説明

誘電体薄膜の形成方法、誘電体薄膜および電子部品

【課題】用いる基板の結晶格子間隔や配向方向によらずに所望の結晶配向性を有する誘電体薄膜を得ることができ、かつ誘電体薄膜を一方向にほぼ完全に結晶配向させることが可能なゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法を提供する。
【解決手段】金属化合物を含む誘電体前駆体溶液を基板上に塗布して誘電体前駆体層を形成する工程と、誘電体前駆体層を乾燥する工程と、誘電体前駆体層を焼成する工程とを有する、ゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法において、前記誘電体前駆体層を乾燥する工程は、誘電体前駆体溶液に含まれる溶媒の沸点よりも高温で、かつ誘電体前駆体層の発熱反応が最大となる温度よりも低温で乾燥処理を行い、前記誘電体前駆体層を焼成する工程は、所定の速度で昇温させながら焼成を行う工程を含むことにより、一定方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法に関し、詳しくは、ゾル−ゲル法において熱処理条件を制御することにより所定の方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することが可能な誘電体薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、誘電体セラミックスを薄膜化した誘電体薄膜は様々な電子部品に用いられてきた。なかでも、強誘電体セラミックスを薄膜化した強誘電体薄膜は、圧電性、焦電性、強誘電性といった優れた電気的性質を利用して、キャパシタ、高周波共振子、焦電センサ、不揮発性メモリ等の電子部品に幅広く適用されている。
【0003】基板上に誘電体薄膜を形成する代表的な方法としては、スパッタリング法やCVD法等のように原料をプラズマ状やガス状にして基板上に堆積させる方法と、ゾル−ゲル法やMOD法等のように原料を含む溶液を基板上に塗布する方法がある。これらのなかで、ゾル−ゲル法は大面積に対して均質な誘電体薄膜を比較的低温で形成できるという特長を有し、工業的にも有効な方法であるとして近年注目されている。
【0004】ゾル−ゲル法による誘電体薄膜の形成方法を以下に説明する。まず目的とする誘電体を構成する金属元素を含む化合物(金属アルコキシドや有機金属酸塩、無機金属化合物等)を有機溶剤に溶解して誘電体前駆体溶液を形成する。次に、この前駆体溶液を部分加水分解させ、2次元鎖状構造のゾル溶液としてから、基板上に塗布して誘電体前駆体層を形成する。この工程において、2次元鎖状構造のゾルは空気中の水分により加水分解され、引き続いて起こる縮重合反応により3次元網目構造のゲルとなる。
【0005】続いて、前駆体層を乾燥処理することにより、前駆体層中の溶媒を蒸発させ、また前駆体層中の有機物成分(3次元網目構造に付加している炭化水素からなる官能基)を熱分解除去して、ゲルを緻密化させる。この工程により、前駆体層はアモルファス状の層になる。最後に、アモルファス状の層からなる前駆体層を焼成することにより結晶化させ、誘電体薄膜が形成される。
【0006】ところで、誘電体薄膜を形成する場合には、結晶が配向状態であること、すなわち結晶の方向が一方向に揃っている状態であることが薄膜の電気的特性を発揮させるためには大変重要である。特に、結晶の分極方向と結晶の成長方向が一致した場合、電気的特性をより効率よく発揮させることができる。
【0007】このような配向性の高い誘電体薄膜を基板上に形成する際には、結晶の配向状態は下地基板の原子位置に大きな影響を受けることが知られている。すなわち、配向性の高い誘電体薄膜を得るためには基板の結晶格子間隔や配向方向が誘電体結晶の格子間隔や配向方向とよく一致している必要がある。そのため、基板に単結晶基板を用いたり、エピタキシャル配向した3軸配向膜を中間層として形成してその上に誘電体薄膜を形成することで誘電体薄膜の配向性を高める方法等がしばしば用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のように結晶配向性の高い誘電体薄膜を得るためには基板の結晶格子間隔や配向方向が誘電体薄膜の格子間隔や配向方向とよく一致している必要がある。したがって、目的の配向方向を有する誘電体薄膜を得るには、基板や下地として用いることができる材料の選択範囲が非常に限定されるという問題があった。また、キャパシタや高周波共振子等を形成する場合のように電極上に誘電体薄膜を形成する際には、下地となる電極は格子間隔だけでなく耐酸化性等の条件も満たすことが必要であり、材料の選択範囲がさらに狭められることとなる。
