説明

読取り装置、情報処理方法、及びそのプログラム

【課題】 禁止情報と追跡情報とが含まれている画像データの流出を防止しつつ、追跡情報を取得、表示する装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 印刷物を読取る読取部2と、前記印刷物の読取りにより得られた画像データを外部装置へ送信する出力部8とを有し、前記印刷物の読取りにより得られた画像データに含まれている禁止情報2103に基づいて前記送信手段による前記画像データの送信を禁止できるMFP3001であって、前記印刷物の読取りにより得られた画像データに前記禁止情報2103と共に前記印刷物の印刷者を追跡するための追跡情報2105が含まれている場合に、当該画像データを出力部8により送信させることなく、前記追跡情報2105を制御部1が取得し前記追跡情報2105に基づいた表示をする表示部9を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取り装置、情報処理方法、プログラム、及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、MFPの普及に伴い、紙文書による機密情報の流出が問題となっている。このような機密情報の流出を防止または抑止するためには以下のような方法がある。
【0003】
特許文献1には印刷の再に複写を禁止するための禁止情報を埋め込むことにより、機密情報の流出を防ぐ方法が記載されている。禁止情報は印刷物をスキャンすることで得られる画像データから取得され、印刷物の複写、送信による印刷物の二次的な出力を禁止する。このような機能を本明細書において出力禁止機能と定義する。
【0004】
しかし、禁止情報により複写、送信といった印刷物の二次的な出力を禁止しても、印刷物を例えば手渡しによって直接流出してしまった場合には、禁止情報は意味をなさない。この場合、印刷物の印刷者を追跡したいというニーズがある。
【0005】
特許文献2には、禁止情報に加えて、印刷物の印刷者を追跡するための追跡情報を印刷の再に埋め込む方法が記載されている。追跡情報を埋め込むことで、印刷物がいつどこで誰によって印刷されたのかを追跡することが可能となる。また、印刷物に印刷者の情報が埋め込まれるため、印刷物の不用意な扱いによる機密情報の流出を防ぐことが可能となる。このような機能を本明細書において情報解析機能と定義する。
【0006】
このように禁止情報及び追跡情報が埋め込まれている印刷物からの追跡情報の取得は、以下のように[非特許文献1]及び[非特許文献2]において実施されている。印刷物をMFP(Multi Function Peripheral)でスキャンして画像データを生成する。生成した画像データを、PC、サーバ等の追跡情報を取得するための解析アプリがインストールされている外部装置へ送信する。そして、外部装置の解析アプリを用いて、受信した画像データの追跡情報を取得し、取得した追跡情報を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平04−009963号公報
【特許文献2】特開2001−346032号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】APEOSPORT II
【非特許文献2】TrustMarkingBasic
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、追跡情報の取得、表示のため画像データを外部装置へ送信することは、セキュリティ面で問題がある。例えば、ネットワークを通じて画像データを送信する際に画像データが流出してしまう可能性がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、画像データの流出を防止しつつ、追跡情報を取得、表示する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の読取り装置は、印刷物を読取る読取手段と、前記印刷物の読取りにより得られた画像データを外部装置へ送信する送信手段とを有し、前記印刷物の読取りにより得られた画像データに含まれている禁止情報に基づいて前記送信手段による前記画像データの送信を禁止できる読取り装置であって、前記印刷物の読取りにより得られた画像データに前記禁止情報と共に前記印刷物の印刷者を追跡するための追跡情報が含まれている場合に、当該画像データを前記送信手段により送信させることなく、前記追跡情報を取得し前記追跡情報に基づいた表示をする取得表示手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
画像データの流出を防止しつつ、追跡情報を取得、表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施例におけるMFPのブロック図
【図2】第1の実施例におけるMFPの印刷時の動作概要を示す図
【図3】情報埋め込みのドットのグリッドを説明する図
【図4】グリッド回転角度の補正を説明する図
【図5】情報埋め込みの領域配置の一例を示す図
【図6】第1の実施例におけるMFPのスキャン時の動作概要図
【図7】通常モードの動作の流れを示すフローチャート
【図8】情報解析モードの動作の流れを示すフローチャート
【図9】本装置のプリント時の動作概要図
【図10】本装置のスキャン時の動作概要図
【図11】本装置の動作モードの構成を示す図表
【図12】本装置の内部構成を示すブロック図
【図13】本装置のモード0の操作部の一例を示す図
【図14】本装置のモード0の動作の概要図
【図15】本装置のモード0のフローチャート
【図16】本装置のモード1の操作部の一例を示す図
【図17】本装置のモード1の動作の概要図
【図18】本装置のモード1のフローチャート
【図19】本装置のモード2の基本操作部の一例を示す図
【図20】本装置のモード2の操作設定部の一例を示す図
【図21】本装置のモード2の基本動作の概要図
【図22】本装置のモード2の応用動作の概要図
【図23】本装置のモード2のフローチャート
【図24】第3の実施例におけるMFPのブロック図
【図25】取得機能の検知に応じた読取機能切り替えのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本実施例に適用される読取り装置である、MFP3001の構成を示すブロック図である。尚、本実施例における読取り装置とは、MFP3001において単に読取りを行なう部分のみを指すのではなく、プリンタエンジン等読取り以外の機能を有する部分も含む装置全体を指す。
【0016】
制御部1は、MFP3001の各構成の制御をおこなう。操作部5は、ユーザからの操作・入力をうけつける。ユーザ認証部6は、MFP3001を使用するユーザのユーザ認証を管理する。読取部2は印刷物のスキャンを行い、画像データを生成する。情報化部3は、画像データに含まれる情報パターンを情報化することで埋め込み情報を得る。オンラインセンサ部4は、埋め込み情報を復号化することでオンラインデータである禁止情報の取得を行なう。メモリ7はスキャンにより得られた画像データを記憶する。出力部8はメモリ7から画像データを読み出した後、画像データの印刷、画像データの外部装置への送信等の出力をする。ここで外部装置とは、例えばMFP3001とネットワークを介して接続されているPC等を指す。表示部9は制御部1の制御によりユーザに対して表示をする。データベース部10はMFP3001の設定やログを記録する。エンコード部11は禁止情報及び追跡情報を符号化することで埋め込み情報を生成し、埋め込み情報を画像化することで情報パターンを生成する。
【0017】
次に、図2を用いて本実施例に適用するMFP3001の印刷時の動作の概要例を説明する。
【0018】
MFP3001の表示部9である設定画面3002上にてユーザが情報埋め込みの動作を操作部5に対して指示する。ユーザの指示に基づいて、制御部1が情報埋め込みの動作を設定する。例えば、[情報埋込]グループボックス2010の[■情報埋込する]チェックボックス2011がチェックされていると、印刷の際に印刷物に禁止情報と追跡情報とが情報パターンとして埋込まれるようになる。なお、情報埋込の設定はMFP3001と接続されているPCのドライバやユーティリティ上からできてもよい。
【0019】
操作部5がユーザから印刷指示を受けると、制御部1はメモリ7に記憶されている画像データ2020を出力部8に印刷させる。
【0020】
ここでチェックボックス2011にチェックがされた上でユーザから印刷指示を受けた時の動作を説明する。
【0021】
情報パターン2021は、埋込情報2022をエンコード部11が画像化したパターンである。埋込情報2022は、オンラインデータである禁止情報2023とオフラインデータである追跡情報2025との2チャンネルのデータを符号化したデータを含む。オンラインデータである禁止情報2023のチャネルは後述のLDDチャネルに該当する。禁止情報2023は、後のスキャン動作時の検知によりスキャンにより得られた画像データの出力を禁止するために使用されるので、高速に検知される必要がある。オフラインデータである追跡情報2025は、印刷物2060の印刷者を追跡するための情報を含む。追跡情報2025には例えば、印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名、デバイス名といった印刷時の情報が含まれる。このデータのチャネルは後述のHDDチャネルに該当する。
【0022】
これら印刷の動作は、ログ2030としてMFP3001に記録される。そして、画像データ2020に対して情報パターン2021が合成された印刷物2060が印刷される。なお、図2の印刷物2060は、情報パターン2021が全面合成された例をしめしているが、情報パターン2021は部分合成されてもよい(図2の2061参照)。
【0023】
ここで、図3、図4、図5を用いて印刷の際に印刷物2060に禁止情報2023及び追跡情報2025を埋め込む方法の一例を説明する。もちろん印刷物2060に禁止情報2023及び追跡情報2025を埋め込む方法は以下の方法に限らず、他の方法を用いてもよい。
【0024】
図3は、データドット1401および配列ドット1402がどのように配置されるかの一例を示す。
【0025】
リファレンスグリッド1403は配列ドットによって形成される、そして、データドットはリファレンスグリッド1403に関して調整される。
