説明

豆抽出物を含有する血液循環改善及び血管健康増進用組成物

本発明は、低濃度低級アルコールで抽出した豆抽出物またはその分画物を含有する組成物に関する。前記組成物は、優れた血液循環改善効果を有し、肥満状態を改善させ、糖尿及び高脂血症などの予防、症状の緩和または治療に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆抽出物を含有する血液循環改善及び血管健康増進用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現代人は、食生活のパターンの変化に伴い、脂肪質の攝取量は多くなってきたが、運動量は相対的に不足し、且つ様々なストレスを受けながら生活している。このような食生活の変化によって、高血圧、動脈硬化や血液循環障害などの疾病が増加しつつある。特に、血液循環障害は、記憶力の減退、無気力、集中力の低下や慢性皮膚などの症状を誘発することがあると知られている。
【0003】
血液循環とは、体内の血液が所定の方向に流れる現象のことをいい、血液循環障害は血管が弾力性を失って内壁にコレステロールなどが沈着することで血管の内部が狭くなり、血液の循環がなめらかに行なわれない現象のことを意味する。
【0004】
血液循環障害によって誘発される疾病としては、高脂血症、動脈硬化、心筋梗塞、または脳血栓症などのような心血管系疾患がある。心血管系疾病の中でも、高血圧、動脈硬化、心臓病、または脳卒中などは、高齢層における死亡原因のうち最も多い原因の一つとして挙げられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように血液循環障害を放置しておいた場合は、正常な生活の維持が難しくなり、ひいては、各種の形態の疾患に発展していき、死亡に至らせることもある。そのため、血液循環障害による疾病に対する治療よりも、その予防が肝要であるといえる。また、現在、臨床では心血管系疾病に対する医薬品が使用されているが、このような医薬品では様々な形態の副作用が起こる可能性があり、且つ高価であるという問題点などがある。
【0006】
本発明の一実施例の目的は、血液循環改善のための組成物を提供することである。
【0007】
本発明の他の一実施例の目的は、血管健康増進のための組成物を提供することである。
【0008】
本発明のまた他の一実施例の目的は、血液循環改善のための薬学組成物を提供することである。
【0009】
本発明の更なる一実施例の目的は、血管健康増進のための薬学組成物を提供することである。
【0010】
本発明の他の更なる一実施例の目的は、血液循環改善のための健康食品組成物を提供することである。
【0011】
本発明の他の更なる一実施例の目的は、血管健康増進のための健康食品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例による組成物は、低濃度の低級アルコールを利用した豆抽出物、またはその分画物を有効成分として含有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明による組成物は、血液循環改善効果に優れ、且つ肥満、糖尿及び高脂血症などの血管疾患の予防、症状の緩和、または治療に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】霜太(ソリテ)抽出物の濃度による血小板凝集抑制効能を示すグラフである。
【図2】霜太抽出物を経口投与時の血栓生成抑制効能を示すグラフである。
【図3】霜太抽出物を長期間経口投与時の血栓生成抑制効能を示すグラフである。
【図4】霜太抽出物に対する酢酸エチル分画の濃度による血小板凝集抑制効能を示すグラフである。
【図5】霜太のエタノール抽出物に対する酢酸エチル分画物を経口投与時の血栓生成抑制効能を示すグラフである。
【図6】霜太抽出物の酢酸エチル分画に対する分離精製過程を示す模式図である。
【図7】霜太抽出物の酢酸エチル分画に対する分離ステップ毎の血小板凝集率を測定した結果を示すグラフである。
【図8】霜太抽出物の酢酸エチル分画に対する分離ステップ毎の血小板凝集率を測定した結果を示すグラフである。
【図9】霜太抽出物の酢酸エチル分画に対する分離ステップ毎の血小板凝集率を測定した結果を示すグラフである。
【図10】霜太抽出物の酢酸エチル分画の最終精製成分とアデノシンとの血小板凝集率を濃度毎に比較測定した結果を示すグラフである。
【図11】霜太抽出物の血小板凝集率を濃度毎に測定した結果を示すグラフである。
【図12】アデノシンの血小板凝集率を濃度毎に測定した結果を示すグラフである。
【図13】霜太抽出物を処理した場合と、処理していない場合に対する、LPAとPAによるPS露出程度を示すグラフである。
【図14】霜太抽出物を処理した場合と、処理していない場合に対する、LPAとPAによるMV生成程度を示すグラフである。
【図15】霜太抽出物を処理した場合と、処理していない場合に対する、LPAとPAによるトロンビン生成程度を示すグラフである。
【図16】霜太抽出物を濃度毎に処理した場合における、PTを測定した結果を示すグラフである。
【図17】霜太抽出物を濃度毎に処理した場合における、aPTTを測定した結果を示すグラフである。
【図18】霜太抽出物、アスピリン及びクロピドグレルを処理した場合における、それぞれの出血持続時間を比較測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
従来の豆に関する研究は、豆から薬理活性を示す有効成分を分離、精製する方向に進められており、豆そのものの医薬的用途に対する研究は少なかった。また、その抽出方法においても、天然物に対して通常用いる抽出法である、高濃度の有機溶媒を利用した抽出方法を用いていた。
【0016】
豆抽出物には、明かされた成分以外にも各種の未知の成分があり、これらのうち一部成分は、人体に有用な薬理効果を示したりもする。本発明の発明者らは、天然物及び生薬抽出の際に一般に用いられる抽出法に対する認識から脱皮し、低濃度の低級アルコールを抽出溶媒として使用して豆から抽出物を獲得し、該抽出物が、高濃度有機溶媒を抽出溶媒よして使用して抽出した抽出物よりも遥かに強力な抗血栓効能を示すことを見出した。
【0017】
本発明の一実施例による組成物は、低濃度の有機溶媒を利用して抽出した豆抽出物、または抽出された豆抽出物の分画物を含有することを特徴とする。一実施例において、前記有機溶媒は、特に制限されるものではなく、C〜Cのアルコールであればよい。前記C〜Cのアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、及びイソブタノールからなる群より選択されるいずれか1種、または2種以上の混合溶媒であってよく、具体的には、エタノールである。また他の一実施例において、前記C〜Cのアルコールの濃度は、1%〜70%(v/v)、または1%〜40%(v/v)であり、具体的には、5%〜25%(v/v)、より具体的には、7%〜20%(v/v)である。例えば、前記溶媒は、10%または20%(v/v)エタノールである。
【0018】
本発明による組成物では、低濃度の低級アルコールを利用して豆抽出物を抽出する。本発明の発明者らは、各種の研究及び反復実験を通じて、各種有機溶媒のうち、低級アルコール、例えばエタノール、特に低濃度エタノールを利用して抽出した豆抽出物が血液循環を改善させ、これにより血管健康を増進させ、肥満及び糖尿に有効であり、且つ高脂血症に優れた効果を示すということを確認し、本発明を完成するに至った。
【0019】
前記豆抽出物の分画物は、豆抽出物に対する更なる分画工程を施して分離した成分のことを意味する。一実施例において、豆抽出物の分画物は、C〜Cのアルコール抽出物に対する酢酸エチルまたはブタノール分画物であり、具体的には、酢酸エチル分画物であってよい。本発明の発明者らは、低濃度のエタノールを利用して抽出した豆抽出物に対する各種の分画を抽出する実験を施した。実験の結果、酢酸エチルまたはブタノール分画物が、水分画物に比べて血液循環改善効能に優れていることが確認され、特に酢酸エチル分画物が非常に優れた効能を示した。
【0020】
