説明

警備システム

【課題】異常の発生が通知された際に迅速に画像の監視を行なうことが可能な警備システムを提供する。
【解決手段】制御装置50は、画像センサ100から警報を受信すると、信号受信サーバ200を介して中央処理サーバ500に警備信号を送信する際、メイン回線K1が断線していない場合これを介して送信を行い、メイン回線K1が断線している場合バックアップ回線K2を介送信を行う。中央処理サーバ500は、警備信号を受信すると、警備信号の送信を仲介した回線がメイン回線K1であるかバックアップ回線K2であるかに応じて、検知時画像や前後画像の送信を要求する画像取得信号を制御装置50にメディア受信サーバ300を介して送信する。制御装置50は、画像取得信号を受信すると、これに応じて画像センサ100から画像信号を受信してこれを中央処理サーバ500に信号受信サーバ200を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遠隔地より画像の監視を行なう警備システムでは、動画像や音声による監視を行うために、これらを通信する手段として、広帯域のIP(Internet Protocol )通信が用いられてきた。侵入、火災、ガス漏れなどの異常の発生に対する警報などを確実に通知する必要があるため、警備システムの通信路には高い信頼性が求められる。しかし、IP通信はベストエフォートであり、通信の品質を必ずしも保証するものではない。このため、近年では、警報などを確実に通知するために、IP通信回線(メイン回線)の迂回回線(バックアップ回線)として無線通信回線などを用いる技術が開発されている。例えば、特許文献1には、通報システムにおいて、電話回線が不通になった場合、無線を通じて隣家の電話回線より迂回通信を行う技術が開示されている。また、特許文献2には、高速無線通信システムが降雨等により通信不能となった場合のために、有線の迂回回線を設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−283160号公報
【特許文献2】特開2003−046513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バックアップ回線は狭帯域であるため、IP通信と同様に、動画像や音声といった大容量のデータを送信するのに相応の時間を要し、警報が通知された際に迅速に画像の監視を行なうことが困難であった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、メイン回線が断線した場合であっても、異常の発生が通知された際に迅速に画像の監視を行なうことが可能な警備システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つのセンサが接続される制御装置と、中央処理サーバとがメイン回線を介して接続されると共に、バックアップ回線を介して接続される警備システムであって、前記制御装置は、異常の発生を検知したことを示す警報をセンサから受信する第1制御受信手段と、前記受信手段が前記警報を受信した場合、前記センサが異常の発生を検知した旨を示す警備信号を送信する手段であって、前記メイン回線が断線していない場合、前記メイン回線を介して前記警備信号を送信し、前記メイン回線が断線している場合、前記バックアップ回線を介して前記警備信号を送信する第1制御送信手段と、前記センサの撮影した画像の送信を要求する画像取得信号を受信する受信手段と、前記画像取得信号に応じて、前記センサから前記画像信号を受信する第2制御受信手段と、前記受信手段が受信した前記画像信号を送信する第2制御送信手段とを有し、前記中央処理サーバは、前記第1制御送信手段が送信した前記警備信号を受信する第1中央受信手段と、前記第1中央受信手段が前記警備信号を受信した場合且つ前記警備信号の送信を仲介した回線が前記メイン回線である場合、前記異常の発生が検知されたとき及びその前後に撮影された画像の送信を要求する画像取得信号を送信し、前記第1中央受信手段が前記警備信号を受信した場合且つ前記警備信号の送信を仲介した回線が前記バックアップ回線である場合、前記異常の発生が検知されたときに撮影された画像の送信を要求する画像取得信号を送信する第1中央送信手段と、前記第2制御送信手段が送信した前記画像信号を受信する第2中央受信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、メイン回線が断線した場合であっても、異常の発生が通知された際に迅速に画像の監視を行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施の形態にかかる警備システムの構成を例示する図である。
