説明

誤操作予防システム、端末装置、誤操作予防方法及びプログラム

【課題】入力操作の有効性を確認するための確認入力を入力する際、惰性やキーの連打などにより、誤って確認入力を入力してしまう危険性を極めて少なくする。
【解決手段】操作者が入力部2を用いて行った入力操作が入力操作検出手段11で検出されると、問題出力手段12は、上記入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、表示部3に表示する。表示部3に表示する問題は、例えば、計算問題、クイズ、パズル、漢字の読み取り問題などである。また、その難易度は、入力操作の重要度に応じたもの、あるいは入力操作の重要度と前回の解答時間とに応じたものにすることができる。操作者は、自身が行った入力操作を有効にする場合、問題に対する解答を確認入力として入力部2から入力する。判定手段13は、入力部2から確認入力として上記問題の正解が入力された場合、上記入力操作が有効であると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにおいて誤った入力操作により損失が発生するのを予防する誤操作予防技術に関し、特に、操作者に入力操作の有効性を確認させる際、簡単な問題を解かせるようにした誤操作予防方法に関する。
【背景技術】
【0002】
操作者がコンピュータに対して承認処理や削除処理といった重要な処理を行わせるための入力操作を行った場合、確認ウィンドウを表示し、操作者に入力操作の有効性を確認させるということが従来から行われている。確認ウィンドウには、入力操作の有効性を確認させるためのメッセージ文とOKボタンとが含まれており、操作者は、メッセージ文を読んで自身が行った入力操作の有効性を確認すると、OKボタンをクリックすることによりコンピュータに対して確認入力を入力し、コンピュータは、確認入力が入力されると、操作者が行った入力操作に従った処理を実行する。
【0003】
このように、操作者に入力操作の有効性を確認させ、その後、入力操作に従った処理を実行するようにすることにより、誤って承認処理や削除処理などが実行されてしまうという危険性を少なくすることが可能になる。しかし、メッセージ文及びOKボタンを含んだ確認ウィンドウを表示させる上記した方法では、操作者が他操作からの惰性や不注意によりOKボタンをクリックしてしまう危険性が高いという問題があった。
【0004】
そこで、このような問題点を解決するため、従来から次のような技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1に記載されている従来の技術では、図16(A)に示すように、操作者がCRT画面DP上で入力操作を行うと、同図(B)に示すように、CRT画面DP上に第1の確認ウィンドウW1が表示される。この第1の確認ウィンドウW1には、操作者に対して入力操作の有効性を確認させるためのメッセージ文が含まれている。
【0006】
第1の確認ウィンドウW1の表示は予め定められた時間(操作者がメッセージ文を読むために必要になる時間)だけ続き、その後、同図(C)に示すように第2の確認ウィンドウW2が表示される。第2の確認ウィンドウW2は、メッセージ文と確認フィールド(OKボタン)CFとが含まれている。
【0007】
第2の確認ウィンドウW2が表示されると、操作者は、同図(A)において行った入力操作を有効にする場合は確認フィールドをクリックすることにより確認入力を入力する。これにより、同図(D)に示すように、第2の確認ウィンドウW2が消去され、確認作業が終わる。
【0008】
【特許文献1】特開2000−56887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されている従来の技術は、OKボタンを含む第2の確認ウィンドウW2を表示する前に、メッセージ文だけを含んだ第1の確認ウィンドウW1を一定時間表示するようにしているので、操作者が惰性や不注意によりOKボタンをクリックし、誤った確認入力を入力してしまう危険性を多少は少なくすることができる。しかし、特許文献1に記載されている従来の技術は、メッセージ文を読むために一定の時間が経過することを保障するのみであるため、操作者が惰性により誤って確認入力を入力してしまう危険性を十分には小さくすることができない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、操作者が惰性や不注意により誤って確認入力を入力してしまう危険性を極めて少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる第1の誤操作予防システムは、
入力部と、
出力部と、
前記入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出手段と、
該入力操作検出手段で検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、前記出力部に出力する問題出力手段と、
前記入力部から確認入力として前記問題の正解が入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明にかかる第2の誤操作予防システムは、第1の誤操作予防システムにおいて、
前記問題出力手段が、前記入力操作検出手段で検出された入力操作が確認入力を必要とするものである場合、前記問題を前記出力部に出力することを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる第3の誤操作予防システムは、第2の誤操作予防システムにおいて、
前記問題出力手段が、前記入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明にかかる第4の誤操作予防システムは、第2の誤操作予防システムにおいて、
前記問題出力手段が、前記入力操作の重要度と、前回前記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに前記出力部に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力することを特徴とする。
【0015】
本発明にかかる第5の誤操作予防システムは、第1〜第4の何れかの誤操作予防システムにおいて、
前記問題出力手段が、前記問題に加えて該問題に対する解答の選択肢を出力することを特徴とする。
【0016】
本発明にかかる第6の誤操作予防システムは、第1〜第5の何れかの誤操作予防システムにおいて、
前記問題が、演算問題、クイズ、パズルまたは漢字の読み取り問題であることを特徴とする。
【0017】
本発明にかかる第7の誤操作予防システムは、第1〜第6の何れかの誤操作予防システムにおいて、
前記出力部が表示部であることを特徴とする。
【0018】
本発明にかかる第8の誤操作予防システムは、第1〜第6の何れかの誤操作予防システムにおいて、
前記出力部が音声出力部であることを特徴とする。
【0019】
本発明にかかる第9の誤操作予防システムは、第1〜第8の何れかの誤操作予防システムにおいて、
前記入力部および前記出力部と、前記入力操作検出手段および前記判定手段と、前記問題出力手段とが、それぞれネットワークを介して接続された第1、第2及び第3の端末装置に分散して配置されていることを特徴とする。
【0020】
本発明にかかる第1の端末装置は、
入力部と、
出力部と、
前記入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出手段と、
