説明

貴金属ナノ粒子分散液の製造方法および前記の分散液からかかるナノ粒子を単離する方法

本発明はPt、Au、Pd、Ag、Rh、Ruおよびそれらの混合物または合金からなる群から選択される貴金属ナノ粒子のコロイド分散液の製造方法、およびかかる貴金属ナノ粒子をそれらのコロイド分散液から単離するための方法に関する。該コロイド分散液を、適した貴金属金属前駆体化合物をアルカリ性水溶液中で反応温度40〜70℃且つpH≧12で、平均分子量(Mw)300,000〜1,000,000の範囲の多糖類の存在中で還元させることによって製造する。貴金属ナノ粒子を、該コロイド分散液を>80℃の温度に加熱することによる多糖類の分解の後に単離する。該ナノ粒子を、コア/シェル型の触媒材料の製造のために、およびエレクトロニクス、装飾および医療用途のために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は貴金属ナノ粒子のコロイド分散液の製造方法およびかかる貴金属ナノ粒子をそれらの分散液から単離する方法に関する。ここで開示される方法は、アルカリ性水溶液中で相応するイオンを、多糖類を用いて還元し、且つ、かかる粒子を引き続き単離することによる、ナノサイズの貴金属粒子の高濃縮された分散液の製造を記載する。
【0002】
貴金属ナノ粒子のコロイド分散液(ならびにかかる分散液から単離されたナノ粒子)はエレクトロニクス用途において、例えば導線およびパターンの製造のために重要性を増してきている。それらはさらに触媒用途、例えばコア/シェル型の触媒材料の製造のための使用が見出されている。さらには、それらを医療および治療用、並びに装飾用途において使用できる。
【0003】
用語"ナノ粒子"は、本発明の文脈で使用される場合、従来の電子顕微鏡法(SEM/TEM)によって測定される平均粒径<200nm(<0.2ミクロン)の範囲を有する粒子を示す。
【0004】
近年では、微細な金属粒子、特に限定された形状およびサイズのナノ粒子は、例えば半導体、消費者製品、オプトエレクトロニクス、エレクトロニクス、触媒、輸送、エネルギー、医療科学、およびバイオテクノロジーにおけるそれらの魅力的な特性および可能性のある用途のために、著しい興味および注目を集めている。微細な金属粒子の固有の特性は、主にそれらのサイズ、形状、組成、結晶性および構造によって決定される。
【0005】
微細な貴金属粒子の製造のために、アルコール還元、ポリオール法、音響化学法、有機金属前駆体の分解、蒸発凝縮法、およびバルク金属の電解を含む、多数の技術が報告されている。一般に貴金属粒子は、還元物質、例えば有機酸、アルコール、ポリオール、アルデヒド、糖等を用いた還元法によって製造される(D.V. Goia, E. Matijevic, New. J. Chem. 1998, 1203〜1215ページ参照)。この還元法において、適した貴金属金属化合物が酸性またはアルカリ性雰囲気中で酸化状態ゼロ(0)を有する金属に還元される。一般に使用される化学還元物質は有害および/または発癌性のある化合物(例えばヒドラジン、ホウ化水素ナトリウム、ホルムアルデヒド)であり、且つ、量産において安全性および健康上の問題を引き起こす。
【0006】
よく知られたポリオール法においては、エチレングリコールを用いた約160℃での硝酸銀の還元によって銀ナノ粒子を製造する。該エチレングリコールは還元剤および溶剤としてはたらく。典型的には、安定化/分散剤、例えばポリビニルピロリドン(PVP)が用いられる(Y. SunおよびY. Xia, Science, 第298巻, 2176〜2179 (2002)を参照)。この方法に伴う欠点は、高いエネルギー消費、高価な有機グリコール溶剤の使用、および使用後の廃棄溶剤の再利用である。
【0007】
US2002/0034675号は、一時的な安定剤の水溶液内に埋め込まれた貴金属ナノ粒子に関する。ナノ粒子は、水中で安定剤として機能する多糖類の存在中で塩化物を含まない前駆体化合物の還元によって製造される。還元物質、例えば水素、ヒドラジン、またはエタノールが適用される。
【0008】
EP796147号B1は、1〜10nmの範囲の粒径を有する、元素の周期律表(PSE)の第VIII族およびIB族の一種および二種の金属の粒子の、界面活性剤で安定化されたコロイドを開示する。それらは非常に親水性の界面活性剤の存在中での還元法によって製造される。化学還元物質、例えば水素化物、水素またはアルカリ金属のギ酸塩(alkali formiate)が適用される。
【0009】
WO2007/112926号は、中間生成物の銀(+1)酸化物種を介した銀ベースの粒子の製造方法を教示する。有機分散剤の存在のために、銀(+1)酸化物種は熱的に不安定であり、且つ45〜90℃の範囲の温度への加熱で金属銀に分解する。この方法は2段階の方法であり、従って時間およびコストがかかる。
【0010】
