調理器
【課題】調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる調理器を提供する。
【解決手段】菜箸2が取っ手6と鍋1の2点だけで支持されるように、鍋1の上面よりも高く、取っ手6に設けた凹凸部7と爪9が配置される。したがって、菜箸2を邪魔にならないように、取っ手6と鍋1に跨って置いた時に、菜箸2の中腹部2Cが鍋1に直接触れず熱くならず、また菜箸2の劣化も防止できる。しかも、菜箸2の転動と倒れをそれぞれ規制する凹凸部7や爪9が設けられているので、菜箸2の置き場所を固定でき、鍋1内に収容した被調理物の汁が飛び散る恐れもない。さらに、鍋1には凸部3が設けられているので、菜箸2が鍋1内面に沿って滑り落ちるのを防止でき、菜箸2をさらに安定した状態に固定できる。
【解決手段】菜箸2が取っ手6と鍋1の2点だけで支持されるように、鍋1の上面よりも高く、取っ手6に設けた凹凸部7と爪9が配置される。したがって、菜箸2を邪魔にならないように、取っ手6と鍋1に跨って置いた時に、菜箸2の中腹部2Cが鍋1に直接触れず熱くならず、また菜箸2の劣化も防止できる。しかも、菜箸2の転動と倒れをそれぞれ規制する凹凸部7や爪9が設けられているので、菜箸2の置き場所を固定でき、鍋1内に収容した被調理物の汁が飛び散る恐れもない。さらに、鍋1には凸部3が設けられているので、菜箸2が鍋1内面に沿って滑り落ちるのを防止でき、菜箸2をさらに安定した状態に固定できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理に使用する調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の調理器は、例えば特許文献1に開示されているように、加熱手段と、容器とを備え、加熱手段により容器上の被調理物を加熱して調理を行なうようにしている。
【特許文献1】特開2004−105462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、調理器は特に食事をするときには、使用する調理補助具を、例えば図13のように、取っ手100付きの容器101の中に補助具102を直接入れるか、図14のように容器104の中に補助具105を直接入れるようにしている。
【0004】
しかし、図13や図14の状態では、次のような問題がある。第1に補助具102や補助具105が容器101や容器104内に転がって落ちたり、倒れたりする場合があり、汁が飛び散る恐れがあること、第2に補助具102や補助具105が落ちない場合でも、補助具102や補助具105の所定容器101や容器104に当たり、補助具102や補助具105の所定部分が熱くなること、第3に補助具102や補助具105の所定部が容器101や容器104に接することで、補助具102や補助具105が劣化することである。
【0005】
そこで本発明は、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1における調理器では、調理補助具が取っ手と容器だけで支持されるように、容器の所定部よりも高く、取っ手に設けた支持部が配置される。したがって調理補助具を置いた時に、調理補助具の所定部分が容器に触れず熱くならず、また調理補助具の劣化も防止できる。しかもこの支持部には、調理補助具の転動または倒れをそれぞれ規制する例えば部分が設けられているので、調理補助具の置き場所を固定でき、汁が飛び散る恐れもない。さらに、容器には調理補助具の滑り防止部が設けられているので、調理補助具が所定部に沿って滑り落ちるのを防ぐことができ、調理補助具をさらに安定した状態に固定できる。
【0007】
本発明の請求項2における調理器では、容器の取っ手に磁性体を設けることで、特に調理補助具が転がり落ちたり、倒れたりすることがなくなり、調理補助具の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、調理補助具を磁性体に吸着させておくことで、調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0008】
本発明の請求項3における調理器では、調理補助具が枠部と容器で支持されるように、容器の所定部よりも高く、枠部に設けた支持部が配置される。また、調理保持具を別な保持部に保持させることもできる。したがって、何れの場合にも、調理補助具の所定部分が容器に触れず熱くならず、また調理補助具の劣化も防止できる。しかも支持部には、調理補助具の転動を規制する部分が設けられているので、調理補助具の置き場所を固定でき、汁が飛び散る恐れもない。
【0009】
本発明の請求項4における調理器では、容器の周囲に位置する枠部に磁性体を設けることで、特に調理補助具が転がり落ちたり、倒れたりすることがなくなり、調理補助具の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、調理補助具を磁性体に吸着させておくことで、調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0010】
本発明の請求項5における調理器では、枠部に設けた装着部に保持体を装着して、この保持体に調理補助具を保持させることができるので、調理補助具の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、調理補助具の所定部分が容器に直接触れず熱くならず、また調理補助具の劣化も防止できる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0012】
請求項2の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0013】
請求項3の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0014】
請求項4の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0015】
