説明

誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システム

【課題】 メンテナンス作業時でも警報信号の通信経路を遮断せず、監視対象設備の真の異常による警報とメンテナンス作業に起因する異常による誤警報の区別を行い誤警報による事故を防止できるようにした誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムを得る。
【解決手段】 監視対象設備1の異常を監視し、監視対象設備1に異常が発生したとき警報信号を発信する異常警報装置2と、異常警報装置2から発信された警報信号を受信し、監視装置3へ送信する通信サーバー4とからなる異常警報監視システムに、監視対象設備1をメンテナンスする際に入力するメンテナンス情報入力手段5と、入力されたメンテナンス情報を発信するメンテナンス情報発信手段6とを有するメンテナンス警報装置7を備え、このメンテナンス警報装置7で発信されたメンテナンス情報を監視装置3へ送信し、監視対象設備1の異常による警報とメンテナンス作業に起因する異常による誤警報の区別を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象設備の真の異常による警報とメンテナンス作業に起因する異常による誤警報の区別を行う誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、熱供給装置、発電装置、機械加工装置等の監視対象設備の異常を監視し、監視対象設備に異常が発生したとき警報を発し、適切な処置を促す異常警報監視システムとして、監視対象設備の異常を監視し、前記監視対象設備に異常が発生したとき警報信号を発信する異常警報装置と、この異常警報装置から発信された警報信号を受信し、遠隔にある監視装置へ送信する通信サーバーとからなる異常警報監視システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
監視対象設備のメンテナンス作業の際、メンテナンス作業の内容によっては、監視対象設備に異常が発生したとして異常警報装置が誤警報信号を発信してしまう場合があるが、遠隔にある監視装置で監視する側がこの誤警報信号を真の異常による警報信号と誤らないように、警報信号が、監視対象設備の真の異常による警報信号なのか、或いはメンテナンス作業に起因する異常による誤警報信号なのかを区別できるようにする必要がある。
【0004】
前記真の警報信号と誤警報信号とを区別する対策として、従来、監視装置で監視する監視員に、事前にメンテナンス作業計画を提出したり、或いは、一時的に警報信号が送信できないように通信経路を遮断するといった処置が取られている。
【特許文献1】特開2004−206598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、監視装置で監視する監視員に、事前にメンテナンス作業計画を提出するようにした対策では、メンテナンス作業計画を提出することを怠ったり、メンテナンス作業計画の提出があっても監視員が確認を怠ると、メンテナンス作業に起因する異常による誤警報信号なのにも拘わらず真の警報信号と誤って判断され、メンテナンス作業員が監視対象設備の現場にいるのにも拘わらず保全担当者に連絡され、本来必要ない確認作業を行わせてしまうこととなる。これが度重なれば、異常警報監視システムの信頼性を失墜させてしまいかねない。
【0006】
また、一時的に警報信号が送信できないように通信経路を遮断するといった処置を採る対策では、メンテナンス作業終了後、万が一通信経路の復旧を忘れると、監視対象設備に真の異常が発生しても、この真の警報信号が送信できなくなり、大きな事故を招いてしまう可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、メンテナンス作業時でも警報信号の通信経路を遮断せず、監視対象設備の真の異常による警報とメンテナンス作業に起因する異常による誤警報の区別を行い誤警報による事故を防止できるようにした誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムは、監視対象設備の異常を監視し、前記監視対象設備に異常が発生したとき警報信号を発信する異常警報装置と、この異常警報装置から発信された警報信号を受信し、監視装置へ送信する通信サーバーとからなる異常警報監視システムに、前記監視対象設備をメンテナンスする際に入力するメンテナンス情報入力手段と、入力されたメンテナンス情報を発信するメンテナンス情報発信手段とを有するメンテナンス警報装置を備え、このメンテナンス警報装置で発信されたメンテナンス情報を前記監視装置へ送信し、前記監視対象設備の異常による警報とメンテナンス作業に起因する異常による誤警報の区別を行うようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムは、請求項1に記載の、前記メンテナンス情報入力手段へ入力されるメンテナンス情報は、メンテナンス開始情報とメンテナンス終了情報であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムは、請求項2に記載の、前記メンテナンス開始情報には、作業予定時間を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムは、請求項3に記載の、前記通信サーバーには、メンテナンス開始情報で入力された作業予定時間が経過した時点で、メンテナンス終了情報の入力が無いとき、メンテナンス終了情報を前記監視装置へ送信するように指示する制御手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムは、請求項3又は4に記載の、前記メンテナンス警報装置は、メンテナンス作業者に携帯させる所定の識別項目を書き込んだ無線識別体と、前記監視対象設備近傍に設置され、作業エリア全体をカバーできる受信アンテナを有し、前記無線識別体の電波を受信する受信ユニットと、前記作業エリアで前記無線識別体を検出したとき、メンテナンス作業者に作業予定時間の入力を促し、作業予定時間の入力があったとき、メンテナンス開始情報の入力が完了したものとし、前記無線識別体が作業エリアから離れたとき、作業予定時間内であってもメンテナンス終了情報の入力があったものとし、その後、前記入力された作業予定時間内に前記作業エリアで前記無線識別体を再び検出したとき、メンテナンス作業者に新たな作業予定時間の入力を促すことなく、前記入力されている作業予定時間を内容とするメンテナンス開始情報の入力があったものとする制御手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムによれば、監視対象設備の異常を監視し、前記監視対象設備に異常が発生したとき警報信号を発信する異常警報装置と、この異常警報装置から発信された警報信号を受信し、監視装置へ送信する通信サーバーとからなる異常警報監視システムに、前記監視対象設備をメンテナンスする際に入力するメンテナンス情報入力手段と、入力されたメンテナンス情報を発信するメンテナンス情報発信手段とを有するメンテナンス警報装置を備え、このメンテナンス警報装置で発信されたメンテナンス情報を前記監視装置へ送信し、前記監視対象設備の異常による警報とメンテナンス作業に起因する異常による誤警報の区別を行うようにしたので、監視対象設備をメンテナンスする際にメンテナンス警報装置から監視装置へ送信されたメンテナンス情報により、監視側は、メンテナンス作業に起因する監視対象設備の異常による誤警報の可能性と、メンテナンス作業員が監視対象設備の現場にいることを認知することができ、メンテナンス作業に起因する異常による誤警報信号を真の警報信号と誤って判断することによる不要な混乱や事故を防止することができる。また、重要な警報信号を受信したとき、現場にメンテナンス作業員がいるので直接確認をとることができ、しかも保全担当者を介さなくても済むので、素早い対応ができる。
【0014】
請求項2に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムによれば、請求項1に記載の、前記メンテナンス情報入力手段へ入力されるメンテナンス情報は、メンテナンス開始情報とメンテナンス終了情報であるので、監視側は、メンテナンス開始情報の受信により監視対象設備のメンテナンス作業が開始したことを確認し、メンテナンス終了情報の受信によりメンテナンス作業が終了したことを確認することにより、メンテナンス開始情報とメンテナンス終了情報の間に、監視対象設備に異常が発生したことを知らせる警報信号を受信しても、この警報信号がメンテナンス作業に起因する異常による誤警報信号であることを、容易に且つ確実に判断することができる。
【0015】
請求項3に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムによれば、請求項2に記載の、前記メンテナンス開始情報には作業予定時間を含むので、監視側は、メンテナンス開始情報の受信でメンテナンスの作業予定時間を知ることにより、比較的正確なメンテナンス時間を把握することができ、監視対象設備に異常が発生したことを知らせる警報信号を受信したとき、この警報信号が真の警報信号なのか或いはメンテナンス作業に起因する異常による誤警報信号なのかを、戸惑うことなく、容易に且つ確実に判断することができる。
【0016】
請求項4に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムによれば、請求項3に記載の、前記通信サーバーには、メンテナンス開始情報で入力された作業予定時間が経過した時点で、メンテナンス終了情報の入力が無いとき、メンテナンス終了情報を前記監視装置へ送信するように指示する制御手段を備えているので、メンテナンス作業終了後、メンテナンス作業員がメンテナンス終了情報の入力を怠ったとしても、メンテナンス開始情報で入力された作業予定時間が経過した時点で、メンテナンス終了情報が監視装置へ送信され、これにより監視側は、メンテナンス作業が終了したとして、通常の監視体制に戻ることになり、メンテナンス作業終了後の監視対象設備の真の異常の発生に対し適切に対処することができ、安全性を確保することができるものとなる。