【図2】図2は、画像センサ100が送信する画像信号を模式的に示す図である。
【図3】図3は、基本的な異常通知処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、監視クライアント600における画像の表示例を示す図である。
【図5】図5は、異常通知処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、異常通知処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、画像の表示例を示す図である。
【図8】図8は、画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる警備システムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
まず、本実施の形態にかかる警備システムの構成について図1を用いて説明する。警備システムは、制御装置50と、信号受信サーバ(SV)200と、メディア受信サーバ(SV)300と、機器監視サーバ(SV)400と、中央処理サーバ(SV)500と、監視クライアント(CL)600とを備える。制御装置50は、警備対象領域内や警備対象領域近くの家庭や施設などに配設されており、画像センサ100が接続される。この他、人体を検知する人体検知センサや、扉の開閉等を検知する開閉センサなどの複数のセンサが制御装置50に接続され得る。信号受信サーバ200と、メディア受信サーバ300と、機器監視サーバ400と、中央処理サーバ500とは、監視センタに配設されている。制御装置50と、信号受信サーバ200、メディア受信サーバ300、機器監視サーバ400及び中央処理サーバ500とは、メイン回線K1を介して接続されると共に、メイン回線K1より狭帯域のバックアップ回線K2を介して接続される。具体的に例えばメイン回線K1は有線のIP回線であり、バックアップ回線K2は無線のIP回線である。メイン回線K1の断線等の異常が発生した場合には、バックアップ回線K2を介して通信が行われる。中央処理サーバ500と、監視クライアント600とは、ネットワークNTを介して接続される。ネットワークNTは、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネット、イーサネット(登録商標)又はインターネットなどである。
【0011】
ここで、制御装置50と、信号受信サーバ200と、メディア受信サーバ300と、中央処理サーバ500と、監視クライアント600との各装置のハードウェア構成について説明する。各装置は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)等の制御部と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の主記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やCD(Compact Disk)ドライブ装置等の補助記憶部と、他の装置との通信を制御する通信I/F(interface)と、これらを接続するバスとを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。また、制御装置50と、監視クライアント600とには各々、情報を表示する表示部と、ユーザの指示入力を受け付けるキーボードやマウス等の操作入力部とが有線又は無線により各々接続される。
【0012】
画像センサ100は、警備対象領域内の異常の発生を検知すると共に、検知警備対象領域内の画像を一定間隔(例えば0.2〜1秒)毎に撮影してこれを撮影時刻と対応付けて記録する。そして、画像センサ100は、警備対象領域内の異常を検知すると、警備対象領域内の画像を即時に撮影すると共に、異常の発生を検知した旨を示す警報を制御装置50に送信し、制御装置50からの要求に応じて、異常の発生の検知時に撮影した画像(検知時画像という)を表す画像信号や、異常の発生の検知時の前後に定期的に撮影した画像(前後画像という)を表す画像信号を制御装置50に送信する。このとき、画像センサ100は、画像に対応付けられた撮影時刻を含む画像信号を送信する。図2は、画像センサ100が送信する画像信号を模式的に示す図である。同図に示されるP1が異常の発生の検知時に撮影された画像であり、P0〜P6が、異常の発生の検知時の前に一定間隔T毎に各々撮影された画像であり、P2〜P6が、異常の発生の検知時の後に一定間隔T毎に各々撮影された画像である。後述するように、メイン回線K1が断線しておらず、メイン回線K1を介して通信が行われる場合には、検知時画像及び前後画像(例えばP−6〜P6)を表す画像信号が送信され、メイン回線K1が断線しており、バックアップ回線K2を介して通信が行われる場合には、検知時画像(例えばP1)のみを表す画像信号が送信される。
