誘導管理方法、誘導管理プログラム及び情報表示媒体
【課題】 対象者に誘導案内情報を提供して、対象者を的確に誘導するための誘導方法、誘導プログラム及び情報表示媒体を提供する。
【解決手段】 商品が搬送される倉庫までに通過するゲートにコンピュータ端末30を設置する。コンピュータ端末30は、商品とともに搬送されるリライタブルペーパ500のICタグ510から、搬送された商品の入庫識別子をプリンタ40を介して取得し、ホストコンピュータ20に送信する。ホストコンピュータ20は、その入庫識別子の搬入スケジュールデータを取得し、これに記録されたゲート識別子に基づいて、そのゲートから次に進むゲートの誘導案内データを取得し、コンピュータ端末30に送信する。コンピュータ端末30は、プリンタ40を介して、次に向かうゲートへの誘導案内をリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に表示する。
【解決手段】 商品が搬送される倉庫までに通過するゲートにコンピュータ端末30を設置する。コンピュータ端末30は、商品とともに搬送されるリライタブルペーパ500のICタグ510から、搬送された商品の入庫識別子をプリンタ40を介して取得し、ホストコンピュータ20に送信する。ホストコンピュータ20は、その入庫識別子の搬入スケジュールデータを取得し、これに記録されたゲート識別子に基づいて、そのゲートから次に進むゲートの誘導案内データを取得し、コンピュータ端末30に送信する。コンピュータ端末30は、プリンタ40を介して、次に向かうゲートへの誘導案内をリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者に誘導案内情報を提供して、対象者を的確に誘導するための誘導方法、誘導プログラム及び情報表示媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載型ナビゲーション装置では、GPS(Global Positioning Systems;全地球測位システム)を利用し、自動車の位置を刻々と液晶表示装置に表示された地図上に示す。この液晶表示装置では専用機器が必要になる。また、液晶表示装置に表示できる大きさに限度があるため、目的地までのルート全体を表示するには縮尺を小さくする必要があり、また部分的にしか表示できないというような問題があった。
【0003】
このため、比較的わかり易い地図を紙出力することができるナビゲーション装置が提供されるようになった(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の技術によれば、地図情報をサービスするカーナビゲーションシステムにおいて、ネットワークを介して複数のナビゲーション装置に広告情報をサービスするホストコンピュータ及び広告情報サーバから成る広告情報サービス装置と、地図情報蓄積手段を有する印刷手段付きのナビゲーション装置とを備える。そして、そのナビゲーション装置の操作手段により指定条件に合致する地図情報の印刷が指示されたとき、ナビゲーション装置が、広告情報サービス装置に対して広告情報の転送を要求し、要求に応じて転送されてきた広告情報を受信し、この受信した広告情報と、地図情報とを印刷手段により印刷出力する。これにより、紙に印刷した案内情報を提供することもできる。
【0004】
一方、工場などでは、各プロセスにおいてその工程を管理するために各種管理票を用いている。例えば、図16に示す工場において商品の荷降ろしを行なう場合、まず工場受付で受付処理を行なう。そして、輸送車は倉庫(A、B、C…)に誘導される。更に、輸送車は、倉庫内の指定された荷降ろし場所(例えば、倉庫Aの場合、デッキA1〜A3)に、運搬してきた荷物の荷降ろしを行なう。このように、通常のナビゲーションシステムが利用できない特殊な環境における誘導案内も必要である。
【0005】
このように、特殊な環境下で検索対象物(例えば、図書)に対するアクセスを支援する有効な手法を提供する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この技術では、予め定められた構内における出発点となる第1の地点(例えば構内の入口)と到達点となる第2の地点(例えば図書が設置されている地点)との入力を受け付ける。そして、入力情報に基づいて第1の地点から第2の地点に到るノード及びルートから構成された経路を計算する。更に、構内を表現する図面中に計算した経路を表示する地図画面と計算した経路を構成するノード及びルートの属性情報を経路の順番に表示する属性画面とを組み合わせた案内画面を生成するための情報を収集し、収集した情報に基づいて案内画面を利用者端末に表示する。
【0006】
更に、このような出荷等のプロセス管理を行なう場合に、生産管理情報の変更時にも再使用可能な生産管理票を用いて、効率的な生産管理を行なうことのできる生産管理システムに関する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この特許文献3に記載の技術によれば、所要の情報を書き換え可能に表示するための生産管理票としてのデジタルペーパと、生産管理に関する情報を処理するための情報処理装置と、デジタルペーパと情報処理装置との間の通信を行なうための通信手段とを備えている。デジタルペーパは、所定の製造設備に備え付けられている。
【特許文献1】特開2002−257560号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2004−86848号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開2002−73138号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
昨今の運送・配送に関しては、共同運送の事業化による運送業の統合化が整備、推進されることにより、従来の配送エリア、区分が改変されることがある。また、これまでにないインターネットを介した運送代行業者の紹介システムにより、新規の運送代行業者が工場倉庫に荷物を納入するようなケースが増加するようになる。そのため、搬入の工場に不慣れな者が搬入の担当となるようなこともあり、このような場合は、搬入に時間がかかることになる。他方、工場内のラインや仕組み、搬入の状況などを製品の製造過程の一部として「機密」として扱う企業もあり、そのような企業の工場や倉庫に対する納入は、搬入者のセキュリティや搬入物のチェックが厳しく管理する必要がある。
【0008】
また、各工場では、地球規模の環境影響、ゴミゼロ・リサイクル化の運動が推進されており、そのような事情を考慮した運送・搬入システムが求められている。しかし、毎回、紙に案内情報を印刷していたのでは紙資源の無駄になる。
【0009】
また、上述の技術では、表示内容を変更する場合、情報処理装置やプリンタが必要になる。
そして、納品管理においては、各プロセスの進捗状況に応じて、効率的なプロセスの運用を図る必要もある。そこで、様々な配送業者の形態、搬入の状態に応じた搬入方法、更には、地球環境を考慮した搬入の方法が求められている。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、対象者に誘導案内情報を提供して、対象者を的確に誘導するための誘導方法、誘導プログラム及び情報表示媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1又は5に記載の発明によれば、可視的に情報が可逆表示される可逆表示部とデータ記憶手段とを有する情報表示媒体の前記可逆表示部に可逆印刷を行ない、前記データ記憶手段とデータの送受信を行なう送受信手段及び可逆印刷手段を有し、ノードに設置されるノード端末、対象者に関する行動スケジュールデータを記録する行動スケジュール記憶手段、及び前記対象者が次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを記録した誘導案内データ記憶手段に接続された管理コンピュータを用いて、前記対象者の誘導を管理する。管理コンピュータが、前記ノード端末を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録された行動特定データを取得し、この行動特定データに基づいて、前記行動スケジュール記憶手段から、前記対象者が次に進むノードを特定する。管理コンピュータが、前記誘導案内データ記憶手段から、前記ノード端末の可逆印刷手段が設置されているノードから、次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを取得する。管理コンピュータが、取得した誘導案内データを、前記ノード端末を介して前記情報表示媒体の可逆表示部に表示させる。このため、情報表示媒体の可逆表示部に印刷された誘導案内により、次のノードまで誘導することができる。従って、例えば対象者を最終的な目的地に近づくノードに順次誘導するので、対象者を的確に誘導することができる。また、対象者がノードに到着する毎に、次のノードへの誘導案内を行なう。このため、管理コンピュータは、各ノードにおいて対象者の進捗状況を把握して対象者の行動プロセスを管理することができる。
【0012】
請求項2又は6に記載の発明によれば、ノード端末の前記可逆印刷手段において、前記情報表示媒体の可逆表示部に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内デー
タに基づく情報を前記可逆表示部に可逆表示させる。このため、対象者には、次のノードに進むための情報以外を提供しないとともに、その情報を新たに提供する場合には、過去に提供した情報が削除される。従って、次に進むノードの情報しか可逆表示部に表示されないので、次に進むノードに対象者をより確実に誘導することができる。また、漏洩を回避して、セキュリティを高めることができる。
【0013】
請求項3又は7に記載の発明によれば、管理コンピュータには、対象者の行動履歴に関して対象者レベルが記録された対象者履歴データ記憶手段が更に接続される。誘導案内データ記憶手段には、対象者レベルに対応して誘導案内データが記録される。情報表示媒体のデータ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが記録される。管理コンピュータが、前記ノード端末の前記送受信手段を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録されている対象者データを取得し、対象者履歴データ記憶手段を用いてこの対象者の対象者レベルを特定するレベル特定段階を更に実行する。管理コンピュータは、特定された対象者レベルに応じた誘導案内データを取得する。このため、対象者レベルに応じた誘導案内情報を対象者に提供することができる。例えば、対象者が不慣れな場合には、より詳細な誘導情報を提供することにより、行動時間の短縮を図ることができる。また、対象者が慣れている場合には、この対象者に応じた情報を提供することができる。
【0014】
請求項4又は8に記載の発明によれば、行動スケジュール記憶手段には、搬送の優先度に関するデータが更に記録される。誘導案内データ記憶手段には、優先度に対応して誘導案内データが記録される。管理コンピュータが、前記ノード端末の前記送受信手段を介して取得した行動特定データに基づいて優先度を算出する。管理コンピュータは、前記優先度に応じた誘導案内データを取得する。このため、優先度が高い場合には、その対象者が優先して行動されるように誘導できるので、効率的に案内をすることができる。
【0015】
請求項9に記載の発明によれば、行動内容を特定する行動特定データを記録したデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に記録された行動特定データに基づいて特定された誘導先に誘導するための案内情報を可逆表示する可逆表示部とを有する。このため、情報表示媒体の可逆表示部に印刷された誘導案内により、対象者を的確に、誘導先に誘導することができる。
【0016】
請求項10に記載の発明によれば、データ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが更に記録され、前記可逆表示部には、前記対象者データに対応する前記案内情報が可逆表示される。このため、対象者には、次のノードに進むための情報以外を提供しないとともに、その情報を新たに提供する場合には、過去に提供した情報が削除される。従って、情報の漏洩を回避して、セキュリティを高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、対象者に誘導案内情報を提供して、対象者を的確に誘導することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を、図1〜図8に従って説明する。本実施形態では、工場に商品の搬入作業(行動)を行なう対象者としての搬入者を誘導する場合を想定する。この場合、商品を搬送する搬入者は、図1に示す情報表示媒体としてのリライタブルペーパ500を携帯する。
【0019】
図1に示すように、リライタブルペーパ500は、全体でA4版の大きさで、その一部に書き換え可能な可逆表示部としてのリライタブル表示領域520が設けられている。このリライタブル表示領域520は、熱可逆性(Thermo-Chromic)フィルム等の可逆性感熱記録媒体により構成される。本実施形態の熱可逆性フィルムは、記録層にロイコ染料と顕色剤を含んでおり、リライタブル特性を実現する。すなわち、発色は、消色状態から融点以上(例えば約180℃)に加熱し、ロイコ染料と顕色剤とが混合した溶融状態から急冷することによって行なう。この場合、染料と顕色剤が結合したまま凝集し、ある程度規則的に集合した状態を形成して発色状態が固定される。一方、消色は、発色状態を溶融しない温度(例えば120〜160℃)に再加熱することにより行なう。この場合、発色の集合状態が崩れ、顕色剤が単独で結晶化して相分離することによって消色状態になる。
【0020】
本実施形態のリライタブルペーパ500は、表面から深さ方向に向かって、保護層、熱可逆性フィルムで構成された記録層、基材層、バックコート層という4層をもって構成されている。そして、このリライタブルペーパ500は、柔軟性と同時にある程度の強度特性を有するように構成され、繰り返し使用することができる。
【0021】
更に、このリライタブルペーパ500には、図1に示すように、データ記憶手段としてのICタグ510が付されている。ICタグ510は、CPU511、ROM領域512、RAM領域513、アンテナ部514を備える。ROM領域512には、このリライタブルペーパ500を識別するための識別情報(搬入者識別子データ)が記録されている。また、RAM領域513には、リライタブル表示領域520に可逆表示された印字内容データ(入庫識別子データ及び目的ゲート識別子データ)が記録される。ここで、目的ゲート識別子とは、このリライタブルペーパ500を携帯する搬入者が次に向かうべきノードとしてのゲートを特定するためのゲート識別子である。なお、「搬入者識別子データ」、「入庫識別子データ」については後で詳述する。また、アンテナ部514は、アンテナコイルにより構成され、後述するプリンタ40との間で、非接触でデータ送受信を行なう。
【0022】
一方、工場内には、搬入者の到達地点をチェックするために、複数のノードとしてのゲートが設置されている。そして、これらゲートのそれぞれには、コンピュータ端末30と、これに接続されたプリンタ40とがセットで設置されている。すなわち、本実施形態では、コンピュータ端末30とプリンタ40とによりノード端末が構成されている。
【0023】
プリンタ40は、可逆印刷手段として機能し、リライタブルペーパ500とデータの送受信を行なう。このプリンタ40は、図5に示すように、制御部41、ICタグ通信部42、可逆印刷処理部43及びネットワーク通信部44を備える。制御部41は、各機能部(42〜44)を制御し、図1のリライタブルペーパ500のICタグ510に記録されたデータを読み取ったりICタグ510にデータを書き込んだりする。
【0024】
ICタグ通信部42は、ノード端末の送受信手段として機能し、ICタグ510との間で、非接触方式でデータ送受信を行なう。このICタグ通信部42は、具体的には、アンテナである。また、本実施形態では、このアンテナは、プリンタ40の給紙トレイに設けられている。このICタグ通信部42により制御部41は、ICタグ510に格納されるデータの読み出しや書き込みを行なうことができる。
【0025】
可逆印刷処理部43は、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520への印字の書き込みや、この領域に可逆表示された印字の消去を行なう。具体的には、上述した加熱処理を実行することにより、染料の発色や消去を行なう。
【0026】
ネットワーク通信部44は、コンピュータ端末30等に接続するための外部インターフェイス手段である。このネットワーク通信部44を介して、制御部41は、コンピュータ
端末30等からデータを受信したり、リライタブルペーパ500から読み取ったデータをコンピュータ端末30等に送信したりする。
【0027】
図1のコンピュータ端末30は、CPU、RAM及びROM等を有するとともに、プリンタ40とデータの送受信を行ない、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500に記録されたデータを取得したりリライタブルペーパ500にデータを記録したりする。また、コンピュータ端末30は、設置されているゲートを特定するための識別子データ(現在地ゲート識別子)が記録されている。そして、コンピュータ端末30は、後述するホストコンピュータ20とネットワークNを介してデータの送受信を行なう。そして、コンピュータ端末30は、リライタブルペーパ500に記録されたデータをホストコンピュータ20に送信するとともに、ホストコンピュータ20から受信したデータをリライタブルペーパ500に記録する。
【0028】
商品搬入を管理するホストコンピュータ20は、ゲートに設置された各コンピュータ端末30を介して、搬入される商品の管理を行なう管理コンピュータである。このホストコンピュータ20は、CPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(ノード特定段階、取得段階、出力段階、レベル特定段階及び算出段階等を含む処理)を行なう。そして、このための誘導管理プログラムを実行することにより、ホストコンピュータ20は、ノード特定手段、取得手段、出力手段、レベル特定手段及び算出手段等として機能する。
【0029】
ノード特定手段は、ノード端末を構成するコンピュータ端末30及びプリンタ40を介して、リライタブルペーパ500のICタグ510に記録された入庫識別子データを取得し、この入庫識別子データに基づいて、後述する搬入スケジュールデータ記憶部22から、搬入者が次に進むゲートを特定する。
【0030】
取得手段は、誘導案内データ記憶部24から、プリンタ40が設置されているゲートから、次に進むゲートへ誘導案内するための誘導案内データを取得する。この取得手段は、特定された搬入者の搬入履歴レベルに応じた誘導案内データを取得する。更に、この取得手段は、優先度に応じた誘導案内データを取得する。
【0031】
出力手段は、取得した誘導案内データを、コンピュータ端末30及びプリンタ40を介してリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に表示させる。また、この出力手段は、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内データに基づく情報をリライタブル表示領域520に可逆表示させる。
【0032】
レベル特定手段は、プリンタ40のICタグ通信部42を介してリライタブルペーパ500のICタグ510に記録されている搬入者識別子データを取得し、この搬入者の搬入履歴レベルを特定する。算出手段は、プリンタ40のICタグ通信部42を介して取得した入庫識別子データに基づいて優先度を算出する。
