貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システム
【課題】遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることを課題とする。
【解決手段】会員管理装置10は、携帯端末100に課す再プレイ手数料を会員カードに課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、このようにして優遇設定を行った再プレイ手数料を携帯端末100を用いた再プレイ処理に適用することで、遊技客が会員または非会員であるかを問わず、携帯会員への会員登録のインセンティブを高めることとしている。
【解決手段】会員管理装置10は、携帯端末100に課す再プレイ手数料を会員カードに課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、このようにして優遇設定を行った再プレイ手数料を携帯端末100を用いた再プレイ処理に適用することで、遊技客が会員または非会員であるかを問わず、携帯会員への会員登録のインセンティブを高めることとしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店では、該遊技店の会員を遊技客から募り、会員登録を希望した会員に対して会員カードを発行するとともに、この会員カードを利用した貯玉・貯メダルサービスやメールによる情報通知サービス等を行っている。
【0003】
具体的には、遊技客が、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申込用紙を遊技店の係員に渡して会員登録を要求すると、遊技店の係員は、この遊技客の個人情報を管理装置に登録するとともに、会員を特定するためのユニークな識別情報(会員ID)が記録された会員カードを会員に発行する。
【0004】
このようにして会員カードを取得した各会員は、特許文献1等に記載されるように、獲得したパチンコ玉やメダルを貯玉・貯メダルするとともに、この貯玉・貯メダルを後日再プレイしたり、景品に交換することができる。
【0005】
また、最近では、手軽な会員登録を促進する観点から、多数の遊技客が所有する携帯電話機やPHS等の携帯端末に内蔵されるICチップ固有の識別情報(ICチップ識別情報)を管理装置に登録させ、かかる携帯端末を会員カードの代わりに使用させる仕組みが考えられている。
【0006】
この携帯電話等を会員カードの代わりに使用する仕組みを現状の貯玉・貯メダルシステムに適用すると、会員カードを使用するカード会員と、携帯端末を会員カードとして使用する携帯会員とが併存することになる。
【0007】
【特許文献1】特開2003−210818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、遊技客が携帯端末を用いて会員登録する場合には、会員所有の携帯端末を会員特定媒体として機能させるので会員カード等の店側付与会員特定媒体を準備する必要はないが、遊技店が会員カード等の店側付与会員特定媒体を発行する場合には、その費用を遊技店が負担せねばならず、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用がかさんでしまうという問題がある。
【0009】
このことから、会員カード等の店側付与会員特定媒体に加えて携帯端末を会員特定媒体として使用させる場合に、携帯端末を用いた会員登録をいかにして促進するかが重要な課題となっている。
【0010】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることができる貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置であって、前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行手段と、前記設定実行手段によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を前記店側付与会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、前記引落し処理手段は、前記設定実行手段によって優遇設定が行われた再プレイ手数料を前記所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理に適用することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記貯遊技媒体管理装置に本登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を前記貯遊技媒体管理装置に仮登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体だけが本登録されている際に該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該店側付与会員特定媒体もしくは所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている場合に、該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、前記貯遊技媒体管理装置に前記所有物代用会員特定媒体だけが本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、所定期間において再プレイ処理を許容する貯遊技媒体数の上限を表す再プレイ上限数の優遇設定であって、前記店側付与会員特定媒体に許容する再プレイ上限数よりも前記所有物代用会員特定媒体に許容する再プレイ上限数を優遇する設定を行い、前記引落し処理手段は、前記所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理が行われる場合に、前記設定実行手段によって優遇設定が行われた再プレイ上限数を適用することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理方法は、遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置に適用する貯遊技媒体管理方法であって、前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行工程と、前記設定実行工程によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理工程とを含んだことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理システムは、遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置と、前記貯遊技媒体の払出し処理を行う貯遊技媒体払出処理端末と有する貯遊技媒体管理システムであって、前記貯遊技媒体管理装置は、前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行手段と、前記貯遊技媒体払出処理端末から前記店側付与会員特定媒体あるいは前記所有物代用会員特定媒体のいずれかの会員特定媒体を用いた引落し要求を受け付けた場合に、前記設定実行手段によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理手段とを備え、前記貯遊技媒体払出処理端末は、前記貯遊技媒体の引落し指示を受け付ける入力手段と、前記店側付与会員特定媒体を読み取る店側付与会員特定媒体読取手段と、前記所有物代用会員特定媒体を読み取る所有物代用会員特定媒体読取手段と、遊技媒体の払出し処理を行う遊技媒体払出処理手段と前記店側付与会員特定媒体あるいは前記所有物代用会員特定媒体から読み取った情報を含む引落し要求を貯遊技媒体管理装置へ送信し、前記貯遊技媒体管理装置からの引落し完了通知を受け付けたことを条件に、前記遊技媒体払出処理手段によって遊技媒体の払出し処理を行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体の間で貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行っておき、会員特定媒体ごとに行った設定に従って貯遊技媒体の引落し処理を実行するように構成したので、携帯端末を用いた会員登録を促進することができ、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができる結果、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を店側付与会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、優遇設定を行った再プレイ手数料を所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理に適用するように構成したので、会員にとって実益の大きい再プレイ手数料が優遇される結果、携帯端末を用いた会員登録を効果的に促進することができる。このため、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができ、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置に本登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を貯遊技媒体管理装置に仮登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行うように構成したので、仮登録で簡易な属性情報の登録しか行っていない仮会員と本登録で詳細な属性情報の登録を行った携帯会員との間で差別化を図ることができ、仮会員に本会員への登録をより強く喚起することが可能になるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置に店側付与会員特定媒体だけが本登録されている際に該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、貯遊技媒体管理装置に店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該店側付与会員特定媒体もしくは所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うように構成したので、たとえば会員カード等の店側付与会員特定媒体だけを用いるカード会員であれば、既に本登録が行われているので携帯端末固有の携帯端末識別情報を登録するだけでマルチ会員に移行することができることから、かかる手軽な携帯端末識別情報の追加登録の有無での得失を設けることで、いち早くマルチ会員になるべきとのインセンティブを与えることが可能になるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置に店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体が本登録されている場合に、該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うように構成したので、会員カードなどの店側付与会員特定媒体及び携帯端末等の所有物代用会員特定媒体の両方を利用することができるマルチ会員に携帯端末を優先して利用させることができ、携帯端末の店内利用を促進することが可能になるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置に店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、貯遊技媒体管理装置に所有物代用会員特定媒体だけが本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うように構成したので、会員カードなどの店側付与会員特定媒体及び携帯端末等の所有物代用会員特定媒体の両方を利用することができるマルチ会員よりも携帯会員を優遇する結果、マルチ会員に会員カード利用の凍結を促進させることができ、ひいては携帯端末のインターフェースのみを持つ貯遊技媒体管理システムへの移行をより円滑に進めることが可能になるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、所定期間において再プレイ処理を許容する貯遊技媒体数の上限を表す再プレイ上限数の優遇設定であって、店側付与会員特定媒体に許容する再プレイ上限数よりも所有物代用会員特定媒体に許容する再プレイ上限数を優遇する設定を行い、所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理が行われる場合に、優遇設定を行った再プレイ上限数を適用するように構成したので、遊技媒体の買い単価と売り単価が異なる場合などに再プレイ遊技をより割安で継続するために携帯会員への会員登録のインセンティブを高めることができ、携帯端末を用いた会員登録を効果的に促進することができる。このため、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができ、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置が、店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体の間で貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行い、貯遊技媒体払出処理端末から店側付与会員特定媒体あるいは所有物代用会員特定媒体のいずれかの会員特定媒体を用いた引落し要求を受け付けた場合に、会員特定媒体ごとに行われた設定に従って貯遊技媒体の引落し処理を実行し、貯遊技媒体払出処理端末が、貯遊技媒体の引落し指示を受け付け、店側付与会員特定媒体あるいは所有物代用会員特定媒体を読み取り、店側付与会員特定媒体あるいは所有物代用会員特定媒体から読み取った情報を含む引落し要求を貯遊技媒体管理装置へ送信し、貯遊技媒体管理装置からの引落し完了通知を受け付けたことを条件に、遊技媒体の払出し処理を行うように構成したので、携帯端末を用いた会員登録を促進することができ、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができる結果、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
【実施例1】
【0029】
まず、本実施例に係る会員管理装置(貯玉管理装置)を含む会員管理システムの概要を説明する。この会員管理システムは、後述する会員管理装置に登録処理された会員に貯玉サービスを提供するものであり、会員個人を特定する媒体として会員カード及び携帯端末を用いる。
【0030】
かかる会員の種類としては、大別して3種類の本会員、すなわち会員カードだけを店内使用できるカード会員、携帯端末だけを店内使用できる携帯会員及び会員カード及び携帯端末の両方を店内使用できるマルチ会員が存在する。
【0031】
これらカード会員、携帯会員及びマルチ会員などの本会員に加入するには、氏名、住所や電話番号などの個人に密接した属性情報(以下、詳細属性情報と言う)を会員管理装置に登録処理することを要件としている。なお、ここで言う本会員への登録は、特許請求の範囲における「本登録」と同義である。
