説明

調整装置および当該調整装置を備えたバルブ装置

ここに開示されているのは装置、例えばガスタービンバルブまたは蒸気タービンバルブまたはプロセス流体を制御する一般的なプロセスアーマチュア用の調整装置であり、この調整装置は、電気的な調整駆動部と、アクチュエータを用いて障害時に上記の装置をリセットする非常操作装置とを有する。この非常操作装置は、エネルギ蓄積器を有しており、これに蓄えられたエネルギは上記のアクチュエータをリセットするのに利用される。本発明では上記のエネルギ蓄積器にピストンが対応付けられており、このピストンには、圧力室における圧力が加えられて上記のエネルギ蓄積器にエネルギが蓄えられる。この圧力室は、切換バルブを介してタンクまたは類似のものに接続可能であるため、ピストンは、エネルギを放出するエネルギ蓄積器によって動かされる。上記のピストンは、調整駆動部のアクチュエータと協調動作して、この調整駆動部をリセット方向に動かす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載された調整装置およびこのような調整装置を備えたバルブ装置に関する。
【0002】
EP 1 413 810 A1には、タービンへのガスまたは蒸気の供給を制御するためのタービンバルブ用、または液体を制御するためのプロセスアーマチュア用、または風車のピッチ調整部用など冒頭に述べた形式の調整装置が記載されている。このような調整装置はふつう調整駆動部を有しており、この調整駆動部は、EP 1 413 810 A1の対象とするところでは電気スピンドル駆動部として実施されている。ガスタービンでは、上記のような調整装置により、例えば燃料供給ないしガス供給を調整するためのアーマチュアの開口部断面積を調整することができる。非常時、例えば停電または障害時には上記のアーマチュア(または風車の場合にはピッチ角)をリセットして、設備の損傷を回避すべきである。このため、公知の解決手段では上記のスピンドル駆動部に屈曲クランク機構が対応付けられており、これは、通常動作時、すなわち十分に電力が供給されている場合には伸びた状態でロックされており、この伸びた状態においてプリテンションばねにテンションが加えられる。この屈曲クランクは、(ガスタービンの場合)アーマチュアのバルブ本体に作用するか、風車の場合にはピッチ角を調整する調整機構に作用する。上記の屈曲クランク機構のロックは、電力供給が十分である場合にのみ行われる。すなわち、停電時には上記のロック機構は、屈曲クランクを自由にするため、この屈曲クランク装置は、プリテンションばねを介して伸びた位置から屈曲した位置に動かされ、またその調整ストロークに相応してバルブエレメントないしはピッチ角調整機構が、あらかじめ定められたその原位置に戻されるのである。
【0003】
この解決手段において不利であるのは、上記の屈曲クランク機構が、極めて大きな取り付けスペースを要し、さらに構造が比較的複雑であるため、設置技術的にコストがかかることである。
【0004】
これに対して本発明が課題とするのは、調整装置を提供することであり、この調整装置により、高い動作安全性でまた設置技術的に少ないコストで非常操作を可能にすることがある。バルブ装置、殊にタービンへの蒸気またはガス供給を調整するためのバルブにおいて、または一般的にプロセス流体を調整するためのプロセスアーマチュアにおいてこのような調整装置を使用できるようにする。
【0005】
上記の課題は、請求項1に記載した特徴的構成を有する調整装置と、請求項32に記載した特徴的構成を有するバルブ装置によって解決される。
【0006】
本発明では調整駆動部を有する調整装置を実施し、ここではこの調整駆動部により、アクチュエータを用いてバルブを操作し、または別の装置、例えば風車のピッチ角に対する位置調節装置を操作する。この調整駆動部には、非常操作装置が割り当てられており、障害時にはこの非常操作装置を介して調整駆動部の駆動制御とは実質的に無関係に上記のアクチュエータをリセットすることができる。上記の非常操作装置は、エネルギ蓄積器を有しており、これに蓄えられたエネルギは、リセットのために放出可能である。本発明では上記の非常操作装置は、ピストンを有しており、このピストンには一方では上記のエネルギ蓄積器によって、また他方では圧力室における圧力によって力が加えられる。この圧力室は、切換バルブを介してタンクまたは類似のものに接続可能であり、これによって上記のエネルギ蓄積器に蓄えられたエネルギが放出される。ここでは上記のピストンはつぎのように構成されている。すなわち、このピストンにより、圧力室の負荷が除かれた際に上記のアクチュエータがリセット方向に動かされるように構成されているのである。
【0007】
したがってこの解決手段において、ハイドロリック式に上記のエネルギ蓄積器にプリテンションを加えるかまたはこれをロックし、また上記の切換バルブを切り換えることによって上記のエネルギ蓄積器をアクティブ化することができ、これによって上記の調整駆動部をリセットする。
【0008】
調整駆動部の損傷およびこの調整駆動部によって位置調整されるコンポーネントの損傷を回避するため、殊に連行部を介して上記のアクチュエータに結合されるキャッチ装置または減衰装置を設ける。
【0009】
上記のキャッチ装置または減衰装置は、アクチュエータと機械的に結合されたダブルロッドシリンダまたは差動シリンダを有することが可能である。
【0010】
1実施例ではこのダブルロッドシリンダまたは差動シリンダは、アクチュエータが運動する際に縮小する圧力室によって実施されており、この圧力室は、減衰スロットルまたはスロットルギャップを介し、相応に拡大する別の圧力室に接続されている。
【0011】
本発明の1実施例では上記の減衰装置は、キャッチシリンダを有している。このキャッチシリンダは、上記の切換バルブとタンクとの間の圧力媒体流路に配置されており、閉じる方向にばねによってプリテンションが加えられたキャッチピストンを有しており、キャッチシリンダには切換バルブの下流の圧力が開く方向に加えられており、さらにあらかじめ定めたストロークの後、タンクに至るスロットル断面が開かれる。上記のキャッチピストンは、ピストンのエンドポジション領域において上記のアクチュエータにより、閉じる方向に動かされる。
【0012】
殊に有利な実施例では上記のキャッチシリンダのキャッチピストンは、アクチュエータ、すなわちここではスピンドル駆動部の連行部であると共に移動する。キャッチピストンがあらかじめ定めたストロークを行った後、スロットル断面が閉じられるため、アクチュエータの運動が相応に制動される。この際にキャッチシリンダの小さくなる方の圧力室は、タンク管路およびこれに配置されたタンクバルブを介してタンクに接続される。非常操作時に大きくなるキャッチシリンダの圧力室も同様に上記のタンクおよび/または小さくなる別の圧力室に接続される。
【0013】
この実施例の1変形実施形態では、上記の切換バルブは3/2ウェイバルブとして構成されており、このバルブは、そのばねによってプリテンションが加えられた原位置において、操作シリンダの圧力室からタンクに至る圧力媒体流路を開き、またその切換位置においてこれを遮断する。
【0014】
択一的な解決手段では、上記の減衰装置は、ムービングコイルによって実施されており、このコイルは、上記のアクチュエータと連動して、ファイナルポジション領域においてピストン運動に抗する力を誘導する。
【0015】
この減衰スロットルは、例えばスロットルチェックバルブとしてまた調整可能に実施することが可能である。
【0016】
上記の減衰スロットルまたはスロットルギャップに切換バルブを並列に接続することも可能であり、この切換バルブは、減衰のために電気的またはハイドロックに閉位置に調整される。
【0017】
上記の切換バルブおよびスイッチバルブは、1つの構造ユニットを構成することができ、このユニットは、例えば3/2ウェイ切換バルブとして実施される。
【0018】
択一的な1解決手段では、上記の減衰装置は、上記のアクチュエータと連動する流体減衰器によって実施されており、この減衰器により、上記のアクチュエータの運動に起因して磁場に沿って電気流体または磁性流体が案内される。
【0019】
この磁場は、有利には永久磁石を介して構成されており、ここでこの永久磁石は、調整装置の通常動作時、すなわち十分に給電されている場合には対抗する場によって中和される。
【0020】
しかしながら基本的にはこの磁場を非常時にのみ無停電電圧供給部(USV unterbrechungsfreie Spannungsversorgug)によって形成することも可能である。しかしながらこのような解決手段は、非常動作に対する安全規定を必ずしも満足しない。
【0021】
上記のピストンがアクチュエータにぶつかる際の調整装置の損傷を回避するため、衝突ばねを設けることができ、この衝突ばねはアクチュエータにぶつかる際にテンションが加えられる。この衝突ばねは、火花を阻止する当接面を有することができる。
【0022】
上記の減衰装置に加え、上記のピストンと慣用のファイナルポジション減衰部を有することが可能である。