US2006/0090598号A1は、銀−アンモニア錯体をグルコースおよびアラビアゴムを用いて還元することによる、超微細銀粉末の水ベースの製造方法を開示している。銀アンモニア錯体[Ag(NH32+を安定剤の存在中でグルコースを用いて還元することによる、高分散銀ナノ粒子の製造するための同様の経路が最近報告された; D. Andreescu, C. Eastman. K. BalantrapuおよびD. Goia, J. Mater. Res., 第22巻, No.9, 2488〜2495 (2007)を参照。この方法は、還元物質ならびに安定剤を用い、平均粒径約30〜120nmの銀粒子を生じる。
【0011】
US5248772号は、アミノデキストランを還元剤および分散剤として使用する、コロイド金属分散液の形成を記載している。架橋されたアミノデキストランを有し、そこに取り付けられたペンダントアミン基で被覆されたコロイド金属粒子、好ましくは金および銀粒子が生成される。かかる被覆された粒子は、免疫および生物検定におけるマーカーとして、および治療剤として使用される。特許内に記載される方法は、高希釈の貴金属塩溶液(0.2〜0.84mMolの金属/lの範囲の典型的な濃度)のために適している。貴金属塩溶液(HAuCl4およびAgNO3)は受け入れたままの状態で使用され、従ってアミノデキストランは酸性雰囲気中で適用され、且つpHの調整は行われない。低貴金属濃度を用いるために、該方法は低い収率を欠点として持つ。
【0012】
結果として、貴金属ナノ粒子分散液およびそこからのナノ粒子の製造のために現在知られている方法は、コスト、収率、方法の簡単さ、環境安全性、およびエネルギー消費の観点から満足のいくものではない。
【0013】
従って、本発明の課題は、貴金属ナノ粒子分散液の製造のための、およびそこから貴金属ナノ粒子を単離するための改善された方法を提供することである。該方法は高収率を提供すべきであり、且つ、融通が利き、簡単で、直接的で、環境に優しく、コスト効率がよく、且つ、エネルギーを節約するべきである。この課題は本発明の方法によって満たされる。
【0014】
発明の概要
本発明は貴金属ナノ粒子のコロイド分散液の製造方法、およびかかる分散液から単離することによって前記の貴金属ナノ粒子を製造する方法に関する。該コロイド分散液を、相応する貴金属金属前駆体化合物を、アルカリ性の水溶液中で、特定の条件下で多糖類を還元剤および分散剤として使用して還元することによって製造する。
【0015】
本発明の第一の実施態様は、相応する前駆体化合物を、水性反応混合物中で多糖類を用いて還元させることによる、貴金属ナノ粒子のコロイド分散液の製造方法であって、
a) 反応温度が40〜70℃の範囲であり、
b) 反応混合物のpHが≧12.0であり、且つ、
c) 多糖類の平均分子量(Mw)が300,000〜1,000,000の範囲である
製造方法に関する。
【0016】
一般に、該コロイド分散液の貴金属濃度は、10〜60mmolの金属/Lの範囲、好ましくは20〜50mmolの金属/Lの範囲である。典型的には、反応温度は40〜70℃の範囲、好ましくは50〜70℃の範囲である。典型的な反応時間は1〜10時間の範囲、好ましくは1〜8時間の範囲である。
【0017】
第二の実施態様において、本発明は貴金属ナノ粒子の製造方法であって、
a) 相応する前駆体化合物を水性反応混合物中で多糖類を用いて還元させることによって、貴金属ナノ粒子のコロイド分散液を製造する工程(前記の反応温度は40〜70℃の範囲であり、反応混合物のpHは≧12.0であり、且つ、多糖類の平均分子量(Mw)は300,000〜1,000,000の範囲である)、
b) 得られるコロイド分散液を>80℃の温度に、多糖類が分解するために充分な時間、加熱する工程、および
c) 貴金属ナノ粒子を反応混合物から分離する工程
を含む製造方法に関する。
【0018】
多糖類の分解を、コロイド分散液を少なくとも2時間、好ましくは少なくとも3時間、特定の温度より高く(>80℃)加熱することによって実施する。本方法はさらに、単離されたナノ粒子を清浄にするため、少なくとも1つの洗浄工程および/または乾燥工程を含む。
【0019】
一般に、両方の方法について、ナノ粒子は白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、およびそれらの混合物、それらの合金および/またはそれらの組み合わせからなる群から選択される貴金属を含む。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明の方法をここで詳細に記載する。
【0021】
既に概略を述べた通り、該ナノ粒子はPt、Au、Pd、Ag、Rh、Ruおよびそれらの混合物、それらの合金、および/またはそれらの組み合わせからなる群から選択される貴金属を含む。特に、コアおよびシェル材料として異なる貴金属を含む、"コア/シェル"型のナノ粒子を製造できる。例はAg/Ptナノ粒子(銀コアと白金シェルとを含む)およびPd/Pt(パラジウムコアと白金シェルとを含む)である。他の金属の組み合わせおよび混合物/合金(適した卑金属、例えばCuまたはNiを含む)が可能である。
【0022】