【0026】
図4に示すように、ドット1501および1502は、座標1503および1504の算出のため90度回転される。このように90度回転を行なうことで、ドット1501、1502が配列ドット1402かどうかを判定することができる。
【0027】
本実施例では、2チャネルのデータは、1つの情報パターン2021において同時に格納される。
【0028】
埋め込み情報2022は、全グリッドの上に繰り返しタイリングされる。図5は、単一のユニークなタイル1600およびタイリング配置を示す。
【0029】
タイル1600は、高密度データ・チャネル(HDDチャネル)と低密度データ・チャネル(LDDチャネル)との、2種類のチャネルにより構成される。HDDチャネルはロバスト性が低く、一方LDDチャネルはロバスト性が高い。また、タイル1600は、HDDチャネル・タイルである4つのサブタイル1601、1602、1603および1604から成る。
【0030】
各HDDチャネル・タイルは、グリッドセルまたはデータドットを単位にして1614(『HDDタイル・サイズ』と呼ぶ)の寸法を有する正方形の格子である。それぞれのHDDチャネル・タイルは、LDDチャネル・タイルと呼ばれるより小さい1枚の埋め込みタイルを含む。タイル1600のLDDチャネル・タイルは、1605、1606、1607および1608である。これは、タイル1600がLDDチャネル・タイルの4つのコピーを含むことを意味する。
【0031】
各LDDチャネル・タイルは、グリッドセルまたはデータドットを単位にして1613(『LDDタイル・サイズ』と呼ぶ)の寸法を有する正方形の格子である。加えて、HDDチャネルはLDDチャネル・タイルを除外している4枚のHDDチャネル・タイルの完全な領域を占有する。そして、それはタイル1600がHDDチャネルの単一のコピーだけを含むことを意味する。例えば、領域1609、1610、1611および1612は、集合的にHDDチャネルを形成する。
【0032】
HDDチャネルを格納するために用いるHDDチャネル・タイルの数は、必要に応じて拡大することができる。
【0033】
エラー訂正コード(ECC)は、LDDおよびHDD両チャネルのデータに適用される。本実施例においては、ECCとして低密度パリティーチェック(LDPC)コードを使用する。LDPCは公知技術の高性能ECCである。
【0034】
画像データがスキャンされると、タイル1600が01の情報(埋め込み情報2022)に情報化される。この情報を意味のある情報(追跡情報2023、禁止情報2025)にするためには、エラー訂正及び復号化をする必要がある。情報化は情報化部3によって行なわれ、複合化はオンラインセンサ部4、制御部1によって行なわれる。こうして情報パターン2021(タイル1600)から、追跡情報2023、禁止情報2025が取得される。
【0035】
ここで、本実施例では、LDDチャネルには禁止情報2023が、HDDチャネルには追跡情報2025が含まれている。HDDチャネルはLDDチャネルに対して含めることできる情報量が多い。そのため、HDDチャネルでは、エラー訂正及び復号化の処理に時間がかかる。つまり、禁止情報2023の取得に比べて、追跡情報2025の取得には時間がかかる。
【0036】
そのため、後述する通常モードにおいて、禁止情報に基づいて画像データの出力を禁止する場合には、必要が無ければ追跡情報2025を取得しない。
【0037】
次に、図6を用いてMFP3001における動作モードの設定について説明する。MFP3001の動作モードは、通常モード、情報解析モード、放置判定モードの3種類がある。各モードは、操作部5がユーザから受けた選択指示に基づき、制御部1がモード設定する。
【0038】
ユーザが選択指示可能である、モード(設定可能モード)は、ユーザ認証部6のユーザ判定によって判定されるユーザの権限により以下のように変更される(設定可能モード変更)。ユーザ権限が管理者権限であると判定された場合には、通常モード、情報解析モード、放置判定モードを設定可能モードとする。一方、ユーザ権限が管理者権限であると判定されなかった場合には、通常モード、放置判定モードを設定可能モードとし、情報解析モードは設定可能モードとしない。
【0039】
このように、ユーザの権限により設定可能モードを変更することで、印刷物の印刷者を追跡するための追跡情報の詳細は管理者権限を持つユーザだけが見ることができるようになり、印刷者の管理者以外のユーザに対する印刷者のプライバシーを守ることができる。
【0040】
次にMFP3001における動作モードについて通常モードと情報解析モードとについて詳細に説明する。尚、放置判定モードについては実施例2で後述する。ここで、各動作モードの動作説明では、ユーザの指示に基づいて読取部2が印刷物2100をスキャンする動作について説明する。尚、読取部2がスキャンする印刷物2100には、オンラインデータである禁止情報2103とオフラインデータである追跡情報2105の2チャンネルのデータを含む埋込情報2102が画像化されて得られた情報パターン2101が含まれているものとする。
【0041】
まず、図7を用いて、通常モードについて説明する。
【0042】
通常モードは、スキャンによって得られた画像データの複写、送信がユーザにより指示された場合のモードである。
【0043】
図7は通常モード時にスキャンによって得られた画像データを送信する動作の流れを示すフローチャートである。ユーザが、操作部5において、印刷物の画像データの外部装置への送信を指示することによりフローチャートが開始される。
【0044】
ステップS70では、読取部2が印刷物2100をスキャンし、画像データを生成する。
【0045】
ステップS70.5では、情報化部3が生成された画像データに情報パターン2101が含まれているかを判定する。画像データが含まれていると判定された場合はステップS71へ移行し、画像データが含まれていないと判定された場合は、ステップS78へ移行する。
【0046】
ステップS71では、情報化部3が生成された画像データに含まれている情報パターン2101を情報化することで埋め込み情報2102を生成する。
【0047】
ステップS72では、オンラインセンサ部4が復号化により生成された埋め込み情報2102から、オンラインデータである禁止情報2103のみを復号化することで取得する。
【0048】
ステップS73では、制御部1が禁止情報2103が取得されたどうかを判定する。判定の結果、禁止情報2103が取得されたと判定されたら、ステップS74へ移行する。判定の結果、禁止情報2103が取得されなかったと判定された場合は、ステップS78へ移行する。
【0049】
ステップS74では、制御部1が出力禁止機能の設定がONになっているかを判定する。判定の結果、出力禁止機能の設定がONになっている場合には、ステップS75へ移行する。判定の結果、出力禁止機能の設定がONになっていない場合には、ステップS78へ移行する。尚、出力禁止機能のON、OFFは、ユーザが操作部5で入力し、入力に基づいて、制御部1が設定する。また、このような設定は、管理者権限をもっているユーザのみに許可されていることが望ましい。
【0050】
ステップS75では、制御部1が、禁止情報2103に基づいて画像データの外部装置への送信を禁止するよう、出力部8を制御する。
【0051】
ステップS76では、制御部1が、画像データの送信を禁止したことを示すメッセージを表示させるよう表示部9を制御した後、処理を終了する。
【0052】
ステップS77では、制御部1が送信を禁止された画像データをメモリ7から削除する。
【0053】
ステップS78では、制御部1が、画像データの送信を行なうよう、メモリ7及び出力部8を制御した後、処理を終了する。
【0054】
尚、ここでは、スキャンした画像データの送信について説明したが、複写の場合には、上記の記載の「送信」を「複写」に置き換えた動作が行なわれる。
【0055】
次に図8を用いて、情報解析モードについて説明する。
【0056】
情報解析モードは、追跡情報2105に基づいた表示をすることがユーザにより指示された場合のモードであり、印刷物に含まれる追跡情報2105を取得し、追跡情報2105を表示部9が表示するという追跡情報2105の取得表示をする。
【0057】
図8は情報解析モードの動作の流れを示すフローチャートである。ユーザが、操作部5において、追跡情報2105の表示を指示することによりフローチャートが開始される。
【0058】
ステップS80では、読取部2が印刷物2100をスキャンし、画像データを生成する。
【0059】
ステップS80.5では、情報化部3が生成された画像データに情報パターン2101が含まれているかを判定する。画像データが含まれていると判定された場合はステップS81へ移行し、画像データが含まれていないと判定された場合は、ステップS88へ移行する。
【0060】
ステップS81では、情報化部3が生成された画像データに含まれている情報パターン2101を情報化することで埋め込み情報2102を生成する。
【0061】
ステップS82では、オンラインセンサ部4が復号化により生成された埋め込み情報2102から、オンラインデータである禁止情報2103を復号化することで取得する。
【0062】
ステップS83では、制御部1が、禁止情報2103が取得されたどうかを判定する。判定の結果、禁止情報2103が取得されたと判定された場合であっても、禁止情報2103が取得されなかったと判定された場合であっても、ステップS84へ移行する。
【0063】
ステップS84では、制御部1が生成された埋め込み情報2102から、オフラインデータである追跡情報2105を取得する。ここでは、画像データの外部装置への送信はせず、MFP3001自体が追跡情報2105を取得する。このようにMFP3001自体が追跡情報2105の取得を行い、画像データを外部装置へ送信しないことによって、送信を行なうネットワーク上での画像データの流出、外部装置へ送信された後の画像データの流出を防ぐことができる。また、画像データを外部装置へ送信する必要がないため、MFP3001で出力禁止機能がONになっていたとしても、設定を変更することなく追跡情報2105を取得することができる。これにより、出力禁止機能をOFFにしたままにすることができ、禁止情報2103の埋め込まれた印刷物2100が複写、送信されてしまうのを防止することができる。
【0064】