本発明による豆抽出物またはその分画物を含有する組成物は、血小板凝集を抑制して血栓の生成を阻害する効能があり、血管の収縮を抑制して血管の弛緩を誘導する効能がある。また、コレステロールの増加を抑制して血液と肝の脂質を減少させる効能が認められる。したがって、かかる効能のため、血液循環改善に有効であり、血管健康を増進させるだけでなく、肥満、糖尿、及び高脂血症などの治療または予防に有効に使用できる。
【0021】
一実施例において、前記豆抽出物またはその分画物は、指標成分または機能成分としてアデノシンを含有していてよい。本発明の発明者らは、豆抽出物またはその分画物に対する分離精製実験を行った。分離精製された物質の活性を測定した結果、アデノシンと同様の物質が含有されていることを究明した。一実施例において、アデノシンの含量は、豆抽出物またはその分画物重量を基準とし、0.01重量%〜1.0重量%、より具体的には、0.1重量%〜0.6重量%であってよい。これにより、本発明による低濃度の低級アルコールを利用した豆抽出物には、アデノシンのような有効成分が相対的に高い含量で含有されていることが分かる。
【0022】
本発明による豆は、豆の抽出物またはその分画物が血液循環改善効能を持つものであれば特に制限されない。一実施例において、前記豆は、黒豆(black bean、Glycine max)または有色の豆(colored−bean)を含む。また他の一実施例において、前記豆は、霜太(ソリテ)(Seoritae、Glycin max MERR)、鼠目太(ソモクッテ)(Seomoktae, Rhynchosia Nolubilis)、黒大豆(Black soybean、Glycine max(L.) Merr)、青豆(blue bean,Glycime max MERR)、黄豆(yellow bean, Glycime max MERR)、フィールド豆(field bean, Vicia faba)、インゲン豆(kidney bean, Phaseolus vulgaris)、うずら豆(pinto bean,phaseolus vulgaris L.)、赤小豆(small red bean,Vigna angularis)、黒小豆(small black bean,Phaseolus angularis W.F. WIGHT.)、豆もやし原料豆(sprouting bean, Glycine max(L.) Merr.)、及び大豆(soybean, Glycine max)からなる群より選択される1種以上であってよく、より具体的には、前記豆は、霜太またはフィールド豆であってよい。
【0023】
本発明による「黒豆(black bean)」とは、粒皮の色が黒色を呈する豆を総称する意味である。前記黒豆の例としては、特に制限されるものではなく、例えば、黒豆、霜太、鼠目太、及び黒大豆などがある。黒豆の名称は、地域や分類、方言の影響などで様々に称されることがある。また、本発明による「黒豆抽出物」とは、黒豆に対する様々な抽出過程を通じて抽出された物質を総称し、例えば、有機溶媒などを利用して抽出された物質を含み、抽出された物質に対する様々な分画物などを含む意味である。
【0024】
また、本発明による「有色の豆(colored−bean)」とは、粒皮の色が濃い色を呈する豆を総称する意味であり、黒い色だけでなく、赤色、黄色または青色などの色を呈する豆も包括する。前記有色の豆の例としては、特に制限されるものではなく、例えば、霜太、鼠目太、黒大豆、青豆、黄豆、フィールド豆、インゲン豆、うずら豆、赤小豆、黒小豆、豆もやし原料豆、及び大豆などがある。有色の豆の名称は、地域や分類、方言の影響などで様々に称されることがある。また、本発明による「有色の豆抽出物」とは、有色の豆に対する様々な抽出過程を通じて抽出された物質を総称し、例えば、有機溶媒などを利用して抽出された物質を含み、また、抽出された物質に対する様々な分画物などを含む意味である。
【0025】
本発明は、前記組成物を含む薬学組成物を提供する。一実施例において、前記薬学組成物は、血液循環改善用であってよく、血管疾患の予防、症状の軽減または治療に有効な薬学組成物であってよい。本発明による薬学組成物は、血栓生成防止、血管収縮抑制及び/またはコレステロール抑制効能が認められる。具体的には、前記薬学組成物は、抗血栓効能に起因する血液循環改善用であってよく、肥満、糖尿及び高脂血症などを含む血管疾患の予防、症状の緩和または治療に有効な薬学組成物であってよい。前記血管疾患は、例えば、肥満、糖尿、脳卒中、脳出血、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、高血圧、貧血、偏頭痛、または高脂血症などを含む。
【0026】
本発明による組成物を医薬品に適用する場合には、前記組成物を有効成分とし、商用される無機または有機の担体を加えて、固状、半固状、または液状の形態を有する経口投与剤あるいは非経口投与剤として製剤化することができる。
【0027】
前記経口投与のための製剤としては、錠剤、丸剤、顆粒剤、軟・硬カプセル剤、散剤、細粒剤、粉剤、乳濁剤、シロップ剤、ペレット剤などが挙げられる。また、前記非経口投与のための製剤としては、注射剤、点滴剤、軟膏、ローション、スプレー、懸濁剤、乳剤、坐剤などが挙げられる。本発明の有効成分を製剤化するためには、常法によって実施すれば容易に製剤化することができ、界面活性剤、賦形剤{ふけいざい}、着色料、香辛料、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、その他、商用する補助剤を好適に使用していてよい。
【0028】
本発明による前記薬学組成物は、経口、非経口、直腸、局所、経皮、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下などに投与されてもよい。
【0029】
また、前記活性成分の投与量は、治療を受ける対象の年齢、性別、体重と、治療する特定の疾患または病理状態、疾患または病理状態の深刻度、投与経路及び処方者の判断によって変わり得る。このような因子に基づく投与量の決定は、当業者の水準内にある。一般的な投与量は、0.001mg/kg/日〜2000mg/kg/日、より具体的には、0.5mg/kg/日〜1500mg/kg/日である。
【0030】
一実施例において、本発明による組成物を含む食品添加剤、機能性食品、または健康食品などを提供する。具体的には、前記組成物は、血液循環改善用であってよく、肥満、糖尿、及び高脂血症を含む血管疾患の予防、症状の緩和または治療に有効な健康食品組成物であってよい。前記血管疾患は、例えば、肥満、糖尿、脳卒中、脳出血、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、高血圧、貧血、偏頭痛、または高脂血症などを含む。
【0031】
本発明による組成物を含む各種形態の食品添加剤または機能性食品を提供する。前記組成物を含む発酵乳、チーズ、ヨーグルト、ジュース、生菌製剤、及び健康補助食品などに加工されてよく、その他、各種の食品添加剤の形態で使用されてよい。
【0032】
一実施例において、前記組成物は、本発明の目的とする主な効果を損なわない範囲内で主な効果に相乗効果を与え得る他の成分などを含有していてよい。例えば、物性改善のために香料、色素、殺菌剤、酸化防止剤、防腐剤、保湿剤、粘増剤、無機塩類、乳化剤、及び合成高分子物質などの添加剤をさらに含有していてよい。その他にも、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、及び海草エキスなどの補助成分をさらに含有していてよい。前記成分は、剤形または使用目的に応じて当業者が困難なく適宜選定して配合することができ、その添加量は、本発明の目的及び効果を損なわない範囲内で選択されてよい。例えば、前記成分の添加量は、組成物の全重量を基準にし、0.01重量%〜5重量%、より具体的には、0.01重量%〜3重量%の範囲であってよい。
【0033】
本発明による組成物の剤形は、溶液、乳化物、粘性混合物、タブレット、粉末などの各種の形態であってもよく、これは、単純飲用、注射投与、スプレー方式またはスクイズ方式などの様々な方法で投与すればよい。
【0034】
以下、本発明の好適な実施例などを通じて本発明をより詳述するが、下記の実施例などは、本発明の効果を例示的に確認するためのものであって、本発明の範疇がこれらの実施例だけに限定されるものではない。
【0035】

