説明

識別コード及び識別コードの形成方法

【課題】 ドット部のマーキング対象物との密着力が向上する識別コードの提供及び、識別コードを構成するドット部とマーキング対象物との接触面積が大きく、密着力を向上させ、識別コードを構成するドット部の欠けや脱落、倒れを防ぎ、識別コードの判別性を向上させる手段を提供する。
【解決手段】 マーキング対象物の上に、複数のドット部の集合体で構成される識別コードにおいて、各々のドット部を、マーキング材料が複数のドットを積層して形成し、上層のドットの中心位置を、下層のドットの中心位置に対してずらして形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置または電子部品などにマーキングされる、識別コード及び識別コードの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や電子部品は、家電製品、自動車またはその他の工業製品など、多種多様な分野に渡って使用されている。前記半導体装置は、1枚の半導体ウエハーに、半導体チップと呼ばれる形態の小さな回路部品が複数配置されて形成されるのが一般的である。前記半導体チップは、ダイシング工程で個々に分割され、配線部材と接続し、全体を樹脂モールドしてパッケージングされ、検査工程を経て、前記半導体装置として出荷される。
【0003】
前記半導体装置は、所定の製造方法と製造条件に基づいて、大量に生産されており、常に安定した品質が維持されるように、管理されている。前記半導体装置の品質管理においては、製造工程の途中と出荷前に、適宜検査が行われる。もし、前記検査で不合格となれば、原因を分析して、前記製造方法または製造条件の改善につなげられる。
【0004】
一方、前記半導体装置を製造工程内で検査を行い、検査の合格品を出荷した後で、不具合が見つかることが稀にある。前記不具合が、前記製造方法または製造条件に起因していることが判明した場合、製造ロットまたは製造年月日などを明示して、ユーザに告知し、修理や回収を促すことになる。
【0005】
そのため、前記製造方法と製造条件を管理することは、前記半導体装置の品質を維持する上で重要である。また、出荷した製品の製造履歴を特定したり、後で参照したりするために重要となる。
【0006】
前記製造履歴を明確にする手段として、前記半導体装置に、識別コードと呼ばれる固有のID(例えば、2次元コードなど)(以下、識別コード)を付加する手法が用いられている。前記識別コードは、製造ロット、製造年月日、製造に使用した設備または仕向地などの各種情報をコード化して含めることができ、製造履歴を特定することができる。
また、前記識別コードと併せて、半導体装置の製造方法、製造条件または検査結果などの製造履歴情報が、前記半導体装置の生産管理システムのデータベースに登録されている。そうすることで、前記半導体装置は、マーキングされている前記識別コードを見て、前記各種情報と前記製造履歴情報を参照することができるようになっている。
【0007】
前記識別コードは、半導体ウエハー毎にマーキングされたウエハーIDと、半導体チップ毎にマーキングされたチップIDなどがある。前記チップIDは、前記半導体チップの個数に応じて、1枚の半導体ウエハー上に、複数マーキングされる。
【0008】
図9に、半導体装置の一部破断斜視図を示す。
半導体装置110は、半導体チップ101と、多数の配線用端子102と、それらを接続する配線(図示せず)と、樹脂をモールド形成したパッケージ104を含んで構成されている。半導体チップ101の表面には、識別コードであるチップID30cが、マーキングされている。
【0009】
図9に示すチップID30cは、縦横がそれぞれ16ドットずつのマトリクスからなる2次元コードであり、36−aと36−bで示すような複数のドット部の集合体で構成されている。図9において、半導体装置110は、上面に破断開口部112があるように記載をしているが、実際には開口しておらず密封状態である。
【0010】
チップID30cは、樹脂モールドされたパッケージ104の内部にあるため、外部から目視などでは認識できない。そのため、チップID30cは、X線を用いた透過観察等により、読み取りが行われる。したがって、従来の識別コードは、X線を用いた透過観察において、ドット部の有無を判別しやすくするために、ドット部が高くなるように形成されていた。ドット部を高くするために、ドット部を形成するマーキング材料は、同じ場所に幾層も積層して形成されていた。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−105210号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図10は、半導体ウエハーを、ダイシングしている様子を示す断面図である。半導体ウエハー100には、回路パターン108が形成されており、その上には絶縁膜109が形成されている。絶縁膜109の上には、従来の識別コード30zがマーキングされている。
【0013】
さらに、半導体ウエハー100は、下面にはフィルム80が貼り付けられた状態で、テーブル24上に載置されている。この状態で、半導体ウエハー100は、表面側からダイシングブレード81を用いて、ダイシングされている。ダイシング工程では、水や、研磨剤と液体とを混ぜた砥粒と呼ばれるものが用いられ、ダイシング中は飛散物83が周辺に飛散する。ダイシングが終わると、溝部82が形成される。
