説明

貯蔵、出荷、および使用のために臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーを硬くて大きい形状物に転換する方法

添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの顆粒/パスチルが製造され、提供される。これらは、冷却された移動式平面部材に近接したマニホールドまたはノズル中のオリフィスから下方向のプラグフローを形成することにより作製される。このような部材は冷却液体に不透過性である。オリフィスの下端と平面部材の間に間隙が存在する。溶融ポリマーのプラグの一部は、(i)このような間隙を架橋するか、あるいは(ii)オリフィスの下部から自由に落下し、平面部材の上表面の上に落下し、いずれの場合においても平面部材上で個別の顆粒/パスチルを形成し、その上で固化する。この移動式部材は、平面部材の下側に施される冷却液体のミストまたはスプレーにより冷却される。この顆粒/パスチルは卓越した性質を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添加物無添加の臭素化アニオン重合ポリスチレンなどの添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの新しい形状物に関する。本発明は、また、添加物無添加の臭素化アニオン重合ポリスチレンなどの添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの新しい形状物を製造するための方法にも関する。これらの新しい形状物をパスチルまたは顆粒と呼ぶことができる。どのような名前が使用されようとも、新しい形状物は、現時点で市場で入手可能なものよりも大きいサイズを特徴とする。加えて、これらの新しい形状物は、破砕に対して大きな抵抗性を有する。言い換えれば、これらは高破砕強度を有する。更には、製造時にこれらは本質的にダストを含まない。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に指摘されているように、臭素化アニオン重合ポリスチレンなどの臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの性質は、製品のペレットを試みる場合に実質的な量の小粒子と粉末を形成する性向である。ペレットまたは顆粒は、形成時微粒子を外部結合剤などにより結合しない限り、ばらばらに破壊し、通常「微粉」と呼ばれる小粒子と微粉砕された粉末に戻る傾向があると思われる。この性質のために、種々の慣用のペレット化法は、本質的に微粉を含まない臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの製造に不適である。容易に認識可能なように、このタイプの製品中での微粉の存在は、製品の外観に有害であるのみならず、加えて消費者により望まれないことである。
【0003】
微粉を実質的に含まない添加物無添加のペレット化された臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの製造を可能とさせる方法は、特許文献1に述べられている。この方法は、
A)溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーのストランドを形成
すること;
B)このようなストランドを多孔性コンベヤーベルト上で冷却と、下方向に向けられた強
制空気流に暴露し、それにより前記ストランドをペレットに破壊すること;および
C)このようなペレットをペレットから微粉を除去する分級機の中に落とし込む
ことを含んでなる。この方法の実施において、コンベヤーベルト系は、通常、ベルト上でストランドに向かって、ならびにベルトそれ自身中の開口から空気を連続的に下方向に引き込む真空装置を多孔性ベルトの下に設けられる。コンベヤーベルトの上方には、熱いポリマーストランドを冷却するための水スプレー機構と、通常、ストランドの少なくとも若干の破損をベルト上で起こさせる充分な力を冷却するストランドに加える、下方向に配設された空気ブロワーが配設される。残存する破壊されないストランドは、通常、コンベヤーベルトを離れる時、ベルトの終端から出現する非支持のストランド上に作用する重力のために少なくとも若干の破損を受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WIPO Pub.No.WO2005/118245A1、2005年12月15日公告
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商用運転に好適な有効な方法であるが、この方法のいくつかの欠点が存在する。一つには、コンベヤーベルト上の熱いストランドを冷却するためには、大量の水が必要とされる。翻って、このことによって、包装の前のペレットの乾燥が必要ではないにしても望ましく、運転に伴われる装置と運転コストが実質的に増加する。加えて、使用される加工法は、平均して所望よりも小さいペレット形成を起こさせる傾向がある。更に、更に大きな破砕強度を有し、ダストを含まないか、あるいは本質的に含まない添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー製品を形成することができるならば有利である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