【0023】
上記のエネルギ蓄積器にハイドロリックでエネルギを蓄えるため、補助ポンプを設けることができ、この補助ポンプを介し、上述の圧力室に十分な圧力を形成することが可能である。このポンプは、上記のキャッチ装置によって構成することも可能である。
【0024】
過大な圧力に対して上記のハイドロックコンポーネントを保護するため、上記のキャッチシリンダと切換バルブとの間の圧力媒体流路に圧力制限バルブを設けることができる。
【0025】
1実施例では、上記のキャッチシリンダの上流にある圧力媒体流路の部分にバイパス管路が設けられており、このバイパス管路を介して上記のタンクへの接続を形成することができ、またこのバイパス管路にはタンクに向かって開くチェックバルブが設けられている。このチェックバルブの開弁圧は、上記のキャッチバルブを開くのに必要な圧力よりも高い。すなわち、上記のキャッチバルブはその減衰機能を満たしている場合には閉じられたままであり、またこのキャッチバルブを動かすのに必要な圧力を大きく上回った場合にはじめて開くのである。
【0026】
上記のピストン速度を制限するため、圧力室とタンクとの間の圧力媒体流路に流れ制御バルブ(スロットル、絞り)が設けられ、この流れ制御バルブは有利には調整可能に実施される。
【0027】
殊に簡単に実施される実施例では、上記の調整駆動部はスピンドル駆動部として実施される。しかしながら基本的には空気式またはハイドロリック式の調整駆動部も使用可能である。
【0028】
上記のリセットを行うエネルギ蓄積器は、機械的な蓄積器、例えばばね蓄積器、圧縮した流体またはガスおよび/またはエラストマとすることが可能である。
【0029】
殊にコンパクトな解決手段では上記の調整装置のすべての重要な構成エレメントを1駆動ユニットにまとめる。
【0030】
この際に上記の調整駆動部、エネルギ蓄積器および圧力室は、上記の調整装置の調整軸の周りに共軸に配置することができる。
【0031】
上記の調整装置は、閉じられたシステム、殊にプリテンションが加えられたハイドロリック式のシステムを有することができ、このシステムには、圧力室および/またはキャッチ装置ないしは減衰装置が含まれている。
【0032】
この構造は、上記のキャッチ装置ないしは減衰装置が、圧力室を充填するポンプシリンダとして構成することができる(内部ポンプ)場合には殊に有利である。
【0033】
上記の調整装置の動作確実性は、上記のアクチュエータの位置が、1つまたは複数の距離測定システムにより、殊に線形距離測定システムによって検出される場合にはさらに改善される。
【0034】
本発明の1変形実施例では、ケーシング外周面内の温度をあらかじめ定めた温度範囲に維持する手段が設けられている。
【0035】
本発明の1実施例では、上記のキャッチ装置または減衰装置を固定することができかつ非常操作装置によって過剰な負荷を加えることのできる手段が設けられている。
【0036】
上記の調整装置は、非常操作装置の機能テストを通常動作時に実行することができるように実施することができる。この手段は、例えばスイッチを有することができ、このスイッチによってピストンのリセット運動の開始が検出される。
【0037】
ガスタービンまたは蒸気タービンの動作確実性を高めるため、上で説明した調整装置を有する2つのバルブを直列に接続することができる。
【0038】
本発明のその他の有利な発展形態は、別の従属請求項に記載されている。
【0039】
本発明の有利な実施例を以下、概略図面に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】通常機能時における本発明によるガスタービンバルブ用調整装置の機能概略図である。
【図2】非常機能時における上記の調整装置を示す図である。
【図3】図1および2に示した調整装置のハイドリック構成図である。
【図4】図3の調整装置の3次元図である。
【図5】ムービングコイルを有する調整装置の1変形実施例を示す図である。
【図6】キャッチシリンダおよびスロットルチェックバルブを有する調整装置の別の実施例を示す図である。
【図7】チェックバルブの代わりに切換バルブを有する図6の実施例の1変形実施例を示す図である。
【図8】エネルギ蓄積器にエネルギを蓄える補助ポンプを有する1変形実施例を示す図である。
【図9】電気流体または磁性流体式に作用する減衰器を有する調整装置の1実施例を示す図である。
【図10】電気非常操作部を有する調整装置を示す図である。
【図11】動作確実性を高めたガスタービン用の制御コンセプトを示す図である。
【図12】共に動くキャッチ装置を有する実施例を示す図である。
【0041】
図1には、ガスまたは蒸気タービンまたはプロセスアーマチュアを操作するための本発明による調整装置1の機能図が示されており、これを介して上記の体積流を調整することができる。この調整装置1は、スピンドルモータ4を備えたスピンドル駆動部2を有しており、このスピンドルモータよってねじスピンドル6が駆動され、このねじスピンドルそのものは、スピンドルナット8と噛み合っている。図示の実施例ではスピンドル6は回転可能にフレーム10に支持されている。ナット8は固定されていて回転しないが、スピンドル6において軸方向に移動できるようにガイドされるため、スピンドル6が回転運動した際にはナット8は直線的に送られる。
【0042】
このスピンドルの直線運動はブラケット12に伝達され、このブラケットを介してタービンバルブ(アーマチュア)が動かすことができる。ねじ付きスピンドル6ないしはブラケット12にはさらに、図1において半径方向に突き出た連行部14が支持されており、このキャッチはナット8およびブラケット12に相応して直線的に動かされる。
【0043】
したがって以下にさらに詳しく説明する調整を行うことによってスピンドルモータ4を駆動制御することにより、ナット8の動きに依存して上記のタービンバルブを調整することができる。このタービンバルブが開かれて所定の蒸気/ガス体積流が調整されている場合、停電または設備側の障害が発生すると、このタービンバルブが開いたままになるため、タービンの機能はもはや制御できなくなってしまう。このような非常事態に対して非常操作装置16が設けられており、この装置によってブラケット12を、ガスタービンバルブが閉じられる原位置に戻すことができる。図1に示した解決手段の場合、この原位置への戻しは機械式に行われ、非常動作を行うために構成エレメントを電気的に操作する必要はない。非常操作装置16は実質的にエネルギ蓄積器から構成され、この実施例の場合にはピストン20によってプリテンションが加えられるばね蓄積器17から構成される。ピストン20により、操作シリンダ24の圧力室22が区切られている。ピストン20のピストンロッド26はこの圧力室を貫いており、このピストンロッドは、操作シリンダ24から突き出ており、またその突出した端部区分に衝突ばね28が配置されている。
【0044】
圧力室22は、電気的に操作される切換バルブ32に管路30を介して接続されており、この切換バルブはポペットバルブとして実施されている。この切換バルブは、プリテンションばね34を介してその開位置にプリテンションが加えられており、スイッチ磁石36を通電することによってその閉位置になる。切換バルブ32の出力側には逃がし管路38が接続されており、この管路には、切換バルブ32を介する圧力媒体体積流を調整するための流れバルブ40が設けられている。流れバルブ40は、可変の断面を備えているが、一定の断面で構成することも可能である(オリフィスまたはスロットル)。
【0045】
この逃がし管路38はキャッチシリンダ42の入力側に続いている。このキャッチシリンダは、図示の実施例において差動シリンダとして実施されており、キャッチピストン44のキャップ側には逃がし管路38における圧力が加わっている。図示の原位置ではキャッチピストン44は、ばね46によってプリテンションが加えられて原位置にあり、この原位置においてキャップ側のシリンダ室48は最小である。シリンダ室48と流れバルブ40との間の圧力媒体流路にはチェックバルブ50が設けられており、このバルブは、シリンダ室48から切換バルブ32の方に圧力媒体が逆流するのを阻止する。流れバルブ40とチェックバルブ50との間の領域において逃がし線路38からバイパス管路52が分岐しており、このバイパス管路はタンク管路54に通じている。バイパス管路52には、プリテンションが加えられたチェックバルブ56が設けられており、このチェックバルブは、その閉鎖力を上回った場合にタンク管路54へ至る圧力媒体接続を開く。
【0046】
さらにシリンダ室48は圧力制限バルブ58を介してタンク管路54に接続されているため、圧力制限バルブ58により、シリンダ室48における最大圧力が制限され、ひいては逃がし管路38における最大圧力も制限される。
【0047】
キャッチピストン44は、あらかじめ定めたストロークをした後、スロットルギャップ60を開き、このスロットルギャップは、排出管路62を介してタンクTに続くタンク管路54に接続されている。
【0048】