請求項5の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明における調理器の好ましい実施例を説明する。なお、以下の各実施例について、同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複を避けるため極力省略する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の第一実施例を示す調理器の断面図と、取っ手6の拡大図である。1は容器たる金属製の鍋1で、この鍋1は被調理物を載置する底部1Aと、この底部1Aの外周に壁状に形成される側部1Bとにより有底状に構成される。また、鍋1の底部1A内面には、調理補助具としての菜箸2の先端部2Aに当接する凸部3が設けられている。この凸部3は、菜箸2の先端部2Aが鍋1内面を滑るのを防ぐいわば滑り防止部として設けられていて、別の手段で実現してもよい。例えば、凸部3の代わりに凹部であってもよいし、小突起を鍋1の底部1Aまたは側部1Bの内面に設けてもよい。また、菜箸2の先端部2Aが浮き上がらず固定できるように、かぎ状にしてもよい。
【0018】
その他、鍋1の側部1Bの両側上部には、当該鍋1を持ち運ぶための樹脂製の取っ手6が設けられる。また取っ手6の上部には、前記菜箸2の基部2Bが入り込む大きさの溝を有する凹凸部7が形成される。この凹凸部7は、菜箸2の転動を防止する支持部に相当するもので、鍋1の凸部3に菜箸2の先端部2Aを突き当てた状態で、この菜箸2の基部2Bを取っ手6の上面に載せた時に、菜箸2が取っ手6上を転がらない方向に形成される。また、菜箸2の基部2Bを取っ手6の上面に載せた状態で、菜箸2の手でつかむ部分に相当する中腹部2Cが、鍋1の側部1B上面に接しないように、この鍋1の側部1B上面よりも高い位置に、取っ手6の凹凸部7が設けられる。
【0019】
この実施例では、調理する材料が鍋1内に投入され、鍋1を図示しない加熱手段で加熱することにより、食材や鍋1には十分熱が伝わっている。ここで、使用した菜箸2を、邪魔にならないように取っ手6の上面に置く際、調理する鍋1の凸部3に菜箸2の先端部2Aを突き当てる。こうすると、菜箸2の先端部2Aが、それ以上鍋1の底部1A中心に向けて滑り込むようなことはなくなる。また、菜箸2の基端2Bを取っ手6の上面に載せた状態では、鍋1の側部1B上面に菜箸2の中腹部2Cが直接触れず、この部分を手でつかむ際に熱く感じたり、菜箸2が劣化したりすることが少ない。また、鍋1の取っ手6上面に凹凸部7が設けられているため、この凹凸部7により形成した溝内に菜箸2の基部2Bを載置すれば、菜箸2が取っ手6の上面を転がることも少なくなる。
【0020】
なお上記第一実施例においては、菜箸2が転がらないように取っ手6の上面に凹凸部7を設けていたが、別の手段で支持部を構成してもよい。例えば、図2に示すように、取っ手6の上面に前述の凹凸部7を設けると共に、菜箸2の基部2Bが鍋1側に倒れるのを防止する爪9を設けてもよい。こうすれば、菜箸2の基部2Bが鍋1側に倒れようとすると、爪9が菜箸2の基部2Bに当接して、その動きを規制する。そのため、菜箸2が取っ手6の上面を転がることだけでなく、菜箸2が鍋1側に倒れるのを、取っ手6の上面に設けた凹凸部7と爪9だけで防止でき、菜箸2を安定した状態に固定できる。
【0021】
以上のように本実施例では、容器である鍋1と、この鍋1を持ち運ぶための取っ手6とを備え、取っ手6は、前記鍋1の所定部である上面よりも高い位置に、調理補助具である菜箸2の転動または倒れを防止する支持部としての凹凸部7と爪9が設けられると共に、菜箸2の滑り防止部として、鍋1に凸部3を設けている。
【0022】
こうすると、菜箸2が取っ手6と鍋1の2点だけで支持されるように、鍋1の上面よりも高く、取っ手6に設けた凹凸部7と爪9が配置される。したがって、菜箸2を邪魔にならないように、取っ手6と鍋1に跨って置いた時に、菜箸2の手でつかむ部分である中腹部2Cが鍋1に直接触れず熱くならず、また菜箸2の劣化も防止できる。しかも、菜箸2の転動と倒れをそれぞれ規制する例えば突起である凹凸部7や爪9が設けられているので、菜箸2の置き場所を固定でき、鍋1内に収容した被調理物の汁が飛び散る恐れもない。さらに、鍋1には菜箸2の滑り防止部として、凸部3が設けられているので、菜箸2が鍋1内面に沿って滑り落ちるのを防ぐことができ、菜箸2をさらに安定した状態に固定できる。
【実施例2】
【0023】
図3は、本発明の第二実施例を示す取っ手6周辺の斜視図である。この例では、前述した凹凸部7や爪9に代わって、取っ手6の上面に磁石11を埋め込んでいる。この磁石11は、取っ手6の別な部位に設けてもよいし、前記第一実施例の構成をそのまま残してもよい。その場合、金属製の菜箸19や、フェライト系ステンレス製へら(図示せず)などを吸着固定することができる。これによって、菜箸19だけではなく、へらなどの各種調理補助具を、被調理物を収容した鍋1に直接入れることなく、安定した状態で固定することができる。
【0024】
このように本実施例では、取っ手6に菜箸19などの調理補助具を吸着する磁性体としての磁石11を設けている。このように、鍋1を持ち運ぶ取っ手6に磁石11を設けることで、特に金属製の菜箸19などが転がり落ちたり、倒れたりすることがなくなり、菜箸19の置き場所を固定して、鍋1内に収容した被調理物からの汁の飛び散りを防止できる。また、菜箸19を磁石に吸着させておくことで、菜箸19が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【実施例3】
【0025】
図4は、本発明の第三実施例を示す調理器の断面図と、調理器側面枠上部の拡大図である。
【0026】
21は、容器たる金属製のプレートで、これは被調理物を載置する底部21Aと、この底部21Aの外周に壁状に形成される側部21Bとにより有底状に構成される。また、プレート21の底部21A内面には、調理補助具としての菜箸2の先端部2Aに当接する凸部3が設けられている。この凸部3は、菜箸2の先端部2Aがプレート21内面を滑るのを防ぐ滑り防止部として設けられていて、別の手段で実現してもよい。例えば、凸部3の代わりに凹部であってもよいし、小突起をプレート21の底部21Aまたは側部21Bの内面に設けてもよい。
