説明

走査型顕微鏡および走査型顕微鏡システム

【課題】走査型顕微鏡において、低ノイズの画像を高速で取得する。
【解決手段】走査型顕微鏡は、光源ユニット、第1の走査手段114a、第1の光制限体115a、および光量検出器118を有する。光源ユニットは試料に照射する照射光を第1、第2の出射点から出射する。第1の走査手段114aは照射光の偏向方向を変える。第1の光制限体115aは照射光を通過させる複数の孔部115asを有する。光量検出器118は試料への照射により生じる信号光の受光量を検出する。第1の走査手段114aは走査点を照射光の偏向方向を変えることにより第1の走査方向に沿って移動可能である。複数の孔部115asは、第1の走査手段114aによる偏向方向の連続的な変化に応じて、第1、第2の出射点から出射された照射光が異なる時期に孔部115asを通過するように、配置される

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共焦点走査を行う走査型顕微鏡および走査型顕微鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、数多くの種類の共焦点走査型顕微鏡が提案され(非特許文献1参照)、製品化されている。これらの共焦点走査型顕微鏡は、大きく分けて、シングルビーム走査装置を用いた顕微鏡と、マルチビーム走査装置を用いた顕微鏡(特許文献1〜特許文献3参照)の2種類に分類される。以下に、2種類の顕微鏡の基本構成を簡単に説明する。
【0003】
まず、シングルビーム走査装置を用いた走査型顕微鏡(以下、シングルビーム走査型顕微鏡と呼ぶ)の基本構成を説明する。シングルビーム走査型顕微鏡において、光源より発した光束は、集光レンズによって一点に集光される。集光位置に配置された第1の微小開口の透過像が、第1のリレーレンズと対物レンズを介して標本上に結像される。標本によって反射された光束は、対物レンズと第1のリレーレンズとの間に配置されたビームスプリッタによって、第1の微小開口の方向とは異なる方向に偏向される。偏向された光束は、第2のリレーレンズによって、第1の微小開口の共役位置にある第2の微小開口に集光される。第2の微小開口を通過した光の強度が、例えばフォトマルチプライアなどの検出器によって検出される。
【0004】
また、対物レンズとビームスプリッタの間には走査装置が配置されている。この走査装置は、例えばガルバノミラーやポリゴンミラーを有していて、第1の微小開口の像を標本面上で走査する。この走査装置と検出器に接続されているコントローラは、走査装置による光束の偏向量から、標本上での第1の微小開口の結像位置を検出する。検出位置と検出器により検出された光の強度とに基づいて、広い領域における標本像が再構成され、テレビモニタなどの画像表示装置に表示される。なお、光源としてフェムト秒パルス光源を用いた場合には、上述の第1の微小開口が省略されることもある。
【0005】
次に、マルチビーム走査装置を用いた走査型顕微鏡(以下、マルチビーム走査型顕微鏡と呼ぶ)の一例としてニポーディスクを用いた走査型顕微鏡の基本構成を説明する。マルチビーム走査型顕微鏡において、光源より発した光束は、コンデンサレンズによってニポーディスク上に照射される。ニポーディスクに設けられた複数の小開口を透過することによって分割された複数の光束は、夫々、リレーレンズと対物レンズを介して標本上の一点に集光される。標本から反射した光束は、対物レンズとリレーレンズとを介して再びニポーディスクの小開口上に集光される。
【0006】
ニポーディスクとコンデンサレンズとの間に配置されたビームスプリッタは、ニポーディスクからの透過光を、光源とは異なる方向へ偏向させる。偏向された透過光が撮影レンズによってイメージセンサ上に集光される。このような構成により、イメージセンサ上には、標本の像が形成される。形成された像がイメージセンサにより検出され、画像表示装置に表示される。ニポーディスクに設けられた複数の小開口は所定の間隔を空けて設けられるので、標本上に一度に当たる照明は多重スポット照明となる。しかし、ニポーディスクをモータによって高速に回転させているので、短時間ですべての標本面上を走査でき、肉眼による共焦点の観察が可能になる。
【0007】
このように、両者の基本構成の差異から理解されるように、シングルビーム走査型顕微鏡においては、光源の照明効率などが良いが、顕微鏡の視野全体の走査時間はマルチビーム走査型顕微鏡より長い。近年、試料の外観などの高速な時間変化を観察することが求められている。例えば、ビデオレート以上の100fpsで画像を取得するためには、走査装置に数十KHz相当の高速性能が必要である。しかし、走査装置に備えられる反射部のサイズを大きく保ったまま高速性能を満たすことは困難である。一方、上述のようにニポーディスクを用いているものを含めたマルチビーム走査型顕微鏡においては、走査時間が非常に短いので、1000fpsで高速に画像を取得可能であり、試料外観の高速な時間変化を観察するのに適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表平1−503493号公報
