ビットマップ形式であるが、その他の形式であることもでき、文書処理アプリケーション、PDFライタアプリケーション等のアプリケーションプログラム、又は文書のハードコピーをスキャンすることによって作成することができる。オブジェクト分割処理を実行して、文書の区分を取得する(ステップS22)。区分はグラフィックス、画像もしくはテキスト等のページ上の内容又は余白を含む。図1Cに図示される例では、オブジェクト分割ステップS22の結果、画像オブジェクト11a、テキスト付きの表11b、テキストオブジェクト13、余白ブロック14等が得られる。文書分割処理により画像、テキスト等の異なる種類のオブジェクトを区別することができる。文書分割は従来技術であり、その実施は十分に当業者の能力の範囲内である。
【0020】
次に、ページ上の余白ブロックが分割された文書から抽出される(ステップS23)。また、この処理によってページ上のすべてのテキストオブジェクトの総データ量が推定される(ステップS24)。総データ量はOCR技術(又はその他の形式の文字認識技術)を用いてテキストを抽出することによって推定することができる。ページ上の画像オブジェクトはテキストオブジェクトとは別個に処理される(ステップS25)。様々な方法を用いて画像オブジェクト及びグラフィックスオブジェクトを処理することが出来るが、詳細については後述する。総データ量と余白の量の推定に基づいて、当該処理により、認証データを符号化するバーコードスタンプを配置するのに十分な余白が、ページの下部付近に存在するか判断される(ステップS26)。もしある場合は(ステップS26の「Y」)、第一処理(図2B)によって、バーコードスタンプが生成されて、ページの下部付近の余白に配置される。もしバーコードスタンプを配置するのに十分な余白がページの下部付近にない場合には、第二処理(図2C)によって、バーコードスタンプが生成されて、ページ上にわたって配置される。
【0021】
図2Bで示される第一処理では、OCR技術(又はその他の形式の文字認識技術)をテキストオブジェクトに適用して、そこに含まれるテキストが抽出される(ステップS31)。抽出されたテキストは処理されて認証データが生成される(ステップS32)。これらのデータは次にバーコードスタンプに符号化される(ステップS33)。処理ステップS32は、圧縮を含み、任意に暗号化、デジタル署名、又はその他の処理も含みうる。バーコードスタンプは、例えばページ下部付近の余白等の余白ブロックに配置され(ステップS34)、文書は印刷される(ステップS35)。これらの結果得られる印刷文書は、図1Cで示される例と同様のものでありうる。
【0022】
文書に複雑な配置が用いられている場合は第一処理の代替例を採用することができる。この代替例では、OCRステップS31の前に段落の分割を実行しテキストオブジェクトをさらにそれぞれが一段落のテキストを有する段落区分に分割する。次に各段落区分についてOCRステップS31が実行される。段落分割の長所は、大きなテキストオブジェクトに適用されるOCR技術では通常当該テキストがどこのものであるかについての情報が与えられないが、段落分割により、ページ上のテキストの位置に関する情報が与えられることである。バーコードスタンプはさらに段落区分の位置を符号化し、復号処理の際に区分と正しく関連付けることができる。
【0023】
図2Cで示される第二処理では、段落分割を実行して、テキストオブジェクトをさらにそれぞれ独立した段落を含む段落区分に分割する(ステップS41)。図1Aの例では、段落区分は11c、11d等で示されている。各段落区分の位置は記録される。その位置は例えばページ上部左端等から測定することができる。次に当該処理はバーコードスタンプを配置するのに十分な余白が各段落の周辺に存在するか判断する(ステップS42)。このステップでは、各段落の最終行がその段落で完全に埋められていない場合は段落の最終行において、隣接する段落の間に間隔が存在するように文書がフォーマットされている場合は隣接する段落の間の間隔において余白を探索する。各段落の周辺に十分な余白が存在する場合(ステップS42の「Y」)、段落毎の符号化処理が実行される(ステップS43〜S46)。具体的には、各段落について、OCR技術(又はその他の形式の文字認識技術)が適用されて、テキストが抽出され(ステップS43)、抽出されたテキストデータは処理されて当該段落の認証データが生成され(ステップS44)、認証データがバーコードスタンプに符号化される(ステップS45)。処理ステップは圧縮を含み、任意には暗号化、デジタル署名、又はその他の処理を含みうる。各段落のバーコードスタンプは、当該段落の周辺の余白に配置される(ステップS46)。各段落に対して、ステップS43〜S46が繰り返される。これらの結果得られる印刷文書は、図1Aで示される例と同様のものでありうる。
【0024】