【0027】
また、プレート21の底部21Aの直下には、プレート21ひいては被調理物を加熱する加熱手段としての加熱ヒータ12が付いており、さらに加熱ヒータ12から下方への熱をさえぎるためにプレート21の底部21Aを覆うしゃ熱板8が設けられ、さらにプレート21内の被調理物を出し入れする場合などに、手がプレート21の側部21Bに不意に触れないように、プレート21の周囲には樹脂製の本体枠4が設けられている。なお、プレート21の全体若しくは一部を磁性金属で構成すると共に、加熱ヒータ12に代わって誘導コイルを配置し、この誘導コイルからの交番磁界によりプレート21を電磁誘導加熱する方式を採用してもよい。
【0028】
上記で述べたように、本実施例における本体枠4の上部15にも、菜箸2の基部2Bが入り込む大きさの溝を有する凹凸部14が形成される。この凹凸部14は、菜箸2の転動を防止する支持部なるもので、プレート21の凸部3に菜箸2の先端部2Aを突き当て、この菜箸2の基端2Bを本体枠4の上面に載せた状態で、菜箸2の手でつかむ部分に相当する中腹部2Cが、プレート21の側部21B上面に接触しないように、このプレート21の側部21B上面よりも高い位置に凹凸部14が設けられる。
【0029】
この実施例では、調理する材料がプレート21内に投入され、プレート21を加熱ヒータ12で加熱することにより、食材やプレート21には熱が十分伝わっている状態である。ここで、使用した菜箸2を、加熱したプレート21の凸部3にその先端部2Aを突き当てながら、本体枠4の上部15に形成した凹凸部14に置く。このように置くと、菜箸2の先端部2Aが凸部3に当接し、それ以上プレート21の底部21A中心に向けて滑り込むようなことはなくなる。また、菜箸2の先端部2Aをプレート21の凸部3に突き当てながら、基端2Bを本体枠4の凹凸部14に載せた状態では、プレート21の側部21B上面に菜箸2の中腹部2Cが直接触れないので、この部分を手でつかむ際に熱く感じたり、菜箸2が劣化したりすることが少ない。また、本体枠4の上部15に凹凸部14が設けられているため、この凹凸部14により形成した溝内に菜箸2の基部2Bを載置すれば、菜箸2が本体枠4の上面を転がることも少なくなる。
【0030】
また、調理補助具を別な保持部に保持させることもできる。例えば、図5は菜箸2を保持できる取っ手10の斜視図であり、上記本体枠4の側部外面に取っ手10を設けて、調理補助具である菜箸2を保持できるようにしたものである。この取っ手10は、上面に凹凸部8を設けたもので、この凹凸部8によって形成された溝内に、菜箸2を保持するものである。取っ手10の長さは菜箸2の長さを十分カバーできるようなものである。取っ手10の上面の凹凸部8については、菜箸2を取っ手10の上面に置いたとき、菜箸2が転がらないよう防止するものである。調理などに使用した菜箸2は、中腹部2Cを取っ手10の凹凸部8によって形成された溝内の中心にあてるように、本体枠4に沿って置かれる。このようにすれば菜箸2は、転がり落ちることもなく、安定した状態に固定することができる。またこのような菜箸2を保持するような取っ手10は、へら等の別な調理補助具を保持するものに、任意に構造変更できる。
【0031】
以上のように本実施例では、容器であるプレート21と、このプレート21の周囲に位置する枠部としての本体枠4を備え、本体枠4は、プレート21の所定部である上面よりも高い位置に、調理補助具である菜箸2の転動を防止する支持部としての凹凸部14が設けられると共に、菜箸2の保持部として本体枠4に凹凸部8付きの取っ手10を設けている。
【0032】
こうすると、菜箸2が本体枠4とプレート21の2点だけで支持されるように、プレート21の上面よりも高く凹凸部14が配置される。また、菜箸2を別な取っ手10の凹凸部8で保持させることもできる。したがって、菜箸2を本体枠4とプレート21にまたがって置いた時、菜箸2の手でつかむ部分である中腹部2Cがプレート21に直接触れず熱くならず、また菜箸2の劣化も防止できる。しかも菜箸2の転動を規制する例えば凹凸部8,14が設けられているので、菜箸2の置き場所を固定でき、プレート21内の被調理物の汁が飛び散る恐れもない。
【実施例4】
【0033】
図6および図7は、本発明の第四実施例を示しており、図6では本体枠4の上面部内に磁石18が埋め込まれていて、金属製の菜箸19などを本体枠4の上面に横置き状態で吸着固定することができる。また図7では、本体枠4の側面部内に磁石18が埋め込まれていて、フェライト系ステンレス製のへら20などを、本体枠4の側面に縦置き状態で吸着固定することができる。なお、それ以外の構成は、第三実施例と共通している。
【0034】
ここでの磁石18は、何れも本体枠4に埋め込まれていて、金属製の菜箸19やフェライト系ステンレス製のへら20などを、本体枠4に吸着固定することができる。これによって、菜箸19だけではなくへら20などの各種調理補助具を、プレート21内に直接入れることがなく、安定して吸着固定することができる。本体枠4は樹脂製で、プレート21から直接熱が伝わることはないので、調理補助具は金属製ではあるが、熱くなることはない。金属製の調理補助具については、本体枠4の上面部,側面部のどちらに吸着固定されてもよい。
【0035】
以上のように本実施例では、容器であるプレート21と、このプレート21を囲む本体枠4を備え、本体枠4に菜箸19やへら20などの調理補助具を吸着固定する磁石18を設けている。
【0036】
こうすると、プレート21を囲む本体枠4に磁石18を設けることで、特に金属製の菜箸19やフェライト系ステンレス製のへら20が転がり落ちたり、倒れたりすることがなくなり、菜箸19やへら20の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、菜箸19やへら20を磁石18に吸着させておくことで、菜箸19やへら20が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【実施例5】
【0037】