【特許文献2】特開平5−60980号公報
【特許文献3】特開平8−211296号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】T.R.Corle and G.S.Kino, “Confocal Scanning Optical Microscopy and Related Imaging Systems”, Academic Press (1966)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このような高速観察に好適なマルチビーム走査型顕微鏡においても、散乱を伴う組織の観察において問題点がある。走査型顕微鏡は、試料中に集光したレーザのスポットと共役な位置にピンホールを配置することにより、レーザのスポット近傍のみの信号光(例えば、蛍光)を選択して取得することを可能足らしめることを特徴としている。それゆえ、試料による光の散乱が大きくないとみなせる場合には、その効力が発揮される。しかし、特に生体組織を試料とする場合には、生体組織の強散乱性によってレーザスポット近傍の信号光はたちまち散乱される。従って、ニポーディスクによって生成された多数のマルチビームが標本上に集光されても、マルチビームで発生した信号光は強く散乱し、対応する小開口とは別の小開口に信号光が染出すクロストークが発生する。小開口は光学的に共役な微小領域以外の微小領域における信号光も透過するため、ノイズ成分が増加する。クロストークを減少させるためにはマルチビームの空間的な間隔を広げることが考えられる。しかし、散乱の影響が非常に大きい場合には、マルチビームの本数が2本であったとしても、クロストークが発生し得る。
【0011】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明では、マルチビームによって発生する信号光に空間的なクロストークが生じても、ノイズの少ない画像を取得可能な走査型顕微鏡および操作型顕微鏡システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による走査型顕微鏡は、
少なくとも第1、第2の出射点を同一平面上に有し、試料に照射する照射光を第1、第2の出射点から主光線が互いに平行になるように出射する光源ユニットと、
光源ユニットから出射した照射光の偏向方向を変える第1の走査手段と、
第1の走査手段により偏向された照射光が照射される第1の照射面を有し、第1の照射面には照射光を通過させる複数の孔部が形成される第1の光制限体と、
光制限体を通過した照射光を前記試料上に集光させる対物レンズと、
照射光の試料への照射により生じる信号光の受光量を検出する光量検出器と、
試料と光量検出器との間に設けられ、信号光を前記照射光から分離する光学的分離器と、
光量検出器による光量の検出時点における照射光の試料上の走査点の位置を検出する位置検出部と、
光量と走査点の位置に基づいて試料の画像を再構成する画像処理装置に、受光量と走査点の位置とを出力する出力器とを備え、
第1の走査手段は、試料上に照射される照射光の走査点を、照射光の偏向方向を変えることにより第1の走査方向に沿って移動可能であり、
複数の孔部は、第1の走査手段による偏向方向の連続的な変化に応じて、第1、第2の出射点から出射された照射光それぞれが異なる孔部を通過し、且つ、第1、第2の出射点から出射された照射光が異なる時期に孔部を通過するように、配置される
ことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第1の発明による操作型顕微鏡システムは、
少なくとも第1、第2の出射点を同一平面上に有し、試料に照射する照射光を第1、第2の出射点から主光線が互いに平行になるように出射する光源ユニットと、
光源ユニットから出射した照射光の偏向方向を変える第1の走査手段と、
第1の走査手段に偏向された照射光が照射される第1の照射面を有し、第1の照射面には照射光を通過させる複数の孔部が形成される第1の光制限体と、
光制限体を通過した照射光を試料上に集光させる対物レンズと、
照射光の前記試料への照射により生じる信号光の受光量を検出する光量検出器と、
試料と光量検出器との間に設けられ、信号光を照射光から分離する光学的分離器と、
光量検出器による光量の検出時点における照射光の試料上の走査点の位置を検出する位置検出部と、
光量と走査点の位置に基づいて試料の画像を再構成する画像処理装置に、受光量と走査点の位置とを出力する出力器と、
光量と前記照射位置に基づいて試料の画像を再構成する画像処理装置と、
試料の画像を表示するモニタとを備え、
第1の走査手段は、試料上に照射される照射光の走査点を、照射光の偏向方向を変えることにより第1の走査方向に沿って移動可能であり、
複数の孔部は、第1の走査手段による偏向方向の連続的な変化に応じて、第1、第2の出射点から出射された照射光それぞれが異なる孔部を通過し、且つ、第1、第2の出射点から出射された照射光が異なる時期に孔部を通過するように、配置される