【0032】
その一方で、本実施例では、会員数の増加を目的として、上記の本会員よりも登録処理を簡略化にした仮会員を認めている。この仮会員には、携帯端末に搭載されるICチップ固有の識別情報(例えば、IDmなど)、暗証番号や生年月日などの簡易属性情報を会員管理装置に登録処理するだけで加入することができることとしている。なお、ここで言う仮会員への登録は、特許請求の範囲における「仮登録」と同義である。
【0033】
このように、本実施例に係る会員管理システムは、会員特定媒体として会員カード及び携帯端末を使用させるとともに、仮会員、カード会員、携帯会員及びマルチ会員の4種類の会員を採用することを概要とする。
【0034】
続いて、本実施例に係る会員管理システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る会員管理システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この会員管理システム1には、会員が保有する貯玉残高や属性情報などの会員情報を管理する会員管理装置10と、島コントローラ20と、カード処理ユニット(以下、CRユニットと称す)30と、パチンコ機40と、会員登録用端末50と、計数機60と、会員カード処理機70とが設けられている。
【0035】
そして、会員管理装置10には、会員登録用端末50、会員カード処理機70及び島コントローラ20が接続されており、島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機40にそれぞれに併設されたCRユニット30が接続されており、会員カード処理機70には、パチンコ玉数を計数する計数機60が接続されている。
【0036】
島コントローラ20は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のCRユニット30及びパチンコ機40を束ねる中継装置である。
【0037】
パチンコ機40は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
【0038】
CRユニット30は、各プリペイドカードの残度数等を管理する図示しないプリペイドカード管理装置と各パチンコ機40との間に介在し、プリペイドカード管理装置に対してプリペイドカードの残度数の問い合わせや玉貸し要求を行うとともに、残度数がある場合にパチンコ機40に対して玉貸し指示を行う装置である。なお、本実施例では、プリペイドカードに係る処理にその特徴はないため、以下ではプリペイドカードに関する説明を省略する。
【0039】
また、このCRユニット30は、会員カード又は携帯端末100を受け付けて会員管理装置10に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能を有する。具体的には、会員カードを挿入するか、或いは携帯端末100を図示しないリーダライタの読み取り部にかざして再プレイ操作を行うと、会員管理装置10が記憶管理する貯玉残高から再プレイ分の玉数(以下、再プレイ玉数と称す)を減算するとともに、パチンコ機40に対して玉投出指示を行う。このように、かかるCRユニット30は、会員カードだけでなく、携帯端末100を用いた再プレイにも対応している。
【0040】
このCRユニット30の構成を図2を用いて具体的に説明する。図2は、実施例1に係るCRユニットの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このCRユニット30は、入力部31と、表示部32と、I/F部33aと、台I/F部33bと、カード読取部34と、携帯(IDm)読取部35と、玉投出機構36と、紙幣処理部37と、記憶部38と、制御部39とを有する。
【0041】
入力部31は、図示しないテンキーをはじめ、玉貸し要求を行う玉貸ボタン、カード返却要求を行うカード返却ボタン、再プレイ要求(貯玉引落し要求)を行う再プレイボタン等の各種操作ボタン群の総称である。表示部32は、CRユニット30の運用可否や係員呼出しの可否等の状態表示を行う状態表示部、プリペイド残度数や貯玉数等の貸出や再プレイに係る各種表示を行う情報表示部などの総称である。
【0042】
I/F部33aは、図1に示した会員管理装置10、島コントローラ20などの他の装置の間で各種通信の制御を行うインターフェースである。また、台I/F部33bは、当該CRユニット30に併設されるパチンコ機40との間で各種通信(例えば、玉貸し要求や玉投出指示などの)の制御を行うインターフェースである。
【0043】
カード読取部34は、図示しないカード挿入口から挿入された各種カードからカードの記録情報を読み取る処理部である。このカード読取部34は、たとえばプリペイドカードや会員カードなどのカードから当該カードに記録された情報を読み取る。
【0044】
携帯(IDm)読取部35は、携帯端末100に内蔵されたICチップとの間でデータ通信を行う装置である。具体的には、携帯端末100内のICチップに組み込まれたアンテナコイルに弱電波を送信すると、ICチップではアンテナコイルにより発電が行われてデータ通信が可能となり、これにより携帯端末100固有の識別情報(例えば、ICチップの製造番号である「IDm」)などを取得する。
【0045】
玉投出機構36は、パチンコ玉の投出を行う機構であり、後述する制御部39に内在する再プレイ処理部39bからの指示に基づき、引落し玉数分のパチンコ玉をノズルを介してパチンコ機40の上皿に投出する。
【0046】
紙幣処理部37は、紙幣挿入口に挿入された紙幣の金種を識別する処理部であり、識別した挿入紙幣の金種を制御部39に出力する。なお、挿入紙幣が偽造紙幣である場合には、当該紙幣を返却する。
【0047】
記憶部38は、制御部39による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
【0048】
制御部39は、CRユニット30を全体制御する制御部であり、玉貸し処理部39aと、再プレイ処理部39bとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、玉貸し処理部39a及び再プレイ処理部39bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0049】
玉貸し処理部39aは、プリペイド残度数の減算依頼を図示しないカード管理装置に行うとともに、該減算の完了を条件にパチンコ機40に玉投出指示を行う処理部である。具体的には、台I/F部33bとパチンコ機40内の通信I/F部(図示せず)との両者の間でCRユニット30による1度の玉投出指示で所定数(例えば、25個=100円)のパチンコ玉をパチンコ機40が投出するという規定が設定されており、挿入中のプリペイドカードの残度数から貸出単位金額相当の度数が減算されると、当該度数に相当する回数の玉投出指示をパチンコ機40に行い、パチンコ機40に貸出単位金額分のパチンコ玉(この例では、5度数分の125個)を投出させる。
【0050】
再プレイ処理部38bは、貯玉引落し依頼を会員管理装置10に行うとともに、該引落しの完了通知を受け付けたことを条件に、玉投出機構36に玉投出指示を行う処理部である。具体的には、入力部31で貯玉引落し操作を受け付けた場合に、暗証番号の入力をさらに受け付け、カード読取部34によって会員カードから会員IDが読み取られるか、或いは携帯読取部35によって携帯端末100からIDmが読み取られると、会員ID又はIDmと暗証番号とを含む貯玉引落し依頼を会員管理装置10に行う。そして、会員管理装置10から引落し完了通知を受け付けた場合には、会員管理装置10における引落し玉数分の再プレイ玉を玉投出機構36に投出させる。
【0051】
図1の説明に戻り、会員登録用端末50は、本会員に加入するための会員登録を受け付ける端末装置である。例えば、会員申込用紙への記入を通じて会員登録が要求されると、遊技店の係員は、イメージスキャナによる読取操作やキーボード操作を通じて会員申込用紙に記載の詳細属性情報をデータ入力し、該データ入力した詳細属性情報を会員管理装置10に登録させる。このとき、カード会員への会員登録である場合には、会員を特定するためのユニークな識別情報(会員ID)が記録された会員カードを新カード会員に発行するとともにその会員IDを会員管理装置10に登録させ、また、携帯会員への会員登録である場合には、図示しないリーダライタを介して携帯端末100のIDmを読み取って会員管理装置10に登録させる。
【0052】
また、この会員登録用端末50は、非会員から本会員への登録の他、仮会員から本会員(携帯会員またはマルチ会員)への格上げ登録、カード会員からマルチ会員への追加登録、詳細は後述するが、マルチ会員から携帯会員に会員カードの利用を発展的に凍結する登録を行う。なお、非会員から仮会員への仮登録を行うこともできるが、かかる仮登録は後述する会員カード処理機70で計数貯玉と併せて行うことが多い。
【0053】
計数機60は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を会員カード処理機70に出力する。なお、本実施例では、計数機60はパチンコ玉の計数機能のみを有することとし、計数結果がバーコード印字された計数レシートを発行する印字機能、並びに、会員管理装置10にて記憶管理される貯玉残高に計数結果の一部または全部を貯玉加算させる計数貯玉機能は、後述する会員カード処理機70が有することとする。
【0054】
会員カード処理機70は、携帯端末100を用いた仮会員登録や登録済み会員による貯玉を行う際に利用される会員用端末装置であり、会員カードに記録した会員IDを読み取るカードリーダと携帯端末100から会員ID(正確には後述するIDm)を読み取るリーダライタを備えている。なお、本実施例では、携帯端末100を会員特定媒体として利用する場合に、携帯端末100内のICチップに保持されているユニークな識別情報、たとえばICチップの製造番号である「IDm」を会員識別情報として流用することとしている。
【0055】
この会員カード処理機70で仮登録を行う場合には、リーダライタを介して携帯端末100からIDmを読み取り、当該IDmが会員管理装置10に登録されていなければ、暗証番号及び生年月日などの簡易属性情報の入力をさらに受け付け、IDm、暗証番号及び簡易属性情報の登録を会員管理装置10に依頼する。そして、会員管理装置10から仮登録完了応答が通知されると、登録日時や仮会員規約などの情報が印字された仮会員登録レシートを発行する。なお、かかる仮会員登録レシートを発行する理由は、仮会員が携帯端末100を紛失又は機種変更する際に、正確な本人であることを証明可能とするためである。
【0056】
この会員カード処理機70で計数貯玉を行う場合には、遊技客または係員から計数貯玉操作を受け付け、さらにリーダライタを介して読み取った携帯端末100のIDmが会員管理装置10に登録済みであることを問合せ確認し、そのIDmが登録済みであれば(少なくとも仮会員であれば)、当該IDmに対応する貯玉口座の貯玉残高に計数値の一部または全部を加算するように会員管理装置10に依頼する。なお、ここでは計数貯玉するケースだけを説明したが、計数機60から出力された計数値を関連付けた計数レシートを発行することもできる。
【0057】
会員管理装置10は、後述する会員管理テーブル14aを用いて本会員及び仮会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブル14aは、会員ID、IDm、貯玉残高を対応付けて記憶している。そして、会員カード処理機70から貯玉加算依頼を受け付けた場合には、会員IDまたはIDmに対応する貯玉口座内の貯玉残高を加算処理し、一方、CRユニット30から貯玉引落し依頼を受け付けた場合には、会員IDまたはIDmに対応する貯玉口座内の貯玉残高を減算処理する。なお、本実施例では、再プレイに手数料を課すこととし、再プレイ玉数を貯玉残高から引き落とす際に再プレイ手数料を併せて引き落とすこととしている。
【0058】
ここで、本実施例では、会員カード及び携帯端末100の間で貯玉の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行い、これら会員特定媒体ごとに行った設定に従って貯玉の引落し処理を実行する点にその特徴がある。
【0059】
すなわち、本実施例では、携帯端末100に課す再プレイ手数料を会員カードに課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、このようにして優遇設定を行った再プレイ手数料を携帯端末100を用いた再プレイ処理に適用することで、図3に示すように、携帯端末100を利用して再プレイを行った場合の方が会員カードを利用して再プレイを行った場合よりも利益が大きくなる環境を構築した。
【0060】
これによって、非会員においては、仮会員、携帯会員もしくはマルチ会員への登録を行うインセンティブを向上させ、カード会員においては、マルチ会員への追加登録を行うインセンティブを向上させることができる。このため、遊技客が会員または非会員であるかを問わず、携帯会員への会員登録のインセンティブを高めることができる。
【0061】
したがって、本実施例では、携帯端末を用いた会員登録を促進することができ、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができる結果、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になる。
【0062】
また、本実施例では、携帯会員への会員登録のみならず、会員カード及び携帯端末100の両方を利用可能なマルチ会員においては、携帯端末100の店内利用のインセンティブを向上させることもできる。
【0063】
このことから、マルチ会員において会員カードの利用を凍結するカード凍結登録、たとえば会員カードの利用をロックする運用を採用し、マルチ会員を携帯会員に移行させることができれば、最終的には遊技客全体を携帯会員に誘導することができ、携帯端末だけを会員特定媒体として利用させる会員管理システムへのシステム移行を支援することもできる。
【0064】
かかるシステム移行を実現すれば、会員カード及び携帯端末100の両方のインターフェースが設けられたCRユニット30、会員カード処理機70やその他図示しない各種の店内機器を導入する必要がなくなり、その結果、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用をより大幅に低減することも可能になる。
【0065】
さらに、本実施例では、携帯端末に課す再プレイ手数料を優遇するので、携帯端末を用いた再プレイ遊技の絶対数を増加させることができ、遊技台の稼働率および遊技での貯玉の回収率を向上させることもできる。
【0066】
次に、本実施例に係る会員管理装置の構成について説明する。図4は、実施例1に係る会員管理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この会員管理装置10は、入力部11と、表示部12と、通信I/F部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0067】