[実施例1]10%エタノール霜太抽出物の製造
乾燥した霜太1kgを、50℃の温度で10%のエタノール溶液10Lに浸漬し、5時間の間に3回還流抽出した後、常温で12時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は7%〜20%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0036】

[実施例2]20%エタノール霜太抽出物の製造
乾燥した霜太1kgを、50℃の温度で20%のエタノール溶液10Lに浸漬し、5時間の間に3回還流抽出した後、常温で12時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は7%〜20%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0037】

[実施例3]50%エタノール霜太抽出物の製造
乾燥した霜太1kgを、50℃の温度で50%のエタノール溶液10Lに浸漬し、5時間の間に3回還流抽出した後、常温で12時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は7%〜20%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0038】

[実施例4]70%エタノール霜太抽出物の製造
乾燥した霜太1kgを、50℃の温度で70%のエタノール溶液10Lに浸漬し、5時間の間に3回還流抽出した後、常温で12時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は7%〜20%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0039】

[実施例5]20%エタノール鼠目太抽出物の製造
乾燥した鼠目太1kgを、60℃の温度で20%のエタノール水溶液5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0040】

[実施例6]20%エタノールインゲン豆抽出物の製造
乾燥したインゲン豆300gを、60℃の温度で20%のエタノール水溶液1.5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0041】

[実施例7]20%エタノールうずら豆抽出物の製造
乾燥したうずら豆300gを、60℃の温度で20%のエタノール水溶液1.5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0042】

[実施例8]20%エタノール豆もやし原料豆抽出物の製造
乾燥した豆もやし原料豆300gを、60℃の温度で20%のエタノール溶液1.5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0043】

[実施例9]20%エタノール黄豆抽出物の製造
乾燥した黄豆1kgを、60℃の温度で20%のエタノール溶液5Lに浸漬し、3時間の間に2回還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで冷凍保存した。
【0044】

[実施例10]20%エタノール青豆抽出物の製造
乾燥した青豆300gを、60℃の温度で20%のエタノール溶液1.5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで冷凍保存した。
【0045】

[実施例11]20%エタノールフィールド豆抽出物の製造
乾燥したフィールド豆1kgを、60℃の温度で20%のエタノール溶液5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで低温保存した。
【0046】

[実施例12]20%エタノール大豆抽出物の製造
乾燥した大豆1kgを、60℃の温度で20%のエタノール溶液5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで低温保存した。
【0047】

[実施例13]20%エタノール黒小豆抽出物の製造
乾燥した黒小豆300gを、60℃の温度で20%のエタノール溶液1.5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで冷蔵保存した。
【0048】

[実施例14]20%エタノール赤小豆抽出物の製造
乾燥した赤小豆300gを、60℃の温度で20%のエタノール溶液1.5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで低温保存した。
【0049】

[実施例15]20%エタノール黒大豆抽出物の製造
乾燥した黒大豆300gを、60℃の温度で20%のエタノール溶液1.5Lに浸漬し、3時間の間に還流抽出した後、常温で所定の時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は3%〜15%であって、調製された粉末は使用時まで低温保存した。
【0050】

[実施例16]霜太ブタノール抽出物の製造
実施例2で得られた20%エタノール霜太抽出物25gを、蒸留水250mlに溶かしてから、分液漏斗を使用してn−ブタノール250mlずつ2回抽出した後、得られたブタノール層を減圧濃縮し、凍結乾燥して試料を製造した。収率は5%〜15%であって、製造された試料は使用時まで冷凍保存した。
【0051】

[実施例17]鼠目太ブタノール抽出物の製造
実施例5で得られた20%エタノール鼠目太抽出物1gを、蒸留水10mlに溶かしてから、分液漏斗を使用してn−ブタノール10mlずつ2回抽出した後、得られたブタノール層を減圧濃縮し、凍結乾燥して試料を製造した。収率は5%〜15%であって、製造された試料は使用時まで冷凍保存した。
【0052】

[実施例18]フィールド豆ブタノール抽出物の製造
実施例11で得られた20%エタノールフィールド豆抽出物25gを、蒸留水250mlに溶かしてから、分液漏斗を使用してn−ブタノール250mlずつ2回抽出した後、得られたブタノール層を減圧濃縮し、凍結乾燥して試料を製造した。収率は5%〜15%であって、製造された試料は使用時まで冷凍保存した。
【0053】

[実施例19]青豆ブタノール抽出物の製造
実施例10で得られた20%エタノール青豆抽出物1gを、蒸留水10mlに溶かしてから、分液漏斗を使用してn−ブタノール10mlずつ2回抽出した後、得られたブタノール層を減圧濃縮し、凍結乾燥して試料を製造した。収率は5%〜15%であって、製造された試料は使用時まで低温保存した。
【0054】

[実施例20]黄豆ブタノール抽出物の製造
実施例9で得られた20%エタノール黄豆抽出物1gを、蒸留水10mlに溶かしてから、分液漏斗を使用してn−ブタノール10mlずつ2回抽出した後、得られたブタノール層を減圧濃縮し、凍結乾燥して試料を製造した。収率は5%〜15%であって、製造された試料は使用時まで低温保存した。
【0055】

[実施例21]豆もやし原料豆ブタノール抽出物の製造
実施例8で得られた20%エタノール豆もやし原料豆抽出物1gを、蒸留水10mlに溶かしてから、分液漏斗を使用してn−ブタノール10mlずつ2回抽出した後、得られたブタノール層を減圧濃縮し、凍結乾燥して試料を製造した。収率は5%〜15%であって、製造された試料は使用時まで低温保存した。
【0056】

[実施例22]大豆ブタノール抽出物の製造
実施例12で得られた20%エタノール大豆抽出物25gを、蒸留水250mlに溶かしてから、分液漏斗を使用してn−ブタノール250mlずつ2回抽出した後、得られたブタノール層を減圧濃縮し、凍結乾燥して試料を製造した。収率は5%〜15%であって、製造された試料は使用時まで低温保存した。
【0057】

[実施例23]インゲン豆ブタノール抽出物の製造
実施例6で得られた20%エタノールインゲン豆抽出物1gを、蒸留水10mlに溶かしてから、分液漏斗を使用してn−ブタノール10mlずつ2回抽出した後、得られたブタノール層を減圧濃縮し、凍結乾燥して試料を製造した。収率は5%〜15%であって、製造された試料は使用時まで低温保存した。
【0058】