製造時に顆粒またはパスチルを水また他の液体と接触させずに、望ましい性質を有し、したがって包装の前の顆粒の乾燥の必要性が回避されて、添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの本質的にダストを含まない顆粒の新しい形状物の製造を可能とさせる工程技術が見出された。本発明以前の現状技術により製造可能な最良のペレットと比較して、大きな平均粒子サイズを有し、増大した破砕強度を有する、添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの顆粒の新しい形状を製造し、提供することが今では可能である。これらの新しい顆粒は、概ね固体半球形状を有する。すなわち、これらは、概ね平らで、円形で平面の最低表面を持つドームの形状を有する固体である。この構造のために、折り取られ、小片、ダストなどを形成する傾向のある表面不規則性または突起は、あるとしても、僅かに存在するのみである。
【0007】
本発明は、また、その態様の一つにおいて、市販のペレットの全部ではないとしても大部分の欠点を持っていない、添加物無添加の臭素化スチレン系ポリマーの新しい顆粒またはパスチルを製造するための新しい方法も提供する。この方法は、冷却された移動式平面部材に近接したノズルまたは部材中の少なくとも1つのオリフィスから下方向に配向したプラグフローを形成し、前記平面部材が冷却液体に不透過性で、上表面と下表面を有し、オリフィスの下部と前記上表面の間に間隙が存在して、溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーのプラグの少なくとも一部が(i)前記間隙を架橋し、前記平面部材の上表面上で分離した個別の顆粒またはパスチルを形成するか、あるいは(ii)オリフィスの下部から自由に落下し、前記平面部材の上表面上に落下し、平面部材の上表面上で個別の顆粒またはパスチルを形成し、前記移動部材が前記平面部材の下表面と接触する冷却液体のミストまたはスプレーにより冷却されることを含んでなる。好ましい冷却液体は、移動ベルトの上部の下側にスプレーノズルにより施される冷却水である。
【0008】
本発明のもう一つの態様は、この明細書中で実施例2に述べられている試験手順を用いて、(i)少なくとも約50重量%(すなわち、約50重量%以上)の臭素含量、(ii)少なくとも0.2インチの平均粒子長、および1インチ当り少なくとも40ポンドの、好ましくは、1インチ当り少なくとも45ポンドの平均破砕強度を有する、添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの概ね半球形状の固体顆粒またはパスチル(好ましくは、添加物無添加の臭素化ポリスチレンの半球形状の固体顆粒またはパスチル)である。
【0009】
本発明の上記および他の態様、および特徴は、以降の説明と添付の特許請求の範囲からなお更に明白になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一つの態様によれば、添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの概ね半球形状の顆粒またはパスチルを製造する方法が提供される。この態様の方法は、溶融ポリマーの液滴がマニホールドの下側またはノズルから出現し、延びるように、溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーをマニホールドまたはノズル(好ましくはマニホールドまたはノズル中の複数の横方向に配設された小さな下方向に配設されたオリフィスから)中の少なくとも1つの小さな下方向に配設されたオリフィスの中に流入させるか、もしくは注入することを含む。これらの液滴は、(i)マニホールドまたはノズルから冷却された移動式平面部材の冷却された上表面上に個別に落下するか、
もしくは個別に落下させられ、ほぼその形状で固化する、添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの概ね半球形状の顆粒またはパスチルを形成するか、もしくは(ii)マニホールドまたはノズルと冷却された移動式平面部材の冷却された上表面の間の小さい間隙を横断し、その時にこのような冷却された上で表面上でこのようなマニホールドまたはノズルから概ね半球形状の顆粒またはパスチルに分離し、ほぼその形状で固化する。
【0011】
上記の(i)においては、溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの液滴は、冷却された移動平面表面上にマニホールドまたはノズルの底部から自由落下し、概ね半球形状の固体を形成するということが判るであろう。上記の(ii)の場合には、液滴は、マニホールドまたはノズルの底部と冷却された移動平面表面の間に架橋し、次に移動のためにマニホールドまたはノズルから分離し、このようにして概ね半球形状の固体を形成する。平面部材上での移動時間は、本発明の概ね半球形状の固体が平面部材の表面上に滞留する間に固化するように充分に長くなければならない。
【0012】