流れ制御バルブ40と、ウェイバルブ32との間の管路区分は、テンション管路64によってタンク管路54に接続されている。テンション管路64には、チェックバルブとして実施されたテンションバルブ66が配置されている。このテンションバルブは、タンクから圧力室22の方に向かう圧力媒体流を可能にし、ばね蓄積器18に力を蓄える。
【0049】
通常動作時において、ガスタービンバルブの調整は、電気スピンドルモータ4の駆動制御を介するスピンドル駆動制御部2だけで行われる。この際には切換バルブ32の切換磁石36は通電状態にあるため、この切換バルブは、漏れのない切換位置に調整されている。ばね蓄積器18にはエネルギが蓄えられる。それは、プリテンションが加わった位置にばね蓄積器18を維持するのに十分な圧力が圧力室22に加えられるからである。ここで上記の圧力媒体は、切換バルブ32を介して固定される。キャッチシリンダ42は、図示した原位置にあり、この原位置ではシリンダ室48は最小であり、またスロットルギャップ60に至る圧力媒体接続も閉じられている。
【0050】
操作シリンダ24は、公知のようにファイナルポジション減衰部によって実施されており、ピストンロッド26を半径方向に拡げた減衰区分68は、操作シリンダ24の減衰輪形隙間72に押し込まれるため、圧力媒体は、スロットルギャップを介して減衰輪形隙間72に押し出され、ひいてはピストン運動がファイナルポジションの領域において減衰される。この減衰は、付加的にさらにキャッチシリンダ42によってサポートされる。
【0051】
停電時または障害時にスピンドル駆動制御部2は不定状態になる。したがってこのような非常時に操作磁石36は無通電状態に切り換えられるため、切換バルブ32は、プリテンションばね34によってその開位置に調整される。これによって圧力媒体は、圧力室22から出て、開かれた切換バルブ32およびチェックバルブ50を介してシリンダ室48に流れることができるため、シリンダ室48には、チェックバルブ56によって設定された圧力が調整される。ここでピストン44は、ロットルギャップ60が開かれるまで、ばね46の力に抗して図示の原位置から出発して軸方向に移動して、圧力媒体は圧力室22から、開いた切換バルブ32と、流れ制御器40と、チェックバルブ50、シリンダ室48と、スロットルギャップ60と、排出管62とを介してタンクTに流れることができるため、圧力室22おける圧力が減衰する。ピストン20は、ばね蓄積器18の力によって動かされるため、圧力媒体は、圧力室22から押し出され、1ストロークの後、衝突ばね28は連行部14にぶつかる(図2を参照されたい)。シリンダ室48における圧力が、プリテンションが加えられたチェックバルブ56の閉鎖力を上回る場合、このチェックバルブが開くため、圧力媒体体積流の一部は、直接タンクTに向かって流れ、キャッチピストン44は、図2に示したその位置にとどまり、この位置においてスロットルギャップ60が開かれる。
【0052】
ばね蓄積器18の力は、はじめのうち衝突ばね28の力よりも格段に大きいため、この衝突ばねには力が加わり、最終的に連行部14が連行される。冒頭で説明したように、連行部14は、スピンドル駆動制御部2のナット8に接続されているため、自動ロック式ねじによって実施されていないナット8は相応に軸方向に動かされ、この際にスピンドル6は回転運動する。ピストン20がさらにストローク運動した後、連行部14は、連行部14に向かってキャッチシリンダ42から突き出ているキャッチピストンロッド74にぶつかる。これによってキャッチピストン44は元のようにその原位置の方向に戻され、この際にスロットルギャップ60はゆっくりと閉じられるため、圧力室22からタンクTに向かう圧力媒体体積流は絞られ、またこれに相応してピストン20の運動も減速され、ひいては連行部14の運動も減速されるため、ガスタービンバルブがその閉じ位置に達しまたスピンドル駆動部がそのゼロ位置に戻されるまで、このストローク運動の終わりに向かってスピンドル回転数が低減される。この位置ではスロットルギャップ60は完全に閉じられ、またばね蓄積器18によって必要なばねの力が加えられる。
【0053】
非常操作装置16を起動するための蓄積過程を以下、図3に基づいて説明する。図3には調整装置全体の回路が示されており、この調整装置は、図1および2に基づいて説明した機能原理にしたがって動作する。以下では図1および2には図示しない機能エレメントおよび制御エレメントだけを説明する。その他の点について上記の説明を参照されたい。上で説明したように上記のプロセスバルブまたはガスタービンバルブないしは蒸気タービンバルブ(またはピッチ角調整用の駆動器)の調整は、電気スピンドル駆動部2を介して行われる。ここでこのスピンドルモータは、軸方向に固定されておりかつ回転可能に支持されているスピンドル6と、スピンドルナット8と、ガスタービンバルブまたは蒸気タービンバルブのアーマチュアスピンドルに掴んでこれを閉じる方向または開く方向に調整するブラケット12とを有する(図3の矢印を参照されたい)。スピンドルモータ4の駆動制御は、モータ制御装置76を介して行われる。SPSはフィールドバス接続部79またはアナログインタフェース接続部79を介して制御装置76に接続されている。操作シリンダ24の圧力室22における圧力は、圧力監視部92によって検出され、圧力監視線路94を介して制御装置76に通知される。
【0054】
スピンドルモータ4の電力供給は、上記の制御装置76に接続されている給電線路80を介して行われる。モータフィードバックは、フィードバック信号線路82を介して制御装置76に通知される。さらに監視線路84を介し、ばね蓄積器18に力が蓄えられている(ばねにプリテンションが加えられている)か否かが通知される。
【0055】
図示の実施例では上記の調整装置は、さらに無停電電力供給部USV98を備えており、この無停電電力供給部を介し、非常動作時すなわち停電時にはモータに対する電力供給および制御装置76に対する制御電圧を供給することが可能である。この実施例において調整可能な流れ制御バルブ40の駆動制御は、流れ制御装置102を介して行われる。この流れ制御装置102は、流れ制御線路104を介して流れ制御バルブ40に接続されている。流れ制御装置102そのものは、信号送信線路106を介して制御装置76に接続されている。非常動作時にはUSV98により、制御電圧線路108を介して流れ制御装置102に所要の制御電圧が供給されてスピンドル駆動部2を調整するための圧力媒体体積流が調整される。
【0056】
ばね蓄積器18にエネルギを蓄えるため、すなわち図示の実施例においてばね蓄積器18のスプリングセットにテンションを加えるために切換バルブ32は無通電状態のままになり、これによってこの切換バルブは、プリテンションばね34の力により、その開位置にプリテンションされる。上で説明した非常操作の後、キャッチピストン44はそのキャッチピストンロッド45と共に完全に伸びきった状態になる。その際に連行部14は、キャッチピストンロッド45に固定されたナット110に当たる。それは(上で説明したように)連行部14は、ファイナルポジション位置において、ばねによってプリテンションが加えられたその閉位置にキャッチピストン44を元のように戻しており、スピンドル駆動部2の戻りが減衰されるからである。スピンドルモータ4を相応に駆動制御することにより、スピンドル6は移動し、ひいては連行部14は開位置に移動するため、衝突ばね28は圧縮されてピストン20はOTの方向(図3を参照されたい)に戻るため、ばね蓄積器18にエネルギが蓄えられる。ピストン20をこのように動かすことにより、圧力室22が増大するため、圧力媒体は、タンクTから、チェックバルブ66と、充填管路64と、逃がしバルブ38と、開いた切換バルブ32を介して吸い上げられる。
【0057】
この過程は、制御装置76によってモータ超過温度警報が生成されるかまたはばね蓄積器18はその目標プリテンションになるまで維持される。
【0058】
モータ超過温度の場合、切換バルブ32に通電され、したがって遮断位置に調整されるため、圧力室22の圧力媒体は圧力が加えられたまま固定される。スピンドルモータ4は上記の制御において目下の位置に止まり、ここではねじ付きナット8における軸方向の移動は行われない。制御装置76を介してスピンドルモータ4の巻線温度が監視される。スピンドルモータが冷却した場合、制御装置76によってSPS78に通知が行われて、ウェイバルブ32は元のように無通電状態に切り換えられるため、このウェイバルブは、ばねによってプリテンションされた開位置に戻される。この場合にスピンドルモータ4の駆動制御は、ばね蓄積器18に所望のプリテンションが加えられるまで行われる。これに続いて切換バルブ32に通電することによってばね蓄積器18のロックが行われるため、圧力媒体は圧力室22において固定されて、ピストン20はばね蓄積器18をプリテンション状態に維持する。このことは信号線路84および相応する監視スイッチまたはスイッチグループ111を介して監視されて制御装置76に通知される。
【0059】