入力部11は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部12は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイスである。また、通信I/F部13は、島コントローラ20、CRユニット30、会員登録用端末50及び会員カード処理機70との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0068】
記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、例えば、会員が保有する貯玉残高や属性情報などの会員情報を管理する会員管理テーブル14aと、会員区分ごとの再プレイ手数料を管理する再プレイ手数料管理テーブル14bとを併せて記憶する。
【0069】
会員管理テーブル14aは、会員IDまたはIDmごとに会員区分、貯玉残高、暗証番号および属性情報を記憶するテーブルである。図5に示すように、仮会員の会員識別情報としてIDm、カード会員の会員識別情報として会員ID、マルチ会員の会員識別情報として会員ID及びIDm、携帯会員の会員識別情報としてIDmを記憶している。なお、本実施例では、すべての会員区分の会員情報を1つのテーブルで管理することとしたが、会員区分ごとにテーブルを個別に分けてもかまわない。
【0070】
再プレイ手数料管理テーブル14bは、会員区分ごとにカード利用時の再プレイ手数料、携帯端末時の再プレイ手数料を記憶するテーブルである。図6に示す例では、100個の再プレイ玉数を引き落とすにあたっての再プレイ手数料を示しており、仮会員が携帯端末を利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として15個徴収し、カード会員が会員カードを利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として20個徴収し、マルチ会員が会員カードを利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として15個徴収し、マルチ会員が携帯端末を利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として10個徴収し、また、携帯会員が携帯端末を利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として5個徴収することを示している。
【0071】
制御部15は、会員管理装置10を全体制御する制御部であり、会員登録処理部15aと、貯玉加算部15bと、優遇設定実行部15cと、貯玉引落し部15dとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、会員登録処理部15a、貯玉加算部15b、優遇設定実行部15c及び貯玉引落し部15dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0072】
会員登録処理部15aは、各会員区分についての会員登録を行う処理部である。例えば、会員カード処理機70から仮会員への登録依頼を受け付けた場合には、会員管理テーブル14aに未登録のIDmであることを確認した後に、当該登録依頼に含まれるIDm、暗証番号及び簡易属性情報を会員管理テーブル14aに登録し、会員登録用端末50からカード会員への登録依頼を受け付けた場合には、当該登録依頼に含まれる会員ID、暗証番号及び詳細属性情報を会員管理テーブル14aに登録し、また、会員登録用端末50から携帯会員への登録依頼を受け付けた場合には、当該登録依頼に含まれるIDm、暗証番号及び詳細属性情報を会員管理テーブル14aに登録する。なお、仮会員から本会員(携帯会員またはマルチ会員)への格上げ登録、カード会員からマルチ会員への追加登録についても同様にして行う。
【0073】
貯玉加算部15bは、会員管理テーブル14aを用いて、会員の貯玉残高に対する加算更新を行う処理部である。具体的には、会員カード処理機70から貯玉加算依頼(計数貯玉依頼)を受け付けた場合に、貯玉加算依頼に含まれる会員IDまたはIDmに対応する貯玉口座内の貯玉残高に計数値などの加算依頼玉数を加算処理する。
【0074】
優遇設定実行部15cは、携帯端末100に課す再プレイ手数料を会員カードに課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行う処理部である。具体的には、入力部11を介して再プレイ手数料の設定要求を受け付けた場合に、操作者によって各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料が入力されるが(図9参照)、このようにして入力を受け付けた各会員区分の利用形態ごとの再プレイ手数料が予め定められた優遇ポリシーに合致しているか否かを判定する。そして、優遇ポリシーに合致している場合には、再プレイ手数料を再プレイ手数料管理テーブル14bに設定登録し、また、優遇ポリシーに合致していない場合には、合致しない部分及びその理由を表示部12に表示させて再度の入力を受け付ける(図10参照)。
【0075】
より具体的には、カード会員が会員カードを利用する場合よりも仮会員が携帯端末100を利用する場合の再プレイ手数料を優遇するというポリシー(1)、仮会員に課す再プレイ手数料よりも携帯会員に課す再プレイ手数料を優遇するというポリシー(2)、カード会員が会員カードを利用する場合の再プレイ手数料よりもマルチ会員が会員カードもしくは携帯端末100を利用する場合の再プレイ手数料を優遇するというポリシー(3)、マルチ会員が会員カードを利用する場合よりもマルチ会員が携帯端末100を利用する場合の再プレイ手数料を優遇するというポリシー(4)、マルチ会員が携帯端末100を利用する場合よりも携帯会員が携帯端末100を利用する場合の再プレイ手数料を優遇するというポリシー(5)などを定めておき、入力部11を介して受け付けた各会員区分における再プレイ手数料がポリシー(1)〜(5)全てに合致するか否かを判定する。
【0076】
ポリシー(1)を採用することとしたのは、本会員であっても会員カードしか利用しないカード会員よりもあえて仮会員を優遇することで、カード会員に携帯端末100のIDmの登録をより強く喚起するためである。
【0077】
ポリシー(2)を採用することとしたのは、簡易な属性情報の登録しか行っていない仮会員と詳細な属性情報の登録を行った携帯会員との間で差別化を図ることで、仮会員に本会員への登録をより強く喚起するためである。このようにして本会員の絶対数を増加することができれば、本会員に対して各種情報の発信等を行って集客効率等を高めることができるとともに、会員を固定客化して遊技店の安定的な運営を図ることができる。
【0078】
ポリシー(3)を採用することとしたのは、既に詳細属性情報の登録を行っているカード会員であれば携帯端末100のIDmを登録するだけでマルチ会員に移行することができることから、かかる手軽なIDmの追加登録の有無での得失を設けることで、いち早くマルチ会員になるべきとのインセンティブを与えるためである。
【0079】
ポリシー(4)を採用することとしたのは、会員カード及び携帯端末100の両方を利用することができるマルチ会員に携帯端末100を優先して利用させることで、携帯端末100の店内利用を促進するためである。
【0080】
ポリシー(5)を採用することとしたのは、より多くの情報登録を行っているマルチ会員よりも携帯会員を優遇することで、マルチ会員に会員カード利用の凍結を促進させ、ひいては携帯端末のインターフェースのみを持つ会員管理システムへの移行をより円滑に進めるためである。
【0081】
例えば、図7に示すように、カード会員のカード利用時の再プレイ手数料に比べて仮会員の携帯利用時並びにマルチ会員のカード利用時の再プレイ手数料の割引高を5個多くし、仮会員の携帯利用時並びにマルチ会員のカード利用時の再プレイ手数料に比べてマルチ会員の携帯利用時の再プレイ手数料の割引高をさらに5個多くし、また、マルチ会員の携帯利用時の再プレイ手数料に比べて携帯会員の携帯利用時の再プレイ手数料の割引高をさらに5個多くすることで、上記のポリシー(1)〜(5)に合致する再プレイ手数料を会員区分及び利用形態ごとに設定することができ、ポリシー(1)〜(5)のメリットを纏めて享受することが可能になる。
【0082】
貯玉引落し部15dは、会員管理テーブル14aを用いて、会員の貯玉残高に対する引落し更新(減算更新)を行う処理部である。具体的には、会員管理テーブル14aに登録された暗証番号がCRユニット30の操作部を通じて入力された場合に、貯玉引落し依頼に含まれる会員IDまたはIDmから会員区分を特定し、該特定した会員区分に対応する再プレイ手数料を再プレイ手数料管理テーブル14bから読み出し、当該会員IDまたはIDmに対応する貯玉残高が再プレイ玉数及び再プレイ手数料の合算値以上である場合に、貯玉残高から再プレイ玉数及び再プレイ手数料を引き落とし、依頼元のCRユニット30に引落し完了通知を返信する。
【0083】
次に、本実施例に係る会員管理装置の処理の流れを説明する。なお、ここでは、会員管理装置の優遇設定実行部15cによって行われる(1)再プレイ手数料の優遇設定処理を説明してから、CRユニット30によって行われる貯玉払出し処理及び会員管理装置によって行われる貯玉引落し処理を(2)再プレイ処理として併せて説明することとする。
【0084】
(1)再プレイ手数料の優遇設定処理
前述したように、ここでは、本実施例に係る再プレイ手数料の優遇設定処理について説明する。図8は、実施例1に係る再プレイ手数料の優遇設定処理の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、再プレイ手数料の設定要求を受け付けると(ステップS101肯定)、優遇設定実行部15cは、図9に示す再プレイ手数料の設定画面を表示部12に表示させ、該設定画面上で入力部11のポインティングデバイスやテンキーなどを介して各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料の入力を受け付ける(ステップS102)。
【0085】
ここで、優遇設定実行部15cは、入力部11を介して受け付けた各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料が予め定められた優遇ポリシーに合致しているか否かを判定する(ステップS103)。
【0086】
このとき、各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料がすべての優遇ポリシーに合致しない場合(ステップS103否定)に、優遇設定実行部15cは、優遇ポリシーに合致しない部分及びその理由を表示部12に表示させ(ステップS104)、優遇ポリシーに合致するまで(ステップS103肯定)、各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料の入力を再び受け付ける(ステップS102)。
【0087】
例えば、図10に示す例では、マルチ会員の会員カード利用時の再プレイ手数料とマルチ会員の携帯端末利用時の再プレイ手数料との関係が上記のポリシー(4)に合致しないので、その旨をメッセージ表示するとともに、合致しない部分の入力値を反転表示している。
【0088】
一方、各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料がすべての優遇ポリシーに合致した場合(ステップS103肯定)に、優遇設定実行部15cは、再プレイ手数料を再プレイ手数料管理テーブル14bに設定登録し(ステップS105)、処理を終了する。
【0089】
(2)再プレイ処理
次に、図11及び図12を用いて、本実施例に係る再プレイ処理について説明する。図11は、実施例1に係る貯玉払出し処理の手順を示すフローチャートであり、また、図12は、実施例1に係る貯玉引落し処理の手順を示すフローチャートである。
【0090】
図11に示すように、CRユニット30の再プレイ処理部39bは、入力部31を介して貯玉引落し操作を受け付けると(ステップS201肯定)、入力部31のテンキーを介して暗証番号の入力をさらに受け付ける(ステップS202肯定)。
【0091】
続いて、会員カードの挿入操作が行われることによりカード読取部34によって会員カードから会員IDが読み取られると(ステップS203肯定)、再プレイ処理部39bは、入力を受け付けた暗証番号や会員カードから読み取った会員IDを記憶部38に格納し(ステップS204)、併設されるパチンコ機40の台番号、会員ID、暗証番号及び引落し依頼電文を含む貯玉引落し依頼を会員管理装置10に送信する(ステップS205)。
【0092】
また、携帯端末100の近接操作が行われることにより携帯読取部35によって携帯端末100からIDmが読み取られると(ステップS207肯定)、再プレイ処理部39bは、入力を受け付けた暗証番号や携帯端末100から読み取ったIDmを記憶部38に格納し(ステップS204)、併設されるパチンコ機40の台番号、IDm、暗証番号及び引落し依頼電文を含む貯玉引落し依頼を会員管理装置10に送信する(ステップS205)。
【0093】
ここで、この貯玉引落し依頼を受け付けた会員管理装置10における貯玉引落し処理を図12を用いて説明する。図12に示すように、CRユニット30から再プレイに伴う貯玉引落し依頼を受け付けた場合(ステップS301肯定)に、会員管理装置10の貯玉引落し部15dは、会員管理テーブル14aによって該当会員IDまたは該当IDmに対応付けて記憶された暗証番号を参照して、CRユニット30で受け付けられた暗証番号が会員管理テーブル14aに登録されている暗証番号と一致するか否かを判定する(ステップS302)。
【0094】
このとき、両暗証番号が一致しなかった場合(ステップS302否定)には、貯玉引落し部15dは、両暗証番号の不一致であることが原因で引落し不能である旨を依頼元のCRユニット30に返信し(ステップS303)、処理を終了する。
【0095】
一方、両暗証番号が一致した場合(ステップS302肯定)には、貯玉引落し部15dは、貯玉引落し依頼に含まれる会員IDまたはIDmから会員区分を特定し(ステップS304)、該特定した会員区分に対応する再プレイ手数料を再プレイ手数料管理テーブル14bから読み出し(ステップS305)、当該会員IDまたはIDmに対応する貯玉残高が再プレイ玉数及び再プレイ手数料の合計値以上であるか否かを判定する(ステップS306)。なお、ここで言う「会員区分」の特定には、仮会員、カード会員、携帯会員、マルチ会員の会員区分に加え、マルチ会員が携帯端末を使用したのか或いは会員カードを使ったかの判定も含まれることとする。
【0096】
このとき、貯玉残高が再プレイ玉数及び再プレイ手数料の合計値に満たなかった場合(ステップS306否定)には、貯玉引落し部15dは、残高不足が原因で引落し不能である旨を依頼元のCRユニット30に返信し(ステップS303)、処理を終了する。
【0097】
また、貯玉残高が再プレイ玉数及び再プレイ手数料の合計値以上であった場合(ステップS306肯定)には、貯玉引落し部15dは、貯玉残高から再プレイ玉数及び再プレイ手数料を引き落とし(ステップS307)、依頼元のCRユニット30に引落し完了通知を返信し(ステップS308)、処理を終了する。
【0098】