各段落の周辺に十分な余白が存在しない場合(ステップS42の「N」)、行毎の符号化処理が実行される(ステップS47〜S51)。具体的には、行分割を実行して、段落区分をさらに一行のテキストを含む行区分に分割する(ステップS47)。OCR技術(又はその他の形式の文字認識技術)を適用して各行のテキストが抽出され(ステップS48)、抽出されたテキストデータは処理されて当該行の認証データが生成される(ステップS49)。処理ステップは圧縮を含み、任意には暗号化やデジタル署名を含みうる。認証データは各行のバーコードスタンプに符号化され(ステップS50)、バーコードスタンプは例えば当該行の先頭又は末尾等、各行の周辺に配置される(ステップS51)。各行に対して、ステップS48〜S51が繰り返される。これらの結果得られる印刷文書は、図1Bで示される例と同様のものでありうる(注意として、図1Bの例では、段落毎にバーコードを配置するのに十分な余白が存在するが、図示する目的上、行毎の処理が示されている)。
【0025】
図2AのステップS25に戻ると、文書に含まれる画像オブジェクトはテキストオブジェクトとは別個に処理される。画像オブジェクトは通常テキストオブジェクトよりも大きなデータ量を有する。画像をダウンサンプリング及び圧縮してデータ量を減らすことができる。画像が十分に小さい場合、認証データはバーコードスタンプに符号化され、画像の周辺に配置することができる。画像が大きい場合、又は画像付近に利用できる余白がない場合、バーコードスタンプは例えばページの下部付近等、ページ上のその他の箇所に配置することができる。
【0026】
図3に示される認証処理では、文書はスキャンされ(ステップS61)、バーコードスタンプが特定され、そこに符号化されているデータが抽出されて復号される(ステップS62)。データは処理され(ステップS63)、この処理には解読復元(任意)、デジタル署名認証(任意)、解凍等が含まれる。処理されたデータを用いて文書の認証を行う(ステップS64)。抽出されたデータを用いて文書を認証する処理は一般に当業者には周知事項であり、詳細な説明はここでは省略される。
【0027】
本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明のバーコード生成及び配置方法に種々の改良及び変更を加えうることは、当業者において明らかである。このように、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内において生じる改良及び変更を網羅することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を印刷する方法であって、
前記文書の内容を取得するステップと、
前記文書の内容を、少なくともいくつかの区分がそれぞれ一段落分のテキストの内容を含む段落区分である、複数の区分に分割するステップと、
各段落区分について、
文字認識を用いて当該区分からテキストを抽出するステップと、
前記抽出されたテキストを処理し、前記区分の認証データを生成するステップと、
前記認証データを一以上のバーコードスタンプを含むバーコードスタンプセットに符号化するステップと、
前記バーコードスタンプセットを前記文書における前記区分の周辺に配置するステップと、

記録媒体上に前記文書の内容及び前記バーコードスタンプセットを印刷するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
各バーコードスタンプのスタンプサイズは約1/4×1/4インチ以下であって、タイルサイズは解像度400ドット/インチで4×4ピクセルである請求項1の方法。
【請求項3】
各段落区分の前記バーコードスタンプセットは、当該段落の最終行の余白に配置される請求項1の方法。
【請求項4】
各段落区分の前記バーコードスタンプセットは、当該段落とその隣接する段落との間の余白に配置される請求項1の方法。
【請求項5】
前記文書の内容はサイズを縮小せずに印刷される請求項1の方法。
【請求項6】
前記バーコードスタンプセットを有する印刷された前記文書をスキャンするステップと、
前記バーコードスタンプに符号化されている前記認証データを抽出して復号するステップと、
前記認証データを用いて前記スキャンされた文書を認証するステップと、
をさらに含む請求項1の方法。
【請求項7】
文書を印刷する方法であって、
前記文書の内容を取得するステップと、
前記文書の内容を、少なくともいくつかの区分がそれぞれ一行分のテキストの内容を含む行区分である、複数の区分に分割するステップと、
各行区分について、
文字認識を用いて当該区分からテキストを抽出するステップと、
前記抽出されたテキストを処理し、前記区分の認証データを生成するステップと、
前記認証データを一以上のバーコードスタンプを含むバーコードスタンプセットに符号化するステップと、
前記バーコードスタンプセットを前記文書における前記区分の周辺に配置するステップと、
記録媒体上に前記文書の内容及び前記バーコードスタンプセットを印刷するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
各バーコードスタンプのスタンプサイズは約1/4×1/4インチ以下であって、タイルサイズは解像度400ドット/インチで4×4ピクセルである請求項7の方法。
【請求項9】
各行区分の前記バーコードスタンプセットは、当該行の先頭又は末尾付近に配置される請求項7の方法。