【0013】
制御装置50は、画像センサ100から警報を受信すると、画像センサ100が異常の発生を検知した旨を示す警備信号を信号受信サーバ200に送信する。このとき、メイン回線K1が断線していない場合には、制御装置50は、メイン回線K1を介して警報を送信し、メイン回線K1が断線している場合には、バックアップ回線K2を介して警報を送信する。メイン回線K1が断線しているか否かを判断する方法については後述の動作欄で説明する。また、制御装置50は、警備信号を送信する回線をメイン回線K1からバックアック回線K2に切り替えるとき及びバックアック回線K2からメイン回線K1に切り替えるとき、その旨を中央処理サーバ500に信号受信サーバ200を介して通知する。また、制御装置50は、画像の送信を要求する画像取得信号をメディア受信サーバ300から受信すると、当該画像取得信号を画像センサ100に送信し、当該画像信号を画像センサ100から受信すると、当該画像信号をメディア受信サーバ300に送信する。また、制御装置50は、機器監視サーバ400との間で後述の回線確認処理に係る通信を行う。
【0014】
信号受信サーバ200は、メイン回線K1又はバックアップ回線K2を介して制御装置50から警備信号を受信するとこれを中央処理サーバ500に送信する。メディア受信サーバ300は、中央処理サーバ500からの要求に応じて、メイン回線K1又はバックアップ回線K2を介して画像を要求する画像取得信号を制御装置50に送信し、メイン回線K1又はバックアップ回線K2を介して制御装置50から画像信号を受信すると、これを中央処理サーバ500に送信する。
【0015】
中央処理サーバ500は、信号受信サーバ200から送信された警備信号を受信すると、画像センサ100の撮影した画像の送信をメディア受信サーバ300に要求する。このとき、中央処理サーバ500は、後述の機器監視サーバ400からの通知及び制御装置50からの通知に基づいて、警備信号の送信を仲介する回線がメイン回線K1かバックアップ回線K2かを判断し、当該判断結果に応じて、要求する画像を切り替える。そして、中央処理サーバ500は、当該要求に応じて、メディア受信サーバ300を介して制御装置50から、画像を表す画像信号を受信するとこれを監視クライアント600に送信する。また中央処理サーバ500は、警備先である制御装置50のIPアドレスやMACアドレスなど情報を示す機器構成情報を記憶している。
【0016】
機器監視サーバ400は、警備先である制御装置50との間でメイン回線K1を介した通信及びバックアップ回線K2を介した通信が正常か否かを判断して、メイン回線K1が断線しているか否か及びバックアップ回線K2が断線しているか否かを判断する回線確認処理を行う。回線確認処理の詳細については後述の動作欄で説明する。そして、機器監視サーバ400は、メイン回線K1が断線していると判断した場合やバックアップ回線K2が断線していると判断した場合、その旨を中央処理サーバ500に通知する。
【0017】
監視クライアント600は、中央処理サーバ500から画像信号を受信すると、当該画像信号によって表される画像を表示部に表示させる。
【0018】
次に、本実施の形態にかかる警備システムの行う処理の手順について説明する。まず、基本的な異常通知処理の手順として、メイン回線K1を介して通信を行う場合の異常通知処理の手順について図3を用いて説明する。画像センサ100は異常の発生を検知すると、その旨を示す警報を制御装置50に送信する(ステップS1)。制御装置50は、画像センサ100から送信された警報を受信すると、画像センサ100が異常の発生を検知した旨を示す警備信号を信号受信サーバ200にメイン回線K1を介して送信する(ステップS2)。尚、警備信号の送信は、標準のインターネットプロトコル(例えば、TCP、socket、SOAP等)に従って行う。この場合、制御装置50と信号受信サーバ200との間でメイン回線K1を介してsocket接続を行ってから、制御装置50は、警備信号を信号受信サーバ200に送信する。信号受信サーバ200は、当該警備信号を制御装置50から受信すると、当該警備信号を中央処理サーバ500に送信する(ステップS3)。中央処理サーバ500は、当該警備信号を信号受信サーバ200から受信すると、画像の送信をメディア受信サーバ300に要求する(ステップS4)。ここで要求するのは、例えば、上述した検知時画像及び前後画像である。メディア受信サーバ300は、画像の送信が中央処理サーバ500から要求されると、画像の送信を要求する画像取得信号を制御装置50にメイン回線K1を介して送信する(ステップS5)。
