説明

貯湯式給湯機

【課題】外部負荷設備で用いられて温度低下した湯水を加熱する再加熱機能を備え、低コストな構成でシスターンタンクに水を補給することができる貯湯式給湯機を得ること。
【解決手段】ヒートポンプユニット1で沸き上げた湯を貯湯タンク20に貯留し、貯湯タンクから取水されて熱源側循環管路30を流れる湯と温水床暖房設備110から取水されて負荷側循環管路60を流れる湯水との間で負荷側熱交換器35により熱交換を行って上記の湯水を再加熱する貯湯式給湯機100を構成するにあたり、温水床暖房設備用の補給水を貯留するシスターンタンク65を負荷側循環管路に設けると共に、貯湯タンク内に生じた膨張水を圧力逃し弁50を介してシスターンタンクに導く排出配管55を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の設備で用いられて温度低下した湯水を加熱することができる貯湯式給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
熱源機で沸き上げた湯を貯湯タンクに一旦貯留して、該貯湯タンクから給湯管路を介して所望箇所に給湯する貯湯式給湯機では、浴槽や温水暖房設備などの外部負荷設備で用いられて温度低下した湯水を貯湯タンク内の湯を熱源として利用して加熱する再加熱機能を備えたものが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、貯湯タンクと、貯湯タンク内の湯を熱源として用いる熱交換器と、床暖房パネルなどの暖房負荷で用いられる湯水を熱交換器経由で循環させる管路と、該管路に設けられて暖房負荷用の補給水を貯留する補水タンクと、貯湯タンクに給水する給水管からの枝管に設けられて補水タンクへの給水を制御する補水弁と、補水タンク内の水位を検出する水位検出部とを備えた貯湯式給湯機が記載されている。この貯湯式給湯機では、水位検出部によって補水タンクの水位低下が検出されると補水弁が開にされて、給水管から補水タンクに水が補給される。
【0004】
【特許文献1】特開2007−85671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された貯湯式給湯機では、補水タンクでの貯水量を所定量に保つために水位検出器や補水弁を専用の部品として設けているので、製造コストが嵩む。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、外部負荷設備で用いられて温度低下した湯水を加熱する再加熱機能を備え、低コストな構成で補水タンクに水を補給することができる貯湯式給湯機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成する本発明の貯湯式給湯機は、熱源機で沸き上げた湯を貯留する貯湯タンクと、貯湯タンクの上部から湯を取水し、取水した湯を貯湯タンクの下部に戻す熱源側循環管路と、湯を用いる外部負荷設備から湯水を取水し、取水した湯水を外部負荷設備に戻す負荷側循環管路と、熱源側循環管路を流れる湯と負荷側循環管路を流れる湯水との間で熱交換を行って湯水を加温する熱交換器と、負荷側循環管路に接続されて外部負荷設備用の補給水を貯留する補水タンクと、貯湯タンクの内圧が所定圧に達したときに開弁して貯湯タンクから湯を排出する圧力逃し弁と、圧力逃し弁から排出される湯を補水タンクに導く排出配管と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外部負荷設備で用いられて温度低下した湯水を加熱する再加熱機能を備え、低コストな構成で補水タンクに水を補給可能な貯湯式給湯機を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の貯湯式給湯機の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
図1は、本発明の貯湯式給湯機の一例を示す概略図である。同図に示す貯湯式給湯機100は、ヒートポンプユニット1、沸上循環管路10、貯湯タンク20、熱源側循環管路30、負荷側熱交換器35、給水管路40、給湯管路45、圧力逃し弁50、排出配管55、負荷側循環管路60、補水タンク65(以下「シスターンタンク65」と称す)、および制御装置90を備えている。また、負荷側循環管路60に接続される外部負荷設備として、温水で暖められた床からの熱伝導と輻射熱とで部屋を暖房する温水床暖房設備110が示されている。以下、貯湯式給湯機100の各構成要素について説明する。