本発明の第一の実施態様は、貴金属ナノ粒子のコロイド水性分散液("ゾル"とも呼ばれる)の形成方法に関する。還元剤および分散剤として多糖類を使用することによる、濃縮された安定な貴金属分散液を生成する、簡単で再現性のある方法が開示される。好ましくは、DEAE−デキストラン塩酸塩(ジエチルアミノ−エチル−デキストラン−塩酸塩、一般に"アミノデキストラン"として示される)またはアラビアゴム("アラビアガム")を用いる。
【0023】
貴金属の水溶性イオン性化合物、例えば金属の硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、および/または相応する水和物、ヒドロキソ−、アミノ−、またはアンモニア錯体を、本発明のための前駆体化合物として用いてよい。一般に、該前駆体化合物の混合物または組み合わせを使用してよい。これは例えば同時または逐次の還元法の場合に有利であることがある。適した前駆体化合物は例えば、テトラクロロ金(III)酸 (HAuCl4)、ヘキサクロロ白金(IV)酸 (H2PtCl6)、白金(II)硝酸塩 (Pt(NO32)、銀(I)硝酸塩 (AgNO3)、銀(I)アンモニア錯体[Ag(NH32+、銀(I)ヒドロキソ錯体[Ag(OH)2-、パラジウム(II)硝酸塩 (Pd(NO32)、ロジウム(III)硝酸塩 (Rh(NO33)および塩化ルテニウム(III)水和物 (RuCl3×H2O)である。それらの前駆体化合物は多くの異なる供給元から市販であるか、あるいは標準的な方法によって製造される。
【0024】
本発明において、用いられる多糖類は製造方法において2つの役割を果たす: それは還元物質("還元剤")として作用し、且つ、分散物質("分散剤")として作用する。還元剤として作用する場合、多糖類は金属イオン種を、酸化状態ゼロ(0)を有する相応する金属に還元する。分散剤として作用する場合、多糖類の高分子は、分散液中の還元された金属粒子を、その表面をブロッキングし、且つ個々の粒子の凝集および凝結を防止することによって安定化させる。従って、ナノ粒子の核形成および成長のより良好な制御、並びに高い金属濃度のコロイド分散液での改善された安定性を提供する改善された方法が得られる。結果として、従来の方法と比較してより均質且つ良好に分散された(即ちより良好に解凝集している(deagglomerated))ナノ粒子が得られる。
【0025】
(直鎖または分枝した)多糖類分子は、構成単位として、還元特性を有する単糖類および二糖類の充分に高いフラクションを含有しなければならない。存在する必要のある、適した還元構成単位のリストは、限定されずに、デキストロース、スクロース、フルクトース、グルコース等を含む。還元剤/分散剤として作用できる高分子の多糖類の例は、自然に生じる化合物(例えばアラビアゴム、トラガカントゴム、カラギーナンゴム、デキストラン、デンプン等)である。さらには、引き続き様々な官能基(即ち、アミノ基、スルフェート等)での置換によって変性される天然の多糖類生成物を使用してよい。好ましい多糖類はアラビアゴム("アラビアガム")である。他の好ましい多糖類はDEAE−デキストラン塩酸塩または(ジエチルアミノエチル)−デキストランであり、一般に"アミノデキストラン"として示される。この化合物はデキストランのポリカチオン誘導体であり、且つ、ジエチルアミノエチルクロリドとデキストランとを反応させることによって製造される。それは塩酸塩の形態で供給されるが、しかし、他の形態の化合物もまた適している。置換の程度は、3つのグルコース単位あたりおよそ1つのDEAE置換基に相応する。列記された多糖類の混合物および変形を用いてもよいことに言及すべきである。
【0026】
ポリマー/多糖類の分子は、多糖類分子の酸化の結果として、ポリマー鎖が開裂する際に得られる断片が、効果的な分散剤として作用するためにまだ充分に大きいことを確実にするために必要なだけ大きくなければならない。本発明に適した多糖類の平均(中間)分子量(Mw)は、300,000〜1,000,000、好ましくは500,000〜1,000,000の範囲である。この条件が満たされれば、金属ナノ粒子の凝集が防止され、且つ、高濃度の金属でも安定なゾルが得られる。多糖類DEAE−デキストラン塩酸塩について、平均分子量(Mw)は≧500,000の範囲である。より低い平均分子量(即ちMw<300,000)を有する多糖類の使用は、それらの多糖類が一度形成されたナノ粒子を安定化できないため、劣った結果をもたらすことが判明した。これは、個々の粒子間で、それらの速い凝集によって引き起こされる"ネッキング"または"ブリッジング"をもたらす(比較例4を参照)。かかる粒子は想定されている用途に適さない。
【0027】
さらに、特定の範囲よりも大きい平均分子量(即ちMw>1,000,000)を有する多糖類の使用は劣った結果をもたらすことが判明した。これは、特により高い量の多糖類が用いられた場合、反応混合物の粘度を増加させるためであると考えられる。さらに、得られる分散液からのナノ粒子の引き続きの単離がより困難になることが判明した。