該入力操作検出手段で検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、前記出力部に出力する問題出力手段と、
前記入力部から確認入力として前記問題の正解が入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明にかかる第2の端末装置は、第1の端末装置において、
前記問題出力手段が、前記入力操作検出手段で検出された入力操作が確認入力を必要とするものである場合、前記問題を前記出力部に出力することを特徴とする。
【0022】
本発明にかかる第3の端末装置は、第2の端末装置において、
前記問題出力手段が、前記入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力することを特徴とする。
【0023】
本発明にかかる第4の端末装置は、第2の端末装置において、
前記問題出力手段が、前記入力操作の重要度と、前回前記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに前記出力部に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力することを特徴とする。
【0024】
本発明にかかる第5の端末装置は、
入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出手段と、
入力操作検出手段で検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題の正解が確認入力として前記入力部から入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】
本発明にかかる第6の端末装置は、
入力部で行われた入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部に出力する問題出力手段を備えたことを特徴とする。
【0026】
本発明にかかる第1の誤操作予防方法は、
コンピュータにより誤操作を予防する誤操作予防方法であって、
前記コンピュータが、入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出ステップと、
前記コンピュータが、前記入力操作検出ステップで検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部に出力する問題出力ステップと、
前記コンピュータが、前記入力部から確認入力として前記問題の正解が入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明にかかる第2の誤操作予防方法は、第1の誤操作予防方法において、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作検出ステップで検出された入力操作が確認入力を必要とするものである場合、前記問題を前記出力部に出力することを特徴とする。
【0028】
本発明にかかる第3の誤操作予防方法は、第2の誤操作予防方法において、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力することを特徴とする。
【0029】
本発明にかかる第4の誤操作予防方法は、第2の誤操作予防方法において、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作の重要度と、前回前記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに前記出力部に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力することを特徴とする。
【0030】
本発明にかかる第1のプログラムは、
コンピュータに、
入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出ステップと、
前記入力操作検出ステップで検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部に出力する問題出力ステップと、
前記入力部から確認入力として前記問題の正解が入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定ステップとを実行させる。
【0031】
本発明にかかる第2のプログラムは、第1のプログラムにおいて、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作検出ステップで検出された入力操作が確認入力を必要とするものである場合、前記問題を前記出力部に出力することを特徴とする。
【0032】
本発明にかかる第3のプログラムは、第2のプログラムにおいて、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力することを特徴とする。
【0033】
本発明にかかる第4のプログラムは、第2のプログラムにおいて、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作の重要度と、前回前記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに前記出力部に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力することを特徴とする。
【0034】
〔作用〕
操作者が入力部を用いて行った入力操作が入力操作検出手段で検出されると、問題出力手段は、上記入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部に出力する。出力部に出力する問題は、例えば、計算問題、クイズ、パズル、漢字の読み取り問題などである。また、その難易度は、入力操作の重要度に応じたもの、あるいは入力操作の重要度と前回の解答時間とに応じたものにすることができる。操作者は、自身が行った入力操作を有効にする場合、問題出力手段によって提示された問題に対する解答を確認入力として入力部から入力する。判定手段は、入力部から確認入力として上記問題の正解が入力された場合、上記入力操作が有効であると判定する。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、操作者が惰性により誤って確認入力を入力してしまう危険性を極めて少なくすることができる。その理由は、入力部で行われた入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部に出力する問題出力手段と、入力部から確認入力として上記問題の正解が入力された場合、上記入力操作が有効であると判定する判定手段とを備えているからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
〔発明の第1の実施の形態〕
図1を参照すると、本発明にかかる誤操作予防システムの第1の実施の形態は、端末装置1と、キーボード、マウス等の入力部2と、LCD等の表示部3とから構成されている。
【0038】
端末装置1は、パーソナルコンピュータやCPU(コンピュータ)を備えた携帯電話機などによって実現されるものであり、入力操作検出手段11と、問題出力手段12と、判定手段13と、記憶装置14とから構成されている。
【0039】
記憶装置14は、検出結果記憶部141と、正解記憶部142とを備えている。
【0040】