【0011】
上記のヒートポンプユニット1は、水を湯に沸き上げる熱源機であり、沸上用熱交換器(図示せず)を有し、貯湯タンク20の下部から沸上循環管路10に流入した水を沸上用熱交換器により湯に沸き上げる。ヒートポンプユニット1は、例えば二酸化炭素を冷媒として用いて運転される。
【0012】
沸上循環管路10は、貯湯タンク20の下部から水を取水して貯湯タンク20の上部から該貯湯タンク20に沸き上げた湯を戻す循環管路であり、往き管11、戻り管12を含んでいる。往き管11は貯湯タンク20の下部とヒートポンプユニット1内の沸上用熱交換器(図示せず)とを繋ぎ、戻り管12は沸上用熱交換器と貯湯タンク20の上部とを繋ぐ。往き管11には制御装置90に有線接続または無線接続された沸上用循環ポンプ(図示せず)が設けられており、該沸上用循環ポンプが制御装置90からの運転指令を受けて運転することで沸上循環管路10内の水が循環する。
【0013】
貯湯タンク20は、給水管路40から供給される水を貯留すると共にヒートポンプユニット1で沸き上げられた湯を貯留するものであり、常に満水状態に保たれる。貯湯式給湯機100の運転時には、貯湯タンク20内に温度成層が形成される。貯湯タンク20の下部には、往き管11の一端と、給水管路40の一端とが接続されている。貯湯タンク20の上部には、戻り管12の一端と、後述する熱源側循環管路30の一端と給湯管路45の一端とが接続されている。
【0014】
熱源側循環管路30は、貯湯タンク20の上部から湯を取水し、該取水した湯を貯湯タンク20の下部から貯湯タンク20に戻す循環管路であり、往き管31、戻り管32を含んでいる。往き管31は貯湯タンク20の上部と負荷側熱交換器35とを繋ぎ、戻り管32は負荷側熱交換器35と貯湯タンク20の下部とを繋ぐ。戻り管32には制御装置90に有線接続または無線接続された熱源側循環ポンプ33が設けられている。熱源側循環ポンプ33が制御装置90からの運転指令を受けて運転することで熱源側循環管路30内の湯が循環する。
【0015】
給水管路40は市水などの水を貯湯タンク20に供給する管路であり、水圧を所定値以下にする減圧弁(図示せず)を含んでいる。給水管路40の一端は水道などの水源(図示せず)に接続され、他端は貯湯タンク20の下部に接続される。貯湯タンク20には、減圧弁により所定値以下に減圧された水が流入する。
【0016】
給湯管路45は、貯湯タンク20に貯留された湯を所定の給湯先に供給する管路である。給湯管路45の一端は貯湯タンク20の上部に接続され、該給湯管路45の途中には流量調整弁(図示せず)が設けられている。この流量調整弁は、制御装置90に有線接続または無線接続されており、給湯運転時に制御装置90により動作制御されて、給湯管路45での湯の流量を調整する。
【0017】
圧力逃し弁50は、貯湯タンク内20への湯の貯留に伴って貯湯タンク20内の湯水の温度が上昇して膨張水が生じ、該膨張水により貯湯タンク20の内圧が上昇して所定圧に達したときに開弁して、貯湯タンク20の内圧が予め定められた圧力になるまで後述する排出配管55での2次側排出配管55bに、貯湯タンク20内の湯(体積膨張により内圧上昇の原因となった湯(以下「膨張水」と称す))を排出するための弁である。
【0018】
圧力逃し弁50の内部には、圧力逃し弁50の開閉を行う弁体(図示せず)と、弁体を閉弁側に付勢する弾性体(図示せず)と、圧力逃し弁50の閉弁時に該弾性体の弾性力により弁体が密着する弁座(図示せず)とを含み構成される。貯湯タンク20の内圧が上記の所定圧に達していない通常時には、圧力逃し弁50が閉弁し、貯湯タンク20の内圧が上記の所定圧に達した時には、弁体が膨張水の圧力により弾性体の弾性力に抗して開弁側に押し動かされて弁座から離隔し、圧力逃し弁50が開弁する。膨張水が2次側排出配管55bに排出されて貯湯タンク20の内圧が上記の所定圧を下回ると、弁体が弾性体の弾性力で押し戻されて圧力逃し弁50が閉弁する。
【0019】
排出配管55は、貯湯タンク20内に生じた膨張水を圧力逃し弁50を介してシスターンタンク65に導く管路であり、1次側排出配管55a、2次側排出配管55bを含んでいる。1次側排出配管55aは、貯湯タンク20の上部に接続された給湯管路45から分岐し、該給湯管路45と圧力逃し弁50の1次側とを繋ぐ。これにより、貯湯タンク20と圧力逃し弁50とは、給湯管路45および1次側排出配管55aを介して連通する。2次側排出配管55bは、圧力逃し弁50の2次側から排出される膨張水をシスターンタンク65に導く。
【0020】
負荷側循環管路60は、温水床暖房設備110から湯水(水または温水)を取水し、該取水した湯水を温水床暖房設備110に戻す循環管路であり、往き管61、戻り管62、負荷側循環ポンプ63を含んでいる。往き管61は温水床暖房設備110の下流側(温水床暖房設備110から湯水を取水する側)と負荷側熱交換器35とを繋ぎ、当該往き管61の途中に、制御装置90に有線接続または無線接続された負荷側循環ポンプ63が設けられている。
【0021】
戻り管62は、負荷側熱交換器35と温水床暖房設備110の上流側(温水床暖房設備110に湯水を戻す側)とを繋ぐ管であり、当該戻り管62の途中に設けられたシスターンタンク65により、上流側戻り管62aと、下流側戻り管62bとに分けられる。上流側戻り管62aは負荷側熱交換器35とシスターンタンク65の下部とを繋ぎ、下流側戻り管62bはシスターンタンク65の下部と温水床暖房設備110の上流側とを繋ぐ。シスターンタンク65内に湯水が貯留された状態下で負荷側循環ポンプ63が制御装置90からの運転指令を受けて運転することで、負荷側循環管路60を湯水が循環する。
【0022】
シスターンタンク65は、温水床暖房設備110用の補給水を貯留するタンクである。シスターンタンク65内には2次側排出配管55bの流出端が位置しており、貯湯タンク20から圧力逃し弁50を介して排出された膨張水がシスターンタンク65内に流入する。シスターンタンク65の上部にはオーバーフロー管66が接続され、シスターンタンク65の下部には上流側戻り管62aと、下流側戻り管62bとが接続されている。
【0023】
オーバーフロー管66は、シスターンタンク65での貯水量を所定値に規制する管であり、一端がシスターンタンク65の上部に接続され、他端が排出口(図示せず)に開口している。排出配管55からシスターンタンク65に膨張水が過度に供給されたときには、所定値を超えた分の湯水が当該オーバーフロー管66に流入し、ここから排出口に排出される。
【0024】
制御装置90は、制御部91とリモートコントローラ92とを有しており、制御部91は、主制御部91aと記憶部(図示せず)とを含んでいる。主制御部91aは、記憶部に格納された情報やリモートコントローラ92から使用者により入力された情報ないし指令に基づいて、ヒートポンプユニット1で水を湯に沸き上げて貯湯タンク20に貯留する沸上運転、貯湯タンク20に貯留した湯を給湯管路45を介して所望箇所に給湯する給湯運転、温水床暖房設備110から取水した湯水を負荷側熱交換器35で加熱して温水床暖房設備110に戻す温水暖房運転などを制御する。
【0025】
リモートコントローラ92から入力される情報としては、例えば沸上開始時刻、沸上温度、沸上湯量、給湯温度、温水暖房開始時刻、温水暖房終了時刻などが挙げられ、これらの情報は制御部91の記憶部に格納される。また、リモートコントローラ92から入力される指令としては、例えば給湯温度変更、沸上運転中止、沸上湯量変更、温水暖房運転開始、温水暖房運転中止などを指示する指令が挙げられる。
【0026】
貯湯式給湯機100を構成する上述の貯湯タンク20、熱源側循環管路30、圧力逃し弁50、排出配管55、シスターンタンク65、および制御部91は、ユニットケースUC内に納められている。沸上循環管路10、給水管路40、給湯管路45、負荷側循環管路60、オーバーフロー管66の各々は、その一部がユニットケースUCの外部まで延在しており、リモートコントローラ92は、ユニットケースUCの外部、例えば家屋の内部に配置される。
【0027】
上述した構成を有する貯湯式給湯機100は、制御部91の制御の下に沸上運転、給湯運転、および温水暖房運転を行う。以下、これら沸上運転、給湯運転、および温水暖房運転の各々について説明する。
【0028】
沸上運転は、上述した沸上開始時刻になると開始される。沸上運転が開始されると、制御部91による制御の下にヒートポンプユニット1および沸上用循環ポンプ(図示せず)が起動されて貯湯タンク20内の水が沸上循環管路10に流入し、該水がヒートポンプユニット1で所定の沸上温度まで沸き上げられて湯となり、貯湯タンク20の上部から貯湯タンク20に戻される。貯湯タンク20内に所定量の湯が蓄えられると、制御部91による制御の下にヒートポンプユニット1および沸上用循環ポンプ(図示せず)が停止されて沸上運転が終了する。