【0028】
濃縮されたコロイド状金属分散液("ゾル")の形成を可能にする1つの元素は、本発明者らの発見であり、それは高アルカリ性条件(即ちpH値≧12.0、好ましくは≧12.2)の下で、多糖類の主鎖中で還元する官能基のレドックス電位を著しく低下させ、且つ比較的穏やかな温度で金属前駆体の迅速且つ完全な還元を可能にする。アルカリ性の条件を提供するために使用されるベースのリストは、限定されずに、強い無機塩基、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化リチウム(LiOH)、および水酸化アンモニウム(NH4OH)またはそれらの組み合わせを含む。
【0029】
典型的には、反応温度(即ち、還元反応が起きる際の反応混合物の温度)は、40〜70℃、好ましくは50〜70℃の範囲である。さらには、コロイド状金(Au)分散液の製造のために、好ましい反応温度は50℃である。
【0030】
反応時間、即ち金属種の完全な還元のために、および貴金属ナノ粒子分散液の形成のために必要とされる時間は、1〜10時間の範囲、好ましくは1〜8時間の範囲である。本発明の方法は、上記の特定の条件(即ち、pH値、型、および多糖類の分子量、温度範囲)が満たされる場合にのみ、迅速で、且つ完了に向かって進行することに留意すべきである。
【0031】
該製造方法は、一般に水性反応混合物内で、脱イオン(D.I.)水を使用して実施される。標準的な手順においては、多糖類を初めに充分な量の水中に溶解させる。その後、貴金属前駆体溶液を別々に製造し、そして必要な量の適切な塩基の添加によって必要なpH値にもたらす。その後、多糖類溶液を貴金属前駆体溶液に攪拌しながら添加する。該反応混合物を上に概略を述べられた充分な時間の間、特定の温度範囲で保持する。さらなる詳細は実施例内に示される。
【0032】
必要な多糖類の量は還元する構成単位内でのその含有率に依存する。さらには、用いられる貴金属イオンの酸化状態を考慮しなければならない。一般に、多糖類の量は金属の質量の30質量%(30% 質量/質量)を上回るべきである。好ましくは、多糖類の量は金属の質量の50質量%を上回るべきである。この量は、多糖類主鎖の過剰な分断を引き起こすことなく、完全に金属種を金属に変換するために充分な還元成分を提供する。かかる過剰な分断は、小さすぎて金属ナノ粒子の凝集を防ぐことができない単位の形成をもたらすことがある。
【0033】
本発明の方法の条件下で、多糖類の還元力は最大化されており、且つ、貴金属前駆体の完全な還元が妥当な反応時間内で確実になる一方、非常に安定なコロイド分散液("ゾル")が生成される。本発明の方法によって得られる貴金属ナノ粒子分散液は、コロイド分散液の高い金属濃度によって特徴付けられる。典型的には、反応混合物中(および、還元完了後に得られるコロイド分散液中)の貴金属濃度は、10〜60mMolの金属/Lの範囲、好ましくは20〜50mMolの金属/Lの範囲である。かかる金属濃度は、他の報告された方法よりも少なくとも一桁の規模で高い。高い金属濃度が用いられるため、本発明の方法は金属ナノ粒子の高い収率をもたらし、従って工業生産に適している。
【0034】
本発明の第二の実施態様によれば、貴金属ナノ粒子は粉末形態で分散液から単離される。これは、温度>80℃への引き続きの加熱工程において、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも3時間、多糖類高分子を分解することによって実現する。多糖類の分解後、貴金属ナノ粒子が沈降し、且つ、上澄み溶液を傾瀉できる。この方法によって、沈降されたナノ粒子を反応混合物から単離できる。得られる固体をD.I.水および/またはアルコールで数回洗浄して、粒子表面に吸着された多糖類残留物を除去する。単離されたナノ粒子をその後、(例えば凍結乾燥によって)乾燥させてもよい。
【0035】
一般に、本発明によって製造された貴金属ナノ粒子の平均粒径は、通常の電子顕微鏡法(SEM/TEM)によって測定すると、1〜100nmの範囲、好ましくは1〜50nmの範囲である。
【0036】
本発明の方法が、簡単な清浄化/洗浄工程によって表面から容易に除去される有機の残留物を有する貴金属ナノ粒子を提供することが判明した。一般に、本発明によって得られる貴金属ナノ粒子は、熱重量(thermographimetric)分析(TGA)によって検出される<1質量%の残留多糖類を含む。それらの清浄で残留物の少ない表面のために、該貴金属ナノ粒子は、コア/シェル型触媒粒子の製造のためのコア材料としても同様に適している。
【0037】
以下の実施例で本発明を説明するが、本発明の範囲を限定するわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施例1の金分散液のUV/VISスペクトルを示す図である。
【図2】実施例1の金粒子のFE−SEM像である。
【図3】比較例4の金粒子のFE−SEM像である。
【0039】
実験の詳細
