説明

貝殻粉砕物を主成分とする多孔質改質硫黄固化体及び土木・建築用構造物

【課題】廃棄貝殻の大量利用が期待され、しかもコンクリート並みの施工性及び強度が得られ、水中生物の蝟集や着生作用に優れる土木・建設用構造物、並びに該構造物の材料等として利用できる貝殻粉砕物を主成分とする多孔質改質硫黄固化体を提供すること。
【解決手段】本発明の多孔質改質硫黄固化体は、粒径5mm以下の細骨材100質量部及び改質硫黄30〜400質量部とを含む改質硫黄資材20質量%を超え33質量%以下と、粒径3〜10mmの貝殻粉砕物67質量%以上80質量%未満とを含み、透水性を示す連続空隙を有し、且つ空隙率が10〜40容量%であることを特徴とする貝殻粉砕物を主成分とすることを特徴とする。本発明の土木・建築用構造物は、上記多孔質改質硫黄固化体を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物として処理されることが多い貝殻を高配合でき、その大量利用が期待できると共に、水中生物の蝟集や着生作用に優れ、各種ブロック、漁礁、藻礁、護岸用構造物等の土木・建設用構造物、該構造物の材料等として利用できる貝殻粉砕物を主成分とする多孔質改質硫黄固化体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カキやホタテを中心に貝類の養殖が盛んに行われ、これに伴い発生する貝殻の処理が深刻化している。例えば、廃棄貝殻の一部は、土壌肥料や飼料等に使用されているが、漁業地域においては大半が周辺に野積みされ、悪臭発生等の周辺環境への影響が懸念されている。特に、カキ殻やホタテ殻は、年間数万トン以上発生するためその有効利用が要望されている。
最近、このような廃棄貝殻の有効利用について種々研究がなされており、例えば、特許文献1〜4には、防波堤基礎の地盤改良材、漁礁、藻礁、各種ブロック等のセメントを利用した土木・建築用構造物に廃棄貝殻を配合する技術が数多く提案されている。
しかし、セメントを利用した各種土木・建築用構造物に廃棄貝殻を利用する場合、貝殻の臭気除去作業が煩雑となり、しかもセメントを利用した場合、十分な貝殻の臭気除去が困難である。また、土木・建築用構造物として用いるためにある程度の強度を保持するには、塩を多く含み、それ自体低強度である貝殻をセメントに混合するに際してその配合割合を少なくする必要があり、通常、多くても構造物全量に対して30質量%程度の配合が期待されるに過ぎない。従って、廃棄貝殻の大量使用という点からはその利用率が十分でなく、しかも貝殻の臭気対策等にも課題が残されている。
【0003】
そこで、特許文献5には、粒径5mm以上の貝殻粉砕物と粒径5mm未満の貝殻粉砕物を、溶融状態の改質硫黄等と混練して固化した透水性を有していない材料を用いた土木・建築用構造物が提案されている。このような構造物においては、廃棄貝殻を高配合した場合であっても高強度を得ることが可能であるが、水中生物の蝟集や着生作用が必ずしも十分であるとは言えない。
一方、特許文献6には、硫黄材料と骨材とを含み、透水性を示す連続空隙を有し、空隙率が5〜40容量%である多孔質硫黄資材が提案されている。
しかし、この文献には、骨材として貝殻粉砕物を使用する場合に、硫黄材料として、特定の細骨材と改質硫黄との混合物を用いること、更には貝殻粉砕物を用いて、高強度で、水中生物の蝟集や着生作用に優れる構造物が得られる構成については教示されていない。
【特許文献1】特開平11−246277号公報
【特許文献2】特開2002−136242号公報
【特許文献3】特開2002−241165号公報
【特許文献4】特開2002−238398号公報
【特許文献5】特開2004−323314号公報