【0029】
給湯運転は、給湯管路45に接続されている給湯栓(図示せず)が開にされると開始される。このとき、給湯管路45に設けられている流量調節弁(図示せず)の動作が制御部91により制御されて、給湯先での給湯流量が調節される。
【0030】
温水暖房運転は、上述した温水暖房運転開始時刻になったとき、あるいは温水暖房運転開始の指令が使用者によりリモートコントローラ92から入力されたときに開始され、温水暖房運転終了時刻になったとき、あるいは温水暖房運転中止の指令が使用者によりリモートコントローラ92から入力されたときに終了する。
【0031】
温水暖房運転が開始されると、制御部91による制御の下に熱源側循環ポンプ33と負荷側循環ポンプ63とが起動され、貯湯タンク20内の湯が熱源側循環管路30を流れる一方で温水床暖房設備110中の湯水が負荷側循環管路60を流れる。そして、熱源側循環管路30を流れる湯と負荷側循環管路60を流れる湯水との間で負荷側熱交換器35により熱交換が行われて、上記の湯水が再加熱される。
【0032】
結果として、負荷側循環管路60から温水床暖房設備110に湯が流入し、この湯の熱が床に伝導して、床が暖められる。また、暖められた床からの輻射熱により、温水床暖房設備110が設置されている部屋が暖められる。温水床暖房設備110で熱源として用いられて温度低下した湯は、再び負荷側循環管路60に流入して負荷側熱交換器35により再加熱される。なお、負荷側熱交換器35による上記湯水の加熱温度は、例えば制御部91が熱源側循環ポンプ33を制御して熱源側循環管路30を流れる湯の流量を調整することで、または制御部91が負荷側循環ポンプ63を制御して負荷側循環管路60を流れる湯水の流量を調整することで制御可能である。
【0033】
上述のようにして沸上運転、給湯運転、および温水暖房運転の各々を行う貯湯式給湯機100では、沸上げ運転時にシスターンタンク65への水の補給が自動的に行われる。すなわち、沸上運転に伴って貯湯タンク20内の湯水の温度が徐々に上昇し、体積膨張を起こして膨張水が生成されて貯湯タンク20の内圧が上昇し、やがて圧力逃し弁50が開弁する結果として、矢印Aで示すように、上記の膨張水が2次側排出配管55bに排出されてシスターンタンク65に流入する。シスターンタンク65への水の補給が自動的に行われる。
【0034】
膨張水は貯湯タンク内に常時生じるというものではなく、湯の沸上げ時にのみ生じるものであるため、シスターンタンク65への水の補給を制御することにのみ用いられる専用の弁を用いなくても、シスターンタンク65に水を補給することができる。したがって、貯湯式給湯機100の構成は低コストの下に作製し易い構成である。
【0035】
なお、沸上運転時に上述の膨張水がシスターンタンク65に過度に流入しても、所定容量を超えた分の湯水は矢印Bで示すようにオーバーフロー管66に流入するので、シスターンタンク65の容積を大きくしなくても膨張水がシスターンタンク65の周囲に溢れ出てしまうのを容易に防止することができる。この点からも、貯湯式給湯機100の構成は低コストの下に作製し易いものである。
【0036】
また、貯湯タンク20内に生じる膨張水の温度は例えば90℃程度と比較的高温であるので、温水暖房運転を行っている間や温水暖房運転を行う直前に沸上運転を行うと、比較的高温の膨張水がシスターンタンク65に供給されて負荷側循環管路60内の湯水が暖められ、負荷側循環管路60内の湯水の再加熱に要する熱エネルギー量が低減される。
【0037】
その結果として、温水暖房運転時に熱源側循環管路30に流す湯の量を少なくしても、上記湯水を所望温度にまで再加熱し易くなる。貯湯タンクを小型化しても、貯湯タンク20内の湯が不足して給湯運転や温水暖房運転が行えなくなる湯切れを防止し易くなる。さらには、負荷側循環管路60内の湯水の凍結を防止するための凍結予防運転を上述の温水暖房運転と同様にして行う場合には、温水暖房運転時におけるのと同様に、熱源側循環管路30に流す湯の量を少なくすることが可能になる。
【0038】
