説明

調光回路用の誘導負荷センサ

照明制御回路は、電気用アウトレットが提供される調光回路を備える。誘導負荷検出回路は、電気用アウトレットにおける誘導負荷の存在を識別するために提供される。誘導負荷が検出されると、電気用アウトレットに向かう電力の減衰はフルパワーが前記負荷へのダメージを防ぐように伝搬されるように停止される。誘導負荷検出回路は、電圧スパイクの検出によって誘導負荷の存在を識別する。一具現化例にあって、低電圧にて高いインピーダンスを有するが、高い電圧にて全体的に導電性である、ダイオードは、この制御を実現するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、誘導負荷の存在を検出するための誘導負荷センサ及び電圧スパイクを検知するセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
照明の制御を提供するための電気的なシステムが周知である。スイッチは、オン及びオフ位置の間で照明を動作させるため一般的に設けられる。ひとつの周知のスイッチは、調光スイッチである。調光スイッチは、無限数のレベルにわたって灯りの強度を変えるために動作する。このため、照明される空間の使用者は、所望のレベルに灯りを調整することができる。
【0003】
調光スイッチは、いくつかのアプリケーションにて電気的出力に接続されている。一例として、建設業者は、ときとして、部屋内に調光可能な光を提供する方法として、ランプが差し込まれるところの調光可能な差し込み口(アウトレット)を提供する。これは、個別の光回路及びスイッチを提供するよりも廉価である。このため、調光スイッチによって制御される電気用アウトレットが知られている。
【0004】
そのような電気用アウトレットの一つの課題は、ユーザが照明のために電気用アウトレットのみを使用するだろうことを保証する手段がなかったことである。一例にあって、ユーザは、掃除機、ヘアドライアなどの任意の他の負荷をプラグインするかもしれない。
【0005】
これらの負荷が誘導的であるとき、負荷に伝達される電力は「減衰される(或いは弱められる)」又は低くされるのかという関心事がある。このため、調光スイッチに接続される電気用アウトレットにて誘導負荷の存在を検出するためのセンサを提供するための従来の照明制御回路が知られている。従来の技術にあって、誘導負荷の存在は、位相差を調べることによって検出された。位相差を調べることによって誘導負荷を識別するためのシステムは、比較的に複雑で高価である。
【発明の概要】
【0006】
本発明の開示された具現化例にあって、調光回路用の誘導負荷センサは電圧スパイクによる誘導負荷の存在を特定する。もし、誘導負荷が検出されると、スイッチがターンオンされるときに、誘導負荷に供給される電力がフル「オン」とされるように、或いはスイッチがターンオフされるときに、フル「オフ」とされるように、センサは負荷の減衰を停止する。この開示にあって、負荷に供給される電圧は、負荷に並列なライン上にも配置される。この並列の経路は、高いインピーダンスを低電圧で持つが、高電圧では導電性となる。このように、低電圧で、電力は負荷に流れる。いったん電圧制限に達すると、並行の経路は、有効な導電性経路となる。
【0007】
電圧スパイクが発生すると、この経路のための制限が見られ、その経路は導電性となる。この点にあって、この経路の信号回路ダウンストリームは、誘導負荷が感知される信号を伝達するだろう。この信号は、調光回路がこれ以上電力を減衰しないように調光回路をターンするように使用されるが、調光回路をフルオン又はフルオフにする。
【0008】
開示された具現化例にあって、経路にはインピーダンス/導電性特徴を実現するために少なくとも一つのダイオードが提供される。これは、双方向性ツェナーダイオード(過度電圧抑制器、又はTVS)である。二つのTVSが一つの具現化例にあり、一つは低電圧制限を、また他は十分高い電圧制限を有する。低電圧制限付きTVSは信号回路の一部であり、両方の合計制限が見られると、低電圧TVSからの電圧は、調光回路をフルオン又はフルオフに動かすように信号を生成するため、信号回路を介してダウンストリームを通過させる。
【0009】
本発明のこれらの及び他の特徴は、以下の明細書及び図面から明確に理解され、以下の説明は簡潔に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】全体的な電力制御システムのブロック図である。
【図2】本発明を構成する調光回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1はビルディング用の照明制御回路20を示す。図に示されるように、複数の調光スイッチ22A,22B等は、無線接続を通してマルチチャンネル受信機24と通信する。この受信機は、Enoceanが利用可能であり、例えば、製造番号RCM130Cが利用可能である。無線受信機及び無線スイッチの使用は、本発明上で制限されるものではなく、システムの一つの可能な一タイプとしてのみ言及される。
