説明

質量分析装置

【課題】出力安定時間をなくして、一連の質量走査にかかる時間を短縮し、全体のスループットを向上させることができる四重極型質量分析装置を提供する。
【解決手段】イオン化室11と、イオン化室11から出射したイオンを収束させるレンズ15,19と、イオンを質量分離する四重極質量フィルタ22,23と、四重極質量フィルタ22,23を通過したイオンを検出する検出器24と、レンズ15,19に電圧を供給するレンズ電源部31,32と、四重極質量フィルタ22,23に直流電圧と高周波電圧を供給する四重極電源部33と、レンズ電源部31,32と四重極電源部33とを制御して質量走査する制御部6とを備え、制御部6は、最小質量数に対応する最小電圧から最大質量数に対応する最大電圧までの線形増加と、この線形増加に引き続く、最大電圧から最小電圧までの線形減少との繰り返しからなる三角波の質量走査を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフ質量分析(LC/MS)の検出器等として使用される質量分析装置に関するものであり、更に詳しくは、四重極型質量分析装置の質量走査(質量スキャン)技術に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分離器として四重極質量フィルタを利用した四重極型質量分析装置では、中心軸を取り囲むように互いに平行に配置された4本のロッド電極に印加する電圧により、四重極質量フィルタを通過する。つまりは選別されるイオンの質量数が決まる。具体的には、4本のロッド電極の中で、中心軸を挟んで対向する2本のロッド電極に+(U+V・cosωt)、他の2本のロッド電極に−(U+V・cosωt)なる、直流電圧(U)に高周波電圧(V・cosωt)を重畳させた電圧を印加する。この場合、直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vとを変更することにより、4本のロッド電極で囲まれる空間を通り抜け得るイオンの質量数が変化する(特許文献1参照)。
【0003】
即ち、四重極型質量分析装置では、四重極質量フィルタに印加される直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vの値によって決まる特定の質量/電荷数(m/z)のイオンのみが安定な振動をして四重極質量フィルタを通過し、他のm/zのイオンは発散する。この現象を利用して、四重極質量フィルタに印加される直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vとを所定の関係に保持しつつ両電圧を変化させることにより、四重極質量フィルタを通過するイオンのm/zを順次変化させること(質量走査)ができる。この質量走査により、試料に含まれる種々のm/zのイオンが検出され、このイオンの検出強度に基づき質量分析の結果としてマスクロマトグラムやマススペクトルが得られる。なお、質量分析においては質量数が異なるものであってもm/zが同じであれば区別できないため、本明細書では、通常の意味での質量数(陽子の数と中性子の数との和)mを電荷数zで割ったものを「質量数」と呼ぶこととする。
【0004】
所定の質量範囲に亘る質量走査を行うには、一般に、U/Vを一定に保ってUとVとを時間経過に伴って変化させる。又、例えば液体クロマトグラフやガスクロマトグラフの検出器として質量分析装置を用いる場合には、時間経過に伴って順次得られる試料中の各種成分を検出するために、所定質量範囲に亘る質量走査を繰り返すスキャン測定が行われる。スキャン測定によって得られる検出信号に基づいて横軸に質量数(質量電荷比m/z)、縦軸にイオン強度(信号強度)をとった質量スペクトルを作成することができる。
【0005】
これまで、質量数m/zの質量走査時には、例えば、最小質量数MS=10m/zから最大質量数ME=1000m/zに設定し、それを繰り返す鋸波の走査をしている。
【0006】
このような最小質量数MS=10m/zから最大質量数ME=1000m/zに質量走査して、そして、又、最小質量数MS=10m/zから開始するという鋸波の波形の繰り返し走査においては、レンズ系の電圧、四重極質量フィルタの直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vの設定は、図4の様に、最小質量数MSに対応する最小電圧VMSから最大質量数MEに対応する最大電圧VMEになり、そして、最小電圧VMS設定となる鋸波の波形の繰り返し走査になる。最大電圧VMEから最小電圧VMSに変化させると、出力電圧の安定に時間がかかるので、図4に示すように出力安定時間TSをとっている。現在のところ、出力安定時間TS=8ms程度が必要である。
【特許文献1】特開平10−27570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の四重極型質量分析装置における鋸波の波形の繰り返し走査では、出力安定時間TS=8msが必要であり、一連の質量走査にかかる時間が長く、全体のスループットが低い問題があった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、出力安定時間TSをなくして、一連の質量走査にかかる時間を短縮し、全体のスループットを向上させることができる質量分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の態様は、(イ)試料をイオン化するイオン化室と、