【0014】
このとき、従来の識別コード30zを構成するドット部には、飛散物83が勢いよく飛び散って当たる。そのため、従来の識別コード30zは、一部脱落したドット部85や、倒れたドット部86を含んでしまうことが稀にあった。
【0015】
さらに、識別コードの判別性を向上させるために、ドット部の高さと底面積の比(いわゆるアスペクト比)を高くすると、識別コードの一部のドット欠けや脱落や倒れが起きる可能性が高くなってしまうという課題があった。
【0016】
そこで本発明の目的は、
ドット部のマーキング対象物との密着力が向上する識別コードを提供することを目的とする。また、識別コードを構成するドット部とマーキング対象物との接触面積を大きくすることで密着力を向上させ、識別コードを構成するドット部の欠けや脱落、倒れを防ぎ、識別コードの判別性を向上させる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
マーキング対象物の上に、複数のドット部の集合体で構成される識別コードであって、
各々のドット部は、マーキング材料が複数のドットを積層して形成されており、
上層のドットの中心位置が、下層のドットの中心位置に対してずれて形成されている識別コードである。
【0018】
この識別コードは、マーキング材料とマーキング対象物との接触面積が大きく、密着力が強い。そのため、識別コードのドット部の欠けや脱落を防止することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、
マーキング対象物の上に、複数のドット部の集合体で構成される識別コードを形成する、識別コードの形成方法において、
各々のドット部は、
塗布ノズルから前記マーキング対象物に向けてマーキング材料を塗布するドット塗布ステップと、
前記マーキング対象物の上に付着した前記マーキング材料を硬化させる硬化ステップと、前記マーキング対象物と前記塗布ノズルとを予め登録された位置関係になるように相対移動させる塗布位置変更ステップとを、複数回繰り返して、複数の層状に形成され、
上層のドット部の中心位置を、下層のドット部の中心位置に対してずらして形成されることを特徴とする、識別コードの形成方法である。
【0020】
この方法により、マーキング対象物との接触面積が大きく、密着力が強い識別コードを形成することができる。そのため、形成した識別コードのドット部の欠けや脱落を防止することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、
前記マーキング材料の塗布位置を、所定方向に所定距離オフセットさせる、塗布位置オフセットステップと、
前記オフセットさせる方向及び距離を予め設定する、オフセット量設定ステップとを有することを特徴とする、請求項2に記載の識別コードの形成方法である。
【0022】
この方法によれば、必要最小限のノズルを用いて、マーキング対象物との接触面積が大きく、密着力が強い識別コードを形成することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、
前記塗布ノズルを複数並べて配置し、前記下層のドット部と前記上層のドット部とで、塗布に用いる前記塗布ノズルを変更する、ノズル使用位置シフトステップを有する
ことを特徴とする、請求項2に記載の識別コードの形成方法である。
【0024】
この方法によれば、各ノズルの飛行曲がり特性を利用して、ドット部の中心位置が各層で変化するため、マーキング対象物との接触面積が大きく、密着力が強い識別コードを形成することができる。さらに塗布ノズルを複数並べて配置し、下層のドット部を形成する際に使用する塗布ノズルと、上層のドット部を形成する際に使用する塗布ノズルとを変更して識別コードのドット部を形成するので、塗布ノズルの一つに目詰まりが生じたとしても、特定の部位のドット部が完全に欠落することを防ぎ、確実にドット部を形成することができる。そのため、識別コードのドット欠けを防ぐことができる。また、各ノズルの吐出量のバラツキによるドット形状のバラツキを平均化する効果もある。
【0025】
請求項5に記載の発明は、
前記塗布ノズルと前記マーキング対象物との距離を変更する、ギャップ量変更ステップを有することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1つに記載の識別コードのマーキング方法である。
【0026】
この方法によれば、ギャップ量を調整することで、飛行曲がり特性を有する塗布ノズルを用い、厳密な方向調整をするまでもなく、積層形成するドット部の中心位置を適宜コントロールしてずらすことができる。そのため、識別コードのドット欠けを容易に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の識別コードのマーキング装置及び方法を用いて形成した識別コードは、ドット部の接触面積が大きく、密着強度が向上し、ドット欠けや脱落、倒れを防止できる。そのため、識別コードの判別性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明の実施形態の一例を示す平面図である。
【図1B】本発明の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明を具現化する形態の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明を具現化する形態の一例を示すシステム構成図である。
【図4】本発明を具現化する形態の一例を示すフロー図である。
【図5A】本発明を具現化するために用いられるマーキングヘッド部の一部破断斜視図である。
【図5B】本発明を具現化する形態の一例を示す斜視図である。
【図6A】本発明を具現化する別の形態の一例を示す斜視図である。
【図6B】本発明を具現化する別の形態のある時点における状態を示す斜視図である。
【図6C】本発明を具現化する別の形態のある時点における状態を示す斜視図である。
【図6D】本発明を具現化する別の形態のある時点における状態を示す斜視図である。
【図6E】本発明を具現化する別の形態のある時点における状態を示す斜視図である。
【図7A】本発明の別の実施形態の一例を示す平面図である。
【図7B】本発明の別の実施形態の一例を示す断面図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態の一例を示す斜視図である。
【図9】半導体装置の一部破断斜視図である。
【図10】半導体ウエハーを、ダイシングしている様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明を実施するための形態について、図を用いながら説明する。以下の説明においては、本発明の識別コードの例として、半導体ウエハー100に複数マーキングされているチップID30cの1つに着目して説明を行う。各図において直交座標系の3軸をX、Y、Zとし、XY平面を水平面、Z方向を鉛直方向とする。特にZ方向は矢印の方向を上とし、その逆方向を下と表現する。
【0030】
図1Aは、本発明の実施形態の一例を示す平面図であり、チップID30の1つのドット部36−aに着目している。
図1Bは、本発明の実施形態の一例を示す断面図であり、図1AのAA断面を示している。マーキング対象物である半導体ウエハー100上に、マーキング材料が複数回積層して形成されている。詳細を述べると、1層目のドット36−a1が塗布されている。1層目のドット36−a1が乾燥して表面が硬化した後、その上から2層目のドット36−a2が塗布され、同様にして、3層目のドット36−a3、4層目のドット36−a4、5層目のドット36−a5が塗布される。その後、5層目のドット36−a5が乾燥した後、ドット部36−aが形成されている。
【0031】
この時、各層のドット36−a2〜36−a5は、下層のドット部との中心位置に対してずれて形成されるように、塗布されている。そうすることで、半導体ウエハー100との接触面積が広い、山状のドット部36−aが形成される。このチップID30のドット部36−aは、半導体ウエハー100との密着力が強い。そのため、ドット部の欠けや脱落を防止することができる。
【0032】
図2は、本発明を具現化する形態の一例を示す斜視図である。本発明のチップID30cを形成する具体例として、マーキング装置1を用いた形態が示されている。
【0033】
マーキング装置1は、装置ベース11の上に取り付けられたステージ部2と、ステージ部2を跨ぐように装置ベース11の上に一対の支柱12と梁13とが連結された門型の構造物と、梁13にZ軸ステージ15とベース部材16を介して取り付けられたマーキングヘッド部3とアライメントカメラ部4と、制御部9を含んで、構成されている。
【0034】
梁13には、Z軸ステージ15が取り付けられており、Z軸ステージ15には、ベース部材16が取り付けられている。ベース部材16には、マーキングヘッド部3とアライメントカメラ部4とが取り付けられている。そのため、Z軸ステージ15は、マーキングヘッド部3とアライメントカメラ部4とを、Z方向に移動させたり、任意の位置で静止させたりすることができる。
【0035】
ステージ部2は、装置ベース11上に取り付けられたX軸ステージ21と、X軸ステージ21上に取り付けられたY軸ステージ22と、Y軸ステージ22上に取り付けられたθ軸モータ23と、θ軸モータ23上に取り付けられたテーブル24とを含んで、構成されている。
【0036】
X軸ステージ21は、その上に取り付けられたY軸ステージ22をX方向に移動させることができ、Y軸ステージ22は、その上に取り付けられたθ軸モータ23をY方向に移動させることができ、θ軸モータ23は、その上に取り付けられたテーブル24をθ方向に回転させることができる。
【0037】
ステージ部2は、前記の様な構成をしているので、テーブル24上に載置された半導体ウエハー100を、XY方向に移動させたり、さらにθ方向に回転させたり、それぞれを任意の位置で静止させたりすることができる。
【0038】
テーブル24は、表面に溝や孔が形成されており、前記溝や孔は、開閉制御用バルブを介して真空源に接続されている。テーブル24に載置された半導体ウエハー100は、負圧により吸着保持され、テーブル24の移動中に位置ずれしないようになっている。
【0039】