試薬: 硝酸銀をAmes Goldsmith社から購入した。テトラクロロ金(III)酸溶液(HAuCl4、金濃度23.0質量%)、ヘキサクロロ白金(IV)酸溶液(H2PtCl6; 白金濃度33.57質量%)および硝酸銀(AgNO3)はUmicore/South Plainfield、NJ、米国によって供給された。NAOH(10N)をAlfa Aesarから購入し、アラビアゴムをFrutarom (North Bergen NJ/米国)から入手し、DEAE−デキストラン塩酸塩(平均分子量≧500,000および≧200,000)をSigma−Aldrichから且つ、水酸化アンモニウム(NH4OH、29%)をFisherから購入した。
【0040】
粒子の評価: Perkin Elmer Lambda 35 Diode Array UV/VIS分光計を使用してコロイドナノ粒子分散液のスペクトルを記録した。粒子のモフォロジーを電界放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)によって、JEOL−JSM6300およびJEOL−JSM7400F走査型顕微鏡、およびJEOL−JEM 2010透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して調査した。粒子の結晶構造を、BRUKER D8回折計を有する粉末X線回折(XRD)によって評価した。残留分散液の量を、Perkin−Elmer PYRIS 1装置を用いて熱重量(thermographimetric)分析(TGA)によって測定した。粒径分布を、FE−SEM像から少なくとも250個の粒子の直径を測定することによって、ならびにゼータ電位分析器"Zeta−Plus"(Brookhaven Instruments社)動的光散乱法によって得た。
【0041】
実施例
実施例1
DEAE−デキストランを用いた金ゾルの製造
第一の工程において、37.95gのDEAE−デキストラン塩酸塩(平均分子量≧500.000、Sigma−Aldrich)を、600mLのビーカー内の330mLの脱イオン水中に溶解した。溶解工程を少なくとも1時間持続するべきである。別途、10Lビーカー内で、3.30Lの脱イオン水を攪拌しながら50℃に加熱する。この温度で、141.32gの高純度テトラクロロ金(III)酸溶液(HAuCl4、金濃度23.0質量%、Umicore/South Plainfield、NJ、米国)を添加する。この量は、32.5g(=0.165Mol)の純粋な金に相当する。次に、157.34gの10Nの水酸化ナトリウム(NaOH)溶液をゆっくりと数分の間にわたって金溶液に添加する。ゆっくりとした添加は、添加位置での局所的な塩基の濃度が高すぎる場合に金の水酸化物の沈殿物が形成する可能性を防ぐ。得られる溶液のpHはpH=12.2である。得られる多糖類/Auの比は、金含有率に対して〜120質量%である。塩基を添加した後、アミノデキストラン溶液を攪拌されたアルカリ性の金溶液に迅速に添加する。ほとんど即座に、透明な黄色から非常に暗い紫色への劇的な色変化によって示される通り、金イオンの還元が開始する。反応物の混合を3時間30分、50℃で継続し、その時間の間に金が完全に還元される。金ナノ粒子を濃度約42mMol Au/Lで含有する安定したコロイド分散液が得られる。
【0042】
粒子の評価: 反応が完了したら、適切な希釈後にUV−VISスペクトルを記録する。狭いプラズモンバンドは、〜518nmに位置する最大吸収の典型的な波長を有している(図1を参照)。電子顕微鏡検査(電界放出型走査型電子顕微鏡、FE−SEM、粒子の単離後)は、平均粒径〜20nmを有する非常に均質な金粒子の存在を明らかにする(図2を参照)。走査型透過電子顕微鏡(HRSTEM)像は、金粒子が単結晶からなることを示す。
【0043】
実施例2
DEAE−デキストランを用いた金ナノ粒子の製造
この実験において、8.57gのテトラクロロ金(III)酸溶液(HAuCl4、金濃度23.0質量%、1.97gまたは0.01molのAuを含有)を、1Lのジャケット付きガラス製ビーカー内で50℃に保持された0.5Lの脱イオン水に添加した。金溶液のpHを引き続き、10NのNaOH溶液のゆっくりとした添加によってpH=12.2に調節した。次に、2.3gのDEAE−デキストラン塩酸塩(平均分子量≧500,000、Sigma−Aldrich)を50mLのDI水中に予め溶解させて、反応容器内に攪拌しながら迅速に注いだ。該混合物を連続的に50℃で7.5時間攪拌し、その時間の間にAu(III)種を完全に還元させ、安定な金ゾルを形成した。最終の分散液のUV−VISスペクトルは、519nmで非常に鋭いピークを示し、高分散金ナノ粒子の存在の明白な確証を示す。全ての金が還元されたら、該分散液を≧84℃で4時間加熱することによって、分散剤アミノデキストランを分解した。分散剤の分解後、金粒子が沈殿し、そして上澄み溶液を傾瀉した。得られる固体を水およびエタノールを用いて数回洗浄し、そして最終的に凍結乾燥した。