(ロ)イオン化室から出射したイオンを収束させるレンズと、(ハ)イオンを質量分離する四重極質量フィルタと、(ニ)四重極質量フィルタを通過したイオンを検出する検出器と、(ホ)レンズに電圧を供給するレンズ電源部と、(ヘ)四重極質量フィルタに直流電圧と高周波電圧を供給する四重極電源部と、(ト)レンズ電源部と四重極電源部とを制御して質量走査する制御部とを備える質量分析装置であることを要旨とする。そして、本発明の態様に係る質量分析装置の制御部は、最小質量数に対応する最小電圧から最大質量数に対応する最大電圧までの線形増加と、この線形増加に引き続く、最大電圧から最小電圧までの線形減少との繰り返しからなる三角波の質量走査を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、出力安定時間TSをなくして、一連の質量走査にかかる時間を短縮し、全体のスループットを向上させることができる質量分析装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。又、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品や構成回路等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
本発明の実施の形態に係る四重極型質量分析装置は、図1に示ように、イオン源であるイオン化室11と、プレ四重極質量フィルタ22、主四重極質量フィルタ23、及び検出器24が配設された分析室21とを備える液体クロマトグラム質量分析装置(LC/MS)である。この液体クロマトグラム質量分析装置は、イオン化部として大気圧イオン化法の1つであるエレクトロスプレイイオン化法を利用したものであり、イオン化室11には、図示しない液体クロマトグラフのカラム出口端に接続されたノズル12が配設されている。イオン化室11と分析室21との間には、それぞれ隔壁で隔てられた第1中間真空室14と第2中間真空室18とが設けられている。更に、イオン化室11と第1中間真空室14との間は細径の脱溶媒パイプ13を介して連通しており、第1中間真空室14と第2中間真空室18との間はスキマー16の頂部に設けられた極小径の通過孔(オリフィス)17を介して通過している。又、第2中間真空室18と分析室21との間は隔壁20に設けられた小開口を介して連通している。
【0013】
イオン化室11の内部は、ノズル12から連続的に供給される液体試料の気化分子によりほぼ大気圧雰囲気(約100kPa)になっており、次段の第1中間真空室14の内部はロータリポンプ27により約102Paの低真空状態まで真空排気される。又、その次段の第2中間真空室18の内部はターボ分子ポンプ28により約10−1〜10−2Paの中真空状態まで真空排気され、最終段の分析室21内は別のターボ分子ポンプ29により約10−3〜10−4Paの高真空状態まで真空排気される。即ち、イオン化室11から分析室21に向かって各室毎に真空度を段階的に高くした多段差動排気系の構成とすることによって、最終段の分析室21内を高真空状態に維持している。
【0014】
第1中間真空室14及び第2中間真空室18の内部にはそれぞれ構造は相違するものの、いずれもイオンを後段に効率良く輸送するためのイオン光学系が配設されている。即ち、第1中間真空室14内には複数(4枚)の板状電極を傾斜状に3列に配設した第1レンズ電極15が設けられており、この電極15により形成する電場によって脱溶媒パイプ13を介してのイオンの引き込みを助けるとともに、イオンをスキマー16のオリフィス17近傍に収束させる。又第2中間真空室18内には、イオン光軸Cを取り囲むように8本のロッド電極を配置したオクタポール型の第2レンズ電極19が設けられており、これによりイオンは収束されて分析室21内へと送られる。
【0015】
第1レンズ電極15、第2レンズ電極19、プレ四重極質量フィルタ22、主四重極質量フィルタ23にはそれぞれ第1レンズ電源部31,第2レンズ電源部32,四重極電源部33より所定の電圧が印加される。特にプレ四重極質量フィルタ22、主四重極質量フィルタ23には、選別する質量数に応じて、RF生成部36で生成された所定の高周波電圧VcosωtとDC生成部34で生成された所定の直流電圧Uとが合成部35で加算された電圧±(U+V・cosωt)が印加されるようになっている。
【0016】