ステップS85では、制御部1が、追跡情報2105が取得されたどうかを判定する。判定の結果、追跡情報2105が取得されたと判定された場合には、ステップS86へ移行する。判定の結果、追跡情報が取得されなかったと判定された場合には、ステップS88へ移行する。
【0065】
ステップS86では、制御部1が、取得した追跡情報2105を表示するよう表示部9を制御する。ここで、追跡情報2105に加えて、禁止情報2103に基づいた表示をしても構わない。禁止情報2103は、印刷物に印刷されている内容が重要であるかどうかを測るための指標のひとつであるため、追跡情報2105に加えて禁止情報2103に基づいた表示をすることによって、印刷物の重要度を認識することができる。
【0066】
ステップS87では、制御部1が、追跡情報2105が取得されたことに基づいて、メモリ7から画像データを削除して、情報解析モードの処理を終了する。ここでは、通常モードとは異なり、禁止情報2103に基づいて画像データを削除するのではなく、禁止情報2103が取得されても、画像データの削除するのを追跡情報2105が取得されるまで待機する。そして、追跡情報2105の取得されたことに基づいて画像データを削除する。このように画像データを削除することにより、ユーザによって、画像データの出力が指示された場合でも、メモリ7が外された場合でも、画像データが流出することを防止できる。そのため、禁止情報2103が埋め込まれた重要な画像データの流出を防止することができ、セキュリティの高い環境で情報解析機能を実行することができる。尚、ここでの画像データの削除とは、メモリ7における画像データのリンクを外し、上書き可能に領域を開放する、論理的な削除である。しかし、メモリ7の画像データを「0」で上書きし、完全に消去することにより、画像データを物理的に削除する構成であっても構わない。禁止情報2103が含まれている画像データは重要なデータである可能性が高いため、物理的な画像データの削除をすることで、セキュリティをより高めることができる。さらに、画像データを削除するのではなく、制御部1がユーザによる画像データの使用を不可能とする使用不可能化をしても構わない。このように画像データの使用不可能化をするさい、特定のユーザに対してのみ、画像データの使用を不可能とする構成であって構わない。例えば、管理者権限を持たないユーザには画像データの使用を不可能とし、管理者権限を持つユーザには画像データの使用を不可能としない。このように、画像データの使用を制限することで、管理者権限を持たないユーザによる画像データの使用を防ぎつつ、管理者権限を持つユーザの利便性を高めることができる。
【0067】
また、画像データの削除を追跡情報2105が取得されるまで待機することで、以下の効果が得られる。すなわち、追跡情報2105が取得される前に画像データが禁止情報2103に基づいて削除されてしまうことで、追跡情報2105を取得できないといった状況を回避することができるという効果である。
【0068】
また、制御部1は情報解析モードでは、禁止情報2103に基づいて画像データを削除するという第1の削除方法を用い、通常モードでは、追跡情報2105が取得されたことに基づいて画像データ削除するという第2の削除方法を用いる。こうすることで、通常モードでは、禁止情報の含まれている重要な画像データを削除でき、情報解析モードでは、追跡情報の取得を確実に行ないつつ、画像データを削除できる。
【0069】
ステップS88では、制御部1が、追跡情報2105が取得できず、追跡情報表示することができない旨を示すメッセージを表示するよう表示部9を制御し、情報解析モードの処理を終了する。
【0070】
ここで、処理対象となる印刷物が複数枚である場合の通常モードと情報解析モードとの処理について説明する。
【0071】
通常モードで、ユーザにより複数枚の印刷物の画像データを送信することが指示された場合を考える。このとき、N枚目の印刷物の画像データに禁止情報2103が含まれているとオンラインセンサ部4により判定された場合、N枚目の印刷物の送信を禁止する。この時ユーザは、複数枚の印刷物を1つのセットとして、送信を行なうために、印刷物の画像データを送信する指示をした。そのため、禁止情報2103により一部の印刷物の送信が禁止された場合に、その他の印刷物の画像データを送信しても、ユーザが希望とする結果は得られない。そのため、その他の印刷物の画像データを送信しても意味が無く、その他の印刷物をスキャンし画像データを生成するのは無駄である。このような理由で、制御部1は後続(N+1枚目以降)の印刷物のスキャンを中断するように読取部2を制御する。この処理は図7のフローチャートにおけるステップS75とステップS76との間に入る処理である。
【0072】
尚、N枚目以外の印刷物の画像データの送信については、以下のように処理される。まず、N+1枚目以降の印刷物はスキャンがされないため、画像データが生成されない。そのため、画像データを送信することはできない。しかし、読取りの速度が速く、中断の制御の前にN+1枚目以降の印刷物の画像データが生成されている場合には、生成されている画像データの出力を中止する。また、N−1枚目以前の印刷物は、既にスキャンが終了しているため画像データが存在する。ここでMFP3001が、画像データが生成されしだい出力部8による送信を行なうのであれば、まだメモリ部7から送信されていない画像データの送信を禁止する。この場合、送信の中断が間に合わない画像データに関しては外部装置への送信が行なわれる。MFP3001が、複数の画像データ全てが揃ってから出力部8による送信を行なうのであれば、複数の印刷物から生成された全ての画像データの送信を禁止する。尚、以上の処理は、出力が送信ではなく複製の場合であっても同様である。
【0073】
一方で、情報解析モードで、ユーザにより複数枚の印刷物に含まれる追跡情報に基づいた表示をするよう指示された場合を考える。情報解析モードは、禁止情報2103の有無に関わらず、追跡情報2105を取得し、追跡情報2105を表示することを目的とするモードである。そのため、N枚目の印刷物の画像データに禁止情報2103が含まれていた場合であっても、制御部1は後続の印刷物のスキャンをするよう読取部2を制御する。このようにして、印刷物のスキャンを継続する。
【0074】
このように、通常モードと情報解析モードとで、印刷物に禁止情報2103が含まれていた場合の、後続の印刷物に対するスキャンの実施を切り替えることで、得られる効果は以下の通りである。すなわち、情報解析モードにおいて、禁止情報2103の含まれている複数の印刷物の追跡情報2105を取得し、取得した追跡情報2105を表示することが可能となる。
【実施例2】
【0075】
以下、図面を参照して本発明の第2の実施例について詳細に説明する。
【0076】
尚、以下の説明においては、MFP、PCからなるシステムに基づいて説明を行うが、本発明は上記構成に限定されるものではない。
【0077】
図9を用いて本実施例に適用するMFP3001の印刷時の動作の概要例を説明する。
【0078】
MFP3001(装置)の設定画面3002上にて情報埋込の動作を設定する。[情報埋込]グループボックス2010の[■情報埋込する]チェックボックス2011をONにすると、原稿に情報が埋込まれ印刷されるようになる。[■スキャンロック]チェックボックス2012は、スキャンロックのON・OFFの切り替えにもちいる。なお、情報埋込の設定はPC1001上の装置3001のドライバやユーティリティ上からできてもよい。
【0079】
PC1001からMFP3001へジョブ2002が送信される。または、MFP3001においてコピー2003がおこなわれる。ジョブ2002およびコピー2003をうけ、MFP3001はプリント2004を実行する。プリント2004では、原稿2020に情報パターン2021を重ねて合成する。
【0080】
情報パターン2021は、埋込情報2022を符号化したパターンである。埋込情報2022は、オンラインデータである禁止情報2023とオフラインデータである追跡情報2025との2チャンネルのデータを含む。オンラインデータである禁止情報2023は、スキャンロック設定2024を含む。このデータのチャネルは前述のLDDチャネルに該当する。スキャンロック設定2024は、後のスキャン動作時の検知によりスキャン動作を停止するため高速に検知される必要がある。オフラインデータである追跡情報2025は、プリント時情報2026を含む。プリント時情報2026は、日時、ユーザ名、デバイス名といった印刷時の属性情報を収集し記録したものである。このデータのチャネルは前述のHDDチャネルに該当する。プリント時情報2026は、前述スキャンロック2024と比べれば検知に時間をかけてよい。
【0081】
これらプリント2004の動作は、ログ2030としてMFP3001に記録される。そして、埋込情報が合成されたドキュメント2060が印刷される。なお、図9のドキュメント2060は、情報パターンが全面合成された例をしめしているが、ドキュメント2061のように部分合成をするバーコードのようなパターンを用いて実施してもよい。
【0082】
図10を用い本装置のスキャン時の動作の概要例を説明する。
【0083】
情報パターン2101は、オンラインデータである禁止情報2103とオフラインデータである追跡情報2105の2チャンネルのデータを含む埋込情報2102の符号化したものである。ドキュメント2100は情報パターン2101が合成されている。このドキュメント2100をMFP3001でスキャン(コピー)2104する際の動作例である。
【0084】
スキャン(コピー)2104の動作は、2110〜2113のようにモードとし複数配置される。
【0085】
最初のモードは、通常・モード0(2110)である。このモード0で、禁止情報2103がONで検出されるとスキャンは禁止される(2122)。禁止された(2122)ことは、2124のように表示部へメッセージとして表示される。モード0において禁止情報2103がOFFか検出されなければ、スキャンは通常どおり処理される(2121)。ドキュメント2101のコピー2123は印刷される。
【0086】
次のモードは、モード1(2111)である。このモード1では、検出された追跡情報2105を表示部へ2125のように表示する。
【0087】
もうひとつのモードは、モード2(2112)である。このモード2では、自機の排紙部に放置された文書をスキャンすると印刷放置原稿であるか判定する。判定結果は表示部へ2126のように表示される。表示部へは、検出された埋め込み情報を直接表示せずに判定結果を表示する。
【0088】