【0017】
請求項5に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムによれば、請求項3又は4に記載の、前記メンテナンス警報装置は、メンテナンス作業者に携帯させる所定の識別項目を書き込んだ無線識別体と、前記監視対象設備近傍に設置され、作業エリア全体をカバーできる受信アンテナを有し、前記無線識別体の電波を受信する受信ユニットと、前記作業エリアで前記無線識別体を検出したとき、メンテナンス作業者に作業予定時間の入力を促し、作業予定時間の入力があったとき、メンテナンス開始情報の入力が完了したものとし、前記無線識別体が作業エリアから離れたとき、作業予定時間内であってもメンテナンス終了情報の入力があったものとし、その後、前記入力された作業予定時間内に前記作業エリアで前記無線識別体を再び検出したとき、メンテナンス作業者に新たな作業予定時間の入力を促すことなく、前記入力されている作業予定時間を内容とするメンテナンス開始情報の入力があったものとする制御手段を備えているので、メンテナンス作業員が監視対象設備の作業エリアに入ったとき、メンテナンス作業者が携帯する無線識別体を受信ユニットが検出し、メンテナンス作業者に作業予定時間の入力を促し、作業予定時間の入力があったとき、メンテナンス開始情報の入力が完了したものとすることから、メンテナンス作業者のメンテナンス開始情報の入力忘れを確実に防止できる。そして、メンテナンス作業者が作業エリアから離れたとき、作業予定時間内であってもメンテナンス終了情報の入力があったものとするので、このメンテナンス終了情報が送信された後、監視対象設備に異常が発生したことを知らせる警報信号を受信しても、この警報信号が真の警報信号として判断し、適切に対処することができ、高い安全性を確保することができるものとなる。また、前記入力されている作業予定時間内に前記作業エリアで無線識別体を再び検出したとき、メンテナンス作業者に新たな作業予定時間の入力を促すことなく、前記入力されている作業予定時間を内容とするメンテナンス開始情報の入力があったものとするので、メンテナンス作業者の作業負担が軽減されるとともに、高い安全性を確保することができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムを実施するための最良の形態を説明する。
先ず、本発明に係る誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムの第1例を図1に示すブロック図で説明する。
【0019】
本例の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムは、監視対象設備1の異常発生を検知し、監視対象設備1に異常が発生したとき警報信号を発信する異常警報装置2と、この異常警報装置2から発信された警報信号を受信し、監視装置3へ送信する通信サーバー4と、監視対象設備1をメンテナンスする際に入力するメンテナンス情報入力手段5と入力されたメンテナンス情報を発信するメンテナンス情報発信手段6とを有するメンテナンス警報装置7を備え、このメンテナンス警報装置7で発信されたメンテナンス情報を通信サーバー4を介して監視装置3へ送信するように構成されている。
【0020】
更に詳細には、異常警報装置2にあっては、監視対象設備1に接続されたセンサー等の異常情報入力手段から異常情報を取得して監視対象設備1における異常の発生を検知し、そして、検知した異常情報を通信サーバー4を介し警報信号として監視装置3へ送信するようになっている。これにより、監視側では、監視装置3が受信した警報信号をモニタリングして、監視対象設備1に異常が発生したことを認識し、適切な対処をとることができる。
【0021】
メンテナンス警報装置7が有するメンテナンス情報入力手段5で入力されるメンテナンス情報は、メンテナンス開始情報とメンテナンス終了情報であり、前記メンテナンス開始情報には、作業予定時間が含まれている。
【0022】
また、通信サーバー4には、メンテナンス警報装置7にメンテナンス開始情報として入力された作業予定時間が経過した時点で、メンテナンス警報装置7へのメンテナンス終了情報の入力の有無に拘わらず、メンテナンス終了情報を監視装置3へ送信するプログラム8と制御手段9を備えている。
【0023】
次に、上記のように構成された本例の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムの動作を説明する。
先ず、通常の状態で、監視対象設備1に異常が発生すると異常警報装置2がこれを検知して、検知した異常情報を通信サーバー4を介し警報信号として監視装置3へ送信する。これにより、監視側では、監視装置3が受信した警報信号をモニタリングして、監視対象設備1に異常が発生したことを認識し、適切な対処をとることができる。
【0024】
次に、監視対象設備1のメンテナンスが行われる場合、監視対象設備1のメンテナンス作業を開始する際に、メンテナンス情報入力手段5を用いて、メンテナンス情報としてメンテナンス開始と作業予定時間をメンテナンス警報装置7に入力する。メンテナンス情報をメンテナンス情報入力手段5でメンテナンス警報装置7に入力する操作は、本例ではメンテナンス現場でメンテナンス作業員が行うようになっている。