[実施例24]霜太抽出物分画の製造
乾燥した霜太1kgを、50℃の温度で20%のエタノール溶液10Lに浸漬し、5時間の間に3回還流抽出した後、常温で12時間放置した。
【0059】
製造された抽出液をろ過して減圧濃縮し、濃縮されたろ過液に5倍量の酢酸エチル溶液を入れて抽出した。常温で放置して酢酸エチルと水層とを分離した後、酢酸エチル層だけを取り、凍結乾燥して酢酸エチル分画を製造した。同法にてブタノールを添加してブタノール分画を製造し、最終的に残った水層は凍結乾燥して水分画を製造した。調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0060】

[比較例]水を利用した霜太抽出物の製造
乾燥した霜太1kgを、100℃の温度で水10Lに浸漬し、5時間の間に3回還流抽出した後、常温で12時間放置した。抽出液をろ過して減圧濃縮し、凍結乾燥して粉末試料を製造した。収率は7%〜20%であって、調製された粉末は使用時まで低温で保存した。
【0061】

[実験例1]霜太抽出物のコラーゲンによって誘導されたヒト血小板凝集抑制の観察
エタノール含量による抽出物の活性の差異を比較するために、下記の実験を行なった。
【0062】
ヒトの多血小板血漿(Platelet Rich Plasma、PRP)を分離するために、3.2%クエン酸ナトリウム(sodium citrate)を抗凝固剤として使用し、2週以上薬物を服用していない健康な男性の静脈から血液を採血した。採血した血液150gを15分間遠心分離して上層液(PRP)を得てから、残渣を再び遠心分離して乏血小板血漿(platelet poor plasma、PPP)を得た。得られたPRPの血小板数を光学顕微鏡で数え、PRPをPPPで希釈して、1ml当たり3×10個の血小板が含まれるように希釈したものを実験に使用した。
【0063】
血小板の凝集活性は、血小板凝集計(lumi−aggregometer、Chrono−Log Co.、USA)を利用して吸光度の変化によって測定した。PRPに霜太抽出物を100μg/mlずつ加え、サーモミキサー(thermomixer)で10分間培養した。培養したPRP 495μlを、シリコンがコートされた血小板凝集計用キュベットに入れて1分間先培養し、37℃になるようにした。しかる後、血小板凝集誘発試料としてのコラーゲンを、最大凝集を起こす濃度である5μg/mlを加え、その後、5分間反応を観察した。その観察結果を表1に表した。表1の血小板凝集抑制率(%)は、コラーゲンだけを処理した対照群の血小板凝集抑制率を0%とした時の比較値を表すものである。
【0064】
【表1】

【0065】
表1を参照すると、10%及び20%エタノール抽出物が他の抽出物に比べて、優れた血小板凝集抑制効能を示し、特に10%エタノール抽出物が最も優れた血小板凝集抑制効能を示した。
【0066】
また、20%エタノール抽出物での血小板凝集抑制効能に対する濃度依存性を調べるための実験を行なった。先ず、抽出物を10μg/ml、25μg/ml、50μg/ml、100μg/mlの濃度で加え、前記と同様な実験を行なった。コラーゲンだけを処理した対照群の血小板凝集抑制率(inhibition)を0%とした時の比較値を図1に示した。図1を参照すると、20%エタノール抽出物は、濃度依存的に血小板凝集抑制効能を示し、このことから、優れた抗血栓生成能を有することが分かる。
【0067】

[実験例2]フィールド豆抽出物のコラーゲンによって誘導されたヒト血小板凝集抑制の観察
エタノール含量による抽出物の活性の差異を比較するために、下記の実験を行なった。
【0068】
ヒトの多血小板血漿(Platelet Rich Plasma、PRP)を分離するために、3.2%クエン酸ナトリウムを抗凝固剤として使用し、2週以上薬物を服用していない健康な男性の静脈から血液を採血した。採血した血液150gを15分間遠心分離して上層液(PRP)を得てから、残渣を再び遠心分離して乏血小板血漿(platelet poor plasma、PPP)を得た。得られたPRPの血小板数を細胞カウンターで数え、PRPをPPPで希釈して、1ml当たり3x10個の血小板が含まれるように希釈したものを実験に使用した。
【0069】
血小板の凝集活性は、血小板凝集計(lumi−aggregometer、Chrono−Log Co.、USA)を利用して吸光度の変化によって測定した。2分間、37℃になるようにサーモミキサー(thermomixer)で先培養したPRPに、フィールド豆抽出物を200mg/mlの濃度になるように加えて、7分間培養した。培養されたPRP 500μlを、シリコンがコートされた血小板凝集計用キュベットに入れて3分間培養した。しかる後、血小板凝集誘発試料としてのコラーゲンを、最大凝集を起こす最小濃度である1μg/ml〜3μg/mlを加え、その後、6分間反応を観察した。その観察結果を表2に表した。表2の血小板凝集抑制率(%)は、コラーゲンだけを処理した対照群の血小板凝集抑制率を0%とした時の比較値を表すものである。
【0070】
【表2】

【0071】
表2を参照すると、水と10%、20%エタノール抽出物が他の抽出物に比べて、優れた血小板凝集抑制効能を示し、その中でも20%エタノール抽出物が最も優れた血小板凝集抑制効能を示した。
【0072】

[実験例3]豆類依存的ヒト血小板凝集抑制効能の観察
優れた活性を示す20%エタノール抽出条件で、黒豆に対して血小板凝集抑制効能を示すかどうかを調べるために、下記の実験を行なった。実験の際に使用した豆はいずれも韓国産を購入して使用した。
【0073】
黒豆の一種である霜太、鼠目太、及び黒大豆に対して実験を行なった。対象豆から実施例2と同様な方法で豆抽出物を抽出した。また、抗血小板凝集抑制効能を観察するために、実験例1と同様な条件で豆抽出物100μg/mlを処理して実験を行なった。その実験結果を表3に表した。
【0074】
【表3】

【0075】
表3を参照すると、黒豆類である霜太、鼠目太、及び黒大豆において高い血小板凝集抑制効能を示した。このことから、低濃度エタノール抽出物による血小板凝集抑制効能は、霜太、鼠目太、及び黒大豆を含む黒豆において優れていることを確認することができる。
【0076】

[実験例4]豆類依存的ヒト血小板凝集抑制効能の観察
優れた活性を示す20%エタノール抽出条件で、各種の豆に対して血小板凝集抑制効能を示すかどうかを調べるために、下記の実験を行なった。実験に使用した豆は、いずれも韓国産を購入して使用した。
【0077】
黒小豆、大豆、霜太、鼠目太、フィールド豆、インゲン豆、赤小豆、青豆、豆もやし原料豆、黄豆に対して実験を行なった。対象豆から上記実施例に記述されたとおりに豆抽出物を抽出した。また、抗血小板凝集抑制効能を観察するために、実験例2と同様な条件で豆抽出物200μg/mlを処理して実験を行なった。その実験結果を表4に表した。
【0078】
【表4】