詳細を後述するが、マーキングヘッド部3は、テーブル24の上方に、テーブル24と対向するように配置されており、インク材塗布ユニット32を用いて、マーキング材料であるインク材を半導体ウエハー100に塗布することができる。このインク材が乾燥し硬化することで、チップID30cのドット部36が形成される。
【0040】
アライメントカメラ部4は、カメラ40、光学系ユニット、照明および照明の光量調節ユニット41を含んで、構成されている。カメラ40としては、CCDやCMOS、その他の撮像素子を用いた撮像カメラが例示でき、撮像した画像を映像信号として、制御部9へ出力することができるものであれば良い。
【0041】
前記光学系ユニットは、半導体ウエハー100の表面に焦点を合わせて、カメラ40にて画像を観察することができるようにしたものであって、レンズやミラーなどの光学系部品で構成されるものであれば良い。
【0042】
前記照明としては、LED、ハロゲン、白熱電球、その他の発光手段が例示でき、前記カメラにて、半導体ウエハー100の表面のパターンを観察することができるように、カメラ40の感度波長に合わせて、所定の波長を含む光線を放射するものであれば良い。さらに、前記照明は、照明の光量調節ユニット41に接続されており、任意の光量となるように調節することができる。
【0043】
図3は、本発明を具現化する形態の一例を示すシステム構成図であり、マーキング装置1に関するシステム構成が示されている。図3に示すように、制御部9には、制御用コンピュータ90と、情報入力手段91と、情報表示手段92と、発報手段93と、情報記録手段94と、機器制御ユニット95とが接続されて含まれている。
【0044】
制御用コンピュータ90としては、マイコン、パソコン、ワークステーションなどの、数値演算ユニットが搭載されたものが例示される。
情報入力手段91としては、キーボードやマウスやスイッチなどが例示される。
情報表示手段92としては、画像表示ディスプレイやランプなどが例示される。
【0045】
発報手段93としては、ブザーやスピーカ、ランプなど、作業者に注意喚起をすることができるものが例示される。
情報記録手段94としては、メモリーカードやデータディスクなどの、半導体記録媒体や磁気記録媒体や光磁気記録媒体などが例示される。
機器制御ユニット95としては、プログラマブルコントローラやモーションコントローラと呼ばれる機器などが例示される。
【0046】
制御用コンピュータ90には、画像処理ユニットを介して、カメラ40から出力された映像信号が入力される。
【0047】
機器制御ユニット95には、Z軸ステージ15と、X軸ステージ21と、Y軸ステージ22と、θ軸モータ23と、インク材送液ユニット32と、カメラ40と、前記照明の光量調節ユニット41と、その他の制御機器(図示せず)とが、接続されている。
また、機器制御ユニット95は、接続されている各機器に対して制御用信号を与えることにより、前記各機器を動作させたり静止させたりすることができるようになっている。
[マーキング動作フロー]
【0048】
図4は、本発明を具現化する形態の一例を示すフロー図である。図4では、半導体ウエハー100上にチップID30cを構成するドット部36を形成する手順が、ステップ毎に示されている。
【0049】
先ず、半導体ウエハー100にチップID30cをマーキングするに先立ち、各層のドットの中心位置をXY方向にどれだけずらすかを設定する。これを、オフセット量設定ステップ(s101)という。
また、必要に応じて、半導体ウエハー100とノズルとのZ方向の間隔をいくらにするかを設定する。これを、ギャップ量調整ステップ(s102)という。
【0050】
次に、半導体ウエハー100をテーブル24に載置し(s103)、半導体ウエハー100を吸着保持させる(s104)。
その後、予め設定された作業手順に基づいて、以下の手順でマーキング動作が行われる。
【0051】
テーブル24を移動させ、半導体ウエハー100上のアライメントマークを読み取り(s105)、XYθ方向にアライメント動作を行う(s106)。
前記アライメントマークは、半導体ウエハー100上に形成されており、基準位置を示すためのものであり、回路パターン108を形成したり、ダイシングしたりするときにも、基準とされている。そして、前記アライメントマークを読み取ってアライメント動作をすることにより、テーブル24上に半導体ウエハー100がずれて載置された場合であっても、常に前記アライメントマークを基準として、予め登録された所定の位置にチップID30cを構成するドット部36を形成することができる。
【0052】
次に、必要に応じて、塗布位置をXまたはY方向に所定量だけオフセットさせる塗布位置オフセットステップ(s111)、複数の塗布ノズルの使用位置をXまたはY方向に所定量だけシフトさせるノズル使用位置シフトステップ(s112)、ギャップ量をZ方向に所定量オフセットさせるギャップ量オフセットステップ(s113)を経て、パラメータを設定する。
【0053】
次に、テーブル24を移動させ、半導体ウエハー100上の所定の位置にインク材が塗布されるようにする。これを、塗布位置変更ステップ(s115)という。
【0054】
次に、半導体ウエハー100に向けてにインク材を塗布する。これを、ドット塗布ステップ(s116)という。その後、ドット部を乾燥、硬化させる。これを、硬化ステップ(s117)という。