冒頭で説明したように通常動作時には切換バルブ32は通電状態のままであり、ここではスピンドル駆動部2を介し、ストローク領域においてあらかじめ定めた各ポジションを駆動制御することができ、蒸気タービンバルブないしはガスタービンバルブまたはプロセスアーマチュアを調整することができる。
【0060】
非常機能時にはSPS(上位の制御部)78により、フィールドバスインタフェースないしはアナログインタフェース(接続部79)を介して、またデジタル入力側90を介して非常事態であることが制御装置76に通知される。さらにSPSおよび駆動制御線路88を介して切換バルブ32が駆動制御される。この場合、制御装置76により、スピンドルモータ4は上記の制御から外される。場合によっては上記のSPSにより、安全リレーが用いられて上記のモータが制御から直接外される。
【0061】
動作中の上記の非常機能をチェックするため、切換バルブ32を一時的に無通電状態に切り換える。この場合、ピストン20は相応してUTの方向(図3)に移動するはずである。必要な場合、スピンドルモータ4を駆動制御して、ピストン運動に抗して連行部14を作用させ、これによってばね蓄積器18に加わる負荷が不必要に除去されないようにする。
【0062】
監視スイッチ111を介してピストン20の(わずかな)運動が検出されるため、非常駆動の機能が識別される。ピストン20が運動していない場合、非常機能は保証されない。この場合にテンション装置は相応に待機しなければならない。
【0063】
上記の非常機能をチェックした後、切換バルブ32には再び通電されてばね蓄積器18はロックされる。これに続いて、ばね蓄積器18がその元々のプリテンション状態に戻されるようにしなければならない。ばね蓄積器18は、内部ポンプ(このためにウェイバルブを適当に切り換えることによって上記のキャッチピストンをポンプとして利用する)または外部ポンプによって、またはスピンドルモータ4を介してプリテンションされる。
【0064】
図4には本発明による調整装置1の具体的な実施例が示されている。ここでは上記の構成エレメントは、実質的に1つの構成ユニットにまとめられている。この3次元の図において、給電線路80に対する端子と、フィードバック信号線路82に対する端子とを有するスピンドルモータ4が識別される。スピンドルモータ4は、軸方向にスピンドルケーシング112に装着されており、このスピンドルケーシングには(図5に基づいて詳しく説明するように)ばね蓄積器18と、操作シリンダ24と、衝突ばね28を有するキャッチシリンダ42とが収容されている。
【0065】
スピンドルケーシング112のフロントフランジ116には半径方向に2/2ウェイバルブとして実施されかつ電気に操作される切換バルブ32に取り付けられており、この切換バルブを介して(すでに説明したように)同様にスピンドルケーシング112に収容されているタンクTへ至る圧力媒体接続を形成することができる。スピンドルモータ4によって駆動制御されるスピンドル6は、スピンドルケーシング112を軸方向に貫通してフロントフランジ116から突き出ている。スピンドル6のこの端部区分は、スピンドルナット8とねじで噛み合っており、このスピンドルナット8の一方には上記のアーマチュアを操作するためのブラケット12が固定されており、また他方にはプレート状の連行部14が固定されている。図示の実施例では、図4においては見えないキャッチピストン44が実施されており、このキャッチピストンは、その外周に分散された4つのピストンロッド45a,45b,45cおよび45d(45dは図4では見えない)を有する。これらのピストンロッドの端部区分にはそれぞれストッパナット110がねじ止めされている。これらのピストンロッド45a,45b,45c,45dはフロントフランジ116を貫通し、また円形プレート状の連行部14も貫通しているため、この連行部は軸方向の1ストローク運動の後、ストッパナット110にぶつかる。
【0066】
フロントフランジ116から軸方向に所定の間隔をおいて、ブラケット12を取り囲む当接リング118が設けられており、この当接リングは、外周に分散された4つの長手方向支柱120を介してフロントフランジ116の隣接するエンドフェースに固定されている。当接リング118の方を向いている連行部14のエンドフェースには、スピンドルナット8に対する回り止めとして、互いに直径上に配置された2つのスライダ122が固定されており、これらのスライダには、1つずつの長手方向支柱がスライド可能に貫通している。さらに図4からわかるように、連行部14の外周は、長手方向支柱120によって決定されるピッチ円内に延びている。さらに当接リング118には共通のピッチ円上にある当接ねじ124がねじ込まれており、これらはスライダ122に対して位置がずらされており、また調整装置1をガスタービンバルブに固定するのに使用されている。
【0067】
スピンドルモータ4は、スピンドルケーシング112のモータフランジ126に装着されており、このモータフランジとフロントフランジ116との間にはケーシング外周面128および通しボルト130が延びている。
【0068】
すでに上で説明したように、図4のスピンドル6の右側の端部区分は、フロントフランジ116を貫通しており、スピンドルナット8を有するそのスピンドルねじと噛み合っている。上記のスピンドルナットそのものは連行部14およびブラケット12に接続されているため、これらの2つのエレメントは協力して、回転しないように支持されたナット8を軸方向に移動させる。この回り止めは、連行部14に接続されているスライダ122を介して行われ、このスライダは、当接リング118を保持する長手方向支柱120に沿って移動可能に案内される。
【0069】
上で説明した実施例において、キャッチシリンダ42は差動シリンダとして実施されている。このキャッチシリンダは、差動シリンダの代わりに(図3の上側に示したように)キャッチピストン44を有するダブルロッドシリンダとして実施することも可能であり、このダブルロッドシリンダは、2つのピストンロッド45a,45bを有する。ここでキャッチピストンロッド45bは、タンク圧力が加わっているばね46用のばね室を貫通する。
【0070】
図5には上で説明した調整装置の1変形実施例が示されており、ここではキャッチ装置として、ハイドロリックに作用するキャッチシリンダ42に代わり、ムービングコイルシステム154が使用されている。このムービングコイルシステムは、連行部14に結合されたムービングコイル156を有しており、このコイルは、USV98によって給電されるムービングコイル制御装置158を介して通電される。ムービングコイル156は、永久磁石160によって形成される磁場内に配置されているため、ムービングコイル156に通電してこの磁場内でムービングコイル156を相応に移動することによって連行部14を調整すれば、連行部14の運動に抗する力が誘導され、この力が、操作装置24のピストン20の伸張運動に抗し、ひいてはこれを制動する。
【0071】
図示したこの実施例では、上記の制御装置のハイドロリック部分が相応に簡略化される。それは、ハイドロリック式キャッチシリンダ42をハイドロリックに組み込む必要がないからである。図5によれば、切換バルブ32の出力側はタンク管路54に接続されており、このタンク管路には圧力室22から排出される圧力媒体体積流を制限するために流れ制御バルブ40が配置されている。流れ制御バルブ40は、圧力室22と切換バルブ32の入力側とを接続する管路30に配置することも可能である。図6の実施例では、流れ制御バルブ40は、調整可能でない絞りまたはスロットルとして実施される。
【0072】
上記の調整装置の通常動作時にはムージングコイル156は無通電状態に切り換えられるため、抗力が誘導されることはない。
【0073】
上記のムービングコイルの機能原理はローレンツ力に基づく。類似の作用は、コイルを短絡することによってまたは往復式ソレノイドを介して実現することも可能である。
【0074】
図6に示した実施例では、ハイドロリック方式の解決手段が示されており、ここではキャッチ装置としてキャッチシリンダ42が使用される。このキャッチシリンダは、図3に示した択一的な実施例に類似して、ダブルロッドシリンダとして実施されている。したがってキャッチピストン44は、同じ大きさの2つのキャッチピストンロッド45a,45bを有しており、図6の下側にあるロッドは、スピンドル駆動部2の連行部14に直接接触している。キャッチピストン44により、キャッチシリンダ42が、同じ断面積を有する2つの圧力室162,164に分割され、これらの圧力室は、スロットル断面166が変化しかつ並列接続されたチェックバルブ168を有するタイプのスロットルチェックバルブを介して互いに接続されている。スロットル断面166は、スロットル制御装置170を介して調整することができる。制御装置176は、接続部106を介してスピンドル駆動部2の目下の位置ないし速度をスロットル制御装置170に通知する。択一的には、スピンドル駆動部2の位置を直接検出する外部の線形な変位センサ(図示せず)を介して目下の位置をスロットル制御装置170に供給することができる。USV98は、停電時にスロットル制御装置170および(外部のセンサおよび/または制御装置176の)測定システムに電圧を供給するために設けられている。この変形実施形態ではキャッチピストン44は実践的には連行部14に固定に接続されている。