【0044】
粒子の評価:
単離された粒子のFE−SEMによって直径〜20nmを有する非常に均質な金粒子の存在が立証された。乾燥された粒子のX線回折図によって典型的な金属性の金であることが判明した。より高角の反射(2.2.0および3.0.0)についてScherrerの方程式によって計算された微結晶のサイズは〜12nmであり、それらの金粒子が恐らく単結晶であることを示唆していた。TGAによって測定された質量損失は、乾燥した粒子がわずかな量(<1質量%)の残留アミノデキストランのみを含有することを示した。
【0045】
実施例3
アラビアゴムを用いた銀−アンモニア錯体の還元
初めに、4.5gのアラビアゴム(平均分子量≧300,000; Frutarom、North Bergen NJ/米国)を、260mlの脱イオン水中に1時間溶解させる。該溶液をその後、必要な量のNaOH(10N溶液)の添加によってpH=12.0に調節する。並行して、銀−アンモニア錯体溶液を7.08gのAgNO3を、25mLの脱イオン水中に溶解させ、7.65mLのNH4OH(29%)を添加し、最後に100mLの最終的な容積に調節して製造する。銀錯体溶液を多糖類溶液に迅速に添加し、そして力強く攪拌しながら温度を70℃に上昇させる。該分散液を70℃で約1時間保持した後、反応が完了し、UV−VISスペクトルにおける415nmでの明確に規定されたプラズモンバンドによって示される通り、非常に安定な分散液の形成がもたらされる。単離された銀ナノ粒子の平均サイズは30nmである。
【0046】
実施例4
DEAE−デキストランを用いた銀−アンモニア錯体の還元
還元する多糖類溶液を、3.5gのDEAE−デキストラン塩酸塩(平均分子量≧500,000、Sigma−Aldrich)を300mLの脱イオン水に溶解させることによって製造した。次に、該溶液のpHを必要な量のNaOH(10N)を添加することによってpH=12.5に調節し、且つ、その温度を55℃にゆっくりと上昇させた。別途、銀−アンモニア錯体溶液を、5.5gのAgNO3を脱イオン水中に溶解させ、その後、6.0mLの濃縮されたNH4OH溶液(29%)を添加し、そして最後に50mLの容積にもたらすことによって製造した。銀−アンモニア溶液を、一定の攪拌の下でアミノデキストラン溶液に添加し、そして該混合物を1時間にわたって攪拌する一方、温度を55℃で保持した。銀分散液のUV−VISスペクトルおよびFE−SEM像は、形成されたAgナノ粒子(サイズ〜20nm)は均質であり、且つ非常に高度の分散を有したことを明らかに示す。
【0047】
実施例5
DEAE−デキストランを用いた白金ナノ粒子の製造
3.07のDEAE−デキストラン塩酸塩(平均分子量≧500,000、Sigma− Aldrich)を、100mLビーカー内の50mLの脱イオン水中に少なくとも1時間、溶解させる。別途、5.809gの量のヘキサクロロ白金酸溶液(33.57質量%Pt、製造元Umicore/South Plainfield、NJ、米国)を1Lのジャケット付きビーカー内の500mLの脱イオン水に添加し、そして該溶液を75℃に加熱する。次に、10NのNaOH溶液を該白金溶液にゆっくりと添加して、該混合物のpHをpH=12.2に上げる。塩基が添加された後、アミノデキストラン溶液を攪拌されたアルカリ性の白金溶液に迅速に添加する。10時間後に還元が完了し、実施例2に記載された通り、分散剤を分解することによって白金粒子を単離する。TEM分析はPt粒子が非常に小さく(2〜3nm)且つ均質であったことを示す。
【0048】
比較例1 (CE1)
pH=10でのDEAE−デキストランを用いた金ナノ粒子の製造
この比較例は実施例2に記載の通りに実施されたが、しかしながら、10NのNaOH溶液をゆっくりと添加することによって、テトラクロロ金(III)酸溶液(HAuCl4)のpHを初めにpH=10に調節した。その後、アミノデキストランを添加し、そして全てのさらなる工程を実施例2に概略を述べた通りに実施した。pH=10で、pH=12.2のときより還元が著しく遅くなり、分散液の色が紫−赤へと変化するのに数分かかり、且つ、完全に金が還元されるためには〜90時間(=3.75日)かかった。得られる粒子は非常に均質なままであるが、しかしそれらの平均直径は40nmに増加し、且つ、UV−VISスペクトルにおけるプラズモンバンドは530nmにシフトした。
【0049】
比較例2および3 (CE2およびCE3)
25℃でのDEAE−デキストランを用いた金ナノ粒子の製造(CE2)
この比較例は実施例2に記載の通りに実施されたが、しかしながら、還元の間、反応温度を室温(25℃)に保持した。結果として、還元は実施例2よりも著しく遅かった。初めの色の変化は、数分後にのみ認められ、且つ、赤色の特徴的な金ナノ粒子は数時間後にのみ現れた。金種の完全な還元のために約16日が必要であった。得られる金ナノ粒子は均質で、且つ50℃で得られるものよりもわずかに大きかった。
【0050】
80℃でのDEAE−デキストランを用いた金ナノ粒子の製造(CE3)
