貼付け装置およびその貼付け装置を用いた表示用パネルの製造装置、ならびに貼付け方法およびその貼付け方法を用いた表示用パネルの製造方法
【課題】貼付けフィルムから剥離フィルムを剥離する際に発生する剥離帯電を十分に除電することができる貼付け装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる貼付け装置は、剥離フィルム2を剥離する剥離箇所に配置される案内部材5と、剥離フィルム2に切れ目を入れる刃7と、刃7により剥離フィルム2に形成された切れ目から前記剥離箇所へ、除電器により送気されたイオン化エアを送るための開口部11と、を備える。
【解決手段】本発明にかかる貼付け装置は、剥離フィルム2を剥離する剥離箇所に配置される案内部材5と、剥離フィルム2に切れ目を入れる刃7と、刃7により剥離フィルム2に形成された切れ目から前記剥離箇所へ、除電器により送気されたイオン化エアを送るための開口部11と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して貼付け対象に貼り付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)や液晶パネル等のフラット・パネル・ディスプレイには、偏光フィルムや位相差フィルム等の光学フィルムが貼り付けられている。通常、貼り付けるフィルムの一方の面には粘着剤が予め塗布されており、その粘着剤により剥離フィルム(セパレータ)が接着されている。したがって、貼付けフィルムを貼り付ける際には、剥離フィルムを剥離して、現れた粘着層で貼付けフィルムを貼付け対象に貼り付ける。
【0003】
貼付け方法としては、予め所定のサイズに成形された枚葉状のフィルムを1枚ずつ取り出し、そのフィルムから剥離フィルムを剥離しながら、貼付けフィルムを表示用パネルに貼り付ける方法がある(例えば、特許文献1参照。)。この場合、枚葉状フィルムは、吸着テーブル等の保持装置で搬送される。その他、ロール状に巻回されたフィルムの帯を引き出し、ハーフカットして貼付けフィルムのみを所定のサイズに切断し、引き出したフィルムから剥離フィルムを剥離しながら、貼付けフィルムを表示用パネルに貼り付ける方法がある。この場合、帯状のフィルムはローラ等で搬送される。
【0004】
また、表示用パネルに貼り付ける光学フィルムは樹脂製であるため、剥離フィルムを剥離する際に剥離帯電によって大きな電位が発生し、静電吸着によって異物が引き寄せられ、その異物が原因となって表示用パネルに不具合が起こるおそれがある。また、帯電した状態の光学フィルムを表示用パネルに貼り付けることにより、表示用パネルの内部の電子部品や、表示用パネルに取り付けられる電子部品が静電気によって破壊されるおそれがある。そのため、通常、静電気により性能あるいは品質に悪影響を受けやすい表示用パネル等の貼付け対象に、静電気を帯びやすい樹脂製フィルム等の貼付けフィルムを貼り付ける際には、剥離フィルムが剥離される剥離箇所へ、除電器によりイオン化エアを吹き付けて電位を下げる(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
ここで、特許文献1に記載された従来の貼付け装置を、図8〜図11を用いて説明する。この貼付け装置は、枚葉状の貼付けフィルムを表示用パネルに貼り付ける前に、貼付けフィルムから剥離フィルムを半分だけ剥離する。
【0006】
具体的には、図8に示すように、剥離フィルム102の一端を挟持した剥離ユニット103が剥離方向104へ移動して、フィルム吸着テーブル105に吸着された貼付けフィルム101から剥離フィルム102の一部を剥離させる。この際、剥離ユニット103に合わせて移動する除電器106が、剥離フィルム102が剥離される剥離箇所へイオン化エアを吹き付けて電位を下げる。除電器106の概略構成を図9に示す。
【0007】
貼付けフィルム101から一部剥離された剥離フィルム102は、図10に示すように折り返され、その折り返された一端が剥離フィルム吸着パッド107に吸着される。この状態でフィルム吸着テーブル105を移動させて、貼付けフィルム101の一端を、パネル吸着テーブル108に吸着された表示用パネル109に、貼付けローラ110によって押し付ける。その後、パネル吸着テーブル108を移動させることで、残りの剥離フィルム102を剥離しながら、貼付けフィルム101を表示用パネル109に貼付けローラ110によって押し付けていく。これにより、表示用パネル109に貼付けフィルム101が貼り付けれる。この際、表示用パネル109の側面付近に配置された除電器111が、剥離フィルム102が剥離される剥離箇所へイオン化エアを吹き付けて電位を下げる。除電器111の配置を図11に示す。図11に示すように、除電器111から点線矢印に沿って送られたイオン化エアは、フィルムの中心(フィルムの長手方向に直交する幅方向の中心)に向けて吹き付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−96530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された貼付け装置の構成では、表示用パネルに貼付けフィルムを貼り付ける際に、表示用パネルの側面付近にしか除電器を配置できないため、フィルムの中央部(フィルムの幅方向の中央部)にまで十分にイオン化エアが行き渡らず、電位の高い部分が残ってしまう。これは、剥離フィルムを剥離する際に剥離帯電によって発生する電位は10kV以上と非常に高く、表示用パネルの側面付近に配置された除電器からイオン化エアを吹き付けても、フィルムの両端(フィルムの幅方向の端)の高い電位がイオン化エアを吸い寄せてしまい、フィルムの中央部にまでイオン化エアが届かないためである。この問題は、表示用パネルのサイズが大きいほど顕著となる。
【0010】
一方、近年、ロール状に巻回されたフィルムを用いた貼付け装置の利用が高まっている。この貼付け装置によれば、剥離フィルムを連続的に剥離しながら、剥離フィルムを剥離した直後にその貼付けフィルム上の剥離箇所を表示用パネルに貼り付けることができ、工程時間の短縮化と異物による不具合の減少を図ることができるためである。
【0011】
しかしながら、ロール状に巻回されたフィルムを用いる場合、剥離フィルムが剥離される剥離箇所の直前に貼付け対象の表示用パネルが存在するため、剥離箇所に対面して除電器を配置できず、特許文献1に記載された貼付け装置のように、表示用パネルの側面付近に除電器を配置したのでは、電位の高い部分が残ってしまう。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、剥離フィルムを剥離しながら貼付けフィルムを貼付け対象に貼り付ける際に、剥離フィルムが剥離される剥離箇所全体にイオン化エアを十分に行き渡らせて、除電しきれない領域を抑制することができる貼付け装置および貼付け方法を提供することを目的とする。さらに、その貼付け装置および貼付け方法を用いた表示用パネルの製造装置および表示用パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明にかかる貼付け装置は、貼付け対象に貼り付けられる貼付けフィルムから、前記貼付けフィルムの一方の面を覆う剥離フィルムを剥離する剥離箇所に配置されて、前記剥離フィルムを剥離方向へ案内する案内部材と、前記剥離フィルムに切れ目を入れる刃と、イオン化エアを送気する除電器と、前記刃により前記剥離フィルムに形成された切れ目から前記剥離箇所へ、前記除電器により送気されたイオン化エアを送るための開口部と、を備えたことを特徴とする。この本発明にかかる貼付け装置において、前記刃または前記案内部材は、前記剥離フィルムの切れ目を広げる形状を有することが好ましい。