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成された本発明に係る走査型顕微鏡によれば、マルチビームを用いながら、ノイズの少ない画像を取得可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る走査型顕微鏡を含む走査型顕微鏡システムの光学的な概略構成および電気的な概略構成を示す構成図である。
【図2】図1における分岐器、第1のガルバノミラー、および第1のスリットの配置図である。
【図3】各列の励起光により走査される試料上の領域を説明する図である。
【図4】図1における第1のスリットアレイの正面図である。
【図5】第1のスリットアレイに入射する励起光の照射位置の時間変化を説明するタイミングチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る走査型顕微鏡を含む走査型顕微鏡システムの光学的な概略構成および電気的な概略構成を示す構成図である。
【図7】図6における第1のスリットアレイに対する第2のスリットアレイの配置および形状を示す構成図である。
【図8】第3の実施形態に係る走査型顕微鏡を含む走査型顕微鏡システムの光学的な概略構成および電気的な概略構成を示す構成図である。
【図9】図8における分岐器、第1のガルバノミラー、および第1のスリットの配置図である。
【図10】第1のスリットアレイの第1の変形例を示す正面図である。
【図11】第1のスリットアレイの第2の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の適用した走査型顕微鏡の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る走査型顕微鏡を含む走査型顕微鏡システムの光学的な構成および電気的な概略構成を示す構成図である。
【0018】
走査型顕微鏡システム100は、走査型顕微鏡110、画像処理装置101、モニタ102によって構成される。後に詳述するように、走査型顕微鏡110は、スポット状の励起光(照射光)で試料Sを走査する。また、試料Sに照射された励起光による蛍光の光量が、走査型顕微鏡110により検出される。また、走査型顕微鏡110からは走査点の位置が検出される。蛍光の光量および走査点の位置が、画像処理装置101に伝達される。画像処理装置101では、蛍光の光量と照射位置に基づいて、試料Sの画像を再構成する。再構成された画像はモニタ102に送信され、表示される。
【0019】
次に、走査型顕微鏡110の構成について、説明する。走査型顕微鏡110は、光源111、分岐器112、第1〜第5のレンズ113a〜113e、第1、第2のガルバノミラー114a、114b(第1、第2の走査手段)、第1のスリットアレイ115(第1の光制限体)、ダイクロイックミラー116(光学的分離器)、対物レンズ117、PMT118(光量検出器、出力器)、および位置検出部119(位置検出部、出力器)などによって構成される。
【0020】
光源111から、生体に照射すると蛍光を発生させる励起光がフェムト秒パルスとして出射される。励起光は、分岐器112により強度が実質的に等しくなるように4列に分岐される。分光器112の第1〜第4の出射端は、後述する一定の間隔で直線上に並び且つ出射される励起光の主光線が互いに平行となるように、形成される。なお、分岐器112は、例えばハーフミラー(図示せず)およびミラー(図示せず)の組合せ、ファイバカプラ(図示せず)の組合せ、および回折格子などにより形成可能である。
【0021】
第1、第2のレンズ113a、113bは正レンズであり、リレー光学系を構成する。リレー光学系により、第1〜第4の出射端から出射される第1〜第4列の励起光は両側にテレセントリックにリレーされ、第1のスリットアレイ115a上に別々に集光される。第1、第2のレンズ113a、113bの間において対物レンズ117の瞳位置との共役位置に、第1のガルバノミラー114aが配置される。図2に示すように、第1のガルバノミラー114aは、第1〜第4の出射端t1〜t4を結ぶ第1の直線L1に平行な直線を軸に回転させた偏向方向に、励起光を反射させる。偏向方向を連続的に変えることにより、励起光によって試料S上の第1の走査方向(図3参照)に沿って試料Sが走査される。
【0022】
第1のガルバノミラー114aによる励起光の偏向方向には、第2のレンズ113bおよび第1のスリットアレイ115aが配置される。第1のスリットアレイ115aは多数の第1のスリット115as(孔部)が形成された平板であり、板面が第1の直線L1に平行となるように配置される。また、図4に示すように、第1のスリットアレイ115aには、取得する画像の第1の走査方向の画素数に相当する第1のスリット115asが形成される。第1のスリット115asは、板面上において第1の直線L1に垂直な第2の方向d2に並べられる。なお、第2の方向d2は第1の走査方向に対応する。
【0023】