【0079】
表4を参照すると、霜太、鼠目太、フィールド豆が優れた血小板凝集抑制効能を示した。
【0080】

[実験例5]血小板凝集刺激源毎の活性抑制特異性の観察
20%エタノール抽出条件で、霜太抽出物が血小板凝集刺激源によって特異的活性抑制効能を示すかどうかを調べるために実験を行なった。
【0081】
血管が損傷されると、その部位の内皮細胞層が破壊されながら血液内に露出するコラーゲン、血小板から分泌するADP、血流によるずり応力(Shear Stress、以下、SS)、トロンビン(thrombin)は、血小板凝集を刺激する原因になることが知られている。したがって、20%低濃度エタノール霜太抽出物がコラーゲン、ADP、トロンビン、血流によるずり応力(SS)による活性抑制特異性を有するか否かについて実験を行なってみた。評価は、前記実験例1と同様な方法で実施し、実験例1のコラーゲンに代えて、ADP、トロンビン、血流によるずり応力を加えた。その実験結果を表5に表した。
【0082】
【表5】

【0083】
表5から分かるように、20%エタノール霜太抽出物は、コラーゲンで誘導された血小板凝集を特異的に抑制したが、ADP、トロンビン、血流によるずり応力などの他の刺激剤で誘導された血小板凝集に対する抑制効果は微弱であった。
【0084】

[実験例6]血小板凝集後の活性物質発現及び分泌抑制効能の観察
血小板がコラーゲンなどによって刺激を受けて凝集を起こすと、血小板の表面内に特定のタンパク質を発現したり、細胞の外へ特定の分泌物質を放出したりするようになる。したがって、本実験では、20%低濃度エタノール霜太抽出物が血小板凝集を抑制することで、血小板の表面に発現するP−セレクチン(P−selectin)を減少させ、血液内に放出されるセロトニン(serotonin)濃度を減少させる効能を観察した。
【0085】
実験例1と同じPRPに試料を加えて、インキュベーターで10分間培養した後、血小板凝集刺激源としてのコラーゲンを10μg/ml加えて、6分間反応させた。抽出物を取り、抗−CD42b−PEと抗−CD62P−FITCと一緒に試験管に加えて、遮光条件で20分間反応させた。これにタイロード緩衝液(tyrode buffer)500μlを加えることで反応を終結させた。
【0086】
分析測定は、蛍光細胞分析分離装置(FACS、BD bioscience、USA)で行なった。P−セレクチンの発現程度は、何も加えていない蛍光量を基準に、P−セレクチンの発現量によって蛍光量がどの程度低減したかを測定した。測定結果を表6に表し、抽出物を処理していない非処理群の蛍光量を100としたときの相対的なp−セレクチンの発現量を考慮して発現抑制率を換算した値を表した。
【0087】
【表6】

【0088】
表6から分かるように、20%エタノール霜太抽出物は、血小板が凝集されながら表面に発現するP−セレクチンの量を低減させることが分かり、その効果は、濃度依存的に示された。
【0089】
また、セロトニン(serotonin)の分泌を測定する方法としては、放射能同位元素法を用いた。実験例1と同じPRPを利用して、14C−セロトニン(Amersham bioscience、CFA170)が0.5μCi/mlになるように加えた後、45分間、37℃で処理した。14C−セロトニンを添加したPRPに抽出物を加えた後、10分間、37℃で処理した後、コラーゲン2μg/mlを加えて、6分間反応させた。反応の終了後、EDTAを加えて反応を終結させ、12000xg、2分間遠心分離して上層液のみを取った。分泌した[14C]−セロトニンの量は、液体シンチレーション計数器(liquid scintillation counter、Wallac 1409、PerkinElmer、USA)を利用して測定した。抽出物を処理していない非処理群のセロトニン分泌量を100としたときの相対値を基準に分泌抑制率を換算した値を表7に表した。
【0090】
【表7】

【0091】
表7を参照すると、20%エタノール霜太抽出物は、血小板が凝集されながら血液内に放出するセロトニンの分配抑制効率を増加させることが分かり、その効果は、濃度依存的に示された。
【0092】

[実験例7]SDラットを利用した静脈血栓生成抑制効果の観察
20%エタノールを利用した霜太抽出物を実際に摂取した場合における、生体内において血栓生成抑制効能があるかどうかを調べるための実験を行なった。体重220g〜250gの雄SD(Sprague Dawley)ラットを対象に静脈血栓生成抑制効能の試験を実施した。
【0093】
SDラットにそれぞれ0、50、100μg/mlの霜太抽出物を食塩水(saline)300μlに溶解させて経口投与した後、1時間放置した。1時間後、ペントバルビタールナトリウム(sodium pentobarbital)50mg/kgを腹腔投与して全身麻酔させた後、開腹して、後大静脈(caudal vena cava)がよく見えるように脂肪組織を取り除いた。脂肪組織を取り除くとき、周辺の血管が損傷されないように注意した。5% FeCl溶液を浸したフィルタペーパー(filter paper)を後大静脈上に5分間適用してから除去した。30分後、血栓を含んでいる後大静脈を12mm長さに結紮した後、切除した。血栓塊を切り取って食塩水に入れ、水分を除去し、その重さを測定することで各試験群を比較し、その結果を図2に表した。
【0094】
図2を参照すると、霜太抽出物50mg/kg、100mg/kgを経口投与したとき、100mg/kgで有意な血栓生成が抑制されることが分かる。
【0095】
また、同法にて14日間、50mg/kg、100mg/kgの濃度で長期間経口投与した結果を観察し、その結果を図3に表した。前記投与後、1時間放置しておいた場合とは異なり、50mg/kg、100mg/kgでいずれも有意な血栓生成が抑制されることが分かる。このことから、低濃度エタノールを利用した霜太抽出物は、優れた抗血栓剤として作用したことが分かる。
【0096】

[実験例8]霜太分画毎のヒト血小板凝集抑制効能の観察
20%エタノール抽出条件で、どの部分が優れた活性を示すかを調べるための実験を行なった。
【0097】
先ず、酢酸エチル、ブタノール、及び水分画を前記実施例25の方法で製造した。各分画に対する血小板凝集抑制効能は、前記実験例1と同法を用いて、各分画毎に100μg/ml濃度のものを使用して実施した。その結果を表8に表した。
【0098】
【表8】

【0099】
表8から分かるように、酢酸エチル分画が最も優れた血小板凝集抑制効能を示しており、ブタノール、水分画の順に活性が低減した。このことから、低濃度エタノール抽出物での血小板凝集抑制効能は、酢酸エチル分画に含まれている活性成分によるものと推測することができる.
また、最も優れた血小板凝集抑制効能を示した酢酸エチル分画に対する濃度依存的活性については、図4に示した。図4を参照すると、酢酸エチル分画10μg/ml、25μg/ml、50μg/ml、100μg/mlを使用したとき、血小板凝集抑制効能が濃度依存的に発生することを確認した。
【0100】

[実験例9]各豆のブタノール分画の血小板凝集抑制活性
各豆のブタノール分画が血小板凝集抑制効能を示すか否かを確認するために、下記の実験を行なった。
【0101】
大豆、鼠目太、霜太、フィールド豆、インゲン豆、青豆、豆もやし原料豆、及び黄豆のブタノール分画に対して、実験例2と同様な条件で豆抽出物200μg/mlを処理して実験を行なった。その実験結果を表9に表した。
【0102】
【表9】