それに対して、80℃での還元は不均質で、急速に沈殿する大きな金粒子/凝集物を生成した。
【0051】
比較例4 (CE4)
より低い分子量のDEAE−デキストランを用いた金ナノ粒子の製造
この比較例においては、2.3gのDEAE−デキストラン塩酸塩(平均分子量(Mw)≧200,000、Sigma−Aldrichから入手可能)を、100mLのビーカー内の50mLの脱イオン水中に溶解する。溶解工程を少なくとも1時間持続するべきである。別途、1Lビーカー内で、500mLの脱イオン水を攪拌しながら50℃に加熱する。この温度で、8.57gのテトラクロロ金(III)酸溶液(HAuCl4、23質量% Au; Umicore、South Plainfield、New Jersey)を添加する。この量は、2gの純粋な金に相当する。次に、9.54gの10NのNaOH溶液をゆっくりと数分の間にわたって金溶液に添加し、pH12.2に達する。塩基を添加した後、アミノデキストラン溶液を攪拌されたアルカリ性の金溶液に迅速に添加する。ほとんど即座に、透明な黄色から非常に暗い紫色への色変化によって示される通り、金イオンの還元が開始する。反応物の混合を3時間30分、50℃で継続し、その時間の間、金を完全に還元させる。UV−VISスペクトルを使用して反応の進行をモニターする。スペクトル中でピークの広がりが見られ、且つ、高波長で増加した吸光度は粒子の凝集を示す。これは、より低い分子量のアミノデキストランは、一度形成されたナノ粒子を安定化することができないという結論をみちびく。得られる粒子の電子顕微鏡検査は、個々の粒子間でそれらの急速な凝集によって引き起こされるネッキングを明らかに示す(図3のFE−SEM像を参照)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相応する前駆体化合物を、水性反応混合物中で多糖類を用いて還元させることによる、貴金属ナノ粒子のコロイド分散液の製造方法であって、
a) 反応温度が40〜70℃の範囲であり、
b) 反応混合物のpHが≧12.0であり、且つ、
c) 多糖類の平均分子量(Mw)が300,000〜1,000,000の範囲である、貴金属ナノ粒子のコロイド分散液の製造方法。
【請求項2】
ナノ粒子が白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、およびそれらの混合物およびそれらの組み合わせからなる群から選択される貴金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
多糖類が、ジエチル−アミノエチル−デキストラン塩酸塩("DEAE−デキストラン")またはアラビアゴムである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
多糖類が、平均分子量(Mw)≧500,000を有するジエチル−アミノエチル−デキストラン塩酸塩である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
コロイド分散液の貴金属濃度が、10〜60mMolの金属/Lの範囲、好ましくは20〜50mMolの金属/Lの範囲である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
反応混合物中の多糖類の量が、貴金属の質量に対して>30質量%である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
反応時間が、1〜10時間の範囲、好ましくは1〜8時間の範囲である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
相応する前駆体化合物が、貴金属の硝酸塩、貴金属の硫酸塩、貴金属の酢酸塩、貴金属の塩化物、貴金属の臭化物、貴金属のヨウ化物、貴金属のアンモニア錯体、貴金属のアミノ錯体、または貴金属のヒドロキソ錯体および/またはそれらの混合物またはそれらの組み合わせの群から選択される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
貴金属ナノ粒子の製造方法であって、
a) 相応する前駆体化合物を、水性反応混合物中で多糖類を用いて還元させることによって、貴金属ナノ粒子のコロイド分散液を製造する工程(前記の反応温度は40〜70℃の範囲であり、反応混合物のpHは≧12.0であり、且つ、多糖類の平均分子量(Mw)は300,000〜1,000,000の範囲内である)、
b) 得られるコロイド分散液を>80℃の温度に、前記の多糖類が分解するために充分な時間、加熱する工程、および
c) 貴金属ナノ粒子を反応混合物から分離する工程
を含む製造方法。
【請求項10】
さらに少なくとも1つの洗浄および/または乾燥工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