【0033】
更に、ホストコンピュータ20は、行動スケジュール記憶手段としての搬入スケジュールデータ記憶部22、対象者履歴データ記憶手段としての搬入者データ記憶部23及び誘導案内データ記憶手段としての誘導案内データ記憶部24に接続されている。
【0034】
搬入スケジュールデータ記憶部22は、図2に示すように、行動スケジュールデータとしての搬入スケジュールデータ220を記憶している。搬入スケジュールデータ220は、新たな商品の搬入予定が決定されると記録される。この搬入スケジュールデータ220は、入庫識別子、入庫予定時刻、搬入者識別子、搬入倉庫識別子、ゲート識別子、搬入時刻及び優先入庫識別子に関するデータを含む。なお、本実施形態では、入庫識別子データ
が行動特定データに対応し、搬入者識別子データが対象者データに対応する。
【0035】
入庫識別子データ領域には、商品の搬入を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
入庫予定時刻データ領域には、商品の搬入の予定時刻に関するデータが記録されている。本実施形態では、工場敷地受付の予定時刻が記録されている。
【0036】
搬入者識別子データ領域には、商品を搬入する搬入者に関するデータが記録されている。
搬入倉庫データ領域には、商品の搬入を予定している倉庫に関するデータが記録されている。
【0037】
ゲート識別子データ領域には、工場受付から荷降ろし場所までに通過するゲートが順番に記録されている。ゲート識別子データ領域の初期値としての「ゲート1識別子」には、工場搬入受付のゲート識別子が記録される。そして、「ゲート2識別子」〜「ゲートN識別子」には、荷降ろし場所に到るまでの中継地点のゲート識別子が通過予定の順番に記録される。また、ゲート識別子データ領域の最終地には、搬入倉庫を示すゲート識別子が記録される。従って、本実施形態では、倉庫の搬入受付を中継するため、「ゲート1識別子」として工場敷地受付ゲートを示す識別子、「ゲート2識別子」として搬入受付口ゲートを示す識別子、「ゲート3識別子」として搬入倉庫を示す識別子が記録される。
【0038】
搬入時刻データ領域には、ゲート識別子によって特定されるゲートに商品が到着した時刻に関するデータが記録される。なお、本実施形態では、搬入倉庫に対応する搬入時刻データとして、退出完了時刻が記録される。
【0039】
優先入庫識別子データ領域には、この商品の搬入を行なうより先に搬入されるべき商品の搬入を特定するための入庫識別子に関するデータが記録されている。この商品入庫識別子データ領域にデータがない場合には、その商品の搬入よりも先に搬入されるべき商品の搬入はないことを意味する。
【0040】
搬入者データ記憶部23は、図3に示すように、搬入者データ230を記憶している。搬入者データ230は、商品の搬入依頼を新たな搬入者と契約した場合に記録される。搬入者データ230は、搬入者識別子及び搬入履歴レベルに関するデータを含む。
【0041】
搬入者識別子データ領域には、搬入者を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
搬入履歴レベルデータ領域には、その搬入者の搬入の履歴レベルに関するデータが記録される。この搬入履歴レベルは、その搬入者が過去に行った商品の搬入内容や頻度などによって決定される。すなわち、この搬入履歴によって、この搬入者の工場内の配置や規則の熟知度が特定され、後述するように熟知度に応じて誘導案内の内容を変更する。なお、この搬入履歴レベルデータが対象者レベルデータに対応する。
【0042】
誘導案内データ記憶部24は、図4に示すように、搬入履歴レベルに応じた誘導案内データ240が記録されている。この誘導案内データ240は、起点ゲートから終点ゲートまでの各ゲート間のルートを誘導案内するためのデータである。この誘導案内データ240は、ゲートが設置されたときに記録される。この誘導案内データ240は、搬入履歴レベル、起点ゲート識別子、終点ゲート識別子、優先度及び誘導情報に関するデータを含む。
【0043】
搬入履歴レベルデータ領域には、その商品を搬入する搬入者の搬入についての履歴レベ
ルに関するデータが記録される。
起点ゲート識別子には、案内ルートの起点となるゲートを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0044】
終点ゲート識別子には、案内ルートの終点となるゲートを特定するための識別子に関するデータが記録される。
優先度データ領域には、案内ルートの優先度に関するデータが記録される。この優先度は、本実施形態では「低」、「中」、「高」の3つに設定されている。「低」の優先度は、搬入されてきた商品の搬入よりも先に行われるべき他の商品搬入がある場合などに設定される。この場合には、待機指示などが行われる。「中」の優先度は、その商品の搬入が、他の商品の搬入とは関係がなく行われる場合などに設定される。この場合には、通常のルートが案内される。「高」の優先度は、搬入予定時刻よりも遅れた場合などに設定される。この場合には、優先的に通行できるルートが案内される。
【0045】
誘導情報データ領域には、案内ルートの誘導情報に関するデータが記録される。この誘導情報データは、案内ルートの地図及び誘導時の注意(例えば工場敷地内の制限速度など)などを含む。
【0046】
次に、上記のように構成されたリライタブルペーパ500やプリンタ40を用いて、商品の搬入を行なう場合の処理手順を説明する。ここでは、搬入者が工場の倉庫に商品の荷降ろしを完了するまでの全体の手順について説明した後、その手順でコンピュータ端末30が行なうゲート受付処理(図7)と、ホストコンピュータ20が行なう誘導管理処理(図8)とを説明する。
【0047】
本実施形態では、搬入者が商品を搬入するときには、その搬入者の搬入者識別子がROM領域512に記録されているリライタブルペーパ500を用いる。そして、搬入者の会社にも、ネットワークNに接続されたコンピュータ端末30やプリンタ40を設置しておく。
【0048】
搬入者に商品搬入を指示する場合には、その入庫識別子、入庫予定時刻、搬入者識別子、搬入倉庫識別子を決定し、搬入スケジュールデータ記憶部22に記録する。ホストコンピュータ20は、搬入者識別子に基づいて搬入者のコンピュータ端末30を特定し、搬入依頼をネットワークNを介して送信する。この搬入依頼には、目的ゲート識別子、入庫識別子、搬入を依頼する商品リストデータが含まれる。なお、本実施形態では、目的ゲート識別子として、搬入倉庫がある工場敷地受付ゲートを示すゲート識別子が含まれる。
【0049】
搬入者は、ネットワークNに接続されたコンピュータ端末により、商品の搬入依頼を受けると、搬入者はリライタブルペーパ500を用いて搬入依頼書を印字させる。この場合、プリンタ40は、リライタブルペーパ500のRAM領域513に、指示に含まれる入庫識別子及び工場敷地受付ゲートのゲート識別子を記録する。また、このリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520には、図6に示すように、搬入依頼書600が可逆表示される。
【0050】
そして、搬入者は、商品とリライタブルペーパ500とを工場まで搬送し、工場の敷地に入るときに、工場の入口のゲートにおいて工場搬入受付を行なう(ステップSH1−1)。このとき、搬入者は、商品とともに持参したリライタブルペーパ500を、工場の入口のゲートに設置されているプリンタ40に挿入する。この場合、後述するゲート受付処理及び誘導管理処理が行われる。この結果、リライタブルペーパ500のデータが書き換えられる。具体的には、リライタブル表示領域520には、今まで記載されていた搬入依頼書表示の代わりに、次のゲート(ここでは倉庫Aの搬入口受付)に到るまでの搬入経路
の案内図や制限速度など搬入時の注意に関する工場敷地内案内情報610が可逆表示される。
【0051】
このリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に可逆表示された工場敷地内案内情報610に基づいて、工場敷地内の搬入誘導が行われる(ステップSH1−2)。そして、搬入者は、搬入誘導に従って商品の搬入先である倉庫Aに向かう。
【0052】
その後、搬入者が、倉庫Aに到着すると、その倉庫Aの搬入口のゲートにおいて搬入口受付を行なう(ステップSH1−3)。このときも、上述した工場搬入受付と同様に、搬入者は、リライタブルペーパ500を、倉庫Aの搬入口のゲートに設置されているプリンタ40に挿入する。
【0053】
これにより、後述するゲート受付処理が行われて、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520のデータが書き換えられる。具体的には、リライタブル表示領域520には、可逆表示されていた工場敷地内案内情報610の代わりに、倉庫内の荷降ろし場所に到る情報及び担当者に関する倉庫内誘導情報620が可逆表示される。
【0054】
このリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に可逆表示された倉庫内誘導情報620に基づいて、搬入倉庫内の搬入誘導が行われる(ステップSH1−4)。そして、搬入者は、その商品の搬入先である荷降ろし場所の「デッキA2」に向かう。
【0055】
その後、荷降ろし場所の「デッキA2」に至った搬入者は、リライタブル表示領域520に記録されている担当者に連絡を行ない、搬送してきた商品の荷降ろしを行なう(ステップSH1−5)。
【0056】
なお、荷降ろしを完了した搬入者は、工場を出るときに、工場搬入受付ゲートのプリンタ40にリライタブルペーパ500を通す。これにより、入庫が完了したことを把握することができる。
【0057】
(ゲート受付処理及び誘導管理処理)
次に、各ゲートで行われるゲート受付処理と、このときにホストコンピュータ20において行われる誘導管理処理について、図7及び図8を用いて説明する。ここでは、工場搬入受付ゲートの場合を想定する。上述したように、ゲートに至った搬入者は、商品とともに搬送してきたリライタブルペーパ500をゲートのプリンタ40に通す。このとき、プリンタ40のICタグ通信部42は、リライタブルペーパ500のICタグ510と通信を行なう。これにより、プリンタ40に接続されているコンピュータ端末30は、リライタブルペーパ500のICタグ510から、データを読み取る(ステップS1−1)。このとき、読み取られるデータは、ROM領域512に記録されている搬入者識別子及びRAM領域513に記録されている入庫識別子に関するデータである。
【0058】
次に、コンピュータ端末30は、ホストコンピュータ20とデータの送受信を行って、誘導案内データを取得する(ステップS1−2)。このとき、コンピュータ端末30は、ステップS1−1で読み取った搬入者識別子、入庫識別子に関するデータと、コンピュータ端末30が設置されているゲートを特定するためのゲート識別子(現在地ゲート識別子)に関するデータとを、ネットワークNを介してホストコンピュータ20に送信する。
【0059】
この場合、ホストコンピュータ20は誘導管理処理を実行する。この処理について図8を用いて説明する。
各ゲートに設置されたコンピュータ端末30から搬入者識別子及び入庫識別子に関するデータを受信したホストコンピュータ20は、まず、入庫識別子に基づいて搬入スケジュ
ールデータ220の検索を行なう(ステップS2−1)。具体的には、ホストコンピュータ20は、受信した入庫識別子を含む搬入スケジュールデータ220を搬入スケジュールデータ記憶部22から抽出する。そして、ホストコンピュータ20は、抽出した搬入スケジュールデータ220の搬入者識別子データと、受信した搬入者識別子データとが一致しているか否かを確認する。なお、搬入者識別子データが不一致の場合には、後述する搬入スケジュールの不一致と同様に、エラー出力を行なう(ステップS2−3)。
【0060】
更に、ホストコンピュータ20は、搬入スケジュールが一致しているか否かを確認する(ステップS2−2)。具体的には、ホストコンピュータ20は、コンピュータ端末30から受信した現在地ゲート識別子と、搬入スケジュールデータ220の搬入時刻が記録されていないゲート識別子とを比較する。このとき、搬入スケジュールと不一致の場合(ステップS2−2において「NO」の場合)には、エラー出力を行なう(ステップS2−3)。例えば、誘導案内されるはずのゲートと異なる場合や予定していた搬入者と異なる場合には、ホストコンピュータ20は警告を表示する。この場合、ホストコンピュータ20は、リライタブルペーパ500のRAM領域513に記録されている目的ゲート識別子を読み取り、この目的ゲート識別子に基づいて、正しいゲートに誘導するための案内を可逆表示する。これにより、入庫の間違いを把握し、是正することができる。
【0061】
一方、搬入スケジュールと一致している場合(ステップS2−2において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は、入庫識別子を受信した時刻を搬入時刻として記録した後、その入庫の優先度を算出する(ステップS2−4)。具体的には、まず、ホストコンピュータ20は、搬入スケジュールデータ220の搬入予定時刻との比較を行なう。そして、許容時間(例えば15分)以上の遅れが生じている場合には、ホストコンピュータ20は、コンピュータ端末30から受信した入庫識別子の優先度として「高」を割り当てる。
【0062】
一方、搬入予定時刻から許容時間内に到着した場合には、ホストコンピュータ20は、優先入庫識別子データがあるか否かを判断する。このとき、搬入スケジュールデータ220に優先入庫識別子データが設定されていない場合には、ホストコンピュータ20は、その入庫識別子の優先度として「中」を割り当てる。
【0063】
また、優先入庫識別子データが設定されている場合には、ホストコンピュータ20は、その優先入庫識別子の搬入スケジュールデータ220を取得する。そして、この優先入庫識別子の搬入が完了し、搬入スケジュールデータ220に搬入時刻が記録されている場合には、ホストコンピュータ20は、この入庫識別子の優先度として「中」を割り当てる。一方、優先入庫識別子の搬入スケジュールデータ220が完了しておらず、搬入時刻が記録されていない場合には、この入庫識別子の優先度として「低」を割り当てる。以上により、他の商品の搬入状態に応じて優先度が決定される。
【0064】
次に、ホストコンピュータ20は、優先度に応じて誘導案内を変更する(ステップS2−5)。具体的には、ステップS2−4で算出した優先度が「高」以外の場合(ステップS2−5において「NO」)には、ホストコンピュータ20は、優先入庫すべきものや入庫予定時刻に基づいて、この商品の搬入が可能か否かを判断する(ステップS2−6)。具体的には、ホストコンピュータ20は、搬入口や搬入倉庫内の混雑状況を搬入スケジュールデータ220から取得する。そして、優先入庫すべきものや入庫予定時刻の早い搬入が到着した場合、荷降ろしを行なうスペースが残っているかどうかを判断する。
【0065】
商品の搬入ができない場合(ステップS2−6において「NO」の場合)、ホストコンピュータ20は、待機指示を出力する(ステップS2−7)。具体的には、ホストコンピュータ20は、コンピュータ端末30に対して、所定時間の待機を指示する旨の指示デー
タを送信する。そして、コンピュータ端末30は、この指示データを可逆印刷データに変換し、変換した可逆印刷データをプリンタ40に送信する。プリンタ40は、可逆印刷データを用いてリライタブルペーパ500に待機する旨の指示を可逆印刷する。
【0066】
一方、搬入が可能な場合(ステップS2−6において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は、入庫識別子及び搬入履歴レベルに基づいて誘導案内データを決定する(ステップS2−8)。具体的には、ホストコンピュータ20は、入庫識別子の搬入スケジュールデータ220から搬入者識別子を抽出する。また、ホストコンピュータ20は、搬入者識別子に基づいて、その搬入者の搬入履歴レベルデータを取得する。
【0067】
そして、ホストコンピュータ20は、該当する誘導案内データ240を誘導案内データ記憶部24から抽出する。具体的には、ホストコンピュータ20は、取得した搬入レベル、始点ゲート識別子、終点ゲート識別子及びステップS2−4で算出した優先度を有する誘導案内データ240を抽出する。ここで、始点ゲート識別子には、入庫識別子を取得したコンピュータ端末30があるゲートの識別子が用いられる。また、終点ゲート識別子には、始点ゲートの次のゲートとして搬入スケジュールデータ220に記録されたゲートの識別子が用いられる。一方、優先度が「中」の場合には、通常のルートが可逆表示される。また、優先度が「高」の場合には、出発地ゲートと目的地ゲートが同じであっても優先的に搬入できるルートが可逆表示される。
【0068】
そして、抽出した誘導案内データ240の誘導情報をコンピュータ端末30に送信する。これにより、コンピュータ端末30は、ホストコンピュータ20から誘導案内データを取得する(ステップS1−2)。以上により、ホストコンピュータ20の誘導管理処理が完了する。
【0069】
そして、ホストコンピュータ20から誘導案内データを受信したコンピュータ端末30は、図7に示すように可逆印刷処理を行なう(ステップS1−3)。具体的には、ステップS1−2で取得した誘導案内データの可逆印刷データを生成する。そして、コンピュータ端末30は、生成した可逆印刷データをプリンタ40に送信する。プリンタ40の制御部41は、可逆印刷データに基づいて可逆印刷処理部43に可逆印刷処理を実行させる。
【0070】
具体的には、まず、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に印字されていた可逆表示(例えば、工場搬入受付ゲートでは搬入依頼書600、搬入口受付ゲートにおいては工場敷地内案内情報610)を消去する。そして、新たな誘導案内(工場搬入受付ゲートでは工場敷地内案内情報610、搬入口受付ゲートにおいては倉庫内誘導情報620)を印字する。これにより、搬入者は商品の搬入先を目視確認する。
【0071】
次に、プリンタ40の制御部41は、ICタグ通信部42を介してICタグ510のメモリのデータを更新する(ステップS1−4)。ここでは、終点ゲート識別子を目的ゲート識別子として、リライタブルペーパ500のRAM領域513に書き込む。以上により、リライタブルペーパ500が書き換えられ、ゲート受付処理が終了する。
【0072】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態においては、各ゲートに搬入者が到着した場合、そのゲートに設置されているプリンタ40にリライタブルペーパ500を挿入する。これにより、コンピュータ端末30は、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500のICタグ510に記録された入庫識別子データを取得する(ステップS1−1)。そして、コンピュータ端末30は、この入庫識別子データに基づいてホストコンピュータ20から、次のゲートに誘導案内するための誘導案内データを取得し(ステップS1−2)、工場敷地内案内情報610や倉庫内誘導情報620を可逆印刷する(ステップS1−3)。
【0073】
今日、カーナビゲーションシステム等の発達により、一般道において目的地までの案内情報を得ることができるが、私有地である工場敷地内の情報を取得することはできない。本実施形態では、リライタブルペーパ500に印字された誘導案内により、搬入者を的確に、目的地まで誘導することができる。
【0074】
更に、ホストコンピュータ20は、搬入者がゲートに到着する毎に、次のゲートへの誘導案内を取得する。このため、ホストコンピュータ20は、各ゲートにおいて、搬入者の進捗状況を把握して搬入プロセスを管理することができる。従って、発注しない物の納品チェックも実施することができる。また、搬入者には、次のゲートに進むための情報以外を提供しないとともに、その情報を新たに提供する場合には、過去に提供した情報が削除される。従って、情報の漏洩を回避して、セキュリティを高めることができる。