【0055】
この硬化ステップ(s117)は、ドット部を完全硬化させる本硬化としても良いが、ドット部の表面が硬化しつつ内部に流動性が残った状態の仮硬化とすることがより好ましい。仮硬化の状態であれば、ドット部を積層形成させるために、下層のドットが完全硬化するまで待機する必要がなく、単位時間当たりの処理回数を増やすことができる。また、下層のドットの表面は硬化しているので、その上から次のドットを積層しても、下層のドット部の形状が崩れることもない。
【0056】
上述の仮硬化のために要する時間は、所定の時間必要であるので、1つのドット部の各層のドットを連続して形成する場合、各層のドット表面が硬化するのを待つ必要がある。そのため、半導体ウエハー100上にマーキングする他の識別コードや、1つの識別コードの他のドット部を形成するためにインク材を1層ずつ塗布する。そうすると、マーキングに所定の時間を費やす必要がある。よって、この時間を仮硬化のための時間に充てることができる。
【0057】
次に、第n層目(n=1,2,3・・・)のドットの塗布が終わったかどうかを判断する判断ステップ(s118)で、まだ塗布すべき場所があると判断すれば、塗布位置変更ステップ(s115)へ戻り、所定の位置にインク材を塗布する。
【0058】
次に、この判断ステップ(s118)で、第n層目(n=1,2,3・・・)のドットの塗布が終わったと判断されれば、全層のドット塗布が終了したかどうかを判断ステップ(s119)で判断する。
【0059】
全層のドット塗布が終わっていないと判断されれば、塗布位置オフセットステップ(s111)、ノズル使用位置シフトステップ(s112)、ギャップ量オフセットステップ(s113)の前に戻り、必要に応じてこれらのステップ(s111〜s113)を経て、下層のドットの中心位置に対する上層のドットの中心位置が変わるように、パラメータを変更する。そして、塗布位置変更ステップ(s115)へ進み、上層のドット塗布のために、上記手順を繰り返す。
【0060】
全層のドット塗布が終わったと判断すれば、テーブル24の吸着保持を解除(s121)し、半導体ウエハー100をテーブル24から取り出す(s122)。
【0061】
上述のフローに基づいて、図1に示すような形状をした、チップID30cのドット部36を形成することができる。
[マーキングヘッド部詳細]
【0062】
図5Aは、本発明を具現化するために用いられるマーキングヘッド部の一部破断斜視図である。図5Aには、マーキングヘッド部3の内部構造と、インク材を塗布する様子が示されている。マーキングヘッド部3の内部には、インク材塗布ユニット32と、インク材塗布ノズル33が備えられている。インク材塗布ユニット32とインク材塗布ノズル33とは、それぞれ4系統図示してあり、枝番として「−a」〜「−d」(以下、他も同様に適用する)を付加して表す。それぞれのインク材塗布ユニット32−a〜32−dは、インク材が充填されているインクタンク37と接続されており、塗布に必要なインク材が補充されるようになっている。
【0063】
インク材塗布ノズル33−a〜33−dより、半導体ウエハー100上に設定された、破線十字の中心で示す予定着弾中心位置38−a〜38−dに向けて、所定量のインク材34−a〜34−dが吐出されている。半導体ウエハー100上に着弾したインク材は、水平方向に濡れ広がり、破線で示すドット部の予定形状39−a〜39−dとなる。
【0064】
図5Bは、本発明を具現化する形態の一例を示す斜視図である。
図5Bには、マーキングヘッド部3をXY方向にオフセット移動させてインク材を塗布したときの、マーキングヘッド部3と、半導体ウエハー100上に塗布されたドット部36との位置が示されている。ここでは、マーキングヘッド部3の位置を変えて、半導体ウエハー100に向けて、インク材を3層に塗布した状態を示している。
1層目のドット36−a1〜36−d1を塗布したときのマーキングヘッド部を、破線3−1で示している。
2層目のドット36−a2〜36−d2を塗布したときのマーキングヘッド部を、破線3−2で示している。
3層目のドット36−a3〜36−d3を塗布したときのマーキングヘッド部を、破線3−3で示している。
【0065】
簡単に説明をするために、図5Aではインク材塗布ノズル33−a〜33−dを4つだけ示して説明している。しかし実際には、識別コードを構成するために必要な個数のノズルを用いる。例えば、縦横16ドットのマトリクスからなる識別コードであれば、1列に16個のインク材塗布ノズル33−a〜33−pを備えるようにすれば良い。
また、図5Bでは塗布されたドット部36−a1〜36−d3を3層だけ、示して説明している。しかし、実際には識別コードを構成するために、積層数を加減しても良い。また、同じ位置で複数回塗布した後、位置をずらし、その場所で複数回塗布するといった動作を繰り返して、ドットの中心位置を変更して、ドット部を積層させて形成しても良い。
【0066】
このときの、半導体ウエハー100と、マーキングヘッド部3との相対位置をXY方向にずらす量は、上述のフローで示したオフセット量設定ステップ(s101)で設定しておく。そうすることで、インク材の塗布位置を所定方向に所定距離オフセットさせることができる。
【0067】
