説明

負荷感応型自動変速装置と負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機

【課題】作業者が荷重の状態が変化する度に煩雑な変速操作を行う必要が無く、また、定格以上の荷重を巻上げる場合には、低速側回転部材と出力回転部材間の動力伝達を円滑に行うことが可能で、切換時における衝撃、騒音を減少できる負荷感応型自動変速装置を提供する。
【解決手段】外部負荷の大きさに応じて作用する位置切り替え手段によって両回転部材の回転軸の軸線方向に変位し、前記低速側入力回転部材と高速側入力回転部材のいずれか一方の磁性体と磁気的に係合する中間磁性体19を有し、低負荷高速回転及び高負荷低速回転の切り換えを行なう出力回転部材30、32を備え、前記低速側入力回転部材は出力回転部材と機械的に係合する係合部17aを有し、前記係合部17aは、前記出力回転部材の中間磁性体19が低速側入力回転部材の外側磁性体15と対向し磁気的に係合した後に、出力回転部材と係合することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷感応型自動変速装置と負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機に関するもので、詳しくは、高負荷低速回転時における駆動力伝達を円滑に行うとともに、高負荷低速回転切替え時における騒音、衝撃の少ない負荷感応型自動変速機と前記負荷感応型自動変速装置を内蔵した巻上機に関する。
【背景技術】
【0002】
手動チェーンブロックは、ロードチェーンの吊上げる最大荷重および作業者がハンドチェーンに加えることができる最大手引き力に基づき、減速比が決定されており、無負荷時にハンドチェーンを引いても、上記の減速比でロードチェーンが作動するため、極めて作業効率が悪いという課題を有していた。
【0003】
この課題を解決するため、巻上機のハンドチェーン(入力側)とロードチェーン(出力側)の間に変速装置を内蔵し、無負荷時にロードチェーンの巻取り速度を高速にするようにした巻上機が開発されている。
【0004】
上記変速装置を内蔵した巻上機は、ハンドホイールからの回転トルクを1対1の回転比で駆動軸に伝達する第1クラッチ手段と、巻取り速度を高速とする増速変速装置に伝達する第2クラッチ手段と、前記、第1クラッチ手段と、第2クラッチ手段とを係脱するための伝達プレートとを備え、ロードシーブに負荷が掛かる場合にハンドホイールを回転すると、第1クラッチ手段が係合し、第2クラッチ手段を解放する方向に前記伝達プレートが移動し、巻取り速度を高速から低速に切り替え、無負荷時には第2クラッチが係合し、巻取り速度を高速にする自動変速装置を備えたものである。〔特許文献1〕
上記した特許文献1に記載された巻上機の自動変速装置は、ハンドホイールからの回転トルクを1対1の回転比で駆動軸に伝達する第1クラッチ手段と、増速変速装置に伝達する第2クラッチ手段と、第1、第2クラッチ手段の切換えを行う伝達プレートを備え、切換え時には伝達プレートをスライドさせ、機械的にクラッチ手段を切換えるようにしたものである。
【特許文献1】特開2001-146391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された巻上機の自動変速機は、2つのクラッチ機構を備え、無負荷時には高速巻上げを可能にするものであるが、伝達プレートを機械的にスライドさせる接触式の切替え方式であるため、切替え時の内部抵抗が大きく、操作性が悪いという課題を有していた。
【0006】
本発明は上記課題を解決するもので、作業者が荷重の状態が変化する度に煩雑な変速操作を行う必要が無く、また、定格以上の荷重を巻上げる場合には、低速側回転部材と出力回転部材間の動力伝達を円滑に行うことが可能で、切換時における衝撃、騒音を減少できる負荷感応型自動変速装置を提供し、さらに、巻上機のハンドホイールとロードチェーンのオフセット量を小さくして、巻上機本体のバランスを改善し、操作時の振れを抑制できる小型・軽量化が可能な負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、外部負荷の大きさに応じて低負荷伝達位置と高負荷伝達位置間で変位する出力回転手段を備えたクラッチ装置であって、
高負荷を伝達する外側磁性体を有する低速側入力回転部材と、
低速側入力回転部材と回転増速装置を介して連結され、低負荷を伝達する内側磁性体を有する高速側入力回転部材と、