入力操作検出手段11は、入力部2で行われた入力操作を検出し、検出した入力操作の内容(入力操作内容)を検出結果記憶部141に格納する機能を有する。
【0041】
問題出力手段12は、入力操作検出手段11で検出された入力操作の有効性を操作者に確認させるための問題(例えば、四則演算、クイズ、パズルなど)を表示部3に表示すると共に、上記問題の正解を正解記憶部142に格納する機能を有する。
【0042】
判定手段13は、入力部2から確認入力として入力された解答と、正解記憶部142に格納されている正解とが一致するか否かを調べ、両者が一致する場合のみ、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作が有効であると判定する機能を有する。
【0043】
端末装置1は、上述したように、コンピュータにより実現可能であり、コンピュータにより実現する場合は、例えば、次のようにする。コンピュータを端末装置1として機能させるためのプログラムを記録したディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体を用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に、入力操作検出手段11、問題出力手段12、及び判定手段13を実現する。
【0044】
〔第1の実施の形態の動作の説明〕
次に、本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0045】
端末装置1内の入力操作検出手段11は、操作者が入力部2で行った入力操作を検出すると(図2のステップS21がYES)、検出した入力操作の内容を検出結果記憶部141に格納すると共に、問題出力手段12に対して入力操作を検出したことを通知する(ステップS22、S23)。
【0046】
問題出力手段12は、入力操作検出部11から通知を受けると、必要に応じて表示部3に問題を表示すると共に、正解記憶部142に上記問題の正解を格納し(図3のステップS31、S32)、その後、判定手段13に対して問題を出力したことを通知する(ステップS33)。
【0047】
判定手段13は、問題出力部12から通知を受けると、図4のフローチャートに示すように、入力部2から問題の解答あるいは入力操作を無効にする旨の指示が入力されるのを待つ(ステップS41、S42)。一方、操作者は、表示部3に問題が表示されると、自身が行った入力操作を有効にする場合には、上記問題の解答を自身が行った入力操作を有効にするための確認入力として入力部2から入力する。また、自身が行った入力操作を無効にする場合は、その旨の指示を入力部2から入力する。
【0048】
判定手段13は、入力部2から解答が入力された場合(ステップS41がYES)は、正解記憶部142に格納されている正解と比較することにより、入力部2から入力された解答が正解であるか否かを判定する(ステップS43)。そして、正解であった場合(ステップS43がYES)は、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作を有効にし、端末装置1に上記入力処理に従った処理を実行させる(ステップS44)。これに対して、正解でなかった場合(ステップS43がNO)は、表示部3に解答の再入力を要求するメッセージを表示し(ステップS45)、その後、再びステップS41の処理に戻る。
【0049】
これに対して、入力部2から入力操作を無効にする旨の指示が入力された場合(ステップS42がYES)は、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作を無効にする(ステップS46)。
【0050】
〔第1の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、操作者が惰性や不注意により誤って確認入力を入力してしまう危険性を極めて少なくすることができる。その理由は、入力部2で行われた入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部3に出力する問題出力手段12と、入力部2から確認入力として上記問題の正解が入力された場合、上記入力操作が有効であると判定する判定手段13とを備えているからである。
【0051】
〔第1の実施の形態の第1の実施例〕
次に、第1の実施の形態の第1の実施例について説明する。本実施例は、操作者が行った入力操作の重要度に応じた難易度の計算問題を含む確認ウィンドウを表示することにより、操作者が行った入力操作の重要性を定量的且つ効果的に操作者に認識させるようにしたことを特徴とする。
【0052】
図5は第1の実施の形態の第1の実施例の構成例を示すブロック図であり、本実施例の端末装置1aは、入力操作検出手段11と、問題出力手段12aと、判定手段13と、記憶装置14とを備えている。問題出力手段12aは、確認入力要否判定手段121と、重要度判定手段122と、計算問題作成手段123と、確認ウィンドウ表示手段124とを備えている。なお、図5において図1と同一符号は同一部分を表している。
【0053】
確認入力要否判定手段121は、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作が、その入力操作を有効にするために、操作者からの確認入力を必要とするものであるか否かを判定する機能を有する。この判定は、例えば、確認入力が必要となる入力操作内容の一覧が記録されたテーブルなどを利用することにより行うことができる。
【0054】
重要度判定手段122は、確認入力要否判定手段121で確認入力が必要であると判定された入力操作の重要度を判定する機能を有する。この判定は、例えば、確認入力が必要となる入力操作毎に、その重要度を格納したテーブルなどを利用することにより行うことができる。
【0055】
計算問題作成手段123は、重要度判定手段122で判定された重要度に応じた難易度の計算問題を作成すると共に、作成した計算問題の正解を正解記憶部142に格納する機能を有する。重要度に応じた難易度の計算問題は、例えば、重要度に応じた桁数の乱数を複数個生成し、生成した乱数と予め定められている演算子(+、−等)とを組み合わせることにより作成することができる。重要度に応じた問題の作成方法は、これに限られるものではなく、重要度毎に複数の問題を格納した問題記憶部を用意しておき、重要度判定手段122で判定された重要度に対応付けて格納されている問題の内の1つを選択する方法なども採用することができる。
【0056】
確認ウィンドウ表示手段124は、計算問題作成手段123で作成された計算問題と、操作者に入力操作の有効性を確認するためのメッセージ文とを含んだ確認ウィンドウを表示部3に表示する機能を有すると共に、計算問題を表示したことを判定手段13に通知する機能を有する。
【0057】
〔第1の実施の形態の第1の実施例の動作の説明〕
次に、本実施例の動作について説明する。なお、問題出力手段12a以外の動作は、前述した第1の実施の形態と同様であるので、ここでは、問題出力手段12aの動作についてのみ説明する。
【0058】
問題出力手段12a内の確認入力要否判定手段121は、入力操作検出手段11から通知を受けると、図6のフローチャートに示すように、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作を有効にするためには、操作者からの確認入力が必要であるか否かを判定する(ステップS61)。
【0059】
