説明

警報器

【課題】連動入力の誤判別を防ぎ、確実に連動入力判別を行うことができる警報器を得る。
【解決手段】他の機器と連動配線220を介して接続され、連動入力判別処理を行って他の機器による連動入力を判別する警報器であって、複数回連続して連動入力の有り又は無しを検出すると、連動入力の有り又は無しとの判別を確定し、より判別を確実にする制御回路110を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば火災等を検知して警報を行う警報器に関するものである。連動させている警報器からの信号入力を確実に受信できるようにするためのものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、住宅において、ある部屋等において発生した火災を、他の部屋においても発光、鳴動等による警報を行うことができるように、有線又は無線接続し、連動させることができる連動回路を設けた警報器がある。ここでは有線接続されているものとする。連動回路は、他の警報器からの信号を検出する連動入力回路と他の警報器に信号を送信する連動出力回路で構成される。連動入力回路としては、接続された配線(以下、連動配線という)の導通又は非導通を判断して信号が伝達されているかどうか(連動入力がなされている状態かどうか)を判断し、連動入力判別をするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−058968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、警報器では、できる限り消費電力を低減してバッテリ寿命を長くするなどの目的から、一般的に消費電力の多いランモードと、消費電力の少ないスリープモードとを有し、所定周期毎にランモードを動作させ、その間に状態の判別等の処理を行うようにしている。そして、連動入力判別はランモード時、つまり、所定周期毎に行うようにしている。
【0004】
ここで、例えば、連動配線に商用電源ノイズ等の周期性ノイズ源が重畳すると、電圧が高くなったり低くなったりするハイ・ロー状態が周期的に変動することがある。そのため、連動入力判別時において、検出するタイミングによっては判別を正確に行えない可能性もあり、場合によっては、他の機器で火災発生と判断していない(連動入力がなされていない)にも関わらず、警報器を鳴動させてしまうようなことも生じ得る。これは、常時に判別処理を行うようにしていても同様である。
【0005】
そこで、本発明は、連動入力の誤判別を防ぎ、確実に連動入力判別を行うことができる警報器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る警報器は、他の機器と連動配線を介して接続され、連動入力判別処理を行って他の機器による連動入力を判別する警報器であって、複数回連続して連動入力の有り又は無しを検出すると、連動入力の有り又は無しと判別する制御回路を備えるものである。
【0007】
また、本発明に係る警報器の制御回路は、連動配線が導通状態であれば連動入力の有りとして検出し、連動配線が非導通状態であれば連動入力の無しとして検出する。
【0008】
また、本発明に係る警報器の制御回路は、連動入力判別処理を所定時間毎に行う。
【0009】
また、本発明に係る警報器の制御回路は、複数回の連動入力の検出を行う時間の間隔を異ならせる。
【0010】
また、本発明に係る警報器の制御回路は、少なくとも直前の判別結果を記憶する記憶手段を有し、複数回の検出を行う間に、判別結果と同じ検出を行ったと判断すると、連動入力判別処理を終了する。
【0011】
また、本発明に係る警報器の制御回路は、複数回の連動入力の検出を行う時間の間隔を長い時間間隔から短い時間間隔にしていく。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、制御回路が、連動入力の有り又は無しを複数回連続して検出することで、その判別結果を確定するようにしたので、連動配線にノイズが重畳しても誤検出を発生させることなく、より確実に連動入力を判別することができ、誤った警報等を防ぐことができる。
【0013】
また、本発明によれば、連動配線が導通状態であれば連動入力の有りとして検出し、連動配線が非導通状態であれば連動入力の無しとして検出するようにしたので、連動入力の有無の判断を電圧に基づいて容易に検出することができる。
【0014】
また、本発明によれば、連動入力判別処理を所定時間毎に行うようにし、処理を行うモードと行わないモードを設定し、電力消費を低減させることができる。
【0015】
また、本発明によれば、制御回路において、複数回の連動入力の検出を行う時間の間隔を異ならせるようにしたので、周期性のあるノイズに同期してしまって誤検出を行ってしまうことを防ぐことができる。
【0016】
また、本発明によれば、判別結果と同じ検出を行ったと判断すると、連動入力判別処理を終了するようにしたので、判別までの時間を長引かせることなく、処理時間を短くすることができ、また、電力の消費を防ぐことができる。
【0017】