外部負荷の大きさに応じて作用する位置切り替え手段によって両回転部材の回転軸の軸線方向に変位し、前記低速側入力回転部材と高速側入力回転部材のいずれか一方の磁性体と磁気的に係合する中間磁性体を有し、低負荷高速回転及び高負荷低速回転の切り換えを行なう出力回転部材を備え、
前記低速側入力回転部材は出力回転部材と機械的に係合する係合部を有し、
前記係合部は、前記出力回転部材の中間磁性体が低速側入力回転部材の外側磁性体と対向し磁気的に係合した後に、出力回転部材と係合することを特徴とする。
【0008】
また、前記低速側入力回転部材は、外側磁性体の側面に固接された低速伝達円板と、
前記出力回転部材が低速側入力回転部材と磁気的に係合する位置に変位する動作に連動し、
出力回転部材に押動されて前期外側磁性体から離間し、前記中間磁性体が外側磁性体と磁気的に係合した後に、外側磁性体と磁気的に係合するために中間磁性体に備えられた磁石に吸引されて、出力回転部材と機械的に係合するトルク伝達円板を有し、
出力回転部材は、低速側入力回転部材の前記トルク伝達円板と係合する凸部を有すると共に、中間磁性体に前記外側磁性体と前記内側磁性体のいずれか一方と磁気的に係合可能な外側及び内側連結部を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記低速側入力回転部材は、外側磁性体の側面に設けられ、トルク伝達円板と嵌合する嵌合凸部を有する低速伝達円板と、
前記低速円板の凸部と嵌合する溝部を有する磁性体からなるトルク伝達円板を有し、
中間磁性体の外側連結部が外側磁性体に対向後に、出力回転部材の凸部がトルク伝達円板の溝部側面と係合することを特徴とする。
【0010】
また、巻上機のハンドホイールとメカニカルブレーキの駆動部材間に負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機であって、
ハンドホイールに連結され、高負荷を伝達する外側磁性体を有する低速側入力回転部材と、低速側入力回転部材と回転増速装置を介して連結され、低負荷を伝達する内側磁性体を有する高速側入力回転部材と、
外部負荷の大きさに応じて作用する位置切り替え手段によって両回転部材の回転軸の軸線方向に変位し、前記低速側入力回転部材と高速側入力回転部材のいずれか一方の磁性体と磁気的に係合する中間磁性体を有し、低負荷高速回転及び高負荷低速回転の切り換えを行なう出力回転部材を備え、
前記低速側入力回転部材は出力回転部材と機械的に係合する係合部を有し、
前記係合部は、前記出力回転部材の中間磁性体が低速側入力回転部材の外側磁性体と対向し磁気的に係合した後に、出力回転部材と係合することを特徴とする。
【0011】
また、前記低速側入力回転部材は、ハンドホイールに連結された外側磁性体と、外側磁性体の側面に固接された低速伝達円板と、
前記出力回転部材が低速側入力回転部材と磁気的に係合する位置に変位する動作に連動し、出力回転部材に押動されて前期外側磁性体から離間し、前記中間磁性体が外側磁性体と磁気的に係合した後に、外側磁性体と磁気的に係合するために中間磁性体に備えられた磁石に吸引されて、出力回転手段と機械的に係合するトルク伝達円板を有し、
出力回転部材は、低速側入力回転部材の前記トルク伝達円板と係合する凸部を有すると共に、中間磁性体に前記外側磁性体と前記内側磁性体のいずれか一方と磁気的に係合可能な外側及び内側連結部を有することを特徴とする。
【0012】
また、前記低速側入力回転部材は、外側磁性体の側面に設けられ、トルク伝達円板と嵌合する嵌合凸部を有する低速伝達円板と、
前記低速円板の凸部と嵌合する溝部を有する磁性体からなるトルク伝達円板からなり、
中間磁性体の外側連結部が外側磁性体に対向後に、出力回転部材の凸部がトルク伝達円板の溝部側面と係合することを特徴とする。
【0013】
また、外側磁性体をハンドホイールに連結された入力管の端面に設け、前期入力管を巻上機に固接された外周フレームの内周に回転自在に軸支し、出力伝達手段を入力管の内周に回転自在に軸支し、入力管及び出力伝達出段の回転中心を巻上機の駆動軸と同一軸線上に設けたことを特徴とする。
【0014】
さらに、前記回転増速装置は遊星歯車機構であって、前記ハンドホイルは前記遊星歯車機構のプラネタリキャリアを介して低速側入力回転部材に連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の負荷感応型自動変速装置と前記負荷感応型自動変速装置を内蔵した巻上機は、動力伝達の切替えを磁気を用いた非接触回転スラスト変換機構によって実現するので、変速機内部の機械的接触は歯車と低速側回転部材と出力回転部材間に設けた係合手段に限定されるため、スムーズな切替え操作が可能となり、また、作業者は荷重の状態が変化する度に煩雑な変速操作を行う必要はなくなる。