【0103】
表9を参照すると、各豆のブタノール分画のいずれも、優れた血小板凝集抑制効能を示した。
【0104】

[実験例10]酢酸エチル分画の血小板凝集刺激源毎の活性抑制特異性の観察
酢酸エチル分画が血小板凝集刺激源毎に活性抑制の特異性を持つか否かを調べるために、前記実験例5と同様な方法で実験を行い、ただし、処理濃度は50μg/ml、100μg/mlとして実施した。その結果を表10に表した。
【0105】
【表10】

【0106】
表10から分かるように、酢酸エチル分画は、コラーゲン凝集源に対して特異的に活性を抑制することが分かり、その効果は濃度依存的に示された。
【0107】

[実験例11]酢酸エチル分画の血小板凝集後活性物質の発現及び分泌抑制効能の観察
霜太の酢酸エチル分画が、血小板凝集後に発現するP−セレクチンを低減させ、セロトニンの分泌を低減させて、トロンボキサンの生成を抑制させる効果を調べるために、P−セレクチンとセロトニンは、前記実験例6と同様な方法で実験を行なった。また、トロンボキサンの生成抑制率は、実験例1で使用したPRPに酢酸エチル分画を加えて37℃で10分間培養した後、コラーゲン10μg/mlを加えて6分間反応させた。試料の一部を取って、EDTA、インドメタシン(indomethacin、最終50μM)入りの試験管に加えて反応を終結させ、12000xg 2分間遠心分離して上層液のみを取り、生成されたトロンボキサンを、酵素免疫法を用いて定量した。
【0108】
酢酸エチル分画によるP−セレクチンの発現抑制は表11、セロトニン分泌抑制率は表12、そしてトロンボキサン生成抑制率は表13にそれぞれ表した。
【0109】
【表11】

【0110】
【表12】

【0111】
【表13】

【0112】
表11、12及び13から分かるように、霜太の酢酸エチル分画は、血小板凝集後に発現するP−セレクチンを低減させ、セロトニン分泌を抑制し、トロンボキサンの生成を抑制することが観察され、その効能は、濃度依存的に示されることが分かった。
【0113】

[実験例12]SDラットを利用した酢酸エチル分画の静脈血栓生成抑制効果の観察
酢酸エチル分画を実際に摂取した場合における、生体内において血栓生成抑制効能があるか否かを調べるために、前記実験例7と同様な方法で実験を行なった。経口投与した分画の濃度は10mg/kg、25mg/kg、50mg/kgであって、投与1時間後に生成された血栓の大きさを図5に示した。
【0114】
図5から分かるように、酢酸エチル分画は、それを摂取するだけでも血栓生成を濃度依存的に抑制した。
【0115】

[実験例13]SDラットから分離した血小板凝集抑制効能の観察
霜太の低濃度エタノール抽出物と酢酸エチル分画とが、ラットから分離した血小板の凝集抑制効果を示すか否かを確認するための実験を行なった。具体的な実験過程は前記実験例1と同様である。処理濃度は、10μg/ml、25μg/ml、50μg/ml、100μg/mlであり、その結果を表14に表した。
【0116】
【表14】

【0117】
表14から分かるように、エタノール低濃度抽出物だけでなく、酢酸エチル分画もまた、ラットから由来した血小板の凝集抑制効能が非常に優れており、その活性は、濃度依存的に示されたことを観察した。
【0118】

[実験例14]血管リングを利用した血管収縮抑制効能の観察
体重250g〜300gの実験用雄の白ねずみ(Sprague−Dawley rat)を大韓バイオリンク(Seoul、korea)から供給され、飼育室温度22±2℃、湿度45%−55%を維持し、午前7時と午後7時を基準に夜と昼の周期それぞれ12時間になるようにした。飼料(ピュリナコリア、Seoul、korea)と水は制限なく供給し、一週間環境に適応させてから実験に使用した。
【0119】
白ねずみを失血致死させた後、開胸して速かに胸部大動脈(thoracic aorta)を摘出した後、95% O/5% COの混合ガスで飽和されたKR緩衝液(組成(mM);NaCl 115.5、KCl 4.6、KHPO 1.2、MgSO 1.2、CaCl 2.5、NaHCO 25.0、ジナトリウム.Ca2+EDTA 0.026mM、グルコース 11.1、pH7.4)に移した。血管内の血液と周辺の脂肪及び結合組職などを除去し、長さ3mm〜4mmの血管リングを作った。血管リングとしては、初期30分間漸進的に張力を与えて平衡状態に至らせた後、フェニレフリン(phenylephrine)10−6Mで収縮させた後、アセチルコリン(acetylcholine)10−6Mを加えて弛緩させた時に弛緩率が80%以上のものを使用した。95% O/5% COの混合ガスで飽和させた90mM KClを含有したKR緩衝液で水槽(bath)内の緩衝液を交換して、血管の収縮を誘導し、これを最大収縮とした。血管に霜太抽出物を各濃度別に30分間前処理した後、水槽上で次第に高い濃度の収縮誘発フェニレフリンを加えて、これに対する容量−収縮反応曲線を観察した。90mM KClによって誘発された血管収縮率を、表15と表16に表した。
【0120】
【表15】

【0121】
表15を参照すると、収縮誘発剤としてのフェニレフリンの処理濃度が高くなるほど、血管収縮率が増加することが分かり、霜太抽出物の場合、100μg/mlにおいてフェニレフリンの濃度によって依存的に血管収縮抑制効能を示した。
【0122】
【表16】

【0123】
表16を参照すると、霜太抽出物を、その濃度を変えて25μg/ml、50μg/mlで処理した場合、濃度依存的に血管収縮を防止することを確認することができる。このことから、20%エタノール霜太抽出物は、極めて優れた血管収縮抑制効能があることを観察することができた。
【0124】

[実験例15]動物モデルでの血清及び肝脂質数値の低下
体重250g〜300gの8週齢の雌ねずみを使用してケージ当たり8匹ずつ、22±2℃の恒温及び55±15%の相対湿度が維持され、12時間の明暗周期が提供されるポリカーボネートケージに収容した。また、正常食餌及び高コレステロール食餌を供給し、食水を自由に飲用させた。
【0125】
陽性対照群としては、高脂血症治療剤として使用されるフェノフィブリン酸(200mg/kg)を使用し、1%メチルセルロース(MC)に懸濁して経口投与した。霜太抽出物(200mg/kg)を、1日1回ずつの経口投与によって4週間提供した。12時間節食させた後、眼窩静脈から血液サンプルを取り、10000rcf(relative centrifugal force)で10分間遠心分離した。遠心分離後、収得した血清を使用して血中総コレステロール及びLDL−コレステロール、HDL−コレステロール、中性脂肪の血漿水準を評価した。
【0126】
分析は、血液自動分析装置とロシュ社の診断キットを使用して行ない、得られた結果を、表17(血清脂質)及び表18(肝脂質)に表した。
【0127】
【表17】

【0128】
表17に表すように、4週間高コレステロール飼料を摂ったねずみにおける血清総コレステロール数値は、正常群に対して対照群が約2倍、LDL−コレステロール数値は、約4.4倍増加した。このような結果から、高脂血症誘発食餌により高脂血症が誘発されやすいことを確認した。霜太抽出物を高脂血症誘発食餌と一緒に投与した群では、総コレステロール数値が156.42mg/dlで、対照群に対して約28%低減し、LDL−コレステロール数値は約28%低減した。
【0129】
【表18】

