説明

誘導加熱を用いた流動物加熱装置

【課題】小型で高い加熱効率を有する誘導加熱を用いた流動物加熱装置を提供する。
【解決手段】隙間を有して平行に配置され導電性を有する金属材料からなる直管12と、各直管12の一方側および他方側にあって、全ての直管12を直列に連結するU字状連結路13とを備え、入口および出口を有して全体が一つの流路を形成する流動物通路11と、全ての直管12を取り囲むように巻回され、直管12の各々に高周波誘導電流を流す誘導コイル20とを有し、直管12の両側はそれぞれ管板14、15によって支持され、かつ直管12が非磁性かつ耐蝕性を有する前記金属材料からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型で高い加熱効率を有する誘導加熱を用いた流動物加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流動状の食品、薬品などの加熱処理には、加熱媒体として、製品に混入しても無害な温水または100℃以上の飽和水蒸気を使用した熱交換器が用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
しかし、温水または飽和水蒸気などの加熱媒体を使用する場合、これらの加熱媒体を連続的に供給するためのボイラ、ポンプ、配管などの設備を必要とするため、装置が大型化し、設置場所が制約される。
【0003】
前記の加熱媒体を使用する熱交換器における課題を解決するために、電磁誘導加熱を利用することで小型化を図った熱交換器が提案されている。
たとえば、特許文献2には、ワークコイルによる電磁誘導で加熱可能な材料からなり、流路を通る流体と熱交換をする管状ハウジングの外側に磁束発生用のワークコイルが配置された熱交換器が開示されている。
また、特許文献3には、磁性体を配した発熱部を有し流動物が通過する筒状の流動物通路の外部に巻回され、前記発熱部に高周波電流を流すコイルを有することを特徴とする誘導加熱を用いた流動物加熱装置が開示されている。
また、特許文献4には、互いに平行に配置された複数の管体群を取り囲むように誘導コイルが配置された流体加熱装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−235473号公報
【特許文献2】特開2005−98553号公報
【特許文献3】特開2005−222781号公報
【特許文献4】特許第3642415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2および3に記載の熱交換器(誘導加熱を用いた流動物加熱装置)は、個々の管状体の外側に高周波誘導電流を発生させるためのコイルを配置しているため、小型化が困難である。
一方、特許文献4に記載の流体加熱装置では、複数の管体群を取り囲むように誘導コイルが配置されているため装置の小型化を図ることができるが、複数の管体に流体を並列に流している。したがって、たとえば、伝熱の進みにくい高粘度流動物の加熱を行う場合、あるいは過熱による変質を避けるために温度勾配を小さく抑えて加熱を行う場合等に加熱路を長く取って伝熱時間を長く確保しようとすると装置が大型化する。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、小型で高い加熱効率を有する誘導加熱を用いた流動物加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う本発明に係る誘導加熱を用いた流動物加熱装置は、(1)隙間を有して平行に配置され導電性を有する金属材料からなる直管と、前記各直管の一方側および他方側にあって、全ての前記直管を直列に連結するU字状連結路とを備え、入口および出口を有して全体が一つの流路を形成する流動物通路と、(2)前記全ての直管を取り囲むように巻回され、前記直管の各々に高周波誘導電流を流す誘導コイルとを有する。
【0008】
本発明に係る誘導加熱を用いた流動物加熱装置において、前記各直管の両側はそれぞれ1枚の管板によって支持され、該管板にシール状態で取り外し可能に設けられた蓋カバーの内部に前記U字状連結路が形成されていてもよい。
【0009】
本発明に係る誘導加熱を用いた流動物加熱装置において、前記各U字状連結路は、隣り合う前記直管を連結してもよい。
【0010】
本発明に係る誘導加熱を用いた流動物加熱装置において、前記直管が非磁性かつ耐蝕性を有する前記金属材料からなっていてもよい。
【0011】