図8は、本発明の第五実施例を示すもので、菜箸保持体24と菜箸固定部25を組み合わせて本体枠4の側面側に取り付け、菜箸2を固定する構造となっている。これは、本体枠4の側面部にコ字状の菜箸固定部25が突出形成されており、そこに有底筒状の菜箸保持体24を嵌め込むことができるようになっている。そして、菜箸2を菜箸保持体24内に収容することにより、本体枠4に対し菜箸2を立てて固定するようになっている。これによって、菜箸2がプレート21内へ転がり落ちることがなくなり、菜箸2を邪魔にならないように固定でき、しかも本体枠4,菜箸保持体24および菜箸固定部25は、何れも樹脂製によりプレート21から直接熱が伝わることはないので、菜箸2が熱くなることはない。
【0038】
なお菜箸保持体24は、特に菜箸2に限定されるものでなく、他の調理補助具に対して適用できる。
【0039】
図9は、図8と同様な方法で、蓋保持体28と蓋固定部29を組み合わせて本体枠4の側面に取り付け、プレート21を開閉自在に覆う調理補助具としての蓋26を保持する構造を有している。これは、本体枠4の側面部にコ字状の蓋固定部29が突出形成されており、そこに縦断面がJ字状の蓋保持体28を嵌め込むことができるようになっている。そして、蓋26を蓋保持体28内に収容することにより、本体枠4に対し蓋26を立てて固定するようになっている。これにより、蓋26を邪魔にならないように、本体枠4に固定保持できる。また、蓋26が熱くなることもない。
【0040】
なお、図8および図9に示す構造を、同一の本体枠4にそれぞれ組み込んでもよい。また、菜箸固定部25や蓋固定部29を本体枠4の側面部に複数箇所設けることで、使用者の好む場所に菜箸保持体24や蓋保持体28を着脱自在に固定することができる。これらの菜箸保持体24や蓋保持体28は、不使用時に本体枠4の側面部から取り外すことができ、省スペースにも効果がある。
【0041】
以上のように本実施例では、容器であるプレート21と、このプレート21の周囲に位置する本体枠4とを備え、菜箸2や蓋26などの調理補助具の保持体である菜箸保持体24や蓋保持体28を装着可能にする装着部として、菜箸固定部25や蓋固定部29を本体枠4の側面部に設けている。
【0042】
こうすると、本体枠4に設けた菜箸固定部25や蓋固定部29に、菜箸保持体24や蓋保持体28をそれぞれ装着して、こうした菜箸保持体24や蓋保持体28に菜箸2や蓋26などの調理補助具を保持させることができるので、調理補助具の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、菜箸2の手でつかむ部分がプレート21に直接触れず熱くならず、また菜箸2や蓋26の劣化も防止できる。
【0043】
さらに、菜箸保持体24や蓋保持体28を、菜箸固定部25や蓋固定部29と着脱自在に設けることで、菜箸保持体24や蓋保持体28を自由に取り外すことができ、調理器としての省スペース化を実現できる。
【0044】
その他、別な変形例を図10に示すと、ここでは第一実施例で示す凹凸部7と爪9の構造を、取っ手6にではなく、第三実施例で示す本体枠4の上面に適用させている。なお、これらの凹凸部7や爪9の作用については、第一実施例で説明したとおりである。
【0045】
さらに別な変形例を図11や図12にそれぞれ示すと、図11では、本体枠4の側面部に菜箸保持体24を一体的に形成している。この菜箸保持体24に箸2を収容することで、菜箸2を熱くすることなく、邪魔にならないように固定できる。また図12では、本体枠4の側面側に蓋保持体28を一体的に形成している。この蓋保持体28に蓋26を収容することで、蓋26を熱くすることなく、邪魔にならないように固定できる。このように、第五実施例での菜箸保持体24または蓋保持体28を、本体枠4と一体の部品で構成してもよい。
【0046】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、調理補助具として、上述した菜箸2,19や、へら20や、蓋26の他に、おたまなどの掬い具を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一実施例における調理器の要部断面図と、取っ手部分の拡大図である。
【図2】図1において、取っ手の上面に上部に爪や突起を構成した状態の斜視図である。
【図3】本発明の第ニ実施例における取っ手部分の拡大図である。
【図4】本発明の第三実施例における調理器の要部断面図と、取っ手部分の拡大図である。
【図5】図4において、取っ手の上面に溝を構成した状態の斜視図である。
【図6】本発明の第四実施例における本体枠の上面に磁石を埋め込んだ状態の斜視図である。
【図7】同上、本体枠の側面部に磁石を埋め込んだ状態の斜視図である。
【図8】本発明の第五実施例における本体枠の側面部周辺の斜視図である。
【図9】同上、本体枠の側面部周辺の斜視図である。
【図10】別な変形例を示す本体枠の上面周辺の斜視図である。
【図11】さらに別な変形例を示す本体枠の側面部に菜箸保持体を設置した状態の斜視図である。
【図12】さらに別な変形例を示す本体枠の側面部に蓋保持体を設置した状態の斜視図である。
【図13】従来例を示す調理器の断面図である。
【図14】別な従来例を示す調理器の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 鍋(容器)
2,19 菜箸(調理補助具)
3 凸部(滑り防止部)
4 本体枠(枠部)
6 取っ手
7 凹凸部(支持部)
9 爪(支持部)
10 取っ手(保持部)
11,18 磁石(磁性体)
14 凹凸部(支持部)
20 へら(調理補助具)
21 プレート(容器)
24 菜箸保持体(保持体)
25 菜箸固定部(装着部)
26 蓋(調理補助具)
28 蓋保持体(保持体)
29 蓋固定部(固定部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理に使用する調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の調理器は、例えば特許文献1に開示されているように、加熱手段と、容器とを備え、加熱手段により容器上の被調理物を加熱して調理を行なうようにしている。