【0012】
受信機24は、マイクロコントローラ26と通信し、順番に調光回路28と通信する。調光回路28は、いくつかの照明30A、30B等の強度を制御する。図に示されるように、調光回路28内には、負荷保護部46がある。上述のように、この負荷保護部の一つの目的は、誘導負荷が回路に接続されたときの負荷へのダメージを防ぐことである。
【0013】
調光回路28の一つの具現化例を、図2に示す。図に示すように、マイクロコントローラ28は、ボックス40に入力されるパルス幅変調制御信号を生成する。この信号は、後に、調光部(ボックス42)、及び一対のMOSFET(ボックス44)によって提供される反転位相制御と接続する。ボックス40、42及び44内の回路要素は、任意の調光回路によって置き換えられるかもしれない。しかし、一具体例にあって、それらは図2に示され、さらに「電力を制御するための調光回路」という名称の、本出願の共同発明者の一人である、Jian Xuが発明者とされる、2007年、3月13日に出願された共に係属中のシリアル番号11/684834のついた親出願に開示されている。
【0014】
この調光回路の出力47は、負荷30に向かって伝搬される。図に示されるように、負荷30は、電気用アウトレット31の端子に差し込まれる。
【0015】
一対のダイオード50及び52は、ライン80上で電気用アウトレット31に並列に配置される。電気用アウトレットの一つの端子は、周知のように48にてニュートラルに接続される。TVS50は、好ましくは低電圧制限が見られるまで、高インピーダンスを有する。低電圧制限は、しかしながら、5ボルトオーダであり、任意の他の電圧が使用される。TVS52は、例えば、数100ボルトオーダ上にて、十分に高い電圧制限になるまで、高インピーダンスを有する。この発明では、具体的な電圧が制限されるものではないが、一具体例にあっては、120ボルトAC電力用の200ボルトの領域内である。
【0016】
負荷30からバックアップストリームを受ける電圧スパイクがない限り、出力47を介して向けられる電力の減衰は通常に起きるかもしれない。
【0017】
ライン80は、効率的に電力をクランプする。掃除機のモータのような誘導負荷が電気用アウトレット30に差し込まれと、負荷が「弱い」とき、電圧スパイクを形成するEMFパルスが戻るであろう。
【0018】
電圧スパイクがTVS50、及びTVS52の電圧制限の合計を超えると、TVS50の電圧値は信号回路に入り、さらに光カプラー54及び抵抗63を介して下流に供給される。コンデンサ56及び抵抗58の目的は、ローパスフィルタを提供することである。抵抗63、抵抗58及びコンデンサ56は、時間コンスタント制御を出力にわたって出力インディケータライン60に共に提供する。抵抗61は、電流を制限するために設けられる。
【0019】
TVSダイオード50からの電圧は、抵抗63に接続され、ライン60上で信号を形成する。
【0020】
ボックス40内に具体例として示すように、ライン60は抵抗65及び67の接続点に接続される。これは、しかし、信号が出力ライン60に供給されるときにフル電力が出力47に伝達されるように調光回路をターンオフするための方法の一つである。弱められるを止めるためのライン60上の信号を用いる任意の方法が用いられる。
【0021】
特に、図2は、正の電圧スパイクを検出する回路を開示している。負荷31は負及び正のスパイクを生成することができる。類似の機能を伴う回路設計は負のスパイクを検出するため、或いは正及び負のスパイクの両方を検出するために設計される。図2の回路にあって、ダイオード100は、負のスパイクの流れを阻止する。ダイオード100及びフォトダイオード54の方向を反転することにより、回路は正のスパイクよりも負のスパイクを検出するために変更される。最も誘導性の負荷が正及び負のスパイクの両方を作り出すと予測され、このため一つ又は他の検出で十分である。
【0022】
本発明は電気用アウトレットに取り付けられる誘導負荷センサを開示するが、他の負荷へのハードワイヤード結合も、本発明から利益を得ることを理解すべきである。さらに、本発明は、一般的にAC電力の下に動作する、ビルディングの照明システムにて開示されているが、本発明はDC電力で動作することも理解するべきである。最終的に、本発明の誘導負荷検出は、調光回路のほかのアプリケーションにも適用可能である。
【0023】
ダイオードの特定のタイプが要素50及び52のために開示されたが、電圧制限が処理されるまで電圧上昇をクランプするいかなるものでも使用できる。他の部品の具体例は、MOV(金属酸化物バリスタ)のようなバリスタを備える。