【0025】
メンテナンス警報装置7にメンテナンス開始情報が入力されると、このメンテナンス開始情報は、メンテナンス警報装置7のメンテナンス情報発信手段6により発信され、通信サーバー4を介して監視装置3へ送信される。
【0026】
監視側では、監視装置3が受信したメンテナンス情報により、メンテナンス作業に起因する監視対象設備1の異常による誤警報の可能性と、メンテナンス作業員が監視対象設備1の現場へ入り、メンテナンス作業が開始したことを確認するとともに、メンテナンスの作業予定時間を知ることにより、正確なメンテナンス時間を把握することができる。
【0027】
そして、監視対象設備1に異常が発生したことを知らせる警報信号を受信したとき、この警報信号がメンテナンス作業に起因する異常による誤警報信号でることを、戸惑うことなく、容易に且つ確実に判断することができる。また、警報信号が重要な警報を内容とするものである場合には、現場にメンテナンス作業員がいるので直接確認をとることができ、保全担当者を介さなくても済むので、素早い対応ができる。
【0028】
監視対象設備1のメンテナンス作業が終了したら、メンテナンス情報入力手段5を用いて、メンテナンス情報としてメンテナンス終了情報をメンテナンス警報装置7に入力する。この入力操作は、本例では、メンテナンス現場でメンテナンス作業員が行うようになっている。
【0029】
メンテナンス警報装置7にメンテナンス終了情報が入力されると、このメンテナンス終了情報は、メンテナンス警報装置7のメンテナンス情報発信手段6により発信され、通信サーバー4を介して監視装置3へ送信される。
【0030】
監視側では、監視装置3が受信したメンテナンス終了情報により、メンテナンス終了が終了したとして、通常の監視体制に戻り、以後に監視装置3が監視対象設備1の異常発生の警報信号を受信したとき、監視対象設備1に真の異常が発生したとして、適切に対処することができ、安全性を確保することができるものとなる。
【0031】
また、監視対象設備1のメンテナンス作業終了後、メンテナンス作業員がメンテナンス終了情報の入力を怠ったとしても、入力された作業予定時間が経過した時点で、通信サーバー4に備えたプログラム8に従った制御手段9により、通信サーバー4からメンテナンス終了情報が監視装置3へ送信される。
【0032】
これにより監視側は、メンテナンス終了が終了したとして、通常の監視体制に戻ることになり、メンテナンス作業終了後の監視対象設備1の真の異常の発生に対し適切に対処することができ、安全性を確保することができるものとなる。
【0033】
次に、本発明に係る誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムの第2例を図2に示すブロック図で説明する。
本例と前記第1例とは、メンテナンス警報装置7以外は同一の構成となっているので、本例のメンテナンス警報装置7について説明し、他の構成は第1例を援用しその説明を省略する。
【0034】
本例のメンテナンス警報装置7は、メンテナンス情報入力手段5として、メンテナンス作業者に携帯させる所定の識別項目を書き込んだ無線識別体10と、監視対象設備1近傍に設置され、作業エリア全体をカバーできる受信アンテナを有し、無線識別体10の電波を受信する受信ユニット11と、前記作業エリアに無線識別体10を検出したとき、メンテナンス作業者に作業予定時間の入力を促し、作業予定時間の入力があったとき、メンテナンス開始情報の入力が完了したものとし、無線識別体10が作業エリアから離れたとき、作業予定時間内であってもメンテナンス終了情報の入力があったものとし、前記入力されている作業予定時間内に前記作業エリアで無線識別体10を再び検出したとき、メンテナンス作業者に新たな作業予定時間の入力を促すことなく、前記入力されている作業予定時間を内容とするメンテナンス開始情報の入力があったものとするプログラム12と制御手段13を備えている。
【0035】
上記のように構成された本例の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムの動作を説明すると、メンテナンス作業員が監視対象設備1の作業エリアに入ったとき、メンテナンス作業者が携帯する無線識別体10を受信ユニット11が検出し、メンテナンス作業者に作業予定時間の入力を促す。
【0036】
メンテナンス作業者による作業予定時間の入力があると、メンテナンス開始情報の入力が完了したものとし、メンテナンス警報装置7のメンテナンス情報発信手段6により発信され、通信サーバー4を介して監視装置3へ送信される。これにより、メンテナンス作業者のメンテナンス開始情報の入力忘れを確実に防止できる。
【0037】
そして、メンテナンス作業者が作業エリアから離れると、前記入力された作業予定時間内であってもメンテナンス終了情報の入力があったものとし、メンテナンス警報装置7のメンテナンス情報発信手段6により発信され、通信サーバー4を介して監視装置3へ送信される。 これにより、監視側では、監視装置3が受信したメンテナンス終了情報により、メンテナンス作業が終了したとして、通常の監視体制に戻ることになり、以後に監視装置3が監視対象設備1の異常発生の警報信号を受信したとき、監視対象設備1に真の異常が発生したとして、適切に対処することができ、安全性を確保することができるものとなる。