【0014】
また、本発明にかかる表示用パネルの製造装置は、前記した本発明にかかる貼付け装置を備え、前記貼付け装置により、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付けることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる貼付け方法は、貼付け対象に貼り付けられる貼付けフィルムから、前記貼付けフィルムの一方の面を覆う剥離フィルムが剥離される剥離箇所にて、前記剥離フィルムに切れ目を入れ、その切れ目から前記剥離箇所へイオン化エアを送ることを特徴とする。この本発明にかかる貼付け方法において、前記剥離フィルムの切れ目から前記剥離箇所へイオン化エアを送る際に、前記剥離フィルムの切れ目を広げることが好ましい。
【0016】
また、本発明にかかる表示用パネルの製造方法は、前記した本発明にかかる貼付け方法により、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、剥離フィルムを剥離しながら貼付けフィルムを貼り付けるに際し、剥離フィルムに切れ目をいれ、その切れ目の隙間から、剥離フィルムが剥離される剥離箇所へイオン化エアを導入して、剥離帯電による電位を下げるので、剥離箇所全体にイオン化エアを十分に行き渡らせて、除電しきれない領域を抑制することができる。これにより、表示用パネルの内部の電子部品や表示用パネルに取り付けられる電子部品の破損の回避、異物による不具合の回避等を図ることができる。
【0018】
なお、本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法は、表示用パネルの製造装置および表示パネルの製造方法にのみ適用されるものではなく、静電気により性能あるいは品質に悪影響を受けやすい貼付け対象に、静電気を帯びやすい貼付けフィルムを貼り付ける用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における貼付け装置の一構成例の概略を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図
【図3】本発明の実施の形態1における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図
【図4】本発明の実施の形態2における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図
【図5】本発明の実施の形態2における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図
【図6】本発明の実施の形態3における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図
【図7】本発明の実施の形態3における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図
【図8】従来の貼付け装置の剥離動作の一部を説明するための図
【図9】従来の貼付け装置が備える除電器の概略構成を示す図
【図10】従来の貼付け装置の貼付け動作の一部を説明するための図
【図11】従来の貼付け装置が備える除電器の配置を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法の実施の形態について、図面を交えて説明する。以下の各実施の形態では、フラット・パネル・ディスプレイ等の表示用パネルに光学フィルム等の貼付けフィルムを貼り付ける場合を例に説明する。本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法は、表示用パネルに光学フィルムを貼り付けるのに好適であるが、無論、貼付け対象および貼付けフィルムは表示用パネルおよび光学フィルムに限定されるものではなく、本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法は、以下の各実施の形態に限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における貼付け装置の一構成例の概略を示す模式図である。この貼付け装置は表示用パネルの製造装置の一部を成し、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付ける。以下、貼付けフィルムの貼付け動作に沿って説明する。
【0022】
まず、貼付けフィルム1の貼付け対象である表示用パネル4の裏面を吸着保持する吸着テーブル3を、図示しない移動機構により移動させて、表示用パネル4を所定の貼付け開始位置へ搬送する。なお、表示用パネル4には、PDPや液晶パネル、有機ELディスプレイ等のフラット・パネル・ディスプレイを適用することができる。
【0023】
表示用パネル4が所定の貼付け開始位置へ搬送されると、ロール状に巻回されたフィルムの帯が引き出される。その引き出された原フィルムは、貼付けフィルム1の一方の面が剥離フィルム2で覆われた構造をしている。即ち、貼付けフィルム1の一方の面に粘着剤が塗布されており、その粘着剤により剥離フィルム2が接着されている。なお、貼付けフィルム1には、偏光フィルムや位相差フィルム等の光学フィルムを適用することができる。
【0024】
引き出された原フィルムは、剥離フィルム2に切れ込みを入れない切断深さに設定された図示しない刃によるハーフカット工程を経た後、図1に示す剥離ブレード5へ搬送される。ハーフカット工程では、1枚の表示用パネル4に合わせた所定のサイズに貼付けフィルム1のみが切断される。
【0025】
案内部材である剥離ブレード5は、貼付け対象である表示用パネル4に貼り付けられる貼付けフィルム1から、その貼付けフィルム1の一方の面を覆う剥離フィルム2を剥離する剥離箇所に配置されており、剥離フィルム2を剥離方向へ案内する。剥離箇所は、この実施の形態では、図1に示すように表示用パネル4の直前の位置である。
【0026】
ロール状に巻回された原フィルムは、貼付けフィルム1から剥離された剥離フィルム2を図示しない搬送ローラで引っ張ることにより送られる。その搬送ローラと剥離ブレード5により、剥離フィルム2は、図1に示すように、剥離ブレード5の先端(表示用パネル4側の端部)で、原フィルムが送られてきた方向(以下、「導入方向」という)とは略逆方向へ急激に進路が変更される。この変更された進路が、この実施の形態における剥離方向であり、その方向は、表示用パネルと略平行である。一方、貼付けフィルム1は、剥離ブレード5の先端で剥離フィルム2から別れて、原フィルムの導入方向へ、方向を変えることなくそのまま移動する。これにより、剥離ブレード5の先端で剥離フィルム2が剥離されて、貼付けフィルム1の粘着層が表示用パネル4側に現れる。
【0027】
