説明

赤外線ユーザーセンサを有する流体分与器

【課題】物体が目標区域に入った時に、ユーザーに自動的に分配するために光検出器と関連するコントローラを利用する分配システム。
【解決手段】コントローラ26は、光検出器22に近接して取り付けられた光源24をパルスさせるようにプログラムされている。コントローラは、光検出器の受信信号で電圧を常時モニターし、オンオフでパルスされる光から電圧の差を評価する。コントローラは差を合計し、平均差の値を生起するために指定の期間にわたって差を常時更新する。平均差の値は目標オフセット値と合計され、瞬間電圧差と比較される。瞬間差が目標オフセット値及び平均差の和を超える場合、コントローラは、物体上に流体又は他の製品を分配する分配機構に信号を送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体分与器及び流体を分配するための方法に関する。より詳細には、本発明は、物体が目標領域に入った時に、液体を分配するための電気式「ハンズフリー」流体分与器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体、タオルあるいは他の材料を送り出す自動分配装置は、先行技術において知られている。また、手動の操作や物理的な接触を必要とすることなしに、ユーザーの手の上に流体又は同等物を送り出すための装置は、先行技術において良く知られている。そのような分与器は、ユーザーの存在を検知するために光センサで発生された電圧をモニターする電子制御回路を使用できることが当業技術分野において知られている。初期のハンズフリー装置は、フォトダイオードと交信する発光ダイオード(LED)を使用していた。ユーザーが目標内にいる時、フォトダイオード電圧が変化し、信号が送られて分与器モータへ電力を供給する。しかしながら、この技術を使用する分与器は、周囲の照明状態の変化を補償するようになっていない。さらに、検出回路が一定の電力を必要とするので、これらの分与器は電力要求の問題を生じる。
【0003】
既知のハンズフリー分与器が、Byrdらの米国特許第5,772,291号に示されている。Byrd特許の「ハンズフリー」装置は、光電池アレーと、部屋の中での光の量を検出する光センサとの両方を含んでいる。光電池アレーは負の入力に基準電圧を供給し、光センサは正の入力に「検出」電圧を供給する。これは、光センサの電圧が周囲光の基準電圧より大きくなった場合に、分与器のモータが起動できるようにする。光電池アレーが制御回路に電力を供給するので、部屋の中に光があれば、分与器は単に機能する。Byrdらの特許における装置は、追加のハードウェアを必要とする2つの別個の探知装置が必要である。
【0004】
また、当業技術分野において良く知られているものは、検出手段としてキャパシタンスを測定する分与器である。キャパシタンス値を提供するために、導体がユニットに配設される。そのような1つの装置は、Hansenらの米国特許第6,903,660号に示されている。この「ハンズフリー」装置は、信号検出回路で使用される差周波数弁別器、第1と第2の平均回路及び比較器を含む。平均キャパシタンスの変化が設定パラメーターで許可されるものより大きい場合、モータが電力供給され、流体が分配される。
【0005】
当業技術分野において知られている他の一般的な「ハンズフリー」分与器は、テレビで適用されるものに似ているパルス信号を使用する。そのような1つの分与器は、Hoffmanらの米国特許第4,786,005号において見い出される。この分与器は、周囲光のレベルをフォトトランジスタが常時感知している回路を含む。フォトトランジスタが周囲光のレベルにおける低下を感知した場合、フォトトランジスタからの集積回路の入力は低くなる。フォトトランジスタからの電圧は調整され、トランジスタを介して導通されて、パルス赤外線でLEDに電力供給し、このパルス赤外線は、赤外線センサレシーバで受信され得るあらゆる迷走赤外線とは異なる。分与器は、パルス光信号を感知するために異なるフォトトランジスタを利用し、そして、分与器モータに電力供給する回路に通じる。迷走赤外線の検知は、望まれない分配を引き起こす場合がある。
【0006】
前記に鑑み、低い平均電力消耗を示し且つバックグラウンドノイズに対する有効なイミュニティを与える、一般に上述したタイプの自動流体分与器に使用される改良した電子制御システムを提供することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
低電力消費で作動し且つ光状態の変化を補償する廉価なハンズフリー分配システムについて主たる要求があることが、前記から認識されるであろう。