移動式平面部材は液体冷却流体に対して不透過性であり、液体冷却流体、好ましくはノズルから平面部材の下側に対して概ね上方向に向けられた冷水のミストまたはスプレーを施すことにより冷却され、このようにして熱伝導により顆粒またはパスチルを冷却する。平面部材は、液体不透過性の熱伝導性物質のシートの形状のものであることができ、概ね水平面、例えば交互する相対直線方向で前後に、もしくは連続的な円形の経路で、もしくは他の類似の方法で移動させられる。好ましくは、この平面部材は、液体不透過性の熱伝導性物質、好ましくは金属または金属合金のエンドレスベルトである。コンベヤーベルトの形でローラー上を移動する水不透過性の可撓性スチールベルトの形のエンドレスベルトは、好適な熱伝導性の液体不透過性エンドレスベルトの例としての役割をする。
【0013】
臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー
本発明にしたがって新しい概ね半球の形状物に転換されるポリマーは、一つの添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、すなわち(i)臭素化された、少なくとも1つのアニオン重合により製造したスチレン系ホモポリマーまたは(ii)臭素化された、少なくとも1つのアニオン重合により製造した2つ以上のスチレン系モノマーのコポリマーまたは(iii)(i)および(ii)の両方、または1つ以上のこれらのブレンドである。このようなポリマーの臭素含量は、少なくとも約50重量パーセントでなければならない。好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、特に臭素化アニオン重合ポリスチレンは、少なくとも約60重量%の臭素含量を有し、更に好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、特に臭素化アニオン重合ポリスチレンは、少なくとも約64重量%の臭素含量を有する。更に好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー、特に臭素化アニオン重合ポリスチレンは、少なくとも約67重量%の臭素含量を有する。臭素化アニオン重合ポリスチレンなどの臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの臭素含量は、殆ど約71−72重量%を超えることはない。臭素濃度の特に好ましい範囲は約67から約71である。
【0014】
本発明のすべての態様において、本発明の顆粒またはパスチルの形成に使用される最も好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーは、添加物無添加の臭素化アニオン重合ポリスチレンである。
【0015】
用語「添加物無添加の」とは、顆粒またはパスチルの前出の製造工程の前もしくは間にバインダー(例えば、ワックスまたは他のポリマー型もしくはオリゴマー型物質)、無機塩などの外来の成分が臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーに添加されていないという意味である。そうではなくて、この臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーは、製造後に臭素化ポリマー中に残る残存不純物のみを含有する。
【0016】
当業者には周知のように、アニオン重合スチレン系ポリマーは、アニオン重合スチレン系ポリマーは「リビングポリマー」として形成され、したがって他の重合法から形成されるものと異なる分子末端基を有するという点で、フリーラジカル触媒またはカチオン型触媒を使用することにより形成されるスチレン系ポリマーと構造的に異なる。
【0017】
臭素化されて、本発明により新しい顆粒またはパスチルの製造に使用される臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーを形成するアニオン重合スチレン系ポリマーは、少なくとも1つのビニル芳香族モノマーの1つ以上のアニオン重合ホモポリマーおよび/またはアニオン重合コポリマーである。好ましいビニル芳香族モノマーは、式
C=CR−Ar
を有する。式中、Rは水素原子または1から4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Arは6から10個の炭素原子の芳香族基(アルキル環置換の芳香族基を含む)である。このようなモノマーの例は、スチレン、アルファ−メチルスチレン、オルト−メチルスチレン、メタ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、パラ−エチルスチレン、イソプロペニルトルエン、ビニルナフタレン、イソプロペニルナフタレン、ビニルビフェニル、ビニルアントラセン、ジメチルスチレン、およびtert−ブチルスチレンである。ポリスチレンが好ましい反応試剤である。2つ以上のビニル芳香族モノマーのアニオン重合コポリマーの臭素化により臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーを製造する場合には、スチレンがモノマーの一方であること、およびスチレンが少なくとも50重量パーセントの、好ましくは少なくとも約80重量パーセントの共重合性ビニル芳香族モノマーを含むことが好ましい。