剥離フィルム2が剥離された貼付けフィルムの先端は、貼付け開始位置で待っている表示用パネル4と、その下に待機している貼合ローラ6との隙間に挿入される。その隙間に貼付けフィルム1の先端が挿入されると、貼合ローラ6が、表示用パネル4側へ上昇して、貼付けフィルム1の先端を表示用パネル4に押し当てて貼り付ける。
【0028】
貼付けフィルム1の先端が表示用パネル4に貼り付けられた状態で、表示用パネル4を吸着保持している吸着テーブル3が、剥離方向とは反対の方向へ移動すると、貼合ローラ6が表示用パネル4の移動と共に回転する。これにより、貼付けフィルム1が連続的に表示用パネル4に押し当てられて貼り付けられる。
【0029】
剥離フィルム2を引っ張る搬送ローラは、表示用パネル4の移動速度と同期をとっており、貼付けフィルム1は、表示用パネル4の移動速度と同じ速さで剥離ブレード5から押し出される。剥離フィルム2を引っ張る搬送ローラは、表示用パネル4の1枚分の貼付けフィルムが剥離ブレード5から押し出されると停止する。
【0030】
1枚の表示用パネル4に貼り付けられる貼付けフィルムの終端は、前述したハーフカット工程により、次の表示用パネルに貼り付けられる貼付けフィルムから切り離されている。よって、剥離フィルム2を引っ張る搬送ローラが停止した後に、表示用パネル4の移動と貼合ローラ6の回転により、貼付けフィルムの終端が表示用パネル4に貼り付けられる。貼付けフィルムの終端が貼り付けられると、表示用パネル4は貼付け装置から離れる。
【0031】
さらに、この貼付け装置は、貼付けフィルム1から剥離フィルム2を剥離する際に、剥離された剥離フィルム2に切れ目を入れ、その切れ目の隙間から、剥離フィルム2が剥離される剥離箇所にイオン化エアを導入して剥離帯電による電位を下げる。
【0032】
具体的には、剥離ブレード5の先端に配置された刃7によって、剥離された剥離フィルム2に切れ目を入れる。剥離ブレード5には、その後方から先端へ導通する導通路8が加工されており、その導通路8を通って、イオン化エアが剥離ブレード5の先端へ送られ、剥離された剥離フィルム2に形成された切れ目の隙間を介して、剥離箇所へ吹き付けられる。イオン化エアを送気する除電器9は、剥離ブレード5の後方に配置されており、イオン化エアを高圧で運ぶパイプ10を介して導通路8に連結している。
【0033】
図2に、剥離ブレード5の先端付近の拡大断面模式図を示す。図2に示すように、剥離ブレード5には、刃7が設けられている。刃7は、剥離フィルム2の搬送方向に沿って、貼付けフィルム1から剥離された剥離フィルム2に切れ目を入れる。但し、この刃7は、貼付けフィルム1に接触して傷を付けないように配置する。
【0034】
また、この実施の形態1では、剥離フィルム2の切れ目から剥離箇所へイオン化エアを送るための出口穴(開口部)11を、刃7の前方面(剥離フィルム2が剥離される剥離箇所に対向する面)に設けた。
【0035】
このようにしたのは、刃7とイオン化エアの出口穴11を横に並べて配置すると、剥離フィルム2がイオン化エアの出口穴11を塞ぎ、刃7と剥離フィルム5の切れ目との間の僅かな隙間からしかイオン化エアを剥離箇所へ送ることができず、十分な量のイオン化エアを剥離箇所へ吹き付けることができないためである。
【0036】
図3は、剥離ブレード5の先端付近の外観模式図である。図3に示すように、この実施の形態1では、剥離ブレード5の先端に、剥離フィルム2の搬送方向に直交する横方向に沿って、厚みのある刃7を所定の間隔で複数枚配置するとともに、刃7のそれぞれの前方面に出口穴11を設けた。例えば、刃7の最大厚さは5mmに、刃7の間隔は30mmに、出口穴11の直径は2mmにそれぞれ設定することができる。なお、イオン化エアを剥離ブレード5の先端へ送るための導通路8は、刃7にも形成されている。このようにすれば、剥離フィルム2の切れ目が刃7の厚みに沿って開くので、イオン化エアの出口穴11は剥離フィルム2によって塞がれることはない。したがって、イオン化エアの流量を調整することで、剥離箇所全体へ十分な量のイオン化エアを流すことができる。イオン化エアの流量は、例えば1穴あたり約19.5リットル/min(ANR)に設定することができる。
【0037】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、貼付けフィルム1から剥離フィルム2を剥離する際に、剥離された剥離フィルム2に切れ目を入れ、その切れ目の隙間から、剥離フィルム2が剥離される剥離箇所全体にイオン化エアを導入して剥離帯電による電位を下げることができ、除電しきれない領域を抑制することができる。また、これにより、表示用パネル4の内部の電子部品や表示用パネル4に取り付けられる電子部品の破損、異物による不具合等を防ぐことができる。さらに刃7が、剥離フィルム2の切れ目を広げる形状を有するので、切れ目の隙間から剥離箇所へ容易にイオン化エアを導入することができる。
【0038】
この実施の形態1の効果を確認するため、除電器に株式会社コガネイ製の除電器DTRY−ELB01を用い、表示用パネルの位置にトレック・ジャパン株式会社製のチャージプレートモニターMODEL−156Aを配置して実験したところ、イオン化エアの圧力を0.1MPaに設定した場合、14.3秒で帯電量1000Vを100Vまで低減することができた。
【0039】
また、この実施の形態1によれば、剥離フィルム2は切れ目を入れられて複数に分離されるが、それらの分離された剥離フィルムの各々はいずれも同じ距離の経路をたどるので、剥離フィルムの巻取りは容易に行うことができる。
【0040】
なお、剥離ブレード5や刃7の材質を絶縁体やセラミックにすれば、イオン化エアの消滅を減らすことができる。さらに、刃7を発熱させることで、剥離フィルム2に切れ目を入れるときに切り屑が発生しない。
【0041】
また、この実施の形態1では、刃7を厚くして、その前方面にイオン化エアの出口穴11を設けたが、2枚の薄い刃を、V字状になるように先端を合わせて配置し、それらの2枚の刃の間にイオン化エアの出口穴11を設けてもよい。
【0042】
また、図3には、刃7を3箇所に設けた構成を例示しているが、無論、刃の枚数は特に限定されるものではなく、表示用パネル4のサイズや、イオン化エアの流量等に基いて適宜設定すればよい。また、図3には、イオン化エアの出口穴11を円形状に表示しているが、無論、出口穴11の形状は特に限定されるものではない。
【0043】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について、図面を交えて説明する。但し、前述した実施の形態1と異なる点について説明し、同じ点については適宜説明を省略する。この実施の形態2は、剥離フィルムに切れ目を入れる刃ではなく、剥離セパレータの先端が、剥離フィルムの切れ目を広げる形状をしている点で、前述した実施の形態1と異なる。
【0044】
図4は本発明の実施の形態2における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図、図5は本発明の実施の形態2における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図であり、前述した実施の形態1で説明した部材に対応する部材には同一符号を付している。
【0045】