そして、確認入力要否判定手段121によって確認入力が不要であると判定された場合(ステップS61がNO)は、問題出力手段12aは、その処理を終了する。
【0060】
これに対して、確認入力要否判定手段121によって確認入力が必要であると判定された場合(ステップS61がYES)は、重要度判定手段122が、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作の重要度を判定し、その重要度を計算問題作成手段123に通知する(ステップS62)。
【0061】
計算問題作成手段123は、通知された重要度に応じた難易度の計算問題を作成して確認ウィンドウ表示手段124に渡すと共に、上記計算問題の正解を正解記憶部142に格納する(ステップS63、S64)。
【0062】
確認ウィンドウ表示手段124は、計算問題作成手段123から計算問題が渡されると、図7に示すような確認ウィンドウ71を表示部3に表示すると共に、問題を出力したことを判定手段13に通知する(ステップS65、S66)。
【0063】
図7に示す確認ウィンドウ71には、操作者に対して入力操作の有効性を確認させるためのメッセージ文72と、計算問題作成手段123で作成された計算問題73と、解答の入力欄74と、OKボタン75と、キャンセルボタン76とが含まれている。操作者は、メッセージ文72を読み、自身が行った入力操作を有効にする場合には、計算問題73の解答を入力欄74に入力し、OKボタン75をクリックする。これに対して、入力操作を無効にする場合は、キャンセルボタン76をクリックする。なお、図7に示した確認ウィンドウ71はあくまで一例であり、例えば、入力欄74の代わりに、計算問題73に対する解答の選択肢を含むものであっても構わない。
【0064】
〔第1の実施の形態の第1の実施例の効果〕
本実施例によれば、操作者に自身が行った入力操作の重要度がどの程度なのかを認識させることができるので、確認入力の入力時、操作者に十分な注意を払わせることが可能になる。その理由は、入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力する問題出力手段12aを備えているからである。
【0065】
〔第1の実施の形態の第2の実施例〕
次に、第1の実施の形態の第2の実施例について説明する。本実施例は、確認ウィンドウに組み込む計算問題の難易度を、操作者が行った入力操作の重要度だけでなく、前回確認ウィンドウをユーザに提示した際の解答時間も考慮して決定するようにしたことを特徴とする。
【0066】
図8は第1の実施の形態の第2の実施例の構成例を示すブロック図であり、本実施例の端末装置1bは、入力操作検出手段11と、問題出力手段12bと、判定手段13bと、記憶装置14bとを備えている。なお、図8において、図1及び図5と同一符号は同一部分を表している。
【0067】
記憶装置14bは、表示時刻記憶部143及び解答時間記憶部144が追加されている点が図1及び図5に示した記憶装置14と相違している。
【0068】
表示時刻記憶部143には、確認ウィンドウを表示した時刻と、確認ウィンドウにより有効性を確認しようとしている入力操作の重要度とが格納される。
【0069】
解答時間記憶部144には、入力操作の重要度毎に、その重要度に対して予め定められている標準解答時間と、その重要度の計算問題に対する前回の解答時間と、標準解答時間と前回の解答時間との差分時間とが登録されている。図9は、解答時間記憶部144の内容例を示す図であり、同図の例は、重要度「1」、「2」、…について予め定められている標準解答時間が「H1」、「H2」、…で、前回の解答時間が「T1」、「Y2」、…で、差分時間が「ΔT1」、「ΔT2」、…であることを示している。なお、初期状態においては、各重要度の差分時間として、「0」が格納されている。
【0070】
問題出力手段12bは、計算問題作成手段123及び確認ウィンドウ表示手段124の代わりに計算問題作成手段123b及び確認ウィンドウ表示手段124bを備えている点が図5に示した問題出力手段12aと相違している。
【0071】
計算問題作成手段123bは、重要度判定手段122で判定された重要度だけでなく、解答時間記憶部144に格納されている差分時間も考慮した難易度の計算問題を作成する機能を有する。
【0072】
確認ウィンドウ表示手段124bは、図5の確認ウィンドウ表示部124が備えている機能に加え、確認ウィンドウの表示時刻と、重要度判定手段122が判定した重要度とを表示時刻記憶部143に格納する機能を有している。
【0073】
判定手段13bは、解答確認手段131と、解答時間更新手段132とを備えている。
【0074】
解答確認手段131は、入力部2から確認入力として解答が入力されたときの時刻(応答時刻)を図示を省略した時計から取得する機能と、上記解答と正解記憶部142に格納されている正解とが一致する場合、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作を有効にすると共に、上記応答時刻を解答時間更新手段132に通知する機能を有する。
【0075】
解答時間更新手段132は、解答確認手段131から渡された応答時刻と、表示時刻記憶部143に格納されている確認ウィンドウの表示時刻とに基づいて、操作者が正解を入力するまでに要した解答時間(=応答時刻−表示時刻)を算出する機能や、算出した解答時間と該当する重要度の標準解答時間との差分時間ΔT(=解答時間−標準解答時間)を算出する機能や、解答時間記憶部144に格納されている各重要度毎の解答時間及び差分時間の内の、表示時刻記憶部143に格納されている重要度に対応する解答時間及び差分時間を上記算出した解答時間及び差分時間ΔTに更新する機能を有する。
【0076】
〔第1の実施の形態の第2の実施例の動作の説明〕
次に、本実施例の動作について説明する。なお、問題出力手段12b及び判定手段13b以外の動作は、前述した第1の実施例と同様であるので、ここでは、問題出力手段12b及び判定手段13bの動作についてのみ説明する。
【0077】
問題出力手段12b内の確認入力要否判定手段121は、入力操作検出手段11から通知を受けると、図10のフローチャートに示すように、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作を有効にするためには、操作者からの確認入力が必要であるか否かを判定する(ステップS61)。
【0078】
そして、確認入力要否判定手段121によって確認入力が不要であると判定された場合(ステップS61がNO)は、問題出力手段12aは、その処理を終了する。
【0079】
これに対して、確認入力要否判定手段121によって確認入力が必要であると判定された場合(ステップS61がYES)は、重要度判定手段122が、検出結果記憶部142に格納されている入力操作内容によって示される入力操作の重要度を判定し、その重要度を計算問題作成手段123bに通知する(ステップS62)。
【0080】
これにより、計算問題作成手段123bは、通知された重要度に対応付けて登録されている差分時間ΔTを解答時間記憶部144から入力し、この差分時間ΔTと上記重要度とに応じた難易度の計算問題を作成して確認ウィンドウ表示手段124bに渡すと共に、上記計算問題の正解を正解記憶部142に格納する(ステップS63b、S64)。
【0081】