用語「臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー」および「臭素化アニオン重合ポリスチレン」は、この明細書中で使用される時には、アニオン重合ポリスチレンまたはスチレンと少なくとも1つの他のビニル芳香族モノマーのアニオン重合コポリマーなどの既存のアニオン重合スチレン系ポリマーの臭素化により製造される臭素化アニオン重合ポリマーを指すということが特記されなければならず、これは、1つ以上の臭素化スチレン系モノマーのオリゴマー化または重合により製造されるオリゴマーまたはポリマーと区別され、後者のオリゴマーまたはポリマーの性質は、多数の点で臭素化アニオン重合ポリスチレンとかなり異なる。また、用語「ビニル芳香族」および「スチレン系」は、モノマーポリマーと関連して互換的に使用される。
【0018】
アニオン重合スチレン系ポリマーの芳香族ペンダント成分は、アルキル置換もしくは臭素もしくは塩素原子置換可能であるが、大多数の場合このようには置換されない。通常、本発明の実施において使用される臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの製造に使用されるアニオン重合スチレン系ポリマーは、約2000から約50,000の範囲の重量平均分子量(M)と、1から約10の範囲の多分散性を有する。本発明の実施において使用される好ましい臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーは、約3000から約10,000の範囲の重量平均分子量(M)と、1から約4の多分散性を有するアニオン重合スチレン系ポリマーから製造され、最も好ましくはこれらの範囲はそれぞれ約3500から約4500および1から約4である。
【0019】
および多分散性値は、両方とも後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法を基準とする。
【0020】
アニオン重合ポリスチレンなどのアニオン重合スチレン系ポリマーを製造するための方法は当業界で既知であり、文献に報告されている。例えば、方法の開示が参照によりこの明細書中に組み込まれている、米国特許第3,812,088号;第4,200,713号;第4,442,273号;第4,883,846号;第5,391,655号;第5,717,040号;および第5,902,865号を参照のこと。特に好ましい方法が参照によりこの明細書中に組み込まれている、2003年12月2日出願の共有の米国特許第6,657,028号に述べられている。
【0021】
臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの製造に使用可能な臭素化法は、開示が参照によりこの明細書中に組み込まれている、米国特許第5,677,390号;第5,686,538号;第5,767,203号;第5,852,131号;第5,916,978号;および第6,207,765号に開示されている。
【0022】
本発明の顆粒またはパスチルの製造における使用に好ましい臭素化アニオン重合ポリスチレンの典型的な性質は次のものを含む。
外観/形状:白色粉末
臭素含量:67から71重量%
メルトフローインデックス(220℃.2.16kg):4から35g/10分
(℃):162
比重(23℃):2.2
TGA(TA装置モデル2950、窒素下10℃/分):
1%重量損失、342℃
5%重量損失、360℃
10%重量損失、368℃
50%重量損失、393℃
90%重量損失、423℃
【0023】
臭素化アニオン重合ポリスチレンなどの粉末化された臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーを出発材料として使用する代わりに、スチレン系ポリマー臭素化プラント施設において製造されるように臭素化アニオン重合スチレン系ポリマー溶液を使用することにより、利点を得ることができる。このような溶液は、溶媒を高い温度で除去し、臭素化アニオン重合ポリスチレンのメルトなどの臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーのメルトを残留させる手順にかけられる。このようなメルトは、本発明の顆粒またはパスチルの形成において使用される装置へのフィードとして直接に使用可能である。
【0024】
必要もしくは望ましいとみなされる場合には、文献に報告されているようないかなる信頼性のある分析法もこのような分析値または性質の決定において使用可能である。いかなる疑わしい場合または議論されている場合にも、次の手順が推奨される。
1)臭素含量:臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーはテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒中で良好な、もしくは少なくとも満足な溶解性を有するので、臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーに対する全臭素含量の定量は、慣用の蛍光X線法を使用することにより容易に行われる。分析される試料は、希薄試料、例えば60mLTHF中の0.1±0.05g臭素化アニオン重合ポリスチレンである。XRFスペクトロメーターは、Phillips社PW1480スペクトロメーターであることができる。THF中のブロモベンゼンの標準化溶液が較正標準として使用される。