【0019】
制御装置50は、当該画像取得信号をメディア受信サーバ300から受信すると、当該画像取得信号を画像センサ100に送信する(ステップS6)。画像センサ100は、当該画像取得信号を受信すると、警備対象領域内で撮影した画像(ここでは検知時画像及び前後画像である)を表し当該画像に対応付けられた撮影時刻を含む画像信号を制御装置50に送信する(ステップS7)。制御装置50は、FTPGetにより当該画像信号を受信すると、当該画像信号をメディア受信サーバ300にメイン回線K1を介して送信する(ステップS8)。メディア受信サーバ300は、当該画像信号を受信すると、当該画像信号を中央処理サーバ500に送信する(ステップS9)。中央処理サーバ500は、当該画像信号を受信すると、当該画像信号を監視クライアント600に送信する(ステップS10)。監視クライアント600は、当該画像信号を受信すると、当該画像信号によって表される画像を表示部に表示させる(ステップS11)。
【0020】
図4は、監視クライアント600における画像の表示例を示す図である。同図に示される例では、スクロール領域AR1は、撮影時刻をスクロール形式でユーザが選択するためのユーザ・インターフェースであり、当該スクロール領域AR1で撮影時刻を選択する操作入力が監視クライアント600の操作入力部を介して行われると、選択された撮影時刻が対応付けられた画像が、表示領域AR2に表示される。このようにして検知時画像及び前後画像が表示されることにより、監視センタでは、画像センサ100によって異常の発生が検知されたときやその前後の警備対象領域内の様子を視認することができる。
【0021】
次に、メイン回線K1及びバックアップ回線K2の断線の有無を確認する回線確認処理の手順について説明する。尚、中央処理サーバ500は、警備先である制御装置50のIPアドレスやMACアドレスなど情報を示す機器構成情報を機器監視サーバ400に送信し、機器監視サーバ400は、当該機器構成情報を受信するとこれを記憶する。そして、機器監視サーバ400は、当該機器構成情報を用いて、制御装置50に対してメイン回線K1を介して第1所定時間毎に死活監視信号(ping/ICMPエコー)を送信する。制御装置50は、死活監視信号を受信すると、それに応答する応答信号を機器監視サーバ400にメイン回線K1を介して送信する。機器監視サーバ400は、当該応答信号を受信した場合、メイン回線K1は断線していないと判断し、当該応答信号を受信できない場合、メイン回線K1が断線していると判断する。同様に、機器監視サーバ400は、バックアップ回線K2を介して制御装置50に対して第1所定時間毎に死活監視信号を送信する。制御装置50は、死活監視信号を受信すると、それに応答する応答信号を機器監視サーバ400にバックアップ回線K2を介して送信する。機器監視サーバ400は、当該応答信号を受信した場合、バックアップ回線K2は断線していないと判断し、当該応答信号を第1所定時間内に受信できない場合、バックアップ回線K2が断線していると判断する。機器監視サーバ400は、メイン回線K1が断線していると判断した場合、その旨を示す断線通知信号を中央処理サーバ500に送信し、バックアップ回線K2が断線していると判断していると判断した場合、その旨を示す断線通知信号を中央処理サーバ500に送信する。
【0022】