ここで、重要度および差分時間ΔTに応じた難易度の計算問題は、例えば、次のようにして作成する。差分時間ΔTが、予め定められている時間t(例えば、10秒)未満の場合は、即ちΔT<tの場合は、重要度に応じた桁数の乱数を複数個生成し、生成した乱数と予め定められている演算子(+、−等)とを組み合わせることにより計算問題を生成する。差分時間ΔTがt≦ΔT<2tの場合は、重要度に応じた桁数よりも1桁少ない乱数を複数個生成し、生成した乱数と予め定められている演算子とを組み合わせることにより計算問題を生成する。差分ΔTが2t≦ΔTの場合は、重要度に応じた桁数よりも2桁少ない乱数を複数個生成し、生成した乱数と予め定められている演算子とを組み合わせることにより計算問題を生成する。なお、この方法はあくまで一例であり、重要度と差分時間との組み合わせ毎に複数の問題を格納した問題記憶部を用意しておき、通知された難易度と差分時間との組み合わせに対応付けて格納されている問題の内の1つを選択する方法を採用することもできる。
【0082】
確認ウィンドウ表示手段124bは、計算問題作成手段123bで作成された計算問題を含んだ図7に示すような確認ウィンドウ71を表示部3に表示すると共に、そのときの時刻(表示時刻)と、重要度判定手段122で判定された重要度とを正解記憶部142に格納する(ステップS65、S101)。その後、確認ウィンドウ表示手段124bは、問題を出力したことを判定手段13bに通知する(ステップS66)。
【0083】
判定手段13b内の解答確認手段131は、確認ウィンドウ表示手段124bから通知を受けると、図11のフローチャートに示すように、入力部2から問題の解答あるいは入力操作を無効にする旨の指示が入力されるのを待つ(ステップS41、S42)。一方、操作者は、表示部3に問題が表示されると、自身が行った入力操作を有効にする場合には、上記問題の解答を自身が行った入力操作を有効にするための確認入力として入力部2から入力する。また、自身が行った入力操作を無効にする場合は、その旨の指示を入力部2から入力する。
【0084】
解答確認手段131は、入力部2から入力操作を無効にする旨の指示が入力された場合(ステップS42がYES)は、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作を無効にする(ステップS46)。
【0085】
これに対して、入力部2から解答が入力された場合(ステップS41がYES)は、その時の時刻(応答時刻)を時計から取得し(ステップS111)、その後、入力部2から入力された解答が正解であるか否かを判定する(ステップS43)。そして、不正解であった場合(ステップS43がNO)は、表示部3に解答の再入力を要求するメッセージを表示し(ステップS45)、その後、再びステップS41の処理に戻る。これに対して、正解であった場合(ステップS43がYES)は、検出結果記憶部141に格納されている入力操作内容によって示される入力操作を有効にすると共に、ステップS111で取得した応答時刻を解答時間更新手段132に通知する(ステップS44、S112)。
【0086】
解答時間更新手段132は、解答確認手段131から応答時刻が通知されると、それと表示時刻記憶部143に格納されている確認ウィンドウの表示時刻とに基づいて、操作者が正解を入力するまでに要した解答時間(=応答時刻−表示時刻)を算出すると共に、算出した解答時間と該当する重要度の標準解答時間との差分時間ΔT(=解答時間−標準解答時間)を算出し、解答時間記憶部144に格納されている各重要度毎の解答時間及び差分時間ΔTの内の、表示時刻記憶部143に格納されている重要度に対応する解答時間及び差分時間を上記算出した解答時間及び差分時間ΔTに更新する(ステップS113)。
【0087】
〔第1の実施の形態の第2の実施例の効果〕
本実施例によれば、操作者に過度の負担をかけることなく、操作者に自身が行った入力操作の重要度がどの程度なのかを認識させることが可能になる。その理由は、入力操作の重要度と、前回上記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに出力部3に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力する問題出力手段12bを備えているからである。
【0088】
〔発明の第2の実施の形態〕
次に、本発明にかかる誤操作予防システムの第2の実施の形態について説明する。
【0089】
図12を参照すると、本実施の形態は、ユーザ端末装置4と、アプリケーション端末装置5と、問題出力端末装置6とから構成され、それらはインターネットなどのネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0090】
ユーザ端末装置4は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、処理手段41と、送受信手段42と、キーボード等の入力部43と、LCD等の表示部44とを備えている。
【0091】
送受信手段42は、ネットワークNWを介してデータ等を送受信する機能を有する。
【0092】
処理手段41は、アプリケーション端末装置5が提供するサービスを利用するためにアプリケーション端末5にアクセスする機能や、アプリケーション端末装置5が提供しているアプリケーション画面を表示部44に表示する機能や、アプリケーション端末装置5によって提供されているサービスを利用している時に操作者が入力部43を用いて行った入力操作の内容をアプリケーション端末装置5へ送信する機能や、アプリケーション端末装置5から送られてきた確認ウィンドウを表示部44に表示する機能や、確認ウィンドウに含まれている問題に対して操作者が入力した解答をアプリケーション端末装置5へ送信する機能などを有している。
【0093】
アプリケーション端末装置5は、ユーザ端末装置4に対してサービスを提供するアプリケーションプログラムが動作しているコンピュータによって実現されるものであり、送受信手段51と、入力操作検出手段52と、判定手段53と、記憶装置54とを備えている。なお、送受信手段51、入力操作検出手段52および判定手段53は、上記アプリケーションプログラムによって実現されるものである。
【0094】
記憶装置54には、検出結果記憶部55と、正解記憶部56とが設けられている。
【0095】
送受信手段51は、ネットワークNWを介してデータ等を送受信する機能を有する。
【0096】
入力操作検出手段52は、サービスを提供しているユーザ端末装置4から送られてきた入力操作内容を検出すると、それを検出結果記憶部55に格納する機能や、上記入力操作内容によって示される入力操作の重要度を含んだ問題作成依頼を問題出力端末装置6へ送信する機能や、問題作成依頼に応答して問題出力端末装置6から問題および正解が送られてきたとき、上記問題を含んだ図7に示すような確認ウィンドウ71をユーザ端末装置4へ送信すると共に、上記正解を正解記憶部56に格納する機能などを有している。
【0097】
判定手段53は、確認ウィンドウを送信したユーザ端末装置4から送られてきた、上記確認ウィンドウに含まれている問題に対する解答が、正解記憶部56に格納されている正解と一致するか否かを調べ、一致する場合のみ検出結果記憶部55に格納されている入力操作内容によって示される入力操作が有効であると判定する機能を有する。
【0098】
問題出力端末装置6は、重要度に応じた難易度の問題を作成するアプリケーションプログラムが動作しているコンピュータによって実現されるものであり、送受信手段61と、問題出力手段62とを備えている。なお、送受信手段61および問題出力手段62は、上記アプリケーションプログラムによって実現されるものである。
【0099】
送受信手段61は、ネットワークNWを介してデータ等を送受信する機能を有する。