【0008】
従って、本発明の1つの様相は、自動流体分与器を制御するのに使用される改善された電子制御回路を提供することである。
【0009】
本発明の他の様相は、分配ユニットのハンズフリー作動を制御するために、フォトダイオードにより供給される電圧を判断するようにコントローラを使用することである。
【0010】
本発明の更なる様相は、ユーザー又は物体が目標区域に残っている場合に、連続的に分配することを防止することである。
【0011】
本発明のさらに他の様相は、分与器の機能のためのパラメーターを設定するために周囲光条件に常時適合させることである。
【0012】
本発明のまた他の様相は、最新の部屋の光状態の平均差をモニターし、物体の検知のために光状態の瞬間差を比較することである。
【0013】
本発明の更なる様相は、光状態の差における突然の変化が光状態の平均差とオフセット値との和を超える場合に、流体を分配することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ここに示された典型的なシステムは、低電力消費で作動するハンズフリー分配装置を促進することにより、これらの要求を満たしている。分配装置は、赤外線発光ダイオード(IR LED)、フォトダイオード、及び、ユーザーの存在に帰し、ユーザーに流体を供給するために分配機構で受信される信号を伝えるコントローラを利用する。この分配装置は、分与器に永久的に付設することができ、あるいは、分与器に支持される交換カートリッジ内に組み込むことができる。本発明は、一般に流体分与器の分野に関しているが、以下のハンズフリー制御回路が、ペーパータオルや他の材料を分配する装置に容易に適応できることが知られるべきである。1つの実施例は石鹸分与器として記載されるが、本発明は、他の流体あるいは紙製品を分配できる様々な分与器にも適用され得ることが容易に認識されるべきである。
【0015】
本発明のさらに他の様相は、目標区域へ製品を分配するためのハンズフリー分与器であって、分配機構;分配機構と組み合わされる発光ダイオード;コントローラ;及び、発光ダイオードと組み合わされ、目標区域の光レベルを検知し、検知した光レベルに相当しコントローラで受信される電圧を発生する光検出器を包含する分与器において、コントローラは、目標オフセット値を付加した電圧での平均差の値と電圧での瞬間差の値とを比較して、瞬間差の値が目標オフセット値を付加した平均差の値より大きい場合に、分配機構に信号を送る分与器を提供することである。
【0016】
本発明のまた他の様相は、製品を分配する方法であって、光検出器に近接する光源をパルスさせ;光源が照らされている場合に、光検出器から有効電圧値を読み取り記憶し;光源が照らされていない場合に、光検出器から周囲電圧値を読み取り記憶し;有効電圧値と周囲電圧値との瞬間差を計算し;平均差及び目標オフセットの和と瞬間差とを比較し、時間間隔にわたって光検出器の以前の瞬間差の値から平均差を計算し;瞬間差が前記和より大きい場合に、分配するための信号を発生し;分配するための信号が分配機構で受信されたときに、製品を分配することから成る方法を提供することである。
【0017】
本発明のこれら及び他の様相とともに、既存の先行技術を超えた利点は、下記の記載から容易に明白となり、本発明の実施により達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の目的、技術及び構成について完全に理解するために、以下の詳細説明及び添付図面が参照されるべきである。
【0019】
図面及び特に図1に関し、本発明に従って作られた分与器は、総括的に符号10で指定されていることがわかる。分与器10は、総括的に符号12で指定された、周知の分与器ハウジング構造体を含む。分与器ハウジング12は壁取付型又はカウンター取付型ユニットであってよく、あるいは、カウンタートップ又は同等物上に配置されるフリースタンド型ユニットとすることもできる。ここに記載された分与器は、石鹸及び他の液体のような流体を分配するために使用されるが、紙、錠剤あるいは任意の流動可能な材料のような他の製品を分配できることが認識されるであろう。どんな場合でも、分与器ハウジング12は、典型的に、分配ノズル16の上方に位置されこれに連通する液体製品カートリッジ14を含み、これらの間に適切なポンプ又は他の分配機構18が介在されている。当業者には周知のように、分配機構18は、各分配サイクルの際に所定量の液体を分配するように構成されている。本発明に従って、分配機構18は、モータ、ソレノイド、プランジャー又は同等物のような駆動機構20により制御される。機構20は、分配ノズル16の下方に位置される、ユーザーの手のような物体の検知の際に付勢される。