また、本発明によれば、検出を行う時間の間隔を長い時間間隔から短い時間間隔にしていくようにしたので、例えば、長い周期性を有するノイズにおける、同じ状態の検出を何回も行わなくてすみ、検出回数を少なくし、結果として連動入力判別処理の時間を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る警報器の構成を表すブロック図である。ここで本実施の形態における警報器は火災警報器であるものとする。図1において、火災警報器は、電源となる電池100、制御回路110、定電圧回路120、昇圧・発光回路130、受光増幅回路140、電池電圧検出回路150、電源電圧異常監視回路160、点検・音声停止回路170、音声鳴動回路180、火災・異常表示回路190、連動回路200、端子配線205及び連動端子210で構成されている。
【0019】
図2は制御回路110の構成を示すブロック部である。例えばワンチップマイクロコンピュータ(マイコン)等からなる制御回路110は、演算部111、RAM(メモリ)112、ROM113、タイマ部114、A/D変換部115、メイン発振部116、サブ発振部117及びインターフェース部118で構成されている。
【0020】
演算部111は、A/D変換部115を介して入力されたデジタル信号化されたデータ、インターフェース部118を介して入力されたデータ(例えば火災検出、電池電圧、電源電圧監視、連動入力に関するデータ等)、RAM(メモリ)112又はROM113を介して読み込んだデータに基づいて制御回路110における処理を行うものである。本実施の形態では、特に連動入力判別処理(他の機器から連動に関する信号が伝達されているかどうか)に伴う比較、判断等の処理を行う。また、この処理はランモード時に行う。
【0021】
RAM112は、例えば変更を伴う等のデータを一時的に記憶する。特に本実施の形態では、連動入力判別処理において、演算部111が連動入力の有無の判別を確定したときに、以後に行う連動入力判別処理の判断の際に参照するための連動入力フラグを有している。また、ROM113は、演算部111が読み出して処理するためのデータ(例えば演算部111が処理するプログラム等)が記憶されている。
【0022】
タイマ部114は計時を行う。特に本実施の形態では、制御回路110が所定時間毎にランモードで動作し、また、複数回の連動入力検出を所定の時間間隔で行うための計時を行う。A/D変換部115は、各種回路等から入力される信号をデジタルデータに変換する。
【0023】
メイン発振部116及びサブ発振部117は、制御回路110が2種類のモードで動作できるように、2種類の周波数のクロックを発振するために設けられている。制御回路110は、ランモードにおいてはメイン発振部116の発振に基づくメインクロック周波数で動作し、スリープモードにおいてはサブ発振部117の発振に基づくサブクロック周波数で動作する。インターフェース部118は、外部の回路、装置等とデータを含む信号等の送受信を行うために設けられている。なお、アナログ信号の場合には、A/D変換部115を経由させるとよい。
【0024】
定電圧回路120は、電池100が印加する電圧から一定電圧(ここでは例えば2.3Vとする)にして、主として制御回路110に電力供給を行う。昇圧・発光回路130は、制御回路110からの信号に基づいて、火災検出のために赤外発光ダイオード(図示せず)を発光させる。受光増幅回路140は、フォトダイオード(図示せず)が受光した赤外発光ダイオードによる光(散乱光)を増幅する。電池電圧検出回路150は電池100が印加する電圧を検出する。
【0025】
電源電圧異常監視回路160は、定電圧回路120及び昇圧・発光回路130の電源電圧を監視して、適正な電圧による電力が供給されるようにする。点検・音声停止回路170は、使用者によりスイッチ(図示せず)が押下されると、制御回路110に点検又は音声停止処理を行わせるための信号を送信する。音声鳴動回路180は、制御回路110からの信号に基づいて、スピーカ(図示せず)から音声(ブザー音等も含む)を鳴動させる増幅回路である。火災・異常表示回路190は、制御回路110から送信される信号に基づいて、発光ダイオード(図示せず)を発光させて、使用者に火災等を教示する。ここで、本実施の形態においては、制御回路110はスリープモード時であっても、音声鳴動回路180及び火災・異常表示回路190に信号を送信し、鳴動及び異常表示を停止させないようにする。
【0026】
図3は連動回路200を中心とする回路構成を表す図である。本実施の形態の警報器は、連動端子210を介し、警報器外の他の機器と接続することができる。以下、本実施の形態の警報器は、同じ連動回路200を有して連動入力判別処理を行うことができる他の機器(の連動端子)と連動配線220を介して接続されているものとして説明する。本実施の形態では、連動回路200と制御回路110とで連動入力判別手段を構成し、連動入力判別処理を行うものとする。連動回路200は、端子配線205を介して連動端子210と接続されており、連動配線220を介して、外部の機器からの連動信号を受信して制御回路110に送信し、制御回路110からの連動信号を他の機器に送信するためのインターフェースとなる。
【0027】