図11の説明に戻り、会員管理装置10からの返信を受け付けた場合(ステップS401肯定)に、CRユニット30の再プレイ処理部39bは、当該返信が引落し完了通知であれば(ステップS402肯定)、会員管理装置10における引落し玉数分の再プレイ玉を玉投出機構36に投出させる(ステップS403)。なお、会員管理装置10に貯玉引落し依頼を送信してから所定期間(例えば、10秒間)が経過するまで(ステップS404否定)、貯玉引落し依頼に対する会員管理装置10の返信を受付待機する(ステップS401)。
【0099】
その後、引落し処理が終了した場合(ステップS405肯定)に、再プレイ処理部39bは、会員特定媒体として会員カードを受け付けていたならば(ステップS406肯定)、会員カードを返却し(ステップS407)、処理を終了する。また、会員特定媒体として携帯端末100を受け付けていたならば(ステップS406否定)、そのまま処理を終了する。なお、引落し処理は、カード返却操作を受け付けるか、或いはタイムアップになった場合に終了することになる。
【0100】
一方、貯玉引落し依頼を行ってから所定期間(例えば、10秒間)以内に会員管理装置10からの返信がなかった場合、すなわちタイムアップした場合(ステップS404肯定)に、再プレイ処理部39bは、会員特定媒体として会員カードを受け付けていたならば(ステップS406肯定)、会員カードを返却し(ステップS407)、処理を終了する。また、会員特定媒体として携帯端末100を受け付けていたならば(ステップS406否定)、そのまま処理を終了する。
【0101】
また、会員管理装置10から返信を受け付けてもその返信が引落しNG通知であった場合(ステップS401肯定かつステップS402否定)には、再プレイ対価が得られないので、再プレイ処理部39bは、会員特定媒体として会員カードを受け付けていたならば(ステップS406肯定)、会員カードを返却し(ステップS407)、処理を終了する。また、会員特定媒体として携帯端末100を受け付けていたならば(ステップS406否定)、そのまま処理を終了する。
【0102】
上述してきたように、本実施例では、携帯端末100に課す再プレイ手数料を会員カードに課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、優遇設定を行った再プレイ手数料を携帯端末100を用いた再プレイ処理に適用するように構成したので、会員にとって実益の大きい再プレイ手数料が優遇される結果、携帯端末を用いた会員登録を効果的に促進することができる。このため、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができ、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になる。
【0103】
また、本実施例では、遊技店に来店している遊技客にその事実を知らしめるべく、会員登録処理部15aによって本登録が行われる際、或いは貯玉加算部15b又は貯玉引落し部15dによって会員カードを用いた処理が行われる際に、CRユニット30、会員登録用端末50または会員カード処理機70で「携帯会員への会員登録がお得です」や「携帯端末100の店内利用がお得です」などのメッセージ、或いは再プレイ手数料管理テーブル14bに記憶された各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料を表示させることで、携帯会員への会員登録並びに携帯端末の店内利用のインセンティブを高めることもできる。
【実施例2】
【0104】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0105】
(1)再プレイ上限数の優遇設定
例えば、上記の実施例1では、再プレイ手数料の優遇設定を行う実施例を説明したが、再プレイに関しその他の指標に対して優遇設定を行うこととしてもかまわない。
【0106】
一例を挙げれば、所定期間において再プレイ処理を許容する貯玉数の上限を表す再プレイ上限数の優遇設定であって、会員カードに許容する再プレイ上限数よりも携帯端末100に許容する再プレイ上限数を優遇する設定を再プレイ上限数管理テーブル14cに行っておき、携帯端末100を用いた再プレイ処理の引落し処理を行う場合に、再プレイ上限数管理テーブル14cに優遇設定を行った再プレイ上限数を適用する。
【0107】
具体的には、貯玉引落し部15dによって再プレイに伴う貯玉引落しが行われる度に所定期間(例えば、1日間)における再プレイの累積引落し数を会員管理テーブル14aに累積加算更新しておく一方で、図13に示すように、ポリシー(1)〜(5)に合致するように各会員区分における利用形態ごとの再プレイ上限数を設定しておく。そして、再プレイに伴う貯玉引落しを行う際には、会員管理テーブル14aに記憶された再プレイの累積引落し数に今回の再プレイ玉数を加えた合算値が再プレイ上限数以下である場合には、貯玉引落しを許容し、また、再プレイ上限数を超える場合には、貯玉引落しを禁止する。
【0108】
これによって、パチンコ玉の買い単価と売り単価が異なる場合などに再プレイ遊技をより割安で継続するために携帯会員への会員登録のインセンティブを高めることができ、携帯端末を用いた会員登録を効果的に促進することができる。このため、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができ、上記の実施例1と同様、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になる。
【0109】
(2)優遇設定の自動化
また、上記の実施例1では、再プレイ手数料の優遇設定を手動設定しつつ、優遇ポリシーに反する部分の修正を促すこととしたが、全ての優遇ポリシーが反映された各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料を自動的に設定するようにしてもかまわない。
【0110】
(3)その他
例えば、上記の実施例1では、CRユニット30の各台が再プレイ機能を有する実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば島端に配設される再プレイ機にも本発明を同様に適用することができる。
【0111】
なお、上記の実施例1では、CRユニット30の玉投出機構36から再プレイ玉を投出させることとしたが、併設されるパチンコ機40(内の玉投出機構)から再プレイ玉を払い出すようにしてもかまわない。その場合は、CRユニット(遊技媒体払出処理端末)30は、台I/F部33bを通じてパチンコ機40に対して、所定数のパチンコ玉(再プレイ玉)の払出指示を与える処理を行う。
【0112】
また、上記の実施例1では、携帯端末100を会員カードの代わりに使用させるために携帯端末100内のICチップに記憶されたIDmを用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客を一意に特定することができる識別情報(例えば、遊技店により発行される会員IDや電話番号等)であれば任意のものを用いることができる。
【0113】
例えば、仮会員、携帯会員またはマルチ会員の登録時に携帯端末100内のICチップに会員IDを記憶させておき、貯玉利用時には、会員カード処理機70では会員カードと携帯端末100の会員IDを読み取り、該読み取った会員IDを会員管理装置10に送信するが、このとき、会員カードから読み取った会員IDであるのか、また、携帯端末100から読み取った会員IDであるのかを区別することができるように送信する。
【0114】
なお、上記の実施例1では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
【0115】
また、上記の実施例1では、再プレイ手数料の優遇設定を行う際に入力された設定内容が優遇ポリシーに合致しなければアラーム表示を行う例を説明したが、この際に必ずしもすべての優遇ポリシーとの合致を強いる必要はなく、入力された設定内容が優遇ポリシーに合致しないと判定されてアラーム表示された場合であっても、所定の承認操作を行うことで、入力内容を設定できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
以上のように、本発明に係る貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システムは、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させる場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施例1に係る会員管理システムのシステム構成を示す図である。
【図2】実施例1に係るCRユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】実施例1に係る会員管理装置の特徴を説明するための概念図である。
【図4】実施例1に係る会員管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】会員管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【図6】再プレイ手数料管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【図7】優遇ポリシーに合致した再プレイ手数料の一例を示す図である。
【図8】実施例1に係る再プレイ手数料の優遇設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図10】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図11】実施例1に係る貯玉払出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施例1に係る貯玉引落し処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】再プレイ上限数管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1 会員管理システム
10 会員管理装置
11 入力部
12 表示部
13 通信I/F部
14 記憶部
14a 会員管理テーブル
14b 再プレイ手数料管理テーブル
15 制御部
15a 会員登録処理部
15b 貯玉加算部
15c 優遇設定実行部
15d 貯玉引落し部
20 島コントローラ
30 CRユニット
31 入力部
32 表示部
33a I/F部
33b 台I/F部
34 カード読取部
35 携帯(IDm)読取部
36 玉投出機構
37 紙幣処理部
38 記憶部
39 制御部
39a 玉貸し処理部
39b 再プレイ処理部
40 パチンコ機
50 会員登録用端末
60 計数機
70 会員カード処理機
100 携帯端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店では、該遊技店の会員を遊技客から募り、会員登録を希望した会員に対して会員カードを発行するとともに、この会員カードを利用した貯玉・貯メダルサービスやメールによる情報通知サービス等を行っている。
【0003】
具体的には、遊技客が、住所、氏名及び電話番号等の個人情報を記入した会員申込用紙を遊技店の係員に渡して会員登録を要求すると、遊技店の係員は、この遊技客の個人情報を管理装置に登録するとともに、会員を特定するためのユニークな識別情報(会員ID)が記録された会員カードを会員に発行する。
【0004】
このようにして会員カードを取得した各会員は、特許文献1等に記載されるように、獲得したパチンコ玉やメダルを貯玉・貯メダルするとともに、この貯玉・貯メダルを後日再プレイしたり、景品に交換することができる。
【0005】
また、最近では、手軽な会員登録を促進する観点から、多数の遊技客が所有する携帯電話機やPHS等の携帯端末に内蔵されるICチップ固有の識別情報(ICチップ識別情報)を管理装置に登録させ、かかる携帯端末を会員カードの代わりに使用させる仕組みが考えられている。
【0006】
この携帯電話等を会員カードの代わりに使用する仕組みを現状の貯玉・貯メダルシステムに適用すると、会員カードを使用するカード会員と、携帯端末を会員カードとして使用する携帯会員とが併存することになる。
【0007】
【特許文献1】特開2003−210818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、遊技客が携帯端末を用いて会員登録する場合には、会員所有の携帯端末を会員特定媒体として機能させるので会員カード等の店側付与会員特定媒体を準備する必要はないが、遊技店が会員カード等の店側付与会員特定媒体を発行する場合には、その費用を遊技店が負担せねばならず、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用がかさんでしまうという問題がある。
【0009】
このことから、会員カード等の店側付与会員特定媒体に加えて携帯端末を会員特定媒体として使用させる場合に、携帯端末を用いた会員登録をいかにして促進するかが重要な課題となっている。
【0010】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることができる貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置であって、前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行手段と、前記設定実行手段によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を前記店側付与会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、前記引落し処理手段は、前記設定実行手段によって優遇設定が行われた再プレイ手数料を前記所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理に適用することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記貯遊技媒体管理装置に本登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を前記貯遊技媒体管理装置に仮登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体だけが本登録されている際に該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該店側付与会員特定媒体もしくは所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている場合に、該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、前記貯遊技媒体管理装置に前記所有物代用会員特定媒体だけが本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理装置は、上記の発明において、前記設定実行手段は、所定期間において再プレイ処理を許容する貯遊技媒体数の上限を表す再プレイ上限数の優遇設定であって、前記店側付与会員特定媒体に許容する再プレイ上限数よりも前記所有物代用会員特定媒体に許容する再プレイ上限数を優遇する設定を行い、前記引落し処理手段は、前記所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理が行われる場合に、前記設定実行手段によって優遇設定が行われた再プレイ上限数を適用することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理方法は、遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置に適用する貯遊技媒体管理方法であって、前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行工程と、前記設定実行工程によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理工程とを含んだことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る貯遊技媒体管理システムは、遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置と、前記貯遊技媒体の払出し処理を行う貯遊技媒体払出処理端末と有する貯遊技媒体管理システムであって、前記貯遊技媒体管理装置は、前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行手段と、前記貯遊技媒体払出処理端末から前記店側付与会員特定媒体あるいは前記所有物代用会員特定媒体のいずれかの会員特定媒体を用いた引落し要求を受け付けた場合に、前記設定実行手段によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理手段とを備え、前記貯遊技媒体払出処理端末は、前記貯遊技媒体の引落し指示を受け付ける入力手段と、前記店側付与会員特定媒体を読み取る店側付与会員特定媒体読取手段と、前記所有物代用会員特定媒体を読み取る所有物代用会員特定媒体読取手段と、遊技媒体の払出し処理を行う遊技媒体払出処理手段と前記店側付与会員特定媒体あるいは前記所有物代用会員特定媒体から読み取った情報を含む引落し要求を貯遊技媒体管理装置へ送信し、前記貯遊技媒体管理装置からの引落し完了通知を受け付けたことを条件に、前記遊技媒体払出処理手段によって遊技媒体の払出し処理を行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体の間で貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行っておき、会員特定媒体ごとに行った設定に従って貯遊技媒体の引落し処理を実行するように構成したので、携帯端末を用いた会員登録を促進することができ、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができる結果、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を店側付与会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、優遇設定を行った再プレイ手数料を所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理に適用するように構成したので、会員にとって実益の大きい再プレイ手数料が優遇される結果、携帯端末を用いた会員登録を効果的に促進することができる。このため、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができ、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置に本登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を貯遊技媒体管理装置に仮登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行うように構成したので、仮登録で簡易な属性情報の登録しか行っていない仮会員と本登録で詳細な属性情報の登録を行った携帯会員との間で差別化を図ることができ、仮会員に本会員への登録をより強く喚起することが可能になるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置に店側付与会員特定媒体だけが本登録されている際に該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、貯遊技媒体管理装置に店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該店側付与会員特定媒体もしくは所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うように構成したので、たとえば会員カード等の店側付与会員特定媒体だけを用いるカード会員であれば、既に本登録が行われているので携帯端末固有の携帯端末識別情報を登録するだけでマルチ会員に移行することができることから、かかる手軽な携帯端末識別情報の追加登録の有無での得失を設けることで、いち早くマルチ会員になるべきとのインセンティブを与えることが可能になるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置に店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体が本登録されている場合に、該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うように構成したので、会員カードなどの店側付与会員特定媒体及び携帯端末等の所有物代用会員特定媒体の両方を利用することができるマルチ会員に携帯端末を優先して利用させることができ、携帯端末の店内利用を促進することが可能になるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置に店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、貯遊技媒体管理装置に所有物代用会員特定媒体だけが本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うように構成したので、会員カードなどの店側付与会員特定媒体及び携帯端末等の所有物代用会員特定媒体の両方を利用することができるマルチ会員よりも携帯会員を優遇する結果、マルチ会員に会員カード利用の凍結を促進させることができ、ひいては携帯端末のインターフェースのみを持つ貯遊技媒体管理システムへの移行をより円滑に進めることが可能になるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、所定期間において再プレイ処理を許容する貯遊技媒体数の上限を表す再プレイ上限数の優遇設定であって、店側付与会員特定媒体に許容する再プレイ上限数よりも所有物代用会員特定媒体に許容する再プレイ上限数を優遇する設定を行い、所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理が行われる場合に、優遇設定を行った再プレイ上限数を適用するように構成したので、遊技媒体の買い単価と売り単価が異なる場合などに再プレイ遊技をより割安で継続するために携帯会員への会員登録のインセンティブを高めることができ、携帯端末を用いた会員登録を効果的に促進することができる。このため、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができ、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、貯遊技媒体管理装置が、店側付与会員特定媒体及び所有物代用会員特定媒体の間で貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行い、貯遊技媒体払出処理端末から店側付与会員特定媒体あるいは所有物代用会員特定媒体のいずれかの会員特定媒体を用いた引落し要求を受け付けた場合に、会員特定媒体ごとに行われた設定に従って貯遊技媒体の引落し処理を実行し、貯遊技媒体払出処理端末が、貯遊技媒体の引落し指示を受け付け、店側付与会員特定媒体あるいは所有物代用会員特定媒体を読み取り、店側付与会員特定媒体あるいは所有物代用会員特定媒体から読み取った情報を含む引落し要求を貯遊技媒体管理装置へ送信し、貯遊技媒体管理装置からの引落し完了通知を受け付けたことを条件に、遊技媒体の払出し処理を行うように構成したので、携帯端末を用いた会員登録を促進することができ、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができる結果、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
【実施例1】
【0029】
まず、本実施例に係る会員管理装置(貯玉管理装置)を含む会員管理システムの概要を説明する。この会員管理システムは、後述する会員管理装置に登録処理された会員に貯玉サービスを提供するものであり、会員個人を特定する媒体として会員カード及び携帯端末を用いる。
【0030】
かかる会員の種類としては、大別して3種類の本会員、すなわち会員カードだけを店内使用できるカード会員、携帯端末だけを店内使用できる携帯会員及び会員カード及び携帯端末の両方を店内使用できるマルチ会員が存在する。
【0031】
これらカード会員、携帯会員及びマルチ会員などの本会員に加入するには、氏名、住所や電話番号などの個人に密接した属性情報(以下、詳細属性情報と言う)を会員管理装置に登録処理することを要件としている。なお、ここで言う本会員への登録は、特許請求の範囲における「本登録」と同義である。
【0032】
その一方で、本実施例では、会員数の増加を目的として、上記の本会員よりも登録処理を簡略化にした仮会員を認めている。この仮会員には、携帯端末に搭載されるICチップ固有の識別情報(例えば、IDmなど)、暗証番号や生年月日などの簡易属性情報を会員管理装置に登録処理するだけで加入することができることとしている。なお、ここで言う仮会員への登録は、特許請求の範囲における「仮登録」と同義である。
【0033】
このように、本実施例に係る会員管理システムは、会員特定媒体として会員カード及び携帯端末を使用させるとともに、仮会員、カード会員、携帯会員及びマルチ会員の4種類の会員を採用することを概要とする。
【0034】
続いて、本実施例に係る会員管理システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る会員管理システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この会員管理システム1には、会員が保有する貯玉残高や属性情報などの会員情報を管理する会員管理装置10と、島コントローラ20と、カード処理ユニット(以下、CRユニットと称す)30と、パチンコ機40と、会員登録用端末50と、計数機60と、会員カード処理機70とが設けられている。
【0035】
そして、会員管理装置10には、会員登録用端末50、会員カード処理機70及び島コントローラ20が接続されており、島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機40にそれぞれに併設されたCRユニット30が接続されており、会員カード処理機70には、パチンコ玉数を計数する計数機60が接続されている。
【0036】
島コントローラ20は、周囲を通路に囲まれたスペース(遊技島)に設けられた一群のCRユニット30及びパチンコ機40を束ねる中継装置である。
【0037】
パチンコ機40は、パチンコ玉を遊技領域に発射して遊技者がパチンコ遊技を行う装置であり、本実施例では、プリペイドカード対応のいわゆるCRパチンコ機であるものとしている。
【0038】
CRユニット30は、各プリペイドカードの残度数等を管理する図示しないプリペイドカード管理装置と各パチンコ機40との間に介在し、プリペイドカード管理装置に対してプリペイドカードの残度数の問い合わせや玉貸し要求を行うとともに、残度数がある場合にパチンコ機40に対して玉貸し指示を行う装置である。なお、本実施例では、プリペイドカードに係る処理にその特徴はないため、以下ではプリペイドカードに関する説明を省略する。
【0039】
また、このCRユニット30は、会員カード又は携帯端末100を受け付けて会員管理装置10に預け入れられた貯玉を引き落とすいわゆる再プレイの機能を有する。具体的には、会員カードを挿入するか、或いは携帯端末100を図示しないリーダライタの読み取り部にかざして再プレイ操作を行うと、会員管理装置10が記憶管理する貯玉残高から再プレイ分の玉数(以下、再プレイ玉数と称す)を減算するとともに、パチンコ機40に対して玉投出指示を行う。このように、かかるCRユニット30は、会員カードだけでなく、携帯端末100を用いた再プレイにも対応している。
【0040】
このCRユニット30の構成を図2を用いて具体的に説明する。図2は、実施例1に係るCRユニットの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、このCRユニット30は、入力部31と、表示部32と、I/F部33aと、台I/F部33bと、カード読取部34と、携帯(IDm)読取部35と、玉投出機構36と、紙幣処理部37と、記憶部38と、制御部39とを有する。
【0041】
入力部31は、図示しないテンキーをはじめ、玉貸し要求を行う玉貸ボタン、カード返却要求を行うカード返却ボタン、再プレイ要求(貯玉引落し要求)を行う再プレイボタン等の各種操作ボタン群の総称である。表示部32は、CRユニット30の運用可否や係員呼出しの可否等の状態表示を行う状態表示部、プリペイド残度数や貯玉数等の貸出や再プレイに係る各種表示を行う情報表示部などの総称である。
【0042】
I/F部33aは、図1に示した会員管理装置10、島コントローラ20などの他の装置の間で各種通信の制御を行うインターフェースである。また、台I/F部33bは、当該CRユニット30に併設されるパチンコ機40との間で各種通信(例えば、玉貸し要求や玉投出指示などの)の制御を行うインターフェースである。
【0043】
カード読取部34は、図示しないカード挿入口から挿入された各種カードからカードの記録情報を読み取る処理部である。このカード読取部34は、たとえばプリペイドカードや会員カードなどのカードから当該カードに記録された情報を読み取る。
【0044】
携帯(IDm)読取部35は、携帯端末100に内蔵されたICチップとの間でデータ通信を行う装置である。具体的には、携帯端末100内のICチップに組み込まれたアンテナコイルに弱電波を送信すると、ICチップではアンテナコイルにより発電が行われてデータ通信が可能となり、これにより携帯端末100固有の識別情報(例えば、ICチップの製造番号である「IDm」)などを取得する。
【0045】
玉投出機構36は、パチンコ玉の投出を行う機構であり、後述する制御部39に内在する再プレイ処理部39bからの指示に基づき、引落し玉数分のパチンコ玉をノズルを介してパチンコ機40の上皿に投出する。
【0046】
紙幣処理部37は、紙幣挿入口に挿入された紙幣の金種を識別する処理部であり、識別した挿入紙幣の金種を制御部39に出力する。なお、挿入紙幣が偽造紙幣である場合には、当該紙幣を返却する。
【0047】
記憶部38は、制御部39による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
【0048】