【0020】
図2に関し、総括的に符号21で指定された制御回路は、駆動機構20に接続されていることがわかる。制御回路21は適切な光検出器22を含んでおり、この光検出器は、ノズル16に関連して及び/又はこれに接近して位置され、適切な反射信号又は同等物により手又は他の目標区域物体の存在を検知する。この点で、検出器22は、実際には、信号を送受信する変換器であってよい。提示された以下に記載の本発明は、分与器10の改良及び洗練である。
【0021】
本実施例では、光検出器22は、周囲光及び赤外線発光ダイオード(IR LED)24の光を検知するフォトダイオード23を含む。簡潔には、フォトダイオード23は、それから所定の距離内で広範囲の光波長を検出する。分与器の適切な作動のため、フォトダイオード23は周囲光の値を確立するために利用される。当業者は、分与器が窓を備えた部屋内に維持されているか、部屋内の日光の量、部屋の人工照明のタイプ、及び分与器に接近する表面の反射率のレベルに基づいて、周囲光の値が変わることを認識するであろう。より詳細に述べると、フォトダイオード23は、これに比較的隣接して位置された物体から反射し且つLED24で発生された光に通常起因する光をも検出する。そのため、フォトダイオード23で検知できるすべての物体により反射された赤外線は、駆動機構20を使用可能にさせ、所定量の材料を分配する結果をもたらす。制御回路21は、フォトダイオード23からデータあるいは適切な信号を受信するコントローラ26をさらに含んでいる。作動において、装置は通常、フォトダイオード23による物体の検知を待機するスタンバイ状態にある。或る実施例では、光検出器はフォトトランジスタ等であってよい。
【0022】
図2〜3において、IR LED24は、先行技術と比較して、著しく高い電流で短いパルスを生成するためにコントローラ26により制御されることがわかる。例えば、IR LED24は、150マイクロ秒未満の周期でパルスし、100mA〜1.5Aの間で作動し得る。他の実施例では、IR LED24は約10マイクロ秒の周期でパルスし、0.5A〜1Aの間で作動し得る。IR LED24は、フォトダイオード23に接近して取り付けられる。コントローラ26は、フォトダイオード23での電圧の量をモニターする。フォトダイオード23は、分与器10の任意の場所に位置されるか、あるいは、IR LED24から放射された反射光をフォトダイオード23が検知できる限りは別々に取り付けることができる。コントローラ26は、ほぼ同時に、IR LED24を付勢する信号を発生するとともに、フォトダイオード23で生成された電圧を読み取る。その後、これらの電圧値(有効として参照される)は、最新の読み取りされた電圧値と比較され、周囲光の値を表すものとして分類される。その後、これらの値は、後述される方法でコントローラにより処理される。
【0023】
外部電源25は、コントローラ26から離れたフォトダイオード23に電力供給する。従って、分与器10を囲む環境における光の量を検出するのにコントローラ26に必要な増幅された信号を提供するために、フォトダイオード増幅器が分与器10内に組込まれていてよい。フォトダイオードの増幅は、様々な異なる手段で達成することができる。1つの実施例では、十分な増幅を達成するために、逆バイアス回路が使用される。
【0024】
コントローラ26は、制御回路の機能を実行させ分与器10を適切に作動させるために、必要なハードウェア、ソフトウェア及びメモリを備えている。コントローラ26は、Zilog社により製造されているようなマイクロコントローラとすることができる。もちろん、他社により製造されたコントローラを使用することができる。コントローラ26は、他の構成要素の中で、複合発振器26A及びアナログ・ディジタル変換器26Bをも含んでいてよい。
一般に、複合発振器26Aのうちの1つは、適切に使用可能にされれば連続的に実行し得る内部発振器とすることができる。他の発振器は他の機能に使用されてよい。当業者は、コントローラ26が、所定の期間の間停止又は休止され得るように、内部発振器と組み合わされるウォッチドッグタイマを含んでいることを認識するであろう。従って、コントローラの全作動は所定の間隔で生じて、電源から引き出される電流を減少させる。これは、電力を保存し、バッテリーの形態であり得る電源の寿命を増加させるのを助ける。変換器26Bは、フォトダイオード23で発生されたアナログ電圧信号を受信するためにコントローラで利用され、分与器の更なる処理及び作動を可能にするために信号をデジタル値に変換する。変換器26Bは、比較器あるいは継続的近似化レジスタ・アナログ・ディジタル変換器(Successive Approximation Register Analog to Digital Converter)の形をなしていてよい。