【特許文献6】特開2004−189538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、大量に廃棄されている貝殻を高配合でき、その大量利用が期待され、しかもコンクリート並みの施工性及び強度が得られ、水中生物の蝟集や着生作用に優れる土木・建設用構造物、並びに該構造物の材料等として利用できる貝殻粉砕物を主成分とする多孔質改質硫黄固化体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明によれば、粒径5mm以下の細骨材100質量部及び改質硫黄30〜400質量部とを含む改質硫黄資材20質量%を超え33質量%以下と、粒径3〜10mmの貝殻粉砕物67質量%以上80質量%未満とを含み、透水性を示す連続空隙を有し、且つ空隙率が10〜40容量%であることを特徴とする貝殻粉砕物を主成分とする多孔質改質硫黄固化体が提供される。
また本発明によれば、上記多孔質改質硫黄固化体を備える土木・建築用構造物が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の多孔質改質硫黄固化体は、特定の細骨材及び改質硫黄を特定割合で含む改質硫黄資材と、特定粒径範囲の貝殻粉砕物とを該貝殻粉砕物を高割合とする特定割合で含む多孔質体であるので、廃棄貝殻の大量利用が期待でき、しかもコンクリート並みの施工性及び強度が得られると共に、水中生物の蝟集や着生作用に優れる。従って、本発明の多孔質改質硫黄固化体は、各種ブロック、漁礁、藻礁、護岸用構造物等の土木・建設用構造物に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の多孔質改質硫黄固化体は、粒径5mm以下の細骨材及び改質硫黄を特定割合で含む改質硫黄資材と、特定粒径範囲の貝殻粉砕物とを特定割合で含む。ここで、改質硫黄資材は、好ましくは小ガス炎着火試験によって検定される非危険物であることを充足する。
前記改質硫黄は、通常の硫黄、例えば、天然産又は、石油や天然ガスの脱硫によって生成した硫黄等を硫黄変性剤により重合したものであって、硫黄と硫黄変性剤との反応物である。
硫黄変性剤としては、例えば、ジシクロペンタジエン(DCPD)、テトラハイドロインデン(THI)、若しくはDCPDと、シクロペンタジエンのオリゴマー(2〜5量体混合物)、ジペンテン、ビニルトルエン、ジシクロペンテン等のオレフィン化合物類の1種又は2種以上との混合物が挙げられる。
前記DCPDとしては、DCPDの単体の他に、シクロペンタジエンの2〜5量体を主体に構成される混合物を用いることもできる。該混合物としては、DCPDの含有量が70質量%以上、好ましくは85質量%以上のものが挙げられ、また、いわゆるジシクロペンタジエンと称する市販品の多くを使用することができる。
前記THIとしては、THIの単体の他に、THIと、DCPDの単体、シクロペンタジエンとブタンジエンとの重合物、及びシクロペンタジエンの2〜5量体からなる群より選択される1種又は2種以上を主体に構成されるものとの混合物を用いることもできる。該混合物中のTHIの含有量は、通常50質量%以上、好ましくは65質量%以上である。該混合物としては、いわゆるテトラハイドロインデンと称する市販品やエチルノルボルネンの製造プラントから排出される副生成油の多くが使用できる。
【0008】
前記改質硫黄は、硫黄と硫黄変性剤とを溶融混合することにより得ることができる。この際、硫黄変性剤の使用割合は、硫黄と硫黄変性剤との合計量に対して、通常0.1〜30質量%、特に、1.0〜20質量%の割合が好ましい。
前記溶融混合は、例えば、インターナルミキサー、ロールミル、ドラムミキサー、ポニーミキサー、リボンミキサー、ホモミキサー、スタティックミキサー等を用いて行うことができる。
前記改質硫黄の調製にあたり、溶融混合条件は、例えば、硫黄と硫黄変性剤とを120〜160℃の範囲、硫黄が効率よく変性するように好ましくは130〜155℃、より好ましくは140〜155℃の範囲で溶融混合し、140℃における粘度が0.05〜3.0Pa・sになるまで滞留させる条件が望ましい。
【0009】