2)重量平均分子量および多分散性:アニオン重合スチレン系ポリマーのM値は、Waters社モデル510HPLCポンプと、検出器としてWaters社屈折率検出機器モデル410、Precision Detector社光散乱検出器モデルPD2000または同等の装置を用いるGPCにより得られる。カラムはWaters社、Styragel 500A、10,000、および100,000Åである。オートサンプラーはShimadzu社モデルSil9Aである。ポリスチレン標準(M=185,000)を日常的に使用して、光散乱データの確度を確認する。使用される溶媒はテトラヒドロフラン、HPLCグレードである。使用される試験手順は、0.015−0.020gの試料を10mLのTHFに溶解することを伴う。この溶液のアリコートを濾過し、50Lをカラムに注入する。PD2000光散乱検出器用にPrecision Detectors社により提供されているソフトウエアを用いて、この分離物を解析する。この装置は、重量平均分子量として、ならびに数平均分子量としても結果を提供する。したがって、多分散性に対する値を得るためには、重量平均分子量に対する値を数平均分子量に対する値で割る。
【0025】
顆粒またはパスチルの製造
本発明の他の態様においては、本発明の顆粒またはパスチルは、
A)溶融ポリマーの液滴がマニホールドまたはノズルの下側から出現し、延びるように
、マニホールドまたはノズル中の少なくとも1つの下方向に配設された小さいオリ
フィスの中に、ならびに好ましくはマニホールドまたは複数のノズル中の複数の横
方向に配設された小さい下方向に配設されたオリフィスから溶融した添加物無添加
の臭素化スチレン系ポリマーを準備するか、もしくは溶融した添加物無添加の臭素
化スチレン系ポリマーを注入すること;および
B1)液滴がマニホールドまたはノズルと接触している間、次に液滴が冷却液体に対して
不透過性の冷却された移動エンドレススチールコンベヤーベルト上で溶融した添加
物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーから分離した顆粒またはパスチ
ルとして分離する間に、冷却液体に対して不透過性の冷却された移動エンドレスス
チールコンベヤーベルトと液滴を接触させ、ベルトの上部が液滴の下方向移動まで
横断的に移動し、ならびに(i)液滴がベルトと接触し、(ii)ベルトの上部の
下側の冷却媒体をこのように施すことにより、ベルト上に形成される分離した顆粒
またはパスチルが少なくとも部分固化し始める域に到達する移動ベルトの上部の連
続部分が熱伝導により冷却されるように、冷却媒体がベルトの上部の下側に連続的
に施されること;または
B2)液滴をマニホールドまたはノズルから冷却液体に対して不透過性の冷却された移動
エンドレススチールコンベヤーベルト上に分離し、落下させ、冷却液体に対して不
透過性の冷却された移動エンドレススチールコンベヤーベルト上で分離した顆粒ま
たはパスチルとして固化させ、ベルトの上部が液滴の下方落下まで横断的に移動し
、ならびに(i)分離した液滴がベルトと接触し、(ii)ベルト上に形成される
分離した顆粒またはパスチルが少なくとも部分固化し始める域に到達する移動ベル
トの上部の連続部分がベルトの上部の下側に冷却媒体をこのように施すことにより
、熱伝導によって冷却されるように、冷却媒体がベルトの上部の下側に連続的に施
されること
を含んでなる方法により製造される。
一つのこのような態様においては、この方法は、A)とB1)を用いて行われる。言い換えれば、このような態様においては、B2)は使用されない。もう一つのこのような態様においては、この方法は、A)とB2)を用いて行われ、このことは、言い換えれば、B1)がこの場合には使用されないということを意味する。A)を使用することのほかに、B1)とB2)の両方が交互もしくはランダムに起こる方法を行うことが可能である。
【0026】
本発明の特徴は、上記の方法の実施において使用可能な装置が市場において既に入手可能であるということである。例えば、Kaiser Steel Belt Systems GmbHは、種々の分子量範囲の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーとの使用に好適な装置を提供することができる。このような装置において使用される技術のために、このような装置により製造される顆粒は、通常、パスチルと呼ばれる。しかしながら、本発明の目的には、本発明の粒子は、上記のように、多少なりとも概ね明確な形状を有するので顆粒またはパスチルと表示される。
【0027】
Kaiser Steel Belt Systemsにより製造されるパスチレーシ