【0025】
物体が目標領域内で検知されると、コントローラ26は信号を発生して、駆動機構20へ送る。コントローラ26で維持されたプログラム指示は、本発明の目的のために定義される以下の変数、すなわち、有効電圧、周囲電圧、瞬間差、平均差、目標レベルオフセット及び分配信号の終了を利用する。有効電圧は、IR LED24がオンの時にコントローラ26がモニターしフォトダイオード23から記録した電圧値に当てはまる。周囲電圧は、IR LED24がオフの時にコントローラ26がモニターしフォトダイオード23から記録した電圧値に当てはまる。瞬間差はコントローラ26で計算され、周囲電圧と有効電圧との差に等しい。コントローラのプログラミングロジックは、負である瞬間差の値を廃棄する。これが行われる結果、コントローラは、部屋の光の状態における突然の変化で一般に発生される値を無視する。平均差は、周囲電圧を差し引いた一連の有効電圧に基づく計算値である。初期の平均差の値は、コントローラのプログラミング時における大きな任意の値に設定される。本実施例では、平均差のための初期値は0.7ボルトである。もちろん、他の電圧値を適切に使用することができる。その後の平均差の値は、平均化サイクルにわたって記録された周囲電圧を差し引いた有効電圧の平均に等しい。平均化サイクルは、一定期間にわたって任意の数の読み取りを行うことができる。1つの実施例では、平均化サイクルは、毎秒4回の読み取りで8秒(32回の読み取り)から成る。平均差は、あらゆる負の電圧値の読み取りと共に、物体が検知された時の測定値及び負の値を無視する。
【0026】
分配サイクルを開始するため、コントローラ26は、瞬間差が目標レベルオフセットを付加した平均差を超えることを要求する。目標レベルオフセットの変数は閾値として働くので、物体がフォトダイオード23の検出範囲にある時、コントローラ26は駆動機構20を起動するために信号を発生するだけである。50mVの一定目標レベルオフセットは典型的な値である。目標レベルオフセットは、フォトダイオード23により提供される電圧レベルと比較された割合、あるいは、過去の経験に基づく計算された平均値に従う一定値の組み合わせに基づいて計算されてもよい。分配信号の終了は、マイクロスイッチ27又は同等物で生成された出力であり、1つの分配サイクルの終了を指す。1つの実施例では、マイクロスイッチ27は駆動機構20と組み合わされている。例えば、マイクロスイッチ27は、ポンプのカム軸の完全な一回転で起動されるように、ポンプのギヤに配置することができる。分配信号の終了27の受信は、コントローラに駆動機構20を停止させるようにする。
【0027】
コントローラ26は、目標レベルオフセットを付加した平均差と瞬間差とを比較して、駆動装置へ信号を送るかどうかを判定する。瞬間差の値が目標レベルオフセットと平均差との和を超える場合、コントローラ26は駆動機構20に信号を出力する。コントローラは、約0.25秒毎に、あるいは他の所定の期間で目標を単に探索する。目標を探索しない場合、コントローラは、その作動を維持するのに必要な最小の電力を消費するように最少の機能を実行するだけである。コントローラ26は、低消費電力消費を維持するために、この低いデューティサイクルを含む。ユニットが分配する割合は、ロジックの変数が得られる速度及びコントローラ26が情報を処理する速度に直接関係する。1つの実施例では、コントローラ26は、目標を探索しながら約5.5MHzで作動する。
【0028】
物体検知用のコントローラにより行われる操作プロセスは、図面の図4A及び4Bに示されているように、符号28で指定される。物体検知28は、ステップ30で開始シーケンスを有する。ステップ32で、コントローラ26は、IR LED24がオフである場合におけるフォトダイオード23の電圧を測定し、この値を「周囲」として記憶する。次に、ステップ34で、コントローラ26は、IR LED24がオンである場合におけるフォトダイオード23の電圧を測定し、この値を「有効」として記憶する。コントローラ26は、ステップ32及び34での値を測定している時には、物体が目標範囲内にないと仮定している。次に、コントローラ26は、ステップ36で示されるように、「有効」値と「周囲」値との差を計算することにより瞬間差を算定する。次に、判定ブロック38に示されるように、瞬間差が正かどうかについて判定がなされる。ステップ40で示されるように、瞬間差が負であると判定されると、値は廃棄され、ロジックは、ステップ32に戻ることにより新しいシーケンスを始める。ブロック42に示されるように、瞬間差が正である場合、ロジックは、平均差及び目標値オフセットの和と瞬間差とを比較する。ステップ44で表わされるように、瞬間差が和より小さい場合、その値は平均差の値に付加され、ロジックは、ステップ32に戻り開始する新たなシーケンスを始める。