この実施の形態2における貼付け装置は、図4、図5に示すように、剥離ブレード5の先端に、剥離フィルム2の搬送方向に直交する横方向に沿って、高い部分12と低い部分13が交互に形成されており、それにより、複数の箇所に段差が形成されている。そして、その段差が形成されている箇所の各々に、貼付けフィルム1から剥離された剥離フィルム2に、剥離フィルム2の搬送方向に沿って切れ目を入れる薄い刃14が配置されている。さらに、それらの段差部分に横向きにイオン化エアの出口穴11が形成されている。例えば、段差の高さは2mmに、刃14の厚さは0.45mmに、刃14の間隔は15mmに、出口穴11の直径は1mmにそれぞれ設定することができる。なお、前述の実施の形態1で説明したように、刃14の材質は絶縁体やセラミックが好適である。また、刃14を発熱させるのが好適である。
【0046】
このように、剥離ブレード5の先端の高さが、刃14の両側において異なることにより、切れ目を入れられて分離された剥離フィルムは、刃14の両側において高さが異なる経路を通る。したがって、段差により切れ目が広がるので、段差部分に横向きに形成されたイオン化エアの出口穴11は剥離フィルムにより塞がれず、剥離箇所全体へ十分な量のイオン化エアを流すことができる。
【0047】
この実施の形態2によれば、イオン化エアの出口穴11を大きく取りやすいため、イオン化エアの流量を多くすることができる。例えば、イオン化エアの流量は1穴あたり約5リットル/min(ANR)に設定することができる。また、この実施の形態2によれば、イオン化エアの出口穴11の向きを調整して、イオン化エアが中央から端へ流れるようにすれば、刃14と剥離フィルタ2との間で発塵が起こった場合でも、その塵を外へ排出することができる。
【0048】
なお、図5には、刃14を5箇所に設けた構成を例示しているが、無論、刃14の枚数は特に限定されるものではなく、表示用パネル4のサイズや、イオン化エアの流量等に基いて適宜設定すればよい。また、図4、図5には、イオン化エアの出口穴11を円形状に表示しているが、無論、出口穴11の形状は特に限定されるものではない。また図5には、剥離ブレード5の横方向の両端の高さが異なる構成を例示しているが、無論、両端の高さは同じでもよい。
【0049】
(実施の形態3)
続いて、本発明の実施の形態3について、図面を交えて説明する。但し、前述した実施の形態1および2と異なる点について説明し、同じ点については適宜説明を省略する。この実施の形態3は、剥離セパレータの先端の形状とイオン化エアの出口穴の位置が、前述した実施の形態2と異なる。
【0050】
図6は本発明の実施の形態3における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図、図7は本発明の実施の形態3における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図であり、前述した実施の形態1および2で説明した部材に対応する部材には同一符号を付している。
【0051】
この実施の形態3は、前述の実施の形態2と同様に、剥離ブレード5の先端に、剥離フィルム2の搬送方向に直交する横方向に沿って、高い部分12と低い部分13が交互に配置されており、それにより、複数の箇所に段差が形成されている。例えば、段差の高さは1mmに設定することができる。
【0052】
さらに、この実施の形態3は、図6、図7に示すように、剥離ブレード5の先端に、剥離フィルム2の搬送方向に直交する方向に沿って、剥離ブレード5の横方向の幅よりも短い溝15が形成されており、その溝15の底面にイオン化エアの出口穴11が形成されている点で、前述した実施の形態2と異なる。例えば、溝15の深さは2mmに、イオン化エアの出口穴11の直径は2mmに設定することができる。
【0053】
このように溝15の底面にイオン化エアの出口穴11を形成することで、イオン化エアの出口穴11は剥離フィルムにより塞がれず、溝15を通るイオン化エアが、段差によって広げられた切れ目の隙間から流れる。したがって、イオン化エアの流量を調整することで、剥離箇所全体へ十分な量のイオン化エアを供給することができる。イオン化エアの流量は、例えば1穴あたり約19.5リットル/min(ANR)に設定することができる。
【0054】
なお、図5には、刃14を6箇所に設けた構成を例示しているが、無論、刃14の枚数は特に限定されるものではなく、表示用パネル4のサイズや、イオン化エアの流量等に基いて適宜設定すればよい。また、図7には、イオン化エアの出口穴11を円形状に表示しているが、無論、出口穴11の形状は特に限定されるものではない。また図7には、剥離ブレード5の横方向の両端に高い分部12を設けた構成を例示しているが、無論、両端に低い分部を設けたり、両端を異なる高さにしてもよい。また図7には、溝15を直方体状に表示しているが、無論、溝15の形状は特に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法は、貼付けフィルムから剥離フィルムを剥離する際に発生する剥離帯電を十分に除電することができ、表示用パネルへの光学フィルムの貼り付けに限らず、静電気により性能あるいは品質に悪影響を受けやすい貼付け対象に、静電気を帯びやすい貼付けフィルムを貼り付ける用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 貼付けフィルム
2 剥離フィルム
3 吸着テーブル
4 表示用パネル
5 剥離ブレード
6 貼合ローラ
7 刃
8 導通路
9 除電器
10 パイプ
11 出口穴
12 高い部分
13 低い部分
14 刃
15 溝
101 貼付けフィルム
102 剥離フィルム
103 剥離ユニット
104 剥離方向
105 フィルム吸着テーブル
106 除電器
107 剥離フィルム吸着パッド
108 パネル吸着テーブル
109 表示用パネル
110 貼付けローラ
111 除電器
【技術分野】
【0001】
貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して貼付け対象に貼り付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)や液晶パネル等のフラット・パネル・ディスプレイには、偏光フィルムや位相差フィルム等の光学フィルムが貼り付けられている。通常、貼り付けるフィルムの一方の面には粘着剤が予め塗布されており、その粘着剤により剥離フィルム(セパレータ)が接着されている。したがって、貼付けフィルムを貼り付ける際には、剥離フィルムを剥離して、現れた粘着層で貼付けフィルムを貼付け対象に貼り付ける。
【0003】
貼付け方法としては、予め所定のサイズに成形された枚葉状のフィルムを1枚ずつ取り出し、そのフィルムから剥離フィルムを剥離しながら、貼付けフィルムを表示用パネルに貼り付ける方法がある(例えば、特許文献1参照。)。この場合、枚葉状フィルムは、吸着テーブル等の保持装置で搬送される。その他、ロール状に巻回されたフィルムの帯を引き出し、ハーフカットして貼付けフィルムのみを所定のサイズに切断し、引き出したフィルムから剥離フィルムを剥離しながら、貼付けフィルムを表示用パネルに貼り付ける方法がある。この場合、帯状のフィルムはローラ等で搬送される。
【0004】