【0016】
また、出力回転部材と低速側入力回転部材との間に機械的係合手段が設けられており、低速側入力回転部材の係合部は、出力回転部材が高負荷低速回転位置に変位する動作に連動し、外側磁性体から離間する方向に変位し、中間磁性体が外側磁性体と磁気的に係合した後に出力回転部材が低速側入力回転部材に対向した後に、出力回転部材と低速側入力回転部材の係合部が係合し、出力回転部材と低速側入力回転部材との間でトルクを伝達させるので、大きなトルクでも確実に伝達することができる。
【0017】
また、入力側の外側磁性体と出力側の中間磁性体が対向する動作に先行して出力回転部材と低速側入力回転部材の係合部が係合すると噛み合時に衝撃、騒音が発生するが、本発明によると、係合部は中間磁性体が外側磁性体と対向後に係合するので、クラッチ切換え時における機械的接触が少なく、かつ衝撃、騒音の発生を確実に減少することができる。しかも、磁力を増大化させることもなく、装置全体の大型化を招来する虞れもない。従って、装置全体の大型化を招来する虞れがなく、良好にトルクの伝達を行うことができるという効果を奏する。
【0018】
また、動力入力手段であるハンドホイールから磁気式負荷感応型変速機に伝達する伝達手段を入力管とし、入力管内に磁気式負荷感応型変速機を内蔵するようにしたので、入力手段と磁気式負荷感応型変速機の出力手段を磁気式負荷感応型変速機の軸方向において、同一方向に配置することが可能となり、巻き上げ機の本体フレームの側面直近に配置することができ、巻上機全体を小形化でき、かつ、ハンドホイールに巻き掛けたチェーンを操作しても、本体の振れ量を抑えることができて、操作性を向上できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の負荷感応型自動変速装置を備えた巻上機の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明の巻上機の側面断面図、図2は負荷感応型自動変速装置の側面断面図、図3は自動変速装置の拡大概要因、図4は中間磁性体、外側コ字状磁性体、低速伝達円板及びトルク伝達円板を示す概要図、図5(a)〜(d)は低速側入力回転部材、高速側入力回転部材と出力回転部材の切換え動作を示す説明図、図6は低負荷高速回転時の負荷感応型自動変速装置の正面断面図、図7は高負荷低速回転時の負荷感応型自動変速装置の正面断面図、図8(a)はスラスト変換機構の構成説明図、(b)は円周方向断面図、図9(a)は磁気クラッチ機構の構成説明図、(b)は円周方向断面図、図10は本発明の他の実施の形態の巻上機の側面断面図、図11は他の実施の形態の自動変速装置の拡大概要図、である。
〔実施の形態1〕
図1〜図9を用いて、本発明の負荷感応型自動変速装置と前記変速装置を内蔵した巻上機の実施の形態について説明する。
図において、1はロードシーブ及び減速ギヤ用軸受を備えた本体フレーム、2は本体フレーム1.1間に回転可能に軸支され、図示しないロードチェーンを巻き上げ巻き下げするロードシーブ、2aはロードシーブ2の中空軸に軸着されたロードギヤ、3はロードシーブ2の挿通孔に回転自在に貫装された駆動軸で、一端にはピニオン3a、他端には雄ねじ3bが設けられている。4はリンクチェーンが掛架されるハンドホイールで、外周フレーム25に回転自在に軸支されている。5は駆動軸3に回転不能に軸着された受圧部材で、ボス部5aには一対のブレーキ板7a、7bと、ブレーキ板7a、7bに挟装される逆転防止用爪車8が回転可能に外装されている。6は駆動軸3のピニオン3aと噛合し、ロードギヤ2aと噛合する図示しない減速歯車(小)と同軸に軸着された減速ギヤ(大)で、駆動軸3の回転を減速してロードシーブ2に伝達している。9は雌ネジ9aを有し、前記駆動軸3の雄ねじ3bに螺合する駆動部材で、正転することでブレーキ板7a、7b及び逆転防止用爪車8を介して受圧部材5を押圧し、駆動部材9の回転を駆動軸3に伝達するように構成され、逆転することで前記押圧方向とは逆方向にスライドして逆転防止用爪車8との係合を解放し逆転(巻き下げ)を可能にするようにメカニカルブレーキを構成している。
【0021】
10はクラッチ板、10aは後記する出力円板30とクラッチ板10を連結する連結孔、11a、11bはクラッチ板10の両側を挾装する摩擦板、12はクラッチ押え、13aは押圧バネ、13bはトルク設定用ナットで、これらクラッチ板10〜トルク設定用ナット13bでフリクションクラッチ手段を構成し、駆動部材9と後記する変速装置間に動力伝達可能に介装されている。
【0022】