インク材を塗布する手段として、上述したインクジェット方式の他に、ディスペンサ方式を例示することができる。前記塗布手段は、チップID30cの寸法や、インク材の物性によって、適宜選定すれば良い。前記塗布手段としてディスペンサを用いた場合は、シリンジ内に金属ナノペーストを充填しておき、ピストンで前記金属ナノペーストを押し出す。シリンジの先端に取り付けたノズルから吐出される前記金属ナノペーストを、所定の場所に液滴させる。
【0068】
また、前記塗布手段としてマイクロニードルを用いたディスペンサや、インクジェットを用いれば、チップID30の寸法を小さくしたり、成膜の厚みを細かく調節したりして、塗布することができるので、より好ましい。その様な場合でも、上層のドットの中心位置をXY方向にオフセットさせて、下層のドットの中心位置に対してずらしたドット部を形成することができる。
【0069】
この方法により、マーキング対象物との接触面積が大きく、密着力が強い識別コードを形成することができる。そのため、形成した識別コードのドット部の欠けや脱落を防止することができる。
また、インク材を塗布するノズルの位置をずらしてドット部を形成することで、必要最小限のインク材塗布ノズルを用いて、マーキング対象物との接触面積が大きく、密着力が強い識別コードを形成することができる。
【0070】
図6Aは、本発明を具現化する別の形態の一例を示す斜視図である。図6Aには、マーキングヘッド部3の内部構造と、インク材を塗布する様子が示されている。
マーキングヘッド部3の内部には、インク材塗布ユニット32と、インク材塗布ノズル33が備えられている。インク材塗布ユニット32とインク材塗布ノズル33とは、それぞれ7系統あり、枝番として「−1」〜「−7」(以下、他も同様に適用する)を付加して表す。
【0071】
図6Aでは、1列に並んだ7つのインク材塗布ノズル33−1〜33−7より、半導体ウエハー100上に設定された、破線十字の中心で示す予定着弾中心位置38−1〜38−7に向けて、所定量のインク材34−1〜34−7を吐出させている様子が示されている。半導体ウエハー100上に着弾したインク材は、水平方向に濡れ広がり、破線で示すドット部の予定形状39−1〜39−7となる。
【0072】
図6Aでは、7つのインク材塗布ノズル33−1〜33−7がそれぞれ等ピッチで1列に並べられている。これらに対応する予定着弾中心位置38−1〜38−7は、等ピッチでも良いが、図示するようにそれぞれXY方向に少しずつピッチが異なった状態でも実施できる。
【0073】
このような、予定着弾中心位置を等ピッチにしない状態にするためには、それぞれのインク材塗布ノズル33−1〜33−7の向きを意図的に変えることで実施できる。或いは、予め完成した状態で飛行曲がり特性がある等、不揃いであった場合に一部を選択して矯正したり、若しくは全部の向きを矯正したり矯正しなかったりして、使用することで実施可能である。この矯正の箇所及び量については、適宜選定して実施すればよい。
【0074】
図6Bは、本発明を具現化する別の形態のある時点における状態を示す斜視図である。
図6Bでは、半導体ウエハー100上に、第1層目のドットを形成している様子が示されている。1層目のドット36A−a1〜36A−d1を塗布するとき、インク材塗布ノズル33−1〜33−4が使われる。
【0075】
図6Cは、本発明を具現化する別の形態のある時点における状態を示す斜視図である。
図6Cでは、図6Bに示された状態の後の状態であって、第2層目のドットを形成している様子が示されている。
2層目にドット36A−a2〜36A−d2を塗布するとき、使用するインク材塗布ノズルの位置をシフトさせて、インク材塗布ノズル33−2〜33−5のノズルが使われる。
【0076】
図6Dは、本発明を具現化する別の形態のある時点における状態を示す斜視図である。
図6Dでは、図6Cに示された状態の後の状態であって、第3層目のドット部を形成している様子が示されている。3層目にドット部36A−a3〜36A−d3を塗布するとき、使用するインク材塗布ノズルの位置をシフトさせて、インク材塗布ノズル33−3〜33−6のノズルが使われる。
【0077】
図6Eは、本発明を具現化する別の形態のある時点における状態を示す斜視図である。
図6Eでは、図6Dに示された状態の後の状態であって、第4層目のドットを形成している様子が示されている。4層目のドット36A−a4〜36A−d4を塗布するとき、使用するインク材塗布ノズルの位置をシフトさせて、インク材塗布ノズル33−4〜33−7のノズルが使われる。
【0078】
上述のように、各層のドット部を形成するために、インク材を吐出する方向が少しずつ異なるインク材塗布ノズル32−1〜32−7を有するマーキングヘッド部3を用い、対応するインク材塗布ノズルの使用位置をシフトさせて、ドット部を形成することにより、中心位置のずれた山状のドット部が形成される。そのため、マーキング対象物との接触面積が大きく、密着力が強い識別コードを形成することが出来る。
【0079】
上述のように、マーキングヘッド部3のインク材塗布ノズル33の使用位置をシフトさせて、積層させたドット部36を形成することで、もしインク材塗布ノズル33−1から33−7の一部に目詰まりが生じたとしても、所定の部位のドットが完全に欠落することを防ぎ、確実にドット部を形成することができる。このとき、一部のドット部の高さが低くなるだけで済む。そのため、識別コードのドット欠けを防ぐことができ、識別コードの判別性が向上する。また、各ノズルの吐出量のバラツキによるドット形状のバラツキを平均化する効果もある。