【特許文献1】特開2004−105462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、調理器は特に食事をするときには、使用する調理補助具を、例えば図13のように、取っ手100付きの容器101の中に補助具102を直接入れるか、図14のように容器104の中に補助具105を直接入れるようにしている。
【0004】
しかし、図13や図14の状態では、次のような問題がある。第1に補助具102や補助具105が容器101や容器104内に転がって落ちたり、倒れたりする場合があり、汁が飛び散る恐れがあること、第2に補助具102や補助具105が落ちない場合でも、補助具102や補助具105の所定容器101や容器104に当たり、補助具102や補助具105の所定部分が熱くなること、第3に補助具102や補助具105の所定部が容器101や容器104に接することで、補助具102や補助具105が劣化することである。
【0005】
そこで本発明は、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1における調理器では、調理補助具が取っ手と容器だけで支持されるように、容器の所定部よりも高く、取っ手に設けた支持部が配置される。したがって調理補助具を置いた時に、調理補助具の所定部分が容器に触れず熱くならず、また調理補助具の劣化も防止できる。しかもこの支持部には、調理補助具の転動または倒れをそれぞれ規制する例えば部分が設けられているので、調理補助具の置き場所を固定でき、汁が飛び散る恐れもない。さらに、容器には調理補助具の滑り防止部が設けられているので、調理補助具が所定部に沿って滑り落ちるのを防ぐことができ、調理補助具をさらに安定した状態に固定できる。
【0007】
本発明の請求項2における調理器では、容器の取っ手に磁性体を設けることで、特に調理補助具が転がり落ちたり、倒れたりすることがなくなり、調理補助具の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、調理補助具を磁性体に吸着させておくことで、調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0008】
本発明の請求項3における調理器では、調理補助具が枠部と容器で支持されるように、容器の所定部よりも高く、枠部に設けた支持部が配置される。また、調理保持具を別な保持部に保持させることもできる。したがって、何れの場合にも、調理補助具の所定部分が容器に触れず熱くならず、また調理補助具の劣化も防止できる。しかも支持部には、調理補助具の転動を規制する部分が設けられているので、調理補助具の置き場所を固定でき、汁が飛び散る恐れもない。
【0009】
本発明の請求項4における調理器では、容器の周囲に位置する枠部に磁性体を設けることで、特に調理補助具が転がり落ちたり、倒れたりすることがなくなり、調理補助具の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、調理補助具を磁性体に吸着させておくことで、調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0010】
本発明の請求項5における調理器では、枠部に設けた装着部に保持体を装着して、この保持体に調理補助具を保持させることができるので、調理補助具の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、調理補助具の所定部分が容器に直接触れず熱くならず、また調理補助具の劣化も防止できる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0012】
請求項2の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0013】
請求項3の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0014】
請求項4の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【0015】
請求項5の発明では、調理補助具の置き場所を固定することができ、また調理補助具が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明における調理器の好ましい実施例を説明する。なお、以下の各実施例について、同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説明は重複を避けるため極力省略する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の第一実施例を示す調理器の断面図と、取っ手6の拡大図である。1は容器たる金属製の鍋1で、この鍋1は被調理物を載置する底部1Aと、この底部1Aの外周に壁状に形成される側部1Bとにより有底状に構成される。また、鍋1の底部1A内面には、調理補助具としての菜箸2の先端部2Aに当接する凸部3が設けられている。この凸部3は、菜箸2の先端部2Aが鍋1内面を滑るのを防ぐいわば滑り防止部として設けられていて、別の手段で実現してもよい。例えば、凸部3の代わりに凹部であってもよいし、小突起を鍋1の底部1Aまたは側部1Bの内面に設けてもよい。また、菜箸2の先端部2Aが浮き上がらず固定できるように、かぎ状にしてもよい。
【0018】
その他、鍋1の側部1Bの両側上部には、当該鍋1を持ち運ぶための樹脂製の取っ手6が設けられる。また取っ手6の上部には、前記菜箸2の基部2Bが入り込む大きさの溝を有する凹凸部7が形成される。この凹凸部7は、菜箸2の転動を防止する支持部に相当するもので、鍋1の凸部3に菜箸2の先端部2Aを突き当てた状態で、この菜箸2の基部2Bを取っ手6の上面に載せた時に、菜箸2が取っ手6上を転がらない方向に形成される。また、菜箸2の基部2Bを取っ手6の上面に載せた状態で、菜箸2の手でつかむ部分に相当する中腹部2Cが、鍋1の側部1B上面に接しないように、この鍋1の側部1B上面よりも高い位置に、取っ手6の凹凸部7が設けられる。
【0019】