前記フリクションクラッチ手段を設けることで、吊り上げ加重が超過しても、フリクションクラッチが滑り、自動変速機に所定のトルク以上の負荷が掛かるのを防ぎ、変速装置の故障の発生を防止することができる。フリクションクラッチのトルク値はトルク設定用ナット13bで押圧バネ13aのバネ力を所定値に調整することで適宜設定される。
【0023】
本実施の形態では、後記する変速装置の出力円板30と駆動部材9間に前記したフリクションクラッチ手段を設けたが、出力円板30を駆動部材に直接連結することも可能である。
【0024】
以下、本発明の負荷感応型自動変速装置について説明する。
14はハンドホイール4に連結され、後記する外周フレーム25に回転自在に外周を軸支される中空の入力軸である入力管、15は外周フレーム25に軸受け37eを介して内接し、外周を軸支され、入力管14の端面で円周方向内側に開口し、低速伝達円板16を介して後記するプラネタリーキャリア22を回転する断面コ字型の磁性体からなる外側コ字状磁性体で、後記する中間磁性体19の外側歯部19a(外側連結部)と対向する歯部15aを有する。
【0025】
16は外側コ字状磁性体15の一側に固装された低速伝達円板で、プラネタリーキャリア22の外周に一体的に固着され、プラネタリーキャリア22と入力管14は一体的に回転する。16aは低速伝達円板16の前面から前方に向けて突出し、トルク伝達円板17の嵌合孔17aに嵌合する嵌合凸部、16bは前記凸部間に形成された空隙、17は低速伝達円板16の嵌合凸部16aが嵌合する嵌合孔17aを有するトルク伝達円板で、常時は後記する中間磁性体19に設けた磁石21により吸引され、低速伝達円板16と接合しており、中間磁性体19が外側コ字状磁性体15側に変位する動作に連動し、外側コ字状磁性体15及び低速伝達円板16から離間し、中間磁性体19が外側コ字状磁性体15に対向後に、中間磁性体19の凸部と前記トルク伝達円板17の嵌合孔17a側面が係合することで、入力管14の回転を出力回転部材に伝達するトルク伝達円板である。
【0026】
外側コ字状磁性体15、低速伝達円板16、トルク伝達円板17で低速側入力回転部材を構成する。
【0027】
19は後記する出力管32の端部に設けられ、外側コ字状磁性体15と対向する断面コ字型の外側歯19a(外側連結部)と後記する内側コ字状磁性体28の歯部と対向する内側歯19b(内側連結部)を備えた中間磁性体で、中間磁性体19の端面には、トルク伝達円板17の嵌合孔17aに挿入され係合する凸部20が設けられている。
【0028】
中間磁性体19、凸部20及び磁石21で出力回転部材を構成する。
【0029】
トルク伝達円板17は後記する中間磁性体19が外側コ字状磁性体15に対向する位置に変位する時に、中間磁性体19に設けた凸部20がトルク伝達円板17の背面を押圧することで、外側コ字状磁性体15及び低速伝達円板16から離間する方向にスライドする。低速伝達円板16の嵌合凸部の長さは、中間磁性体19が外側コ字状磁性体に対向する位置に変位する時に、トルク伝達円板17が低速伝達円板16からの離脱を防止しないように、中間磁性体19の変位長と同等か僅か長く設定されている。
中間磁性体19は図5(a)〜(d)に示すように、外側コ字状磁性体15と内側コ字状磁性体28のいずれか一方と対向可能となっており、中間磁性体19が軸線方向右側に1/2ピッチ移動すると、外側コ字状磁性体15と対向し、軸線方向左側に1/2ピッチ移動すると、内側コ字状磁性体28と対向するように構成されている。21は中間磁性体間に設けられた磁性体連結用磁石で、一対の中間磁性体の一方がN極で他方がS極になるように配置され、外側コ字状磁性体15及び内側コ字状磁性体28のいずれか一方に対向可能に配置されている。中間磁性体19の外側歯19aと内側歯19bの歯部は前記磁石21より外側、内側にそれぞれ突出していて、外側コ字状磁性体15と内側コ字状磁性体28の歯部15a、28aと歯数が同じで、等間隔で配置されている。
【0030】