本実施の形態の連動回路200は、スイッチング素子であるバイポーラトランジスタ、FET等のトランジスタQ20及びQ21、抵抗R82及びR83並びにダイオードD6で構成される。また、制御回路110と連動回路200とは3つの端子A、B、Cで接続されている。ここで端子A及び端子Bは、印加電圧の状態により制御回路110側からの信号を連動回路200に伝達するための出力端子となる。一方、端子Cは、印加電圧の変化により連動回路200から制御回路110側に信号が伝達される入力端子となる。
【0028】
次に連動回路200の動作について説明する。まず、制御回路110から他の機器に信号を伝達する場合について述べる。制御回路110は、通常時は端子Bにおける印加電圧はロー(基準より低い電圧)の状態とする。例えば、赤外発光ダイオードからの受光光量が変化することで、制御回路110が火災と判断し、信号を伝達する場合、端子Bにおける印加電圧をハイ(基準より高い電圧)の状態にする。このとき、トランジスタQ21のベースに電圧が印加されてコレクタ−エミッタ間が導通し(電位差0となる)、連動端子210の2つの端子間(連動配線220間)も導通する。これが信号を伝達したときの機器(連動回路200)の状態となる。
【0029】
次に他の機器から信号が伝達されているかどうかを検出する(以下、連動入力を検出するという)場合について述べる。例えばスリープモード等、連動入力を検出しない場合においては、端子Aにおける印加電圧はロー(基準より低い電圧)の状態となっているが、例えばランモード時において制御回路110が連動入力を検出しようとする場合には、端子Aにおける印加電圧をハイ(基準より高い電圧)の状態にする。
【0030】
このとき、トランジスタQ20のベースに電圧が印加され、コレクタ−エミッタ間が導通する。ここで、外部の(他の)機器から信号が伝達されてされておらず、連動入力がなされていない場合は、外部の機器側におけるトランジスタQ21が非導通であるため、電流が流れず、連動配線220は非導通の状態となり、端子Cにおける印加電圧はハイ(ここでは電池電圧である2.3Vとなる)の状態となる。一方、外部の機器から信号が伝達され、連動入力がなされている場合は、外部の機器側におけるトランジスタQ21が導通しているため、トランジスタQ20、抵抗R82及びR83並びにダイオードD6から端子配線205、連動端子210及び連動配線220を介して外部の機器側に電流が流れる(連動配線220は導通の状態となる)。このとき、抵抗R82と抵抗R83との分圧に係る電圧が端子Cにおける印加電圧となる。この分圧に係る電圧(例えばここでは1.6Vとする)をローの状態と判断できるような閾値(例えば2.0V)を設定しておくことで、外部の機器からの連動入力の有無を検出することができる。
【0031】
図4は制御回路110の連動入力判別処理に関するタイミングチャートを示す図である。ここで、制御回路110は、電力消費を低減させるため、所定時間としての所定周期毎(例えば、5秒毎)のタイマ割込により、メイン発振部116によるクロック動作によりランモードで動作する。本実施の形態では、ランモードでの動作の間に連動入力判別処理を行う。一方、サブ発振部117によるクロック動作によるスリープモードの場合には、連動入力判別処理を含め、制御回路110は最低限の動作しか行わないものとする。ここで、本実施の形態において、制御回路110が行う連動入力判別処理については、例えばROM113にあらかじめプログラムとして記憶されており、演算部111がROM113内のプログラムを実行し、その処理を実現することで、制御回路110による連動入力判別処理が行われるものとする。
【0032】
本実施の形態では、ランモードにおいて、制御回路110(連動入力判別手段)は、複数回(例えば、5回)連続して連動入力の有無を検出することを1サイクルとして、連動入力判別処理を行なう。そして、例えば、前回の判別結果(連動入力フラグの状態)とは異なる検出を、複数回連続して検出したとき(例えば前回の判別結果が連動入力無しの場合に複数回連続して有りと判断したとき又は前回の判別結果が連動入力有りの場合に複数回連続して無しと判断したとき)に、連動入力の有無の判別を確定するようにしている。
【0033】
連動入力の有無の各検出タイミングは、等間隔に行うことも考えられるが、本実施の形態では、例えば、1回目と2回目との検出時間間隔(以下、検出間隔という)を時間T1、2回目と3回目との検出間隔を時間T2、3回目と4回目との検出間隔を時間T3、4回目と5回目との検出間隔を時間T4としてサンプリング周期(検出する周期、トランジスタQ20のベース側に電圧を印加するタイミング)を異ならせている。これは、周期性を有するノイズの周期とサンプリング周期とが同期しないようにするためである。ここで、T1>T2>T3>T4となるように検出間隔を設定する。これは本実施の形態では、後述するように、前回の判別結果と同じ検出がなされたものと判断した時点で連動入力判別処理を終えるが、長い周期のノイズが重畳すると、例えば、ノイズの波形のハイ側波形からロー側波形への出力の反転に伴って連動入力の有無の判断が逆転するのに時間がかかり、時間間隔が短いほど、その間の検出回数が増え、結果的に連動入力判別処理に時間を費やすことになるからである(例えば、時間間隔が長いものから短いものに変化させると2回で連動入力の有無の判断が逆転するが、時間間隔が短いものから長いものに変化させると3回行わなければならない等)。さらに、T1はT2、T3、T4の逓倍(例えば2倍)にならないように、T2はT3、T4の逓倍にならないように、T3はT4の逓倍にならないようなサンプリング周期にする(例えば、3、5、7、11、13(Hz)の逆数である0.33、0.2、0.14、0.9、0.7(ms)を検出間隔T1、T2、T3、T4とする等)。これにより、各サンプリング周期の逆数である周波数の逓倍の周波数のノイズによる誤検出を防ぐことができる。なお、複数回の検出における検出間隔をそれぞれ異ならせると最も効果が高いが、特にこれに限定するものではなく、同じ検出間隔が含まれていてもよい。