【請求項10】
前記文書の内容はサイズを縮小せずに印刷される請求項7の方法。
【請求項11】
前記バーコードスタンプセットを有する印刷された前記文書をスキャンするステップと、
前記バーコードスタンプに符号化されている前記認証データを抽出して復号するステップと、
前記認証データを用いて前記スキャンされた文書を認証するステップと、
をさらに含む請求項7の方法。
【請求項12】
データ処理装置に以下のステップを含む文書印刷処理を実行させるように構成されたコンピュータ読取可能なコードを具現化したコンピュータに使用可能な媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
前記文書の内容を取得するステップと、
前記文書の内容を、少なくともいくつかの区分がそれぞれ一段落分のテキストの内容を含む段落区分である、複数の区分に分割するステップと、
各段落区分について、
文字認識を用いて当該区分からテキストを抽出するステップと、
前記抽出されたテキストを処理し、前記区分の認証データを生成するステップと、
前記認証データを一以上のバーコードスタンプを含むバーコードスタンプセットに符号化するステップと、
前記バーコードスタンプセットを前記文書における前記区分の周辺に配置するステップと、
記録媒体上に前記文書の内容及び前記バーコードスタンプセットを印刷するステップと、
を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
各バーコードスタンプのスタンプサイズは約1/4×1/4インチ以下であって、タイルサイズは解像度400ドット/インチで4×4ピクセルである請求項12のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
各段落区分の前記バーコードスタンプセットは、当該段落の最終行の余白に配置される請求項12のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
各段落区分の前記バーコードスタンプセットは、当該段落とその隣接する段落との間の余白に配置される請求項12のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記バーコードスタンプセットを有する印刷された前記文書をスキャンするステップと、
前記バーコードスタンプに符号化されている前記認証データを抽出して復号するステップと、
前記認証データを用いて前記スキャンされた文書を認証するステップと、
をさらに含む請求項12のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
データ処理装置に以下のステップを含む文書印刷処理を実行させるように構成されたコンピュータ読取可能なコードを具現化したコンピュータに使用可能な媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
前記文書の内容を取得するステップと、
前記文書の内容を、少なくともいくつかの区分がそれぞれ一行分のテキストの内容を含む行区分である、複数の区分に分割するステップと、
各行区分について、
文字認識を用いて当該区分からテキストを抽出するステップと、
前記抽出されたテキストを処理し、前記区分の認証データを生成するステップと、
前記認証データを一以上のバーコードスタンプを含むバーコードスタンプセットに符号化するステップと、
前記バーコードスタンプセットを前記文書における前記区分の周辺に配置するステップと、
を有する各行区分について実行するステップと、
記録媒体上に前記文書の内容及び前記バーコードスタンプセットを印刷するステップと、
を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
各バーコードスタンプのスタンプサイズは約1/4×1/4インチ以下であって、タイルサイズは解像度400ドット/インチで4×4ピクセルである請求項7のコンピュータプログラム。
【請求項19】
各行区分の前記バーコードスタンプセットは、当該行の先頭又は末尾付近に配置される請求項17のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記バーコードスタンプセットを有する印刷された前記文書をスキャンするステップと、
前記バーコードスタンプに符号化されている前記認証データを抽出して復号するステップと、
前記認証データを用いて前記スキャンされた文書を認証するステップと、
をさらに含む請求項17のコンピュータプログラム製品。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−230748(P2009−230748A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−30919(P2009−30919)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ システムズ ラボラトリー, インコーポレイテッド (157)
【Fターム(参考)】