【0130】
肝脂質もまた、正常群の総コレステロールと中性脂肪数値を表18から確認することができる。対照群においては、高脂血症誘発食餌によって脂肪肝の形態で誘導されたことを確認することができる。霜太抽出物処理群の場合、総コレステロールが52%低減し、中性脂肪は25%低減したことを確認することができる。このことから、霜太抽出物は、生体内血清及び肝脂質改善に優れた効果があることが分かった。
【0131】

[実験例16]霜太抽出物分画に対する有効成分の分析
霜太抽出物の活性成分を究明するために、酢酸エチル分画を中心にアッセイ誘導分画技法(assay guided fractionation)を行なった。製作された酢酸エチル分画に対する活性成分を分離し精製した全体的な構造(scheme)は図6に示すとおりである。
【0132】
図6を参照すると、実施例25による20%エタノール霜太抽出物の酢酸エチル分画(A−2)に対して固相抽出(solid phase extraction)を実施した。固相抽出の際には、溶媒として50%〜100%(v/v)のメタノール(MeOH)溶液を使用した。固相抽出を経た抽出液をA−3からA−9まで分類した。固相抽出を経た抽出液に対する血小板凝集率を評価し、その結果を図7に示した。図7を参照すると、A−3とA−4抽出液が相対的に低い血小板凝集率を示した。
【0133】
相対的に低い血小板凝集率を示したA−3とA−4抽出液を混合した混合溶液に対して、カラムクロマトグラフィー(Sephadex LH 20 column chromatography)を実施して構成成分を分離した。分離された成分は、A−3−1からA−3−10まで番号を付した。カラムクロマトグラフィーを経たA−3−1からA−3−10に対して、再び血小板凝集率を評価し、その結果を図8に示した。図8を参照すると、カラムクロマトグラフィーを経たA−3−1からA−3−10のうち、A−3−1試料の血小板凝集率が最も低いと確認された。
【0134】
最も低い血小板凝集率を示したA−3−1試料に対し、高性能液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography、Preparative ODS HPLC)にかけて有効成分を再び分離した。分離された成分は、A−3−1−1からA−3−1−7まで番号を付し、これらに対して血小板凝集率を測定した。血小板凝集率の測定結果を図9に示した。図9を参照すると、A−3−1−3の血小板凝集率が最も低いと確認された。分離精製及び活性実験により、最終的にA−3−1−3が優れた血小板凝集抑制活性を示すと確認された。
【0135】
前記で分離精製したA−3−1−3とアデノシン標準品に対し、血小板凝集抑制活性の比較を行なった。その比較結果を図10に示した。図10を参照すると、A−3−1−3は、アデノシンとほぼ同じ効果を示し、このことから、A−3−1−3は、アデノシン単一成分からなることを確認した。アデノシンの化学的構造は、下記一般式1で表すとおりである。
【0136】
【化1】

【0137】
[実験例17]20%エタノール霜太抽出物に含有されたアデノシン含量の測定
20%エタノール霜太抽出物とアデノシン標準品との活性を比較し、その結果を図11と図12に示した。図11と図12を参照すると、霜太抽出物とアデノシン標準品との活性の比較から、20%エタノール霜太抽出物には、約0.35%〜0.5%のアデノシンが含有されていることを算出した。このことから、低濃度の低級アルコールを利用して霜太を抽出した場合、抽出物中のアデノシン含量が非常に優れていることが分かる。また、アデノシン単独で使用した場合よりも霜太抽出物のほうが、血栓生成率が低いことが分かる。したがって、霜太抽出物を使用した場合、アデノシン単独で使用する場合よりも安定的な形態で血栓の生成を抑制することができるであろう。
【0138】

[実験例18]20%エタノール豆抽出物に含有されたアデノシン含量の測定
霜太を含む各種の豆に対して、20%エタノールで抽出した抽出物中に含有されたアデノシンの含量を測定した。その測定結果を表19に表した。
【0139】
【表19】

【0140】
表19を参照すると、各種の豆に対して全体的に0.15%以上の高い含量でアデノシンが含有されたことが確認された。特に、霜太とフィールド豆抽出物に含有されたアデノシン含量が相対的に高いことを確認することができる。
【0141】

[実験例19]霜太抽出物の赤血球での凝固促進活性抑制能の測定
豆抽出物が炎症状態で生成される内因性物質としてのLPA(lysophosphatidic acid)とPA(phosphatidic acid)による赤血球のPA(phosphatidyl serine)露出、及びMV(microvesicle)生成に関与するか否かを確認する実験を行なった。
【0142】
一般的に赤血球がPSに露出されたり、MVが生成されたりすると、血栓の生成が促進されることが知られている。炎症状態で霜太抽出物を加えた後、内因性物質としてのLPAとPAによるPS露出、及びMV生成の阻害有無を測定した。具体的には、霜太抽出物100μg/mlを加えた後、1時間が経過した時点で、50uM LPAまたは25uM PAを15分間加えて、PS露出及びMV生成を生じさせた。しかる後、霜太抽出物を加えた場合(+)と、霜太中止油津物を加えていない場合(−)とを比較して、PS露出程度及びMV生成程度をそれぞれ比較測定した。PS露出程度を測定した結果を図13に示し、MV生成程度を測定した結果を図14に示した。
【0143】
図13と図14から、霜太抽出物は、LPAとPAによるPS露出及びMV生成を阻害することが確認された。
【0144】
さらには、露出したPSを媒介とした凝固促進活性(procoagulant activity)の変化を、プロトロンビナーゼアッセイ(prothrombinase assay)により、トロンビン(thrombin)生成程度を測定した。その測定結果を図15に示し、ここで、(+)は霜太抽出物が加えられた場合で、(−)は霜太抽出物が加えられていない場合を意味する。図15を参照すると、霜太抽出物によってLPAとPAによるトロンビン生成が阻害されたことが分かる。
【0145】

[実験例20]霜太抽出物の血液凝固抑制に及ぼす影響の評価
血液凝固は、各種のチモーゲン(zymogen)である凝固因子(coagulation factor)が連続的に活性化し、最後にフィブリノゲン(fibrinogen)をフィブリン(fibrin)に変化させることで血栓をなす過程からなる。これには、コンタクトシステム(contact system)と呼ばれる内因性経路(intrinsic pathway)と組職因子(tissue factor)による活性化をはじめとする外因性経路(extrinsic pathway)が存在して血栓生成を誘発する。
【0146】
20%エタノール霜太抽出物が、凝固過程(coagulation cascade)の外因性経路または内因性経路に影響を与えるか否かをそれぞれプロトロンビン時間(prothrombin time、PT)と活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time、aPTT)を利用して評価した。
【0147】
PT測定は、次のような過程で実施した。ラットから血液を採血し、抗凝固剤として3.8%クエン酸ソーダ(sod.Citrate)を使用して遠心分離し、上澄液だけを取った。リコンビプラスチン(RecombiPlasTin)を加え、フィブリノメータ(fibrinometer)を利用してフィブリンが形成される時間を測定した。フィブリンが形成される時間が増加するほど血液凝固を抑制することを意味する。
【0148】
aPTT測定は、次のように実施した。ラットから血液を採血し、抗凝固剤として3.8%クエン酸ソーダ(sod.Citrate)を使用して遠心分離し、上澄液だけを取った。塩化カルシウム(CaCl)20mM液をチューブに入れ、血漿100μLを取ってフィブリノメータを利用してフィブリンが形成される時間を測定した。
【0149】
PT評価結果を図16に示した。aPTT評価結果を図17に示した。
【0150】
図16及び図17から、20%エタノール霜太抽出物は、PT及びaPTTには影響を与えないことが確認された。したがって、霜太抽出物は、血液の正常な凝固には影響を与えないので、これまで知られていた抗血栓製剤(アスピリンなど)の大きな副作用と知られている止血阻害及び出血過多の可能性には影響を与えないことと判断される。
【0151】