【0034】
図5は制御回路110による連動入力判別処理を示すフローチャートを表す図である。制御回路110はランモードの動作の間、他の処理等を行うが、ここでは、連動入力判別処理だけを行うものとして説明する。まず、前述したように所定周期毎にランモードで動作を行うため、5秒が経過したかどうかを判断する(S1)。5秒経過したものと判断すると、メイン発振部116によるクロック動作に切り替わり、ランモードで動作する(S2)。連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。連動入力がなされているかどうかは、前述したように、連動回路200の端子Cにおける印加電圧が閾値である2.0V未満であるかどうかにより判断する。
【0035】
連動入力がなされていないと判断すると、直前(前回)の判別結果が、連動入力有りとの判別を確定したものであるか(連動入力フラグがオンされているか)どうかを判断する(S4A)。連動入力有りと判別を確定していなければ、そのランモードにおける連動入力判別処理を終了し、サブ発振部117によるクロック動作に切り替わり、スリープモードに移行する(S14)。
【0036】
連動入力有りと判別を確定していれば、連動入力検出が1回目の検出であるかどうかを判断する(S5A)。1回目の検出であればT1時間待機した後(S6A)、連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。ここで、1回目の検出でなければ、2回目の検出であるかどうかを判断する(S7A)。2回目の検出であればT2時間待機した後(S8A)、連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。また、2回目の検出でなければ、3回目の検出であるかどうかを判断する(S9A)。3回目の検出であればT3時間待機した後(S10A)、連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。さらに、3回目の検出でなければ、4回目の検出であるかどうかを判断する(S11A)。4回目の検出であればT4時間待機した後(S12A)、連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。そして、4回目の検出でなければ、5回連続して連動入力がなされていない(定常である)ことを検出したとの判別を確定し、連動入力フラグをオフとして(S13A)、そのランモードにおける連動入力判別処理を終了し、サブ発振部117によるクロック動作に切り替わり、スリープモードに移行する(S14)。例えば、このとき、定常であるとの検出を確定しても、点検・音声停止回路170におけるスイッチ(図示せず)が押下されるまでは、音声鳴動回路180及び火災・異常表示回路190による鳴動及び異常表示は停止させないようにする。
【0037】
一方、S3において、連動入力がなされていると判断すると、直前(前回)の判別結果が、連動入力有りとの判別を確定したものであるかどうかを判断する(S4B)。連動入力有りと判別を確定していれば、そのランモードにおける連動入力判別処理を終了し、スリープモードに移行する(S14)。
【0038】
連動入力有りと判別を確定していなければ、その連動入力検出が1回目の検出であるかどうかを判断する(S5B)。1回目の検出であればT1時間待機した後(S6B)、連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。ここで、1回目の検出でなければ、2回目の検出であるかどうかを判断する(S7B)。2回目の検出であればT2時間待機した後(S8B)、連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。また、2回目の検出でなければ、3回目の検出であるかどうかを判断する(S9B)。3回目の検出であればT3時間待機した後(S10B)、連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。さらに、3回目の検出でなければ、4回目の検出であるかどうかを判断する(S11B)。4回目の検出であればT4時間待機した後(S12B)、連動入力がなされているかどうかを判断する(S3)。そして、4回目の検出でなければ、5回連続して連動入力がなさたことになるため、連動入力がなされたことを検出したとの判別を確定し、連動入力フラグをオンとして(S13B)、そのランモードにおける連動入力判別処理を終了し、サブ発振部117によるクロック動作に切り替わり、スリープモードに移行する(S14)。例えば、このとき制御回路110は、連動入力判別処理とは別の処理において、音声鳴動回路180及び火災・異常表示回路190に信号を送信し、鳴動及び異常表示を行わせる。