この実施例では、調理する材料が鍋1内に投入され、鍋1を図示しない加熱手段で加熱することにより、食材や鍋1には十分熱が伝わっている。ここで、使用した菜箸2を、邪魔にならないように取っ手6の上面に置く際、調理する鍋1の凸部3に菜箸2の先端部2Aを突き当てる。こうすると、菜箸2の先端部2Aが、それ以上鍋1の底部1A中心に向けて滑り込むようなことはなくなる。また、菜箸2の基端2Bを取っ手6の上面に載せた状態では、鍋1の側部1B上面に菜箸2の中腹部2Cが直接触れず、この部分を手でつかむ際に熱く感じたり、菜箸2が劣化したりすることが少ない。また、鍋1の取っ手6上面に凹凸部7が設けられているため、この凹凸部7により形成した溝内に菜箸2の基部2Bを載置すれば、菜箸2が取っ手6の上面を転がることも少なくなる。
【0020】
なお上記第一実施例においては、菜箸2が転がらないように取っ手6の上面に凹凸部7を設けていたが、別の手段で支持部を構成してもよい。例えば、図2に示すように、取っ手6の上面に前述の凹凸部7を設けると共に、菜箸2の基部2Bが鍋1側に倒れるのを防止する爪9を設けてもよい。こうすれば、菜箸2の基部2Bが鍋1側に倒れようとすると、爪9が菜箸2の基部2Bに当接して、その動きを規制する。そのため、菜箸2が取っ手6の上面を転がることだけでなく、菜箸2が鍋1側に倒れるのを、取っ手6の上面に設けた凹凸部7と爪9だけで防止でき、菜箸2を安定した状態に固定できる。
【0021】
以上のように本実施例では、容器である鍋1と、この鍋1を持ち運ぶための取っ手6とを備え、取っ手6は、前記鍋1の所定部である上面よりも高い位置に、調理補助具である菜箸2の転動または倒れを防止する支持部としての凹凸部7と爪9が設けられると共に、菜箸2の滑り防止部として、鍋1に凸部3を設けている。
【0022】
こうすると、菜箸2が取っ手6と鍋1の2点だけで支持されるように、鍋1の上面よりも高く、取っ手6に設けた凹凸部7と爪9が配置される。したがって、菜箸2を邪魔にならないように、取っ手6と鍋1に跨って置いた時に、菜箸2の手でつかむ部分である中腹部2Cが鍋1に直接触れず熱くならず、また菜箸2の劣化も防止できる。しかも、菜箸2の転動と倒れをそれぞれ規制する例えば突起である凹凸部7や爪9が設けられているので、菜箸2の置き場所を固定でき、鍋1内に収容した被調理物の汁が飛び散る恐れもない。さらに、鍋1には菜箸2の滑り防止部として、凸部3が設けられているので、菜箸2が鍋1内面に沿って滑り落ちるのを防ぐことができ、菜箸2をさらに安定した状態に固定できる。
【実施例2】
【0023】
図3は、本発明の第二実施例を示す取っ手6周辺の斜視図である。この例では、前述した凹凸部7や爪9に代わって、取っ手6の上面に磁石11を埋め込んでいる。この磁石11は、取っ手6の別な部位に設けてもよいし、前記第一実施例の構成をそのまま残してもよい。その場合、金属製の菜箸19や、フェライト系ステンレス製へら(図示せず)などを吸着固定することができる。これによって、菜箸19だけではなく、へらなどの各種調理補助具を、被調理物を収容した鍋1に直接入れることなく、安定した状態で固定することができる。
【0024】
このように本実施例では、取っ手6に菜箸19などの調理補助具を吸着する磁性体としての磁石11を設けている。このように、鍋1を持ち運ぶ取っ手6に磁石11を設けることで、特に金属製の菜箸19などが転がり落ちたり、倒れたりすることがなくなり、菜箸19の置き場所を固定して、鍋1内に収容した被調理物からの汁の飛び散りを防止できる。また、菜箸19を磁石に吸着させておくことで、菜箸19が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【実施例3】
【0025】
図4は、本発明の第三実施例を示す調理器の断面図と、調理器側面枠上部の拡大図である。
【0026】
21は、容器たる金属製のプレートで、これは被調理物を載置する底部21Aと、この底部21Aの外周に壁状に形成される側部21Bとにより有底状に構成される。また、プレート21の底部21A内面には、調理補助具としての菜箸2の先端部2Aに当接する凸部3が設けられている。この凸部3は、菜箸2の先端部2Aがプレート21内面を滑るのを防ぐ滑り防止部として設けられていて、別の手段で実現してもよい。例えば、凸部3の代わりに凹部であってもよいし、小突起をプレート21の底部21Aまたは側部21Bの内面に設けてもよい。
【0027】
また、プレート21の底部21Aの直下には、プレート21ひいては被調理物を加熱する加熱手段としての加熱ヒータ12が付いており、さらに加熱ヒータ12から下方への熱をさえぎるためにプレート21の底部21Aを覆うしゃ熱板8が設けられ、さらにプレート21内の被調理物を出し入れする場合などに、手がプレート21の側部21Bに不意に触れないように、プレート21の周囲には樹脂製の本体枠4が設けられている。なお、プレート21の全体若しくは一部を磁性金属で構成すると共に、加熱ヒータ12に代わって誘導コイルを配置し、この誘導コイルからの交番磁界によりプレート21を電磁誘導加熱する方式を採用してもよい。
【0028】
上記で述べたように、本実施例における本体枠4の上部15にも、菜箸2の基部2Bが入り込む大きさの溝を有する凹凸部14が形成される。この凹凸部14は、菜箸2の転動を防止する支持部なるもので、プレート21の凸部3に菜箸2の先端部2Aを突き当て、この菜箸2の基端2Bを本体枠4の上面に載せた状態で、菜箸2の手でつかむ部分に相当する中腹部2Cが、プレート21の側部21B上面に接触しないように、このプレート21の側部21B上面よりも高い位置に凹凸部14が設けられる。
【0029】
この実施例では、調理する材料がプレート21内に投入され、プレート21を加熱ヒータ12で加熱することにより、食材やプレート21には熱が十分伝わっている状態である。ここで、使用した菜箸2を、加熱したプレート21の凸部3にその先端部2Aを突き当てながら、本体枠4の上部15に形成した凹凸部14に置く。このように置くと、菜箸2の先端部2Aが凸部3に当接し、それ以上プレート21の底部21A中心に向けて滑り込むようなことはなくなる。また、菜箸2の先端部2Aをプレート21の凸部3に突き当てながら、基端2Bを本体枠4の凹凸部14に載せた状態では、プレート21の側部21B上面に菜箸2の中腹部2Cが直接触れないので、この部分を手でつかむ際に熱く感じたり、菜箸2が劣化したりすることが少ない。また、本体枠4の上部15に凹凸部14が設けられているため、この凹凸部14により形成した溝内に菜箸2の基部2Bを載置すれば、菜箸2が本体枠4の上面を転がることも少なくなる。