【0009】上記問題を解決する方法として、特開平4−259380号公報に開示される方法がある。この方法は、(111)配向した白金基板上にゾル−ゲル法を用いてPZT誘電体薄膜を形成する方法で、前駆体層中の有機物成分の熱分解を様々な温度で行うことで、誘電体薄膜の優先的な配向方向を変化させるものである。したがって、この方法を用いれば、同一の基板上に薄膜を形成する場合であっても、前駆体層の熱分解温度を調整することにより、誘電体薄膜の優先的な配向方向を変化させることが可能となる。
【0010】しかし、上記方法では誘電体薄膜の結晶を特定方向に優先的に配向させることはできるものの、異なる方向へ配向した結晶も一部に混在している状態で、完全に一方向に配向させることはできなかった。
【0011】そこで本発明は、用いる基板の結晶格子間隔や配向方向によらずに所望の方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜を得ることができ、かつ誘電体薄膜を一方向にほぼ完全に結晶配向させることが可能なゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属化合物を含む誘電体前駆体溶液を基板上に塗布して誘電体前駆体層を形成する工程と、誘電体前駆体層を乾燥する工程と、誘電体前駆体層を焼成する工程とを有する、ゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法において、前記誘電体前駆体層を乾燥する工程は、誘電体前駆体溶液に含まれる溶媒の沸点よりも高温で、かつ誘電体前駆体層の発熱反応が最大となる温度よりも低温で乾燥処理を行い、前記誘電体前駆体層を焼成する工程は、所定の速度で昇温させながら焼成を行う工程を含むことにより、一定方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することを特徴とする。
【0013】また、本発明は、有機金属化合物を含む誘電体前駆体溶液を用意する工程と、誘電体前駆体溶液を基板上に塗布して前駆体層を形成する工程と、前駆体層を乾燥する工程と、前駆体層を焼成する工程とを有する、ゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法において、前記前駆体層を乾燥する工程は、前駆体層中に有機物成分を一部残した状態で乾燥処理を終了し、前記前駆体層を焼成する工程は、所定の速度で昇温させながら焼成を行う工程を含むことにより、一定方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することを特徴とする。
【0014】本発明では、誘電体前駆体溶液に含まれる溶媒の沸点よりも高温で、かつ誘電体前駆体層の発熱反応が最大となる温度よりも低温で乾燥処理を行うことを特徴とする。このように、誘電体前駆体溶液に含まれる溶媒の沸点よりも高温で乾燥処理を行うことで、誘電体前駆体層中の溶媒を蒸発除去することができる。また、誘電体前駆体層の発熱反応とは、原料として有機金属化合物を用いた場合には、前駆体層中の有機物成分が燃焼することによって熱分解除去される反応である。したがって、誘電体前駆体層の発熱反応が最大となる温度よりもやや低温で乾燥処理を行った場合には、前駆体層中の有機物成分が完全には熱分解除去されておらず、前駆体層中に有機物成分を一部残した状態で乾燥処理が終了していると言える。
【0015】以上のように、本発明では前駆体層中に有機物成分を一部残した状態で乾燥処理を終了するため、それに続く前駆体層の焼成工程では、残された有機物成分が熱分解除去されることによるゲルの緻密化がアモルファス層の結晶化と同時に起こることになる。したがって、原子が結晶配列するための自由度が大きくなり、一定方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜の形成が容易になると考えられる。