【0029】
ステップ46で示されるように、瞬間差が和より大きい場合、コントローラ26は駆動装置へ信号を送る。ステップ48で示されるように、分配機構が現在作動中かどうかを判定するために、コントローラは分配信号の終了27を待つ。ステップ48で分配信号の終了27が検出されると、ブロック52に示されるように、コントローラはモータを停止する。ステップ48で分配信号の終了27が検出されない場合、ステップ50で示されるように、コントローラは、分配サイクルの開始以来3秒のような所定の期間が経過したかどうかを判定する。経過時間が所定の期間より短い場合、ロジックはステップ46に戻る。しかしながら、経過時間が所定の期間より長い場合、ステップ52で示されるように、駆動装置は分配サイクルを停止する。最大実行時間の量は任意の値とすることができる。
【0030】
ステップ54,56及び58で示されるように、コントローラは、瞬間差′として指定される他の瞬間差の値を計算する。ステップ58で示される瞬間差′は、ステップ32〜36で表わされた瞬間差の計算に多少似ている。ステップ54で、10秒のような或る期間の間タイマーが開始されることは注目される。このタイマーは、以前に検知された物体が移動されたことを保証するために利用される。そのため、次のステップは、誰かが物体をLEDの範囲内に配置するが物体を取り除いていない場合に、分与器が材料を連続的に分配するのを防止する。いかなる場合でも、次に、ステップ60で示されるように、瞬間差′が正かどうかについて判定がなされる。瞬間差′が負である場合、次に、ステップ62で、値は廃棄され、コントローラのロジックは、ステップ32に戻り開始する新たなシーケンスを始める。しかしながら、瞬間差′が正である場合、次に、ステップ64で、ロジックは、平均差及び目標値オフセットの和と瞬間差′とを比較する。瞬間差′がステップ64で計算された和よりも小さい場合、ステップ66で、計算された瞬間差′の値は平均差の値に組み入れられ、ロジックは、ステップ32に戻り開始する新たなシーケンスを始める。
【0031】
瞬間差′の値が、ステップ64での計算された和に等しいか大きい場合、次に、ステップ68で、コントローラ26は次回の平均差の計算から瞬間差′の値を除外する。これが行われる結果、平均差の値が歪曲されないようになる。ステップ69では、ステップ54で開始されたタイマーが経過したか否かについてなされる。タイマーが経過していない場合、プロセスはステップ56に移る。タイマーが経過している場合、プロセスはステップ30に戻る。タイマーを使用することにより、或る時間が経つが、目標が去っていない場合、コントローラは、平均差の値をリセットするために再度較正される。コントローラ26は、20マイクロ秒未満の速さでアナログ信号をディジタルに変換する手段を含んでいてよく、この速さは、変換器26Bの使用により達成できる。
【0032】
前に言及したように、コントローラ26は、目標を探索していない場合には休止又は停止され、目標を探索している場合には1MHz〜20MHzの間で作動する。1つの実施例では、コントローラ26は、目標を探索する場合に約5.5MHzで作動する内部発振器を利用する。また、コントローラ26は低周波発振器を利用してもよいが、コントローラは、他の発振器及び他のコントローラ機能が適切な時点で再起動されるように、休止又は停止される。低周波発振器は5kHz〜200kHzの間で作動していてよい。1つの実施例では、低周波内部発振器は約10kHzで作動する。
【0033】
上述した実施例は作動の値を示唆しているが、当業者は本発明の精神の範囲内で同等の値を容易に適用できることが認識されるべきである。
【0034】
従って、本発明の目的は、上記に提示した構成及びその使用方法により履行されることが理解できる。特許法に従って、最良の形態及び好適な実施例だけを詳細に記載したが、本発明はそれらに制限されるものではない。従って、本発明の真の範囲の認識については、請求の範囲が言及されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の概念に従って作られたハンズフリー分与器の概略図である。