本発明に係る誘導加熱を用いた流動物加熱装置において、少なくとも前記直管の両端部を除く部分にコルゲート加工がなされていてもよい。
【0012】
本発明に係る誘導加熱を用いた流動物加熱装置において、前記直管の内部の少なくとも一部に撹拌部材が配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜6に記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置は、温水または飽和水蒸気などの加熱媒体を使用しないため、これらの加熱媒体を連続的に供給するためのボイラ、ポンプ、配管などの設備を必要とせず、装置の小型化が可能であるとともに、急速に加熱を開始または終了させることができる。また、誘導コイルに流す高周波の電力を調整することにより温度制御も容易である。
また、加熱対象となる流動物がU字状連結路により流動方向を反転され、繰返し直管内を流動しながら加熱されるので、伝熱時間が長く確保され、小さい温度勾配での加熱が可能になる。そのため、加熱効率を高くするとともに食品等の加熱後の品質を高位に保つことができる。
さらに、高周波誘導電流を流す誘導コイルを全ての直管を取り囲むように巻回したため、個々の直管の周囲に誘導コイルを巻回した場合に比べ、さらに装置を小型化することができる。
【0014】
特に、請求項2記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置においては、各直管の両側はそれぞれ1枚の管板によって支持され、管板にシール状態で取り外し可能に設けられた蓋カバーにU字状連結路が形成されているので、流動物通路内部の点検および清掃を、蓋カバーを取り外すことによって短時間で確実に行うことができる。
【0015】
請求項3記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置においては、各U字状連結路が隣り合う直管を連結しているので、流動物通路の構造がシンプルになり、流動物加熱装置の製造およびメンテナンスが容易になる。
【0016】
請求項4記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置においては、直管が非磁性かつ耐蝕性を有する金属材料からなるので、流動食品等の加熱をより安全かつ衛生的に行うことができるとともに、装置寿命の向上を図ることができる。
【0017】
請求項5記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置においては、直管の両端部を除く部分にコルゲート加工がなされているため、直管の内部で乱流を形成しやすくなり、誘導加熱された直管と流動物の間での熱伝導がより大きくなる。そのため、流動物加熱装置の総括伝熱係数を高めることができる。
【0018】
請求項6記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置においては、直管の内部の少なくとも一部に撹拌部材を有しているため、流動物通路内で流動物を連続的に分割および混合することができ、流動物の加熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施の形態に係る誘導加熱を用いた流動物加熱装置の概略説明図である。
【図2】(A)は同流動物加熱装置の蓋カバーの外観を示す概略図、(B)は蓋カバーを外した状態を示す概略図である。
【図3】直管およびU字状連結路の配置状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図3を参照して、本発明の一実施の形態に係る誘導加熱を用いた流動物加熱装置10について説明する。
図1に示すように、流動物加熱装置10は、隙間を有して平行に配置され導電性を有する金属材料からなる複数の直管12、各直管12の一方側および他方側に設けられる複数のU字状連結路13、入口管18、および出口管19により形成され、内部を加熱対象となる流動物が移動する連続した一本の流動物通路11を有している。
流動物加熱装置10はさらに、全ての直管12よりなる直管群21を取り囲むように巻回されて、各直管12に高周波誘導電流を流す誘導コイル20を有している。
【0021】