【0030】
また、調理補助具を別な保持部に保持させることもできる。例えば、図5は菜箸2を保持できる取っ手10の斜視図であり、上記本体枠4の側部外面に取っ手10を設けて、調理補助具である菜箸2を保持できるようにしたものである。この取っ手10は、上面に凹凸部8を設けたもので、この凹凸部8によって形成された溝内に、菜箸2を保持するものである。取っ手10の長さは菜箸2の長さを十分カバーできるようなものである。取っ手10の上面の凹凸部8については、菜箸2を取っ手10の上面に置いたとき、菜箸2が転がらないよう防止するものである。調理などに使用した菜箸2は、中腹部2Cを取っ手10の凹凸部8によって形成された溝内の中心にあてるように、本体枠4に沿って置かれる。このようにすれば菜箸2は、転がり落ちることもなく、安定した状態に固定することができる。またこのような菜箸2を保持するような取っ手10は、へら等の別な調理補助具を保持するものに、任意に構造変更できる。
【0031】
以上のように本実施例では、容器であるプレート21と、このプレート21の周囲に位置する枠部としての本体枠4を備え、本体枠4は、プレート21の所定部である上面よりも高い位置に、調理補助具である菜箸2の転動を防止する支持部としての凹凸部14が設けられると共に、菜箸2の保持部として本体枠4に凹凸部8付きの取っ手10を設けている。
【0032】
こうすると、菜箸2が本体枠4とプレート21の2点だけで支持されるように、プレート21の上面よりも高く凹凸部14が配置される。また、菜箸2を別な取っ手10の凹凸部8で保持させることもできる。したがって、菜箸2を本体枠4とプレート21にまたがって置いた時、菜箸2の手でつかむ部分である中腹部2Cがプレート21に直接触れず熱くならず、また菜箸2の劣化も防止できる。しかも菜箸2の転動を規制する例えば凹凸部8,14が設けられているので、菜箸2の置き場所を固定でき、プレート21内の被調理物の汁が飛び散る恐れもない。
【実施例4】
【0033】
図6および図7は、本発明の第四実施例を示しており、図6では本体枠4の上面部内に磁石18が埋め込まれていて、金属製の菜箸19などを本体枠4の上面に横置き状態で吸着固定することができる。また図7では、本体枠4の側面部内に磁石18が埋め込まれていて、フェライト系ステンレス製のへら20などを、本体枠4の側面に縦置き状態で吸着固定することができる。なお、それ以外の構成は、第三実施例と共通している。
【0034】
ここでの磁石18は、何れも本体枠4に埋め込まれていて、金属製の菜箸19やフェライト系ステンレス製のへら20などを、本体枠4に吸着固定することができる。これによって、菜箸19だけではなくへら20などの各種調理補助具を、プレート21内に直接入れることがなく、安定して吸着固定することができる。本体枠4は樹脂製で、プレート21から直接熱が伝わることはないので、調理補助具は金属製ではあるが、熱くなることはない。金属製の調理補助具については、本体枠4の上面部,側面部のどちらに吸着固定されてもよい。
【0035】
以上のように本実施例では、容器であるプレート21と、このプレート21を囲む本体枠4を備え、本体枠4に菜箸19やへら20などの調理補助具を吸着固定する磁石18を設けている。
【0036】
こうすると、プレート21を囲む本体枠4に磁石18を設けることで、特に金属製の菜箸19やフェライト系ステンレス製のへら20が転がり落ちたり、倒れたりすることがなくなり、菜箸19やへら20の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、菜箸19やへら20を磁石18に吸着させておくことで、菜箸19やへら20が熱くなったり、劣化したりするのを防止できる。
【実施例5】
【0037】
図8は、本発明の第五実施例を示すもので、菜箸保持体24と菜箸固定部25を組み合わせて本体枠4の側面側に取り付け、菜箸2を固定する構造となっている。これは、本体枠4の側面部にコ字状の菜箸固定部25が突出形成されており、そこに有底筒状の菜箸保持体24を嵌め込むことができるようになっている。そして、菜箸2を菜箸保持体24内に収容することにより、本体枠4に対し菜箸2を立てて固定するようになっている。これによって、菜箸2がプレート21内へ転がり落ちることがなくなり、菜箸2を邪魔にならないように固定でき、しかも本体枠4,菜箸保持体24および菜箸固定部25は、何れも樹脂製によりプレート21から直接熱が伝わることはないので、菜箸2が熱くなることはない。
【0038】
なお菜箸保持体24は、特に菜箸2に限定されるものでなく、他の調理補助具に対して適用できる。
【0039】
図9は、図8と同様な方法で、蓋保持体28と蓋固定部29を組み合わせて本体枠4の側面に取り付け、プレート21を開閉自在に覆う調理補助具としての蓋26を保持する構造を有している。これは、本体枠4の側面部にコ字状の蓋固定部29が突出形成されており、そこに縦断面がJ字状の蓋保持体28を嵌め込むことができるようになっている。そして、蓋26を蓋保持体28内に収容することにより、本体枠4に対し蓋26を立てて固定するようになっている。これにより、蓋26を邪魔にならないように、本体枠4に固定保持できる。また、蓋26が熱くなることもない。
【0040】
なお、図8および図9に示す構造を、同一の本体枠4にそれぞれ組み込んでもよい。また、菜箸固定部25や蓋固定部29を本体枠4の側面部に複数箇所設けることで、使用者の好む場所に菜箸保持体24や蓋保持体28を着脱自在に固定することができる。これらの菜箸保持体24や蓋保持体28は、不使用時に本体枠4の側面部から取り外すことができ、省スペースにも効果がある。
【0041】
以上のように本実施例では、容器であるプレート21と、このプレート21の周囲に位置する本体枠4とを備え、菜箸2や蓋26などの調理補助具の保持体である菜箸保持体24や蓋保持体28を装着可能にする装着部として、菜箸固定部25や蓋固定部29を本体枠4の側面部に設けている。