【0100】
問題出力手段62は、アプリケーション端末装置5から問題作成依頼が送られてきたとき、それに含まれている重要度に応じた難易度の問題を作成して、アプリケーション端末装置5に返却する機能を有する。
【0101】
〔第2の実施の形態の動作の説明〕
次に本実施の形態の動作について説明する。
【0102】
ユーザ端末装置4の操作者は、アプリケーション端末装置5によって提供されているサービスを利用する場合、アプリケーション端末装置5に対してアクセスする(図13のステップA1)。これにより、アプリケーション端末装置5は、サービスを利用させるためのアプリケーション情報をユーザ端末装置4へ送信し(ステップA2)、ユーザ端末装置4内の処理手段41は、アプリケーション端末装置5から送られてきたアプリケーション情報に応じたアプリケーション画面を表示部44に表示する(ステップA3)。
【0103】
ユーザ端末装置4の操作者が、アプリケーション端末装置5が提供しているサービスを利用するために、入力部43を用いて入力操作を行うと、処理手段41は、その入力操作の内容をアプリケーション端末装置5へ送信する(ステップA4)。ここで、操作者が行う入力操作としては、次ページの表示を要求するための入力操作のように、その入力操作を有効にするために、操作者による確認入力を必要としないものや、承認ボタンのクリック操作のように、その入力操作を有効にするために、操作者による確認入力を必要とするものが含まれる。
【0104】
アプリケーション端末装置5内の入力操作検出手段52は、ユーザ端末装置4から入力操作内容が送られてくると、それを検出結果記憶部55に格納する。その後、上記入力操作内容によって示される入力操作が、操作者による確認入力を必要とするものか否かを調べ、もし確認入力を必要としないものである場合には、アプリケーション端末装置5に上記入力操作内容に応じた処理を行わせる。これに対して、操作者による確認入力を必要とするものである場合は、上記入力操作内容によって示される入力操作の重要度を判定し、判定した重要度を含んだ問題作成依頼を問題出力端末装置6に対して送信する(ステップA5)。
【0105】
問題出力端末装置6内の問題出力手段62は、アプリケーション端末装置5から重要度を含んだ問題作成依頼が送られてくると、上記重要度に応じた難易度の問題を作成し、作成した問題とその正解をアプリケーション端末装置5へ返却する(ステップA6)。なお、重要度に応じた難易度の問題は、前述した第1の実施の形態の第1の実施例と同様の方法で作成することができる。
【0106】
アプリケーション端末装置5内の入力操作検出手段52は、問題出力端末装置6から問題及びその正解が送られてくると、その問題を含んだ図7に示すような確認ウィンドウ71をユーザ端末装置4へ送信すると共に、正解を正解記憶部56に格納する(ステップA7)。
【0107】
ユーザ端末装置4内の処理手段41は、アプリケーション端末装置5から送られてきた確認ウィンドウを表示部44に表示する(ステップA8)。ユーザ端末装置4の操作者は、確認ウィンドウ上の確認メッセージを読み、問題に対する解答を入力し、送受信手段42は、入力された解答をアプリケーション端末装置5へ送信する(ステップA9)。
【0108】
アプリケーション端末装置5内の判定手段53は、ユーザ端末装置4から送られてきた解答が、正解記憶部56に格納されている正解と一致するか否かを調べ、一致する場合は、検出結果記憶部55に格納されている入力操作内容によって示される入力操作が有効であると判定し、アプリケーション端末装置5に上記入力操作に従った処理を実行させる(ステップA10)。
【0109】
〔第2の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、操作者が惰性や不注意により誤って確認入力を入力してしまう危険性を極めて少なくすることができる。その理由は、入力部43で行われた入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部44に出力する問題出力手段62と、入力部43から確認入力として上記問題の正解が入力された場合、上記入力操作が有効であると判定する判定手段53とを備えているからである。
【0110】
更に、本実施の形態では、出力する問題の難易度を、操作者が行った入力操作の重要度に応じたものにしているので、操作者に自身が行った入力操作の重要度を把握させることが可能になる。
〔発明の第3の実施の形態〕
次に、本発明にかかる誤操作予防システムの第3の実施の形態について説明する。
【0111】
図14は本実施の形態の構成例を示すブロック図であり、図12に示した第2の実施の形態との相違点は、アプリケーション端末装置5及び問題出力端末装置6の代わりにそれぞれアプリケーション端末装置5a及び問題出力端末装置6aを備えている点である。なお、アプリケーション端末装置5a及び問題出力端末装置6aもプログラムにより動作が制御されるコンピュータによって実現することができる。
【0112】
アプリケーション端末装置5aは、入力操作検出手段52、判定手段53及び記憶装置54の代わりにそれぞれ入力操作検出手段52a、判定手段53a及び記憶装置54aを備えている点が、図12に示したアプリケーション端末装置5と相違している。
【0113】
記憶装置54aは、表示時刻記憶部57及び解答時間記憶部58が追加されている点が図12に示した記憶装置54と相違している。なお、解答時間記憶部58には、図9に示した解答時間記憶部144と同様に、入力操作の重要度毎に、その重要度に対して予め定められている標準解答時間と、その重要度の問題に対する前回の解答時間と、前回の解答時間と標準解答時間との差分時間とが登録されている。なお、初期状態においては、各重要度の差分時間は「0」に設定されている。
【0114】
入力操作検出手段52aは、図12の入力操作検出手段52が備えている機能に加え、確認ウィンドウ71をユーザ端末装置4へ送信した時刻と、検出結果記憶部55に格納した入力操作内容によって示される入力操作の重要度とを表示時刻記憶部57に格納する機能を有している。
【0115】
判定手段53aは、ユーザ端末装置4から解答が送られてきたときの時刻(応答時刻)を図示を省略した時計から取得する機能と、上記解答と正解記憶部56に格納されている正解とが一致する場合、検出結果記憶部55に格納されている入力操作内容によって示される入力操作を有効にすると共に、解答時間記憶部58に格納されている各重要度毎の前回の解答時間及び差分時間の内の、表示時刻記憶部57に格納されている重要度に対応する解答時間及び差分時間を更新する機能を有する。
【0116】
〔第3の実施の形態の動作の説明〕
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0117】
ユーザ端末装置4がアプリケーション端末装置5aにアクセスし、入力操作内容をアプリケーション端末装置5aへ送信するまでの動作(図15のステップB1〜B4)は、前述した第2の実施の形態のステップA1〜A4と同様である。
【0118】
アプリケーション端末装置5a内の入力操作検出手段52aは、ユーザ端末装置4から入力操作内容が送られてくると、それを検出結果記憶部55に格納する。その後、上記入力操作内容によって示される入力操作が、操作者の確認入力を必要とするものであるか否かを調べ、確認入力を必要としないものである場合は、アプリケーション端末装置5aに上記入力操作に従った処理を実行させる。これに対して、確認入力を必要とするものである場合は、上記入力操作の重要度を判定し、更に、この重要度に対応付けて解答時間記憶部58に格納されている標準解答時間と前回の解答時間との差分時間ΔT(=解答時間−標準解答時間)を算出する。その後、上記重要度と差分時間ΔTとを含む問題作成依頼を問題出力端末装置6aへ送信する(ステップB5)。