【0080】
上述したマーキングヘッド部3のインク材塗布ノズル33−1から33−7の使用位置をシフトする動作に変えて、或いはシフトする動作に加えて、半導体ウエハー100とインク材塗布ノズル33−1〜33−7との間隔を変更しても良い。この間隔は、上述したギャップ量設定ステップ(s102)にて登録された設定値に基づいて、ギャップ量オフセットステップ(s113)で変更される。そのため、ノズルの飛行曲がり特性を利用して、ドット部の中心位置が各層で変化するため、マーキング対象物との接触面積が大きく、密着力が強い識別コードを形成することができる。
【0081】
また、この方法によれば、Z方向のギャップ量を調整することで、飛行曲がり特性を有する塗布ノズルを用い、厳密な方向調整をするまでもなく、積層形成するドット部の中心位置を適宜コントロールしてずらすこともできる。
【0082】
上述のマーキングに必要な諸条件の設定は、制御部9の制御コンピュータ90に接続された、情報入力手段91を用いて行われ、情報表示手段92によって確認することができる。また、前記諸条件の設定は、適宜読み出し、編集し、変更することができ、制御コンピュータ90に接続された情報記録手段94に記録することが可能である。
【0083】
マーキング装置1は、上述した様な構成をしているので、本発明における識別コードの形成を実施することができる。
【0084】
インク材の、塗布位置や塗布量などの塗布条件、チップID30cのマーキング位置やチップID30cのパターン、1ドット当たりのマーキング材の塗布量や塗布ピッチ、インク材の温度、雰囲気の温度、乾燥時間などは、それぞれの実施形態に合わせて、適宜調節することが好ましい。
【0085】
マーキング材料であるインク材としては、銀ナノペーストなどの、ナノメートルサイズの金属微粒子を混ぜ合わせた液状のものを例示することができる。前記金属微粒子としては、銀以外でも良く、炭素やアルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、インジウム、錫、バリウム、タングステン、白金、金、ビスマスなどの元素、さらにはその酸化化合物や窒化化合物、その他の化合物、さらにはその他の混合物などを用いることができる。
【0086】
さらに、インク材はX線を透過しにくい材料であることが好ましい。そうすることで、半導体装置上にマーキングされたチップID30cを、パッケージングした後でX線を用いて識別する際に、良好なコントラストが得られ、識別しやすくなる。
【0087】
またインク材は、染料や顔料など有色の固形物を含む液体、照明から照射された光線を反射する材料など、マーキング対象物と反射率の異なる材料を含むものであっても良い。そうすれば、X線を使用することなく、可視光波長の反射照明と観察カメラを用いて、チップID30cを判別することができ、製造工程の途中で簡単に利用することができる。前記光線の反射には、一部反射から全反射までを含む。そのため、チップID30cの識別の際は、最適な明るさを得るために、照明の強さや色、照射角度を適宜調節すれば良い。
【0088】
さらにインク材は、X線を透過しにくく可視光線を反射する材料であれば尚良い。そうすれば、製造工程の途中も、パッケージングした後でも、識別コードを判別することが出来る。
【0089】
マーキング装置1は、予め記録された情報に基づき、半導体ウエハー100上の所定の場所にチップID30cをマーキングする。チップID30cのパターンにおいて、どの部分にインク材を塗布するか、塗布しないかは、制御用コンピュータ90で分かるようになっている。よって、制御用コンピュータ90は、インク材を塗布した部分に、さらに上層のインク材を塗布することができる。さらに、半導体ウエハー100とインク材塗布ノズル33とを、予め登録された位置関係になるように相対移動させることができ、設定しておいたオフセット量の情報をもとに、位置をオフセットさせて塗布することができる。そのため、インク材の積層塗布を行い、中心位置のずれた識別コードを形成することができる。
【0090】
このようにして、マーキング材料であるインク材を積層塗布することで、チップID30cをマーキングすることができる。実際のマーキング形態については、次のように例示する。
【0091】
図7Aは、本発明の実施形態の一例を示す平面図であり、チップID30の2つのドット部36B−aと36B−bに着目している。
図7Bは、本発明の実施形態の一例を示す断面図であり、図7AのAA断面を示している。
【0092】
半導体ウエハー100の回路パターン108の上には 絶縁膜109が形成されている。回路パターン108のある部分は凹凸がある。
凹凸部分の上に本発明によるドット部を形成すると、平坦な面に塗布した場合の形状とは異なるが、山状のドット部36B−aと36B−bが形成される。ドット部が山状に形成されることで、ドット部底部の面積が広がり、半導体ウエハー100との密着強度が増す。
【0093】
図8は、本発明のさらに別の実施形態の一例を示す斜視図である。
半導体ウエハー100の上に、チップID30cのドット部36Cを形成している。