【0016】また本発明では、所定の速度で昇温させながら焼成を行う工程を含むことにより、誘電体薄膜を一定方向へ結晶配向性させることを特徴とする。上述のように、本発明では前駆体層の焼成工程においてゲルの緻密化がアモルファス層の結晶化と同時に起こる。ここで、焼成の際の昇温速度を調整した場合、ゲルの緻密化の速度が変化し、その結果、結晶化の際の薄膜に生じる内部応力が変化すると考えられる。したがって、同一の基板を用いた場合であっても、焼成の際の昇温速度を制御することによって、誘電体薄膜の結晶の配向方向を変化させることができると考えられる。
【0017】上記誘電体薄膜が、ぺロブスカイト型誘電体薄膜である場合、前駆体層を低速で昇温させながら焼成する工程を含むことによって、(001)配向の結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することができる。昇温速度は、毎分20℃以下であることが望ましい。また、同様に前駆体層を高速で昇温させながら焼成する工程を含むことによって、(111)配向の結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することができる。昇温速度は、毎分20℃以上であることが望ましい。
【0018】さらに、基板が(111)配向した白金基板である場合や、誘電体薄膜がPZT薄膜である場合に、上記の誘電体薄膜の形成方法は有利に適用できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本実施例におけるゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法を図1を用いて説明する。まず、ジルコニウムプロポキシド(Zr(OC374)とチタンイソプリポキシド(Ti(iso−OC374)をZr/Tiの原子数比が0.52/0.48となるようにそれぞれ秤量し、空気中の水分に触れない状態で2−メトキシエタノール溶液中に添加する。この溶液をArガス雰囲気中で20時間攪拌、還流する。次に、酢酸鉛3水和物(Pb(CH3COOH)23H2O)をPb/(Zr+Ti)の原子数比が1となるように秤量し、別の2−メトキシエタノール溶液中に添加する。この溶液をArガス雰囲気中100℃以上で20時間攪拌、還流する。上記二つの溶液を空気中の水分に触れない状態で混合し、さらに20時間攪拌、還流することで、Pb(Zrx,Ti1-x)O3(0≦x<1)で表されるジルコン酸チタン酸鉛(以下PZTと示す)の前駆体溶液が形成される。
【0020】次に、Si基板上に白金膜をスパッタリング法を用いて形成する。白金膜は(111)方向に優先的に配向している。続いて、PZT前駆体溶液を部分加水分解させ、2次元鎖状構造のゾル溶液とした後、白金膜の形成された基板上に滴下し、回転速度500rpmで5秒間、回転速度3000rpmで30秒間の条件でスピンコートし、PZT前駆体層を形成する。この工程において、部分加水分解により生じた2次元鎖状構造のゾルはさらに空気中の水分により加水分解され、引き続いて起こる縮重合反応により3次元網目構造のゲルとなる。
【0021】続いて、前駆体層を350℃で5分間乾燥処理する。この乾燥工程によって、前駆体層中の溶媒が蒸発除去され、また前駆体層中の有機物成分(3次元網目構造に付加した(−OC37)基等の官能基)の一部が熱分解除去され、ゲルが緻密化される。
【0022】ここで乾燥処理は、以下の方法で求められた温度で行った。PZT前駆体層を示差熱分析すると、380℃に発熱反応のピークがあることがわかった。この発熱反応は、前駆体層中の有機物成分の燃焼によるものと考えられ、有機物成分は燃焼により熱分解除去される。したがって本発明では、有機物成分の熱分解反応が最大となる温度よりも少し低温である350℃で乾燥処理を行うこととし、前駆体層中の有機物成分が完全には除去されていない状態、すなわち前駆体層中に有機物成分を一部残した状態で乾燥処理を終了させることとした。
【0023】また、この乾燥工程では同時に溶媒を蒸発させるため、溶媒の沸点よりも高温で乾燥処理を行うことが必要であるが、乾燥処理温度の350℃は溶媒である2−メトキシエタノールの沸点よりも十分に高く、この条件は満たしている。