貴金属ナノ粒子が、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)、およびそれらの混合物、それらの合金、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される貴金属を含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
多糖類が、ジエチル−アミノエチル−デキストラン塩酸塩("DEAE−デキストラン")またはアラビアゴムである、請求項9から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
多糖類が、平均分子量(Mw)≧500,000を有するジエチル−アミノエチル−デキストラン塩酸塩である、請求項9から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程a)における反応時間が、1〜10時間の範囲、好ましくは1〜8時間の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
反応混合物中の多糖類の量が、貴金属の質量に対して>30質量%である、請求項9から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
工程b)における多糖類の分解のための反応時間が、少なくとも2時間、好ましくは少なくとも3時間である、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
相応する前駆体化合物が、貴金属の硝酸塩、貴金属の硫酸塩、貴金属の酢酸塩、貴金属の塩化物、貴金属の臭化物、貴金属のヨウ化物、貴金属のアンモニア錯体、貴金属のアミノ錯体、または貴金属のヒドロキソ錯体および/またはそれらの混合物またはそれらの組み合わせの群から選択される、請求項9から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
貴金属ナノ粒子の平均粒径が、通常の電子顕微鏡法(SEM/TEM)による測定で、1〜100nmの範囲、好ましくは1〜50nmの範囲である、請求項9から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法によって得られる貴金属ナノ粒子のコロイド分散液。
【請求項20】
請求項9から18までのいずれか1項に記載の方法によって得られる貴金属ナノ粒子。
【請求項21】
残留多糖類の含有率が<1質量%(TGAによって測定)である、請求項20に記載の貴金属ナノ粒子。
【請求項22】
請求項20または21に記載の貴金属ナノ粒子を、コア/シェル型粒子の製造のためのコア材料として用いる使用。
【請求項23】
請求項20または21に記載の貴金属ナノ粒子を、エレクトロニクス用途、装飾用途のために、および医療または治療の使途のために用いる使用。
【請求項24】
請求項19に記載のコロイド分散液を、エレクトロニクス用途、装飾用途のために、および医療または治療の使途のために用いる使用。
【請求項25】
相応するイオンを、アルカリ性の水溶液中で多糖類を用いて還元させることによる、ナノサイズの貴金属の高安定分散液の製造方法。
【請求項26】
貴金属が、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、およびルテニウム(Ru)からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
塩化金のアルカリ性の水溶液をDEAE−デキストラン塩酸塩を用いて55℃で還元させることを含む、高分散金ナノ粒子の製造方法。
【請求項28】
Sigma−Aldrichから入手されたデキストランが還元剤および分散剤の役割を果たす、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
DEAE(ジエチルアミノエチル−)で変性される前の多糖類の分子量が、500,000である、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−511885(P2011−511885A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542276(P2010−542276)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/000130
【国際公開番号】WO2009/131603
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(501399500)ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (139)
【氏名又は名称原語表記】Umicore AG & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Rodenbacher Chaussee 4,D−63457 Hanau,Germany
【Fターム(参考)】