以上、本発明の貯湯式給湯機について実施の形態を挙げて説明したが、前述のように、本発明は上述の形態に限定されるものではない。本発明の貯湯式給湯機は、温水床暖房設備などの外部負荷設備で用いられて温度低下した湯水を貯湯タンク内の湯を熱源として利用して加熱する再加熱機能を備え、上記の湯水が循環する負荷側循環管路に補給水貯留用のシスターンタンクが設けられていると共に、貯湯タンクから圧力逃し弁を介して排出される膨張水を排出配管によりシスターンタンクに導くものであれば基本的によく、その構成は適宜変更可能である。例えば熱源機としてヒータを用いることもでき、この場合には当該ヒータが貯湯タンク内に配置される。
【0039】
また、貯湯タンクで生じた膨張水を圧力逃し弁に導く1次側排出配管は、給湯管路とは別個の配管とすることもできる。この場合、貯湯タンク内に生じた膨張水が給湯管路に流入して給湯先から流出してしまうのを防止するという観点からは、1次側排出配管と貯湯タンクとの接続位置を給湯管路と貯湯タンクとの接続位置よりも高方にすることが好ましい。シスターンタンクにオーバーフロー管を接続することは必須の要件ではなく、オーバーフロー管は省略することも可能である。オーバーフロー管を省略するときには、シスターンタンクから湯水が溢れたときに当該湯水を受けるドレンパンをシスターンタンクの下方に配置することが好ましい。
【0040】
負荷側循環管路に接続される外部負荷設備として温水床暖房設備を例に挙げて説明したが、本発明の貯湯式給湯機に接続される外部負荷設備は湯の温度を利用して所望の機能を発現するものであればよく、例えば床暖房以外の暖房設備であってもよいし融雪設備であってもよい。また、負荷側循環管路を流れる湯水中の塵等を除去するために、負荷側循環管路にストレーナなどの汚れ除去装置を設けてもよい。本発明の貯湯式給湯機については、上述した以外にも種々の変形、修飾、組合せ等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の貯湯式給湯機は、家庭用または業務用の貯湯式給湯機として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の貯湯式給湯機の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ヒートポンプユニット
10 沸上循環管路
11 往き管
12 戻り管
20 貯湯タンク
30 熱源側循環管路
31 往き管
32 戻り管
33 熱源側循環ポンプ
35 負荷側熱交換器
40 給水管路
45 給湯管路
50 圧力逃し弁
55 排出配管
55a 1次側排出配管
55b 2次側排出配管
60 負荷側循環管路
61 往き管
62 戻り管
62a 上流側戻り管
62b 下流側戻り管
63 負荷側循環ポンプ
65 シスターンタンク
66 オーバーフロー管
90 制御装置
91 制御部
91a 主制御部
92 リモートコントローラ
100 貯湯式給湯機
110 温水床暖房設備
UC ユニットケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機で沸き上げた湯を貯留する貯湯タンクと、
該貯湯タンクの上部から湯を取水し、前記取水した湯を前記貯湯タンクの下部に戻す熱源側循環管路と、
湯を用いる外部負荷設備から湯水を取水し、前記取水した湯水を該外部負荷設備に戻す負荷側循環管路と、
前記熱源側循環管路を流れる湯と前記負荷側循環管路を流れる湯水との間で熱交換を行って前記湯水を加温する熱交換器と、
前記負荷側循環管路に接続されて前記外部負荷設備用の補給水を貯留する補水タンクと、
前記貯湯タンクの内圧が所定圧に達したときに開弁して前記貯湯タンクから湯を排出する圧力逃し弁と、
前記圧力逃し弁から排出される湯を前記補水タンクに導く排出配管と、
を備えていることを特徴とする貯湯式給湯機。
【請求項2】
前記補水タンクの貯水量を所定値に規制するオーバーフロー管を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯機。

【図1】
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【公開番号】特開2009−299927(P2009−299927A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151743(P2008−151743)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】