また、表示用パネルに貼り付ける光学フィルムは樹脂製であるため、剥離フィルムを剥離する際に剥離帯電によって大きな電位が発生し、静電吸着によって異物が引き寄せられ、その異物が原因となって表示用パネルに不具合が起こるおそれがある。また、帯電した状態の光学フィルムを表示用パネルに貼り付けることにより、表示用パネルの内部の電子部品や、表示用パネルに取り付けられる電子部品が静電気によって破壊されるおそれがある。そのため、通常、静電気により性能あるいは品質に悪影響を受けやすい表示用パネル等の貼付け対象に、静電気を帯びやすい樹脂製フィルム等の貼付けフィルムを貼り付ける際には、剥離フィルムが剥離される剥離箇所へ、除電器によりイオン化エアを吹き付けて電位を下げる(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
ここで、特許文献1に記載された従来の貼付け装置を、図8〜図11を用いて説明する。この貼付け装置は、枚葉状の貼付けフィルムを表示用パネルに貼り付ける前に、貼付けフィルムから剥離フィルムを半分だけ剥離する。
【0006】
具体的には、図8に示すように、剥離フィルム102の一端を挟持した剥離ユニット103が剥離方向104へ移動して、フィルム吸着テーブル105に吸着された貼付けフィルム101から剥離フィルム102の一部を剥離させる。この際、剥離ユニット103に合わせて移動する除電器106が、剥離フィルム102が剥離される剥離箇所へイオン化エアを吹き付けて電位を下げる。除電器106の概略構成を図9に示す。
【0007】
貼付けフィルム101から一部剥離された剥離フィルム102は、図10に示すように折り返され、その折り返された一端が剥離フィルム吸着パッド107に吸着される。この状態でフィルム吸着テーブル105を移動させて、貼付けフィルム101の一端を、パネル吸着テーブル108に吸着された表示用パネル109に、貼付けローラ110によって押し付ける。その後、パネル吸着テーブル108を移動させることで、残りの剥離フィルム102を剥離しながら、貼付けフィルム101を表示用パネル109に貼付けローラ110によって押し付けていく。これにより、表示用パネル109に貼付けフィルム101が貼り付けれる。この際、表示用パネル109の側面付近に配置された除電器111が、剥離フィルム102が剥離される剥離箇所へイオン化エアを吹き付けて電位を下げる。除電器111の配置を図11に示す。図11に示すように、除電器111から点線矢印に沿って送られたイオン化エアは、フィルムの中心(フィルムの長手方向に直交する幅方向の中心)に向けて吹き付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−96530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された貼付け装置の構成では、表示用パネルに貼付けフィルムを貼り付ける際に、表示用パネルの側面付近にしか除電器を配置できないため、フィルムの中央部(フィルムの幅方向の中央部)にまで十分にイオン化エアが行き渡らず、電位の高い部分が残ってしまう。これは、剥離フィルムを剥離する際に剥離帯電によって発生する電位は10kV以上と非常に高く、表示用パネルの側面付近に配置された除電器からイオン化エアを吹き付けても、フィルムの両端(フィルムの幅方向の端)の高い電位がイオン化エアを吸い寄せてしまい、フィルムの中央部にまでイオン化エアが届かないためである。この問題は、表示用パネルのサイズが大きいほど顕著となる。
【0010】
一方、近年、ロール状に巻回されたフィルムを用いた貼付け装置の利用が高まっている。この貼付け装置によれば、剥離フィルムを連続的に剥離しながら、剥離フィルムを剥離した直後にその貼付けフィルム上の剥離箇所を表示用パネルに貼り付けることができ、工程時間の短縮化と異物による不具合の減少を図ることができるためである。
【0011】
しかしながら、ロール状に巻回されたフィルムを用いる場合、剥離フィルムが剥離される剥離箇所の直前に貼付け対象の表示用パネルが存在するため、剥離箇所に対面して除電器を配置できず、特許文献1に記載された貼付け装置のように、表示用パネルの側面付近に除電器を配置したのでは、電位の高い部分が残ってしまう。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、剥離フィルムを剥離しながら貼付けフィルムを貼付け対象に貼り付ける際に、剥離フィルムが剥離される剥離箇所全体にイオン化エアを十分に行き渡らせて、除電しきれない領域を抑制することができる貼付け装置および貼付け方法を提供することを目的とする。さらに、その貼付け装置および貼付け方法を用いた表示用パネルの製造装置および表示用パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明にかかる貼付け装置は、貼付け対象に貼り付けられる貼付けフィルムから、前記貼付けフィルムの一方の面を覆う剥離フィルムを剥離する剥離箇所に配置されて、前記剥離フィルムを剥離方向へ案内する案内部材と、前記剥離フィルムに切れ目を入れる刃と、イオン化エアを送気する除電器と、前記刃により前記剥離フィルムに形成された切れ目から前記剥離箇所へ、前記除電器により送気されたイオン化エアを送るための開口部と、を備えたことを特徴とする。この本発明にかかる貼付け装置において、前記刃または前記案内部材は、前記剥離フィルムの切れ目を広げる形状を有することが好ましい。
【0014】
また、本発明にかかる表示用パネルの製造装置は、前記した本発明にかかる貼付け装置を備え、前記貼付け装置により、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付けることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる貼付け方法は、貼付け対象に貼り付けられる貼付けフィルムから、前記貼付けフィルムの一方の面を覆う剥離フィルムが剥離される剥離箇所にて、前記剥離フィルムに切れ目を入れ、その切れ目から前記剥離箇所へイオン化エアを送ることを特徴とする。この本発明にかかる貼付け方法において、前記剥離フィルムの切れ目から前記剥離箇所へイオン化エアを送る際に、前記剥離フィルムの切れ目を広げることが好ましい。
【0016】
また、本発明にかかる表示用パネルの製造方法は、前記した本発明にかかる貼付け方法により、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、剥離フィルムを剥離しながら貼付けフィルムを貼り付けるに際し、剥離フィルムに切れ目をいれ、その切れ目の隙間から、剥離フィルムが剥離される剥離箇所へイオン化エアを導入して、剥離帯電による電位を下げるので、剥離箇所全体にイオン化エアを十分に行き渡らせて、除電しきれない領域を抑制することができる。これにより、表示用パネルの内部の電子部品や表示用パネルに取り付けられる電子部品の破損の回避、異物による不具合の回避等を図ることができる。
【0018】
なお、本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法は、表示用パネルの製造装置および表示パネルの製造方法にのみ適用されるものではなく、静電気により性能あるいは品質に悪影響を受けやすい貼付け対象に、静電気を帯びやすい貼付けフィルムを貼り付ける用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における貼付け装置の一構成例の概略を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図