【0039】
以上のように実施の形態1の警報器によれば、制御回路110と連動回路200との連動入力判別手段により、両回路間の端子における印加電圧に基づいて制御回路110が連動入力がなされているか又はなされていない状態を複数回(5回)連続して検出したときに、連動入力がなされた又はなされていないことを検出したとの判別を確定するようにしたので、1度の連動検出で判別の確定をしないようにし、例えば、連動配線220にノイズが重畳しても誤検出を発生させることなく、より確実に連動入力(他の機器からの信号伝達)を判別することができる。また、連動入力がなされている又はなされていない状態が連続して5回続かなければ、S4A(又はS4B)の判断により、スリープモードに移行するので、判別までの時間を長引かせることなく、電力の消費を防ぎ、電池100の寿命を長くすることができる。
【0040】
さらに、検出するタイミング(検出間隔)を異ならせるようにしたので、周期性を有するノイズの周期と検出間隔(周期)とが同期しないようにし、連動入力の有無を判断することができる。そして、本実施の形態の警報器では、連動入力の有無が逆転すると連動入力判断処理を終了するが、このとき、最初の検出と次の検出との時間を長くし、徐々に短くするようにしたので、長い周期性を有するノイズにおける同じ波形(1つのハイ側波形又はロー側波形)での検出回数も少なくすることができ、連動入力判別処理の時間を短くすることができる。
【0041】
実施の形態2.
上述の実施の形態における警報器の電源を電池100としたが、電池に限らず、他の電源で構成するようにしてもよい。また、ここでは、ランモード時に制御回路110が連動入力判別処理を行っているが、例えば、モードの変更を行わない警報器においても適用することができる。また、連動入力が有りと判断したときから連続して検出を行って判別するようにしてもよい。さらに、上述の実施の形態では、火災警報について説明したが、例えば本発明をガス漏れ、侵入等を含め、他の用途の警報器にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る警報器の構成を表すブロック図である。
【図2】制御回路110の構成を示すブロック部である。
【図3】連動回路200を中心とする回路構成を表す図である。
【図4】制御回路110の連動入力判別処理に関するタイミングチャートを示す図である。
【図5】制御回路110による連動入力判別処理を示すフローチャートを表す図である。
【符号の説明】
【0043】
100 電池
110 制御回路
111 演算部
112 RAM
113 ROM
114 タイマ部
115 A/D変換部
116 メイン発振部
117 サブ発振部
118 インターフェース部
120 定電圧回路
130 昇圧・発光回路
140 受光増幅回路
150 電池電圧検出回路
160 電源電圧異常監視回路
170 点検・音声停止回路
180 音声鳴動回路
190 火災・異常表示回路
200 連動回路
205 端子配線
210 連動端子
220 連動配線
Q20、Q21 トランジスタ
R82、R83 抵抗
D6 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の機器と連動配線を介して接続され、連動入力判別処理を行って前記他の機器による連動入力を判別する警報器であって、
複数回連続して前記連動入力の有り又は無しを検出すると、前記連動入力の有り又は無しと判別する制御回路を
備えることを特徴とする警報器。
【請求項2】
前記制御回路は、前記連動配線が導通状態であれば前記連動入力の有りとして検出し、前記連動配線が非導通状態であれば前記連動入力の無しとして検出することを特徴とする請求項1記載の警報器。
【請求項3】
前記制御回路は、前記連動入力判別処理を所定時間毎に行うことを特徴とする請求項1又は2記載の警報器。
【請求項4】
前記制御回路は、前記複数回の連動入力の検出を行う時間の間隔を異ならせることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の警報器。
【請求項5】
前記制御回路は、少なくとも直前の判別結果を記憶する記憶手段を有し、前記複数回の検出を行う間に、前記判別結果と同じ検出を行ったと判断すると、前記連動入力判別処理を終了することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の警報器。
【請求項6】
前記制御回路は、前記複数回の連動入力の検出を行う時間の間隔を長い時間間隔から短い時間間隔にしていくことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−265182(P2007−265182A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91307(P2006−91307)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【出願人】(000190301)新コスモス電機株式会社 (112)
【Fターム(参考)】