【0042】
こうすると、本体枠4に設けた菜箸固定部25や蓋固定部29に、菜箸保持体24や蓋保持体28をそれぞれ装着して、こうした菜箸保持体24や蓋保持体28に菜箸2や蓋26などの調理補助具を保持させることができるので、調理補助具の置き場所を固定して、汁の飛び散りを防止できる。また、菜箸2の手でつかむ部分がプレート21に直接触れず熱くならず、また菜箸2や蓋26の劣化も防止できる。
【0043】
さらに、菜箸保持体24や蓋保持体28を、菜箸固定部25や蓋固定部29と着脱自在に設けることで、菜箸保持体24や蓋保持体28を自由に取り外すことができ、調理器としての省スペース化を実現できる。
【0044】
その他、別な変形例を図10に示すと、ここでは第一実施例で示す凹凸部7と爪9の構造を、取っ手6にではなく、第三実施例で示す本体枠4の上面に適用させている。なお、これらの凹凸部7や爪9の作用については、第一実施例で説明したとおりである。
【0045】
さらに別な変形例を図11や図12にそれぞれ示すと、図11では、本体枠4の側面部に菜箸保持体24を一体的に形成している。この菜箸保持体24に箸2を収容することで、菜箸2を熱くすることなく、邪魔にならないように固定できる。また図12では、本体枠4の側面側に蓋保持体28を一体的に形成している。この蓋保持体28に蓋26を収容することで、蓋26を熱くすることなく、邪魔にならないように固定できる。このように、第五実施例での菜箸保持体24または蓋保持体28を、本体枠4と一体の部品で構成してもよい。
【0046】
なお本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、調理補助具として、上述した菜箸2,19や、へら20や、蓋26の他に、おたまなどの掬い具を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一実施例における調理器の要部断面図と、取っ手部分の拡大図である。
【図2】図1において、取っ手の上面に上部に爪や突起を構成した状態の斜視図である。
【図3】本発明の第ニ実施例における取っ手部分の拡大図である。
【図4】本発明の第三実施例における調理器の要部断面図と、取っ手部分の拡大図である。
【図5】図4において、取っ手の上面に溝を構成した状態の斜視図である。
【図6】本発明の第四実施例における本体枠の上面に磁石を埋め込んだ状態の斜視図である。
【図7】同上、本体枠の側面部に磁石を埋め込んだ状態の斜視図である。
【図8】本発明の第五実施例における本体枠の側面部周辺の斜視図である。
【図9】同上、本体枠の側面部周辺の斜視図である。
【図10】別な変形例を示す本体枠の上面周辺の斜視図である。
【図11】さらに別な変形例を示す本体枠の側面部に菜箸保持体を設置した状態の斜視図である。
【図12】さらに別な変形例を示す本体枠の側面部に蓋保持体を設置した状態の斜視図である。
【図13】従来例を示す調理器の断面図である。
【図14】別な従来例を示す調理器の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 鍋(容器)
2,19 菜箸(調理補助具)
3 凸部(滑り防止部)
4 本体枠(枠部)
6 取っ手
7 凹凸部(支持部)
9 爪(支持部)
10 取っ手(保持部)
11,18 磁石(磁性体)
14 凹凸部(支持部)
20 へら(調理補助具)
21 プレート(容器)
24 菜箸保持体(保持体)
25 菜箸固定部(装着部)
26 蓋(調理補助具)
28 蓋保持体(保持体)
29 蓋固定部(固定部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、この容器の取っ手とを備え、
前記取っ手は、前記容器の所定部よりも高い位置に、調理補助具の転動または倒れを防止する支持部が設けられると共に、
前記調理補助具の滑り防止部を前記容器に設けたことを特徴とする調理器。
【請求項2】
容器と、この容器の取っ手とを備え、
前記取っ手に調理補助具を吸着する磁性体を設けたことを特徴とする調理器。
【請求項3】
容器と、この容器の周囲に位置する枠部とを備え、
前記枠部は、前記容器の所定部よりも高い位置に、調理補助具の転動を防止する支持部が設けられると共に、
前記調理補助具の保持部を前記枠部に設けたことを特徴とする調理器。
【請求項4】
容器と、この容器の周囲に位置する枠部とを備え、
前記枠部に調理補助具を吸着する磁性体を設けたことを特徴とする調理器。
【請求項5】
容器と、この容器の周囲に位置する枠部とを備え、
調理補助具の保持体を装着可能にする装着部を前記枠部に設けたことを特徴とする調理器。
【請求項1】
容器と、この容器の取っ手とを備え、
前記取っ手は、前記容器の所定部よりも高い位置に、調理補助具の転動または倒れを防止する支持部が設けられると共に、
前記調理補助具の滑り防止部を前記容器に設けたことを特徴とする調理器。
【請求項2】
容器と、この容器の取っ手とを備え、
前記取っ手に調理補助具を吸着する磁性体を設けたことを特徴とする調理器。
【請求項3】
容器と、この容器の周囲に位置する枠部とを備え、
前記枠部は、前記容器の所定部よりも高い位置に、調理補助具の転動を防止する支持部が設けられると共に、
前記調理補助具の保持部を前記枠部に設けたことを特徴とする調理器。
【請求項4】
容器と、この容器の周囲に位置する枠部とを備え、
前記枠部に調理補助具を吸着する磁性体を設けたことを特徴とする調理器。
【請求項5】
容器と、この容器の周囲に位置する枠部とを備え、
調理補助具の保持体を装着可能にする装着部を前記枠部に設けたことを特徴とする調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−279113(P2008−279113A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126751(P2007−126751)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】
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