各直管12は管板14、15によって両端が支持され、管板14、15に取り外し可能に設けられている蓋カバー16、17の内部には、それぞれ複数のU字状連結路13が形成されている。また、蓋カバー16、17の外周には、図2(A)に示すようにU字溝を有する複数のフランジ24が均等間隔に設けられている。さらに、一方の蓋カバー17には、入口管18および出口管19が、蓋カバー17の本体を貫通するように取付けられている。図2(B)に示すように、管板14、15の外周には、蓋カバー16、17の外周に設けられたフランジ24にそれぞれ対応する位置に溝を有するフランジ23が設けられており、蓋カバー固定ボルト25が溝の間にピン等を介して回動自在に取付けられている。
蓋カバー16、17を、管板14、15の外側にそれぞれ取付け、管板14、15のフランジ23に取付けられた蓋カバー固定ボルト25をフランジ24のU字溝に通し、袋ナットである蓋カバー固定ナット26を、図示しないワッシャを間に配置して締結し固定すると、全ての直管12、U字状連結路13、入口管18、および出口管19が直列に接続され、一本の流動物通路11が形成される。
蓋カバー16、17は容易に着脱可能なので、流動物通路11内部の点検および清掃を短時間で確実に行うことができる。
【0022】
直管12は、自身が誘導加熱されて発熱し、その熱を内部を通過する流動物に伝えて加熱するためのものであるため、誘導加熱可能なように導電性および必要な耐熱性を備えていなければならない。また、腐食により流動物を汚染することのないよう耐蝕性を備えていることが好ましい。
直管12に使用することができる材料の一例としては、耐蝕性を有する金属材料であるオーステナイト系ステンレス鋼(SUS316L等)、フェライト系ステンレス鋼等の鉄基合金またはニッケル基合金、チタン(TTP340等)、モリブデン等が挙げられる。直管群21の内側に位置する直管12に到達する誘導磁場の減衰を抑制するためには、オーステナイト系ステンレス鋼、チタン等の非磁性の金属材料を用いることが好ましい。
なお、電磁誘導による渦電流は管体の表面に近いほど大きく、内部に向かうほど指数関数的に減少するため(表皮効果)、直管12の外側表面にのみこれらの非磁性材料を配置してもよい。
直管12の径、厚さ、および長さに特に制限はないが、本実施の形態においては、外径25.4mm、厚さ1.5mm、長さ880mmのTTP340−Wを直管12として用いている。
【0023】
直管12は、誘導電流が短絡するのを防止するため互いに隙間を設けて配置される。一定体積内に多数の直管12を効率よく配置するためには、たとえば図3に示すように、全ての直管12が正三角形の頂点に位置するように等間隔に配置される。
U字状連結路13は、全ての直管12を直列に連結し、入口および出口を有して全体が一つの流路を形成するように、直管群21の一方側および他方側、すなわち蓋カバー16,17の内部に形成され、隣り合う直管12を連結している。U字状連結路13の配置の一例を図3に実線、破線で示す。なお、INおよびOUTは入口管18、出口管19が接続される直管12をそれぞれ表す。
【0024】
両端部を除く部分に波型加工(コルゲート加工)が施されたコルゲート管を直管として用いてもよく、この場合、内部を移動する流動物に乱流が生成しやすくなり、総括伝熱係数が向上するので好ましい。さらに、直管の内部に流体の流れを分割し、それぞれを異なる方向へと誘導することにより、内部を移動する流動物の混合を促進するための撹拌部材を設けてもよい。撹拌部材の形状や撹拌部材を構成する材質は特に制限されないが、耐蝕性を有する材質のものであることが好ましい。特に、熱伝導率の高い金属材料で撹拌部材を構成する場合、撹拌部材と直管の内部を接触させておくと、誘導加熱により直管に発生した熱が撹拌部材に伝達できるため、流動物通路19内を移動する流動物の流れ中央部の加熱も行うことができ、より均一に加熱を行うことができる。
ただし、金属材料で撹拌部材を構成する場合には、直管との接触面における電池腐食を防止するために、直管と同じ材質のものを用いるか、直管との接触面に電機絶縁処理を施す必要がある。
撹拌部材の具体例としては、特開2005−222781号公報(第7頁第1〜20行)に記載のものが挙げられる。
【0025】
管板14、15は、直管12の両端をそれぞれ貫通させて保持している。直管12を管板14、15に挿入し固定する方法としては、ねじ込み、拡管、シール材を介したはめ込み、ろう付け、および溶接等の公知の方法を用いることができる。
管板14、15を構成する材質は、必要な強度、耐熱性、および耐蝕性を兼ね備えたものであれば特に制限されないが、ステンレス鋼等が好ましく用いられる。なお、誘導電流は、直管12の円周方向に沿って流れるため、管板14、15を絶縁性の材料で構成したり、直管12との間に絶縁材を配置する必要はない。しかし、直管12からの熱伝導を抑制するために直管12と管板14、15との間に熱伝導性の小さいシール材を配置してもよい。