【0024】以上のように、基板上にPZTの前駆体溶液を塗布して前駆体層を形成し、次いで前駆体層を乾燥処理するという工程を10回繰り返して、所望の膜厚を有する前駆体層を得る。この段階において、前駆体層は一部に有機物成分を含んだアモルファス状の層になっている。
【0025】最後に、前駆体層を焼成することにより、残りの有機物成分が熱分解除去され、またアモルファス状の層が結晶化して誘電体薄膜が完成する。焼成は、炉内に基板を入れたままで室温から650℃まで所定の昇温速度で昇温させ、650℃で30分間保持することにより行った。昇温は毎分3℃(実施例1)と毎分200℃(実施例2)の2通りの昇温速度で行った。
【0026】以上の工程で得られた誘電体薄膜のX線回折測定結果を図1に示す。図中の(001)、(002)、(111)のピークは、それぞれペロブスカイト構造を有するPZT結晶の(001)面、(002)面、(111)面に対応する回折ピークを示す。Ptの回折ピークは(111)方向を示し、基板上に形成した白金膜のピークに該当する。図1から明らかなように、毎分3℃の昇温速度で昇温した場合(実施例1)には(001)配向のPZT誘電体薄膜が得られ、毎分200℃の昇温速度で昇温した場合(実施例2)には(111)配向のPZT誘電体薄膜が得られている。また、いずれの実施例においても、PZT誘電体薄膜はほぼ完全に一方向に結晶配向しており、非常に配向性の高い誘電体薄膜が形成されていることがわかる。
【0027】以上のように、焼成時の昇温速度の違いにより異なる配向方向を有する誘電体薄膜を得ることができたのは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち本実施例では、前駆体層中に有機物成分を一部残した状態で乾燥処理を終了させているため、前駆体層の焼成時にはアモルファス層の結晶化と同時に、残りの有機物成分が熱分解されることによるゲルの緻密化が起きている。この際のゲルの緻密化の速度は、焼成時の昇温速度によって変化し、それによって結晶化の際に生じる内部応力も変化すると考えられる。具体的には、実施例1のように毎分3℃の低速で昇温した場合には、ゲルの緻密化が徐々に起きるため、原子が結晶配列するための自由度が比較的大きく、結晶化の際に生じる内部応力は小さいと考えられる。一方、実施例2のように毎分200℃の高速で昇温した場合には、ゲルの緻密化が急激に起きるため、原子が結晶配列するための自由度が比較的小さく、結晶化の際に生じる内部応力は大きいと考えられる。この結晶化の際に生じる内部応力の違いが、形成される誘電体薄膜の結晶配向の方向を決定するものと考えられる。
【0028】したがって、本発明の誘電体薄膜の形成方法を用いれば、本実施例において用いた白金薄膜を有する基板以外の基板上に誘電体薄膜を形成する場合であっても、適当な乾燥条件と焼成条件を選ぶことによって所望の結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することができると考えられる。すなわち、本発明を用いれば、基板格子間隔や配向方向にあまり影響を受けずに所望の方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することが可能になり、基板の選択範囲が広がると考えられる。
【0029】上記のように、本発明を用いて形成された誘電体薄膜は、ほぼ完全に一方向に結晶配向している。したがって、本発明を用いて形成された誘電体薄膜をキャパシタ、高周波共振子、焦電センサ、不揮発性メモリ等の電子部品に適用した場合、非常に高性能の電子部品を形成することができる。
【0030】また、上記実施例ではPZT誘電体薄膜を形成する場合について示したが、本発明はPZTを一部に含む誘電体薄膜を形成する場合や、BaTiO3やPbTiO3等のその他の誘電体薄膜を形成する場合にも同様に適用できるものと考えられる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ゾル−ゲル法を用いて誘電体薄膜を形成する際に、誘電体前駆体溶液に含まれる溶媒の沸点よりも高温で、かつ誘電体前駆体層の発熱反応が最大となる温度よりも低温で誘電体前駆体層の乾燥処理を行うことで、前駆体層中に有機物成分を一部残した状態で乾燥処理を終了させ、また、所定の速度で昇温させながら誘電体前駆体層の焼成を行う工程を含むことにより、一方向にほぼ完全に結晶配向した誘電体薄膜を形成することができた。