前記改質硫黄資材において、前記改質硫黄の含有割合は、後述する細骨材100質量部に対して、通常30〜400質量部、好ましくは30〜300質量部である。30質量部未満では、細骨材との均一混練が十分でなく、400質量部を超えると、改質硫黄と細骨材とが分離して均一な改質硫黄資材が得られ難いおそれがある。
【0010】
前記細骨材は、粒径5mm以下、好ましくは1mm以下の細骨材である。前記細骨材の粒径が5mmを超えると再溶融が速やかにできない。このような細骨材の粒径調整は公知技術が利用でき、例えば、篩等で調整することができる。粒径はJIS標準ふるいを使用して規定できる。
細骨材としては、上記特定粒度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、粒経分布の調整が容易で均一なものを大量に入手しやすい点で、石炭灰、珪砂、シリカヒューム、石英粉、砂、ガラス粉末及び電気集塵灰からなる群より選択される1種又は2種以上が好ましく挙げられる。
【0011】
前記改質硫黄資材は、改質硫黄の溶融物と細骨材とを混合することにより得ることができる。改質硫黄が溶融状態である場合には、そのまま後述する貝殻粉砕物と混合固化することができる他、。改質硫黄資材を固化させた場合には、再溶融してから貝殻粉砕物と混合固化することができる。
【0012】
前記貝殻粉砕物は、特に限定されないが、大量消費が期待されている、例えば、ホタテ貝殻粉砕物、カキ貝殻粉砕物及びホッキ貝殻粉砕物等からなる群より選択される1種又は2種以上の貝殻粉砕物の使用が好ましい。
貝殻粉砕物の粒径は、1〜20mm、好ましくは3〜10mmの範囲である。粒径3mm未満の貝殻粉砕物を含んでいても良いが、その割合が多くなると得られる多孔質改質硫黄固化体における所望の空隙率が得られない恐れがあるので粒径3mm未満の貝殻粉砕物はなるべく含まないことが好ましい。一方、粒径10mmを超える貝殻粉砕物を含んでいても良いが、その割合が多くなると得られる多孔質改質硫黄固化体における圧縮強度が低下する恐れがあるので粒径10mmを超える貝殻粉砕物はなるべく含まないことが好ましい。この際、貝殻粉砕物の嵩密度は、得られる所望の材料の強度を高くするために、通常0.8〜1.80g/cm3、特に1.0〜1.80g/cm3が好ましい。
【0013】
前記貝殻粉砕物の調製は、例えば、廃棄貝殻を、所望により洗浄、粗粉砕、乾燥等を行った後、ハンマークラッシャー方式、石臼式、ジョークラッシャー等の粉砕方法により所定粒度に粉砕し、粒度調整する方法等により得ることができる。
前記貝殻粉砕物の調製は、上記予め行う他、所望により廃棄貝殻の洗浄、粗粉砕、乾燥等を行った後、後述する改質硫黄資材との混練の際に行うこともできる。
【0014】
本発明の多孔質改質硫黄固化体は、前記必須成分である改質硫黄資材と貝殻粉砕物以外に、本発明の所望の効果等を損なわない範囲で必要により他の骨材等を含んでいても良い。
【0015】
本発明の多孔質改質硫黄固化体において、前記改質硫黄資材と貝殻粉砕物との配合割合は、改質硫黄資材が20質量%を超え33質量%以下、好ましくは25〜30質量%であり、貝殻粉砕物が67質量%以上80質量%未満、好ましくは70〜75質量%である。
改質硫黄資材の配合割合が20質量%以下、即ち、貝殻粉砕物の配合割合が80質量%以上では、得られる多孔質改質硫黄固化体の圧縮強度にばらつきが生じる恐れがある。一方、改質硫黄資材の配合割合が33質量%を超える場合、即ち、貝殻粉砕物の配合割合が67質量%未満では、得られる多孔質改質硫黄固化体における所望の空隙率が得られず、藻類の着生や魚等の蝟集効果が低下する恐れがある。
【0016】
本発明の多孔質改質硫黄固化体は、透水性を示す連続空隙を有し、且つ空隙率が10〜40容量%、好ましくは25〜35容量%である。ここで、透水性を示す連続空隙の有無は、水が通過するか否かで判断する。また、空隙率は、成型体の密度と材料(改質硫黄と細骨材等)それぞれ単身の密度を基にして算出した値である。