【0075】
通常動作時にスロットル断面166は完全に開かれるため、キャッチシリンダ42を介して連行部14に作用する力は無視することができる。非常動作時にスロットル断面166は、スロットル制御装置170を介して低減されるため、圧力媒体体積流は、相応に小さくなった圧力室164から、大きくなった圧力室162に絞られて連行部14も相応に制動される。
【0076】
安全性を高めるため、流れ制御バルブとして作用する変更可能なスロットル断面166に加えて第2のスロットルまたは絞りを直列に前置接続することができる。この絞りは、通常動作時には適当な接続によって迂回され、また故障時にはこの絞りによって上記のスピンドルの最小遅延が保証される。この場合に流れ制御バルブとして作用する変更可能なスロットル断面166は、流れ全体を制御することができる。この場合にスロットル制御装置170により、補充流を制御することができる。
【0077】
同様に図6に示した択一的な解決手段では、少なくとも1つのダブルロッドシリンダの代わりに差動シリンダを使用し、そのキャッチピストン44は、連行部14に接続されているキャッチピストンロッド45によって実施される。キャッチピストン44が運動する際に圧力室164から押し出される圧力媒体体積体は、輪形隙間162の体積変化よりも大きいため、この輪形隙間には圧力媒体調整のための蓄積器172が割り当てられている。
【0078】
図6による解決手段ではタンクTは、図5の変形実施形態の場合と類似して切換バルブ32の出力側に接続されている。
【0079】
図7には、図6に基づいて説明した実施例の1変形実施例が示されており、ここでも同様に連行部14と一緒に動くキャッチ装置が使用される。キャッチシリンダ42はここでもダブルロッドシリンダとして実施されており、2つの圧力室162,164はスロットル断面166によって接続されている。このスロットル断面は、この実施例において変更不可に実施される。スロットル断面166とは並列に、ハイドロリックに操作されるスイッチバルブ174が設けられており、このバルブは、ばねを介して通過位置にプリテンションされる。この通過位置では、スロットル断面166を迂回するバイパス管路176が開くため、スロットル断面166は作用を及ぼさず、ひいてはキャッチピストン44は自由に移動する。スイッチバルブ174は、切換管路178における圧力によって切り換えることができ、この切換管路を介して切換バルブ32の出力側における圧力を取り出すことができる。すなわち、非常時および切換バルブ32が無通電状態に切り換えられる場合、流れ制御バルブ40の流れの上流において圧力が上昇することにより、スイッチバルブ174がその遮断位置に調整されるため、小さくなった圧力室162から排出される圧力媒体は、スロットル断面166を介して、大きくなる圧力室164に流れる。これによって連行部14の運動および操作シリンダ24のピストン20の運動が相応に減衰される。
【0080】
図6に示した実施例の場合と同様に、ダブルロッドシリンダとして実施されたキャッチシリンダ42の代わりに、体積調整のための蓄積器172を有する差動シリンダをすることが可能である。
【0081】
スイッチバルブ174を極めて迅速に切り換えたい場合、上記のハイドロリック式の操作の代わりに、制御装置76または上位のSPS78を介した駆動制御による磁気的な操作を行うことができる。
【0082】
図8には1変形実施例が示されており、ここでは非常操作後の圧力室22の充填は、スピンドル駆動部2を用いた戻しによって行われるのではなく、補助ポンプ180によって行われる。この補助ポンプ180の吸引ライン接続部はタンクTに接続されている。この圧力接続部は、圧力管路を介してウェイバルブとして実施されたポンプバルブ182に接続されている。この圧力管路にはポンプ流れ制御バルブ184を設けることができる。
【0083】
ポンプバルブ182の出力側は、供給管路186を介して、圧力室22に流入する管路30に接続されている。ポンプバルブ182の駆動制御は、ポンプ信号線路188を介して行われ、このポンプ信号線路は、制御装置76または上位のSPS78に接続されている。
【0084】
補助ポンプ180の出力側における圧力は、圧力制限バルブ134を介して制限することが可能である。循環バルブ130によって圧力のかからない循環が可能になり、これによってポンプの始動が保証される。
【0085】
ばね蓄積器18にテンションを加えるため、ポンプ信号線路188を介してポンプバルブ182に通電が行われる。同時にポンプ180が駆動制御されるため、この圧力媒体は、タンクTから吸い出されて、開いたポンプバルブ182と、供給管路186と、管路30とを介して圧力室22に搬送されてばね蓄積器18にエネルギが蓄えられる。
【0086】
この解決手段の利点は、ガスタービンの上記の制御が、非常時機能の検査によって影響を受けないことである。それは、切換バルブ32は、遮断位置に止まっており、ひいてはピストン蓄積器18のロックが上記のようにエネルギを蓄える間に維持されるからである。
【0087】
補助ポンプ180によるばね蓄積器18へのエネルギの蓄積は基本的に、上記のすべての実施例において適用可能である。
【0088】
図9には連行部14と共に動くキャッチ装置の1実施例が示されており、ここでこのキャッチ装置は、電気流体または磁性流体によって実施されている。図示の実施例において、連行部14は、蓄積器189を有する流体減衰器として実施されたキャッチシリンダ42に結合されており、(上で説明した実施例の場合のように)キャッチピストン44は、連行部14によって共に動く。このキャッチピストン44は、排出器として作用し、この排出器を介して上記の磁性流体が循環管路190に排出され、この循環管路は、キャッチシリンダ42と閉じた流体循環路を構成し、この流体循環路に上記の磁性流体が配置されている。キャッチピストンロッド45が通過する輪形隙間は、蓄積器189と接続されている。循環管路190では上記の磁性流体が磁場に曝されるため、循環管路190における流れが阻まれて、ピストン運動またひいては連行部の運動14が相応に緩慢になるかまたは減衰される。上記の永久磁場は、中和コイル192によって中和することができるため、調整装置1の通常動作時には、循環管路190における磁性流体の移動に抗する大きな抵抗が生じない。それは、通電されている中和コイル192において対抗磁場が形成され、この磁場によって上記の永久磁場が打ち消されるからである。非常動作時には中和コイル192は無通電状態に切り換えられるため、上記の磁性流体は、永久磁場に曝され、したがって連行部14の運動を制動する力が形成されるのである。
【0089】
殊に発電所の領域ではタービンへの蒸気またはガス供給を調整するために調整装置1を実施して、非常操作の際に機械的な(電力供給に依存しない)リセットが行われるようにする。すなわち、上記のような変形実施例では機械的な蓄積器、例えばばね蓄積器18がつねに設けられ、この蓄積器を介してガスタービンバルブをリセットすることができるのである。しかしながら上記のような機械的な解決手段を必ずしも行うことができない応用分野もある。図10に示したこのようなケースでは、USV98を介しスピンドル駆動部2のリセットを制御してガスタービンバルブを閉じることもできる。このUSV98は上記の制御電圧だけではなくスピンドルモータ4に対する電力供給(場合によって三相交流電圧)も行うため、スピンドルモータ4は、停電時にも上記の非常機能を実行することができる。ここでこれはスピンドルモータにより、スピンドル駆動部2を制御によって逆転してガスタービンバルブを閉じることによって行われる。したがってこの場合には純粋な電気的な解決手段が行われるのである。出願人は、この解決手段を独立請求項とすることを留保する。
【0090】
動作の安全性を高めるため、図11によれば、ガスタービン198への燃料体積体を制御するために2つのガスタービンバルブ194,196を直列に接続することも可能である。2つのガスタービンバルブ194,196はそれぞれ本発明による調整装置1によって実施することができる。ここでは非常駆動部(ばね蓄積器18)およびキャッチ装置(キャッチシリンダ42)がそれぞれ概略的に示されている。スピンドル駆動部2のスピンドルモータ4は、選択的にサーボモータまたは被制御駆動部、例えば非同期モータとして実施することができる。基本的には、図10による解決手段と、図1〜9による解決手段のうちの1つとを組み合わせて、例えば、機械的なリセットと、USVによるリセットとを設けることも可能である。ここでは、例えば、上記の複数の調整装置のうちの1つにより、ガスタービンの通常動作における制御を行い、これに対して別の調整装置においてこのガスタービンの制御に影響を与えることなく非常機能をチェックすることができる。
【0091】
このような冗長なシステムにより、ガスタービン198の動作安全性が格段に高められる。