また、機器監視サーバ400は、メイン回線K1を介して制御装置50に対して第2所定時間毎にヘルスチェック信号(警備信号と同じ通信プロトコルの確認電文)を送信する。制御装置50は、ヘルスチェック信号を受信すると、それに応答する応答信号を機器監視サーバ400にメイン回線K1を介して送信する。機器監視サーバ400は、当該応答信号を受信した場合、メイン回線K1は断線しておらず、メイン回線K1を介した警備信号の通信は可能であると判断し、当該応答信号を受信できない場合、メイン回線K1が断線しており、メイン回線K1を介した警備信号の通信は不可能であると判断する。同様に、機器監視サーバ400は、バックアップ回線K2を介して制御装置50に対して第2所定時間毎にヘルスチェック信号を送信する。制御装置50は、ヘルスチェック信号を受信すると、それに応答する応答信号を機器監視サーバ400にバックアップ回線K2を介して送信する。機器監視サーバ400は、当該応答信号を受信した場合、バックアップ回線K2は断線しておらず、バックアップ回線K2を介した警備信号の通信は可能であると判断し、当該応答信号を第2所定時間内に受信できない場合、バックアップ回線K2が断線しており、バックアップ回線K2を介した警備信号の通信は不可能であると判断する。機器監視サーバ400は、メイン回線K1が断線していると判断した場合、その旨を示す断線通知信号を中央処理サーバ500に送信し、バックアップ回線K2が断線していると判断していると判断した場合、その旨を示す断線通知信号を中央処理サーバ500に送信する。これにより、機器監視サーバ400は、メイン回線K1の断線やバックアップ回線K2の断線を中央処理サーバ500に通知する。以上の回線確認処理により、中央処理サーバ500は、メイン回線K1及びバックアップ回線K2の状態を常時把握している。
【0023】
次に、回線確認処理の結果に応じてバックアップ回線K2を介して行う異常通知処理の手順について図5を用いて説明する。ステップS1は上述と同様である。ステップS2Aでは、制御装置50は、画像センサ100から送信された警報を受信し、当該警備信号を信号受信サーバ200に送信する際、制御装置50と信号受信サーバ200との間でメイン回線K1を介して上述したsocket接続を行うことができない場合、メイン回線K1が断線しており、メイン回線K1を介して警備信号を送信できないと判断する。この場合には、制御装置50は、ステップS20で、バックアップ回線K2を介して警備信号を送信すべく、バックアップ回線K2での最初の通信として、警備信号を送信する回線のメイン回線K1からバックアップ回線K2への切り替えを示すバックアップ回線通信開始信号を信号受信サーバ200にバックアップ回線K2を介して送信する。これにより、制御装置50は、警備信号を送信する回線のメイン回線K1からバックアップ回線K2への切り替えを中央処理サーバ500に信号受信サーバ200を介して通知する。その後、ステップS2Bで、制御装置50は、警備信号を信号受信サーバ200にバックアップ回線K2を介して送信する。ステップS21では、信号受信サーバ200は、バックアップ回線通信開始信号を受信した場合、当該バックアップ回線通信開始信号を中央処理サーバ500に送信する。また、ステップS3では、信号受信サーバ200は、メイン回線K1又はバックアップ回線K2のいずれを介して警備信号を受信した場合でも、当該警備信号を中央処理サーバ500に送信する。中央処理サーバ500は、ステップS22でバックアップ回線通信開始信号を受信し、ステップS4で警備信号を受信すると、当該バックアップ回線通信開始信号及び上述の回線確認処理の結果に基づいて、警備信号の送信を仲介した回線がメイン回線K1又はバックアップ回線K2であるかを判断し、バックアップ回線K2である判断した場合、バックアップ回線K2を介した画像の送信をメディア受信サーバ300に要求する。ここで要求するのは、上述の検知時画像である。尚、中央処理サーバ500が、ステップS4で、警備信号の送信を仲介した回線がメイン回線K1であると判断した場合は、上述の基本的な異常通知処理と同様である。
【0024】
ステップS5では、メディア受信サーバ300は、バックアップ回線K2を介した画像の送信が要求されると、画像の送信を要求する画像取得信号を制御装置50にバックアップ回線K2を介して送信する。ステップS6では、制御装置50は、当該画像取得信号をメディア受信サーバ300から受信すると、当該画像取得信号を画像センサ100に送信する。ステップS7では、画像センサ100は、当該画像取得信号を受信すると、警備対象領域内で撮影した画像(ここでは検知時画像である)を表し当該画像に対応付けられた撮影時刻を含む画像信号を制御装置50に送信する。ステップS8では、制御装置50は、FTPGetにより当該画像信号を受信すると、当該画像信号をメディア受信サーバ300にバックアップ回線K2を介して送信する。ステップS9では、メディア受信サーバ300は、当該画像信号を受信すると、当該画像信号を中央処理サーバ500に送信する。ステップS10〜S11は上述と同様である。この結果、監視クライアント600では検知時画像が表示され、監視センタでは、画像センサ100によって異常の発生が検知されたときの警備対象領域内の様子を視認することができる。このため、メイン回線K1が断線していても、異常の発生が通報された際に迅速に画像の監視を行なうことが可能である。