スキャン(コピー)2104の動作を更に配置したいならモード3(2113)へ追加できる。
【0089】
図11を用い本装置のスキャン動作のモード構成例を説明する。図10において本装置のスキャン時の動作の概要とモードを説明したが、各モードの操作エントリ、機能名、権限、対象原稿、入出力動作の構成を図表にまとめたものである。
【0090】
まず、モード0(2200)、モード1(2201)、モード2(2202)の3モードがる。なお、モード3(2203)は、モード追加例として掲載したので、構成は省略されている。
【0091】
操作エントリ2210は、モード利用時の操作部の入口の構成である。モード0なら通常画面2220、モード1とモード2ではコード解析画面2221である。各モードの機能(名)2211、モード0はスキャンロックモード2222、モード1は情報解析モード2223、モード2は放置判定モード2224である。モード0(2200)のスキャンロックモード2222は、通常コピー・スキャン画面2220でユーザが利用している時に動作している。モード1(2201)とモード2(2202)の情報解析モード2223と放置判定モード2224は、ユーザに[コード解析]画面2221から利用してもらう。
【0092】
権限2212は、モードを利用できる権限の構成である。モード1(2201)は管理者2225権限、モード2(2202)はユーザ権限2226が必要である。対象2213は、装置が処理対象とする原稿である処理対象印刷物の構成である。モード0(2200)とモード1(2201)は出力デバイスによらず原稿を処理対象印刷物として扱い(2227)、モード2(2202)は自機から出力された印刷物を処理対象印刷物として扱う(2228)。モード1は出力デバイスによらず原稿を扱い管理者が情報解析し、モード2は自機が出力した原稿を扱い管理者だけでなくユーザも動員して放置判定する。
【0093】
入力動作1(2214)と入力動作2(2215)は、スキャンロック機能の制御とデータ検出の構成である。モード0(2200)は、スキャンロックはONの状態でオンラインデータを(中心に)読む(2232)。スキャンロックは管理者が手動でOFFにもできる(2230)。モード1(2201)とモード2(2202)は、スキャンロックを自動OFFして(2231)、オンライン/オフラインデータを両方読む(中心はオフライン)(2233)。モード0では検出されたオンラインデータに従いスキャンロックがされるが、モード1と2では内部的にスキャンロックをOFFにしてオフラインデータを中心に検出する。
【0094】
出力2216は、表示部からのユーザへのフィードバックである。モード0(2200)は、スキャンロック時にメッセージを表示2234する。モード1(2201)は、原稿コードの解析結果を画面へ表示2235する。モード2(2202)は放置された文書の判定結果を表示かつログへ追記する(2236)。
【0095】
各モードの動作の詳細は後述する。
【0096】
図12を用い本装置の内部構成例を説明する。
制御部B1は、装置の各ブロックの制御をおこなう。
操作部B5は、ユーザからの装置の操作・設定をうけつける。ユーザ認証部B6は、装置のユーザ認証を管理するブロックである。
【0097】
スキャン時は、制御部B1の指示によりスキャナ部B2から画像が入力される。埋め込み情報はデコード部B3やオンラインセンサ部B4をとおり復号され制御部B1へわたされる。出力部B8はメモリB7から画像をよみだし印刷する。表示部B9はユーザへのフィードバックを表示する。データベース部B10は装置の設定やログが記録される。
【0098】
ここからは、各モードの動作をモード0、モード1、モード2の順に詳説してゆく。
【0099】
まずはモード0であるスキャンロックモード、つまり通常コピー時のスキャンロック動作の説明から始める。
【0100】
図13をもちいてモード0の操作部を説明する。
【0101】
原稿3010は、スキャンロック:ONのオンラインデータ3011が埋め込まれている。モード0で、この原稿3010を通常コピーする。モード0の操作部の入口は通常画面3020である。使用者は、原稿3010をADFや原稿台、つまりスキャナにセットし、コピーボタン3030をおす。装置は原稿3010のスキャンロック:ONのオンラインデータ3011を検出し、表示部3060に「コピーできません」とメッセージ3061を表示する。
なお、メッセ―ジ3061は「スキャンロックされました」でもよい。
【0102】
[操作部の設定(管理者)]画面3070には、スキャンロック動作3071の[◎ON]ボタン(3072)、[○OFF]ボタン(3073)がある。管理者は、この設定を変更することによりスキャンロック動作を変更することもできる。
【0103】
図14をもちいてモード0の動作概要を説明する。
【0104】
ドキュメント3110は、オンラインデータ3112とオフラインデータ3113を含む埋込情報3111を持つ。
モード0で、このドキュメント3110を通常コピーする。使用者は、ドキュメント3110をスキャナにセットし、操作部3002のコピーボタン3121をおす。
モード0(3128)と動作モードが識別される。ドキュメント3110をスキャン3130する。スキャン画像3131は、スキャンロック:OFFのオンラインデータ3132やスキャンロック:ONのオンラインデータ3133を含む。デコード部3134は、画像3131をデコードしてゆく。オンラインセンサ部3135は、オンラインデータ3132や3133の検知によりスキャンロック・フェンス3136を操作する。
【0105】
オンラインセンサ部3135がオンラインデータ3133を検出したならスキャンロック・フェンス3136が閉じられ、禁止状態3142になる。禁止状態3142でスキャンロックされたことを使用者へメッセージ3144するため、表示部に「コピーできません」3162と表示する。また、スキャンロックされたことを記録3143するため、データベース部にアクセスしログ3136を作成する。
【0106】
オンラインセンサ部3135がオンラインデータ3133を検出しないならスキャンロック・フェンス3136は開かれ、通過状態3140になる。通過状態3140であるのでデータや画像が出力部へわたされ、プリント3141される。ドキュメント3110のコピーであるドキュメント3160が出力される。
【0107】
図15をもちいてモード0のフローチャートを説明する。
ステップ3210から、装置はモードを移行する。
ステップ3211では、制御部B1はスキャンロックモードにはいりモード0をセットする。
ステップ3212では、制御部B1はスキャンボタンが押されたことを操作部B5よりうけとる。
ステップ3213から、装置は読み取りとセンサ処理にはいる。
ステップ3214では、装置は[A]をおこなう。
ステップ3215では、装置は[B]をおこなう。
ステップ3216では、制御部B1はスキャンロック・フェンスが閉じているか判定する。スキャンロック・フェンスが閉じていると判定されればステップ3220へ移行し、スキャンロック・フェンスが閉じていないと判定されればステップ3217へ移行する。
ステップ3217では、制御部B1はスキャンロック・フェンスが閉じていないので通常のコピー動作をする。
ステップ3220では、装置は記録処理にはいる。
ステップ3221では、制御部B1はスキャンロック動作のログへの記録をデータベース部B10へ依頼する
ステップ3222では、装置は[C]をおこなう。
ステップ3223では、装置は表示処理にはいる。
ステップ3224では、制御部B1は、スキャンロックされたことを表示部B9に表示する。
【0108】
[A]、[B]、[C]は後述する。
【0109】
その前に、スキャンロック動作の設定処理フローを説明しておく。
ステップ3261では、装置はスキャンロック動作設定処理にはいる。
ステップ3262では、制御部B1は操作部B5のスキャンロック動作設定がOFFか判定する。動作設定がOFFならステップ3263へ移行し、動作設定がOFFでないからステップ3265へ移行する。
ステップ3263では、制御部B1はオンラインセンサ部B4へスキャンロック・フェンスを無効にするよう制御する。
ステップ3264では、制御部B1はオンラインセンサ部B4へオンラインセンサを停止するよう制御する。
ステップ3265では、制御部B1はオンラインセンサ部B4へスキャンロック・フェンスを有効にするよう制御する。
ステップ3266では、制御部B1はオンラインセンサ部B4へオンラインセンサが動作するよう制御する。
【0110】
[A]
ステップ3271では、装置は読み取り処理にはいる。
ステップ3272では、制御部B1はスキャナ部B2にスキャンさせるよう制御する。
ステップ3273では、制御部B1はスキャン時刻をメモリB7に保管する。
ステップ3274では、制御部B1はスキャンによって得られたイメージをデコード部B3にデコードさせるよう制御する。
ステップ3275では、制御部B1はデコードによってコードが抽出できたかを判定する。コードが抽出できていないと判定されればステップ3276へ移行し、コードが抽出できていると判定されればステップ3277へ移行する。
ステップ3276では、制御部B1はコードなしの情報をメモリB7に保管する。
ステップ3277では、制御部B1は抽出されたコードをメモリB7に保管する。
ステップ3278では、制御部B1はスキャン時刻を後段処理へわたす。(モード0では制御部B1)
ステップ3279では、制御部B1が抽出されたコードを後段処理へわたす(モード0ではオンラインセンサ部B4)。
【0111】
[B]
ステップ3281では、装置はオンラインセンサ処理にはいる。
ステップ3282では、オンラインセンサ部B4は制御部B1から抽出されたコードをうけとったか判定する。コードをうけとっていればステップ3284へ移行し、コードをうけとってなければステップ3286へ移行する。
ステップ3284では、オンラインセンサ部B4はメモリB7からオンラインデータを参照する。
ステップ3285では、オンラインセンサ部B4はオンラインデータでスキャンロックがONであるか判定する。スキャンロックがONと判定されればステップ3287へ移行し、スキャンロックがONでないと判定されればステップ3286へ移行する。
【0112】
なお、オンラインセンサ部B4がオンラインデータを読み飛ばすような制御フローにすることでスキャンロックが機能しないようにする実装も可能である。
ステップ3286では、オンラインセンサ部B4はスキャンロック・フェンスを開くよう制御する。