【0032】また、本発明では、誘電体前駆体層を焼成する際の昇温速度を制御することで、誘電体薄膜の結晶の配向方向を変化させることができた。したがって、本発明を用いれば、用いる基板の格子間隔や配向方向にあまり影響を受けずに所望の結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することが可能になり、基板や下地材料の選択範囲が広がると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で形成された誘電体薄膜のX線回折測定結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】金属化合物を含む誘電体前駆体溶液を基板上に塗布して誘電体前駆体層を形成する工程と、前記誘電体前駆体層を乾燥する工程と、前記誘電体前駆体層を焼成する工程とを有する、ゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法において、前記誘電体前駆体層を乾燥する工程は、前記誘電体前駆体溶液に含まれる溶媒の沸点よりも高温で、かつ誘電体前駆体層の発熱反応が最大となる温度よりも低温で乾燥処理を行い、前記誘電体前駆体層を焼成する工程は、所定の速度で昇温させながら焼成を行う工程を含むことにより、一定方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することを特徴とする誘電体薄膜の形成方法。
【請求項2】有機金属化合物を含む誘電体前駆体溶液を基板上に塗布して誘電体前駆体層を形成する工程と、前記誘電体前駆体層を乾燥する工程と、前記誘電体前駆体層を焼成する工程とを有する、ゾル−ゲル法を用いた誘電体薄膜の形成方法において、前記誘電体前駆体層を乾燥する工程は、誘電体前駆体層中に有機物成分を一部残した状態で乾燥処理を終了し、前記誘電体前駆体層を焼成する工程は、所定の速度で昇温させながら焼成を行う工程を含むことにより、一定方向への結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することを特徴とする誘電体薄膜の形成方法。
【請求項3】前記誘電体薄膜は、ぺロブスカイト型誘電体薄膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体薄膜の形成方法。
【請求項4】前記前駆体層を焼成する工程は、低速で昇温させながら焼成を行う工程を含むことによって、(001)配向の結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の誘電体薄膜の形成方法。
【請求項5】前記前駆体層を焼成する工程は、高速で昇温させながら焼成を行う工程を含むことによって、(111)配向の結晶配向性を有する誘電体薄膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の誘電体薄膜の形成方法。
【請求項6】前記低速で昇温させながら焼成を行う工程は、毎分20℃以下の昇温速度で昇温させながら焼成を行うことを特徴とする請求項4に記載の誘電体薄膜の形成方法。
【請求項7】前記高速で昇温させながら焼成を行う工程は、毎分20℃以上の昇温速度で昇温させながら焼成を行うことを特徴とする請求項5に記載の誘電体薄膜の形成方法。
【請求項8】前記基板は、(111)配向した白金基板であることを特徴とする請求項1ないし7に記載の誘電体薄膜の形成方法。
【請求項9】前記誘電体薄膜は、PZT薄膜であることを特徴とする請求項1ないし8に記載の誘電体薄膜の形成方法。
【請求項10】請求項1ないし9に記載の誘電体薄膜の形成方法を用いて形成された誘電体薄膜。
【請求項11】請求項10に記載の誘電体薄膜を用いて形成された電子部品。

【図1】
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【公開番号】特開2001−172099(P2001−172099A)
【公開日】平成13年6月26日(2001.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−360629
【出願日】平成11年12月20日(1999.12.20)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】