【図3】本発明の実施の形態1における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図
【図4】本発明の実施の形態2における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図
【図5】本発明の実施の形態2における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図
【図6】本発明の実施の形態3における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図
【図7】本発明の実施の形態3における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図
【図8】従来の貼付け装置の剥離動作の一部を説明するための図
【図9】従来の貼付け装置が備える除電器の概略構成を示す図
【図10】従来の貼付け装置の貼付け動作の一部を説明するための図
【図11】従来の貼付け装置が備える除電器の配置を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法の実施の形態について、図面を交えて説明する。以下の各実施の形態では、フラット・パネル・ディスプレイ等の表示用パネルに光学フィルム等の貼付けフィルムを貼り付ける場合を例に説明する。本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法は、表示用パネルに光学フィルムを貼り付けるのに好適であるが、無論、貼付け対象および貼付けフィルムは表示用パネルおよび光学フィルムに限定されるものではなく、本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法は、以下の各実施の形態に限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における貼付け装置の一構成例の概略を示す模式図である。この貼付け装置は表示用パネルの製造装置の一部を成し、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付ける。以下、貼付けフィルムの貼付け動作に沿って説明する。
【0022】
まず、貼付けフィルム1の貼付け対象である表示用パネル4の裏面を吸着保持する吸着テーブル3を、図示しない移動機構により移動させて、表示用パネル4を所定の貼付け開始位置へ搬送する。なお、表示用パネル4には、PDPや液晶パネル、有機ELディスプレイ等のフラット・パネル・ディスプレイを適用することができる。
【0023】
表示用パネル4が所定の貼付け開始位置へ搬送されると、ロール状に巻回されたフィルムの帯が引き出される。その引き出された原フィルムは、貼付けフィルム1の一方の面が剥離フィルム2で覆われた構造をしている。即ち、貼付けフィルム1の一方の面に粘着剤が塗布されており、その粘着剤により剥離フィルム2が接着されている。なお、貼付けフィルム1には、偏光フィルムや位相差フィルム等の光学フィルムを適用することができる。
【0024】
引き出された原フィルムは、剥離フィルム2に切れ込みを入れない切断深さに設定された図示しない刃によるハーフカット工程を経た後、図1に示す剥離ブレード5へ搬送される。ハーフカット工程では、1枚の表示用パネル4に合わせた所定のサイズに貼付けフィルム1のみが切断される。
【0025】
案内部材である剥離ブレード5は、貼付け対象である表示用パネル4に貼り付けられる貼付けフィルム1から、その貼付けフィルム1の一方の面を覆う剥離フィルム2を剥離する剥離箇所に配置されており、剥離フィルム2を剥離方向へ案内する。剥離箇所は、この実施の形態では、図1に示すように表示用パネル4の直前の位置である。
【0026】
ロール状に巻回された原フィルムは、貼付けフィルム1から剥離された剥離フィルム2を図示しない搬送ローラで引っ張ることにより送られる。その搬送ローラと剥離ブレード5により、剥離フィルム2は、図1に示すように、剥離ブレード5の先端(表示用パネル4側の端部)で、原フィルムが送られてきた方向(以下、「導入方向」という)とは略逆方向へ急激に進路が変更される。この変更された進路が、この実施の形態における剥離方向であり、その方向は、表示用パネルと略平行である。一方、貼付けフィルム1は、剥離ブレード5の先端で剥離フィルム2から別れて、原フィルムの導入方向へ、方向を変えることなくそのまま移動する。これにより、剥離ブレード5の先端で剥離フィルム2が剥離されて、貼付けフィルム1の粘着層が表示用パネル4側に現れる。
【0027】
剥離フィルム2が剥離された貼付けフィルムの先端は、貼付け開始位置で待っている表示用パネル4と、その下に待機している貼合ローラ6との隙間に挿入される。その隙間に貼付けフィルム1の先端が挿入されると、貼合ローラ6が、表示用パネル4側へ上昇して、貼付けフィルム1の先端を表示用パネル4に押し当てて貼り付ける。
【0028】
貼付けフィルム1の先端が表示用パネル4に貼り付けられた状態で、表示用パネル4を吸着保持している吸着テーブル3が、剥離方向とは反対の方向へ移動すると、貼合ローラ6が表示用パネル4の移動と共に回転する。これにより、貼付けフィルム1が連続的に表示用パネル4に押し当てられて貼り付けられる。
【0029】
剥離フィルム2を引っ張る搬送ローラは、表示用パネル4の移動速度と同期をとっており、貼付けフィルム1は、表示用パネル4の移動速度と同じ速さで剥離ブレード5から押し出される。剥離フィルム2を引っ張る搬送ローラは、表示用パネル4の1枚分の貼付けフィルムが剥離ブレード5から押し出されると停止する。
【0030】
1枚の表示用パネル4に貼り付けられる貼付けフィルムの終端は、前述したハーフカット工程により、次の表示用パネルに貼り付けられる貼付けフィルムから切り離されている。よって、剥離フィルム2を引っ張る搬送ローラが停止した後に、表示用パネル4の移動と貼合ローラ6の回転により、貼付けフィルムの終端が表示用パネル4に貼り付けられる。貼付けフィルムの終端が貼り付けられると、表示用パネル4は貼付け装置から離れる。
【0031】
さらに、この貼付け装置は、貼付けフィルム1から剥離フィルム2を剥離する際に、剥離された剥離フィルム2に切れ目を入れ、その切れ目の隙間から、剥離フィルム2が剥離される剥離箇所にイオン化エアを導入して剥離帯電による電位を下げる。
【0032】
具体的には、剥離ブレード5の先端に配置された刃7によって、剥離された剥離フィルム2に切れ目を入れる。剥離ブレード5には、その後方から先端へ導通する導通路8が加工されており、その導通路8を通って、イオン化エアが剥離ブレード5の先端へ送られ、剥離された剥離フィルム2に形成された切れ目の隙間を介して、剥離箇所へ吹き付けられる。イオン化エアを送気する除電器9は、剥離ブレード5の後方に配置されており、イオン化エアを高圧で運ぶパイプ10を介して導通路8に連結している。
【0033】
図2に、剥離ブレード5の先端付近の拡大断面模式図を示す。図2に示すように、剥離ブレード5には、刃7が設けられている。刃7は、剥離フィルム2の搬送方向に沿って、貼付けフィルム1から剥離された剥離フィルム2に切れ目を入れる。但し、この刃7は、貼付けフィルム1に接触して傷を付けないように配置する。
【0034】