これら第1レンズ電源部31,第2レンズ電源部32,四重極電源部33などの動作はマイクロコンピュータを中心に構成される制御部6により統括的に制御される。なお、図1に記載のもの以外にも、各部には所定の電圧(主として直流電圧)が印加されるようになっているが、図面が繁雑になるため記載を省略している。制御部6は、第1レンズ電源部31の電圧,第2レンズ電源部32の電圧,四重極電源部33の直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vを質量走査時に設定する機能を有する。即ち、制御部6は、第1レンズ電源部31の電圧,第2レンズ電源部32の電圧,四重極電源部33の直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vの設定を、図3に示すように、最小電圧VMSから最大電圧VMEに線形増加し、そして、最大電圧VMEから最小電圧VMSに線形減少する三角波状に設定することで、電圧の出力安定時間TSをなくし、一連の質量走査にかかる時間を短縮して、スループットを向上させる。最小電圧VMSは最小質量数MSに対応し、最大電圧VMEは最大質量数MEに対応する。最小質量数MSは、例えば、10m/zであり、最大質量数MEは、例えば、1000m/zである。最小電圧VMSから最大電圧VMEに走査する時間T1と、最大電圧VMEから最小電圧VMSに走査する時間T2とは、必ずしも等しい必要はないが、T1=T2としてもよいことは勿論である。第1レンズ電源部31の電圧,第2レンズ電源部32の電圧,四重極電源部33の直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vの設定を、図3に示すように三角波状に設定すれば、出力安定時間TSをなくすことができるので、一連の質量走査にかかる時間を減少して、スループットを向上させることができる。
【0017】
図2に示すように、制御部6は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)61等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)と、中央演算処理装置(CPU)62等の演算処理回路と、質量走査設定テーブル63等の記憶装置を備える。
【0018】
質量走査設定テーブル63には、実施の形態に係る四重極型質量分析装置で測定可能な最小質量数MSと最大質量数MEとの間の質量範囲の各質量数を有するイオンがプレ四重極質量フィルタ22、主四重極質量フィルタ23を通過する条件である電圧を決める質量走査基準データが各質量数m/zに対応して格納されている。即ち、質量走査設定テーブル63には、第1レンズ電源部31の電圧,第2レンズ電源部32の電圧,四重極電源部33の直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vの設定を、図3に示すように、最小電圧VMSから最大電圧VMEに線形増加し、そして、最大電圧VMEから最小電圧VMSに線形減少する三角波状に設定する質量走査のパラメータが格納されている。
【0019】
CPU62は、図2に示すように、スキャン制御モジュール621、パラメータ設定モジュール622、信号A/D制御モジュール623等を備える。
【0020】
図2に示すように、FPGA61は、スキャンD/A設定モジュール611、信号A/D処理モジュール612等を備える。FPGA61には、第1レンズD/Aコンバータ64,第2レンズD/Aコンバータ65,四重極DC D/Aコンバータ66,四重極RF D/Aコンバータ67及び信号A/Dコンバータ68が接続されている。第1レンズD/Aコンバータ64,第2レンズD/Aコンバータ65,四重極DC D/Aコンバータ66,四重極RF D/Aコンバータ67及び信号A/Dコンバータ68には、それぞれ、第1レンズ電源部31,第2レンズ電源部32,四重極電源部33のDC生成部34、四重極電源部33のRF生成部36、検出器24が接続されている。
【0021】
第1レンズD/Aコンバータ64は,FPGA61のスキャンD/A設定モジュール611から送られたデータをアナログ電圧に変換して出力し第1レンズ電源部31を駆動し直流電圧値を生成させる。第2レンズD/Aコンバータ65は、スキャンD/A設定モジュール611から送られたデータをアナログ電圧に変換して出力し,第2レンズ電源部32を駆動し直流電圧値を生成させる。四重極DC D/Aコンバータ66はスキャンD/A設定モジュール611から送られたデータをアナログ電圧に変換して出力し,四重極電源部33のDC生成部34を駆動し直流電圧値Uを生成させる。四重極RF D/Aコンバータ67はスキャンD/A設定モジュール611から送られたデータをアナログ電圧に変換して出力し,四重極電源部33のRF生成部36を駆動し高周波電圧の振幅値Vを生成させる。信号A/Dコンバータ68は検出器24から送られたアナログデータをディジタルデータに変換して出力し,FPGA61の信号A/D処理モジュール61に送信する。
【0022】
この結果、制御部6は、第1レンズ電源部31の電圧,第2レンズ電源部32の電圧,四重極電源部33の直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vの設定を、図3に示すように、最小電圧VMSから最大電圧VMEに、そして、最大電圧VMEから最小電圧VMSに三角波状に設定することで、電圧の出力安定時間TSをなくし、一連の質量走査にかかる時間を短縮して、スループットを向上させることができる。
【0023】