すべての第1のスリット115asは、板面において第2の方向d2に垂直な第1の方向d1に対して傾斜した形状を有している。さらに、第1〜第4の列の中の単一の列の励起光(図4におけるEL3参照)が第1のスリット115asを通過している間は、他の3列の励起光(図4におけるEL1、EL2、EL4参照)が第1のスリットアレイ115aの板面上に照射されように、第1の方向d1に対する第1のスリット115asの傾斜角が定められる。また、第1のスリット115asは、第2の方向d2に対して傾斜させながら単一の第1のスリット115asに第1〜第4列の励起光が通過可能となるように、形成される。
【0024】
前述のように、4列に分岐させた励起光を互いに主光線が平行となるように第1のスリットアレイ115a上に集光するので、第1のスリットアレイ115a上には第1の方向d1に沿って励起光による4列の照射スポット像が形成される。このような構成の第1のスリットアレイ115aを第1〜第4列の励起光で走査することにより、第1〜第4列の励起光は異なる時間に第1のスリット115asを通過して、試料Sに照射される。図5に示すように、タイミングt1において、第1列の励起光EL1のみが1列目の第1のスリット115asを通過し、第2〜第4列の励起光EL2〜EL4は第1のスリットアレイ115aの板面に照射される。その後、第1のガルバノミラー114aにより偏向方向が変えられ、励起光による照射スポット像は第2の方向d2に変位する。タイミングt2において、第2列の励起光EL2のみが1列目の第1のスリット115asを通過し、第1、第3、第4列の励起光EL1、EL3、EL4は第1のスリットアレイ15aの板面に照射される。同様に、タイミングt3、t4においては、夫々第3、第4列の励起光EL3、EL4のみが1列目の第1のスリット115asを通過する。第4列の励起光EL4のみが1列目の第1のスリット115asを通過後励起光による照射スポット像がさらに第2の方向d2に変位し、タイミングt5において第1列の励起光のみが2列目の第1のスリット115asを通過する。以後、同様に、第1〜第4列の励起光の2、3、…列目の第1のスリット115asの通過を順次繰返す。
【0025】
この結果、第1のガルバノミラー114aが周波数RHzで第1の走査方向に沿って往復走査する場合には、1列の励起光による2R個/sの照射スポット像によって光学的共役位置にある試料Sが照射される。それゆえ、4列の励起光によって、4倍の8R個/sの照射スポット像によって試料Sが照射される。
【0026】
第1のスリットアレイ115aを通過した励起光は、第3、第4のレンズ113c、113dによって両側にテレセントリックにリレーされる。第3、第4のレンズ113c、113dの間において対物レンズ117の瞳位置との共役位置に、第2のガルバノミラー114bが配置される。第2のガルバノミラー114bは、第2の方向d2に平行な直線を軸に回転させた偏向方向に、第3のレンズ113cを透過した励起光を反射させる。偏向方向を連続的に変えることにより、励起光によって試料S上の第1の走査方向に垂直な第2の走査方向(図3参照)に沿って試料Sが走査される。
【0027】
図3に示すように、第1、第2のガルバノミラー114a、114bそれぞれによる第2、第1の走査方向に沿った走査によって、走査型顕微鏡100の視野範囲全域ea(以後、全照射領域と呼ぶ)が照射スポット像によって照射される。第1列の励起光EL1によって、全照射領域eaを第2の走査方向に沿って4分割した第1の部分領域ua1がラスタ走査される。同様に、第2〜第4列の励起光EL2〜EL4によって、第1の部分領域ua1と別の第2〜第4の部分領域ua2〜ua4がラスタ走査される。例えば、全照射領域eaを512本の走査線によって走査する場合には、第1〜第128の走査線を第1列の励起光EL1によって走査させ、第129〜第256の走査線を第2列の励起光EL2によって走査させ、第257〜第384の走査線を第3列の励起光EL3によって走査させ、第385〜第512の走査線を第4列の励起光EL4によって走査させる。なお、第1〜第4列の励起光EL1〜EL4により、それぞれ第1〜第4の部分領域ua1〜ua4が走査されるように、第1〜第4の出射端t1〜t4の間隔が定められる。
【0028】
図1に示すように、第2のガルバノミラー114bによって反射された励起光は、第4、第5のレンズ113d、113e、ダイクロイックミラー116、および対物レンズ117を介して試料S上に投影される。ダイクロイックミラー116は、励起光を透過し且つ励起光により生体組織が発する蛍光を反射するように形成される。したがって、第5のレンズ113eを透過した励起光はダイクロイックミラー116を透過する。投影される励起光は、結像レンズである第5のレンズ113dおよび対物レンズ117によって試料S上において集光される。
【0029】
励起光が試料Sに照射されると、照射された励起光の集光点において試料Sが励起されて蛍光(信号光)が対物レンズ117に向かって発生する。したがって、前述のように8R個/sの照射スピードで試料を照射することにより、同じ発生スピードで蛍光が順次発生する。発生した蛍光は対物レンズ117を透過して、ダイクロイックミラー116に到達する。蛍光はダイクロイックミラー116により反射され、励起光の試料Sによる反射光はダイクロイックミラー116を透過する。したがって、蛍光が励起光の反射光から分離される。分離された蛍光はPMT118によって受光される。PMT118は蛍光強度に応じた電気信号に変換した画素信号を生成する。画素信号は、画像処理装置101に伝達される。