【0025】
次に、回線確認処理の結果に応じてバックアップ回線K2からメイン回線K1に復帰してメイン回線K1を介して異常通知処理の手順について図6を用いて説明する。ここでは、メイン回線K1が断線していて、バックアップ回線K2で通信が行われていたとする。ステップS1は上述と同様である。ステップS2Aでは、制御装置50は、画像センサ100から送信された警報を受信し、当該警備信号を信号受信サーバ200に送信する際、制御装置50と信号受信サーバ200との間でメイン回線K1を介して上述したsocket接続を行うことができた場合、メイン回線K1が疎通しており、制御装置50は、メイン回線K1を介して警備信号を送信できると判断する。この場合には、制御装置50は、ステップS30で、メイン回線K1を介して警備信号を送信すべく、メイン回線K1での最初の通信として、警備信号を送信する回線のバックアップ回線K2からメイン回線K1への切り替えを示すメイン回線通信開始信号を信号受信サーバ200にバックアップ回線K2を介して送信する。これにより、制御装置50は、警備信号を送信する回線のバックアップ回線K2からメイン回線K1への切り替えを中央処理サーバ500に信号受信サーバ200を介して通知する。その後、ステップS2Bで、制御装置50は、警備信号を信号受信サーバ200にメイン回線K1を介して送信する。ステップS31では、信号受信サーバ200は、メイン回線通信開始信号を受信した場合、当該メイン回線通信開始信号を中央処理サーバ500に送信する。また、ステップS3では、信号受信サーバ200は、メイン回線K1又はバックアップ回線K2のいずれを介して警備信号を受信した場合でも、当該警備信号を中央処理サーバ500に送信する。中央処理サーバ500は、ステップS32でメイン回線通信開始信号を受信し、ステップS4で警備信号を受信すると、当該メイン回線通信開始信号及び上述の回線確認処理の結果に基づいて、警備信号の送信を仲介した回線がメイン回線K1又はバックアップ回線K2であるかを判断し、メイン回線K1である判断した場合、メイン回線K1を介した画像の送信をメディア受信サーバ300に要求する。ここで要求するのは、例えば、上述した検知時画像及び前後画像である。ステップS5以降は上述の基本的な異常通知処理と同様である。
【0026】
以上のようにして、メイン回線K1が断線したとしても、制御装置50は、バックアップ回線K2を介して警備信号及び異常の発生の検知時に撮影された画像を表す画像信号を中央処理サーバ500に送信する。このため、監視センタでは、異常の発生が通知された際に迅速に画像の監視を行なうことが可能である。
【0027】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0028】
上述した実施の形態において、制御装置50で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。信号受信サーバ200、メディア受信サーバ300、機器監視サーバ400、中央処理サーバ500及び監視クライアント600で各々実行される各種プログラムについても同様である。
【0029】
上述した実施の形態において、制御装置50には、異常の発生の検知と、警備対象領域内の画像の撮影とを行う画像センサ100が接続されるようにしたが、これに限らず、異常の発生の検知するセンサと、画像の撮影を行うカメラとが各々接続されるようにしても良い。
【0030】
上述した実施の形態において、制御装置50には接続される画像センサ100は1つである例について説明したが、これに限らず複数であっても良い。各画像センサ100は、例えば、各々異なる警備対象領域に設置される。この場合、例えば、各画像センサ100に対して各々識別するための装置番号を予め付与しておき、各画像センサ100が送信する画像信号には、自身の装置番号を含ませる。監視クライアント600は、制御装置50及び中央処理サーバ500を介して画像信号を受信すると、画像信号に含まれる装置番号及び撮影時刻を識別して、画像を表示させるようにしても良い。図7〜8は、画像の表示例を示す図である。図7に示される例では、装置番号「GS001〜GS007」が各々付与された複数の画像センサ100が各々異常の発生を検知したときの各検知時画像のサムネイル画像が装置番号及び撮影時刻と共にスクロール領域AR11に表示され、いずれかのサムネイル画像が選択する操作入力が監視クライアント600の操作入力部を介して行なわれると、選択された画像が画像領域AR12に表示される。このような構成によれば、異常の発生が検知されたときの各警備対象領域における様子を視認することができる。