ステップ3287では、オンラインセンサ部B4はスキャンロック・フェンスを閉じるよう制御する。
ステップ3288では、オンラインセンサ部B4はスキャンロック・フェンスの状態を後段処理へわたす(モード0では制御部B1)。
【0113】
[C]
ステップ3291では、装置はログ処理にはいる。
ステップ3292では、データベース部B10は制御部B1から指示をうけとる。
ステップ3293では、データベース部B10はデータベース処理をおこなう。
ステップ3292では、データベース部B10は制御部B1へ応答する。
【0114】
次に、モード1である情報解析モード、つまり原稿の埋め込み情報内容を表示する動作を説明する。
【0115】
図16をもちいてモード1の操作部を説明する。
【0116】
モード1で、この原稿の埋め込み情報内容を表示する。
【0117】
ユーザ(管理者)は、操作部B5の認証ボタン4010を押す。[個人認証]画面4011が表示されるので、ユーザ名、パスワードを入力し装置にログインする。モード1の操作部の入口は[コード解析]画面4020である。[コード解析]画面4020で[情報解析(管理者)]ボタン4021を選択するとモード1へ移行する。[情報解析(管理者)]ボタン4021を選択できるのは、管理者権限を持つユーザとして認証されているからである。もし管理者権限がないユーザとして認証されていると[情報解析(管理者)]ボタン4021は表示されない、あるいはグレイアウトしており選択できなくなる。
【0118】
[情報解析]画面4022が表示されるので、管理者は原稿をスキャナにセットし、コピーボタン4030をおす。装置は原稿の埋込情報を解析する。その結果、表示部4060に抽出された埋込情報内容4061を表示する。
【0119】
なお、内容4061の表示範囲は調整してよい。内容4061は可読性のある形式で利用者が参照する情報であるため、全埋込情報を表示するとは限らないからである。
【0120】
図17をもちいてモード1の動作概要を説明する。
【0121】
ドキュメント4110は、オンライン4112とオフライン4113を含む埋込情報4111を持つ。モード1で、このドキュメント4110の埋込情報の内容を表示する。
【0122】
管理者は、操作部3002で個人認証し、管理者権限としてログインしている。管理者は操作部3002の[コード解析]画面から[情報解析]ボタンを選択すると、モード1(4128)と動作モードが識別される。
【0123】
管理者は、ドキュメント4110をスキャナにセットし、操作部3002のコピーボタン4121をおす。装置は内部的にオンラインセンサをオフ4129にする。ドキュメント4110をスキャナ部2がスキャン4130する。スキャン画像4131は、埋込情報4123がある。この埋込情報には、スキャンロック設定のON/OFFを持つオンラインデータ、印刷時情報を持つオフラインデータが含まれる。デコード部4134は、画像4131をデコードしてゆく。前述のオンラインセンサ部のオフ4129により、スキャンロック・フェンス4136は開かれている。通過状態であるのでデータや画像は後段へわたされる。抽出されたコード(埋込情報)4140は、表示処理4143へ、表示部に埋込情報の内容が表示4161される。また、情報解析した動作を記録3143するため、データベース部にアクセスしログ4160を作成する。
【0124】
図18をもちいてモード1のフローチャートを説明する。
ステップ4210では、制御部B1はユーザに応じて選択できるモードを調整する。
ステップ4211では、装置は[D]をおこなう。
ステップ4212から、装置はモードを移行する。
ステップ4213では、制御部B1は[情報解析(管理者)]ボタンが選択されたことを操作部B5よりうけとり、情報解析モードにはいりモード1をセットする。
ステップ4214から、装置は情報解析モードの初期化処理にはいる。
ステップ4215では、制御部B1は操作部B5の[コード解析]−[情報解析]画面に、ユーザへのスキャン指示メッセージ「原稿をセットしコピーボタンをおしてください」を出すよう表示部B9を制御する。
ステップ4220では、制御部B1はスキャンボタンが押されたことを操作部B5よりうけとる。
ステップ4221では、制御部B1はスキャンロック動作設定をOFFにセットする。
ステップ4222から、装置は読み取り処理にはいる。
ステップ4223では、装置は[A]をおこなう。
ステップ4224では、制御部B1はスキャンロック動作設定をONにセットする。
ステップ4225から、装置はコードうけとり処理にはいる。
ステップ4226では、制御部B1はメモリB7のコード(埋込情報)を確認し、後段へわたす。
ステップ4227から、装置は記録処理にはいる。
ステップ4228では、制御部B1は解析動作とコードのログ記録をデータベース部B10へ依頼する。
ステップ4229では、装置は[C]をおこなう。
ステップ4230から、装置は表示処理にはいる。
ステップ4231では、制御部B1は、表示部B9へコードの情報内容が表示されるよう制御する。
【0125】
[D]、[E]を説明する。
【0126】
[D]
ステップ4271から、装置はモード表示判定処理にはいる。
ステップ4272では、装置は[E]をおこなう。
ステップ4273では、制御部B1はユーザの権限が管理者権限かを判定する。管理者権限であると判定されればステップ4275へ移行し、管理者権限でないと判定されればステップ4274へ移行する。
ステップ4274では、制御部B1は操作部B5における管理者権限が必要なモードを隠す(あるいはグレイアウトする)。
【0127】
なお、このフローは管理者権限かの判定とした。図11で前述したように各モードで必要となる権限の条件と、ユーザ認証部B6からの現ユーザの権限情報により、ユーザが選択できるモードを制御してもよい。
【0128】
[E]
ステップ4281から、装置はアカウント確認処理にはいる。
ステップ4282では、ユーザ認証部B6は制御部B1から照会をうける。
ステップ4283では、ユーザ認証部B6は認証システム処理をおこなう。
ステップ4284では、ユーザ認証部B6は制御部B1へ応答する。
【0129】
さいごに、モード2である放置判定モード、つまり放置文書の判定結果を表示する動作を説明する。
【0130】
図19をもちいてモード2の操作部を説明する。
【0131】
モード2で、放置文書の判定結果を表示する。
【0132】
ユーザは、操作部B5の認証ボタン5010を押す。図16同様の認証処理をおこないログインする。モード2の操作部の入口は[コード解析]画面5020である。[コード解析]画面5020で[放置判定(ユーザ)]ボタン5021を選択するとモード2へ移行する。なお、情報解析(管理者)ボタン5021がグレイアウトして選択できなくなっているのは、ユーザ権限を持つユーザとして認証されているからである。
【0133】
[情報解析]画面5022が表示されるので、ユーザは原稿をスキャナにセットし、コピーボタン5030をおす。装置は放置文書の埋込情報を解析し、それに条件設定(後述する)や解析時情報をあわせて放置判定をおこなう。そして表示部5060に判定結果5061を表示する。
【0134】
モード2の実行、つまり放置判定の実施回数を増やすため、ユーザ権限者も参加できるようにするねらいがある。ユーザ権限者が参加しても問題がないようよう判定結果5061を表示して、埋込情報内容そのものは基本的に表示しない。
【0135】
表示される判定結果5061の例は次のとおりである。
○ セーフ 放置文書ではないと判定された
× アウト 放置文書であると判定された
? 除外 判定の上、対象外と扱われた
― コードなし 判定にいたれず
【0136】
図20をもちいてモード2の操作設定部を説明する。
【0137】
管理者は、[許容時間(管理者)設定]画面5110で許容時間5111と除外時間5112を設定できる。この図の例では、それぞれのデフォルトは、許容時間5111が24時間まで、除外時間5112が14日以上、としている。許容時間5111とは、印刷物を置いたままでも許容する時間である。除外時間5112とは、放置判定から除外したほうがよい期間であり、放置されていたと捉えにくい長い期間を判定からはずすためにもちいる。
【0138】
許容時間5111と除外時間5112と判定結果の関係をあわせ図示しておく。印刷時刻5120から許容期間5121が経過するまでは放置文書ではないと判定され、[○セーフ]5124の結果となる。印刷時刻5120から除外期間が経過すると対象外として扱われ、[?除外]5126の結果となる。そして許容時間5121は経過したが、除外時間5122は経過していないなら放置文書と判定され、[×アウト]5125の結果となる。
【0139】
また、[許容時間(管理者)設定]画面5110には、[□経過判定アウト×時にユーザ名を表示する]チェックボックス5113がある。この図の例では、チェックボックス5113のデフォルトはOFFである。このチェックボックス5113がONにされると、放置文書と判定され×アウトとの結果をユーザに表示する際、埋込情報からユーザ名だけは参照して表示する。ユーザがモード2を動作させ放置判定された場合に、印刷物(放置文書)の取扱いについて作成者へ確認できるようにするためのチェックボックスである。
【0140】
図21をもちいてモード2の動作概要を説明する。
【0141】
ドキュメント5310は、オンライン5312とオフライン5313を含む埋込情報5311を持つ。モード2で、このドキュメント5310の放置判定をおこない、その結果を表示する。
【0142】
ユーザは、操作部3002で個人認証し、ユーザとしてログインしている。ユーザは操作部3002の[コード解析]画面から[放置判定]ボタンを選択すると、モード2(5328)と動作モードが識別される。
【0143】
ユーザは、ドキュメント5310をスキャナにセットし、操作部3002のコピーボタン5321をおす。装置は内部的にオンラインセンサをオフ5329にする。ドキュメント5310をスキャン5330する。スキャン画像5131は、埋込情報5332がある。この埋込情報には、スキャンロック設定のON/OFFを持つオンラインデータ、印刷時情報を持つオフラインデータが含まれる。デコード部5334は、画像5331をデコードしてゆく。なお、スキャン5330した時刻5335も記録される。前述のオンラインセンサ部のオフ5329により、スキャンロック・フェンス5336は開かれている。通過状態であるのでデータや画像は後段へわたされる。