ョン装置は、いくつかの異なる運転システムで現在入手可能である。パスチレーション系ZNにおいては、垂直に配設されたノズル中で運転される垂直に配設された偏心駆動のニードルがノズルオリフィスで形成されるメルトジェットからのメルトの下方向の流れを妨げる。妨げられた流れは、移動エンドレス熱伝導性ベルトの上表面に隣接し、ノズルオリフィスの最低端からベルトの上表面までの間隙を架橋する傾向がある。ベルトのこのような運動によって、メルトはオリフィスから分離し、それにより個別の顆粒またパスチルが形成され、ベルト上で搬送される。顆粒またはパスチルを搬送するベルト部分の下の水ジェットは、ベルトと、間接的な熱伝導により、その上に配設された顆粒またはパスチルを冷却する水スプレーの方向を決める。この系は、比較的低粘度範囲を有するメルト、例えば市場で現在入手可能であるよりも低い粘度の臭素化アニオン重合ポリスチレンでの使用に設計されている。パスチレーション系GSにおいては、円筒と偏心駆動のピストンを使用して、メルトの一部を移動熱伝導性ベルト上に下方向に押し付けるということを除いて、ZN系におけるのと同一の原理が使用される。この系は、若干高粘度の材料での使用に設計されている。しかしながら、再度になるが、市場で現在入手可能な臭素化アニオン重合ポリスチレンの粘度は、系GSにおいて容易に使用可能であるよりも高い。Kaiser Steel Belt Systemsにより提供される第3の系は、現在市販されている臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーで本発明の実施における使用に好適なパスチレーション系Rollomat(登録商標)である。この第3の系は、ギアポンプに匹敵する回転系であり、メルトは、この場合には増加した力の下で回転系から下に存在する移動ベルト上に向けて下方向に流出する。各系において、メルトは、その接続を破壊し、ベルト上を移動する独立の顆粒またはパスチルを形成する前に、ノズルの下端と移動ベルトの上表面の間の空間を横断するように製造者により指示されている。このような装置に関する更なる詳細については、Kaiser SBS GMBH(Magdeburger Str.17,D−47800 Krefeld,Germany,e−mail:info@KAISER−SBS.de;www.KAISER−SBS.de)から現在入手可能な「KAISER Steel Belt Systems−From Melt to Solid」と題する2ページの冊子を参照すべきである。加えて、第3の系の局面は、米国特許第5,198,233号および第5,378,132号に開示されているように考えられる。
【0028】
本発明のもう一つの局面は、臭素化された多量(50重量%以上)のアニオン重合スチレン系ポリマーと少量(50重量%未満)のポリブチレンテレフタレートなどの異なる熱可塑性ポリマーからなる成分の混合物から形成される顆粒またはパスチルの製造において、本発明の工程技術と本発明の実施において使用される同一の装置が使用可能であるという発見である。これまで、一方で添加物無添加の臭素化アニオン重合ポリスチレンをペレット化し、他方で添加物無添加の臭素化アニオン重合ポリスチレンと、ポリブチレンテレフタレートなどのもう一つの熱可塑性ポリマーのブレンドをペレット化するには、異なる方法および装置が使用されなければならなかった。しかしながら、この明細書で述べる方法を使用する場合には、(I)臭素化アニオン重合ポリスチレンなどの臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーと、(II)臭素化アニオン重合ポリスチレンと相溶性である少なくとも1つの熱可塑性ポリマーのブレンドは、同一の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーそれ自身と実質的に同一の方法で加工可能である。結果として、本発明の方法は、>50重量%の(I)と<50重量%の(II)、好ましくは少なくとも70重量%の(I)と30重量%以下の(II)、更に好ましくは少なくとも80重量%の(I)と20重量%以下の(II)を含有するブレンドの形成に適用可能である。通常、上述のように比例配分された、少なくとも90重量%の、好ましくは少なくとも95重量%のブレンドは、(I)および(II)から構成され、残余は、熱安定剤、酸化防止剤、加工助剤、難燃共力剤、潤滑剤、金型離型剤、および類似の機能性添加物などの難燃性熱可塑性ポリマーにおいて普通に使用される1つ以上の添加物である。
【0029】
顆粒またはパスチルの形成において匹敵する粘度の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーとの混和物で使用可能な熱可塑性ポリマーの非限定的な例は、非ハロゲン化スチレン系ポリマー、ポリオレフィン、官能基置換ポリオレフィン系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、およびポリカーボネート−ABS、ポリブチレンテレフタレート−ABS、およびポリフェニレンオキシド−ポリスチレンブレンドなどの熱可塑性ポリマーのブレンドまたはアロイなどの熱可塑性ポリマーを含む。
【0030】
本発明の方法の実施において使用される運転条件は次の通りである。
a)使用される加工温度は、臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーが溶融条件にあるが
、このようなポリマーの熱分解を引き起こすほど高くない温度である。約3000か
ら約40,000の範囲の重量平均分子量の臭素化アニオン重合ポリスチレンについ