【0031】
また、図8に示される例では、画像センサ100毎に、装置番号に対応して、撮影時刻をスクロール形式でユーザが選択するためのユーザ・インターフェースであるスクロール領域AR1−1〜AR1−4が表示されていると共に、表示領域AR2−1〜AR2−4が各々設けられており、各スクロール領域AR1−1〜AR1−4で撮影時刻を選択する操作入力が監視クライアント600の操作入力部を介して行われると、選択された撮影時刻が対応付けられた画像が、装置番号に対応する表示領域AR1−1〜AR1−4に各々表示される。また、スクロール領域AR1−1〜AR1−4において、各画像センサ100が各々異常の発生を検知したときを基点として画像が撮影された時刻の領域において撮影された画像の撮影時刻を選択することが可能になっている。異なる警備対象領域において、異常の発生が検知された時刻が各々異なり得るが、これを同一の時間軸上に並べることで、時間の経過に応じて異常の発生が検知された異なる警備対象領域の様子を視認することができる。
【0032】
上述した実施の形態においては、中央処理サーバ500は、警備信号の送信を仲介した回線がメイン回線K1であると判断した場合は、検知時画像及び前後画像の送信を要求した。しかし、これに限らず、中央処理サーバ500は、警備信号の送信を仲介した回線がメイン回線K1であると判断した場合は、検知時画像のみの送信を要求して、当該検知時画像を表す画像信号を制御装置50からメディア受信サーバ300を介して取得した後、前後画像の送信を要求して、当該前後画像を表す画像信号を制御装置50からメディア受信サーバ300を介して取得するようにしても良い。更に、画像センサ100が動画像を撮影可能である場合、中央処理サーバ500は、動画像の送信を要求して、当該動画像を表す画像信号を制御装置50からメディア受信サーバ300を介して取得するようにしても良い。
【0033】
また、上述した実施の形態においては、画像センサ100は、画像信号を制御装置50に送信するものであったが、これに限らず、警備対象領域内で発生した音を表す音信号を制御装置50に送信するようにしても良い。また、音信号を制御装置50に送信する音センサが制御装置50に別途接続されるようにしても良い。そして、中央処理サーバ500は、警備信号を受信すると、画像のみならず音の送信を要求する画像/音取得信号を制御装置50にメディア受信サーバ300を送信し、制御装置50は、画像/音取得信号を受信すると、これを画像センサ100(又は音センサ)に送信して、音信号を当該画像センサ100(又は音センサ)から受信して、これをメディア受信サーバ300を介して中央処理サーバ500に送信するようにしても良い。
【符号の説明】
【0034】
50 制御装置
100 画像センサ
200 信号受信サーバ
300 メディア受信サーバ
400 機器監視サーバ
500 中央処理サーバ
600 監視クライアント
K1 メイン回線
K2 バックアック回線
NT ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのセンサが接続される制御装置と、中央処理サーバとがメイン回線を介して接続されると共に、バックアップ回線を介して接続される警備システムであって、
前記制御装置は、
異常の発生を検知したことを示す警報をセンサから受信する第1制御受信手段と、
前記受信手段が前記警報を受信した場合、前記センサが異常の発生を検知した旨を示す警備信号を送信する手段であって、前記メイン回線が断線していない場合、前記メイン回線を介して前記警備信号を送信し、前記メイン回線が断線している場合、前記バックアップ回線を介して前記警備信号を送信する第1制御送信手段と、
前記センサの撮影した画像の送信を要求する画像取得信号を受信する受信手段と、
前記画像取得信号に応じて、前記センサから前記画像信号を受信する第2制御受信手段と、
前記受信手段が受信した前記画像信号を送信する第2制御送信手段とを有し、
前記中央処理サーバは、
前記第1制御送信手段が送信した前記警備信号を受信する第1中央受信手段と、