【0075】
・ 本実施形態においては、ホストコンピュータ20は、ゲートのコンピュータ端末30から、リライタブルペーパ500のICタグ510に記録されている入庫識別子と搬入者識別子を取得する。そして、ホストコンピュータ20は、その入庫識別子データを有する搬入スケジュールデータ220の搬入者識別子データと、受信した搬入者識別子データとが一致しているか否かを確認する。このため、ホストコンピュータ20は、商品の搬入者を確認することができ、より確実に工場等の敷地への入退場を管理することができ、セキュリティを高めることができる。
【0076】
・ 本実施形態においては、ホストコンピュータ20は、コンピュータ端末30から受信したデータと、搬入スケジュールデータ220のデータとが一致するかを比較する(ステップS2−2)。このとき、搬入スケジュールと不一致の場合には、エラー出力を行なう(ステップS2−3)。例えば、予定していた搬入者と異なる場合には、ホストコンピュータ20は警告を表示する。予定している目的ゲートと現在位置ゲートが異なる場合には、ホストコンピュータ20は、正しいゲートに誘導するための案内を可逆表示する。これにより、入庫の間違いを把握し、是正することができる。
【0077】
・ 本実施形態においては、搬入者識別子データに関連付けて搬入者履歴レベルが搬入者データ記憶部23に記録されている。また、搬入者履歴レベルに応じた誘導情報が誘導案内データ記憶部24に記録されている。このため、ホストコンピュータ20は、リライタブルペーパ500から取得した搬入者識別子データから、その搬入者履歴レベルを取得し、その搬入者の搬入履歴レベルに応じた誘導情報を提供することができる。例えば、搬入者が不慣れな場合には、より詳細な誘導情報を提供することにより、搬入時間の短縮を図ることができる。また、搬入者が慣れている場合には、この搬入者に応じた情報を提供することができる。
【0078】
・ 本実施形態においては、商品の優先度に応じた誘導情報が誘導案内データ記憶部24に記録されている。このため、商品の優先度が高い場合には、迅速に商品の搬入を行なうため、優先的に搬入を進めるための誘導案内が可逆印刷される。従って、商品の搬入を効率的に行なうことができる。
【0079】
・ 本実施形態においては、ホストコンピュータ20は、搬入スケジュールデータ220の優先入庫識別子やその搬入時刻に基づいて、商品の搬入ができない場合(ステップS2−6において「NO」の場合)には、待機指示を出力する(ステップS2−7)。このため、予め定めた順番に、商品の搬入を効率よく行なうことができる。
【0080】
・ 本実施形態においては、ホストコンピュータ20が、搬入スケジュールデータ記憶部22に記録されている搬入スケジュールデータ220に基づいて、優先度を決定し(ス
テップS2−4)、この優先度に基づいてリライタブルペーパ500に可逆表示する内容を変更する。このため、商品の搬入順や優先度に変更が生じた場合には、搬入スケジュールデータ記憶部22に記録されているデータを変更することにより、変更に伴った指示をリライタブルペーパ500に出力することができる。従って、変更に応じた指示を迅速に行なうことができる。
【0081】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、図9〜図13に従って説明する。本実施形態では、上記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、検診センタにおいて、複数の診察(行動)を受ける対象者としての受診者を誘導する場合を想定する。
【0082】
また、本実施形態においても、図1に示す同様のシステム構成を用いる。ただし、本実施形態では、図9に示すように、診察受付によりリライタブルペーパを受診者に渡すシートが発行される(SH2−1)。そして、このリライタブルペーパ500によって、受診者は診察場所に誘導される(ステップSH2−2)。その後、診察場所に至った受診者は診察を受ける(ステップSH2−3)。すべての診察が完了すると、このリライタブルペーパ500によって、会計に誘導される(ステップSH2−4)。会計において、診察に対する会計が行われるとともに、リライタブルペーパ50が回収される(ステップSH2−5)。
【0083】
本実施形態においては、受付から最後の会計まで、受診者はリライタブルペーパ500を携帯する。このリライタブルペーパ500は、そのICタグ510のROM領域512に、このリライタブルペーパ500を識別するための識別情報として、リライタブルペーパ500に固有のデータ(媒体固有識別子データ)が記録されている。なお、本実施形態では、ICタグ510のRAM領域513には、上記第1実施形態と異なり、データを記録しない。本実施形態では、この媒体固有識別子データが行動特定データ及び対象者データに対応する。
【0084】
一方、検診センタなどの建物内には、受付、診察室や検査室及び会計があり、これらは、本実施形態において、受診者が立ち寄るノードに相当する。そして、これらノードのそれぞれには、上記第1実施形態と同様に、コンピュータ端末30と、これに接続されたプリンタ40とが設置されている。
【0085】
プリンタ40は、上記第1実施形態(図5)と同様に、制御部41、ICタグ通信部42、可逆印刷処理部43及びネットワーク通信部44を備える。このプリンタ40とデータの送受信を行なうコンピュータ端末30は、上記第1実施形態で説明したように、プリンタ40とデータの送受信を行ない、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500に記録されたデータを取得したり、リライタブルペーパ500にデータを記録したりする。また、コンピュータ端末30は、設置されているノードを特定するための識別子データ(現在地のノード識別子)が、ノードにおいて行われる診察の診察項目データと関連付けられて記録されている。更に、コンピュータ端末30は、上記第1実施形態のホストコンピュータ20に対応するホストコンピュータと、ネットワークを介してデータの送受信を行なう。
【0086】
ホストコンピュータは、ノードに設置された各コンピュータ端末30を介して、受診者の受診状況の管理を行なう管理コンピュータである。このホストコンピュータは、第1実施形態のホストコンピュータ20と異なり、レベル特定段階及び算出段階を行なわない。従って、本実施形態のホストコンピュータは、CPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(ノード特定段階、取得段階及び出力段階等を含む処理)を行なう。そして、こ
のための誘導管理プログラムを実行することにより、ホストコンピュータ20は、ノード特定手段、取得手段及び出力手段等として機能する。
【0087】
ノード特定手段は、ノード端末を構成するコンピュータ端末30及びプリンタ40を介して、リライタブルペーパ500のICタグ510に記録された識別子データを取得し、この識別子データに基づいて、後述する受診者データ記憶部82から、受診者が次に向かう診察場所を特定する。
【0088】
取得手段は、プリンタ40が設置されているノードから、次に進むノード(場所)に誘導案内するための誘導案内データを、誘導案内データ記憶部83から取得する。出力手段は、取得した誘導案内データを、コンピュータ端末30及びプリンタ40を介してリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に表示させる。また、この出力手段は、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内データに基づく情報をリライタブル表示領域520に可逆表示させる。
【0089】
更に、本実施形態のホストコンピュータは、第1実施形態と異なり、診察項目スケジュール記憶部、行動スケジュール記憶手段としての受診者データ記憶部82及び誘導案内データ記憶手段としての誘導案内データ記憶部83に接続されている。
【0090】
診察項目スケジュール記憶部は、検診コースに対応して受診者が受けるべき診察項目に関するデータが記録されている。このデータは、検診コース名と、これに関連付けられた複数の診察項目とを含んでいる。具体的には、例えば、「人間ドック」という検診コース名を有するデータについては、「胸部レントゲン」、「心電図」、「内科診察」、「採血」及び「尿検査」などの診察項目が関連付けられている。
【0091】
受診者データ記憶部82は、図10に示すように、行動スケジュールデータとしての受診者データ820を記憶している。受診者データ820は、受診者が検診の申し込みを新たに行なうと設定される。この受診者データ820は、受診者識別子、氏名、生年月日、診察項目、終了フラグ、媒体固有識別子及び割当診察項目に関するデータを含む。
【0092】
受診者識別子データ領域には、受診者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
氏名データ領域には、受診者の氏名に関するデータが記録される。
【0093】
生年月日データ領域には、受診者の生年月日に関するデータが記録される。
診察項目データ領域には、受診者が診察を予定している項目に関するデータが記録される。この診察項目データ領域は、受診者が受ける診察や検査の数に対応するデータ数が記録される。
【0094】
終了フラグデータ領域は、対応する診察項目の診察が終了したことを意味するデータが記録される。この終了フラグデータ領域にデータが記録されていない間は、この終了フラグに対応する診察項目を受診者がまだ受けていないことを意味する。
【0095】
媒体固有識別子データ領域には、この受診者が利用するリライタブルペーパ500を識別するための媒体固有識別子データが記録される。この媒体固有識別子データは、受診者が利用するリライタブルペーパ500のROM領域512に記録されているデータと一致する。
【0096】
割当診察項目データ領域には、受診者に割り当てられた診察項目に関するデータが記録
される。すなわち、割当診察項目データに基づいて、受診者が現在、誘導されて順番待ちをしている診察項目がわかる。
【0097】
誘導案内データ記憶部83は、図11に示すように、誘導案内データ830が記録されている。この誘導案内データ830は、病院内のノードに案内するためのデータである。この誘導案内データ830は、誘導場所を案内するための誘導項目と、その誘導場所に誘導するための誘導情報とを含む。ここで、誘導項目には、診察項目と、「会計」とを意味するデータが含まれる。誘導情報には、その誘導項目に対応する誘導場所へ誘導する情報が記録されている。本実施形態では、具体的には、この誘導情報として、地図及びその誘導場所を示す表示等が含まれる。
【0098】
次に、上記のように構成されたリライタブルペーパ500やプリンタ40を用いて、図9に示すような流れで受診を行なう場合の処理手順を説明する。
まず、本実施形態の受付処理について、図12を用いて説明する。本実施形態では、受診者が受付等において検診の申し込みをすると、その受診者データを生成する(ステップS5−1)。具体的には、受付のノードに設置されているコンピュータ端末30を介して、受診者に関するデータが入力され、このデータがネットワークを介してホストコンピュータに送信される。ここで、受診者に関するデータとしては、受診者の氏名や生年月日だけでなく、受診者が申し込みをした検診コースに関するデータをも含む。ホストコンピュータは、受信した受診者に関するデータを受診者データ記憶部82に記録する。具体的には、ホストコンピュータは、受診者の氏名、生年月日を記録する。また、ホストコンピュータは、検診コースに関するデータに基づいて、診察項目スケジュール記憶部から、受診者が受けるべき診察項目に関するデータを受診者データ820として記録する。
【0099】
次に、ホストコンピュータは、割当処理を行なう(ステップS5−2)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ記憶部82に記録されている受診者データ820の割当診察項目データを項目別にカウントする。そして、ホストコンピュータは、受診者が受診する診察項目のうち、最も受診者が少ない診察項目を抽出して、割当診察項目と決定する。なお、ここで、最も受診者が少ない診察項目が複数あった場合には、ホストコンピュータは、受診者データ820に記録されている順番で、診察項目を割り当てる。そして、割当診察項目として決定した診察項目を示すデータを割当診察項目データとして受診者データ820に記録する。
【0100】
次に、ホストコンピュータは、発行処理を行なう(ステップS5−3)。ここで、ホストコンピュータは、まず、リライタブルペーパ500に印字を行なう。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ820と、割当診察項目と一致する誘導項目の誘導情報に関するデータとを、印字するため、受付のコンピュータ端末30に送信する。このコンピュータ端末30は、プリンタ40に挿入されたリライタブルペーパ500に印字する。ここで、プリンタ40は、図9に示すようにリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に、受診者の氏名、生年月日、受診者識別番号、診察項目及び誘導情報を印字する。なお、誘導情報として、診察場所の案内図と、案内図中の診察場所を示す情報とが含まれる。
【0101】
次に、ホストコンピュータは、プリンタ40に挿入されたリライタブルペーパ500のROM領域512から媒体固有識別子データを読み取り、受診者データ記憶部82の受診者データ820に記録する。そして、プリンタ40はリライタブルペーパ500を排出する。以上により、受付処理を完了する。
【0102】
そして、受診者は、発行されたリライタブルペーパ500を受け取り、これを参照しながら、受診する場所に向かう。その後、受診者は、ノードとしての受診場所に到着し、診
察を受ける際には、リライタブルペーパ500を、その受診場所に設置されたプリンタ40に挿入する。これにより、第1実施形態におけるゲート受付処理と同様なノード受付処理が行われる一方で、第1実施形態における誘導管理処理の代わりの診察誘導管理処理が行われる。
【0103】
すなわち、図7に示すように、リライタブルペーパ500が挿入されたプリンタ40に接続されているコンピュータ端末30は、ICタグ510から、媒体固有識別子データを読み取る(ステップS1−1)。そして、読み取った媒体固有識別データと、現在地のノード識別子に対応する診察項目データとを、ホストコンピュータに送信する。
【0104】
ホストコンピュータでは、図13に示すように診察誘導管理処理を行なう。ここで、ホストコンピュータは、コンピュータ端末30において読み取ったデータを受信すると、この受信したデータに基づいて受診者を特定する(ステップS6−1)。具体的には、ホストコンピュータは、受信した媒体固有識別子を含む受診者データ820を、受診者データ記憶部82から抽出する。
【0105】
次に、ホストコンピュータは、終了フラグを記録する(ステップS6−2)。具体的には、ホストコンピュータは、特定した受診者データ820のうち、コンピュータ端末30から受信した診察項目データに対して終了フラグを記録する。そして、ホストコンピュータは、この受診者について、すべての診察が終了したか否かを判断する(ステップS6−3)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ820の診察項目に対応する終了フラグがすべて記録されているか否かを判断する。
【0106】
ここで、すべて診察項目について終了フラグが記録されている場合には、診察が終了した(ステップS6−3において「YES」)として、ホストコンピュータは、会計への誘導案内データを送信する(ステップS6−4)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ820に記録されている割当診察項目を削除する。そして、ホストコンピュータは、会計に誘導するための誘導情報を誘導案内データ830から抽出し、この誘導情報に関するデータを、ネットワークを介してコンピュータ端末30に送信する。
【0107】
一方、終了フラグがすべて記録されていない診察項目(未受診項目)が残っており、診察が終了していない場合(ステップS6−3において「NO」場合)には、ホストコンピュータは、未受診項目が複数あるか否かを判断する(ステップS6−5)。具体的には、受診者データ820に、終了フラグが記録されていない未受診項目のデータが2つ以上あるか否かを判断する。
【0108】
ここで、未受診項目が2つ以上ある場合(ステップS6−5において「YES」の場合)には、未受診項目の空き状況を取得する(ステップS6−6)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ記憶部82に記録されている受診者データ820の割当診察項目データを項目別にカウントする。
【0109】
次に、ホストコンピュータは、次の診察項目を決定する(ステップS6−7)。具体的には、ホストコンピュータは、未受診項目のうち、最も受診者が少ない診察項目を、次の診察項目と決定する。なお、未受診項目が1つの場合(ステップS6−5において「NO」の場合)には、この未受診項目を次の診察項目として決定する。
【0110】
次の診察項目を決定すると、ホストコンピュータは、その診察項目を示すデータを、割当診察項目データとして受診者データ820に上書きして、受診者データ820を更新する。
【0111】
そして、ホストコンピュータは、誘導案内データを送信する(ステップS6−8)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ820の割当診察項目データに記録した診察項目に対応する誘導情報を誘導案内データ830から抽出し、この誘導情報に関するデータを、ネットワークを介してコンピュータ端末30に送信する。
【0112】
上述したように、ホストコンピュータから送信された誘導案内データを受信して、コンピュータ端末30は、誘導案内データを取得する(図7のステップS1−2)。以上により、ホストコンピュータの診察誘導管理処理が完了する。
【0113】
そして、コンピュータ端末30は、可逆印刷処理を行なう(ステップS1−3)。具体的には、コンピュータ端末30は、ステップS1−2で取得した誘導案内データに対応する可逆印刷データを生成し、この可逆印刷データをプリンタ40に送信する。プリンタ40の制御部41は、可逆印刷データに基づいて、可逆印刷処理部43に可逆印刷処理を実行させる。
【0114】
ここで、プリンタ40の制御部41は、まず、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に印字されていた可逆表示(本実施形態では、診察項目及び案内地図情報)を消去し、新たな情報を印字する。本実施形態では、新たな情報としては、診察が完了した項目に「済」印が付けられた診察項目及び次の診察場所への誘導案内情報が印字される。従って、受診者は、新たな情報が印字されたリライタブルペーパ500を目視することにより、診察が終わった項目及び次の受診先の場所を確認する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と異なり、プリンタ40の制御部41は、ICタグ510のメモリのデータの更新(ステップS1−4)は行なわない。以上により、リライタブルペーパ500が書き換えられ、ノード受付処理が終了する。
【0115】
その後、すべての診察を終え、会計に誘導された受診者は、会計に設置されているプリンタ40にリライタブルペーパ500を挿入する。これにより、コンピュータ端末30は、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500のICタグ510から媒体固有識別子データを読み取り、ホストコンピュータに送信する。ホストコンピュータでは、受信した媒体固有識別子データと一致する受診者データ820を抽出して、会計に到着した受診者を特定する。そして、ホストコンピュータは、その受診者の診察がすべて完了したことを確認した上、会計についての処理を行なう。