ては、約150°から約320℃の範囲の溶融ポリマーの温度が通常である。
b)移動式平面部材(例えば、エンドレススチールベルト)の速度は、分離した個別のパ
スチルが移動ベルト上で形成される速度と釣り合う。
c)Kaiser Steel Belt Systemsから入手可能な系の1つなど
の現時点で入手可能な商用装置を使用する場合、この系は、パスチル化対象の臭素化
アニオン重合ポリマーのメルト粘度での使用に好適なように選択されなければならな
い。
d)移動式平面部材の下表面に施される冷却水または他の冷却液体は、移動する顆粒また
はパスチルが平面部材から取り出す前に充分に固化するように、移動する顆粒または
パスチルに充分な冷却をもたらすのに充分低くなければならない。約4から約50℃
の範囲の温度が通常である。
【実施例】
【0031】
次の実施例を例示の目的で提示する。この実施例は、本発明をその中で開示されている主題事項に限定するように意図されていない。
【0032】
実施例1
Rollormat(登録商標)パスチレーション系(Kaiser Steel Belt Systems)を用いて、ほぼ68%の臭素含量と、10分当り4から35グラムの220℃および2.16キログラム荷重におけるメルトフローを有する臭素化アニオン重合ポリスチレンをパスチレーションにかけた。実質的に均一なパスチルを水冷された移動スチールベルト上で成形し、固化した。物理的性質を決定するために、これらのパスチルの試料を捕集した。
【0033】
実施例2
実施例1に述べた方法で製造される13個のランダムに選択されたパスチルの高さと、選択されたパスチルの破砕強度の両方を測定するために、試験を行った。これらの試験において使用される装置はSintech 1/S装置であった。使用される手順は次を含んでいた。
1)試験を受ける試料から13個のパスチルをランダムに選択し、平らな基盤からドーム
のピークまでの各パスチルの高さを測定する;
2)パスチルのドームのピークが50ポンド荷重セルを取り付けた装置の可動クロスヘッ
ドの直下となり、パスチルの平坦な表面がスチールプレート上にくるように、装置の
固定のパッド無しのスチールプレート上にパスチルを置く。荷重セルに取り付けられ
るのは、下端において平らであり、パスチルのドームのピークと直接に接触するよう
になる、円筒形シャフトである。
3)ドームのピークの0.002インチ以内までクロスヘッドを下げる;
4)パスチルが破砕されるまで装置のモーター駆動のねじ伝動によりクロスヘッドを1分
当り0.2インチの速度で下げる。破砕点で最大荷重が記録され、1インチ当りのポ
ンドでの破砕強度が計算される。試験を受ける試料からの13個のパスチルの各々に
ついて上記の手順を個別に繰り返す。それぞれの13個の場合において最大荷重(ポ
ンドでの)を試験にかけるそれぞれのパスチルの高さ(インチの小数で)で割ること
により、破砕強度を求める。
【0034】
表1は、13個の個別の試験の結果、試験で得られる平均値、試験で得られる値の標準偏差、および試験で得られる最小および最大値を要約する。表1中、スペースを節約するために顆粒またはパスチルを簡単にパスチルと呼ぶ。使用される略称とこれらの完全な意味は次の通りである。in.はインチを表し;lbsはポンドの力を表し;Avg.は平均を表し;Std.Dev.は標準偏差を表し;Min.は最小を表し;ならびにMax.は最大を表す。
【0035】
【表1】

【0036】
比較例A
比較の目的で、ペレットがドーム形状でなく、したがってペレットが最長の寸法を水平位置になるように配列して装置上に置いたことを除いて、同一の市販の臭素化アニオン重合ポリスチレンの13個のランダムに選択された市販のペレットを実施例2におけるのと同一の試験手順にかけた。2005年12月15日公告されたWO2005/118245に述べられている加工法により、これらのペレットを製造した。結果を表2に要約する。
【0037】
【表2】

【0038】
この明細書またはこの特許請求の範囲中で化学名または化学式により呼ばれる成分は、単数あるいは複数で呼ばれようとも、化学名または化学型(例えば、もう一つの成分、溶剤など)により呼ばれるもう一つの物質との接触前に存在する通りに識別される。このような変化、変形および/または反応は、特定の反応物および/または成分を本開示にしたがって要求される条件下で合体することの自然の結果であるので、生成する混合物または溶液または反応媒体中でどのような予備的な化学変化、変形および/または反応が起こっても問題でない。このように、成分は、所望の操作または反応の実施または所望の組成物の形成と関連して一緒に合体されるべき成分として識別される。また、特許請求の範囲は、この明細書中では以降物質、構成成分および/または成分を現在形(「含んでなる」、「である」、など)で呼ぶが、物質、構成成分および/または成分は、1つ以上の他の物質、構成成分および/または成分とこの開示にしたがって最初に接触、ブレンドまたは混合した直前の時点で存在した通りに呼ばれる。物質、構成成分または成分が接触、ブレンドまたは混合の操作時に化学反応あるいは変換により元来の同一性を喪失しているかもしれないという事実は、この開示および化学者の通常の技量にしたがって行われるものであれば、実際的には重要でない。
【0039】