22は低速伝達円板16に一体的に固着連結されたプラネタリーキヤリア、23はプラネタリーキャリア22に連結軸18で軸着された遊星ギヤ、24は前記連結軸18の一端を軸支する他方のプラネタリーキヤリアである。遊星ギヤ23は後記する太陽ギヤ軸29に設けた太陽ギヤ29aに噛合し、軸芯が太陽ギヤ29aの周りを回転し、後記するアウターギヤ支持フレーム27に設けたアウターギヤ26と内接噛合するように構成されている。25はフランジ25aが巻上機本体に固設され、一端にアウターギヤ支持フレーム27が固設される外周フレームで、外周フレーム25の端部に固設されたアウターギヤ支持フレーム27の開口部には遊星歯車装置を構成するアウターギヤ26が設けられている。29はプラネタリーキヤリア24に設けられた軸受け37a、プラネタリーキャリア22の内周に設けられた軸受け37c及び後記する出力円板30の内周に設けられた中空軸31に設けられた軸受け37d、37dで軸支された太陽ギヤ軸、29aは太陽ギヤ軸29の先端部に設けた太陽ギヤである。太陽ギヤ29aは前記した通り遊星ギヤ23と噛合し増速手段を構成する。28は太陽ギヤ軸29に該軸の軸芯と同芯円周上に等間隔で配置され、該軸29と一体で回転するように固設された断面コ字型の磁性体からなる内側コ字状磁性体で、図に示すように、後記する中間磁性体19の内側歯部19bに対向する歯部28aと太陽ギヤ軸に固着する軸固着部28bを有する。30は連結手段30aでクラッチ板10を介して駆動部材9と動力伝達可能に連結され、入力管14の内周に設けた軸受け37fで外周を軸支される出力伝達手段である出力円板、31は出力円板30から後記する高トルク伝達部材支持板35側に延出する中空軸である。32は前記した中空軸31の外周に回転及びスライド可能に配置された出力管で、一端には負荷感応式位置切り替え手段を有する中間円板33を備え、他端には中間磁性体19が設けられ、中間円板内周に設けられた中空軸33aによって中空軸31に嵌装されている。
【0031】
34は一端が出力円板30に固設され、中間円板33に設けたトルク伝達孔33aに嵌挿され、中間円板33と出力円板30を動力伝達可能に連結する高トルク伝達部材、34aは高トルク伝達部材28の他端を固着する高トルク伝達部材支持板である。35は中間円板33に設けた磁石、36aは出力円板30に設けた中間円板33移動用磁石、36bは中間円板33移動用磁石の両側に配設され、中間円板33に戻し力を与える磁石である。磁石35と36a、36bは互いに対向して、位相及び極性を異にして配置されており、一定以上のトルクが前記した出力円板30と中間円板33間に加わると、出力円板30と中間円板33が相対的に所定角度回転変位し、出力円板30の磁石36aの先端の部分が中間円板33の磁石35の先端部分に移動し、両磁石は同極が対向するため反発し、その反発力によって中間円板33は軸線方向にスライドして移動する。従って、中間円板33と出力円板30間に所定のトルク以上の力が加わると、両円板の相対位置が移動し、そのトルクが低下すると原位置に復帰するように両者は磁石35及び36a、36bを介して磁気的に結合されており、負荷感応式位置切り替え手段を構成している。
【0032】
次に自動変速装置の低負荷高速回転・高負荷低速回転の切り替え動作について説明する。
【0033】
図8に示すように、出力管32の端部に設けた中間円板33には永久磁石M1(35)が設けられており、出力伝達手段である出力円板30には中間円板33移動用磁石MOA(36a)と、この中間円板移動用MOA(36a)の両側に、中間円板33に戻し力を与える磁気バネ用磁石MOB(36b)がそれぞれ配置されている。最初に負荷トルクが小さい場合は、中間円板33に配置した磁石M1と出力円板30に配置した磁石MOAの異極同士が対向して吸引する。このため中間円板33を出力円板30に近づける方向にスラストが発生し、中間円板33は軸方向にスライドして太陽ギヤ24で高速回転する内側コ字状磁性体28側に接続し、変速機は、図5(a)に示す高速モードで動作する。この動作時、中間磁性体19は内側コ字状磁性体28と対向する位置にスライドし、中間磁性体19に設けた磁石21により、両磁性体は磁気結合し、中間磁性体19の内歯29bが内側コ字状磁性体28の歯部28aと対向し磁気的に結合し、高速モードで動作する。この状態は中間円板33と出力円板30間に所定以上の軸線方向に移動する力が作用するまではこの位置を保持する。このとき、中間円板33に設けた磁石M1(35)のS極は、磁気バネ用磁石MOB(36b)のS極に対向し、磁石M1のN極は磁気バネ用磁石MOB'のN極に対向するため、中間円板移動用磁石MOAと吸引している状態におていは、磁石M1が両側から受ける反発力による磁気的バネ作用によって所定位置が保持される。
【0034】
次に、負荷トルクが増大すると、中間円板33と出力円板30を結合する磁気的バネ要素に捩れ力が生じ、その力が前記磁気バネの保持力を超えると、両円板が相対回転する。その結果磁石の位置関係が変化し、中間円板33の磁石M1が中間円板移動用磁石側MOA側に移動し、両磁石の同極が対向するため、相互に反発し、中間円板33に作用するスラスト方向が反転し、中間磁性体19は入力管10に設けられた外側コ字状磁性体15と対向する位置に直線的にスライドし、変位する。
