説明

調理栄養食品

【課題】コンディリの葉が公害の影響を受けない野性の植物であること、各種ビタミンやミネラルなどの滋養成分が豊富であること等に鑑み、他の食材との調和によりコンディリの持つ秘めた風味を巧みに引き出した調理栄養食品を提供する。
【解決手段】あく抜きしたコンディリナムルを少量のえごま油と少量の食塩とで味付けし、水洗いした米にそのコンディリナムルを混ぜ、米をコンディリナムルとともに蒸し又は炊いてなり、ご飯風でタレ付きであることを特徴とする。
【効果】コンディリの葉が公害の影響を受けない無農薬の野性の植物であること、各種ビタミンやミネラルなどの滋養成分が豊富であること等から、これを食することにより健康の維持増進を有効にはかることができ、また、ご飯や、チヂミ、調味料等の他の食材との調和によりコンディリの持つ秘めた風味を巧みに引き出されているため、これまでになくコンディリナムルのうま味を賞味することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に外食をする客に提供し、時には持ち帰りに提供するための食品であって、山野で育つ特殊な草木、コンディリの葉が調理されているために滋養に富み健康に適した調理栄養食品に関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、春になれば山菜採りが行われ、まず、雪解けとともにフキノトウが出るので、それを味噌和えにして香りを楽しみ、さらに、4,5月になると、フキ、ワラビ、ゼンマイなどが採られて、根菜類とともに煮たり、酢物や和えものとして調理される。しかし、コンディリの葉は日本には生育しなくそれを食べるという習慣もなかった。
【0003】
コンディリは、菊花科に属し「高麗アザミ」とも言い、韓国の全南(智異山)から平南(成川)の間の各地に分布し、特に、ガンウン道にある太白山の海抜700メートル程度のところに生育する植物である。幹は枝がたくさんに分かれており、高さは1mに達する。根葉は花が咲く時に枯れ、茎葉は胡索して中央部の葉は葉柄があり、卵型、又は楕円状披針形である。長さ15〜35cmで先は概して尖っており、下部が広い楔形で、表面は緑色で毛が若干ある。裏面は白味がかっていて毛が無く、葉がのっぺりしていたり、刺のような鋸歯がある。野性の植物で特別の味はないものの、昔、食べるものがなかった時代、大切な救荒植物として重宝されたこともあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、上記のようにコンディリの葉が公害の影響を受けない野性の植物であること、各種ビタミンやミネラルなどの滋養成分が豊富であること等に鑑み、他の食材との調和によりコンディリの持つ秘めた風味を巧みに引き出した調理栄養食品を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、第1発明は、あく抜きしたコンディリナムルを少量のえごま油と少量の食塩とで味付けし、水洗いした米にそのコンディリナムルを混ぜ、米をコンディリナムルとともに蒸し又は炊いてなり、ご飯風でタレ付きであることを特徴とする調理栄養食品を提供する。
【0006】
第2発明は、少なくとも小麦粉に食塩と水を加えて練って生地を作り、これにあく抜きしたコンディリナムルを具として加え、フライパンに薄めに広げて焼き上げてなり、チヂミ風でタレ付きであることを特徴とする調理栄養食品を提供するものである。
【0007】
第3発明は、採取した生のコンディリナムルに醤油、砂糖、酢、焼酎を混ぜて発酵させてなり、糠漬風であることを特徴とする調理栄養食品を提供するものである。
【0008】
以上の各発明において、「コンディリナムル」とは、コンディリの葉を意味するが、ご飯風とチヂミ風との場合は、茹でることによりあく抜きをしたものを使用する。さらに茹でたものを乾燥して保存することにより、7月の収穫時以外にも茹で戻して年中使用することができる。この場合、乾燥と茹で戻しにより細胞は破壊されて、細胞内に秘められていた滋養成分が抽出されやすくなるので、栄養を言わば丸ごと有効に摂取できるようになる。したがって、茹でてあく抜きした乾物を使用することが望ましい。また、太陽に当てて乾燥すると特に滋養が増すことになる。
【0009】
コンディリナムルは、乾物を戻しても緑色を呈しており、タンパク質、カルシウム、ビタミンAなどの健康に良いいろんな栄養成分が含まれている。また、民間療法のなかでコンディリは薬として、婦人病、糖尿病、成人病、動脈硬化、高血圧に効き、消炎作用があり血液循環を改善できるなど、良い効果が知られているが、上記の調理栄養食品を食することによっても、これらの効果が期待される。
【0010】
食感は軟らかく何の香りもないが、ご飯風やチヂミ風であるときには、タレ(例えば鰻の蒲焼につけるような風味のタレ)との相性が非常に良く、美味しく食することができるとともに、何べんもお代わりがしたくなるほどに食欲がでる。しかも、ご飯やチヂミに含まれるコンディリナムルの喉越しの良さは他では味わえなく格別である。また、糠浸風であるときには、発酵によりうま味が生まれ、ビタミン類が発生しているためにまたとない健康に良い食品となる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、この発明の調理栄養食品によれば、コンディリの葉が公害の影響を受けない無農薬の野性の植物であること、各種ビタミンやミネラルなどの滋養成分が豊富であること等から、これを食することにより健康の維持増進を有効にはかることができ、また、ご飯や、チヂミ、調味料等の他の食材との調和によりコンディリの持つ秘めた風味を巧みに引き出されているため、これまでになくコンディリナムルのうま味を賞味することができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