【0092】
図12には本発明の有利な1実施例が示されており、ここではキャッチシリンダ42のキャッチピストン45(図6および7による実施例の場合と同様に)が連行部14と共に移動する。スピンドル駆動部2および操作シリンダ24の基本構造は、上で説明した実施例の基本構造に相応するため、これについては上の説明を参照されたい。上で説明したすべての実施例の場合と同じようにスピンドル駆動部2のフレーム10と、操作シリンダ24と、キャッチシリンダ42とは共通の基台132に支えられている。この実施例ではキャッチシリンダ42は差動シリンダとして実施されており、キャッチピストン44のキャッチピストンロッド45は連行部14に結合されているため、キャッチピストン44は、スピンドル駆動部2のナット8のストロークに相応して共に移動する。
【0093】
ガスタービンバルブの閉じる方向で小さくなるキャッチシリンダ42の圧力室には、図6に示した実施例によれば、参照符号164が付されており、またこの際に大きくなるキャップ側の圧力室には参照符号162が付されている。
【0094】
キャッチピストンロッド45が通っているリング状の圧力室164は、排出管路62を介してタンク管路54に接続されている。上で説明した実施例の場合と同様に、圧力室164が小さくなる際にストローク終了領域においてスロットルギャップ60が作用し、このスロットルギャップを介し、リング状の圧力室164から流れ出る圧力媒体体積流が絞られる。
【0095】
図示の実施例ではタンク管路54にタンクバルブ200が設けられている。このタンクバルブは、切換バルブとして実施されており、また原位置にプリテンションされている。この原位置においてタンクに至るタンク管路54は開いており、このタンクは、この実施例においてハイドロリック式の蓄積器202として実施されている。この蓄積器は、ガス圧または機械的なばねを介して例えば約5バールでプリテンションが加えられている。タンクバルブ200の切換磁石に通電することによって、これを遮断位置にすることできる。この遮断位置では、蓄積器202に至る圧力媒体接続が遮断される。キャッチピストン44の全ストローク位置においてリング状の圧力室164は、圧力制限管路204および圧力制限バルブ58を介してタンク管路54に接続されているため、圧力室164における最大圧力は、圧力制限バルブ58の調整に相応して制限される。キャッチシリンダ42のキャップ側の圧力室162は、タンク分岐管路206を介してタンク管路54に接続されている。上で説明した実施例の場合と同様に操作シリンダ24の圧力室22は、管路30と、切換バルブ32と、逃がしバルブ38と、流れバルブ40とを介してタンク管路54に接続されている。
【0096】
ここで切換バルブ32は、3/2ウェイバルブとして実施されており、このバルブは図12においてその切換位置で図示されている。管路30と逃がしバルブ38との間の圧力媒体接続は、ばねによってプリテンションが加えられたその原位置において開かれ、これに対してこの圧力媒体接続は、切換位置において遮断される。この場合に逃がし線路38と接続管路208とが接続される。この接続管路は、圧力制限管路204に通じている。これにより、切換バルブ32の原位置において実践的に圧力室164は、圧力制限管路204と、接続管路208と、切換バルブ32と、流れバルブ40と、(タンクバルブ200が閉じられている場合)タンク管路54およびタンク分岐管路206を介してキャップ側の圧力室162に接続される。
【0097】
図12によれば、流れバルブ40は、この実施例において調整可能なスロットル210と、切換バルブ32の方向に開くチェックバルブ212とを有するスロットルチェックバルブとして実施されている。
【0098】
したがって上で説明した実施例では、上記のキャッチ機能は、連行部14がキャッチピストン44にぶつかることによってアクティブ化されるのではなく、スロットルギャップ60が閉じることによってアクティブ化されるのである。障害時には3/2ウェイバルブとして実施された切換バルブ32は無通電状態に切り換えられるため、このバルブは、ばねによってプリテンションがかけられた原位置に戻され、この原位置において、管路30と逃がし管路38との間の圧力媒体接続が開かれる。この場合に上記の圧力媒体は、上で説明したように圧力室22から管路30と、切換バルブ32と、流れバルブ40と、同様にばねによって開位置にプリテンションが加えられるタンクバルブ200とを介して蓄積器202(タンク)に排出される。圧力室22の負荷を除去することによってばね蓄積器18のテンションが取り除かれるため、これに相応してピストンロッド26は伸び、また比較的わずかなストロークの後、衝突ばね28は連行部14にぶつかる。衝突ばね28は圧縮され、またさらなるストロークの後、連行部14が加速され、ピストンロッド26は相応に制動される。この段階において連行部14およびピストンロッド26は、最初のうち速度が同じである。スピンドルモータ4およびスピンドル6は加速され、スピンドルナット8の軸方向送りがピストンロッド26の伸張運動よりも速くなるまで、スピンドル回転数は比較的速く増大する。ここで衝突ばね28はテンションが除去され、また連行部14は、ピストンロッド26よりも先に動くため、これらの2つの構成エレメント間の衝突が解除される。この際に2つの圧力室164,162は2つとも蓄積器202に接続されるため、(ピストン蓄積器のプリテンション圧力を無視すると)圧力が形成されることはない。
【0099】
連行部14がさらにストローク運動し、ひいてはキャッチピストン44もさらにストローク運動すると、スロットルギャップ60を介して圧力室164から流れ出る圧力媒体の絞りが開始される。この際に最初のうち、圧力室164には圧力が形成されていない。
【0100】
この時点に連行部14は、操作シリンダ24のピストンロッド26よりもわずかに先に移動する。スロットルギャップ60における絞りにより、圧力室164には減衰圧が形成されるため、連行部の運動は制動され、またばね蓄積器18を介してさらに加速されるピストンロッド26は再度連行部14にぶつかる。連行部14の制動に相応してスピンドル回転数も低減される。ピストンロッド26が連行部14にぶつかった際に衝突ばね28は再び圧縮されてピストンロッド26が制動される。この場合、キャッチピストン44は、スロットルギャップ60を徐々に閉じるため、連行部14は、圧力室164においてさらに減衰圧力が上昇することによって制動される。ブラケット12がタービンバルブ側のストッパ214にあたる少し前に上記のピストンロッド26は、衝突ばね28の圧縮により、またファイナルポジション減衰により、比較的小さな速度に制動される。これに相応して連行部14の速度もシリンダ室164における圧力によって低減される。この場合にブラケット12はバルブ側ストッパ214にぶつかるため、連行部14は急峻に制動され、またその際にいくらか後振動する。ここではこの後振動は、スプリングセット18および衝突ばね28によって可能になる。ブラケット12がストッパ214にぶつかると、上記のガスタービンバルブが閉じられ、またこの位置に保持される。
【0101】
上で説明した実施例の独自性は、ばね蓄積器18がキャッチシリンダ42によってエネルギを蓄えられることである。このポンプ機能は、内部ポンプ機能と称され、非常機能が開始された後、つぎのように実行される。すなわち
切換バルブ32およびタンクバルブ200には無通電状態に止まるため、2つのバルブは、圧力室22と蓄積器202との間で圧力媒体接続が開く位置にプリテンションが加えられる。スピンドルモータ4を駆動制御することによって完全に伸びたキャッチピストン44は、所定のストロークだけ下方に動くため、リング状の圧力室164は大きくなり、またキャップ側の圧力室162は相応に小さくなる。ここから排出された圧力媒体は、タンク分岐管路206およびタンク管路54を介してリング状の圧力室164に流れるため、この圧力室は圧力媒体によって充填される。余剰量は、圧力室162からタンク管路200を介して蓄積器202に押し出される。ここで説明した運動により、操作シリンダ24のピストンロッド26も、衝突ばね28を介する連行部14の力の作用により、ばね蓄積器18テンションの元で下方に運動する。この際に大きくなる圧力室22には、蓄積器202からタンクバルブ200と、チェックバルブ212と、切換バルブ32と、管路30とを介して圧力媒体が流れる。キャッチピストン44が、あらかじめ定めたストローク運動を行った後、切換バルブ32は通電状態にされ、このキャッチピストンは図12に示したその位置に調整される。この位置において圧力室22は漏れなしに遮断される。引き続いてキャッチピストン44は、スピンドル駆動部2の駆動制御により、連行部14を介して元のように伸張するため、キャップ側の圧力室162は相応に大きくなり、さらに開いたタンクバルブ200を介して蓄積器202から圧力媒体が充填される。小さくなった圧力室164からは、圧力制限管路204と切換バルブ32とを介して圧力媒体が押し出される。引き続いてタンクバルブ200はその遮断位置に切り換えられるため、蓄積器202に至る圧力媒体接続は遮断される。つぎに切換バルブ32は無通電状態に切り換えられるため、圧力室22における圧力は、(分離された蓄積器202を除いて)ハイドロリックシステム全体に作用する。これにより、連行部14またはピストンロッド26の大きな運動は行われなくなるのである。