【0030】
なお、各列の励起光に対応する蛍光は対物レンズ117、ダイクロイックミラー116を介して、PMT118の受光部上に広く分布する。蛍光の入射範囲より広い受光部を有するPMT118が選択され、用いられる。
【0031】
なお、画像処理装置101には画素信号だけでなく、位置検出部119において検知される励起光の走査点の位置が位置信号として伝達される。位置検出部117は、第1、第2のガルバノミラー114a、114bに設けられる回転速度メータ(図示せず)により検出される第1、第2のガルバノミラー114a、114bの回転速度に基づいて第1、第2のガルバノミラー114a、114bによる各列の励起光パルスの偏向方向を算出する。位置検出部119は、偏向方向に基づいて走査点の位置を検出する。
【0032】
画像処理装置101は、画素信号と位置信号とに基づいて試料Sの2次元状の画像を再構成する。再構成された2次元画像はモニタ102に送信され、表示される。
【0033】
以上のような構成の第1の実施形態の走査型顕微鏡によれば、低ノイズの画像を高速に取得可能である。4本のマルチビームにより試料を走査するので、第1のガルバノミラー114aの走査周波数で制限される走査速度を、分岐させる光束分だけ高速化させることが可能である。したがって、高速で試料画像を採取可能である。また、マルチビームの試料Sへの照射時期が分離されているので、空間的なクロストークの影響を除去することが可能である。
【0034】
また、第1の実施形態の走査型顕微鏡によれば、上述のように第1〜第4の出射端t1〜t4を配置することにより、照射時期を分離させた構成において第2のガルバノミラー114bの制御の簡素化を図りながら、フレームレートの最速化を図ることが可能である。例えば本実施形態と異なる構成として、第1、第2、第3、第4の出射端から出射される励起光が、第(4n−3)、第(4n−2)、第(4n−1)、第4nの走査線(1≦n≦128)に沿って走査される構成が考えられる。このような構成においてフレームレートを最速化するためには、第1の走査方向に沿った端部に走査点が達したときに、高速で第2の走査方向に4本の走査線に相当する距離だけ走査点を移動させる必要がある。したがって、第1のガルバノミラー114aによる偏向方向に応じて第2のガルバノミラー114bによる走査速度を変える必要がある。一方、本実施形態の構成によれば、第1のガルバノミラー114aの偏向方向に拠らず、第2のガルバノミラー114bの走査速度を一定に保つことが可能で、制御が簡素化される。
【0035】
また、第1の実施形態の走査型顕微鏡によれば、試料Sに照射する励起光にフェムト秒パルスレーザが用いられ、2光子吸収により発生する蛍光により画像が取得される。2光子吸収は、実質的に光子密度の高い集光点でのみ発生する。それゆえ、共焦点効果を適用する必要が無く、即ちピンホールが不要であり、部品数を削減可能である。
【0036】
次に本発明の第2の実施形態に係る走査型顕微鏡について説明する。第2の実施形態は、光源の種類および光学部材の配置において第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ機能および構成を有する部位には同じ符号を付す。
【0037】
図6に示すように、第2の実施形態を適用した走査型顕微鏡210において、分岐器112、第1〜第5のレンズ113a〜113e、第1、第2のガルバノミラー114a、114b、第1のスリットアレイ115a、対物レンズ117、PMT118、および位置検出部119の機能および構成は第1の実施形態と同じである。また、画像処理装置101およびモニタ102の機能および構成も第1の実施形態と同じである。
【0038】
第1の実施形態と異なり、光源211は連続波(CW)の励起光を出射する。また、ダイクロイックミラー216は第1のガルバノミラー114aと第2のレンズ113bとの間に設けられる。また、第2のスリットアレイ115bが、第1のスリットアレイ115aに積層されるように、配置される。また、第1、第2のスリットアレイ115a、115bは対物レンズ117の焦点と共役な位置に配置される。
【0039】
図7に示すように、第2のスリットアレイ115bには第2の方向d2に沿って延びる4つの第2のスリット115bsが形成される。第1のスリット115asを通過する第1〜第4列の励起光EL1〜EL4の照射位置それぞれに、第2のスリット115bsが形成される。
【0040】
上述の構成において、第1のガルバノミラー114aに反射された第1列〜第4列の励起光EL1〜EL4はダイクロイックミラー216および第2のレンズ113bを透過する。透過した第1〜第4列の励起光の中から、試料Sに照射する励起光が第1のスリットアレイ115aによって選択される。なお、第2のスリットアレイ115bでは、第1のスリットアレイ115aを通過する励起光が制限されない。後述するように、第2のスリットアレイ115bは、試料Sから発する蛍光を制限するために用いられる。第1、第2のスリットアレイ115a、115bを通過した励起光は第3のレンズ113c、第2のガルバノミラー114b、第4、第5のレンズ113d、113e、および対物レンズ117を介して試料S上に集光されて照射される。