【図2】本発明によるコントローラ、赤外線LED及びフォトダイオードを示す分与器の詳細な概略図である。
【図3】本発明の概念に従って分与器で使用される制御回路の回路図である。
【図4A】製品を分配するための操作ステップのフローチャートである。
【図4B】製品を分配するための操作ステップのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標区域へ製品を分配するためのハンズフリー分与器であって、
分配機構;
前記分配機構と組み合わされる発光ダイオード;
コントローラ;及び
前記発光ダイオードと組み合わされ、目標区域の光レベルを検知し、検知した光レベルに相当し前記コントローラで受信される電圧を発生する光検出器;
を包含する分与器において、前記コントローラは、目標オフセット値を付加した前記電圧での平均差の値と前記電圧での瞬間差の値とを比較して、前記瞬間差の値が前記目標オフセット値を付加した前記平均差の値より大きい場合に、前記分配機構に信号を送る、分与器。
【請求項2】
前記光検出器がフォトダイオードあるいはフォトトランジスタを含む、請求項1記載の分与器。
【請求項3】
前記発光ダイオードが、前記コントローラにより電力供給される赤外線発光ダイオードであり、前記コントローラは、目標区域における物体を探索する度毎に、前記ダイオードを150マイクロ秒未満でパルスさせ、前記コントローラによりパルスした場合に200mA〜1.5Aの間で作動する、請求項1記載の分与器。
【請求項4】
前記コントローラは、目標区域における物体を探索している場合に1MHz〜20MHzの間で作動する、請求項1記載の分与器。
【請求項5】
前記コントローラは、目標区域における物体を探索していない場合には停止する、請求項4記載の分与器。
【請求項6】
前記コントローラは、目標区域における物体を探索していない場合に実行し続ける発振器を保持する、請求項4記載の分与器。
【請求項7】
前記電圧が、継続的近似化レジスタ・アナログ・ディジタル変換器あるいは比較器を使用して測定される、請求項4記載の分与器。
【請求項8】
前記コントローラは、前記発光ダイオードがオンである場合に発生される有効電圧値と、前記発光ダイオードがオフである場合に発生される周囲電圧値とから差の値を計算し、前記平均差の値が、所定の期間にわたって1秒毎の多数の差の値を平均することにより計算される、請求項1記載の分与器。
【請求項9】
負である前記差の値が、前記平均差の計算から省かれる、請求項1記載の分与器。
【請求項10】
前記瞬間差の値が前記平均差と前記目標オフセットとの和より小さい場合、前記瞬間差の値が前記平均差の値に含まれる、請求項1記載の分与器。
【請求項11】
瞬間差の値が得られる場合は常に、前記平均差の値が更新される、請求項1記載の分与器。
【請求項12】
前記目標オフセット値が固定値である、請求項1記載の分与器。
【請求項13】
前記目標オフセット値が前記コントローラにより計算される、請求項1記載の分与器。
【請求項14】
前記目標オフセット値が前記平均差の割合に基づく、請求項1記載の分与器。
【請求項15】
製品を分配する方法であって、
光検出器に近接する光源をパルスさせ;
前記光源が照らされている場合に、前記光検出器から有効電圧値を読み取り記憶し;
前記光源が照らされていない場合に、前記光検出器から周囲電圧値を読み取り記憶し;
前記有効電圧値と前記周囲電圧値との瞬間差を計算し;
平均差及び目標オフセットの和と前記瞬間差とを比較し、時間間隔にわたって前記光検出器の以前の瞬間差の値から前記平均差を計算し;
前記瞬間差が前記和より大きい場合に、分配するための信号を発生し;
分配するための前記信号が分配機構で受信されたときに、製品を分配する;
ことから成る方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate


【公開番号】特開2009−25297(P2009−25297A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−169481(P2008−169481)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(500095425)
【氏名又は名称原語表記】Joseph S. Kanfer
【住所又は居所原語表記】4445 Everett Road, Richfield, Ohio U. S. A.
【Fターム(参考)】