【0102】
引き続いてスピンドル駆動部2が駆動制御されて連行部14が、あらかじめ定めたストロークだけ下方に動くため、これに相応してキャッチピストン44は進み、圧力媒体は、底部側の圧力室162から押し出されて(ポンプ作用9)圧力室22に流れるため、ばね蓄積器18にテンションが加えられる。
【0103】
つぎのステップでは切換バルブ32が再度通電状態にされ、これによって圧力室22に至る圧力媒体接続が遮断される。タンクバルブ200は無通電状態に切り換えられるため、蓄積器202に至る圧力媒体接続は開き、2つの圧力室164,162は蓄積器202に接続されて圧力202に圧力が加えられる。
【0104】
ここで上記のポンプサイクルが、前の方のステップからばね蓄積器18に完全にテンションが加わるまで再び開始される。本願出願人、図12に示した実施例、殊に上記のキャッチシリンダ42が減衰装置でもありまたポンプでもある2重機能を独立請求項とし、上記の機能に必要な構成エレメントだけを請求することを留保する。
【0105】
基本的にはすべての駆動部およびキャッチ装置をハイドロリック式または空気式に実施することができる。上記のキャッチ装置用の制御装置は単なるオプションである。それは上記のすべてのシステムは基本的にこの制御装置(流れ制御装置102)がなくても機能するからである。このような流れ制御装置102がなくても、流れ制御バルブ40は一定の値に調整されるため、不都合なケースの場合にもスピンドル駆動部2のリセット動作を実行することができる。
【0106】
すでに説明したようにすべてのシリンダは、ダブルロッドシリンダ、プランジャシリンダ、または差動シリンダ(差動シリンダは蓄積器を備える)として実施することができる。流れバルブ40は択一的には切換バルブ32と圧力室22との間に設けることも可能である。
【0107】
上記のUSV98は単にオプションで設けられている。図10に記載した実施例を除くすべての変形実施例は、このUSV98がなくても機能する。この実施例を除けば、USV98は主に流れ制御装置102用の制御電圧を供給するのに使用される。この流れ制御装置にはスピンドルモータ4のセンサ信号が供給される(択一的には、連行部の線形運動を共に直接検出するロードセンサ信号を使用することも可能である)。上記の制御装置には速度制御器が実現されており、これは、操作量信号を計算して、例えば(この場合には流れ制御バルブとして実現されている)スロットル装置40を調整して、上記の連行部が非常動作時にも(ばね蓄積器19によって駆動制御されて)一定の速度で走行するようにする。モータセンサ信号を使用する場合、USV98により、制御装置76用の制御電圧も供給しなければならない。USV98が故障した場合でも上記の非常機能を実行することが可能である。ここではこのつねに1つの減衰経路が設けられているようにする(例えば、上記の速度は制御しないが、この速度を最小に低減して機械的に損傷されないようにするノズルを上流に接続する)。図11に示した実施例ではUSV98により、上記の制御電圧だけではなく電力供給も行われるため、安全にクリティカルな設備が少ない場合にのみ使用可能である。
【0108】
ここに開示されているのは装置、例えばガスタービンバルブまたは蒸気タービンバルブまたはプロセス流体を制御するための一般的なプロセスアーマチュア用の調整装置であり、この調整装置は、電気的な調整駆動部と、アクチュエータによって障害時に上記の装置をリセットする非常操作装置とを有する。この非常操作装置は、エネルギ蓄積器を有しており、これに蓄えられたエネルギは上記のアクチュエータをリセットするのに利用される。本発明によれば上記のエネルギ蓄積器にピストンが割り当てられており、このピストンには、上記のエネルギ蓄積器にエネルギを蓄えるため、圧力室の圧力が加えられる。この圧力室は、切換バルブを介してタンクまたは類似のものに接続可能であるため、ピストンは、エネルギを放出するエネルギ蓄積器によって動かされる。上記のピストンは、調整駆動部のアクチュエータと協調動作して、この調整駆動部をリセット方向に動かす。
【符号の説明】
【0109】
1 調整装置、 2 スピンドル駆動部、 4 スピンドルモータ、 6 スピンドル、 8 ナット、 10 フレーム、 12 ブラケット、 14 連行部、 16 非常操作装置、 18 ばね蓄積器、 20 ピストン、 22 圧力室、 24 操作シリンダ、 26 ピストンロッド、 28 衝突ばね、 30 管路、 32 切換バルブ、 34 プリテンションばね、 36 切換マグネット、 38 逃がし管路、 40 流れバルブ、 42 キャッチシリンダ、 44 キャッチピストン、 45 キャッチピストンロッド、 46 ばね、 48 シリンダ室、 50 チェックバルブ、 52 バイパス管路、 54 タンク管路、 56 プリテンションチェックバルブ、 58 圧力制御バルブ、 60 スロットルギャップ、 62 排出管路、 64 充填管路、 66 チェックバルブ、 68 減衰区分、 72 減衰輪形隙間、 74 キャッチピストンロッド、 76 制御装置、 78 SPS、 79 接続部、 80 給電線路、 82 フィードバック信号線路、 84 信号線路、 88 駆動制御線路、 90 デジタル入力側 非常時、 92 圧力監視部、 94 圧力監視線路、 98 USV、 100 線路、 102 電流制御装置、 104 電流制御信号線路、 106 信号送信線路、 108 制御電圧線路、 110 ストッパナット、 111 監視スイッチ、 112 スピンドルケーシング、 116 フロントフランジ、 118 当接リング、 120 長手方向支柱、 122 スライダ、 124 当接ねじ、 126 モータフランジ、 128 ケーシング外周面、 130 通しボルト、 132 基台、 134 圧力制限バルブ、 136 循環バルブ、 146 当接面、 154 ムービングコイルシステム、 156 ムービングコイル、 158 ムービングコイル制御装置、 160 永久磁石、 162 圧力室、 164 圧力室、 166 スロットル断面、 168 チェックバルブ、 170 スロットル制御装置、 172 蓄積器、 174 スイッチバルブ、 176 バイパス管路、 178 切換管路、 180 補助ポンプ、 182 ポンプバルブ、 184 ポンプ流量制御バルブ、 186 供給管路、 188 ポンプ信号線路、 189 蓄積器、 190 循環管路、 192 中和コイル、 194 ガスタービンバルブ、 196 ガスタービンバルブ、 198 ガスタービン、 200 タンクバルブ、 202 蓄積器、 204 圧力制限管路、 206 タンク分岐管路、 208 接続管路、 210 調整可能なスロットル、 212 チェックバルブ、 214 バルブ側ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置用の調整装置、例えばバルブ装置用、殊にタービンの蒸気供給またはガス供給を制御するバルブ装置用または殊にプロセス流体を制御するプロセスアーマチュア装置用の調整装置であって
当該調整装置は、アクチュエータ(8,12)によって前記の装置を操作する調整駆動部と、障害時に前記の調整駆動部とは実質的に無関係に前記のアクチュエータ(8,12)をリセットする非常操作装置と、蓄えたエネルギを前記のリセットのために解放するエネルギ蓄積器とを有している形式の調整装置において、
前記のエネルギ蓄積器(18)は、ピストン(20)と相互に作用し、
当該のピストンは、流体が充填された圧力室(22)を区切っており、
当該の圧力室は、切換バルブ(32)を介してタンク(T)または類似のものに接続可能であり、
前記のピストン(20)を配置して、前記の圧力室(22)の負荷が解除された際には前記のアクチュエータ(8,12)がリセット方向に移動されるようにしたことを特徴とする
調整装置。
【請求項2】
キャッチ装置または減衰装置が、殊に連行部(14)を介して前記のアクチュエータ(8,12)に結合されている、
請求項1に記載の調整装置。
【請求項3】
前記のキャッチ装置または減衰装置には、前記のアクチュエータ(8,12)に機械的に結合されるダブルロッドシリンダまたは差動シリンダが含まれている、
請求項2に記載の調整装置。
【請求項4】
前記の減衰装置は、キャッチシリンダ(42)を有しており、
当該キャッチシリンダのキャッチピストン(45)は前記のアクチュエータ(8,12)に結合されており、また前記のキャッチシリンダは、非常操作時に1ストロークの後、スロットル断面(60)を閉じ、
前記のキャッチシリンダ(45)の小さくなった圧力室(164)は、タンク管路(54)および当該タンク管路に配置されたタンクバルブ(200)を介して蓄積器(202)に接続可能である、
請求項3に記載の調整装置。
【請求項5】