【0041】
励起光の照射により発生する蛍光が対物レンズ117、第5、第4のレンズ113e、113d、第2のガルバノミラー114b、第3のレンズ113cを介して、第2のスリットアレイ115bに到達する。第1、第2のスリット115a、115bにより集光点以外の領域において発生した蛍光は遮光され、集光点において発生した蛍光のみが第1、第2のスリット115as、115bsを通過する。したがって、第1、第2のスリット115as、115bsにより共焦点効果を得ることが可能である。第1、第2のスリット115as、115bsを通過した蛍光は第2のレンズ113bを透過して、ダイクロイックミラー216により励起光から分離され、PMT118に受光される。
【0042】
第1の実施形態と同様に、PMT118により生成される画素信号および位置検出部により検出される位置信号が、画像処理装置101に伝達され、試料Sの2次元状の画像が再構成される。
【0043】
以上のような構成の第2の実施形態の走査型顕微鏡によっても、第1の実施形態と同じく、低ノイズの画像を高速に取得可能である。また、第1の実施形態と同様に、フレームレートの最速化を達成することが可能である。
【0044】
なお、第1の実施形態と異なり、ダイクロイックミラー216を第1のガルバノミラー114aと第2のレンズ113bとの間に設けることにより、第1、第2のスリット115as、115bsによる共焦点効果を得ることが可能である。第1の実施形態と異なり、共焦点効果を利用することにより光源から出射する励起光の種類をフェムト秒パルスレーザに限定することなく、連続波である励起光などを用いることが可能である。
【0045】
次に本発明の第3の実施形態に係る走査型顕微鏡について説明する。第3の実施形態は、光学部材の配置などにおいて第2の実施形態と異なっている。以下に、第2の実施形態と異なる点を中心に第3の実施形態について説明する。なお、第1、第2の実施形態と同じ機能および構成を有する部位には同じ符号を付す。
【0046】
図8に示すように、第3の実施形態を適用した走査型顕微鏡310において、光源211、分岐器112、第1〜第5のレンズ113a〜113e、第1、第2のガルバノミラー114a、114b、第1、第2のスリットアレイ115a、115b、対物レンズ117、PMT118、および位置検出部119の機能および構成は第2の実施形態と同じである。また、画像処理装置101およびモニタ102の機能および構成も第2の実施形態と同じである。
【0047】
第2の実施形態と異なり、ダイクロイックミラー316は、分岐器112と第1のレンズ113aとの間に設けられる。また、ダイクロイックミラー316とPMT118との間には、4つのコリメートレンズ120cを有するレンズアレイ120と集光レンズ121とが設けられる。
【0048】
第1〜第4列の励起光EL1〜EL4に対応する蛍光がダイクロイックミラー316により反射されレンズアレイ120上に入射する位置それぞれに、コリメートレンズ120cが配置される。コリメートレンズ120cにより蛍光が平行光に変換され、集光レンズ121に入射する。集光レンズ121により、各列に対応する蛍光はPMT118の一点に集光される。
【0049】
第2の実施形態と同様に、PMT118により生成される画素信号および位置検出部119により検出される位置信号が、画像処理装置101に伝達され、試料Sの2次元状の画像が再構成される。
【0050】
以上のような構成の第3の実施形態の走査型顕微鏡によっても、第2の実施形態と同じく、低ノイズの画像を高速で取得可能である。また、第2の実施形態と同様に、フレームレートの最速化、および連続波を出射する光源を適用が可能である。
【0051】
さらに、第2の実施形態と異なり、レンズアレイ120を透過した蛍光は、励起光を出射した出射端によらず平行な方向に出射される。平行な方向に出射されるので集光レンズ121を用いることによりPMT118の1点に集光させることが可能である。したがって、第2の実施形態と異なり、検出部の小さなPMT118を用いることが可能となる。
【0052】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0053】
例えば、上記の第1〜第3の実施形態において、第1のスリット115asは第1の方向d1に対して傾斜した形状であるが、このような形状に限定されない。例えば、図9に示すように、第1の直線L1が第1のガルバノミラー114aの回転軸に対して傾斜している場合には、図10に示すように、第1の方向d1に平行な方向に延びる形状に第1のスリット115asを形成してもよい。単一の第1のスリット115asに何れか列の励起光が通過するときに、他の列の励起光がすべての第1のスリット115asに入射されないように、第1のスリット115asが形成されれば、本実施形態と同じ効果を得ることが可能である。