制御部39は、CRユニット30を全体制御する制御部であり、玉貸し処理部39aと、再プレイ処理部39bとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、玉貸し処理部39a及び再プレイ処理部39bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0049】
玉貸し処理部39aは、プリペイド残度数の減算依頼を図示しないカード管理装置に行うとともに、該減算の完了を条件にパチンコ機40に玉投出指示を行う処理部である。具体的には、台I/F部33bとパチンコ機40内の通信I/F部(図示せず)との両者の間でCRユニット30による1度の玉投出指示で所定数(例えば、25個=100円)のパチンコ玉をパチンコ機40が投出するという規定が設定されており、挿入中のプリペイドカードの残度数から貸出単位金額相当の度数が減算されると、当該度数に相当する回数の玉投出指示をパチンコ機40に行い、パチンコ機40に貸出単位金額分のパチンコ玉(この例では、5度数分の125個)を投出させる。
【0050】
再プレイ処理部38bは、貯玉引落し依頼を会員管理装置10に行うとともに、該引落しの完了通知を受け付けたことを条件に、玉投出機構36に玉投出指示を行う処理部である。具体的には、入力部31で貯玉引落し操作を受け付けた場合に、暗証番号の入力をさらに受け付け、カード読取部34によって会員カードから会員IDが読み取られるか、或いは携帯読取部35によって携帯端末100からIDmが読み取られると、会員ID又はIDmと暗証番号とを含む貯玉引落し依頼を会員管理装置10に行う。そして、会員管理装置10から引落し完了通知を受け付けた場合には、会員管理装置10における引落し玉数分の再プレイ玉を玉投出機構36に投出させる。
【0051】
図1の説明に戻り、会員登録用端末50は、本会員に加入するための会員登録を受け付ける端末装置である。例えば、会員申込用紙への記入を通じて会員登録が要求されると、遊技店の係員は、イメージスキャナによる読取操作やキーボード操作を通じて会員申込用紙に記載の詳細属性情報をデータ入力し、該データ入力した詳細属性情報を会員管理装置10に登録させる。このとき、カード会員への会員登録である場合には、会員を特定するためのユニークな識別情報(会員ID)が記録された会員カードを新カード会員に発行するとともにその会員IDを会員管理装置10に登録させ、また、携帯会員への会員登録である場合には、図示しないリーダライタを介して携帯端末100のIDmを読み取って会員管理装置10に登録させる。
【0052】
また、この会員登録用端末50は、非会員から本会員への登録の他、仮会員から本会員(携帯会員またはマルチ会員)への格上げ登録、カード会員からマルチ会員への追加登録、詳細は後述するが、マルチ会員から携帯会員に会員カードの利用を発展的に凍結する登録を行う。なお、非会員から仮会員への仮登録を行うこともできるが、かかる仮登録は後述する会員カード処理機70で計数貯玉と併せて行うことが多い。
【0053】
計数機60は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を会員カード処理機70に出力する。なお、本実施例では、計数機60はパチンコ玉の計数機能のみを有することとし、計数結果がバーコード印字された計数レシートを発行する印字機能、並びに、会員管理装置10にて記憶管理される貯玉残高に計数結果の一部または全部を貯玉加算させる計数貯玉機能は、後述する会員カード処理機70が有することとする。
【0054】
会員カード処理機70は、携帯端末100を用いた仮会員登録や登録済み会員による貯玉を行う際に利用される会員用端末装置であり、会員カードに記録した会員IDを読み取るカードリーダと携帯端末100から会員ID(正確には後述するIDm)を読み取るリーダライタを備えている。なお、本実施例では、携帯端末100を会員特定媒体として利用する場合に、携帯端末100内のICチップに保持されているユニークな識別情報、たとえばICチップの製造番号である「IDm」を会員識別情報として流用することとしている。
【0055】
この会員カード処理機70で仮登録を行う場合には、リーダライタを介して携帯端末100からIDmを読み取り、当該IDmが会員管理装置10に登録されていなければ、暗証番号及び生年月日などの簡易属性情報の入力をさらに受け付け、IDm、暗証番号及び簡易属性情報の登録を会員管理装置10に依頼する。そして、会員管理装置10から仮登録完了応答が通知されると、登録日時や仮会員規約などの情報が印字された仮会員登録レシートを発行する。なお、かかる仮会員登録レシートを発行する理由は、仮会員が携帯端末100を紛失又は機種変更する際に、正確な本人であることを証明可能とするためである。
【0056】
この会員カード処理機70で計数貯玉を行う場合には、遊技客または係員から計数貯玉操作を受け付け、さらにリーダライタを介して読み取った携帯端末100のIDmが会員管理装置10に登録済みであることを問合せ確認し、そのIDmが登録済みであれば(少なくとも仮会員であれば)、当該IDmに対応する貯玉口座の貯玉残高に計数値の一部または全部を加算するように会員管理装置10に依頼する。なお、ここでは計数貯玉するケースだけを説明したが、計数機60から出力された計数値を関連付けた計数レシートを発行することもできる。
【0057】
会員管理装置10は、後述する会員管理テーブル14aを用いて本会員及び仮会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブル14aは、会員ID、IDm、貯玉残高を対応付けて記憶している。そして、会員カード処理機70から貯玉加算依頼を受け付けた場合には、会員IDまたはIDmに対応する貯玉口座内の貯玉残高を加算処理し、一方、CRユニット30から貯玉引落し依頼を受け付けた場合には、会員IDまたはIDmに対応する貯玉口座内の貯玉残高を減算処理する。なお、本実施例では、再プレイに手数料を課すこととし、再プレイ玉数を貯玉残高から引き落とす際に再プレイ手数料を併せて引き落とすこととしている。
【0058】
ここで、本実施例では、会員カード及び携帯端末100の間で貯玉の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行い、これら会員特定媒体ごとに行った設定に従って貯玉の引落し処理を実行する点にその特徴がある。
【0059】
すなわち、本実施例では、携帯端末100に課す再プレイ手数料を会員カードに課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、このようにして優遇設定を行った再プレイ手数料を携帯端末100を用いた再プレイ処理に適用することで、図3に示すように、携帯端末100を利用して再プレイを行った場合の方が会員カードを利用して再プレイを行った場合よりも利益が大きくなる環境を構築した。
【0060】
これによって、非会員においては、仮会員、携帯会員もしくはマルチ会員への登録を行うインセンティブを向上させ、カード会員においては、マルチ会員への追加登録を行うインセンティブを向上させることができる。このため、遊技客が会員または非会員であるかを問わず、携帯会員への会員登録のインセンティブを高めることができる。
【0061】
したがって、本実施例では、携帯端末を用いた会員登録を促進することができ、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができる結果、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になる。
【0062】
また、本実施例では、携帯会員への会員登録のみならず、会員カード及び携帯端末100の両方を利用可能なマルチ会員においては、携帯端末100の店内利用のインセンティブを向上させることもできる。
【0063】
このことから、マルチ会員において会員カードの利用を凍結するカード凍結登録、たとえば会員カードの利用をロックする運用を採用し、マルチ会員を携帯会員に移行させることができれば、最終的には遊技客全体を携帯会員に誘導することができ、携帯端末だけを会員特定媒体として利用させる会員管理システムへのシステム移行を支援することもできる。
【0064】
かかるシステム移行を実現すれば、会員カード及び携帯端末100の両方のインターフェースが設けられたCRユニット30、会員カード処理機70やその他図示しない各種の店内機器を導入する必要がなくなり、その結果、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用をより大幅に低減することも可能になる。
【0065】
さらに、本実施例では、携帯端末に課す再プレイ手数料を優遇するので、携帯端末を用いた再プレイ遊技の絶対数を増加させることができ、遊技台の稼働率および遊技での貯玉の回収率を向上させることもできる。
【0066】
次に、本実施例に係る会員管理装置の構成について説明する。図4は、実施例1に係る会員管理装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この会員管理装置10は、入力部11と、表示部12と、通信I/F部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0067】
入力部11は、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部12は、液晶パネルやディスプレイ等の表示デバイスである。また、通信I/F部13は、島コントローラ20、CRユニット30、会員登録用端末50及び会員カード処理機70との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0068】
記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、例えば、会員が保有する貯玉残高や属性情報などの会員情報を管理する会員管理テーブル14aと、会員区分ごとの再プレイ手数料を管理する再プレイ手数料管理テーブル14bとを併せて記憶する。
【0069】
会員管理テーブル14aは、会員IDまたはIDmごとに会員区分、貯玉残高、暗証番号および属性情報を記憶するテーブルである。図5に示すように、仮会員の会員識別情報としてIDm、カード会員の会員識別情報として会員ID、マルチ会員の会員識別情報として会員ID及びIDm、携帯会員の会員識別情報としてIDmを記憶している。なお、本実施例では、すべての会員区分の会員情報を1つのテーブルで管理することとしたが、会員区分ごとにテーブルを個別に分けてもかまわない。
【0070】
再プレイ手数料管理テーブル14bは、会員区分ごとにカード利用時の再プレイ手数料、携帯端末時の再プレイ手数料を記憶するテーブルである。図6に示す例では、100個の再プレイ玉数を引き落とすにあたっての再プレイ手数料を示しており、仮会員が携帯端末を利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として15個徴収し、カード会員が会員カードを利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として20個徴収し、マルチ会員が会員カードを利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として15個徴収し、マルチ会員が携帯端末を利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として10個徴収し、また、携帯会員が携帯端末を利用して100個の再プレイ玉数を引き落とす場合には再プレイ手数料として5個徴収することを示している。
【0071】
制御部15は、会員管理装置10を全体制御する制御部であり、会員登録処理部15aと、貯玉加算部15bと、優遇設定実行部15cと、貯玉引落し部15dとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、会員登録処理部15a、貯玉加算部15b、優遇設定実行部15c及び貯玉引落し部15dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0072】
会員登録処理部15aは、各会員区分についての会員登録を行う処理部である。例えば、会員カード処理機70から仮会員への登録依頼を受け付けた場合には、会員管理テーブル14aに未登録のIDmであることを確認した後に、当該登録依頼に含まれるIDm、暗証番号及び簡易属性情報を会員管理テーブル14aに登録し、会員登録用端末50からカード会員への登録依頼を受け付けた場合には、当該登録依頼に含まれる会員ID、暗証番号及び詳細属性情報を会員管理テーブル14aに登録し、また、会員登録用端末50から携帯会員への登録依頼を受け付けた場合には、当該登録依頼に含まれるIDm、暗証番号及び詳細属性情報を会員管理テーブル14aに登録する。なお、仮会員から本会員(携帯会員またはマルチ会員)への格上げ登録、カード会員からマルチ会員への追加登録についても同様にして行う。
【0073】
貯玉加算部15bは、会員管理テーブル14aを用いて、会員の貯玉残高に対する加算更新を行う処理部である。具体的には、会員カード処理機70から貯玉加算依頼(計数貯玉依頼)を受け付けた場合に、貯玉加算依頼に含まれる会員IDまたはIDmに対応する貯玉口座内の貯玉残高に計数値などの加算依頼玉数を加算処理する。
【0074】
優遇設定実行部15cは、携帯端末100に課す再プレイ手数料を会員カードに課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行う処理部である。具体的には、入力部11を介して再プレイ手数料の設定要求を受け付けた場合に、操作者によって各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料が入力されるが(図9参照)、このようにして入力を受け付けた各会員区分の利用形態ごとの再プレイ手数料が予め定められた優遇ポリシーに合致しているか否かを判定する。そして、優遇ポリシーに合致している場合には、再プレイ手数料を再プレイ手数料管理テーブル14bに設定登録し、また、優遇ポリシーに合致していない場合には、合致しない部分及びその理由を表示部12に表示させて再度の入力を受け付ける(図10参照)。
【0075】
より具体的には、カード会員が会員カードを利用する場合よりも仮会員が携帯端末100を利用する場合の再プレイ手数料を優遇するというポリシー(1)、仮会員に課す再プレイ手数料よりも携帯会員に課す再プレイ手数料を優遇するというポリシー(2)、カード会員が会員カードを利用する場合の再プレイ手数料よりもマルチ会員が会員カードもしくは携帯端末100を利用する場合の再プレイ手数料を優遇するというポリシー(3)、マルチ会員が会員カードを利用する場合よりもマルチ会員が携帯端末100を利用する場合の再プレイ手数料を優遇するというポリシー(4)、マルチ会員が携帯端末100を利用する場合よりも携帯会員が携帯端末100を利用する場合の再プレイ手数料を優遇するというポリシー(5)などを定めておき、入力部11を介して受け付けた各会員区分における再プレイ手数料がポリシー(1)〜(5)全てに合致するか否かを判定する。
【0076】
ポリシー(1)を採用することとしたのは、本会員であっても会員カードしか利用しないカード会員よりもあえて仮会員を優遇することで、カード会員に携帯端末100のIDmの登録をより強く喚起するためである。
【0077】