【0116】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態においては、診察場所に受診者が到着した場合、その診察場所に設置されているプリンタ40にリライタブルペーパ500を挿入する。これにより、コンピュータ端末30は、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500のICタグ510から、媒体固有識別子データを読み取る(ステップS1−1)。そして、コンピュータ端末30は、媒体固有識別子データに基づいてホストコンピュータから、次の診察場所に誘導案内するための誘導案内データを取得し(ステップS1−2)、診察項目や案内地図情報を可逆印刷する(ステップS1−3)。従って、リライタブルペーパ50に印字された誘導案内により、検診センタの診察場所、すなわち屋内における目的地まで、受診者を的確に誘導することができる。
【0117】
更に、ホストコンピュータは、受診者が診察を受けると、次の診察場所への誘導案内を決定して(ステップS6−7)、誘導案内を行なう。このとき、ホストコンピュータは、決定した診察項目を示すデータを、割当診察項目データとして受診者データ820に上書きして、受診者データ820を更新する。このため、ホストコンピュータは、受診者データ820の割当診察項目データに基づいて未受診項目の空き状況を把握することができるので、1の診察が終了した受診者を、空いている診察へと誘導することができる。従って
、効率的に受診者にすべての診察を受けるようにすることができる。
【0118】
・ 本実施形態においては、診察が終了すると、コンピュータ端末30は、プリンタ40を用いて、リライタブルペーパ500に「済」印が付けられた診察項目を表示する。このため、受診者は、診察が終了した診察項目をリライタブルペーパ500により、その場で確認することができる。
【0119】
・ 本実施形態においては、受付処理において、まず受診者データが設定される(ステップS5−1)。このとき、ホストコンピュータは、検診コースに関するデータに基づいて、診察項目スケジュール記憶部から受診者が受けるべき診察項目に関するデータを受診者データ820として記録する。また、ホストコンピュータは、診察が終了した診察項目については、逐次、終了フラグを付す。このため、診察項目の書き間違い等が生じ難く、受診者が受けるべき診察項目のすべてについて、より確実に診察を受けることができる。
【0120】
また、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記各実施形態では、リライタブル表示領域520は、熱可逆性フィルム等の可逆性感熱記録媒体により構成するが、リライタブル表示領域520の構成はこれに限られるものではない。例えば、電気的や光学的に目視情報を書き換え可能な表示媒体であってもよい。
【0121】
○ 上記各実施形態では、このリライタブルペーパ500には、ICタグ510が付され、アンテナ部514により非接触でプリンタ40との間でデータ送受信を行なう。リライタブルペーパ500に可逆表示される印字内容データが記録できるメモリを備えていれば、接触型のデータ記憶手段(電極パッドを備えるICチップや磁気テープ等)であってもよい。また、2次元コードなどを印字することにより、オリジナルの印字内容データを記録してもよい。
【0122】
○ 上記各実施形態では、各ゲート(ノード)に、リライタブルペーパ500のデータを読み書きするプリンタ40と、このプリンタ40に接続しホストコンピュータとデータの送受信を行なうコンピュータ端末30とをセットで設けた。これに代えて、プリンタ40にコンピュータ端末30の機能をもたせてもよい。この場合、プリンタ40のネットワーク通信部44を介して、ホストコンピュータ20とデータの送受信を行なうプリンタ40とすればよい。この場合には、コンピュータ端末30を省略することができる。
【0123】
○ 上記各実施形態では、ノード端末の送受信手段として、ICタグ通信部42をプリンタ40に設けた。ノード端末の送受信手段は、これに限らず、例えば、図14に示すようにコンピュータ端末30に接続されたハンディスキャナ60を用いてもよい。このハンディスキャナ60は、ICタグ510と通信を行なうためのアンテナ62を備える。また、図15に示すように、各ゲートの出入口となる門(支柱)70に取り付けたアンテナ72をコンピュータ端末30に接続して用いてもよい。また、上記第2実施形態においては、診察室の出入口に、アンテナ72を取り付けるようにしてもよい。
【0124】
更に、複数の送受信手段を設けてもよい。例えば、ゲートの出入口となる門(支柱)70にアンテナ72を取り付けるとともに、ICタグ通信部42を有するプリンタ40を用いてもよい。この両者をコンピュータ端末30に接続する。この場合には、門70を通過したときにアンテナ72を介してリライタブルペーパ500のICタグ510のデータを読み取ったときには、コンピュータ端末30は、このデータに基づいて誘導案内データを取得する。一方、アンテナ72を介してICタグ510のデータを取得できなかったときには、コンピュータ端末30は、プリンタ40のICタグ通信部42を介して、ICタグ510のデータを読み取る。これにより、より確実に、ICタグ510のデータを取得し
て、対象者をより適切に誘導案内することができる。
【0125】
○ 上記第2実施形態では、リライタブルペーパ500のICタグ510のROM領域512に記録された媒体固有識別子データを、行動特定データ及び対象者データとして用いた。すなわち、ホストコンピュータは、媒体固有識別子データに基づいて受診者を特定した。これに限らず、受診者識別子データを行動特定データ及び対象者データとして用いてもよい。具体的には、上記発行処理(ステップS5−3)において、ホストコンピュータは、印字をするときに、そのリライタブルペーパ500を発行する受診者の受診者識別子に関するデータを、ICタグ510のRAM領域513に記録する。その後、診察場所(ノード)におけるコンピュータ端末30は、このRAM領域513に記憶した受診者識別子データをプリンタ40を介して取得し、ホストコンピュータに送信する。ホストコンピュータは、受診者識別子データに基づいて受診者データ記憶部82を用いて、受診者を特定する。
【0126】
○ 上記第2実施形態では、誘導案内データ830として、誘導項目に関連付けた誘導情報が記憶されている。これに限らず、誘導情報を、誘導項目だけでなく、受診者(対象者)のレベルに関連付けた誘導案内データ830としてもよい。具体的には、受診者の履歴(初めての受診、半年以内に受診、数年前に受診等)に応じてレベルを決定し、このレベルに応じた誘導情報を誘導案内データ830として記憶する。例えば、初めての受診者に対しては、地図だけでなく更に詳細な案内を含む誘導情報を提供する。この場合、ホストコンピュータは、受診者が受診した過去の年月日などを記憶する対象者履歴データ記憶手段を備える。
【0127】
○ 上記第2実施形態では、予め定まっている診察項目の検診コースに対応する複数の診察を受ける場合について説明した。これに限らず、例えば、総合病院などにおいて複数科を受診する場合にも適用することができる。具体的には、受診する科の受付を行ったときや診察が終わったときに、ホストコンピュータは、割当診察項目データに基づいて各科の混雑状況(誘導案内した受診者の人数)を把握し、その状況に応じて受診者が次に受診する科について割当を行なう。
【0128】
○ 上記第2実施形態では、ホストコンピュータは、未受診項目のうち、最も受診者が少ない診察項目を、次の診察項目と決定する。この代わりに、ホストコンピュータは、未受診項目のうち、最も受診者が少ない診察項目を、次の診察項目と決定してもよい。具体的には、ホストコンピュータは、各診察項目における診察所要時間予測値に関するデータを記憶した記憶手段に接続されている。ホストコンピュータは、カウントした割当診察項目データの項目別の数と、各診察項目における診察所要時間予測値とを乗算した診察項目別待ち時間予測値を算出する。そして、この診察項目別待ち時間予測値が最小となった診察項目を、この受診者の診察項目として決定する。これにより、診察項目によって診察所要時間が異なっても、効率よく受診者に診察を受けさせることができる。
【0129】
○ 上記第2実施形態では、ホストコンピュータは、発行処理(ステップS5−3)や診察誘導管理処理において、割当診察項目に関するデータを受診者データ記憶部82に記録する。このとき、ホストコンピュータは、割当診察項目に関するデータを受診者データ記憶部82に記録した割当時刻を、受診者データ820に含めて記録してもよい。これにより、ホストコンピュータは、記録された割当時刻に基づいて、受診者の待ち順番を把握することができる。
【0130】
○ 上記第1実施形態では、商品を搬入する搬入者を対象者として説明した。また、上記第2実施形態では、診察を受ける受診者を対象者として説明した。これに限られず、例えば、工場内の商品を移動する場合や廃棄する場合に適用してもよい。例えば、特殊な商
品を廃棄するときに、特定の手続が必要となっていることがある。この場合に、所定の手続を行なうところを中継地点のゲートと設定し、そのゲートに誘導するようにしてもよい。また、対象者を、美術館やアトラクション内を誘導する場合に用いてもよい。また、例えば、セキュリティの高い場所に部外者を入れたい場合に適用してもよい。この場合には、その部外者にリライタブルペーパ500のような通行を携帯させてもよい。この場合でも、ゲートに設置されたプリンタ40にリライタブルペーパ500を挿入することにより、対象者を予定されたルートで目的地に案内することができる。
【0131】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a) 前記管理コンピュータは、対象者が次に進むノードとして誘導案内したノードを特定するためのデータを記録する誘導ノード特定記憶手段に更に接続されており、
前記行動スケジュール記憶手段には、対象者が立ち寄るノードに関するデータが記録されており、
前記管理コンピュータが、前記誘導ノード特定記憶手段において記録されたデータに基づいて各ノードに誘導案内した対象者の人数を取得する誘導人数取得段階を更に実行し、
前記ノード特定段階は、前記行動特定データに基づいて、前記対象者の人数及び前記行動スケジュール記憶手段の対象者が立ち寄るノードに関するデータから、前記対象者が次に進むノードを特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の誘導管理方法。
【0132】
(b) 前記管理コンピュータは、対象者が次に進むノードとして誘導案内したノードを特定するためのデータを記録する誘導ノード特定記憶手段に更に接続されており、
前記行動スケジュール記憶手段には、対象者が立ち寄るノードに関するデータが記録されており、
前記管理コンピュータを、前記誘導ノード特定記憶手段において記録されたデータに基づいて各ノードに誘導案内した対象者の人数を取得する誘導人数取得手段として更に機能させ、
前記ノード特定手段は、前記行動特定データに基づいて、前記対象者の人数及び前記行動スケジュール記憶手段の対象者が立ち寄るノードに関するデータから、前記対象者が次に進むノードを特定することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の誘導管理プログラム。
【0133】
従って、これら(a)、(b)に記載の発明によれば、ノードの混雑状況に応じて、対象者が立ち寄るノードに、対象者を効率的に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】誘導管理システムの概略構成図。
【図2】搬入スケジュールデータ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】搬入者データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】誘導案内データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】プリンタの構成を示すブロック図。
【図6】実施形態の全体的な搬入手順を説明する説明図。
【図7】実施形態のゲート受付処理の処理手順を説明する説明図。
【図8】実施形態の誘導管理処理の処理手順を説明する説明図。
【図9】第2実施形態の全体的な診察案内の手順を説明する説明図。
【図10】受診者データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図11】第2実施形態の誘導案内データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図12】実施形態の受付処理の処理手順を説明する説明図。
【図13】実施形態の診察誘導管理処理の処理手順を説明する説明図。
【図14】ノード端末の送受信手段の第1の変更例を説明する説明図。
【図15】ノード端末の送受信手段の第2の変更例を説明する説明図。
【図16】従来における搬入手順を説明する説明図。
【符号の説明】
【0135】
20…ホストコンピュータ、22…行動スケジュール記憶手段としての搬入スケジュールデータ記憶部、24,83…誘導案内データ記憶手段としての誘導案内データ記憶部、30…ノード端末を構成するコンピュータ端末、40…ノード端末を構成し、可逆印刷手段としてのプリンタ、42…送受信手段としてのICタグ通信部、82…行動スケジュール記憶手段としての受診者データ記憶部、240,830…誘導案内データ、500…情報表示媒体としてのリライタブルペーパ、510…データ記憶手段としてのICタグ、520…可逆表示部としてのリライタブル表示領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者に誘導案内情報を提供して、対象者を的確に誘導するための誘導方法、誘導プログラム及び情報表示媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載型ナビゲーション装置では、GPS(Global Positioning Systems;全地球測位システム)を利用し、自動車の位置を刻々と液晶表示装置に表示された地図上に示す。この液晶表示装置では専用機器が必要になる。また、液晶表示装置に表示できる大きさに限度があるため、目的地までのルート全体を表示するには縮尺を小さくする必要があり、また部分的にしか表示できないというような問題があった。
【0003】
このため、比較的わかり易い地図を紙出力することができるナビゲーション装置が提供されるようになった(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の技術によれば、地図情報をサービスするカーナビゲーションシステムにおいて、ネットワークを介して複数のナビゲーション装置に広告情報をサービスするホストコンピュータ及び広告情報サーバから成る広告情報サービス装置と、地図情報蓄積手段を有する印刷手段付きのナビゲーション装置とを備える。そして、そのナビゲーション装置の操作手段により指定条件に合致する地図情報の印刷が指示されたとき、ナビゲーション装置が、広告情報サービス装置に対して広告情報の転送を要求し、要求に応じて転送されてきた広告情報を受信し、この受信した広告情報と、地図情報とを印刷手段により印刷出力する。これにより、紙に印刷した案内情報を提供することもできる。
【0004】
一方、工場などでは、各プロセスにおいてその工程を管理するために各種管理票を用いている。例えば、図16に示す工場において商品の荷降ろしを行なう場合、まず工場受付で受付処理を行なう。そして、輸送車は倉庫(A、B、C…)に誘導される。更に、輸送車は、倉庫内の指定された荷降ろし場所(例えば、倉庫Aの場合、デッキA1〜A3)に、運搬してきた荷物の荷降ろしを行なう。このように、通常のナビゲーションシステムが利用できない特殊な環境における誘導案内も必要である。
【0005】
このように、特殊な環境下で検索対象物(例えば、図書)に対するアクセスを支援する有効な手法を提供する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この技術では、予め定められた構内における出発点となる第1の地点(例えば構内の入口)と到達点となる第2の地点(例えば図書が設置されている地点)との入力を受け付ける。そして、入力情報に基づいて第1の地点から第2の地点に到るノード及びルートから構成された経路を計算する。更に、構内を表現する図面中に計算した経路を表示する地図画面と計算した経路を構成するノード及びルートの属性情報を経路の順番に表示する属性画面とを組み合わせた案内画面を生成するための情報を収集し、収集した情報に基づいて案内画面を利用者端末に表示する。
【0006】
更に、このような出荷等のプロセス管理を行なう場合に、生産管理情報の変更時にも再使用可能な生産管理票を用いて、効率的な生産管理を行なうことのできる生産管理システムに関する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この特許文献3に記載の技術によれば、所要の情報を書き換え可能に表示するための生産管理票としてのデジタルペーパと、生産管理に関する情報を処理するための情報処理装置と、デジタルペーパと情報処理装置との間の通信を行なうための通信手段とを備えている。デジタルペーパは、所定の製造設備に備え付けられている。
【特許文献1】特開2002−257560号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2004−86848号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開2002−73138号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
昨今の運送・配送に関しては、共同運送の事業化による運送業の統合化が整備、推進されることにより、従来の配送エリア、区分が改変されることがある。また、これまでにないインターネットを介した運送代行業者の紹介システムにより、新規の運送代行業者が工場倉庫に荷物を納入するようなケースが増加するようになる。そのため、搬入の工場に不慣れな者が搬入の担当となるようなこともあり、このような場合は、搬入に時間がかかることになる。他方、工場内のラインや仕組み、搬入の状況などを製品の製造過程の一部として「機密」として扱う企業もあり、そのような企業の工場や倉庫に対する納入は、搬入者のセキュリティや搬入物のチェックが厳しく管理する必要がある。
【0008】
また、各工場では、地球規模の環境影響、ゴミゼロ・リサイクル化の運動が推進されており、そのような事情を考慮した運送・搬入システムが求められている。しかし、毎回、紙に案内情報を印刷していたのでは紙資源の無駄になる。
【0009】
また、上述の技術では、表示内容を変更する場合、情報処理装置やプリンタが必要になる。