【0119】
問題出力端末装置6a内の問題出力手段62aは、アプリケーション端末装置5aから問題作成依頼が送られてくると、それに含まれている重要度及び差分時間ΔTに応じた難易度を有する問題を作成し、作成した問題と正解をアプリケーション端末装置5aに送信する(ステップB6)。なお、重要度及び差分時間ΔTに応じた難易度の問題は、前述した第1の実施の形態の第2の実施例と同様の方法で作成することができる。
【0120】
アプリケーション端末装置5a内の入力操作検出手段52aは、問題出力端末装置6aから問題及びその正解が送られてくると、その問題を含んだ図7に示すような確認ウィンドウ71をユーザ端末装置4へ送信すると共に、正解を正解記憶部56に格納する(ステップB7)。更に、表示時刻記憶部57に確認ウィンドウ71を送信した時刻(表示時刻)と、入力操作の重要度を格納する(ステップB8)。
【0121】
ユーザ端末装置4内の処理手段41は、アプリケーション端末装置5aから送られてきた確認ウィンドウ71を表示部44に表示する(ステップB9)。ユーザ端末装置4の操作者は、確認ウィンドウ71上の確認メッセージ72を読み、問題に対する解答を入力し、処理手段42は、入力された解答をアプリケーション端末装置5aへ送信する(ステップB10)。
【0122】
アプリケーション端末装置5a内の判定手段53aは、ユーザ端末装置4から解答が送られてくると、そのときの時刻(応答時刻)を時計から取得する。更に、判定手段53aは、ユーザ端末装置4から送られてきた解答が正解である場合は、検出結果記憶部55に格納されている入力操作内容によって示される入力操作が有効であると判定し、アプリケーション端末装置5aに上記入力操作に従った処理を実行させる(ステップB11)。
【0123】
その後、判定手段53aは、応答時刻と表示時刻記憶部57に格納されている表示時刻とに基づいて、操作者が正解を入力するまでに要した解答時間を算出すると共に、算出した解答時間と該当する重要度の標準解答時間との差分時間ΔTを算出し、解答時間記憶部58に格納されている、該当する重要度の前回の解答時間及び差分時間を上記算出した解答時間及び差分時間ΔTに更新する(ステップB12、B13)。
【0124】
なお、前述した各実施の形態、実施例では、操作者に解かせる問題を表示部に表示するようにしたが、音声出力部を用いて音声により問題を出力するようにしても良い。
【0125】
〔第3の実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、操作者に過度の負担をかけることなく、操作者に自身が行った入力操作の重要度がどの程度なのかを認識させることが可能になる。その理由は、入力操作の重要度と、前回上記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに表示部44に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力する問題出力手段62aを備えているからである。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、重要な入力操作(承認等)が必要なすべてのアプリケーションプログラムやWebサービスに対して適用できる。また、パーソナルコンピュータのみならず、使用量が大幅に増加している携帯電話機等の移動通信機器を介しての応用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明にかかる誤操作予防システムの第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】入力操作検出手段11の処理例を示すフローチャートである。
【図3】問題出力手段12の処理例を示すフローチャートである。
【図4】判定手段13の処理例を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の第1の実施例の構成例を示すブロック図である。
【図6】問題出力手段12aの処理例を示すフローチャートである。
【図7】確認ウィンドウ71の一例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態の第2の実施例の構成例を示すブロック図である。
【図9】解答時間記憶部144の一例を示す図である。
【図10】問題出力手段12bの処理例を示すフローチャートである。
【図11】判定手段13bの処理例を示すフローチャートである。
【図12】本発明にかかる誤操作予防システムの第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態の処理例を示すフローチャートである。
【図14】本発明にかかる誤操作予防システムの第3の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図15】第3の実施の形態の処理例を示すフローチャートである。
【図16】従来の技術を説明するための図である。
【符号の説明】
【0128】
1、1a、1b…端末装置
11…入力操作検出手段
12、12a、12b…問題出力手段
121…確認入力要否判定手段
122…重要度判定手段
123、123b…計算問題作成手段
124、124b…確認ウィンドウ表示手段
13、13b…判定手段
131…解答確認手段
132…解答時間更新手段
14、14b…記憶装置
141…検出結果記憶部
142…正解記憶部
143…表示時刻記憶部
144…解答時間記憶部
2…入力部
3…表示部
4…ユーザ端末装置
41…処理手段
42…送受信手段
43…入力部
44…表示部
5、5a…アプリケーション端末装置
51…送受信手段
52、52a…入力操作検出手段
53、53a…判定手段
54、54a…記憶装置
55…検出結果記憶部
56…正解記憶部
57…表示時刻記憶部
58…解答時間記憶部
6、6a…問題出力端末装置
61…送受信手段
62、62a…問題出力手段
NW…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
出力部と、
前記入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出手段と、
該入力操作検出手段で検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、前記出力部に出力する問題出力手段と、
前記入力部から確認入力として前記問題の正解が入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項2】
請求項1記載の誤操作予防システムにおいて、
前記問題出力手段が、前記入力操作検出手段で検出された入力操作が確認入力を必要とするものである場合、前記問題を前記出力部に出力することを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項3】
請求項2記載の誤操作予防システムにおいて、
前記問題出力手段が、前記入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力することを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項4】