前記第1中央受信手段が前記警備信号を受信した場合且つ前記警備信号の送信を仲介した回線が前記メイン回線である場合、前記異常の発生が検知されたとき及びその前後に撮影された画像の送信を要求する画像取得信号を送信し、前記第1中央受信手段が前記警備信号を受信した場合且つ前記警備信号の送信を仲介した回線が前記バックアップ回線である場合、前記異常の発生が検知されたときに撮影された画像の送信を要求する画像取得信号を送信する第1中央送信手段と、
前記第2制御送信手段が送信した前記画像信号を受信する第2中央受信手段とを有する
ことを特徴とする警備システム。
【請求項2】
前記中央処理サーバに接続される機器監視サーバが、前記制御装置に前記メイン回線を介して接続されると共に、前記バックアップ回線を介して接続され、
前記機器監視サーバは、前記制御装置と前記メイン回線を介した通信を行って、前記メイン回線が断線しているか否かを判断する第1判断手段と、
前記メイン回線が断線していると前記第1判断手段が判断した場合、前記メイン回線が断線している旨を前記サーバ装置に通知する第1通知手段とを有し、
前記中央処理サーバは、
前記第1中央受信手段が前記警備信号を受信した場合、前記第1通知手段の通知に基づいて、前記警備信号の送信を仲介した回線が前記メイン回線であるか前記バックアップ回線であるかを判断する第2判断手段を更に有し、
前記第1中央送信手段は、前記第2判断手段の判断の結果に応じて、前記画像取得信号を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の警備システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記警備信号を送信する回線を前記メイン回線から前記バックアップ回線に切り替えるとき、その旨を前記サーバ装置に通知し、前記メイン回線から前記バックアップ回線に切り替えるとき、その旨を前記サーバ装置に通知する第2通知手段を更に有し、
前記第2判断手段は、前記第1中央受信手段が前記警備信号を受信した場合、前記第1通知手段の通知及び前記第2通知手段の通知に基づいて、前記警備信号の送信を仲介した回線が前記メイン回線であるか前記バックアップ回線であるかを判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の警備システム。
【請求項4】
前記中央処理サーバに監視端末が接続され、
前記中央処理サーバは、
前記画像信号を前記監視端末に送信する第2中央送信手段を更に有し、
前記監視端末は、
前記画像信号を受信する端末受信手段と、
前記端末受信手段が受信した前記画像信号によって表される画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の警備システム。
【請求項5】
前記中央処理サーバに接続される信号受信サーバが、前記制御装置に前記メイン回線を介して接続されると共に、前記バックアップ回線を介して接続され、
前記信号受信サーバは、
前記第1中央送信手段が送信した前記警備信号を受信する信号受信手段と、
前記信号受信手段が受信した前記警備信号を前記中央処理サーバに送信する信号送信手段とを有し、
前記第1中央受信手段は、前記警備信号を前記信号送信手段から受信する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の警備システム。
【請求項6】
前記中央処理サーバに接続されるメディア受信サーバが、前記制御装置に前記メイン回線を介して接続されると共に、前記バックアップ回線を介して接続され、
前記メディア受信サーバは、
前記第1制御送信手段が送信した前記画像取得信号を受信する第1メディア受信手段と、
前記第1メディア受信手段が受信した前記画像取得信号を前記制御装置に送信する第1メディア信号送信手段と、
前記第2制御送信手段が送信した前記画像信号を受信する第2メディア受信手段と、
前記第2メディア受信手段が受信した前記画像信号を前記中央処理サーバに送信する第2メディア送信手段とを有し、
前記第2中央受信手段は、前記画像信号を前記第2メディア送信手段から受信する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の警備システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−215841(P2011−215841A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82939(P2010−82939)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】