そして、納品管理においては、各プロセスの進捗状況に応じて、効率的なプロセスの運用を図る必要もある。そこで、様々な配送業者の形態、搬入の状態に応じた搬入方法、更には、地球環境を考慮した搬入の方法が求められている。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、対象者に誘導案内情報を提供して、対象者を的確に誘導するための誘導方法、誘導プログラム及び情報表示媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1又は5に記載の発明によれば、可視的に情報が可逆表示される可逆表示部とデータ記憶手段とを有する情報表示媒体の前記可逆表示部に可逆印刷を行ない、前記データ記憶手段とデータの送受信を行なう送受信手段及び可逆印刷手段を有し、ノードに設置されるノード端末、対象者に関する行動スケジュールデータを記録する行動スケジュール記憶手段、及び前記対象者が次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを記録した誘導案内データ記憶手段に接続された管理コンピュータを用いて、前記対象者の誘導を管理する。管理コンピュータが、前記ノード端末を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録された行動特定データを取得し、この行動特定データに基づいて、前記行動スケジュール記憶手段から、前記対象者が次に進むノードを特定する。管理コンピュータが、前記誘導案内データ記憶手段から、前記ノード端末の可逆印刷手段が設置されているノードから、次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを取得する。管理コンピュータが、取得した誘導案内データを、前記ノード端末を介して前記情報表示媒体の可逆表示部に表示させる。このため、情報表示媒体の可逆表示部に印刷された誘導案内により、次のノードまで誘導することができる。従って、例えば対象者を最終的な目的地に近づくノードに順次誘導するので、対象者を的確に誘導することができる。また、対象者がノードに到着する毎に、次のノードへの誘導案内を行なう。このため、管理コンピュータは、各ノードにおいて対象者の進捗状況を把握して対象者の行動プロセスを管理することができる。
【0012】
請求項2又は6に記載の発明によれば、ノード端末の前記可逆印刷手段において、前記情報表示媒体の可逆表示部に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内デー
タに基づく情報を前記可逆表示部に可逆表示させる。このため、対象者には、次のノードに進むための情報以外を提供しないとともに、その情報を新たに提供する場合には、過去に提供した情報が削除される。従って、次に進むノードの情報しか可逆表示部に表示されないので、次に進むノードに対象者をより確実に誘導することができる。また、漏洩を回避して、セキュリティを高めることができる。
【0013】
請求項3又は7に記載の発明によれば、管理コンピュータには、対象者の行動履歴に関して対象者レベルが記録された対象者履歴データ記憶手段が更に接続される。誘導案内データ記憶手段には、対象者レベルに対応して誘導案内データが記録される。情報表示媒体のデータ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが記録される。管理コンピュータが、前記ノード端末の前記送受信手段を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録されている対象者データを取得し、対象者履歴データ記憶手段を用いてこの対象者の対象者レベルを特定するレベル特定段階を更に実行する。管理コンピュータは、特定された対象者レベルに応じた誘導案内データを取得する。このため、対象者レベルに応じた誘導案内情報を対象者に提供することができる。例えば、対象者が不慣れな場合には、より詳細な誘導情報を提供することにより、行動時間の短縮を図ることができる。また、対象者が慣れている場合には、この対象者に応じた情報を提供することができる。
【0014】
請求項4又は8に記載の発明によれば、行動スケジュール記憶手段には、搬送の優先度に関するデータが更に記録される。誘導案内データ記憶手段には、優先度に対応して誘導案内データが記録される。管理コンピュータが、前記ノード端末の前記送受信手段を介して取得した行動特定データに基づいて優先度を算出する。管理コンピュータは、前記優先度に応じた誘導案内データを取得する。このため、優先度が高い場合には、その対象者が優先して行動されるように誘導できるので、効率的に案内をすることができる。
【0015】
請求項9に記載の発明によれば、行動内容を特定する行動特定データを記録したデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に記録された行動特定データに基づいて特定された誘導先に誘導するための案内情報を可逆表示する可逆表示部とを有する。このため、情報表示媒体の可逆表示部に印刷された誘導案内により、対象者を的確に、誘導先に誘導することができる。
【0016】
請求項10に記載の発明によれば、データ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが更に記録され、前記可逆表示部には、前記対象者データに対応する前記案内情報が可逆表示される。このため、対象者には、次のノードに進むための情報以外を提供しないとともに、その情報を新たに提供する場合には、過去に提供した情報が削除される。従って、情報の漏洩を回避して、セキュリティを高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、対象者に誘導案内情報を提供して、対象者を的確に誘導することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を、図1〜図8に従って説明する。本実施形態では、工場に商品の搬入作業(行動)を行なう対象者としての搬入者を誘導する場合を想定する。この場合、商品を搬送する搬入者は、図1に示す情報表示媒体としてのリライタブルペーパ500を携帯する。
【0019】
図1に示すように、リライタブルペーパ500は、全体でA4版の大きさで、その一部に書き換え可能な可逆表示部としてのリライタブル表示領域520が設けられている。このリライタブル表示領域520は、熱可逆性(Thermo-Chromic)フィルム等の可逆性感熱記録媒体により構成される。本実施形態の熱可逆性フィルムは、記録層にロイコ染料と顕色剤を含んでおり、リライタブル特性を実現する。すなわち、発色は、消色状態から融点以上(例えば約180℃)に加熱し、ロイコ染料と顕色剤とが混合した溶融状態から急冷することによって行なう。この場合、染料と顕色剤が結合したまま凝集し、ある程度規則的に集合した状態を形成して発色状態が固定される。一方、消色は、発色状態を溶融しない温度(例えば120〜160℃)に再加熱することにより行なう。この場合、発色の集合状態が崩れ、顕色剤が単独で結晶化して相分離することによって消色状態になる。
【0020】
本実施形態のリライタブルペーパ500は、表面から深さ方向に向かって、保護層、熱可逆性フィルムで構成された記録層、基材層、バックコート層という4層をもって構成されている。そして、このリライタブルペーパ500は、柔軟性と同時にある程度の強度特性を有するように構成され、繰り返し使用することができる。
【0021】
更に、このリライタブルペーパ500には、図1に示すように、データ記憶手段としてのICタグ510が付されている。ICタグ510は、CPU511、ROM領域512、RAM領域513、アンテナ部514を備える。ROM領域512には、このリライタブルペーパ500を識別するための識別情報(搬入者識別子データ)が記録されている。また、RAM領域513には、リライタブル表示領域520に可逆表示された印字内容データ(入庫識別子データ及び目的ゲート識別子データ)が記録される。ここで、目的ゲート識別子とは、このリライタブルペーパ500を携帯する搬入者が次に向かうべきノードとしてのゲートを特定するためのゲート識別子である。なお、「搬入者識別子データ」、「入庫識別子データ」については後で詳述する。また、アンテナ部514は、アンテナコイルにより構成され、後述するプリンタ40との間で、非接触でデータ送受信を行なう。
【0022】
一方、工場内には、搬入者の到達地点をチェックするために、複数のノードとしてのゲートが設置されている。そして、これらゲートのそれぞれには、コンピュータ端末30と、これに接続されたプリンタ40とがセットで設置されている。すなわち、本実施形態では、コンピュータ端末30とプリンタ40とによりノード端末が構成されている。
【0023】
プリンタ40は、可逆印刷手段として機能し、リライタブルペーパ500とデータの送受信を行なう。このプリンタ40は、図5に示すように、制御部41、ICタグ通信部42、可逆印刷処理部43及びネットワーク通信部44を備える。制御部41は、各機能部(42〜44)を制御し、図1のリライタブルペーパ500のICタグ510に記録されたデータを読み取ったりICタグ510にデータを書き込んだりする。
【0024】
ICタグ通信部42は、ノード端末の送受信手段として機能し、ICタグ510との間で、非接触方式でデータ送受信を行なう。このICタグ通信部42は、具体的には、アンテナである。また、本実施形態では、このアンテナは、プリンタ40の給紙トレイに設けられている。このICタグ通信部42により制御部41は、ICタグ510に格納されるデータの読み出しや書き込みを行なうことができる。
【0025】
可逆印刷処理部43は、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520への印字の書き込みや、この領域に可逆表示された印字の消去を行なう。具体的には、上述した加熱処理を実行することにより、染料の発色や消去を行なう。
【0026】
ネットワーク通信部44は、コンピュータ端末30等に接続するための外部インターフェイス手段である。このネットワーク通信部44を介して、制御部41は、コンピュータ
端末30等からデータを受信したり、リライタブルペーパ500から読み取ったデータをコンピュータ端末30等に送信したりする。
【0027】
図1のコンピュータ端末30は、CPU、RAM及びROM等を有するとともに、プリンタ40とデータの送受信を行ない、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500に記録されたデータを取得したりリライタブルペーパ500にデータを記録したりする。また、コンピュータ端末30は、設置されているゲートを特定するための識別子データ(現在地ゲート識別子)が記録されている。そして、コンピュータ端末30は、後述するホストコンピュータ20とネットワークNを介してデータの送受信を行なう。そして、コンピュータ端末30は、リライタブルペーパ500に記録されたデータをホストコンピュータ20に送信するとともに、ホストコンピュータ20から受信したデータをリライタブルペーパ500に記録する。
【0028】
商品搬入を管理するホストコンピュータ20は、ゲートに設置された各コンピュータ端末30を介して、搬入される商品の管理を行なう管理コンピュータである。このホストコンピュータ20は、CPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(ノード特定段階、取得段階、出力段階、レベル特定段階及び算出段階等を含む処理)を行なう。そして、このための誘導管理プログラムを実行することにより、ホストコンピュータ20は、ノード特定手段、取得手段、出力手段、レベル特定手段及び算出手段等として機能する。
【0029】
ノード特定手段は、ノード端末を構成するコンピュータ端末30及びプリンタ40を介して、リライタブルペーパ500のICタグ510に記録された入庫識別子データを取得し、この入庫識別子データに基づいて、後述する搬入スケジュールデータ記憶部22から、搬入者が次に進むゲートを特定する。
【0030】
取得手段は、誘導案内データ記憶部24から、プリンタ40が設置されているゲートから、次に進むゲートへ誘導案内するための誘導案内データを取得する。この取得手段は、特定された搬入者の搬入履歴レベルに応じた誘導案内データを取得する。更に、この取得手段は、優先度に応じた誘導案内データを取得する。
【0031】
出力手段は、取得した誘導案内データを、コンピュータ端末30及びプリンタ40を介してリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に表示させる。また、この出力手段は、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内データに基づく情報をリライタブル表示領域520に可逆表示させる。
【0032】
レベル特定手段は、プリンタ40のICタグ通信部42を介してリライタブルペーパ500のICタグ510に記録されている搬入者識別子データを取得し、この搬入者の搬入履歴レベルを特定する。算出手段は、プリンタ40のICタグ通信部42を介して取得した入庫識別子データに基づいて優先度を算出する。
【0033】
更に、ホストコンピュータ20は、行動スケジュール記憶手段としての搬入スケジュールデータ記憶部22、対象者履歴データ記憶手段としての搬入者データ記憶部23及び誘導案内データ記憶手段としての誘導案内データ記憶部24に接続されている。
【0034】
搬入スケジュールデータ記憶部22は、図2に示すように、行動スケジュールデータとしての搬入スケジュールデータ220を記憶している。搬入スケジュールデータ220は、新たな商品の搬入予定が決定されると記録される。この搬入スケジュールデータ220は、入庫識別子、入庫予定時刻、搬入者識別子、搬入倉庫識別子、ゲート識別子、搬入時刻及び優先入庫識別子に関するデータを含む。なお、本実施形態では、入庫識別子データ
が行動特定データに対応し、搬入者識別子データが対象者データに対応する。
【0035】
入庫識別子データ領域には、商品の搬入を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
入庫予定時刻データ領域には、商品の搬入の予定時刻に関するデータが記録されている。本実施形態では、工場敷地受付の予定時刻が記録されている。
【0036】
搬入者識別子データ領域には、商品を搬入する搬入者に関するデータが記録されている。
搬入倉庫データ領域には、商品の搬入を予定している倉庫に関するデータが記録されている。
【0037】
ゲート識別子データ領域には、工場受付から荷降ろし場所までに通過するゲートが順番に記録されている。ゲート識別子データ領域の初期値としての「ゲート1識別子」には、工場搬入受付のゲート識別子が記録される。そして、「ゲート2識別子」〜「ゲートN識別子」には、荷降ろし場所に到るまでの中継地点のゲート識別子が通過予定の順番に記録される。また、ゲート識別子データ領域の最終地には、搬入倉庫を示すゲート識別子が記録される。従って、本実施形態では、倉庫の搬入受付を中継するため、「ゲート1識別子」として工場敷地受付ゲートを示す識別子、「ゲート2識別子」として搬入受付口ゲートを示す識別子、「ゲート3識別子」として搬入倉庫を示す識別子が記録される。
【0038】
搬入時刻データ領域には、ゲート識別子によって特定されるゲートに商品が到着した時刻に関するデータが記録される。なお、本実施形態では、搬入倉庫に対応する搬入時刻データとして、退出完了時刻が記録される。
【0039】
優先入庫識別子データ領域には、この商品の搬入を行なうより先に搬入されるべき商品の搬入を特定するための入庫識別子に関するデータが記録されている。この商品入庫識別子データ領域にデータがない場合には、その商品の搬入よりも先に搬入されるべき商品の搬入はないことを意味する。
【0040】
搬入者データ記憶部23は、図3に示すように、搬入者データ230を記憶している。搬入者データ230は、商品の搬入依頼を新たな搬入者と契約した場合に記録される。搬入者データ230は、搬入者識別子及び搬入履歴レベルに関するデータを含む。
【0041】
搬入者識別子データ領域には、搬入者を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
搬入履歴レベルデータ領域には、その搬入者の搬入の履歴レベルに関するデータが記録される。この搬入履歴レベルは、その搬入者が過去に行った商品の搬入内容や頻度などによって決定される。すなわち、この搬入履歴によって、この搬入者の工場内の配置や規則の熟知度が特定され、後述するように熟知度に応じて誘導案内の内容を変更する。なお、この搬入履歴レベルデータが対象者レベルデータに対応する。
【0042】
誘導案内データ記憶部24は、図4に示すように、搬入履歴レベルに応じた誘導案内データ240が記録されている。この誘導案内データ240は、起点ゲートから終点ゲートまでの各ゲート間のルートを誘導案内するためのデータである。この誘導案内データ240は、ゲートが設置されたときに記録される。この誘導案内データ240は、搬入履歴レベル、起点ゲート識別子、終点ゲート識別子、優先度及び誘導情報に関するデータを含む。
【0043】
搬入履歴レベルデータ領域には、その商品を搬入する搬入者の搬入についての履歴レベ
ルに関するデータが記録される。
起点ゲート識別子には、案内ルートの起点となるゲートを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0044】
終点ゲート識別子には、案内ルートの終点となるゲートを特定するための識別子に関するデータが記録される。
優先度データ領域には、案内ルートの優先度に関するデータが記録される。この優先度は、本実施形態では「低」、「中」、「高」の3つに設定されている。「低」の優先度は、搬入されてきた商品の搬入よりも先に行われるべき他の商品搬入がある場合などに設定される。この場合には、待機指示などが行われる。「中」の優先度は、その商品の搬入が、他の商品の搬入とは関係がなく行われる場合などに設定される。この場合には、通常のルートが案内される。「高」の優先度は、搬入予定時刻よりも遅れた場合などに設定される。この場合には、優先的に通行できるルートが案内される。
【0045】
誘導情報データ領域には、案内ルートの誘導情報に関するデータが記録される。この誘導情報データは、案内ルートの地図及び誘導時の注意(例えば工場敷地内の制限速度など)などを含む。
【0046】
次に、上記のように構成されたリライタブルペーパ500やプリンタ40を用いて、商品の搬入を行なう場合の処理手順を説明する。ここでは、搬入者が工場の倉庫に商品の荷降ろしを完了するまでの全体の手順について説明した後、その手順でコンピュータ端末30が行なうゲート受付処理(図7)と、ホストコンピュータ20が行なう誘導管理処理(図8)とを説明する。
【0047】
本実施形態では、搬入者が商品を搬入するときには、その搬入者の搬入者識別子がROM領域512に記録されているリライタブルペーパ500を用いる。そして、搬入者の会社にも、ネットワークNに接続されたコンピュータ端末30やプリンタ40を設置しておく。
【0048】
搬入者に商品搬入を指示する場合には、その入庫識別子、入庫予定時刻、搬入者識別子、搬入倉庫識別子を決定し、搬入スケジュールデータ記憶部22に記録する。ホストコンピュータ20は、搬入者識別子に基づいて搬入者のコンピュータ端末30を特定し、搬入依頼をネットワークNを介して送信する。この搬入依頼には、目的ゲート識別子、入庫識別子、搬入を依頼する商品リストデータが含まれる。なお、本実施形態では、目的ゲート識別子として、搬入倉庫がある工場敷地受付ゲートを示すゲート識別子が含まれる。
【0049】
搬入者は、ネットワークNに接続されたコンピュータ端末により、商品の搬入依頼を受けると、搬入者はリライタブルペーパ500を用いて搬入依頼書を印字させる。この場合、プリンタ40は、リライタブルペーパ500のRAM領域513に、指示に含まれる入庫識別子及び工場敷地受付ゲートのゲート識別子を記録する。また、このリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520には、図6に示すように、搬入依頼書600が可逆表示される。
【0050】
そして、搬入者は、商品とリライタブルペーパ500とを工場まで搬送し、工場の敷地に入るときに、工場の入口のゲートにおいて工場搬入受付を行なう(ステップSH1−1)。このとき、搬入者は、商品とともに持参したリライタブルペーパ500を、工場の入口のゲートに設置されているプリンタ40に挿入する。この場合、後述するゲート受付処理及び誘導管理処理が行われる。この結果、リライタブルペーパ500のデータが書き換えられる。具体的には、リライタブル表示領域520には、今まで記載されていた搬入依頼書表示の代わりに、次のゲート(ここでは倉庫Aの搬入口受付)に到るまでの搬入経路
の案内図や制限速度など搬入時の注意に関する工場敷地内案内情報610が可逆表示される。
【0051】
このリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に可逆表示された工場敷地内案内情報610に基づいて、工場敷地内の搬入誘導が行われる(ステップSH1−2)。そして、搬入者は、搬入誘導に従って商品の搬入先である倉庫Aに向かう。
【0052】
その後、搬入者が、倉庫Aに到着すると、その倉庫Aの搬入口のゲートにおいて搬入口受付を行なう(ステップSH1−3)。このときも、上述した工場搬入受付と同様に、搬入者は、リライタブルペーパ500を、倉庫Aの搬入口のゲートに設置されているプリンタ40に挿入する。
【0053】
これにより、後述するゲート受付処理が行われて、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520のデータが書き換えられる。具体的には、リライタブル表示領域520には、可逆表示されていた工場敷地内案内情報610の代わりに、倉庫内の荷降ろし場所に到る情報及び担当者に関する倉庫内誘導情報620が可逆表示される。
【0054】
このリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に可逆表示された倉庫内誘導情報620に基づいて、搬入倉庫内の搬入誘導が行われる(ステップSH1−4)。そして、搬入者は、その商品の搬入先である荷降ろし場所の「デッキA2」に向かう。
【0055】
その後、荷降ろし場所の「デッキA2」に至った搬入者は、リライタブル表示領域520に記録されている担当者に連絡を行ない、搬送してきた商品の荷降ろしを行なう(ステップSH1−5)。
【0056】
なお、荷降ろしを完了した搬入者は、工場を出るときに、工場搬入受付ゲートのプリンタ40にリライタブルペーパ500を通す。これにより、入庫が完了したことを把握することができる。
【0057】
(ゲート受付処理及び誘導管理処理)
次に、各ゲートで行われるゲート受付処理と、このときにホストコンピュータ20において行われる誘導管理処理について、図7及び図8を用いて説明する。ここでは、工場搬入受付ゲートの場合を想定する。上述したように、ゲートに至った搬入者は、商品とともに搬送してきたリライタブルペーパ500をゲートのプリンタ40に通す。このとき、プリンタ40のICタグ通信部42は、リライタブルペーパ500のICタグ510と通信を行なう。これにより、プリンタ40に接続されているコンピュータ端末30は、リライタブルペーパ500のICタグ510から、データを読み取る(ステップS1−1)。このとき、読み取られるデータは、ROM領域512に記録されている搬入者識別子及びRAM領域513に記録されている入庫識別子に関するデータである。
【0058】
次に、コンピュータ端末30は、ホストコンピュータ20とデータの送受信を行って、誘導案内データを取得する(ステップS1−2)。このとき、コンピュータ端末30は、ステップS1−1で読み取った搬入者識別子、入庫識別子に関するデータと、コンピュータ端末30が設置されているゲートを特定するためのゲート識別子(現在地ゲート識別子)に関するデータとを、ネットワークNを介してホストコンピュータ20に送信する。
【0059】
この場合、ホストコンピュータ20は誘導管理処理を実行する。この処理について図8を用いて説明する。
各ゲートに設置されたコンピュータ端末30から搬入者識別子及び入庫識別子に関するデータを受信したホストコンピュータ20は、まず、入庫識別子に基づいて搬入スケジュ
ールデータ220の検索を行なう(ステップS2−1)。具体的には、ホストコンピュータ20は、受信した入庫識別子を含む搬入スケジュールデータ220を搬入スケジュールデータ記憶部22から抽出する。そして、ホストコンピュータ20は、抽出した搬入スケジュールデータ220の搬入者識別子データと、受信した搬入者識別子データとが一致しているか否かを確認する。なお、搬入者識別子データが不一致の場合には、後述する搬入スケジュールの不一致と同様に、エラー出力を行なう(ステップS2−3)。
【0060】
更に、ホストコンピュータ20は、搬入スケジュールが一致しているか否かを確認する(ステップS2−2)。具体的には、ホストコンピュータ20は、コンピュータ端末30から受信した現在地ゲート識別子と、搬入スケジュールデータ220の搬入時刻が記録されていないゲート識別子とを比較する。このとき、搬入スケジュールと不一致の場合(ステップS2−2において「NO」の場合)には、エラー出力を行なう(ステップS2−3)。例えば、誘導案内されるはずのゲートと異なる場合や予定していた搬入者と異なる場合には、ホストコンピュータ20は警告を表示する。この場合、ホストコンピュータ20は、リライタブルペーパ500のRAM領域513に記録されている目的ゲート識別子を読み取り、この目的ゲート識別子に基づいて、正しいゲートに誘導するための案内を可逆表示する。これにより、入庫の間違いを把握し、是正することができる。
【0061】
一方、搬入スケジュールと一致している場合(ステップS2−2において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は、入庫識別子を受信した時刻を搬入時刻として記録した後、その入庫の優先度を算出する(ステップS2−4)。具体的には、まず、ホストコンピュータ20は、搬入スケジュールデータ220の搬入予定時刻との比較を行なう。そして、許容時間(例えば15分)以上の遅れが生じている場合には、ホストコンピュータ20は、コンピュータ端末30から受信した入庫識別子の優先度として「高」を割り当てる。
【0062】
一方、搬入予定時刻から許容時間内に到着した場合には、ホストコンピュータ20は、優先入庫識別子データがあるか否かを判断する。このとき、搬入スケジュールデータ220に優先入庫識別子データが設定されていない場合には、ホストコンピュータ20は、その入庫識別子の優先度として「中」を割り当てる。
【0063】
また、優先入庫識別子データが設定されている場合には、ホストコンピュータ20は、その優先入庫識別子の搬入スケジュールデータ220を取得する。そして、この優先入庫識別子の搬入が完了し、搬入スケジュールデータ220に搬入時刻が記録されている場合には、ホストコンピュータ20は、この入庫識別子の優先度として「中」を割り当てる。一方、優先入庫識別子の搬入スケジュールデータ220が完了しておらず、搬入時刻が記録されていない場合には、この入庫識別子の優先度として「低」を割り当てる。以上により、他の商品の搬入状態に応じて優先度が決定される。
【0064】
次に、ホストコンピュータ20は、優先度に応じて誘導案内を変更する(ステップS2−5)。具体的には、ステップS2−4で算出した優先度が「高」以外の場合(ステップS2−5において「NO」)には、ホストコンピュータ20は、優先入庫すべきものや入庫予定時刻に基づいて、この商品の搬入が可能か否かを判断する(ステップS2−6)。具体的には、ホストコンピュータ20は、搬入口や搬入倉庫内の混雑状況を搬入スケジュールデータ220から取得する。そして、優先入庫すべきものや入庫予定時刻の早い搬入が到着した場合、荷降ろしを行なうスペースが残っているかどうかを判断する。
【0065】
商品の搬入ができない場合(ステップS2−6において「NO」の場合)、ホストコンピュータ20は、待機指示を出力する(ステップS2−7)。具体的には、ホストコンピュータ20は、コンピュータ端末30に対して、所定時間の待機を指示する旨の指示デー
タを送信する。そして、コンピュータ端末30は、この指示データを可逆印刷データに変換し、変換した可逆印刷データをプリンタ40に送信する。プリンタ40は、可逆印刷データを用いてリライタブルペーパ500に待機する旨の指示を可逆印刷する。
【0066】
一方、搬入が可能な場合(ステップS2−6において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は、入庫識別子及び搬入履歴レベルに基づいて誘導案内データを決定する(ステップS2−8)。具体的には、ホストコンピュータ20は、入庫識別子の搬入スケジュールデータ220から搬入者識別子を抽出する。また、ホストコンピュータ20は、搬入者識別子に基づいて、その搬入者の搬入履歴レベルデータを取得する。
【0067】
そして、ホストコンピュータ20は、該当する誘導案内データ240を誘導案内データ記憶部24から抽出する。具体的には、ホストコンピュータ20は、取得した搬入レベル、始点ゲート識別子、終点ゲート識別子及びステップS2−4で算出した優先度を有する誘導案内データ240を抽出する。ここで、始点ゲート識別子には、入庫識別子を取得したコンピュータ端末30があるゲートの識別子が用いられる。また、終点ゲート識別子には、始点ゲートの次のゲートとして搬入スケジュールデータ220に記録されたゲートの識別子が用いられる。一方、優先度が「中」の場合には、通常のルートが可逆表示される。また、優先度が「高」の場合には、出発地ゲートと目的地ゲートが同じであっても優先的に搬入できるルートが可逆表示される。
【0068】
そして、抽出した誘導案内データ240の誘導情報をコンピュータ端末30に送信する。これにより、コンピュータ端末30は、ホストコンピュータ20から誘導案内データを取得する(ステップS1−2)。以上により、ホストコンピュータ20の誘導管理処理が完了する。
【0069】
そして、ホストコンピュータ20から誘導案内データを受信したコンピュータ端末30は、図7に示すように可逆印刷処理を行なう(ステップS1−3)。具体的には、ステップS1−2で取得した誘導案内データの可逆印刷データを生成する。そして、コンピュータ端末30は、生成した可逆印刷データをプリンタ40に送信する。プリンタ40の制御部41は、可逆印刷データに基づいて可逆印刷処理部43に可逆印刷処理を実行させる。
【0070】
具体的には、まず、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に印字されていた可逆表示(例えば、工場搬入受付ゲートでは搬入依頼書600、搬入口受付ゲートにおいては工場敷地内案内情報610)を消去する。そして、新たな誘導案内(工場搬入受付ゲートでは工場敷地内案内情報610、搬入口受付ゲートにおいては倉庫内誘導情報620)を印字する。これにより、搬入者は商品の搬入先を目視確認する。
【0071】
次に、プリンタ40の制御部41は、ICタグ通信部42を介してICタグ510のメモリのデータを更新する(ステップS1−4)。ここでは、終点ゲート識別子を目的ゲート識別子として、リライタブルペーパ500のRAM領域513に書き込む。以上により、リライタブルペーパ500が書き換えられ、ゲート受付処理が終了する。
【0072】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態においては、各ゲートに搬入者が到着した場合、そのゲートに設置されているプリンタ40にリライタブルペーパ500を挿入する。これにより、コンピュータ端末30は、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500のICタグ510に記録された入庫識別子データを取得する(ステップS1−1)。そして、コンピュータ端末30は、この入庫識別子データに基づいてホストコンピュータ20から、次のゲートに誘導案内するための誘導案内データを取得し(ステップS1−2)、工場敷地内案内情報610や倉庫内誘導情報620を可逆印刷する(ステップS1−3)。
【0073】
今日、カーナビゲーションシステム等の発達により、一般道において目的地までの案内情報を得ることができるが、私有地である工場敷地内の情報を取得することはできない。本実施形態では、リライタブルペーパ500に印字された誘導案内により、搬入者を的確に、目的地まで誘導することができる。
【0074】
更に、ホストコンピュータ20は、搬入者がゲートに到着する毎に、次のゲートへの誘導案内を取得する。このため、ホストコンピュータ20は、各ゲートにおいて、搬入者の進捗状況を把握して搬入プロセスを管理することができる。従って、発注しない物の納品チェックも実施することができる。また、搬入者には、次のゲートに進むための情報以外を提供しないとともに、その情報を新たに提供する場合には、過去に提供した情報が削除される。従って、情報の漏洩を回避して、セキュリティを高めることができる。
【0075】
・ 本実施形態においては、ホストコンピュータ20は、ゲートのコンピュータ端末30から、リライタブルペーパ500のICタグ510に記録されている入庫識別子と搬入者識別子を取得する。そして、ホストコンピュータ20は、その入庫識別子データを有する搬入スケジュールデータ220の搬入者識別子データと、受信した搬入者識別子データとが一致しているか否かを確認する。このため、ホストコンピュータ20は、商品の搬入者を確認することができ、より確実に工場等の敷地への入退場を管理することができ、セキュリティを高めることができる。
【0076】
・ 本実施形態においては、ホストコンピュータ20は、コンピュータ端末30から受信したデータと、搬入スケジュールデータ220のデータとが一致するかを比較する(ステップS2−2)。このとき、搬入スケジュールと不一致の場合には、エラー出力を行なう(ステップS2−3)。例えば、予定していた搬入者と異なる場合には、ホストコンピュータ20は警告を表示する。予定している目的ゲートと現在位置ゲートが異なる場合には、ホストコンピュータ20は、正しいゲートに誘導するための案内を可逆表示する。これにより、入庫の間違いを把握し、是正することができる。
【0077】
・ 本実施形態においては、搬入者識別子データに関連付けて搬入者履歴レベルが搬入者データ記憶部23に記録されている。また、搬入者履歴レベルに応じた誘導情報が誘導案内データ記憶部24に記録されている。このため、ホストコンピュータ20は、リライタブルペーパ500から取得した搬入者識別子データから、その搬入者履歴レベルを取得し、その搬入者の搬入履歴レベルに応じた誘導情報を提供することができる。例えば、搬入者が不慣れな場合には、より詳細な誘導情報を提供することにより、搬入時間の短縮を図ることができる。また、搬入者が慣れている場合には、この搬入者に応じた情報を提供することができる。
【0078】
・ 本実施形態においては、商品の優先度に応じた誘導情報が誘導案内データ記憶部24に記録されている。このため、商品の優先度が高い場合には、迅速に商品の搬入を行なうため、優先的に搬入を進めるための誘導案内が可逆印刷される。従って、商品の搬入を効率的に行なうことができる。
【0079】
・ 本実施形態においては、ホストコンピュータ20は、搬入スケジュールデータ220の優先入庫識別子やその搬入時刻に基づいて、商品の搬入ができない場合(ステップS2−6において「NO」の場合)には、待機指示を出力する(ステップS2−7)。このため、予め定めた順番に、商品の搬入を効率よく行なうことができる。
【0080】
・ 本実施形態においては、ホストコンピュータ20が、搬入スケジュールデータ記憶部22に記録されている搬入スケジュールデータ220に基づいて、優先度を決定し(ス
テップS2−4)、この優先度に基づいてリライタブルペーパ500に可逆表示する内容を変更する。このため、商品の搬入順や優先度に変更が生じた場合には、搬入スケジュールデータ記憶部22に記録されているデータを変更することにより、変更に伴った指示をリライタブルペーパ500に出力することができる。従って、変更に応じた指示を迅速に行なうことができる。
【0081】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、図9〜図13に従って説明する。本実施形態では、上記第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、検診センタにおいて、複数の診察(行動)を受ける対象者としての受診者を誘導する場合を想定する。
【0082】
また、本実施形態においても、図1に示す同様のシステム構成を用いる。ただし、本実施形態では、図9に示すように、診察受付によりリライタブルペーパを受診者に渡すシートが発行される(SH2−1)。そして、このリライタブルペーパ500によって、受診者は診察場所に誘導される(ステップSH2−2)。その後、診察場所に至った受診者は診察を受ける(ステップSH2−3)。すべての診察が完了すると、このリライタブルペーパ500によって、会計に誘導される(ステップSH2−4)。会計において、診察に対する会計が行われるとともに、リライタブルペーパ50が回収される(ステップSH2−5)。
【0083】
本実施形態においては、受付から最後の会計まで、受診者はリライタブルペーパ500を携帯する。このリライタブルペーパ500は、そのICタグ510のROM領域512に、このリライタブルペーパ500を識別するための識別情報として、リライタブルペーパ500に固有のデータ(媒体固有識別子データ)が記録されている。なお、本実施形態では、ICタグ510のRAM領域513には、上記第1実施形態と異なり、データを記録しない。本実施形態では、この媒体固有識別子データが行動特定データ及び対象者データに対応する。
【0084】
一方、検診センタなどの建物内には、受付、診察室や検査室及び会計があり、これらは、本実施形態において、受診者が立ち寄るノードに相当する。そして、これらノードのそれぞれには、上記第1実施形態と同様に、コンピュータ端末30と、これに接続されたプリンタ40とが設置されている。
【0085】
プリンタ40は、上記第1実施形態(図5)と同様に、制御部41、ICタグ通信部42、可逆印刷処理部43及びネットワーク通信部44を備える。このプリンタ40とデータの送受信を行なうコンピュータ端末30は、上記第1実施形態で説明したように、プリンタ40とデータの送受信を行ない、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500に記録されたデータを取得したり、リライタブルペーパ500にデータを記録したりする。また、コンピュータ端末30は、設置されているノードを特定するための識別子データ(現在地のノード識別子)が、ノードにおいて行われる診察の診察項目データと関連付けられて記録されている。更に、コンピュータ端末30は、上記第1実施形態のホストコンピュータ20に対応するホストコンピュータと、ネットワークを介してデータの送受信を行なう。
【0086】
ホストコンピュータは、ノードに設置された各コンピュータ端末30を介して、受診者の受診状況の管理を行なう管理コンピュータである。このホストコンピュータは、第1実施形態のホストコンピュータ20と異なり、レベル特定段階及び算出段階を行なわない。従って、本実施形態のホストコンピュータは、CPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(ノード特定段階、取得段階及び出力段階等を含む処理)を行なう。そして、こ
のための誘導管理プログラムを実行することにより、ホストコンピュータ20は、ノード特定手段、取得手段及び出力手段等として機能する。
【0087】
ノード特定手段は、ノード端末を構成するコンピュータ端末30及びプリンタ40を介して、リライタブルペーパ500のICタグ510に記録された識別子データを取得し、この識別子データに基づいて、後述する受診者データ記憶部82から、受診者が次に向かう診察場所を特定する。
【0088】
取得手段は、プリンタ40が設置されているノードから、次に進むノード(場所)に誘導案内するための誘導案内データを、誘導案内データ記憶部83から取得する。出力手段は、取得した誘導案内データを、コンピュータ端末30及びプリンタ40を介してリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に表示させる。また、この出力手段は、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内データに基づく情報をリライタブル表示領域520に可逆表示させる。
【0089】
更に、本実施形態のホストコンピュータは、第1実施形態と異なり、診察項目スケジュール記憶部、行動スケジュール記憶手段としての受診者データ記憶部82及び誘導案内データ記憶手段としての誘導案内データ記憶部83に接続されている。