前記透水性を示す連続空隙を有さない場合、若しくは前記空隙率が10容量%未満の場合には、水中生物の蝟集や着生作用が低下する恐れがある。一方、前記空隙率が40容量%を超える場合には、所望の圧縮強度が得られない恐れがある。
本発明の多孔質改質硫黄固化体は、通常、20N/mm2以上の平均圧縮強度を発揮することができる。
本発明の多孔質改質硫黄固化体は、通常、1.5g/cm3以上、好ましくは1.7〜1.8g/cm3の比重を有することが好ましい。比重が1.5g/cm3未満の場合には、例えば、海中等に設置する土木・建築用構造物とした際に、波等により構造物が移動する恐れが生じる。
【0017】
本発明の多孔質改質硫黄固化体を調製するには、例えば、改質硫黄が溶融状態の改質硫黄資材を、通常120〜160℃、好ましくは130〜140℃の温度で、前記貝殻粉砕物、必要により他の骨材と混練し、所望形状に固化することにより得ることができる。
前記混練にあたっては、混練時の温度低下を避けるために貝殻粉砕物等を120〜155℃程度に予熱し、混合機も120〜155℃の温度に予熱しておくことが好ましい。
混練時間は、改質硫黄の重合による高粘度化、更には硬化を避けるため製造物の性状が許す範囲で極力短時間の方が望ましい。
但し、混合時間が短かすぎると十分混合されず、得られる多孔質改質硫黄固化体が連続相とならず、均一なポーラス状とならない恐れがある。従って、得られる多孔質改質硫黄固化体が、好ましくは完全な連続相となり均一なポーラス状となるように、混合時間を適宜決定することが好ましい。
前記混練に使用する混合機は、混練が十分に行えるものであれば特に限定されず、好ましくは固液撹拌用が使用できる。例えば、インターナルミキサー、ロールミル、ボールミル、ドラムミキサー、スクリュー押出し機、パグミル、ポニーミキサー、リボンミキサー、ニーダー等が使用できる。
前記固化は、前記混練物を所望の型枠等に導入して冷却固化することにより行うことができる。この冷却固化時の成型には、適宜振動を加えたり、超音波を照射しながら成型してもよい。
【0018】
本発明の土木・建築用構造物は、本発明の多孔質改質硫黄固化体を備えておれば良く、該構造物の一部若しくは全部が本発明の多孔質改質硫黄固化体により構成される。
本発明の土木・建築用構造物は、例えば、根固めブロック、消波ブロック、被覆ブロック、人工リーフ等の各種ブロック類、漁礁、藻礁、護岸用構造物等が好ましく挙げられるが、その他、ヒューム管、マンホール等管状成形物、ボックスカルバート、パネル材、タイル等であっても良い。
【実施例】
【0019】
以下、実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
実施例1〜2及び比較例1〜3
密閉式撹拌混合槽中に、固体硫黄95kgを入れ、120℃で加温して溶解後、130℃に保持した。続いて、約50℃に加熱溶解したジシクロペンタジエン5kgをゆっくりと添加し、約10分間静かに撹拌して、初期反応による温度上昇が収束することを確認してから、140℃まで昇温した。反応が開始され、次第に粘度が上昇し、約1時間で粘度が0.1Pa・sに達したところで直ちに加熱を停止し、適当な型又は容器に流し込んで室温で冷却し、改質硫黄を得た。
次いで、140℃に予熱した粒径1mm以下の石炭灰20kgと、前記改質硫黄40kgを130℃に再加熱して溶解した溶解物とを、140℃に保った混練機(プローシェアーミキサー)内にほぼ同時に投入した。続いて10分間混練した後冷却し、100mm以下に破砕して改質硫黄資材を調製した。
一方、ホタテ貝殻を洗浄後、ジョークラッシャーにより粗粉砕し、恒温器により4時間乾燥した。次いで、ハンマークラッシャーにより粉砕及びJISふるいを用いて粒度調整した粒径3〜10mmの貝殻粉砕物を調製した。
バッチ式撹拌混合槽中に、上記改質硫黄資材を表1に示す割合となるように導入し、120℃で加温して溶解後、130℃に保持した。続いて、調製した貝殻粉砕物を130℃に予熱した状態で表1に示す割合となるように導入し、130℃で10分間混練した。