また、この実施の形態1では、剥離フィルム2の切れ目から剥離箇所へイオン化エアを送るための出口穴(開口部)11を、刃7の前方面(剥離フィルム2が剥離される剥離箇所に対向する面)に設けた。
【0035】
このようにしたのは、刃7とイオン化エアの出口穴11を横に並べて配置すると、剥離フィルム2がイオン化エアの出口穴11を塞ぎ、刃7と剥離フィルム5の切れ目との間の僅かな隙間からしかイオン化エアを剥離箇所へ送ることができず、十分な量のイオン化エアを剥離箇所へ吹き付けることができないためである。
【0036】
図3は、剥離ブレード5の先端付近の外観模式図である。図3に示すように、この実施の形態1では、剥離ブレード5の先端に、剥離フィルム2の搬送方向に直交する横方向に沿って、厚みのある刃7を所定の間隔で複数枚配置するとともに、刃7のそれぞれの前方面に出口穴11を設けた。例えば、刃7の最大厚さは5mmに、刃7の間隔は30mmに、出口穴11の直径は2mmにそれぞれ設定することができる。なお、イオン化エアを剥離ブレード5の先端へ送るための導通路8は、刃7にも形成されている。このようにすれば、剥離フィルム2の切れ目が刃7の厚みに沿って開くので、イオン化エアの出口穴11は剥離フィルム2によって塞がれることはない。したがって、イオン化エアの流量を調整することで、剥離箇所全体へ十分な量のイオン化エアを流すことができる。イオン化エアの流量は、例えば1穴あたり約19.5リットル/min(ANR)に設定することができる。
【0037】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、貼付けフィルム1から剥離フィルム2を剥離する際に、剥離された剥離フィルム2に切れ目を入れ、その切れ目の隙間から、剥離フィルム2が剥離される剥離箇所全体にイオン化エアを導入して剥離帯電による電位を下げることができ、除電しきれない領域を抑制することができる。また、これにより、表示用パネル4の内部の電子部品や表示用パネル4に取り付けられる電子部品の破損、異物による不具合等を防ぐことができる。さらに刃7が、剥離フィルム2の切れ目を広げる形状を有するので、切れ目の隙間から剥離箇所へ容易にイオン化エアを導入することができる。
【0038】
この実施の形態1の効果を確認するため、除電器に株式会社コガネイ製の除電器DTRY−ELB01を用い、表示用パネルの位置にトレック・ジャパン株式会社製のチャージプレートモニターMODEL−156Aを配置して実験したところ、イオン化エアの圧力を0.1MPaに設定した場合、14.3秒で帯電量1000Vを100Vまで低減することができた。
【0039】
また、この実施の形態1によれば、剥離フィルム2は切れ目を入れられて複数に分離されるが、それらの分離された剥離フィルムの各々はいずれも同じ距離の経路をたどるので、剥離フィルムの巻取りは容易に行うことができる。
【0040】
なお、剥離ブレード5や刃7の材質を絶縁体やセラミックにすれば、イオン化エアの消滅を減らすことができる。さらに、刃7を発熱させることで、剥離フィルム2に切れ目を入れるときに切り屑が発生しない。
【0041】
また、この実施の形態1では、刃7を厚くして、その前方面にイオン化エアの出口穴11を設けたが、2枚の薄い刃を、V字状になるように先端を合わせて配置し、それらの2枚の刃の間にイオン化エアの出口穴11を設けてもよい。
【0042】
また、図3には、刃7を3箇所に設けた構成を例示しているが、無論、刃の枚数は特に限定されるものではなく、表示用パネル4のサイズや、イオン化エアの流量等に基いて適宜設定すればよい。また、図3には、イオン化エアの出口穴11を円形状に表示しているが、無論、出口穴11の形状は特に限定されるものではない。
【0043】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について、図面を交えて説明する。但し、前述した実施の形態1と異なる点について説明し、同じ点については適宜説明を省略する。この実施の形態2は、剥離フィルムに切れ目を入れる刃ではなく、剥離セパレータの先端が、剥離フィルムの切れ目を広げる形状をしている点で、前述した実施の形態1と異なる。
【0044】
図4は本発明の実施の形態2における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図、図5は本発明の実施の形態2における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図であり、前述した実施の形態1で説明した部材に対応する部材には同一符号を付している。
【0045】
この実施の形態2における貼付け装置は、図4、図5に示すように、剥離ブレード5の先端に、剥離フィルム2の搬送方向に直交する横方向に沿って、高い部分12と低い部分13が交互に形成されており、それにより、複数の箇所に段差が形成されている。そして、その段差が形成されている箇所の各々に、貼付けフィルム1から剥離された剥離フィルム2に、剥離フィルム2の搬送方向に沿って切れ目を入れる薄い刃14が配置されている。さらに、それらの段差部分に横向きにイオン化エアの出口穴11が形成されている。例えば、段差の高さは2mmに、刃14の厚さは0.45mmに、刃14の間隔は15mmに、出口穴11の直径は1mmにそれぞれ設定することができる。なお、前述の実施の形態1で説明したように、刃14の材質は絶縁体やセラミックが好適である。また、刃14を発熱させるのが好適である。
【0046】
このように、剥離ブレード5の先端の高さが、刃14の両側において異なることにより、切れ目を入れられて分離された剥離フィルムは、刃14の両側において高さが異なる経路を通る。したがって、段差により切れ目が広がるので、段差部分に横向きに形成されたイオン化エアの出口穴11は剥離フィルムにより塞がれず、剥離箇所全体へ十分な量のイオン化エアを流すことができる。
【0047】
この実施の形態2によれば、イオン化エアの出口穴11を大きく取りやすいため、イオン化エアの流量を多くすることができる。例えば、イオン化エアの流量は1穴あたり約5リットル/min(ANR)に設定することができる。また、この実施の形態2によれば、イオン化エアの出口穴11の向きを調整して、イオン化エアが中央から端へ流れるようにすれば、刃14と剥離フィルタ2との間で発塵が起こった場合でも、その塵を外へ排出することができる。
【0048】
なお、図5には、刃14を5箇所に設けた構成を例示しているが、無論、刃14の枚数は特に限定されるものではなく、表示用パネル4のサイズや、イオン化エアの流量等に基いて適宜設定すればよい。また、図4、図5には、イオン化エアの出口穴11を円形状に表示しているが、無論、出口穴11の形状は特に限定されるものではない。また図5には、剥離ブレード5の横方向の両端の高さが異なる構成を例示しているが、無論、両端の高さは同じでもよい。
【0049】
(実施の形態3)
続いて、本発明の実施の形態3について、図面を交えて説明する。但し、前述した実施の形態1および2と異なる点について説明し、同じ点については適宜説明を省略する。この実施の形態3は、剥離セパレータの先端の形状とイオン化エアの出口穴の位置が、前述した実施の形態2と異なる。
【0050】