ポリシー(2)を採用することとしたのは、簡易な属性情報の登録しか行っていない仮会員と詳細な属性情報の登録を行った携帯会員との間で差別化を図ることで、仮会員に本会員への登録をより強く喚起するためである。このようにして本会員の絶対数を増加することができれば、本会員に対して各種情報の発信等を行って集客効率等を高めることができるとともに、会員を固定客化して遊技店の安定的な運営を図ることができる。
【0078】
ポリシー(3)を採用することとしたのは、既に詳細属性情報の登録を行っているカード会員であれば携帯端末100のIDmを登録するだけでマルチ会員に移行することができることから、かかる手軽なIDmの追加登録の有無での得失を設けることで、いち早くマルチ会員になるべきとのインセンティブを与えるためである。
【0079】
ポリシー(4)を採用することとしたのは、会員カード及び携帯端末100の両方を利用することができるマルチ会員に携帯端末100を優先して利用させることで、携帯端末100の店内利用を促進するためである。
【0080】
ポリシー(5)を採用することとしたのは、より多くの情報登録を行っているマルチ会員よりも携帯会員を優遇することで、マルチ会員に会員カード利用の凍結を促進させ、ひいては携帯端末のインターフェースのみを持つ会員管理システムへの移行をより円滑に進めるためである。
【0081】
例えば、図7に示すように、カード会員のカード利用時の再プレイ手数料に比べて仮会員の携帯利用時並びにマルチ会員のカード利用時の再プレイ手数料の割引高を5個多くし、仮会員の携帯利用時並びにマルチ会員のカード利用時の再プレイ手数料に比べてマルチ会員の携帯利用時の再プレイ手数料の割引高をさらに5個多くし、また、マルチ会員の携帯利用時の再プレイ手数料に比べて携帯会員の携帯利用時の再プレイ手数料の割引高をさらに5個多くすることで、上記のポリシー(1)〜(5)に合致する再プレイ手数料を会員区分及び利用形態ごとに設定することができ、ポリシー(1)〜(5)のメリットを纏めて享受することが可能になる。
【0082】
貯玉引落し部15dは、会員管理テーブル14aを用いて、会員の貯玉残高に対する引落し更新(減算更新)を行う処理部である。具体的には、会員管理テーブル14aに登録された暗証番号がCRユニット30の操作部を通じて入力された場合に、貯玉引落し依頼に含まれる会員IDまたはIDmから会員区分を特定し、該特定した会員区分に対応する再プレイ手数料を再プレイ手数料管理テーブル14bから読み出し、当該会員IDまたはIDmに対応する貯玉残高が再プレイ玉数及び再プレイ手数料の合算値以上である場合に、貯玉残高から再プレイ玉数及び再プレイ手数料を引き落とし、依頼元のCRユニット30に引落し完了通知を返信する。
【0083】
次に、本実施例に係る会員管理装置の処理の流れを説明する。なお、ここでは、会員管理装置の優遇設定実行部15cによって行われる(1)再プレイ手数料の優遇設定処理を説明してから、CRユニット30によって行われる貯玉払出し処理及び会員管理装置によって行われる貯玉引落し処理を(2)再プレイ処理として併せて説明することとする。
【0084】
(1)再プレイ手数料の優遇設定処理
前述したように、ここでは、本実施例に係る再プレイ手数料の優遇設定処理について説明する。図8は、実施例1に係る再プレイ手数料の優遇設定処理の手順を示すフローチャートである。同図に示すように、再プレイ手数料の設定要求を受け付けると(ステップS101肯定)、優遇設定実行部15cは、図9に示す再プレイ手数料の設定画面を表示部12に表示させ、該設定画面上で入力部11のポインティングデバイスやテンキーなどを介して各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料の入力を受け付ける(ステップS102)。
【0085】
ここで、優遇設定実行部15cは、入力部11を介して受け付けた各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料が予め定められた優遇ポリシーに合致しているか否かを判定する(ステップS103)。
【0086】
このとき、各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料がすべての優遇ポリシーに合致しない場合(ステップS103否定)に、優遇設定実行部15cは、優遇ポリシーに合致しない部分及びその理由を表示部12に表示させ(ステップS104)、優遇ポリシーに合致するまで(ステップS103肯定)、各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料の入力を再び受け付ける(ステップS102)。
【0087】
例えば、図10に示す例では、マルチ会員の会員カード利用時の再プレイ手数料とマルチ会員の携帯端末利用時の再プレイ手数料との関係が上記のポリシー(4)に合致しないので、その旨をメッセージ表示するとともに、合致しない部分の入力値を反転表示している。
【0088】
一方、各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料がすべての優遇ポリシーに合致した場合(ステップS103肯定)に、優遇設定実行部15cは、再プレイ手数料を再プレイ手数料管理テーブル14bに設定登録し(ステップS105)、処理を終了する。
【0089】
(2)再プレイ処理
次に、図11及び図12を用いて、本実施例に係る再プレイ処理について説明する。図11は、実施例1に係る貯玉払出し処理の手順を示すフローチャートであり、また、図12は、実施例1に係る貯玉引落し処理の手順を示すフローチャートである。
【0090】
図11に示すように、CRユニット30の再プレイ処理部39bは、入力部31を介して貯玉引落し操作を受け付けると(ステップS201肯定)、入力部31のテンキーを介して暗証番号の入力をさらに受け付ける(ステップS202肯定)。
【0091】
続いて、会員カードの挿入操作が行われることによりカード読取部34によって会員カードから会員IDが読み取られると(ステップS203肯定)、再プレイ処理部39bは、入力を受け付けた暗証番号や会員カードから読み取った会員IDを記憶部38に格納し(ステップS204)、併設されるパチンコ機40の台番号、会員ID、暗証番号及び引落し依頼電文を含む貯玉引落し依頼を会員管理装置10に送信する(ステップS205)。
【0092】
また、携帯端末100の近接操作が行われることにより携帯読取部35によって携帯端末100からIDmが読み取られると(ステップS207肯定)、再プレイ処理部39bは、入力を受け付けた暗証番号や携帯端末100から読み取ったIDmを記憶部38に格納し(ステップS204)、併設されるパチンコ機40の台番号、IDm、暗証番号及び引落し依頼電文を含む貯玉引落し依頼を会員管理装置10に送信する(ステップS205)。
【0093】
ここで、この貯玉引落し依頼を受け付けた会員管理装置10における貯玉引落し処理を図12を用いて説明する。図12に示すように、CRユニット30から再プレイに伴う貯玉引落し依頼を受け付けた場合(ステップS301肯定)に、会員管理装置10の貯玉引落し部15dは、会員管理テーブル14aによって該当会員IDまたは該当IDmに対応付けて記憶された暗証番号を参照して、CRユニット30で受け付けられた暗証番号が会員管理テーブル14aに登録されている暗証番号と一致するか否かを判定する(ステップS302)。
【0094】
このとき、両暗証番号が一致しなかった場合(ステップS302否定)には、貯玉引落し部15dは、両暗証番号の不一致であることが原因で引落し不能である旨を依頼元のCRユニット30に返信し(ステップS303)、処理を終了する。
【0095】
一方、両暗証番号が一致した場合(ステップS302肯定)には、貯玉引落し部15dは、貯玉引落し依頼に含まれる会員IDまたはIDmから会員区分を特定し(ステップS304)、該特定した会員区分に対応する再プレイ手数料を再プレイ手数料管理テーブル14bから読み出し(ステップS305)、当該会員IDまたはIDmに対応する貯玉残高が再プレイ玉数及び再プレイ手数料の合計値以上であるか否かを判定する(ステップS306)。なお、ここで言う「会員区分」の特定には、仮会員、カード会員、携帯会員、マルチ会員の会員区分に加え、マルチ会員が携帯端末を使用したのか或いは会員カードを使ったかの判定も含まれることとする。
【0096】
このとき、貯玉残高が再プレイ玉数及び再プレイ手数料の合計値に満たなかった場合(ステップS306否定)には、貯玉引落し部15dは、残高不足が原因で引落し不能である旨を依頼元のCRユニット30に返信し(ステップS303)、処理を終了する。
【0097】
また、貯玉残高が再プレイ玉数及び再プレイ手数料の合計値以上であった場合(ステップS306肯定)には、貯玉引落し部15dは、貯玉残高から再プレイ玉数及び再プレイ手数料を引き落とし(ステップS307)、依頼元のCRユニット30に引落し完了通知を返信し(ステップS308)、処理を終了する。
【0098】
図11の説明に戻り、会員管理装置10からの返信を受け付けた場合(ステップS401肯定)に、CRユニット30の再プレイ処理部39bは、当該返信が引落し完了通知であれば(ステップS402肯定)、会員管理装置10における引落し玉数分の再プレイ玉を玉投出機構36に投出させる(ステップS403)。なお、会員管理装置10に貯玉引落し依頼を送信してから所定期間(例えば、10秒間)が経過するまで(ステップS404否定)、貯玉引落し依頼に対する会員管理装置10の返信を受付待機する(ステップS401)。
【0099】
その後、引落し処理が終了した場合(ステップS405肯定)に、再プレイ処理部39bは、会員特定媒体として会員カードを受け付けていたならば(ステップS406肯定)、会員カードを返却し(ステップS407)、処理を終了する。また、会員特定媒体として携帯端末100を受け付けていたならば(ステップS406否定)、そのまま処理を終了する。なお、引落し処理は、カード返却操作を受け付けるか、或いはタイムアップになった場合に終了することになる。
【0100】
一方、貯玉引落し依頼を行ってから所定期間(例えば、10秒間)以内に会員管理装置10からの返信がなかった場合、すなわちタイムアップした場合(ステップS404肯定)に、再プレイ処理部39bは、会員特定媒体として会員カードを受け付けていたならば(ステップS406肯定)、会員カードを返却し(ステップS407)、処理を終了する。また、会員特定媒体として携帯端末100を受け付けていたならば(ステップS406否定)、そのまま処理を終了する。
【0101】
また、会員管理装置10から返信を受け付けてもその返信が引落しNG通知であった場合(ステップS401肯定かつステップS402否定)には、再プレイ対価が得られないので、再プレイ処理部39bは、会員特定媒体として会員カードを受け付けていたならば(ステップS406肯定)、会員カードを返却し(ステップS407)、処理を終了する。また、会員特定媒体として携帯端末100を受け付けていたならば(ステップS406否定)、そのまま処理を終了する。
【0102】
上述してきたように、本実施例では、携帯端末100に課す再プレイ手数料を会員カードに課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、優遇設定を行った再プレイ手数料を携帯端末100を用いた再プレイ処理に適用するように構成したので、会員にとって実益の大きい再プレイ手数料が優遇される結果、携帯端末を用いた会員登録を効果的に促進することができる。このため、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができ、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になる。
【0103】
また、本実施例では、遊技店に来店している遊技客にその事実を知らしめるべく、会員登録処理部15aによって本登録が行われる際、或いは貯玉加算部15b又は貯玉引落し部15dによって会員カードを用いた処理が行われる際に、CRユニット30、会員登録用端末50または会員カード処理機70で「携帯会員への会員登録がお得です」や「携帯端末100の店内利用がお得です」などのメッセージ、或いは再プレイ手数料管理テーブル14bに記憶された各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料を表示させることで、携帯会員への会員登録並びに携帯端末の店内利用のインセンティブを高めることもできる。
【実施例2】
【0104】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0105】
(1)再プレイ上限数の優遇設定
例えば、上記の実施例1では、再プレイ手数料の優遇設定を行う実施例を説明したが、再プレイに関しその他の指標に対して優遇設定を行うこととしてもかまわない。
【0106】
一例を挙げれば、所定期間において再プレイ処理を許容する貯玉数の上限を表す再プレイ上限数の優遇設定であって、会員カードに許容する再プレイ上限数よりも携帯端末100に許容する再プレイ上限数を優遇する設定を再プレイ上限数管理テーブル14cに行っておき、携帯端末100を用いた再プレイ処理の引落し処理を行う場合に、再プレイ上限数管理テーブル14cに優遇設定を行った再プレイ上限数を適用する。
【0107】
具体的には、貯玉引落し部15dによって再プレイに伴う貯玉引落しが行われる度に所定期間(例えば、1日間)における再プレイの累積引落し数を会員管理テーブル14aに累積加算更新しておく一方で、図13に示すように、ポリシー(1)〜(5)に合致するように各会員区分における利用形態ごとの再プレイ上限数を設定しておく。そして、再プレイに伴う貯玉引落しを行う際には、会員管理テーブル14aに記憶された再プレイの累積引落し数に今回の再プレイ玉数を加えた合算値が再プレイ上限数以下である場合には、貯玉引落しを許容し、また、再プレイ上限数を超える場合には、貯玉引落しを禁止する。
【0108】
これによって、パチンコ玉の買い単価と売り単価が異なる場合などに再プレイ遊技をより割安で継続するために携帯会員への会員登録のインセンティブを高めることができ、携帯端末を用いた会員登録を効果的に促進することができる。このため、会員カード等の店側付与会員特定媒体の発行数を低減させることができ、上記の実施例1と同様、遊技店の貯玉サービスに係る設備投資費用を低減させることが可能になる。
【0109】
(2)優遇設定の自動化
また、上記の実施例1では、再プレイ手数料の優遇設定を手動設定しつつ、優遇ポリシーに反する部分の修正を促すこととしたが、全ての優遇ポリシーが反映された各会員区分における利用形態ごとの再プレイ手数料を自動的に設定するようにしてもかまわない。
【0110】
(3)その他
例えば、上記の実施例1では、CRユニット30の各台が再プレイ機能を有する実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば島端に配設される再プレイ機にも本発明を同様に適用することができる。
【0111】
なお、上記の実施例1では、CRユニット30の玉投出機構36から再プレイ玉を投出させることとしたが、併設されるパチンコ機40(内の玉投出機構)から再プレイ玉を払い出すようにしてもかまわない。その場合は、CRユニット(遊技媒体払出処理端末)30は、台I/F部33bを通じてパチンコ機40に対して、所定数のパチンコ玉(再プレイ玉)の払出指示を与える処理を行う。
【0112】