得られた混練物を、所定の型枠に入れ、1時間自然冷却して直径5cm、高さ10cmの円柱試験体を得た。
得られた試験体について、空隙率を試験体の密度と材料(改質硫黄と細骨材と貝殻粉砕物)それぞれ単身の密度を基にして算出した。また、透水性を有する連続空隙の有無を、水が試験体を通過するか否かで判断した。更に試験体の圧縮強度をJIS A1108により、比重をJIS A1161により測定した。結果を表1に示す。
【0020】
上記で調製した試験体と同様に、1m×1m×0.45mのブロックを調製し、それぞれを海中に設置した。また、セメントコンクリートにより同様に調製したブロックも同海中に設置した。
60日後、ブロック表面に着生した藻類の面積率を測定し、また魚の蝟集効果を観察した。魚の蝟集効果は目視で観察し、良いものを3点、普通を2点、悪いものを1点とした。更に、ブロックの波による設置位置からの移動を観察し、移動していないものを3点、若干の移動があったものを2点、移動が激しいものを1点とした。結果を表2に示す。
【0021】
【表1】

表1より、改質硫黄資材の割合が20質量%である比較例1では、透水性及び空隙率は十分であったが、圧縮強度にばらつきが見られ、平均圧縮率も低いものであった。改質硫黄資材の割合が35質量%である比較例2では、圧縮強度はばらつきが見られず、平均圧縮率も高いものであったが、透水性及び空隙率が十分でなかった。一方、改質硫黄資材の割合が25質量%及び30質量%である実施例1及び2では、透水性、空隙率及び圧縮強度のいずれも十分なものであった。
【0022】
【表2】

表2より、改質硫黄資材の割合が20質量%である比較例1及び25質量%である実施例1では、藻類の着生及び魚の蝟集効果は良好であった。また、波による移動も若干なものであった。改質硫黄資材の割合が35質量%である比較例2及びセメントコンクリートを用いた比較例3では、波による移動は認められなかったが、藻類の着生及び魚の蝟集効果は実施例1及び2に比較して劣るものであった。改質硫黄資材の割合が30質量%である実施例2では、波による移動が認められず、藻類の着生及び魚の蝟集効果も十分なものであった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒径5mm以下の細骨材100質量部及び改質硫黄30〜400質量部とを含む改質硫黄資材20質量%を超え33質量%以下と、粒径3〜10mmの貝殻粉砕物67質量%以上80質量%未満とを含み、透水性を示す連続空隙を有し、且つ空隙率が10〜40容量%であることを特徴とする貝殻粉砕物を主成分とする多孔質改質硫黄固化体。
【請求項2】
前記細骨材が、石炭灰、珪砂、シリカヒューム、石英粉、砂、ガラス粉末及び電気集塵灰からなる群より選択される1種又は2種以上であり、且つ前記貝殻粉砕物が、ホタテ貝殻粉砕物、カキ貝殻粉砕物及びホッキ貝殻粉砕物からなる群より選択される1種又は2種以上の貝殻粉砕物である請求項1記載の多孔質改質硫黄固化体。
【請求項3】
平均圧縮強度が20N/mm2以上である請求項1又は2記載の多孔質改質硫黄固化体。
【請求項4】
比重が1.5g/cm3以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の多孔質硫黄固化体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の多孔質改質硫黄固化体を備える土木・建築用構造物。
【請求項6】
前記土木・建築用構造物が、ブロック、漁礁、藻礁、護岸用構造物である請求項5記載の土木・建築用構造物。

【公開番号】特開2006−306634(P2006−306634A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127506(P2005−127506)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】