【0054】
また、第1のスリットアレイ115aには、第1のスリット115asが形成される構成であるが、図11に示すように、スリットの代わりに複数の孔部122が形成されてもよい。各列の励起光の照射位置は、第1のガルバノミラー114aにより第2の方向に沿って変位する。各列の励起光の照射位置の連続的な変位に応じて、各列の励起光それぞれを異なる孔部122に通過させ、且つ、全列の励起光が異なる時期に孔部122を通過するように、孔部122が配置されれば、本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。各列の励起光の照射位置の連続的な変位に応じて各列の励起光それぞれを異なる孔部122を通過させることにより、試料S上における画素として光学像を採取する複数の位置に各列の励起光を照射可能となるからである。また、各列の励起光の照射位置の連続的な変位に応じて、全列の励起光を異なる時期に孔部112に通過させることにより、照射時期を分離させることが可能である。なお。第1のスリット115asの代わりに孔部122を形成する構成にすれば、第2、第3の実施形態において、第2のスリットアレイ115bは不要である。
【0055】
また、第2、第3の実施形態において、第1のスリットアレイ115aに積層させて第2のスリットアレイ115bを配置しているが、第2のスリットアレイ115bは設けなくてもよい。第2のスリットアレイ115bを設けなくても、第1のスリットアレイ115aにより第1のスリットを通過する光束以外の光を制限することは可能である。
【0056】
また、第2、第3の実施形態において、励起光を出射する光源211と、蛍光を分離するためにダイクロイックミラー116とを用いたが、通常の可視光を出射する光源を用い、偏向ビームスプリッタとλ/4板とを組合わせた構成のように光源から出射した光を透過し反射光分離する光学的分離器をダイクロイックミラー116の代わりに用いてもよい。
【0057】
また、第1の実施形態において、走査型顕微鏡110は落射型顕微鏡に適用される構成であるが、透過型顕微鏡に適用することも可能である。
【0058】
また、第1〜第3の実施形態において、第2のガルバノミラー114bを用いて励起光を偏向させることにより試料Sを第2の走査方向に走査する構成であるが、試料を変位させるステージスキャナを用いて試料Sを走査する構成であってもよい。
【0059】
また、第1〜第2の実施形態において、分岐器112を用いて励起光を4列に分岐する構成であるが、分岐器112を用いずに直接4つの光源を設けて、励起光を発する構成であってもよい。なお、分岐器112による分岐は4列に限定されない。2列以上に分岐されれば、シングルビーム走査型内視鏡に比べて画像取得が高速化される。
【0060】
また、第1〜第3の実施形態において、第1、第2のガルバノミラー114a、114bの回転速度に基づいて励起光の走査点を検出する構成であるが、他の方法により走査点を検出する構成であってもよい。例えば、エンコーダを用いて回転位置を検出して、回転位置に基づいて走査点を検出する構成であってもよい。
【0061】
また、第1の実施形態において、ダイクロイックミラー116は対物レンズ117と第5のレンズ113eとの間に設けられる構成であるが、分岐器112から対物レンズ117までの間のいかなる位置に設けられてもよい。また、第2の実施形態において、ダイクロイックミラー116は第1のガルバノミラー114aと第2のレンズ113bとの間に設けられる構成であるが、分岐器112から第1のスリットアレイ115aまでの間のいかなる位置に設けられても良い。
【符号の説明】
【0062】
100 走査型顕微鏡システム
101 画像処理装置
110、210、310 走査型顕微鏡
111、211 光源
112 分岐器
113a〜113e 第1〜第5のレンズ
114a、114b 第1、第2のガルバノミラー
115a、115b 第1、第2のスリットアレイ
115as、115bs 第1、第2のスリット
116、216、316 ダイクロイックミラー
117 対物レンズ
118 PMT
119 位置検出部
EL1〜EL4 第1〜第4列の励起光
S 試料
t1〜t4 第1〜第4の出射端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1、第2の出射点を同一平面上に有し、試料に照射する照射光を前記第1、第2の出射点から主光線が互いに平行になるように出射する光源ユニットと、
前記光源ユニットから出射した前記照射光の偏向方向を変える第1の走査手段と、
前記第1の走査手段により偏向された前記照射光が照射される第1の照射面を有し、前記第1の照射面には前記照射光を通過させる複数の孔部が形成される第1の光制限体と、
前記光制限体を通過した前記照射光を前記試料上に集光させる対物レンズと、
前記照射光の前記試料への照射により生じる信号光の受光量を検出する光量検出器と、
前記試料と前記光量検出器との間に設けられ、前記信号光を前記照射光から分離する光学的分離器と、