請求項2記載の誤操作予防システムにおいて、
前記問題出力手段が、前記入力操作の重要度と、前回前記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに前記出力部に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力することを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の誤操作予防システムにおいて、
前記問題出力手段が、前記問題に加えて該問題に対する解答の選択肢を出力することを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の誤操作予防システムにおいて、
前記問題が、演算問題、クイズ、パズルまたは漢字の読み取り問題であることを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の誤操作予防システムにおいて、
前記出力部が表示部であることを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の誤操作予防システムにおいて、
前記出力部が音声出力部であることを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の誤操作予防システムにおいて、
前記入力部および前記出力部と、前記入力操作検出手段および前記判定手段と、前記問題出力手段とが、それぞれネットワークを介して接続された第1、第2及び第3の端末装置に分散して配置されていることを特徴とする誤操作予防システム。
【請求項10】
入力部と、
出力部と、
前記入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出手段と、
該入力操作検出手段で検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、前記出力部に出力する問題出力手段と、
前記入力部から確認入力として前記問題の正解が入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項11】
請求項10記載の端末装置において、
前記問題出力手段が、前記入力操作検出手段で検出された入力操作が確認入力を必要とするものである場合、前記問題を前記出力部に出力することを特徴とする端末装置。
【請求項12】
請求項11記載の端末装置において、
前記問題出力手段が、前記入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力することを特徴とする端末装置。
【請求項13】
請求項11記載の端末装置において、
前記問題出力手段が、前記入力操作の重要度と、前回前記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに前記出力部に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力することを特徴とする端末装置。
【請求項14】
入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出手段と、
入力操作検出手段で検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題の正解が確認入力として前記入力部から入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定手段とを備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項15】
入力部で行われた入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部に出力する問題出力手段を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項16】
コンピュータにより誤操作を予防する誤操作予防方法であって、
前記コンピュータが、入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出ステップと、
前記コンピュータが、前記入力操作検出ステップで検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部に出力する問題出力ステップと、
前記コンピュータが、前記入力部から確認入力として前記問題の正解が入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定ステップとを含むことを特徴とする誤操作予防方法。
【請求項17】
請求項16記載の誤操作予防方法において、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作検出ステップで検出された入力操作が確認入力を必要とするものである場合、前記問題を前記出力部に出力することを特徴とする誤操作予防方法。
【請求項18】
請求項17記載の誤操作予防方法において、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力することを特徴とする誤操作予防方法。
【請求項19】
請求項17記載の誤操作予防方法において、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作の重要度と、前回前記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに前記出力部に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力することを特徴とする誤操作予防方法。
【請求項20】
コンピュータに、
入力部で行われた入力操作を検出する入力操作検出ステップと、
前記入力操作検出ステップで検出された入力操作を有効にするための確認入力において入力すべきデータを答えとする問題を、出力部に出力する問題出力ステップと、
前記入力部から確認入力として前記問題の正解が入力された場合、前記入力操作が有効であると判定する判定ステップとを実行させるためのプログラム。
【請求項21】
請求項20記載のプログラムにおいて、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作検出ステップで検出された入力操作が確認入力を必要とするものである場合、前記問題を前記出力部に出力することを特徴とするプログラム。
【請求項22】
請求項21記載のプログラムにおいて、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作の重要度に応じた難易度の問題を出力することを特徴とするプログラム。
【請求項23】
請求項21記載のプログラムにおいて、
前記問題出力ステップでは、前記入力操作の重要度と、前回前記入力操作と同じ重要度の入力操作が行われたときに前記出力部に出力した問題に対する解答時間とに応じた難易度の問題を出力することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−152515(P2008−152515A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339535(P2006−339535)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】