このドット部36Cは、幾重にも中心位置をずらして、層状に積層された状態でドット部が形成されている。
【0094】
インク材を塗布するときは、常温で行っても良いが、半導体ウエハー100や雰囲気の温度を上げて、早く硬化させるようにすることがより好ましい。そうすれば、所定時間内の塗布量や塗布回数を増やすことができ、ウエハー1枚にチップID30cをマーキングする時間が短縮できるようになる。
本発明のマーキング装置1は、先にマーキングされたチップID30cのインク材を塗布した位置が制御部9に記録されているので、ドット部の中心をずらして層状に積層して形成することが容易にできる。
【0095】
チップID30cは、幾重にも層状に積層して形成されることで、塗布されたインク材の厚みが増す。X線透過で識別する際に、チップID30cは、塗布されたインク材の厚みが増すことで、ドット部とドット部でない部分とのX線透過量の差が大きくなり、コントラストが向上し、識別しやすくなる。
【0096】
上述では、本発明の識別コードのマーキングについて、1つのチップID30cに着目して説明したが、1枚の半導体ウエハー100に複数マーキングされている他のチップIDも、同様にしてマーキングすることができる。また、ウエハーID30aについても同様にして実施可能で、適応することができる。また、2次元コードだけでなく、文字や数字、記号などを用いて構成される、他の類型の識別コードにも適応することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 マーキング装置
2 ステージ部
3 マーキングヘッド部
4 アライメントカメラ部
9 制御部
11 装置ベース
12 支柱
13 梁
15 Z軸ステージ
16 ベース部材
21 X軸ステージ
22 Y軸ステージ
23 θ軸モータ
24 テーブル
30 識別コード
30c チップID
30z 従来の識別コード
31 インク材
32 インク材送液ユニット
33 インク材塗布ノズル
34 吐出したインク
35 着弾したインク
36 ドット部
36A ドット部
36B ドット部
36C ドット部
37 インクタンク
38 予定着弾中心位置
39 ドット部の予定形状
40 カメラ
41 照明の光量調節ユニット
80 フィルム
81 ダイシングブレード
82 溝部
83 飛散物
85 一部脱落したドット部
86 倒れたドット部
90 制御用コンピュータ
91 情報入力手段
92 情報表示手段
93 発報手段
94 情報記録手段
95 機器制御ユニット
108 回路パターン
109 絶縁膜
100 半導体ウエハー
101 半導体チップ
102 配線用端子
104 パッケージ
110 半導体装置
112 破断開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーキング対象物の上に、複数のドット部の集合体で構成される識別コードであって、
各々のドット部は、マーキング材料が複数のドットを積層して形成されており、
上層のドットの中心位置が、下層のドットの中心位置に対してずれて形成されている識別コード。
【請求項2】
マーキング対象物の上に、複数のドット部の集合体で構成される識別コードを形成する、識別コードの形成方法において、
各々のドット部は、
塗布ノズルから前記マーキング対象物に向けてマーキング材料を塗布するドット塗布ステップと、
前記マーキング対象物の上に付着した前記マーキング材料を硬化させる硬化ステップと、前記マーキング対象物と前記塗布ノズルとを予め登録された位置関係になるように相対移動させる塗布位置変更ステップとを、複数回繰り返して、複数の層状に形成され、
上層のドットの中心位置を、下層のドットの中心位置に対してずらして形成されることを特徴とする、識別コードの形成方法。
【請求項3】
前記マーキング材料の塗布位置を、所定方向に所定距離オフセットさせる、塗布位置オフセットステップと、
前記オフセットさせる方向及び距離を予め設定する、オフセット量設定ステップとを有することを特徴とする、請求項2に記載の識別コードの形成方法。
【請求項4】
前記塗布ノズルを複数並べて配置し、前記下層のドットと前記上層のドットとで、塗布に用いる前記塗布ノズルを変更する、ノズル使用位置シフトステップを有する
ことを特徴とする、請求項2に記載の識別コードの形成方法。
【請求項5】
前記塗布ノズルと前記マーキング対象物との距離を変更する、ギャップ量変更ステップを有することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1つに記載の識別コードのマーキング方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7A】
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【図7B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−15392(P2012−15392A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151850(P2010−151850)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】