ご飯風の場合は、まず、コンディリナムルを茹で、水を切ってからごま油、食塩、味付けた牛肉、キノコなどを入れて混ぜる。次は、圧力釜の下に敷いて米を混ぜて炊く。そして、炊きかけたご飯に味付けタレを入れて混ぜながら食べると美味しい。特に、一人用の石の釜でコンディリご飯を炊いた場合、ご飯を食べた後、石の釜の下にできたお焦げに水を入れ、お茶づけみたいに食べても美味しい。
【0013】
チヂミ風の場合、小麦粉からなるチヂミの生地にさまざまな海鮮、豆もやし等の野菜を入れ、チヂミの粉を加えたり、いろいろの味付けをして、日本のお好み焼きみたいに鉄板の上で焼いて美味しく食べることができる。
【0014】
糠漬風の場合、7月に採取した生のコンディリナムルに醤油、焼酎、酢、砂糖を、また、その他の調味料を加えて、15日間以上置いて発酵・熟成させると、栄養価の高い食品として美味しく食することができる。
【実施例】
【0015】
「ご飯風のコンディリナムル調理栄養食品Pa」
(材料・一人前)
米 200g
コンディリナムル(乾物) 40g(10g〜80g程度が良い)
えごま油 少量
食塩 少量
水 350mg
【0016】
(作り方)
図1は作った状態を示したもので、容器1に盛られているご飯3にコンディリナムル5が散りばめられている。作り方については、まず、コンディリナムルにえゴマ油、少量の食塩、また、好みによって牛肉や松茸、マグロの切り身などを入れ、米と混ぜてから強火で8分程度蒸す。続いて、弱火で17分ぐらい蒸し続ける。
【0017】
コンディリは7月に採取し、茹でてアクを取ってから乾燥する。これにより保存ができる。使用するときには、乾物のコンディリを水に12時間ぐらい浸けておき、次に、浸け取ったコンディリを再び茹でる。米は洗って(又は研いで)から6時間ぐらい水に浸けおきしてから蒸す。
【0018】
「チヂミ風コンディリナムル調理栄養食品Pb」
(材料)
コンディリ 50g
天ぷら粉 40g
チヂミ粉 40g
小麦粉 80g
食塩 少量
イカの切り身 20g
貝柱 20g
サラダ油 適量
【0019】
(作り方)
図2は作った状態を示したもので、平たい生地7にコンディリナムル5等が散りばめられている。作り方にういては、まず、天ぷら粉、チヂミ粉、小麦粉に少しの食塩と水を入れて混ぜて生地を作る。続いて、ここでイカの切り身、貝柱、コンディリなどを入れてもう一度混ぜてからフライパンの上に広げて焼く。
【0020】
「糠漬風コンディリナムル調理栄養食品Pb」
(材料) (重量割合)
コンディリナムル(7月に採取した生葉) 10
醤油 1
砂糖 1
酢 1
焼酎 1
【0021】
(作り方)
図3は作った状態を示したもので、コンディリナムル5の漬物である。作り方については、まず、容器にコンディリナムルを入れてから醤油、砂糖、酢、焼酎を全部同じ量ずつ入れ、コンディリナムルがうずもれるくらいにして漬け込む。15日以上置くと発酵により食べごろとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係るご飯風のコンディリナムル調理栄養食品の一例を示す斜視図である。
【図2】この発明に係るチヂミ風のコンディリナムル調理栄養食品の一例を示す斜視図である。
【図3】この発明に係る糠漬風のコンディリナムル調理栄養食品の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
Pa,Pb,Pc 調理栄養食品
3 ご飯
5 コンディリナムル
7 生地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あく抜きしたコンディリナムルを少量のえごま油と少量の食塩とで味付けし、水洗いした米にそのコンディリナムルを混ぜ、米をコンディリナムルとともに蒸し又は炊いてなり、ご飯風でタレ付きであることを特徴とする調理栄養食品。
【請求項2】
少なくとも小麦粉に食塩と水を加えて練って生地を作り、これにあく抜きしたコンディリナムルを具として加え、フライパンに薄めに広げて焼き上げてなり、チヂミ風でタレ付きであることを特徴とする調理栄養食品。
【請求項3】
採取した生のコンディリナムルに醤油、砂糖、酢、焼酎を混ぜて発酵させてなり、糠漬風であることを特徴とする調理栄養食品。






















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−167709(P2008−167709A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5324(P2007−5324)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(507014494)
【Fターム(参考)】