次に、本発明の実施の形態に係る四重極型質量分析装置の動作を概略的に説明する。ほぼ連続的に供給される液体試料はノズル12の先端から電荷を付与されながらイオン化室11内に噴霧(エレクトロスプレイ)され、液滴中の溶媒が蒸発する過程で試料分子はイオン化される。イオンが入り混じった微細液滴はイオン化室11と第1中間真空室14との差圧により脱溶媒パイプ13中に引き込まれ、加熱されている脱溶媒パイプ13を通過する過程で更に溶媒の気化が促進されてイオン化が進む。第1中間真空室14内に配設された第1レンズ電極15により形成される電場の助けを受けてイオンは第1中間真空室14内に入り、収束されてオリフィス17を通して第2中間真空室18に送られる。
【0024】
第2中間真空室18内ではオクタポール型の第2レンズ電極19により形成される電場の作用により、更にイオンは収束されて分析室21へと送られる。分析室21内では、各ロッド電極に印加されている電圧により決まる特定の質量数を有するイオンのみが、プレ四重極質量フィルタ22、主四重極質量フィルタ23の長軸方向の空間を通り抜け、それ以外の質量数を持つイオンは途中で発散する。そして、プレ四重極質量フィルタ22、主四重極質量フィルタ23を通り抜けたイオンは検出器24に到達し、検出器24ではそのイオン量に応じたイオン強度信号を出力する。なお、検出器24による検出信号はディジタルデータに変換されて、制御部6中のデータ処理装置に入力され、そこで所定のデータ処理が実行される。
【0025】
本発明の実施の形態に係る四重極型質量分析装置では、四重極電源部33よりプレ四重極質量フィルタ22、主四重極質量フィルタ23に印可する電圧±(U+V・cosωt)のU/Vの関係を一定に保ちつつ、直流電圧値Uと高周波電圧の振幅値Vとを走査することにより質量走査が行えるようになっている。その際に、直流電圧値Uの走査を図3に示すように、三角波になるように制御するので、電圧の出力安定時間TSをなくし、一連の質量走査にかかる時間を短縮して、スループットを向上させることができる。
【0026】
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0027】
既に述べた実施の形態の説明は一例であって、本発明の要旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。例えば、制御部6の構成は一例であり、適宜に変更しても同様の機能を達成できる。
【0028】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態に係る四重極型質量分析装置の全体構成図である。
【図2】図1に示した四重極型質量分析装置の制御部の主要部の概略を説明するブロック構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る四重極型質量分析装置の質量走査を説明するための図である。
【図4】従来の四重極型質量分析装置の質量走査を説明するための図である。
【符号の説明】
【0030】
11…イオン化室
12…ノズル
13…脱溶媒パイプ
14…第1中間真空室
15…第1レンズ電極
15…電極
16…スキマー
17…オリフィス
18…第2中間真空室
19…第2レンズ電極
20…隔壁
21…分析室
22…プレ四重極質量フィルタ
23…主四重極質量フィルタ
24…検出器
27…ロータリポンプ
28…ターボ分子ポンプ
29…ターボ分子ポンプ
31…第1レンズ電源部
32…第2レンズ電源部
33…四重極電源部
34…DC生成部
35…合成部
36…RF生成部
61…処理モジュール
61…FPGA
62…CPU
63…質量走査設定テーブル
64…第1レンズD/Aコンバータ
65…第2レンズD/Aコンバータ
66…四重極DC D/Aコンバータ
67…四重極RF D/Aコンバータ
68…信号A/Dコンバータ
611…スキャンD/A設定モジュール
612…信号A/D処理モジュール
621…スキャン制御モジュール
622…パラメータ設定モジュール
623…信号A/D制御モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料をイオン化するイオン化室と、
イオン化室から出射したイオンを収束させるレンズと、
前記イオンを質量分離する四重極質量フィルタと、
前記四重極質量フィルタを通過した前記イオンを検出する検出器と、
前記レンズに電圧を供給するレンズ電源部と、
前記四重極質量フィルタに直流電圧と高周波電圧を供給する四重極電源部と、
前記レンズ電源部と前記四重極電源部とを制御して質量走査する制御部
とを備え、前記制御部は、最小質量数に対応する最小電圧から最大質量数に対応する最大電圧までの線形増加と、該線形増加に引き続く、前記最大電圧から前記最小電圧までの線形減少との繰り返しからなる三角波の質量走査を行うことを特徴とする質量分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−281469(P2008−281469A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126561(P2007−126561)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】