【0026】
蓋カバー16、17には、管板14、15にそれぞれ接合された際に直管12の端部の位置とそれぞれ一致するように開口部が配置され、隣接する開口部同士を接続するように複数のU字状連結路13が形成されている。U字状連結路13は、蓋カバー16、17が、管板14、15にそれぞれ接合されると、直管12同士を接続し、全体として入口管18から出口管19に至る一本の流動物通路11を形成するように配置されている。
蓋カバー16、17を構成する材質としては、耐熱性および耐蝕性を有する任意の材質を用いることができる。本実施の形態においては、鋳造用ステンレス(SCS14)を用いたステンレス鋳物により蓋カバー16、17が構成されている。
蓋カバー16、17と管板14、15との間にはガスケット22が配置される。ガスケット22の材質としては、耐熱性および耐候性に優れたEPDM(エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム)等の合成ゴムが挙げられる。
あるいは、ガスケット22の代わりに、またはガスケット22とともに、全ての直管12とU字状連結路13との間にOリングを配置してもよい。これにより、管板14、15に蓋カバー16、17をシール状態で取付けることができる。
【0027】
蓋カバー17には、入口管18および出口管19が蓋カバー17を貫通するように取付けられている。入口管18および出口管19の一端は、蓋カバー17が管板15に取付けられた際に直管12のうち1本とそれぞれ接続され、他端は図示しないフランジ等を介して他の工程に接続される。
入口管18および出口管19に用いられる材質としては、耐熱性および耐蝕性を有する任意の材質を用いることができ、直管12に用いられるオーステナイト系ステンレス鋼(SUS316L等)、チタン(TTP340等)、モリブデン等の他に、磁性を有するステンレス鋼等の鉄基またはニッケル基合金を用いることもできる。
【0028】
管体群21の外側周囲には、断熱材を巻き付けて直管12から発生する熱の外部への放出を抑制することが好ましい。断熱材を構成する材質としては、誘導電流によりそれ自体が加熱されない絶縁体であるガラス繊維等が挙げられる。断熱材は、管体群21の外周に1 層のみでもよく、2層以上の複数層巻き付けてもよい。
また、直管12から発生する熱の外部への放出を抑制するために、誘導コイル20の外周にさらに断熱材を巻き付けてもよい。ここで用いられる断熱材の材質としては、ガラス繊維等の他に、より断熱性の高いコルク等が挙げられる。
【0029】
直管12に加熱のための誘導電流を流す誘導コイル20は、管体群21の全てを取り囲むように巻き回されている。なお、管体群21の周囲に断熱材が巻き付けられているときは、誘導コイル20は断熱材の外側周囲に、たとえば0.5〜3mm程度の隙間を空けて巻き回されている。
誘導コイル20を構成する線状導体としては、銅等の良導体が挙げられる。線状導体の直径やコイルのピッチ(隣り合う線状導体間の間隔)や巻数は、誘導加熱を用いた流動物加熱装置10の大きさ、加熱温度、誘導コイル20に流す高周波の電流および周波数等に応じて適宜調節される。誘導コイル20を冷却するために、たとえば銅製のチューブで誘導コイル20を構成し、内部に冷却水を流してもよい。
誘導コイル20のピッチを、管体群21の長手方向にわたって変化させることにより、流動物通路11の温度分布を調節してもよい。また、誘導コイル20の外周には、たとえば130℃程度の耐熱温度を有するポリオレフィン系樹脂等から構成される絶縁材が被覆されている。
【0030】
誘導コイル20の両端部は、図示しない高周波電源に接続されている。誘導コイル20に流される高周波の周波数は、たとえば20〜50kHzであり、このときの電力は、流動物加熱装置10の大きさや流動物通路11内部の設定温度等によるが、たとえば1〜40kWの範囲内である。
【0031】
流動物加熱装置10は、水、油、薬液等の一相系流動物や、高粘度であるため伝熱の進みにくいことの多い流動食品等の固液二相系流動物の加熱、殺菌処理の他、流動食品の調理や乳化等に用いることができる。特に、流動物通路11の内周部および撹拌部材が耐蝕性を備えた材料で構成されている場合には、衛生面が重視される流動食品等の熱処理に好適に用いることができる。
流動物は、ジャム等の粘度の高いものであってもよく、果肉入りジュース等の固形物を含むものであってもよい。