[実験例21]霜太抽出物が出血時間遅延に及ぼす影響の評価
20%エタノール霜太抽出物、アスピリン、及びクロピドグレルをそれぞれ処理した場合の出血時間を比較測定した。その測定結果を図18に示した。
【0152】
図18を参照すると、アスピリンとクロピドグレルの場合には、出血時間が著しく増加したが、霜太抽出物を処理した場合には、出血時間の変化がほとんど見られなかった。また、処理量が100mg/kgから500mg/kgと5倍増加した場合にも、出血時間にはほとんど変動がないことが確認された。したがって、摂取または処理量が増加しても出血時間増加といったような副作用はほとんど現われないことが分かる。
【0153】

本発明による豆抽出物含有組成物は、下記のように各種の剤形で応用可能であるが、こられに限定されるものではない。
【0154】

[製剤例1]軟質カプセル剤
霜太抽出物100mg、大豆抽出物50mg、大豆油180mg、紅参抽出物50mg、ヤシ油2mg、ヤシ硬化油8mg、黄ロウ4mg、及びレシチン6mgを混合し、通常の方法によって1カプセル当たり400mgずつ充填して軟質カプセルを製造した。
【0155】

[製剤例2]錠剤
フィールド豆抽出物100mg、大豆抽出物50mg、ブドウ糖100mg、紅参抽出物50mg、澱粉96mg、及びマグネシウムステアレート4mgを混合し、30%エタノールを40mg添加して顆粒を形成した後、60℃で乾燥し、打錠機で錠剤として打錠した。
【0156】

[製剤例3]顆粒剤
霜太抽出物100mg、大豆抽出物50mg、ブドウ糖100mg、紅参抽出物50mg、及び澱粉600mgを混合し、30%エタノールを100mg添加して顆粒を形成した後、60℃で乾燥し、分包充填した。内容物の最終重量は1gとした。
【0157】

[製剤例4]ドリンク剤
鼠目太抽出物100mg、大豆抽出物50mg、ブドウ糖10g、紅参抽出物50mg、クエン酸2g、及び精製水187.8gを混合し、ビンに充填した。内容物の最終容量は200mlとした。
【0158】

[製剤例5]健康食品の製造
霜太抽出物...................................1000mg
ビタミン混合物
ビタミンAアセテート.......................70μg
ビタミンE.................................1.0mg
ビタミンB1...............................0.13mg
ビタミンB2..............................0.15mg
ビタミンB6...............................0.5mg
ビタミンB12.............................0.2μg
ビタミンC.................................10mg
ビオチン...................................10μg
ニコチン酸アミド...........................1.7mg
葉酸.......................................50μg
パントテン酸カルシウム.....................0.5mg
無機質混合物
硫酸第1鉄.................................1.75mg
酸化亜鉛...................................0.82mg
炭酸マグネシウム...........................25.3mg
第1リン酸カリウム.........................15mg
第2リン酸カルシウム.......................55mg
クエン酸カリウム...........................90mg
炭酸カルシウム.............................100mg
塩化マグネシウム...........................24.8mg
前記のビタミン及びミネラル混合物の組成比は、比較的に健康食品に適合した成分を好適な実施例にて混合組成したが、その配合比は任意に変形実施してもよく、通常の健康食品製造方法によって前記成分を混合した後、顆粒を製造し、通常の方法によって健康食品組成物の製造に使用することができる.

[製剤例6]健康飲料の製造
フィールド豆抽出物........................1000mg
クエン酸..................................1000mg
オリゴ糖..................................100g
梅濃縮液..................................2g
タウリン..................................1g
精製水を加えた全量........................900ml
通常の健康飲料の製造方法によって前記成分を混合してから、約1時間、85℃で撹拌加熱した後、作られた溶液をろ過して、滅菌された2l容器に入れ、密封滅菌して冷蔵保存し、後で本発明の健康飲料組成物の製造に適宜使用すればよい。
【0159】

前記組成比は、比較的嗜好飲料に適合した成分を好適な実施例にて混合組成したが、需要階層や、需要国、使用用途など、地域的、民族的嗜好度によってその配合の割合を任意に変形実施しても構わない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者ならば、前記内容を基に本発明の範疇内で種々の応用及び変形を行うことが可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明による組成物は、医薬及び食品分野などに多様に活用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1%〜70%(v/v)濃度のC〜Cアルコールで抽出した豆抽出物またはその分画物を含有する血液循環改善用組成物。
【請求項2】
前記C〜Cアルコールは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブタノール、及びイソブタノールからなる群より選択される1種以上である請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項3】
前記C〜Cアルコールはエタノールである請求項2に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項4】
前記豆抽出物またはその分画物は、アデノシンを含有する請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項5】
前記アデノシンの含量は、豆抽出物またはその分画物重量を基準にし、0.01重量%〜1.0重量%である請求項4に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項6】
前記豆は、霜太(ソリテ)、鼠目太(ソモクッテ)、黒大豆、青豆、黄豆、フィールド豆、インゲン豆、うずら豆、赤小豆、黒小豆、豆もやし原料豆、及び大豆からなる群より選択される1種以上である請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項7】
前記豆は、霜太またはフィールド豆である請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項8】
前記分画物は、C〜Cアルコール抽出物に対する酢酸エチルまたはブタノール分画物である請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項9】
前記組成物は、血栓生成抑制、血管収縮抑制、またはコレステロール生成抑制により血液循環を改善させるものである請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項10】
前記組成物は、血管健康を増進させるものである請求項1に記載の血液循環改善用組成物。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の組成物を含む薬学組成物。
【請求項12】
前記薬学組成物は、肥満、糖尿、脳卒中、脳出血、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、高血圧、貧血、偏頭痛、または高脂血症の予防、症状の緩和または治療用である請求項11に記載の薬学組成物。
【請求項13】
請求項1ないし10のいずれかに記載の組成物を含む健康食品組成物。
【請求項14】
前記健康食品組成物は、肥満、糖尿、脳卒中、脳出血、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、高血圧、貧血、偏頭痛、または高脂血症の予防、症状の緩和または治療用である請求項13に記載の健康食品組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2012−528146(P2012−528146A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512969(P2012−512969)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003335
【国際公開番号】WO2010/137875
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(506213681)株式会社アモーレパシフィック (24)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】181,2−ga,Hangang−ro,Yongsan−gu,Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】