また、上記の実施例1では、携帯端末100を会員カードの代わりに使用させるために携帯端末100内のICチップに記憶されたIDmを用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客を一意に特定することができる識別情報(例えば、遊技店により発行される会員IDや電話番号等)であれば任意のものを用いることができる。
【0113】
例えば、仮会員、携帯会員またはマルチ会員の登録時に携帯端末100内のICチップに会員IDを記憶させておき、貯玉利用時には、会員カード処理機70では会員カードと携帯端末100の会員IDを読み取り、該読み取った会員IDを会員管理装置10に送信するが、このとき、会員カードから読み取った会員IDであるのか、また、携帯端末100から読み取った会員IDであるのかを区別することができるように送信する。
【0114】
なお、上記の実施例1では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
【0115】
また、上記の実施例1では、再プレイ手数料の優遇設定を行う際に入力された設定内容が優遇ポリシーに合致しなければアラーム表示を行う例を説明したが、この際に必ずしもすべての優遇ポリシーとの合致を強いる必要はなく、入力された設定内容が優遇ポリシーに合致しないと判定されてアラーム表示された場合であっても、所定の承認操作を行うことで、入力内容を設定できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
以上のように、本発明に係る貯遊技媒体管理装置、貯遊技媒体管理方法及び貯遊技媒体管理システムは、遊技店の貯遊技媒体サービスに係る設備投資費用を低減させる場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施例1に係る会員管理システムのシステム構成を示す図である。
【図2】実施例1に係るCRユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】実施例1に係る会員管理装置の特徴を説明するための概念図である。
【図4】実施例1に係る会員管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】会員管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【図6】再プレイ手数料管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【図7】優遇ポリシーに合致した再プレイ手数料の一例を示す図である。
【図8】実施例1に係る再プレイ手数料の優遇設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図10】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図11】実施例1に係る貯玉払出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施例1に係る貯玉引落し処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】再プレイ上限数管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1 会員管理システム
10 会員管理装置
11 入力部
12 表示部
13 通信I/F部
14 記憶部
14a 会員管理テーブル
14b 再プレイ手数料管理テーブル
15 制御部
15a 会員登録処理部
15b 貯玉加算部
15c 優遇設定実行部
15d 貯玉引落し部
20 島コントローラ
30 CRユニット
31 入力部
32 表示部
33a I/F部
33b 台I/F部
34 カード読取部
35 携帯(IDm)読取部
36 玉投出機構
37 紙幣処理部
38 記憶部
39 制御部
39a 玉貸し処理部
39b 再プレイ処理部
40 パチンコ機
50 会員登録用端末
60 計数機
70 会員カード処理機
100 携帯端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置であって、
前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行手段と、
前記設定実行手段によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理手段と
を備えたことを特徴とする貯遊技媒体管理装置。
【請求項2】
前記設定実行手段は、
前記所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を前記店側付与会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、
前記引落し処理手段は、
前記設定実行手段によって優遇設定が行われた再プレイ手数料を前記所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理に適用することを特徴とする請求項1に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項3】
前記設定実行手段は、
前記貯遊技媒体管理装置に本登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を前記貯遊技媒体管理装置に仮登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項4】
前記設定実行手段は、
前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体だけが本登録されている際に該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該店側付与会員特定媒体もしくは所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項5】
前記設定実行手段は、
前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている場合に、該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項6】
前記設定実行手段は、
前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、前記貯遊技媒体管理装置に前記所有物代用会員特定媒体だけが本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項7】
前記設定実行手段は、
所定期間において再プレイ処理を許容する貯遊技媒体数の上限を表す再プレイ上限数の優遇設定であって、前記店側付与会員特定媒体に許容する再プレイ上限数よりも前記所有物代用会員特定媒体に許容する再プレイ上限数を優遇する設定を行い、
前記引落し処理手段は、
前記所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理が行われる場合に、前記設定実行手段によって優遇設定が行われた再プレイ上限数を適用することを特徴とする請求項1に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項8】
遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置に適用する貯遊技媒体管理方法であって、
前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行工程と、
前記設定実行工程によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理工程と
を含んだことを特徴とする貯遊技媒体管理方法。
【請求項9】
遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置と、前記貯遊技媒体の払出し処理を行う貯遊技媒体払出処理端末と有する貯遊技媒体管理システムであって、
前記貯遊技媒体管理装置は、
前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行手段と、
前記貯遊技媒体払出処理端末から前記店側付与会員特定媒体あるいは前記所有物代用会員特定媒体のいずれかの会員特定媒体を用いた引落し要求を受け付けた場合に、前記設定実行手段によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理手段とを備え、
前記貯遊技媒体払出処理端末は、
前記貯遊技媒体の引落し指示を受け付ける入力手段と、
前記店側付与会員特定媒体を読み取る店側付与会員特定媒体読取手段と、
前記所有物代用会員特定媒体を読み取る所有物代用会員特定媒体読取手段と、
遊技媒体の払出し処理を行う遊技媒体払出処理手段と
前記店側付与会員特定媒体あるいは前記所有物代用会員特定媒体から読み取った情報を含む引落し要求を貯遊技媒体管理装置へ送信し、前記貯遊技媒体管理装置からの引落し完了通知を受け付けたことを条件に、前記遊技媒体払出処理手段によって遊技媒体の払出し処理を行わせる制御手段とを備えた
ことを特徴とする貯遊技媒体管理システム。
【請求項1】
遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置であって、
前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行手段と、
前記設定実行手段によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理手段と
を備えたことを特徴とする貯遊技媒体管理装置。
【請求項2】
前記設定実行手段は、
前記所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を前記店側付与会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行い、
前記引落し処理手段は、
前記設定実行手段によって優遇設定が行われた再プレイ手数料を前記所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理に適用することを特徴とする請求項1に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項3】
前記設定実行手段は、
前記貯遊技媒体管理装置に本登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料を前記貯遊技媒体管理装置に仮登録された所有物代用会員特定媒体に課す再プレイ手数料よりも優遇する設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項4】
前記設定実行手段は、
前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体だけが本登録されている際に該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該店側付与会員特定媒体もしくは所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項5】
前記設定実行手段は、
前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている場合に、該店側付与会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項6】
前記設定実行手段は、
前記貯遊技媒体管理装置に前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体が本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料よりも、前記貯遊技媒体管理装置に前記所有物代用会員特定媒体だけが本登録されている際に該所有物代用会員特定媒体を用いる場合の再プレイ手数料を優遇する設定を行うことを特徴とする請求項2に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項7】
前記設定実行手段は、
所定期間において再プレイ処理を許容する貯遊技媒体数の上限を表す再プレイ上限数の優遇設定であって、前記店側付与会員特定媒体に許容する再プレイ上限数よりも前記所有物代用会員特定媒体に許容する再プレイ上限数を優遇する設定を行い、
前記引落し処理手段は、
前記所有物代用会員特定媒体を用いた再プレイ処理が行われる場合に、前記設定実行手段によって優遇設定が行われた再プレイ上限数を適用することを特徴とする請求項1に記載の貯遊技媒体管理装置。
【請求項8】
遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置に適用する貯遊技媒体管理方法であって、
前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行工程と、
前記設定実行工程によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理工程と
を含んだことを特徴とする貯遊技媒体管理方法。
【請求項9】
遊技店に登録処理された会員に会員特定媒体として付与された店側付与会員特定媒体または会員となる遊技客が所有する携帯端末を会員特定媒体に代用とした所有物代用会員特定媒体に関連付けて会員が預け入れた貯遊技媒体の残高を管理する貯遊技媒体管理装置と、前記貯遊技媒体の払出し処理を行う貯遊技媒体払出処理端末と有する貯遊技媒体管理システムであって、
前記貯遊技媒体管理装置は、
前記店側付与会員特定媒体及び前記所有物代用会員特定媒体の間で前記貯遊技媒体の再プレイ処理に異なる引落し利益を付与する設定を行う設定実行手段と、
前記貯遊技媒体払出処理端末から前記店側付与会員特定媒体あるいは前記所有物代用会員特定媒体のいずれかの会員特定媒体を用いた引落し要求を受け付けた場合に、前記設定実行手段によって会員特定媒体ごとに行われた設定に従って前記貯遊技媒体の引落し処理を実行する引落し処理手段とを備え、
前記貯遊技媒体払出処理端末は、
前記貯遊技媒体の引落し指示を受け付ける入力手段と、
前記店側付与会員特定媒体を読み取る店側付与会員特定媒体読取手段と、
前記所有物代用会員特定媒体を読み取る所有物代用会員特定媒体読取手段と、
遊技媒体の払出し処理を行う遊技媒体払出処理手段と
前記店側付与会員特定媒体あるいは前記所有物代用会員特定媒体から読み取った情報を含む引落し要求を貯遊技媒体管理装置へ送信し、前記貯遊技媒体管理装置からの引落し完了通知を受け付けたことを条件に、前記遊技媒体払出処理手段によって遊技媒体の払出し処理を行わせる制御手段とを備えた
ことを特徴とする貯遊技媒体管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−17242(P2010−17242A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178172(P2008−178172)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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