・抽出されたコード(埋込情報)5340の主にオフラインデータ5341
・前述のスキャン時刻5335である現在時刻5342
・装置固有の機器情報5343
・ログ5344
上記情報を比較5345し、次の情報となる。
・自機出力と期間超過5347
この5347により判定5350がおこなわれ、判定結果5351が得られる。この判定結果5351は表示処理5353へ、表示部に判定結果が表示5361される。さらに、ログ5344に判定結果と判定動作が追記・記録5352される。
【0144】
次に前述の追記・記録5252における“追記”について補足説明しておく。
【0145】
図22をもちいてモード2の応用動作概要を説明する。
【0146】
まず、プリント時5410の動作にふれておく。装置3001は、埋込情報つきのドキュメント5412をプリント5411する。このプリント5411の動作をプリントログ5414へ記録する。
【0147】
つぎにスキャン時5420の動作を説明する。装置3001で、埋込情報つきのドキュメント5412をスキャン5421する。モード2で前述のプリント時5410のドキュメント5412は、排紙部におかれて25時間が経過しスキャン5421された例とする。
【0148】
ドキュメント5412に埋め込まれたオフラインデータ5423は印刷時情報である。オフラインデータ5423に格納された装置固有情報が解析実行している装置と合致すれば、自機出力されたドキュメントとみなせる。さらに、自機出力であればプリントログ5424上の記録エントリに5423にマッチした情報がある。放置判定がおこなわれ×(アウト)の結果となった。この判定結果をプリントログ5424の該当エントリに追記している。なお、逆にプリントログ上の埋込情報にマッチするエントリの存在から、ドキュメント5412は自機出力されたと判断することも可能である。
【0149】
管理者には、次のニーズがある。
・放置した人、放置の程度など、放置ドキュメントの情報を特定・集計したい
・印刷物放置の多いユーザにたいして警告したい
モード2の放置判定は、ユーザ権限で実行できる。ユーザが実行し放置されたドキュメントの扱いを管理者にかわり装置が表示してくれる。かつその判定結果が、ログにも記録される。プリント履歴に判定処理や判定情報を後追記できるようもする(プリント履歴にスキャン履歴を)。管理者は装置ログを収集することにより、ユーザにより実施された放置ドキュメント判定の結果を回収し集計できるようになる。
【0150】
図23をもちいてモード1のフローチャートを説明する。
ステップ5510では、制御部B1はユーザに応じて選択できるモードを調整する。
ステップ5511では、装置は[D]をおこなう。
ステップ5512から、装置はモードを移行する。
ステップ5513では、制御部B1は[放置判定(ユーザ)]ボタンが選択されたことを操作部B5よりうけとり、放置判定モードにはいりモード2をセットする。
ステップ5514から、装置は放置判定モードの初期化処理にはいる。
ステップ5515では、制御部B1は操作部B5の[コード解析]−[放置判定]画面に、ユーザへのスキャン指示メッセージ「原稿をセットしコピーボタンをおしてください」を出すよう表示部B9を制御する。
ステップ5516では、制御部B1はスキャンボタンが押されたことを操作部B5よりうけとる。
【0151】
ステップ5521では、制御部B1は操作部B5の[許容時間(管理者)]画面から許容時間と除外時間の設定をメモリB7にロードする
ステップ5522では、制御部B1は判定メモリをメモリB7に確保する
ステップ5521では、制御部B1は操作部B5の[許容時間(管理者)]画面で[□ユーザ名を表示する]チェックボックスがONか判定する。ONであると判定されればステップ5524へ移行し、ONでないと判定されればステップ5530へ移行する。
ステップ5224では、制御部B1はユーザ名文字列用のメモリをメモリB7に確保する。
【0152】
ステップ5530では、制御部B1はスキャンロック動作設定をOFFにセットする。
ステップ5531から、装置は読み取り処理にはいる。
ステップ5532では、装置は[A]をおこなう。
ステップ5533では、制御部B1はスキャンロック動作設定をONにセットする。
ステップ5534から、装置はコードうけとり処理にはいる。
ステップ5535では、制御部B1はメモリB7のスキャン時刻を確認し、後段へわたす。
ステップ5536では、制御部B1はメモリB7のコード(埋込情報)があったか判定する。コードがあったと判定されればステップ5538へ移行し、コードがあったと判定されなければステップ5537へ移行する。
ステップ5537では、制御部B1はメモリB7の判定メモリにコードなしの判定結果をストアする。
ステップ5538では、制御部B1はコードのオフラインデータの印刷時間をメモリB7にストアする。
ステップ5538では、制御部B1はコードのオフラインデータのユーザ名をユーザ名文字列が確保されていればメモリB7にストアする。
【0153】
ステップ5540から、装置は固有情報判定処理にはいる。
ステップ5541では、制御部B1はオフラインデータの機器情報が自機情報と異なるか、つまり原稿がMFP3001で印刷された印刷物であるかを判定する。自機情報と異なると判定されればステップ5542へ移行し、自機情報と異ならないと判定されればステップ5543へ移行する。
ステップ5542では、原稿は制御部B1により処理対象印刷物ではないと処置対象判定がなされ、制御部B1はメモリB7の判定メモリに除外の判定結果をストアする。処理対象印刷物ではないと判定された原稿については、その後追跡情報に基づいた表示をしない。
ステップ5543から、制御部B1は原稿を処理対象印刷物であると処理対象判定をした後、装置は時間判定処理にはいる。
【0154】
このように、放置判定モードでは、原稿が放置判定を行なう装置で印刷された印刷物であるかどうかの印刷判定を行う。そして、装置で印刷された印刷物であると判定された場合には、原稿を処理対象印刷物であると処理対象判定をする。装置で印刷された印刷物ではないと判定された場合には、原稿を処理対象印刷物ではないと処理対象判定する。
【0155】
一方で、前述した情報解析モードでは、原稿が情報解析を行なう装置で印刷された印刷物であるかどうかにかかわらず、原稿を処理対象印刷物であると処理対象判定する。
【0156】
このように、モードによって処理対象印刷物とする原稿を切り替えることで、例えば放置判定モード時に、放置判定ができない原稿について解析をするといった無駄な処理を省略することが可能となる。
【0157】
ステップ5544では、制御部B1は除外期間をこえたか判定する。除外期間をこえたと判定されればステップ5545へ移行し、除外期間をこえていないと判定されればステップ5546へ移行する。
ステップ5545では、制御部B1はメモリB7の判定メモリに除外の判定結果をストアする。
ステップ5546では、制御部B1は許容時間をこえたか判定する。許容時間をこえたと判定されればステップ5548へ移行し、除外時間をこえていないと判定されればステップ5547へ移行する。
ステップ5547では、制御部B1はメモリB7の判定メモリにセーフの判定結果をストアする。
ステップ5548では、制御部B1はメモリB7の判定メモリにアウトの判定結果をストアする。
【0158】
ステップ5550から、装置はログへの追記処理にはいる。
ステップ5551では、制御部B1はコードの情報でログをクエリするようデータベース部B10へ依頼する。
ステップ5552では、装置は[C]をおこなう。
ステップ5553では、制御部B1はデータベース部B10の応答によりマッチする履歴項目があった判定する。履歴項目があったと判定されればステップ5554へ移行し、履歴項目があったと判定されなければステップ5556へ移行する。
ステップ5556では、制御部B1はメモリB7のスキャン時刻、判定結果の該当履歴項目への追記をデータベース部B10へ依頼する。
ステップ5555では、装置は[C]をおこなう。
ステップ5556から、装置は判定動作記録処理にはいる。
ステップ5557では、制御部B1はメモリB7のスキャン時刻、判定結果、コードのログ記録をデータベース部B10へ依頼する。
ステップ5558では、装置は[C]をおこなう。
ステップ5559では、制御部B1は判定メモリおよびユーザ名文字列を後段へわたす。
【0159】
ステップ5560から、装置は表示処理にはいる。
ステップ5561では、制御部B1は、表示部B9へ判定メモリの判定結果が表示されるよう制御する。
ステップ5562では、制御部B1は、ユーザ名文字列がわたされたか判定する。ユーザ名文字列がわたされたと判定されればステップ5563へ移行し、ユーザ名文字列がわたされたと判定されなければステップ5564(End)へ移行する。
ステップ5563では、制御部B1は、表示部B9へユーザ名も表示されるよう制御する。
【0160】
ここまで説明してきた実施例2により、
装置単独で埋め込み情報を解析し、結果も表示でき、
目的にあわせ複数の動作モード(標準コピーモード、情報解析モード、放置判定モード)を持つ装置を提供できる。
【実施例3】
【0161】
以下、図面を参照して本発明の第3の実施例について詳細に説明する。
【0162】
本実施例では、図24に示されるように、読取部(2A、2B)を複数有するMFP30を例に挙げて説明する。図24の示されるMFP30は、図1に示されるMFP3001に対して、読取部(2A、2B)及びオンラインセンサ部4の構成が異なる。尚、読取部(2A、2B)及びオンラインセンサ部4以外の構成については同一であるため説明は省略する。図24のように、読取部(2A、2B)を複数有することで、スキャンの対象である原稿が両面印刷されている場合に、2種類の読取方法を実行することが可能である。両方の読取部(2A、2B)を用いることで、原稿の搬送を一度行うだけで、原稿の両面をスキャンすることができ、読取速度の速い(画像データの生成速度が速い)スキャンを実現することができる。本実施例において上記の両方の読取部(2A、2B)を使用する読取方法を1パス方式と定義する。また、両面印刷の原稿に対して片方の読取部(例えば2A)を用いる場合には、読取部2Aが一度目の搬送で原稿の片面をスキャンし、その後原稿を裏返して再度搬送を行うことで残りの面をスキャンする。そして上記の2度の搬送を伴う読取によって、原稿の両面をスキャンし両面の画像データを生成する。この読取方法は、1パス方式に比べて読取速度の遅い方法であり、本実施例においては2パス方式と定義する。