【0024】
本発明の好ましい具現化例が開示されたが、当業者は、適当な回路が本発明の範囲内で形成されることを考慮できる。その理由により、以下の請求項は、本発明の真の範囲及び内容を判断するために研究されるかもしれない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧スパイクを識別することにより電気的出力における誘導負荷の存在を検出し、誘導負荷を検出すると信号を送信する誘導負荷検出器を備える回路。
【請求項2】
前記誘導負荷検出器は、電気的出力を減衰する能力を提供するための調光回路の一部であり、前記信号は前記調光回路に電気的出力の減衰を停止させる請求項1記載の回路。
【請求項3】
ラインが電気的出力に並列に提供され、さらにラインは電圧制限を下回る、高インピーダンスを有し、さらにラインは前記電圧制限を上回ってより導電性である、請求項2記載の回路。
【請求項4】
前記要素はダイオードである、請求項3記載の回路。
【請求項5】
二つのダイオードが前記ライン上に取り付けられる、請求項4記載の回路。
【請求項6】
前記二つのダイオードの第1のダイオードは第2のダイオードより高い電圧制限を有する、請求項5記載の回路。
【請求項7】
前記第2のダイオードは、前記ダイオードの両方の合計電圧限度が超えられると、電圧を下流方向の信号回路に供給する、請求項6記載の回路。
【請求項8】
前記二つのダイオードは、双方向ツェナーダイオードである、請求項5記載の回路。
【請求項9】
前記電気的出力は電気用アウトレットである、請求項2記載の回路。
【請求項10】
前記調光回路はAC電力により動作する、請求項2記載の回路。
【請求項11】
照明回路を操作するための方法であって、
調光回路を提供するステップ及び電気用アウトレットに供給される電力を減衰するステップと、
誘導負荷が検出されたときに電圧スパイクを検出し、及び電力を減衰することを停止することによって電気用アウトレットを誘導負荷の存在を検出するステップと
を備える方法。
【請求項12】
ラインが電気的出力に並列に提供され、さらにラインは電圧制限を下回る、高インピーダンスを有し、さらにラインは前記電圧制限を上回ってより導電性である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
ユーザ制御信号を制御部に向けるための複数の入力要素と、
調光回路と接続する前記制御部と、
前記ユーザ制御信号による弱められるための要求に基づいて電気的出力を弱めるための能力を提供する前記調光回路と、
電圧スパイクを識別することにより電気的負荷での誘導負荷の存在を検出する誘導負荷検出器であり、誘導負荷が検出されると信号が送信され、前記信号は電気的出力を減衰することを止めるための調光回路を起動する
照明制御回路。
【請求項14】
電気的出力は電気用アウトレットである、請求項13記載の照明制御回路。
【請求項15】
ラインが電気的出力に並列に提供され、さらにラインは電圧制限を下回る、高インピーダンスを有し、さらにラインは前記電圧制限を上回ってより導電性である、請求項14記載の照明制御回路。
【請求項16】
前記電気的出力は電気用アウトレットである、請求項15記載の照明制御回路。
【請求項17】
二つのダイオードが前記ライン上に直列に取り付けられる、請求項16記載の照明制御回路。
【請求項18】
前記二つのダイオードの第1のダイオードは第2のダイオードより高い電圧制限を有する、請求項17記載の照明制御回路。
【請求項19】
前記第2のダイオードは、前記ダイオードの両方の合計電圧限度が超えられると、電圧を下流方向の信号回路に供給する、請求項18記載の照明制御回路。
【請求項20】
前記二つのダイオードは、双方向ツェナーダイオードである、請求項18記載の照明制御回路。
【請求項21】
前記複数の入力要素は無線信号を受信器に供給し、前記受信器は前記制御器と通信する、請求項13記載の照明制御回路。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−524176(P2010−524176A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502169(P2010−502169)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/055765
【国際公開番号】WO2008/124225
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(503322205)マスコ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】