この明細書の任意の部分で参照されている各々および全ての特許または刊行物は、この明細書中で完全に説明されているように、参照によりこの開示中に全部組み込まれている

【0040】
本発明は、この実施においてかなりの変形を受ける。それゆえ、前出の説明は、本発明をこの明細書中上記で提示される特別な例示に限定すると意図されているものでなく、限定的であるものと考えられるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却された移動式平面部材に近接したマニホールドまたはノズル中の少なくとも1つのオリフィスから下方向に配向したプラグフローを形成すること、前記平面部材が冷却液体に対して不透過性で、上表面と下表面を有し、オリフィスの下部と前記上表面の間に間隙が存在して、溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーのプラグの少なくとも一部が(i)前記間隙を架橋し、前記平面部材の上表面上で分離した個別の顆粒またはパスチルを形成するか、あるいは(ii)オリフィスの下部から自由に落下し、前記平面部材の上表面上に落下し、平面部材の上表面上で個別の顆粒またはパスチルを形成し、前記移動部材が前記平面部材の下表面と接触する冷却液体のミストまたはスプレーにより冷却されることを含んでなる、添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの顆粒またはパスチルを製造する方法。
【請求項2】
前記移動式平面部材が冷却液体に対して不透過性のエンドレスベルトである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エンドレスベルトがスチールベルトである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの前記プラグの少なくとも一部が前記間隙を架橋し、前記平面部材の上表面上で分離した個別の顆粒またはパスチルを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの前記プラグの少なくとも一部がオリフィスの下部から自由に落下し、前記平面部材の上表面上に落下し、平面部材の上表面上で個別の顆粒またはパスチルを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(a)溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの前記プラグの少なくとも一部が前記間隙を架橋し、前記平面部材の上表面上で分離した個別の顆粒またはパスチルを形成し;もしくは
(b)溶融した添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの前記プラグの少なくとも一部がオリフィスの下部から自由に落下し、前記平面部材の上表面上に落下し、平面部材の上表面上で個別の顆粒またはパスチルを形成し;
(a)と(b)が交互して、もしくはランダムに起きる、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
冷却液体の前記ミストまたはスプレーが冷却水のミストまたはスプレーである、請求項1−6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記平面部材の上表面の上で分離した個別の顆粒またはパスチルが形成される領域の下の前記平面部材の下表面に冷却水の前記ミストまたはスプレーが施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(i)少なくとも約50重量%の臭素含量、(ii)少なくとも0.2インチの平均粒子長、および1インチ当り少なくとも40ポンドの平均破砕強度を有する、添加物無添加の臭素化アニオン重合スチレン系ポリマーの固化した顆粒またはパスチル。
【請求項10】
前記臭素含量が少なくとも約60重量%である、請求項9に記載の固化した顆粒またはパスチル。
【請求項11】
前記臭素含量が約67から約71重量%の範囲にある、請求項9に記載の固化した顆粒
またはパスチル。
【請求項12】
前記平均破砕強度が1インチ当り少なくとも45ポンドである、請求項9に記載の固化した顆粒またはパスチル。
【請求項13】
前記平均破砕強度が1インチ当り少なくとも45ポンドである、請求項10に記載の固化した顆粒またはパスチル。
【請求項14】
前記平均破砕強度が1インチ当り少なくとも45ポンドである、請求項11に記載の固化した顆粒またはパスチル。
【請求項15】
前記固化した顆粒またはパスチルが概ねドーム形状の構造を有する、請求項9−14のいずれか1項に記載の固化した顆粒またはパスチル。

【公表番号】特表2010−511074(P2010−511074A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538430(P2009−538430)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/073804
【国際公開番号】WO2008/066970
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】