【0090】
診察項目スケジュール記憶部は、検診コースに対応して受診者が受けるべき診察項目に関するデータが記録されている。このデータは、検診コース名と、これに関連付けられた複数の診察項目とを含んでいる。具体的には、例えば、「人間ドック」という検診コース名を有するデータについては、「胸部レントゲン」、「心電図」、「内科診察」、「採血」及び「尿検査」などの診察項目が関連付けられている。
【0091】
受診者データ記憶部82は、図10に示すように、行動スケジュールデータとしての受診者データ820を記憶している。受診者データ820は、受診者が検診の申し込みを新たに行なうと設定される。この受診者データ820は、受診者識別子、氏名、生年月日、診察項目、終了フラグ、媒体固有識別子及び割当診察項目に関するデータを含む。
【0092】
受診者識別子データ領域には、受診者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
氏名データ領域には、受診者の氏名に関するデータが記録される。
【0093】
生年月日データ領域には、受診者の生年月日に関するデータが記録される。
診察項目データ領域には、受診者が診察を予定している項目に関するデータが記録される。この診察項目データ領域は、受診者が受ける診察や検査の数に対応するデータ数が記録される。
【0094】
終了フラグデータ領域は、対応する診察項目の診察が終了したことを意味するデータが記録される。この終了フラグデータ領域にデータが記録されていない間は、この終了フラグに対応する診察項目を受診者がまだ受けていないことを意味する。
【0095】
媒体固有識別子データ領域には、この受診者が利用するリライタブルペーパ500を識別するための媒体固有識別子データが記録される。この媒体固有識別子データは、受診者が利用するリライタブルペーパ500のROM領域512に記録されているデータと一致する。
【0096】
割当診察項目データ領域には、受診者に割り当てられた診察項目に関するデータが記録
される。すなわち、割当診察項目データに基づいて、受診者が現在、誘導されて順番待ちをしている診察項目がわかる。
【0097】
誘導案内データ記憶部83は、図11に示すように、誘導案内データ830が記録されている。この誘導案内データ830は、病院内のノードに案内するためのデータである。この誘導案内データ830は、誘導場所を案内するための誘導項目と、その誘導場所に誘導するための誘導情報とを含む。ここで、誘導項目には、診察項目と、「会計」とを意味するデータが含まれる。誘導情報には、その誘導項目に対応する誘導場所へ誘導する情報が記録されている。本実施形態では、具体的には、この誘導情報として、地図及びその誘導場所を示す表示等が含まれる。
【0098】
次に、上記のように構成されたリライタブルペーパ500やプリンタ40を用いて、図9に示すような流れで受診を行なう場合の処理手順を説明する。
まず、本実施形態の受付処理について、図12を用いて説明する。本実施形態では、受診者が受付等において検診の申し込みをすると、その受診者データを生成する(ステップS5−1)。具体的には、受付のノードに設置されているコンピュータ端末30を介して、受診者に関するデータが入力され、このデータがネットワークを介してホストコンピュータに送信される。ここで、受診者に関するデータとしては、受診者の氏名や生年月日だけでなく、受診者が申し込みをした検診コースに関するデータをも含む。ホストコンピュータは、受信した受診者に関するデータを受診者データ記憶部82に記録する。具体的には、ホストコンピュータは、受診者の氏名、生年月日を記録する。また、ホストコンピュータは、検診コースに関するデータに基づいて、診察項目スケジュール記憶部から、受診者が受けるべき診察項目に関するデータを受診者データ820として記録する。
【0099】
次に、ホストコンピュータは、割当処理を行なう(ステップS5−2)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ記憶部82に記録されている受診者データ820の割当診察項目データを項目別にカウントする。そして、ホストコンピュータは、受診者が受診する診察項目のうち、最も受診者が少ない診察項目を抽出して、割当診察項目と決定する。なお、ここで、最も受診者が少ない診察項目が複数あった場合には、ホストコンピュータは、受診者データ820に記録されている順番で、診察項目を割り当てる。そして、割当診察項目として決定した診察項目を示すデータを割当診察項目データとして受診者データ820に記録する。
【0100】
次に、ホストコンピュータは、発行処理を行なう(ステップS5−3)。ここで、ホストコンピュータは、まず、リライタブルペーパ500に印字を行なう。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ820と、割当診察項目と一致する誘導項目の誘導情報に関するデータとを、印字するため、受付のコンピュータ端末30に送信する。このコンピュータ端末30は、プリンタ40に挿入されたリライタブルペーパ500に印字する。ここで、プリンタ40は、図9に示すようにリライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に、受診者の氏名、生年月日、受診者識別番号、診察項目及び誘導情報を印字する。なお、誘導情報として、診察場所の案内図と、案内図中の診察場所を示す情報とが含まれる。
【0101】
次に、ホストコンピュータは、プリンタ40に挿入されたリライタブルペーパ500のROM領域512から媒体固有識別子データを読み取り、受診者データ記憶部82の受診者データ820に記録する。そして、プリンタ40はリライタブルペーパ500を排出する。以上により、受付処理を完了する。
【0102】
そして、受診者は、発行されたリライタブルペーパ500を受け取り、これを参照しながら、受診する場所に向かう。その後、受診者は、ノードとしての受診場所に到着し、診
察を受ける際には、リライタブルペーパ500を、その受診場所に設置されたプリンタ40に挿入する。これにより、第1実施形態におけるゲート受付処理と同様なノード受付処理が行われる一方で、第1実施形態における誘導管理処理の代わりの診察誘導管理処理が行われる。
【0103】
すなわち、図7に示すように、リライタブルペーパ500が挿入されたプリンタ40に接続されているコンピュータ端末30は、ICタグ510から、媒体固有識別子データを読み取る(ステップS1−1)。そして、読み取った媒体固有識別データと、現在地のノード識別子に対応する診察項目データとを、ホストコンピュータに送信する。
【0104】
ホストコンピュータでは、図13に示すように診察誘導管理処理を行なう。ここで、ホストコンピュータは、コンピュータ端末30において読み取ったデータを受信すると、この受信したデータに基づいて受診者を特定する(ステップS6−1)。具体的には、ホストコンピュータは、受信した媒体固有識別子を含む受診者データ820を、受診者データ記憶部82から抽出する。
【0105】
次に、ホストコンピュータは、終了フラグを記録する(ステップS6−2)。具体的には、ホストコンピュータは、特定した受診者データ820のうち、コンピュータ端末30から受信した診察項目データに対して終了フラグを記録する。そして、ホストコンピュータは、この受診者について、すべての診察が終了したか否かを判断する(ステップS6−3)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ820の診察項目に対応する終了フラグがすべて記録されているか否かを判断する。
【0106】
ここで、すべて診察項目について終了フラグが記録されている場合には、診察が終了した(ステップS6−3において「YES」)として、ホストコンピュータは、会計への誘導案内データを送信する(ステップS6−4)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ820に記録されている割当診察項目を削除する。そして、ホストコンピュータは、会計に誘導するための誘導情報を誘導案内データ830から抽出し、この誘導情報に関するデータを、ネットワークを介してコンピュータ端末30に送信する。
【0107】
一方、終了フラグがすべて記録されていない診察項目(未受診項目)が残っており、診察が終了していない場合(ステップS6−3において「NO」場合)には、ホストコンピュータは、未受診項目が複数あるか否かを判断する(ステップS6−5)。具体的には、受診者データ820に、終了フラグが記録されていない未受診項目のデータが2つ以上あるか否かを判断する。
【0108】
ここで、未受診項目が2つ以上ある場合(ステップS6−5において「YES」の場合)には、未受診項目の空き状況を取得する(ステップS6−6)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ記憶部82に記録されている受診者データ820の割当診察項目データを項目別にカウントする。
【0109】
次に、ホストコンピュータは、次の診察項目を決定する(ステップS6−7)。具体的には、ホストコンピュータは、未受診項目のうち、最も受診者が少ない診察項目を、次の診察項目と決定する。なお、未受診項目が1つの場合(ステップS6−5において「NO」の場合)には、この未受診項目を次の診察項目として決定する。
【0110】
次の診察項目を決定すると、ホストコンピュータは、その診察項目を示すデータを、割当診察項目データとして受診者データ820に上書きして、受診者データ820を更新する。
【0111】
そして、ホストコンピュータは、誘導案内データを送信する(ステップS6−8)。具体的には、ホストコンピュータは、受診者データ820の割当診察項目データに記録した診察項目に対応する誘導情報を誘導案内データ830から抽出し、この誘導情報に関するデータを、ネットワークを介してコンピュータ端末30に送信する。
【0112】
上述したように、ホストコンピュータから送信された誘導案内データを受信して、コンピュータ端末30は、誘導案内データを取得する(図7のステップS1−2)。以上により、ホストコンピュータの診察誘導管理処理が完了する。
【0113】
そして、コンピュータ端末30は、可逆印刷処理を行なう(ステップS1−3)。具体的には、コンピュータ端末30は、ステップS1−2で取得した誘導案内データに対応する可逆印刷データを生成し、この可逆印刷データをプリンタ40に送信する。プリンタ40の制御部41は、可逆印刷データに基づいて、可逆印刷処理部43に可逆印刷処理を実行させる。
【0114】
ここで、プリンタ40の制御部41は、まず、リライタブルペーパ500のリライタブル表示領域520に印字されていた可逆表示(本実施形態では、診察項目及び案内地図情報)を消去し、新たな情報を印字する。本実施形態では、新たな情報としては、診察が完了した項目に「済」印が付けられた診察項目及び次の診察場所への誘導案内情報が印字される。従って、受診者は、新たな情報が印字されたリライタブルペーパ500を目視することにより、診察が終わった項目及び次の受診先の場所を確認する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と異なり、プリンタ40の制御部41は、ICタグ510のメモリのデータの更新(ステップS1−4)は行なわない。以上により、リライタブルペーパ500が書き換えられ、ノード受付処理が終了する。
【0115】
その後、すべての診察を終え、会計に誘導された受診者は、会計に設置されているプリンタ40にリライタブルペーパ500を挿入する。これにより、コンピュータ端末30は、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500のICタグ510から媒体固有識別子データを読み取り、ホストコンピュータに送信する。ホストコンピュータでは、受信した媒体固有識別子データと一致する受診者データ820を抽出して、会計に到着した受診者を特定する。そして、ホストコンピュータは、その受診者の診察がすべて完了したことを確認した上、会計についての処理を行なう。
【0116】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態においては、診察場所に受診者が到着した場合、その診察場所に設置されているプリンタ40にリライタブルペーパ500を挿入する。これにより、コンピュータ端末30は、プリンタ40を介してリライタブルペーパ500のICタグ510から、媒体固有識別子データを読み取る(ステップS1−1)。そして、コンピュータ端末30は、媒体固有識別子データに基づいてホストコンピュータから、次の診察場所に誘導案内するための誘導案内データを取得し(ステップS1−2)、診察項目や案内地図情報を可逆印刷する(ステップS1−3)。従って、リライタブルペーパ50に印字された誘導案内により、検診センタの診察場所、すなわち屋内における目的地まで、受診者を的確に誘導することができる。
【0117】
更に、ホストコンピュータは、受診者が診察を受けると、次の診察場所への誘導案内を決定して(ステップS6−7)、誘導案内を行なう。このとき、ホストコンピュータは、決定した診察項目を示すデータを、割当診察項目データとして受診者データ820に上書きして、受診者データ820を更新する。このため、ホストコンピュータは、受診者データ820の割当診察項目データに基づいて未受診項目の空き状況を把握することができるので、1の診察が終了した受診者を、空いている診察へと誘導することができる。従って
、効率的に受診者にすべての診察を受けるようにすることができる。
【0118】
・ 本実施形態においては、診察が終了すると、コンピュータ端末30は、プリンタ40を用いて、リライタブルペーパ500に「済」印が付けられた診察項目を表示する。このため、受診者は、診察が終了した診察項目をリライタブルペーパ500により、その場で確認することができる。
【0119】
・ 本実施形態においては、受付処理において、まず受診者データが設定される(ステップS5−1)。このとき、ホストコンピュータは、検診コースに関するデータに基づいて、診察項目スケジュール記憶部から受診者が受けるべき診察項目に関するデータを受診者データ820として記録する。また、ホストコンピュータは、診察が終了した診察項目については、逐次、終了フラグを付す。このため、診察項目の書き間違い等が生じ難く、受診者が受けるべき診察項目のすべてについて、より確実に診察を受けることができる。
【0120】
また、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記各実施形態では、リライタブル表示領域520は、熱可逆性フィルム等の可逆性感熱記録媒体により構成するが、リライタブル表示領域520の構成はこれに限られるものではない。例えば、電気的や光学的に目視情報を書き換え可能な表示媒体であってもよい。
【0121】
○ 上記各実施形態では、このリライタブルペーパ500には、ICタグ510が付され、アンテナ部514により非接触でプリンタ40との間でデータ送受信を行なう。リライタブルペーパ500に可逆表示される印字内容データが記録できるメモリを備えていれば、接触型のデータ記憶手段(電極パッドを備えるICチップや磁気テープ等)であってもよい。また、2次元コードなどを印字することにより、オリジナルの印字内容データを記録してもよい。
【0122】
○ 上記各実施形態では、各ゲート(ノード)に、リライタブルペーパ500のデータを読み書きするプリンタ40と、このプリンタ40に接続しホストコンピュータとデータの送受信を行なうコンピュータ端末30とをセットで設けた。これに代えて、プリンタ40にコンピュータ端末30の機能をもたせてもよい。この場合、プリンタ40のネットワーク通信部44を介して、ホストコンピュータ20とデータの送受信を行なうプリンタ40とすればよい。この場合には、コンピュータ端末30を省略することができる。
【0123】
○ 上記各実施形態では、ノード端末の送受信手段として、ICタグ通信部42をプリンタ40に設けた。ノード端末の送受信手段は、これに限らず、例えば、図14に示すようにコンピュータ端末30に接続されたハンディスキャナ60を用いてもよい。このハンディスキャナ60は、ICタグ510と通信を行なうためのアンテナ62を備える。また、図15に示すように、各ゲートの出入口となる門(支柱)70に取り付けたアンテナ72をコンピュータ端末30に接続して用いてもよい。また、上記第2実施形態においては、診察室の出入口に、アンテナ72を取り付けるようにしてもよい。
【0124】
更に、複数の送受信手段を設けてもよい。例えば、ゲートの出入口となる門(支柱)70にアンテナ72を取り付けるとともに、ICタグ通信部42を有するプリンタ40を用いてもよい。この両者をコンピュータ端末30に接続する。この場合には、門70を通過したときにアンテナ72を介してリライタブルペーパ500のICタグ510のデータを読み取ったときには、コンピュータ端末30は、このデータに基づいて誘導案内データを取得する。一方、アンテナ72を介してICタグ510のデータを取得できなかったときには、コンピュータ端末30は、プリンタ40のICタグ通信部42を介して、ICタグ510のデータを読み取る。これにより、より確実に、ICタグ510のデータを取得し
て、対象者をより適切に誘導案内することができる。
【0125】
○ 上記第2実施形態では、リライタブルペーパ500のICタグ510のROM領域512に記録された媒体固有識別子データを、行動特定データ及び対象者データとして用いた。すなわち、ホストコンピュータは、媒体固有識別子データに基づいて受診者を特定した。これに限らず、受診者識別子データを行動特定データ及び対象者データとして用いてもよい。具体的には、上記発行処理(ステップS5−3)において、ホストコンピュータは、印字をするときに、そのリライタブルペーパ500を発行する受診者の受診者識別子に関するデータを、ICタグ510のRAM領域513に記録する。その後、診察場所(ノード)におけるコンピュータ端末30は、このRAM領域513に記憶した受診者識別子データをプリンタ40を介して取得し、ホストコンピュータに送信する。ホストコンピュータは、受診者識別子データに基づいて受診者データ記憶部82を用いて、受診者を特定する。
【0126】
○ 上記第2実施形態では、誘導案内データ830として、誘導項目に関連付けた誘導情報が記憶されている。これに限らず、誘導情報を、誘導項目だけでなく、受診者(対象者)のレベルに関連付けた誘導案内データ830としてもよい。具体的には、受診者の履歴(初めての受診、半年以内に受診、数年前に受診等)に応じてレベルを決定し、このレベルに応じた誘導情報を誘導案内データ830として記憶する。例えば、初めての受診者に対しては、地図だけでなく更に詳細な案内を含む誘導情報を提供する。この場合、ホストコンピュータは、受診者が受診した過去の年月日などを記憶する対象者履歴データ記憶手段を備える。
【0127】
○ 上記第2実施形態では、予め定まっている診察項目の検診コースに対応する複数の診察を受ける場合について説明した。これに限らず、例えば、総合病院などにおいて複数科を受診する場合にも適用することができる。具体的には、受診する科の受付を行ったときや診察が終わったときに、ホストコンピュータは、割当診察項目データに基づいて各科の混雑状況(誘導案内した受診者の人数)を把握し、その状況に応じて受診者が次に受診する科について割当を行なう。
【0128】
○ 上記第2実施形態では、ホストコンピュータは、未受診項目のうち、最も受診者が少ない診察項目を、次の診察項目と決定する。この代わりに、ホストコンピュータは、未受診項目のうち、最も受診者が少ない診察項目を、次の診察項目と決定してもよい。具体的には、ホストコンピュータは、各診察項目における診察所要時間予測値に関するデータを記憶した記憶手段に接続されている。ホストコンピュータは、カウントした割当診察項目データの項目別の数と、各診察項目における診察所要時間予測値とを乗算した診察項目別待ち時間予測値を算出する。そして、この診察項目別待ち時間予測値が最小となった診察項目を、この受診者の診察項目として決定する。これにより、診察項目によって診察所要時間が異なっても、効率よく受診者に診察を受けさせることができる。