【0038】
その後、前記入力されている作業予定時間内に前記作業エリアで無線識別体10を再び検出したとき、メンテナンス作業者に新たな作業予定時間の入力を促すことなく、前記入力されている作業予定時間を内容とするメンテナンス開始情報の入力があったものとするので、メンテナンス作業者の作業負担が軽減される。また、このメンテナンス開始情報は、メンテナンス警報装置7のメンテナンス情報発信手段6により発信され、通信サーバー4を介して監視装置3へ送信されるので、これにより、監視側では、メンテナンス作業に起因する監視対象設備1の異常による誤警報の可能性と、メンテナンス作業員が監視対象設備1の現場へ入り、メンテナンス作業が開始したことを再度確認するので、高い安全性を確保することができるものとなる。
他の動作は前記第1例の動作と同じであるので、第1例を援用しその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムの実施の形態の第1例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システムの実施の形態の第2例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
1 監視対象設備
2 異常警報装置
3 監視装置
4 通信サーバー
5 メンテナンス情報入力手段
6 メンテナンス情報発信手段
7 メンテナンス警報装置
8 プログラム
9 制御手段
10 無線識別体
11 受信ユニット
12 プログラム
13 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象設備の異常を監視し、前記監視対象設備に異常が発生したとき警報信号を発信する異常警報装置と、この異常警報装置から発信された警報信号を受信し、監視装置へ送信する通信サーバーとからなる異常警報監視システムに、前記監視対象設備をメンテナンスする際に入力するメンテナンス情報入力手段と、入力されたメンテナンス情報を発信するメンテナンス情報発信手段とを有するメンテナンス警報装置を備え、このメンテナンス警報装置で発信されたメンテナンス情報を前記監視装置へ送信し、前記監視対象設備の異常による警報とメンテナンス作業に起因する異常による誤警報の区別を行うようにしたことを特徴とする誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システム。
【請求項2】
前記メンテナンス情報入力手段へ入力されるメンテナンス情報は、メンテナンス開始情報とメンテナンス終了情報であることを特徴とする請求項1に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システム。
【請求項3】
前記メンテナンス開始情報には、作業予定時間を含むことを特徴とする請求項2に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システム。
【請求項4】
前記通信サーバーには、メンテナンス開始情報で入力された作業予定時間が経過した時点で、メンテナンス終了情報の入力が無いとき、メンテナンス終了情報を前記監視装置へ送信するように指示する制御手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システム。
【請求項5】
前記メンテナンス警報装置は、メンテナンス作業者に携帯させる所定の識別項目を書き込んだ無線識別体と、前記監視対象設備近傍に設置され、作業エリア全体をカバーできる受信アンテナを有し、前記無線識別体の電波を受信する受信ユニットと、前記作業エリアで前記無線識別体を検出したとき、メンテナンス作業者に作業予定時間の入力を促し、作業予定時間の入力があったとき、メンテナンス開始情報の入力が完了したものとし、前記無線識別体が作業エリアから離れたとき、作業予定時間内であってもメンテナンス終了情報の入力があったものとし、その後、前記入力された作業予定時間内に前記作業エリアで前記無線識別体を再び検出したとき、メンテナンス作業者に新たな作業予定時間の入力を促すことなく、前記入力されている作業予定時間を内容とするメンテナンス開始情報の入力があったものとする制御手段を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の誤警報事故防止機能を備えた異常警報監視システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−265128(P2007−265128A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90582(P2006−90582)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】