【0163】
また、本実施例に適用されるMFP30はオンラインセンサ部4を複数有することが可能な構成を持っている。オンラインセンサ部4が複数存在する場合には、オンラインセンサ部4が禁止情報2103を取得するための処理時間をオンラインセンサ部4が1つの場合に比べて短縮可能である。オンラインセンサ部4が複数存在する場合には、オンラインセンサ部4が禁止情報2103を取得するための処理時間が短い。そのため、読取速度の速い1パス方式で原稿を読取った場合であっても、その速度に合わせて禁止情報2103を取得することが可能であるように設計されている。一方で、オンラインセンサ部4が1つしか存在しない場合には、オンラインセンサ部4が禁止情報2103を取得するための処理時間が1パス方式の読取速度に間に合わない。そのため、1パス方式によってスキャンされ生成された画像データがたまってしまい、エラーが起こってしまうという問題があった。この問題を解決するため、本実施例ではオンラインセンサ部4が複数存在するか否か、つまり禁止情報2103の取得機能を検知し、検知した取得機能に応じて前記読取方法を1パス方式と2パス方式とで切り替える。
【0164】
図25は、本実施例における取得機能の検知に応じた読取方法の切替処理の流れを示すフローチャートである。ユーザが操作部5において原稿のスキャンを指示することにより図25のフローチャートが開始される。尚、図25に示されるフローチャートは、図7のS70からS72及び、図8のS80からS82に対応するものであり、禁止情報2103が取得された後の処理は同様であるため説明を省略する。また、図7におけるS70.5、S71及び図8におけるS80.5、S81の情報パターンの検知と情報化に関する処理に関しても同様であるため、説明を省略する。尚、図25のフローチャートは原稿に情報パターンが存在する場合を前提としたフローチャートであり、情報パターンが無い場合には、図7のS78又は図8のS88の処理がなされる。以下に、図7のS70及びS72または図8のS80及びS72に対応し、本実施例において特徴的な処理について説明する。
【0165】
ステップS90では、制御部1がMFP30のスキャンモードが両面スキャンに設定されているかどうかを判定する。ステップS90において、両面スキャンに設定されていると判定された場合は、ステップS91に移行し、両面スキャンに設定されていないと判定された場合は、ステップS95に移行する。ステップS91では、制御部1がオンラインセンサ部4は複数存在するかどうかを判定する。ステップS91において、オンラインセンサ部4が複数存在すると判定された場合にはステップS92に移行する。また、ステップS91においてオンラインセンサ部4が複数存在しないと判定された場合にはステップS94に移行する。
【0166】
ステップS92では、制御部1が読取部2A及び2Bを制御し、1パス方式で原稿の両面をスキャンし、画像データを生成する。画像データが生成された後はステップS93に移行する。上記の通りオンラインセンサ部4が複数存在する場合に読取速度の速い1パス方式を用いることで、禁止情報2103の取得の速いオンラインセンサ部4に合わせて速い速度で原稿を読取ることができる。これにより、両面印刷されている原稿から禁止情報2103を取得する場合に、オンラインセンサ部4の禁止情報の取得速度に合わせた原稿の読取が可能となる。
【0167】
ステップS93では、オンラインセンサ部4がスキャンによって生成された画像データから禁止情報2103を取得し、処理を終了する。ここで、禁止情報2103の取得は、オンラインセンサ部4が複数の場合には、複数のオンラインセンサ部4によって禁止情報2103が取得される。また、オンラインセンサ部4がひとつの場合には、ひとつのオンラインセンサ部4によって禁止情報2103が取得される。このときオンラインセンサ部4が複数の場合と、ひとつの場合とでは、複数の場合の方が同じ量の画像データから禁止情報2103を取得する速度は速い。
【0168】
ステップS94では、制御部1が読取部2Aを制御し、2パス方式で原稿の両面をスキャンし、画像データを生成する。画像データが生成された後はステップS93に移行する。上記の通りオンラインセンサ部4が複数存在しない場合には読取速度の遅い2パス方式を用いることで、読取速度が禁止情報2103の取得にかかる処理時間に対して大幅に速くなるのを防ぐ。これにより、画像データがたまってしまい、エラーが起こるのを防ぐことが可能となる。
【0169】
ステップS95では、制御部1が読取部2Aを制御し、原稿の片面をスキャンし、画像データを生成する。画像データが生成された後はステップS93に移行する。
【0170】
以上のとおり、禁止情報2103の取得機能(オンラインセンサ部4が複数かどうか)に応じて読取方法を1パス方式と2パス方式とで切り替えることにより、以下の効果が得られる。即ち、原稿の読取と禁止情報2103の取得との大幅なずれによるエラーが起こるのを防ぐことが可能となる。
【0171】
尚、本実施例においては、読取方法を切り替える原因となる禁止情報2103の取得機能に、オンラインセンサ部4が複数かどうかという例を用いて説明したが、それ以外の構成であっても構わない。例えば、制御部1が、オンラインセンサ部4で禁止情報2103の取得にかかる処理時間(処理速度)が予め定められた閾値より大きいかどうかを比較する。そして、処理時間が閾値より大きい場合には、読取速度の遅い読取方式(2パス方式)を用いて原稿の読取を行う。一方、処理時間が閾値以下である場合には、読取速度の速い読取方式(1パス方式)を用いて原稿の読取を行う。以上のような構成であっても、本実施例で説明した構成と同様の効果を得ることができる。
【0172】
また、本実施例では、速度の異なる読取方式の例として1パス方式と2パス方式とを用いて説明したが、読取速度の異なる複数の読取方式であればこれ以外の読取方式であってもかまわない。
【0173】
ここまで説明をおこなってきた装置の解析動作や表示は、表示内容を情報として記録や配信する処理にも適用できることはいうまでもない。情報をログに残す、あるいは転送する場合も同様とみなせる。ここまで説明をおこなってきた装置の解析動作や表示は、他の埋込情報を利用する機能にも適用できることはいうまでもない。
【0174】
なお、本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0175】
また、本発明の目的は、以下の場合にも達成される。すなわち、前述した実施例で示したフローチャートの手順を実現するプログラムコードを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を、システムあるいは装置のコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行した場合である。
【0176】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0177】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0178】
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。
【0179】
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。
【符号の説明】
【0180】
1 制御部
2 読取部
3 デコード部
4 オンラインセンサ部
5 操作部
6 ユーザ認証部
7 メモリ
8 出力部
9 表示部
2101 情報パターン
2102 埋め込み情報
2103 禁止情報
2105 追跡情報
3001 MFP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物を読取る読取手段と、
前記印刷物の読取りにより得られた画像データを外部装置へ送信する送信手段とを有し、
前記印刷物の読取りにより得られた画像データに含まれている禁止情報に基づいて前記送信手段による前記画像データの送信を禁止できる読取り装置であって、
前記印刷物の読取りにより得られた画像データに前記禁止情報と共に前記印刷物の印刷者を追跡するための追跡情報が含まれている場合に、
当該画像データを前記送信手段により送信させることなく、前記追跡情報を取得し前記追跡情報に基づいた表示をする取得表示手段を有することを特徴とする読取り装置。
【請求項2】
前記画像データを削除する削除手段をさらに有し、
前記削除手段は、前記取得表示手段により前記追跡情報が取得されたことに基づいて前記画像データを削除することを特徴とする請求項1に記載の読取り装置。
【請求項3】
前記削除手段は、前記取得表示手段により前記追跡情報が取得されるまで前記画像データを削除するのを待機することを特徴とする請求項2に記載の読取り装置。
【請求項4】
前記画像データに含まれている禁止情報に基づいて前記画像データを削除する第1の削除手段と、
前記取得表示手段により前記追跡情報が取得されたことに基づいて前記画像データを削除する第2の削除手段とを有し、
前記送信手段により前記画像データを送信することがユーザにより指示された場合には、前記第1の削除手段により前記画像データを削除し、
前記取得表示手段により前記追跡情報に基づいた表示をすることがユーザにより指示された場合には、前記第2の削除手段により前記画像データを削除することを特徴とする請求項1に記載の読取り装置。
【請求項5】
前記画像データのユーザによる使用を不可能とする使用不可能化手段をさらに有し、
前記使用不可能化手段は、前記取得表示手段により前記追跡情報が取得されたことに基づいて前記画像データのユーザによる使用を不可能とすることを特徴とする請求項1に記載の読取り装置。
【請求項6】
前記使用不可能化手段は、前記取得表示手段により前記追跡情報が取得されるまで前記画像データのユーザによる使用を不可能とするのを待機することを特徴とする請求項5に記載の読取り装置。
【請求項7】
前記取得表示手段により前記追跡情報に基づいた表示をすることがユーザにより指示された場合には、前記読取手段が読取りを行なう印刷物に禁止情報が含まれていても前記読取手段による読取りを継続し、前記送信手段により前記画像データを送信することがユーザにより指示された場合には、前記読取手段が読取りを行なう印刷物に禁止情報が含まれていると前記読取手段による読取りを中断するよう制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の読取り装置。