【0035】
この変位動作時において、出力回転部材である中間磁性体19が図5(a)の低負荷高速回転位置から、図5(b)の外側コ字状磁性体15側に移動すると、中間磁性体19の端面に設けた凸部20がトルク伝達円板17の背面を押動し、さらに移動すると、図5(c)に示すように、トルク伝達円板17は磁石21の吸着力に抗して、低速伝達円板16の凸部16aに沿って外側コ字状磁性体1から離間する。外側コ字状磁性体15の歯部15aと中間磁性体19の外側歯19aが回転方向で一致した時に、凸部20がトルク伝達円板17の嵌合孔17aに嵌合可能で、ズレている時には、凸部20がトルク伝達円板17の背面に当接し押動するようになっている。次に、中間磁性体19が外側コ字状磁性体15に対向後僅か回転すると、トルク伝達円板17の背面と中間磁性体19の凸部20との係合は解除され、トルク伝達円板19は磁石21により吸引され、トルク伝達円板17は図5(d)に示すように低速伝達円板16と接合し、トルク伝達円板17の嵌合孔17aの側面と中間磁性体19に設けた凸部20が係合し、低速側入力回転部材と出力回転部材はスムーズに機械的に結合する。
【0036】
低速側入力回転部材と出力回転部材の機械的結合動作時に、低速入力部材の外側コ字状磁性体15と出力回転部材の中間磁性体19が対向する動作に先行して、出力回転部材と低速側入力回転部材の機械的係合部が係合すると、噛み合による衝撃、騒音が発生するが、本発明では、中間磁性体19が外側コ字状磁性体15に対向する動作に先行して、中間磁性体19に設けた凸部20が低速側回転部材のトルク伝達円板17を離間する方向に押動し、中間磁性体19と外側コ字状磁性体15が対向後に、中間磁性体19に設けた凸部20がトルク伝達円板17と係合するように構成したので、クラッチ切換え時の機械的接触を最小限にし、衝撃、騒音の発生を確実に減少することができる。
【0037】
上記した通り、本実施の形態の負荷型自動変速装置は、低負荷高速回転時には、図5(a)に示すように、中間磁性体19は内側コ字状磁性体28に接続し、ハンドホイール4に連結する入力管10の回転は、遊星ギヤ23、遊星ギヤ23と噛合する太陽歯車24aで増速され、太陽ギヤ軸29を増速回転し、太陽ギヤ軸29に固設された内側コ字状磁性体28の歯28aと中間磁性体19の内歯19bが対向し磁気的に結合され、中間磁性体19及び出力管32が高速回転し、出力円板30に設けた連結手段30aを介して巻上機の駆動部材9と連結するクラッチ板10を高速回転する。
【0038】
高負荷低速回転時には、図5(d)に示すように、中間磁性体19は入力管10に設けた外側コ字状磁性体15に接続し、外側コ字状磁性体15の歯部15aと中間磁性体19の外側歯19aが磁気的に係合し、出力管32は入力管10と同速で回転する。この動作時に、出力管32に設けた中間円板33と出力円板30の磁気的連結以上の負荷が作用しても図7に示す通り高トルク伝達部材34がトルク伝達孔33aの端部に当接するので、出力管32の回転は高トルク伝達部材34を介して出力円板30を低速回転し、出力円板30に設けた連結手段30aを介して巻上機の駆動部材9と連結するクラッチ板10を低速回転する。
【0039】
駆動部材9が高速または低速で回転すると、駆動部材9はブレーキ板7a、7b、爪車8を受圧部材5に押圧し、受圧部材5を介して駆動軸3を回転し、駆動軸3の端部に設けたピニオンギヤ3aと噛合する減速ギヤ6と噛合するロードギヤ2aを介してロードシーブ2を回転する。
[実施の形態2]
【0040】
以下、図10、図11を用いて本発明の負荷感応型自動変速装置を内蔵した巻上機の他の実施の形態について説明する。
【0041】
実施の形態1と同一構成については同一符号を付し説明は省略する。
【0042】
本実施の形態1においては、低速側入力回転部材は、ハンドホイール4に連結された入力管14の端面に設けた外側磁性体15と、外側磁性体15の側面に固設された低速伝達円板16と、低速伝達円板16の凸部と嵌合する嵌合孔17aを有する磁性体からなり、中間磁性体19の凸部と係合するトルク伝達円板17から構成されている。また、プラネタリーキャリア22は低速伝達円板16との内周に一体的に固接され、遊星歯車23を軸支する連結軸18を有している。
【0043】
本実施の形態では、図10、11に示すように、ハンドホイール4aは変速装置を挾んで、ロードシーブ2の反対側に設けられ、ハンドホイール4aにプラネタリーキャリア22aが固着されている。プラネタリーキャリア22aは外周フレーム25にベアリング37gで回動可能に軸支されており、また、プラネタリーキャリア22aは連結軸18aで