【0032】
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、たとえば、前記した実施の形態や変形例の一部または全部を組み合わせて本発明の誘導加熱を用いた流動物加熱装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
たとえば、前記実施の形態において、直管の本数は偶数であり、入口管および出口管は同一の蓋カバー上に取付けられていたが、直管の本数を奇数にして、入口管および出口管がそれぞれ異なる蓋カバー上に取付けられていてもよい。
また、前記実施の形態において、流動物通路は直管と蓋カバーの内部に形成されたU字状連結路とを有して構成されているが、1本の管を折り曲げて流動物通路を形成してもよい。
【0033】
また、前記実施の形態においては、管板および蓋カバーにU字溝を有するフランジを設け、蓋カバー固定用ロックボルトおよびナットにより蓋カバーを管板に固定しているが、管板および蓋カバーの外周に円環状のフランジを設け、クランプバンドで蓋カバーを管板に固定してもよい。
また、前記実施の形態において、全ての直管が正三角形の頂点に位置するように等間隔に配置されているが、複数の同心円上に多重環状に直管を配置してもよい。
【符号の説明】
【0034】
10:流動物加熱装置、11:流動物通路、12:直管、13:U字状連結路、14、15:管板、16、17:蓋カバー、18:入口管、19:出口管、20:誘導コイル、21:直管群、22:ガスケット、23、24:フランジ、25:蓋カバー固定ボルト、26:蓋カバー固定ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)隙間を有して平行に配置され導電性を有する金属材料からなる直管と、前記各直管の一方側および他方側にあって、全ての前記直管を直列に連結するU字状連結路とを備え、入口および出口を有して全体が一つの流路を形成する流動物通路と、
(2)前記全ての直管を取り囲むように巻回され、前記直管の各々に高周波誘導電流を流す誘導コイルとを有し、
前記直管の両側はそれぞれ管板によって支持され、かつ前記直管が非磁性かつ耐蝕性を有する前記金属材料からなることを特徴とする誘導加熱を用いた流動物加熱装置。
【請求項2】
(1)隙間を有して平行に配置され導電性を有する金属材料からなる直管と、前記各直管の一方側および他方側にあって、全ての前記直管を直列に連結するU字状連結路とを備え、入口および出口を有して全体が一つの流路を形成する流動物通路と、
(2)前記全ての直管を取り囲むように巻回され、前記直管の各々に高周波誘導電流を流す誘導コイルとを有し、
前記直管の両側はそれぞれ管板によって支持され、かつ少なくとも前記直管の両端部を除く部分にコルゲート加工がなされていることを特徴とする誘導加熱を用いた流動物加熱装置。
【請求項3】
請求項1記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置において、少なくとも前記直管の両端部を除く部分にコルゲート加工がなされていることを特徴とする誘導加熱を用いた流動物加熱装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置において、前記各U字状連結路は、隣り合う前記直管を連結していることを特徴とする誘導加熱を用いた流動物加熱装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱を用いた流動物加熱装置において、前記直管の内部の少なくとも一部に撹拌部材が配置されていることを特徴とする誘導加熱を用いた流動物加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−69532(P2012−69532A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−284043(P2011−284043)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【分割の表示】特願2006−292920(P2006−292920)の分割
【原出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000190677)新光産業株式会社 (4)
【出願人】(000208695)第一高周波工業株式会社 (90)
【Fターム(参考)】