【請求項8】
前記読取り装置の動作モードを設定するモード設定手段をさらに有し、
前記取得表示手段は、前記モード設定手段により設定されているモードが情報解析モードまたは放置判定モードである場合に前記追跡情報に基づいた表示をし、前記モード設定手段により設定されているモードが情報解析モードでも放置判定モードでもない場合に前記追跡情報に基づいた表示をしないことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の読取り装置。
【請求項9】
前記読取り装置を使用するユーザの権限を判定するユーザ判定手段と、
前記ユーザ判定手段の判定に基づいて前記モード設定手段によって設定可能な設定可能モードを変更する設定可能モード変更手段とを有し、
前記設定可能モード変更手段は、前記ユーザ判定手段によってユーザの権限が管理者権限であると判定された場合には前記情報解析モードを設定可能モードとし、前記ユーザ判定手段によってユーザの権限が管理者権限であると判定されなかった場合には前記情報解析モードを設定可能モードとしないことを特徴とする請求項8に記載の読取り装置。
【請求項10】
前記印刷物が前記読取り装置で印刷された印刷物かどうかを判定する印刷判定手段と、
前記印刷物が前記取得表示手段で前記追跡情報に基づいた表示をするべき処理対象印刷物であるかどうかを判定する処理対象判定手段とを有し、
前記モード設定手段により設定されているモードが前記情報解析モードである場合に
前記処理対象判定手段は、前記印刷物を処理対象印刷物であると判定し、
前記モード設定手段により設定されているモードが前記放置判定モードである場合に、前記処理対象判定手段は、前記印刷判定手段によって前記印刷物が前記読取り装置で印刷された印刷物であると判定された場合には前記印刷物を処理対象印刷物であると判定し、前記印刷判定手段によって前記印刷物が前記読取り装置で印刷された印刷物ではないと判定された場合には前記印刷物を処理対象印刷物ではないと判定することを特徴とする請求項9に記載の読取り装置。
【請求項11】
前記取得表示手段は、前記印刷物が処理対象印刷物であると判定された場合には前記印刷物の読取りにより得られた画像データに含まれている前記追跡情報に基づいた表示をし、前記印刷物が処理対象印刷物ではないと判定された場合には前記印刷物の読取りにより得られた画像データに含まれている前記追跡情報に基づいた表示をしないことを特徴とする請求項10に記載の読取り装置。
【請求項12】
印刷物を読取る読取工程と、
前記印刷物の読取りにより得られた画像データを外部装置へ送信する送信工程とを有し、
前記印刷物の読取りにより得られた画像データに含まれている禁止情報に基づいて前記送信工程において前記画像データの送信を禁止できる情報処理方法であって、
前記印刷物の読取りにより得られた画像データに前記禁止情報と共に前記印刷物の印刷者を追跡するための追跡情報が含まれている場合に、
当該画像データを前記送信工程において送信させることなく、前記追跡情報を取得し前記追跡情報に基づいた表示をする取得表示工程を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
前記画像データを削除する削除工程をさらに有し、
前記削除工程では、前記取得表示工程において前記追跡情報が取得されたことに基づいて前記画像データを削除することを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記削除工程では、前記取得表示工程において前記追跡情報が取得されるまで前記画像データを削除するのを待機することを特徴とする請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記画像データに含まれている禁止情報に基づいて前記画像データを削除する第1の削除工程と、
前記取得表示工程において前記追跡情報が取得されたことに基づいて前記画像データを削除する第2の削除工程とを有し、
前記送信工程において前記画像データを送信することがユーザにより指示された場合には、前記第1の削除工程において前記画像データを削除し、
前記取得表示工程において前記追跡情報に基づいた表示をすることがユーザにより指示された場合には、前記第2の削除工程において前記画像データを削除することを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記画像データのユーザによる使用を不可能とする使用不可能化工程をさらに有し、
前記使用不可能化工程では、前記取得表示工程において前記追跡情報が取得されたことに基づいて前記画像データのユーザによる使用を不可能とすることを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記使用不可能化工程では、前記取得表示工程において前記追跡情報が取得されるまで前記画像データのユーザによる使用を不可能とするのを待機することを特徴とする請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記取得表示工程において前記追跡情報に基づいた表示をすることがユーザにより指示された場合には、前記読取工程において読取りを行なう印刷物に禁止情報が含まれていても前記読取工程での読取りを継続し、前記送信工程において前記画像データを送信することがユーザにより指示された場合には、前記読取工程において読取りを行なう印刷物に禁止情報が含まれていると前記読取工程での読取りを中断するよう制御する制御工程を有することを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記情報処理方法の動作モードを設定するモード設定工程をさらに有し、
前記取得表示工程では、前記モード設定工程において設定されているモードが情報解析モードまたは放置判定モードである場合に前記追跡情報に基づいた表示をし、前記モード設定工程において設定されているモードが情報解析モードでも放置判定モードでもない場合に前記追跡情報に基づいた表示をしないことを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記情報処理方法を使用するユーザの権限を判定するユーザ判定工程と、
前記ユーザ判定工程の判定に基づいて前記モード設定工程によって設定可能な設定可能モードを変更する設定可能モード変更工程とを有し、
前記設定可能モード変更工程では、前記ユーザ判定工程によってユーザの権限が管理者権限であると判定された場合には前記情報解析モードを設定可能モードとし、前記ユーザ判定工程によってユーザの権限が管理者権限であると判定されなかった場合には前記情報解析モードを設定可能モードとしないことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記印刷物が前記情報処理方法で印刷された印刷物かどうかを判定する印刷判定工程と、
前記印刷物が前記取得表示工程で前記追跡情報に基づいた表示をするべき処理対象印刷物であるかどうかを判定する処理対象判定工程とを有し、
前記モード設定工程において設定されているモードが前記情報解析モードである場合に
前記処理対象判定工程では、前記印刷物を処理対象印刷物であると判定し、
前記モード設定工程において設定されているモードが前記放置判定モードである場合に、前記処理対象判定工程では、前記印刷判定工程によって前記印刷物が前記情報処理方法で印刷された印刷物であると判定された場合には前記印刷物を処理対象印刷物であると判定し、前記印刷判定工程によって前記印刷物が前記情報処理方法で印刷された印刷物ではないと判定された場合には前記印刷物を処理対象印刷物ではないと判定することを特徴とする請求項20に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記取得表示工程では、前記印刷物が処理対象印刷物であると判定された場合には前記印刷物の読取りにより得られた画像データに含まれている前記追跡情報に基づいた表示をし、前記印刷物が処理対象印刷物ではないと判定された場合には前記印刷物の読取りにより得られた画像データに含まれている前記追跡情報に基づいた表示をしないことを特徴とする請求項21に記載の情報処理方法。
【請求項23】
請求項12乃至22のいずれか1項に記載の情報処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項24】
請求項23記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項25】
禁止情報に基づいて画像データの送信を禁止することが可能な読取り装置であって、
印刷物を読取る読取手段と、
前記読取手段での読取りにより得られた画像データから禁止情報を取得する取得手段とを有し、
前記読取手段は、読取速度の異なる少なくとも2つの読取方法を備えており、前記印刷物が両面印刷されている場合に前記取得手段による禁止情報の取得機能に応じて前記読取方法を切り替えることを特徴とする読取り装置。
【請求項26】
前記読取手段は、前記取得手段が複数存在する場合には、前記読取方法のうち読取速度の速い読取方法を用いて前記印刷物の読取りを行い、前記取得手段が1つ存在する場合には、前記読取方法のうち読取速度の遅い読取方法を用いて前記印刷物を読取ることを特徴とする請求項25に記載の読取り装置。
【請求項27】
前記読取手段は、前記取得手段による前記禁止情報の取得にかかる処理時間が予め定められた閾値以下である場合には、前記読取方法のうち読取速度の速い読取方法を用いて前記印刷物の読取りを行い、前記取得手段による前記禁止情報の取得にかかる処理時間が予め定められた閾値より大きい場合には、前記読取方法のうち読取速度の遅い読取方法を用いて前記印刷物を読取ることを特徴とする請求項25に記載の読取り装置。
【請求項28】
前記読取手段は、複数の読取部を用いて前記印刷物を読取る読取方法と、1つの読取部を用いて前記印刷物を読取る読取方法とを備えることを特徴とする請求項25に記載の読取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−63079(P2010−63079A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41002(P2009−41002)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】