前記の切換バルブ(32)は3/2ウェイバルブとして実施されており、
ばねによってプリテンションが加えられたその原位置にて前記の圧力室(22)から蓄積器(202,T)に至る圧力媒体流路が開かれ、またその切換位置において当該の圧力媒体流路が遮断される、
請求項4に記載の調整装置。
【請求項6】
前記のダブルロッドシリンダまたは差動シリンダは、前記のアクチュエータ(8,12)が運動した際に小さくなる圧力室(164)を有しており、
当該の圧力室は、減衰スロットル(166)ないしはスロットルギャップを介して、相応して大きくなる別の圧力室(162)に接続されている、
請求項3に記載の調整装置。
【請求項7】
前記の減衰装置は、切換バルブ(32)とタンク(T)との間の圧力媒体流路に配置されてキャッチシリンダ(42)を有しており、
当該のキャッチシリンダは、ばね(46)によって閉方向にプリテンションが加えられたキャッチピストン(44)を有しており、
当該のキャッチピストンには、切換バルブ(32)の下流にて開方向に圧力が加えられており、
当該のキャッチピストンにより、あらかじめ定めた1ストロークの後、前記のタンク(T)に至るスロットル断面(60)が開かれ、
前記のキャッチピストン(44)は、ピストン(20)のファイナルポジション領域にて前記のアクチュエータ(8,12)によって閉じ方向に動く、
請求項3または6に記載の調整装置。
【請求項8】
前記の減衰装置は、ムービングコイル(156)を有するムービングコイルシステム(154)であり、
該ムービングコイルは、前記のアクチュエータ(8,12)と連動しており、かつ当該のアクチュエータによってリセット方向とは反対に作用する減衰力を形成するように調整可能である、
請求項2に記載の調整装置。
【請求項9】
前記の減衰スロットル(166)またはスロットルギャップにスイッチバルブ(174)が並列に接続されており、
該スイッチバルブは、前記の減衰のために閉じ位置に移動可能である、
請求項6または7に記載の調整装置。
【請求項10】
前記のスイッチバルブと切換バルブとは1つの構造ユニットを構成しており、
当該のユニットは、例えば3/2ウェイ切換バルブである、
請求項9に記載の調整装置。
【請求項11】
前記の減衰スロットルは、調整可能なスロットル断面(166)を有するスロットルチェックバルブとして実施されている、
請求項4,5,6,7,9または10のいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項12】
前記の減衰装置は、アクチュエータ(8,12)と連動する流体減衰器(42)であり、
当該流体減衰器は、前記のアクチュエータ(8,12)の運動に起因して磁性流体を循環管路(190)にて移動させ、
前記の電気流体または磁性流体は磁場に沿って案内される、
請求項2に記載の調整装置。
【請求項13】
前記の磁場は、永久磁場であり、当該の磁場は通常動作時に対抗する磁場によって中和可能であるか、または
前記の磁場は、非常動作時に無停電電源(USV)を介して形成される、
請求項12に記載の調整装置。
【請求項14】
前記のピストン(26)は、アクチュエータ側に衝突ばね(28)を有しており、
当該衝突ばねは、前記のアクチュエータ(8,12)にぶつかる際にテンションが加わる、
請求項1から13までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項15】
前記の衝突ばね(28)には、火花を阻止するように実施された当接面(146)が設けられている、
請求項14に記載の調整装置。
【請求項16】
前記のピストン(20)にファイナルポジション減衰部が割り当てられており、
前記のピストン(20)の端部区分(68)は減衰輪形隙間(72)に入り込んで圧力媒体を押し出す、
請求項1から15までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項17】
前記の圧力室(22)に圧力を加える補助ポンプを有する、
請求項1から16までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項18】
前記の切換バルブ(32)とキャッチシリンダ(42)との間の圧力媒体流路における圧力を制限する圧力制限バルブ(58)を有する、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項19】
前記のキャッチシリンダ(42)の上流部分とタンク(T)との間にバイパス管路(52)を有しており、
当該のバイパス管路(52)に、タンク(T)に向かって開くチェックバルブ(56)が設けられており、
当該のチェックバルブの開圧力は、前記のキャッチシリンダ(42)を移動するのに必要な圧力よりも高い、
請求項7に記載の調整装置。
【請求項20】
前記の圧力室(22)とタンク(T)との間の圧力媒体流路に流れバルブ(40)、例えばスロットルが設けられている、
請求項1から19までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項21】
前記の調整駆動部は、電気的に駆動制御されるスピンドル駆動部(2)である、
請求項1から20までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項22】
前記の調整駆動部は、空気式またはハイドロリック式に作用する、
請求項1から20までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項23】
前記のエネルギ蓄積器は、機械的な蓄積器、例えばばね(18)、圧縮流体ないしはガスおよび/またはエラストマである、
請求項1から22までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項24】
前記の構成エレメントは、1駆動ユニットにまとめられている、
請求項1から23までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項25】
前記の調整駆動部(2,4)と、エネルギ蓄積器(18)と、圧力室(22)とは前記の調整装置の調整軸の周りに共軸に配置されている、
請求項24に記載の調整装置。
【請求項26】
閉じたシステム、殊にプリテンションが加えられたハイドロックシステムが設けられており、
該システムには、前記の圧力室(22)および/またはキャッチ装置ないしは減衰装置が含まれている、
請求項1から25までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項27】
前記のキャッチ装置ないしは減衰装置は、圧力室(22)を充填するためのポンプシリンダとして構成可能である、
請求項1から26までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項28】
前記のアクチュエータの位置は、1つの距離測定システムによって殊に1つの線形距離測定システムによってまたは複数の距離測定システムによって検出可能である、
請求項1から27までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項29】
前記のケーシング外周面(128)内の温度をあらかじめ定めた温度範囲に維持する手段が設けられている。
請求項1から28までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項30】
前記のキャッチ装置または減衰装置を固定することができかつ前記の非常操作装置によって過剰な負荷を加えることの可能な手段、例えばバルブが設けられている、
請求項2から29までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項31】
非常動作時に非常操作装置の機能テストを行う手段、例えば検出手段、例えば前記のピストン(20)のリセット運動の開始を検出するスイッチが設けられている、
請求項1から30までのいずれか1項に記載の調整装置。
【請求項32】
請求項1から31のいずれか1項に記載の調整装置(1)を有する、例えばガスタービンバルブ装置または蒸気タービンバルブ装置であるバルブ装置。
【請求項33】
調整装置(1)をそれぞれ有しかつ前後に接続された2つのバルブを有する、
請求項32に記載のバルブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−530679(P2011−530679A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521453(P2011−521453)
【出願日】平成21年7月20日(2009.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005248
【国際公開番号】WO2010/015323
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】