図6は本発明の実施の形態3における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の拡大断面模式図、図7は本発明の実施の形態3における貼付け装置の剥離ブレードの先端付近の外観模式図であり、前述した実施の形態1および2で説明した部材に対応する部材には同一符号を付している。
【0051】
この実施の形態3は、前述の実施の形態2と同様に、剥離ブレード5の先端に、剥離フィルム2の搬送方向に直交する横方向に沿って、高い部分12と低い部分13が交互に配置されており、それにより、複数の箇所に段差が形成されている。例えば、段差の高さは1mmに設定することができる。
【0052】
さらに、この実施の形態3は、図6、図7に示すように、剥離ブレード5の先端に、剥離フィルム2の搬送方向に直交する方向に沿って、剥離ブレード5の横方向の幅よりも短い溝15が形成されており、その溝15の底面にイオン化エアの出口穴11が形成されている点で、前述した実施の形態2と異なる。例えば、溝15の深さは2mmに、イオン化エアの出口穴11の直径は2mmに設定することができる。
【0053】
このように溝15の底面にイオン化エアの出口穴11を形成することで、イオン化エアの出口穴11は剥離フィルムにより塞がれず、溝15を通るイオン化エアが、段差によって広げられた切れ目の隙間から流れる。したがって、イオン化エアの流量を調整することで、剥離箇所全体へ十分な量のイオン化エアを供給することができる。イオン化エアの流量は、例えば1穴あたり約19.5リットル/min(ANR)に設定することができる。
【0054】
なお、図5には、刃14を6箇所に設けた構成を例示しているが、無論、刃14の枚数は特に限定されるものではなく、表示用パネル4のサイズや、イオン化エアの流量等に基いて適宜設定すればよい。また、図7には、イオン化エアの出口穴11を円形状に表示しているが、無論、出口穴11の形状は特に限定されるものではない。また図7には、剥離ブレード5の横方向の両端に高い分部12を設けた構成を例示しているが、無論、両端に低い分部を設けたり、両端を異なる高さにしてもよい。また図7には、溝15を直方体状に表示しているが、無論、溝15の形状は特に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明にかかる貼付け装置および貼付け方法は、貼付けフィルムから剥離フィルムを剥離する際に発生する剥離帯電を十分に除電することができ、表示用パネルへの光学フィルムの貼り付けに限らず、静電気により性能あるいは品質に悪影響を受けやすい貼付け対象に、静電気を帯びやすい貼付けフィルムを貼り付ける用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 貼付けフィルム
2 剥離フィルム
3 吸着テーブル
4 表示用パネル
5 剥離ブレード
6 貼合ローラ
7 刃
8 導通路
9 除電器
10 パイプ
11 出口穴
12 高い部分
13 低い部分
14 刃
15 溝
101 貼付けフィルム
102 剥離フィルム
103 剥離ユニット
104 剥離方向
105 フィルム吸着テーブル
106 除電器
107 剥離フィルム吸着パッド
108 パネル吸着テーブル
109 表示用パネル
110 貼付けローラ
111 除電器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼付け対象に貼り付けられる貼付けフィルムから、前記貼付けフィルムの一方の面を覆う剥離フィルムを剥離する剥離箇所に配置されて、前記剥離フィルムを剥離方向へ案内する案内部材と、
前記剥離フィルムに切れ目を入れる刃と、
イオン化エアを送気する除電器と、
前記刃により前記剥離フィルムに形成された切れ目から前記剥離箇所へ、前記除電器により送気されたイオン化エアを送るための開口部と、
を備えたことを特徴とする貼付け装置。
【請求項2】
前記刃が、前記剥離フィルムの切れ目を広げる形状を有することを特徴とする請求項1記載の貼付け装置。
【請求項3】
前記案内部材が、前記剥離フィルムの切れ目を広げる形状を有することを特徴とする請求項1記載の貼付け装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の貼付け装置を備え、前記貼付け装置により、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付けることを特徴とする表示用パネルの製造装置。
【請求項5】
貼付け対象に貼り付けられる貼付けフィルムから、前記貼付けフィルムの一方の面を覆う剥離フィルムが剥離される剥離箇所にて、前記剥離フィルムに切れ目を入れ、その切れ目から前記剥離箇所へイオン化エアを送ることを特徴とする貼付け方法。
【請求項6】
前記剥離フィルムの切れ目から前記剥離箇所へイオン化エアを送る際に、前記剥離フィルムの切れ目を広げることを特徴とする請求項5記載の貼付け方法。
【請求項7】
請求項5もしくは6のいずれかに記載の貼付け方法により、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付けることを特徴とする表示用パネルの製造方法。
【請求項1】
貼付け対象に貼り付けられる貼付けフィルムから、前記貼付けフィルムの一方の面を覆う剥離フィルムを剥離する剥離箇所に配置されて、前記剥離フィルムを剥離方向へ案内する案内部材と、
前記剥離フィルムに切れ目を入れる刃と、
イオン化エアを送気する除電器と、
前記刃により前記剥離フィルムに形成された切れ目から前記剥離箇所へ、前記除電器により送気されたイオン化エアを送るための開口部と、
を備えたことを特徴とする貼付け装置。
【請求項2】
前記刃が、前記剥離フィルムの切れ目を広げる形状を有することを特徴とする請求項1記載の貼付け装置。
【請求項3】
前記案内部材が、前記剥離フィルムの切れ目を広げる形状を有することを特徴とする請求項1記載の貼付け装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の貼付け装置を備え、前記貼付け装置により、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付けることを特徴とする表示用パネルの製造装置。
【請求項5】
貼付け対象に貼り付けられる貼付けフィルムから、前記貼付けフィルムの一方の面を覆う剥離フィルムが剥離される剥離箇所にて、前記剥離フィルムに切れ目を入れ、その切れ目から前記剥離箇所へイオン化エアを送ることを特徴とする貼付け方法。
【請求項6】
前記剥離フィルムの切れ目から前記剥離箇所へイオン化エアを送る際に、前記剥離フィルムの切れ目を広げることを特徴とする請求項5記載の貼付け方法。
【請求項7】
請求項5もしくは6のいずれかに記載の貼付け方法により、貼付けフィルムを剥離フィルムから分離して表示用パネルに貼り付けることを特徴とする表示用パネルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−245772(P2011−245772A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122159(P2010−122159)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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