プラネタリーキャリア22bと結合され、プラネタリーキャリア22bの外周に固着された低速伝達円板16と動力伝達可能に連結されている。
【0044】
図10、11において、外側コ字状磁性体15、低速伝達円板16、凸部16a、トルク伝達円板17、嵌合孔17a、中間磁性体19、凸部20、内側コ字状磁性体28、太陽ギヤ軸29、出力円板30、出力管32、中間円板33及びその他の構成は実施の形態1と同一である。
【0045】
図11の22cは、プラネタリーキャリア22aに固着された入力軸である。入力軸22cに加えられた回転力はプラネタリーキャリア22a、22bを介して低速伝達円板16及び外側コ字状磁性体15に伝達され、遊星ギヤ23、太陽歯車29aを介して増進されて内側コ字状磁性体28に伝達される。
【0046】
本実施の形態では、プラネタリーキャリア22aはハンドホイール4aに連結され、ハンドホイール4aの回転は、ハンドホイール4aに固着されたプラネタリーキャリア22aを回転し、プラネタリーキャリア22aに連結軸18で連結されたプラネタリーキャリア22bとプラネタリーキャリア22bの外周に固着された低速伝達円板16を回転する。実施の形態1と同様に高負荷低速回転時には、中間磁性体19は外側コ字状磁性体15に接続し、ハンドホイール4aに連結するプラネタリーキャリア22aの回転は、低速伝達円板16、外側コ字状磁性体15を介して、中間磁性体19を低速回転し、出力円板30に設けた連結手段30aを介して巻上機の駆動部材9と連結するクラッチ板10を低速回転する。
【0047】
また、実施の形態1と同様に、中間磁性体19が外側コ字状磁性体15に対向する動作に先行して、中間磁性体19に設けた凸部20が低速側回転部材のトルク伝達円板17を押動し、中間磁性体19と外側コ字状磁性体15が対向後に、中間磁性体19に設けた凸部20がトルク伝達円板17と係合するように構成したので、クラッチ切換え時の機械的接触を最小限にし、衝撃、騒音の発生を確実に減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の巻上機の側面断面図。
【図2】本発明の負荷感応型自動変速装置の側面断面図。
【図3】低速側入力回転部材、高速側回転部材及び出力回転部材の拡大概要因。
【図4】中間磁性体、外側コ字状磁性体、低速伝達円板及びトルク伝達円板を示す概要図。
【図5】(a)〜(d)は低速側入力回転部材、高速側入力回転部材と出力回転部材の切換え動作を示す説明図。
【図6】低負荷高速回転時の負荷感応型自動変速装置の正面断面図。
【図7】高負荷低速回転時の負荷感応型自動変速装置の正面断面図。
【図8】(a)はスラスト変換機構の構成説明図、(b)は断面図。
【図9】(a)は磁気クラッチ機構の構成説明図、(b)は断面図。
【図10】本発明の他の形態の巻上機の側面図。
【図11】低速側入力回転部材、高速側回転部材及び出力回転部材の拡大概要図。
【符号の説明】
【0049】
2 ロードシーブ
3 駆動軸
4、4a ハンドホイール
5 受圧部材
7a、7b ブレーキ板
8 爪車
9 駆動部材
14 入力管
15 外側コ字状磁性体
16 低速伝達円板
16a 凸部
17 トルク伝達円板
17a 嵌合孔
19 中間磁性体
20 凸部
22、22a、22b プラネタリーキヤリア
25 外周フレーム
28 内側コ字状磁性体
29 太陽ギヤ軸
30 出力円板
31 中空軸
32 出力管
33 中間円板
34 高トルク伝達部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部負荷の大きさに応じて低負荷伝達位置と高負荷伝達位置間で変位する出力回転手段を備えたクラッチ装置であって、
高負荷を伝達する外側磁性体を有する低速側入力回転部材と、
低速側入力回転部材と回転増速装置を介して連結され、低負荷を伝達する内側磁性体を有する高速側入力回転部材と、
外部負荷の大きさに応じて作用する位置切り替え手段によって両回転部材の回転軸の軸線方向に変位し、前記低速側入力回転部材と高速側入力回転部材のいずれか一方の磁性体と磁気的に係合する中間磁性体を有し、低負荷高速回転及び高負荷低速回転の切り換えを行なう出力回転部材を備え、
前記低速側入力回転部材は出力回転部材と機械的に係合する係合部を有し、
前記係合部は、前記出力回転部材の中間磁性体が低速側入力回転部材の外側磁性体と対向し磁気的に係合した後に、出力回転部材と係合することを特徴とする負荷感応型自動変速装置。
【請求項2】
前記低速側入力回転部材は、外側磁性体の側面に固接された低速伝達円板と、
前記出力回転部材が低速側入力回転部材と磁気的に係合する位置に変位する動作に連動し、