前記光量検出器による光量の検出時点における前記照射光の前記試料上の走査点の位置を検出する位置検出部と、
前記光量と前記走査点の位置に基づいて前記試料の画像を再構成する画像処理装置に、前記受光量と前記走査点の位置とを出力する出力器とを備え、
前記第1の走査手段は、前記試料上に照射される前記照射光の走査点を、前記照射光の偏向方向を変えることにより第1の走査方向に沿って移動可能であり、
前記複数の孔部は、前記第1の走査手段による偏向方向の連続的な変化に応じて、前記第1、第2の出射点から出射された前記照射光それぞれが異なる前記孔部を通過し、且つ、前記第1、第2の出射点から出射された前記照射光が異なる時期に前記孔部を通過するように、配置される
ことを特徴とする走査型顕微鏡。
【請求項2】
請求項1に記載の走査型顕微鏡において、前記光源ユニットは、フェムト秒パルス光を前記照射光として出射することを特徴とする走査型顕微鏡。
【請求項3】
請求項1に記載の走査型顕微鏡において、前記光源ユニットは連続波を前記照射光として出射し、前記光学的分離器が前記光源ユニットと前記第1の光制限体との間に設けられ、前記第1の光制限体は前記照射光が通過している前記孔部と前記対物レンズにより集光された前記照射光の集光点とが共役な位置になるように配置されることを特徴とする走査型顕微鏡。
【請求項4】
請求項3に記載の走査型顕微鏡において、
前記信号光が入射する第2の照射面を有し、前記第1、第2の出射点に対応する前記集光点と共役な位置に第2のスリットが形成され、前記第2のスリットは前記第1の走査手段による前記走査点の変位に対応する前記第2の照射面における前記信号光の変位方向に延びるように形成される第2の光制限体を備え、
前記孔部は、前記第1、第2の出射点から出射する前記照射光の夫々の前記第1の照射面上における照射位置を通る方向および前記第1の変位方向のいずれにも傾斜する方向に延びる第1のスリットであり、
前記第1の走査手段による偏向角度を変えることにより、前記第1、第2の出射点から出射した前記照射光が対応する前記照射光が、同一の前記第1のスリットを通過可能である
ことを特徴とする走査型顕微鏡。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の走査型顕微鏡において、
前記光制限体と前記対物レンズとの間に設けられ、前記第1の走査方向と異なる第2の走査方向に沿って、前記走査点を相対的に移動させる第2の走査手段を備え、
前記第1、第2の出射点は、前記第1、第2の出射点それぞれに対応する前記走査点が前記第2の走査方向に沿った異なる範囲を変位するように配置される
ことをと特徴とする走査型顕微鏡。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の走査型顕微鏡において、
前記光源ユニットは、
前記照射光を出射する単一の光源と、
前記照射光の主光線が相互に平行となるように前記出射方向に垂直な平面上に配置された前記複数の出射端に、前記光源から出射する前記照射光を分岐する分岐器とを備える
ことを特徴とする走査型顕微鏡。
【請求項7】
少なくとも第1、第2の出射点を同一平面上に有し、試料に照射する照射光を前記第1、第2の出射点から主光線が互いに平行になるように出射する光源ユニットと、
前記光源ユニットから出射した前記照射光の偏向方向を変える第1の走査手段と、
前記第1の走査手段に偏向された前記照射光が照射される第1の照射面を有し、前記第1の照射面には前記照射光を通過させる複数の孔部が形成される第1の光制限体と、
前記光制限体を通過した前記照射光を前記試料上に集光させる対物レンズと、
前記照射光の前記試料への照射により生じる信号光の受光量を検出する光量検出器と、
前記試料と前記光量検出器との間に設けられ、前記信号光を前記照射光から分離する光学的分離器と、
前記光量検出器による光量の検出時点における前記照射光の前記試料上の走査点の位置を検出する位置検出部と、
前記光量と前記走査点の位置に基づいて前記試料の画像を再構成する画像処理装置に、前記受光量と前記走査点の位置とを出力する出力器と、
前記光量と前記照射位置に基づいて前記試料の画像を再構成する画像処理装置と、
前記試料の画像を表示するモニタとを備え、
前記第1の走査手段は、前記試料上に照射される前記照射光の走査点を、前記照射光の偏向方向を変えることにより第1の走査方向に沿って移動可能であり、
前記複数の孔部は、前記第1の走査手段による偏向方向の連続的な変化に応じて、前記第1、第2の出射点から出射された前記照射光それぞれが異なる前記孔部を通過し、且つ、前記第1、第2の出射点から出射された前記照射光が異なる時期に前記孔部を通過するように、配置される
ことを特徴とする走査型顕微鏡システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−208361(P2012−208361A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74668(P2011−74668)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】