【0129】
○ 上記第2実施形態では、ホストコンピュータは、発行処理(ステップS5−3)や診察誘導管理処理において、割当診察項目に関するデータを受診者データ記憶部82に記録する。このとき、ホストコンピュータは、割当診察項目に関するデータを受診者データ記憶部82に記録した割当時刻を、受診者データ820に含めて記録してもよい。これにより、ホストコンピュータは、記録された割当時刻に基づいて、受診者の待ち順番を把握することができる。
【0130】
○ 上記第1実施形態では、商品を搬入する搬入者を対象者として説明した。また、上記第2実施形態では、診察を受ける受診者を対象者として説明した。これに限られず、例えば、工場内の商品を移動する場合や廃棄する場合に適用してもよい。例えば、特殊な商
品を廃棄するときに、特定の手続が必要となっていることがある。この場合に、所定の手続を行なうところを中継地点のゲートと設定し、そのゲートに誘導するようにしてもよい。また、対象者を、美術館やアトラクション内を誘導する場合に用いてもよい。また、例えば、セキュリティの高い場所に部外者を入れたい場合に適用してもよい。この場合には、その部外者にリライタブルペーパ500のような通行を携帯させてもよい。この場合でも、ゲートに設置されたプリンタ40にリライタブルペーパ500を挿入することにより、対象者を予定されたルートで目的地に案内することができる。
【0131】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a) 前記管理コンピュータは、対象者が次に進むノードとして誘導案内したノードを特定するためのデータを記録する誘導ノード特定記憶手段に更に接続されており、
前記行動スケジュール記憶手段には、対象者が立ち寄るノードに関するデータが記録されており、
前記管理コンピュータが、前記誘導ノード特定記憶手段において記録されたデータに基づいて各ノードに誘導案内した対象者の人数を取得する誘導人数取得段階を更に実行し、
前記ノード特定段階は、前記行動特定データに基づいて、前記対象者の人数及び前記行動スケジュール記憶手段の対象者が立ち寄るノードに関するデータから、前記対象者が次に進むノードを特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の誘導管理方法。
【0132】
(b) 前記管理コンピュータは、対象者が次に進むノードとして誘導案内したノードを特定するためのデータを記録する誘導ノード特定記憶手段に更に接続されており、
前記行動スケジュール記憶手段には、対象者が立ち寄るノードに関するデータが記録されており、
前記管理コンピュータを、前記誘導ノード特定記憶手段において記録されたデータに基づいて各ノードに誘導案内した対象者の人数を取得する誘導人数取得手段として更に機能させ、
前記ノード特定手段は、前記行動特定データに基づいて、前記対象者の人数及び前記行動スケジュール記憶手段の対象者が立ち寄るノードに関するデータから、前記対象者が次に進むノードを特定することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の誘導管理プログラム。
【0133】
従って、これら(a)、(b)に記載の発明によれば、ノードの混雑状況に応じて、対象者が立ち寄るノードに、対象者を効率的に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】誘導管理システムの概略構成図。
【図2】搬入スケジュールデータ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】搬入者データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】誘導案内データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】プリンタの構成を示すブロック図。
【図6】実施形態の全体的な搬入手順を説明する説明図。
【図7】実施形態のゲート受付処理の処理手順を説明する説明図。
【図8】実施形態の誘導管理処理の処理手順を説明する説明図。
【図9】第2実施形態の全体的な診察案内の手順を説明する説明図。
【図10】受診者データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図11】第2実施形態の誘導案内データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図12】実施形態の受付処理の処理手順を説明する説明図。
【図13】実施形態の診察誘導管理処理の処理手順を説明する説明図。
【図14】ノード端末の送受信手段の第1の変更例を説明する説明図。
【図15】ノード端末の送受信手段の第2の変更例を説明する説明図。
【図16】従来における搬入手順を説明する説明図。
【符号の説明】
【0135】
20…ホストコンピュータ、22…行動スケジュール記憶手段としての搬入スケジュールデータ記憶部、24,83…誘導案内データ記憶手段としての誘導案内データ記憶部、30…ノード端末を構成するコンピュータ端末、40…ノード端末を構成し、可逆印刷手段としてのプリンタ、42…送受信手段としてのICタグ通信部、82…行動スケジュール記憶手段としての受診者データ記憶部、240,830…誘導案内データ、500…情報表示媒体としてのリライタブルペーパ、510…データ記憶手段としてのICタグ、520…可逆表示部としてのリライタブル表示領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視的に情報が可逆表示される可逆表示部とデータ記憶手段とを有する情報表示媒体の前記可逆表示部に可逆印刷を行ない、前記データ記憶手段とデータの送受信を行なう送受信手段及び可逆印刷手段を有し、ノードに設置されるノード端末、
対象者に関する行動スケジュールデータを記録する行動スケジュール記憶手段、及び
前記対象者が次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを記録した誘導案内データ記憶手段に接続された管理コンピュータを用いて、前記対象者の誘導を管理する誘導管理方法であって、
前記管理コンピュータが、
前記ノード端末を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録された行動特定データを取得し、この行動特定データに基づいて、前記行動スケジュール記憶手段から、前記対象者が次に進むノードを特定するノード特定段階と、
前記誘導案内データ記憶手段から、前記ノード端末の可逆印刷手段が設置されているノードから、次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを取得する取得段階と、
取得した誘導案内データを、前記ノード端末を介して前記情報表示媒体の可逆表示部に表示させる出力段階と
を備えていることを特徴とする誘導管理方法。
【請求項2】
前記出力段階は、前記ノード端末の前記可逆印刷手段において、前記情報表示媒体の可逆表示部に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内データに基づく情報を前記可逆表示部に可逆表示させることを特徴とする請求項1に記載の誘導管理方法。
【請求項3】
前記管理コンピュータには、対象者の行動履歴に関して対象者レベルが記録された対象者履歴データ記憶手段が更に接続され、
前記誘導案内データ記憶手段には、対象者レベルに対応して誘導案内データが記録され、
前記情報表示媒体のデータ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが記録され、
前記管理コンピュータが、前記ノード端末の前記送受信手段を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録されている対象者データを取得し、前記対象者履歴データ記憶手段を用いてこの対象者の対象者レベルを特定するレベル特定段階を更に実行し、
前記取得段階は、特定された対象者レベルに応じた誘導案内データを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導管理方法。
【請求項4】
前記行動スケジュール記憶手段には、搬送の優先度に関するデータが更に記録され、
前記誘導案内データ記憶手段には、優先度に対応して誘導案内データが記録され、
前記管理コンピュータが、前記ノード端末の前記送受信手段を介して取得した行動特定データに基づいて優先度を算出する算出段階を更に実行し、
前記取得段階は、前記優先度に応じた誘導案内データを取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の誘導管理方法。
【請求項5】
可視的に情報が可逆表示される可逆表示部とデータ記憶手段とを有する情報表示媒体の前記可逆表示部に可逆印刷を行ない、前記データ記憶手段とデータの送受信を行なう送受信手段及び可逆印刷手段を有し、ノードに設置されるノード端末、
対象者に関する行動スケジュールデータを記録する行動スケジュール記憶手段、及び
前記対象者が次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを記録した誘導案内データ記憶手段に接続された管理コンピュータを用いて、前記対象者の誘導を管理する誘導管理プログラムであって、
前記管理コンピュータを、
前記ノード端末を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録された行動特定データを取得し、この行動特定データに基づいて、前記行動スケジュール記憶手段から、前記対象者が次に進むノードを特定するノード特定手段、
前記誘導案内データ記憶手段から、前記ノード端末の可逆印刷手段が設置されているノードから、次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを取得する取得手段、及び
取得した誘導案内データを、前記ノード端末を介して前記情報表示媒体の可逆表示部に表示させる出力手段
として機能させることを特徴とする誘導管理プログラム。
【請求項6】
前記出力手段は、前記ノード端末の前記可逆印刷手段において、前記情報表示媒体の可逆表示部に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内データに基づく情報を前記可逆表示部に可逆表示させることを特徴とする請求項5に記載の誘導管理プログラム。
【請求項7】
前記管理コンピュータには、対象者の行動履歴に関して対象者レベルが記録された対象者履歴データ記憶手段が更に接続され、
前記誘導案内データ記憶手段には、対象者レベルに対応して誘導案内データが記録され、
前記情報表示媒体のデータ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが記録され、
前記管理コンピュータを、前記ノード端末の前記送受信手段を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録されている対象者データを取得し、前記対象者履歴データ記憶手段を用いてこの対象者の対象者レベルを特定するレベル特定手段として更に機能させ、
前記取得手段は、特定された対象者レベルに応じた誘導案内データを取得することを特徴とする請求項5又は6に記載の誘導管理プログラム。
【請求項8】
前記行動スケジュール記憶手段には、搬送の優先度に関するデータが更に記録され、
前記誘導案内データ記憶手段には、優先度に対応して誘導案内データが記録され、
前記管理コンピュータを、前記ノード端末の前記送受信手段を介して取得した行動特定データに基づいて優先度を算出する算出手段として更に機能させ、
前記取得手段は、前記優先度に応じた誘導案内データを取得することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の誘導管理プログラム。
【請求項9】
行動内容を特定する行動特定データを記録したデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記録された行動特定データに基づいて特定された誘導先に誘導するための案内情報を可逆表示する可逆表示部と
を有することを特徴とする情報表示媒体。
【請求項10】
前記データ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが更に記録され、
前記可逆表示部には、前記対象者データに対応する前記案内情報が可逆表示されることを特徴とする請求項9に記載の情報表示媒体。
【請求項1】
可視的に情報が可逆表示される可逆表示部とデータ記憶手段とを有する情報表示媒体の前記可逆表示部に可逆印刷を行ない、前記データ記憶手段とデータの送受信を行なう送受信手段及び可逆印刷手段を有し、ノードに設置されるノード端末、
対象者に関する行動スケジュールデータを記録する行動スケジュール記憶手段、及び
前記対象者が次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを記録した誘導案内データ記憶手段に接続された管理コンピュータを用いて、前記対象者の誘導を管理する誘導管理方法であって、
前記管理コンピュータが、
前記ノード端末を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録された行動特定データを取得し、この行動特定データに基づいて、前記行動スケジュール記憶手段から、前記対象者が次に進むノードを特定するノード特定段階と、
前記誘導案内データ記憶手段から、前記ノード端末の可逆印刷手段が設置されているノードから、次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを取得する取得段階と、
取得した誘導案内データを、前記ノード端末を介して前記情報表示媒体の可逆表示部に表示させる出力段階と
を備えていることを特徴とする誘導管理方法。
【請求項2】
前記出力段階は、前記ノード端末の前記可逆印刷手段において、前記情報表示媒体の可逆表示部に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内データに基づく情報を前記可逆表示部に可逆表示させることを特徴とする請求項1に記載の誘導管理方法。
【請求項3】
前記管理コンピュータには、対象者の行動履歴に関して対象者レベルが記録された対象者履歴データ記憶手段が更に接続され、
前記誘導案内データ記憶手段には、対象者レベルに対応して誘導案内データが記録され、
前記情報表示媒体のデータ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが記録され、
前記管理コンピュータが、前記ノード端末の前記送受信手段を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録されている対象者データを取得し、前記対象者履歴データ記憶手段を用いてこの対象者の対象者レベルを特定するレベル特定段階を更に実行し、
前記取得段階は、特定された対象者レベルに応じた誘導案内データを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導管理方法。
【請求項4】
前記行動スケジュール記憶手段には、搬送の優先度に関するデータが更に記録され、
前記誘導案内データ記憶手段には、優先度に対応して誘導案内データが記録され、
前記管理コンピュータが、前記ノード端末の前記送受信手段を介して取得した行動特定データに基づいて優先度を算出する算出段階を更に実行し、
前記取得段階は、前記優先度に応じた誘導案内データを取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の誘導管理方法。
【請求項5】
可視的に情報が可逆表示される可逆表示部とデータ記憶手段とを有する情報表示媒体の前記可逆表示部に可逆印刷を行ない、前記データ記憶手段とデータの送受信を行なう送受信手段及び可逆印刷手段を有し、ノードに設置されるノード端末、
対象者に関する行動スケジュールデータを記録する行動スケジュール記憶手段、及び
前記対象者が次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを記録した誘導案内データ記憶手段に接続された管理コンピュータを用いて、前記対象者の誘導を管理する誘導管理プログラムであって、
前記管理コンピュータを、
前記ノード端末を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録された行動特定データを取得し、この行動特定データに基づいて、前記行動スケジュール記憶手段から、前記対象者が次に進むノードを特定するノード特定手段、
前記誘導案内データ記憶手段から、前記ノード端末の可逆印刷手段が設置されているノードから、次に進むノードへ誘導案内するための誘導案内データを取得する取得手段、及び
取得した誘導案内データを、前記ノード端末を介して前記情報表示媒体の可逆表示部に表示させる出力手段
として機能させることを特徴とする誘導管理プログラム。
【請求項6】
前記出力手段は、前記ノード端末の前記可逆印刷手段において、前記情報表示媒体の可逆表示部に可逆表示されている情報を消去して、取得した誘導案内データに基づく情報を前記可逆表示部に可逆表示させることを特徴とする請求項5に記載の誘導管理プログラム。
【請求項7】
前記管理コンピュータには、対象者の行動履歴に関して対象者レベルが記録された対象者履歴データ記憶手段が更に接続され、
前記誘導案内データ記憶手段には、対象者レベルに対応して誘導案内データが記録され、
前記情報表示媒体のデータ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが記録され、
前記管理コンピュータを、前記ノード端末の前記送受信手段を介して前記情報表示媒体のデータ記憶手段に記録されている対象者データを取得し、前記対象者履歴データ記憶手段を用いてこの対象者の対象者レベルを特定するレベル特定手段として更に機能させ、
前記取得手段は、特定された対象者レベルに応じた誘導案内データを取得することを特徴とする請求項5又は6に記載の誘導管理プログラム。
【請求項8】
前記行動スケジュール記憶手段には、搬送の優先度に関するデータが更に記録され、
前記誘導案内データ記憶手段には、優先度に対応して誘導案内データが記録され、
前記管理コンピュータを、前記ノード端末の前記送受信手段を介して取得した行動特定データに基づいて優先度を算出する算出手段として更に機能させ、
前記取得手段は、前記優先度に応じた誘導案内データを取得することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の誘導管理プログラム。
【請求項9】
行動内容を特定する行動特定データを記録したデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記録された行動特定データに基づいて特定された誘導先に誘導するための案内情報を可逆表示する可逆表示部と
を有することを特徴とする情報表示媒体。
【請求項10】
前記データ記憶手段には、この情報表示媒体を所持する対象者を特定する対象者データが更に記録され、
前記可逆表示部には、前記対象者データに対応する前記案内情報が可逆表示されることを特徴とする請求項9に記載の情報表示媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−126173(P2006−126173A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265445(P2005−265445)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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