出力回転部材に押動されて前期外側磁性体から離間し、前記中間磁性体が外側磁性体と磁気的に係合した後に、外側磁性体と磁気的に係合するために中間磁性体に備えられた磁石に吸引されて、出力回転部材と機械的に係合するトルク伝達円板を有し、
出力回転部材は、低速側入力回転部材の前記トルク伝達円板と係合する凸部を有すると共に、中間磁性体に前記外側磁性体と前記内側磁性体のいずれか一方と磁気的に係合可能な外側及び内側連結部を有することを特徴とする請求項1記載の負荷感応型自動変速機。
【請求項3】
前記低速側入力回転部材は、外側磁性体の側面に設けられ、トルク伝達円板と嵌合する嵌合凸部を有する低速伝達円板と、
前記低速円板の凸部と嵌合する溝部を有する磁性体からなるトルク伝達円板を有し、
中間磁性体の外側連結部が外側磁性体に対向後に、出力回転部材の凸部がトルク伝達円板の溝部側面と係合することを特徴とする請求項2記載の負荷感応型自動変速機。
【請求項4】
巻上機のハンドホイールとメカニカルブレーキの駆動部材間に負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機であって、
ハンドホイールに連結され、高負荷を伝達する外側磁性体を有する低速側入力回転部材と、
低速側入力回転部材と回転増速装置を介して連結され、低負荷を伝達する内側磁性体を有する高速側入力回転部材と、
外部負荷の大きさに応じて作用する位置切り替え手段によって両回転部材の回転軸の軸線方向に変位し、前記低速側入力回転部材と高速側入力回転部材のいずれか一方の磁性体と磁気的に係合する中間磁性体を有し、低負荷高速回転及び高負荷低速回転の切り換えを行なう出力回転部材を備え、
前記低速側入力回転部材は出力回転部材と機械的に係合する係合部を有し、
前記係合部は、前記出力回転部材の中間磁性体が低速側入力回転部材の外側磁性体と対向し磁気的に係合した後に、出力回転部材と係合することを特徴とする負荷感応型自動変速装置を内蔵した巻上機。
【請求項5】
前記低速側入力回転部材は、ハンドホイールに連結された外側磁性体と、外側磁性体の側面に固接された低速伝達円板と、
前記出力回転部材が低速側入力回転部材と磁気的に係合する位置に変位する動作に連動し、
出力回転部材に押動されて前期外側磁性体から離間し、前記中間磁性体が外側磁性体と磁気的に係合した後に、外側磁性体と磁気的に係合するために中間磁性体に備えられた磁石に吸引されて、出力回転手段と機械的に係合するトルク伝達円板を有し、
出力回転部材は、低速側入力回転部材の前記トルク伝達円板と係合する凸部を有すると共に、中間磁性体に前記外側磁性体と前記内側磁性体のいずれか一方と磁気的に係合可能な外側及び内側連結部を有することを特徴とする請求項4記載の負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機。
【請求項6】
前記低速側入力回転部材は、外側磁性体の側面に設けられ、トルク伝達円板と嵌合する嵌合凸部を有する低速伝達円板と、
前記低速円板の凸部と嵌合する溝部を有する磁性体からなるトルク伝達円板からなり、
中間磁性体の外側連結部が外側磁性体に対向後に、出力回転部材の凸部がトルク伝達円板の溝部側面と係合することを特徴とする請求項5記載の負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機。
【請求項7】
外側磁性体をハンドホイールに連結された入力管の端面に設け、前期入力管を巻上機に固接された外周フレームの内周に回転自在に軸支し、出力伝達手段を入力管の内周に回転自在に軸支し、入力管及び出力伝達出段の回転中心を巻上機の駆動軸と同一軸線上に設けたことを特徴とする請求項4〜6いずれかに記載の負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機。
【請求項8】
前記回転増速装置は遊星歯車機構であって、前記ハンドホイルは前記遊星歯車機構のプラネタリキャリアを介して低速側入力回転部材に連結されていることを特徴とする請求項4記載の負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−116957(P2010−116957A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289583(P2008−289583)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000129367)株式会社キトー (101)
【Fターム(参考)】