説明

超広帯域無線接続網における多元接続デジタル通信方法

【課題】各端末で要求するサービスの品質を効果的に提供し、端末の消費電力も減らす。
【解決手段】本発明は、超広帯域無線接続網における多元接続デジタル通信方法に関し、より詳細には、ユーザ端末別に要求するサービスのデータ送信率に応じて、スケジューリングに基づいて直交時間分割方式で多元接続を試みるように許容する段階と、直交時間ホッピングパターンを用いる直交時間ホッピング方式で多元接続を試みるように許容する段階と、前記ユーザ端末を少なくとも1つ以上のグループに分類し、グループ別に直交時間分割方式と直交時間ホッピング方式とを混合して通信を試みる段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超広帯域(UWB)無線接続網における多元接続デジタル通信方法に関し、より詳細には、マルチパスフェージングが多発する超広帯域通信チャンネルにおいて、通信チャンネルを効率的に利用し、多元接続端末間の衝突を効果的に制御することができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の超広帯域通信システムにおける接続方式には、管理端末があらかじめ時間資源を割り当てるTDMA方式(時分割多元接続)や、共有するチャンネルの使用可否を判断して接続を試みるCSMA/CA方式(搬送波感知多元アクセス/衝突回避方式)、THMA(時間ホッピング多元接続)、CAMA(コード分割多元接続)などがある。しかし、これらの技術は、従来の超広帯域通信技術が登場する前から広く用いられていた技術であり、物理階層技術の変化に伴い、これに適応するように変形または改善する必要性が問われている。
【0003】
まず、TDMAとは、管理端末から各端末にデータ送信するか否かを問い、データ送信を要求する端末に特定の直交時間スロットを割り当てて多元接続を許容する方式である。これは、各端末のサービスの品質を効率的に管理することはできるが、管理端末の網運用においては、すべての端末を瞬間ごとに管理しなければならなく、複雑度が高いという短所がある。特に、端末数の増加に伴い、その複雑度も急激に上昇するようになる。
【0004】
CSMA/CAとは、端末が共有したチャンネルを利用することにおいて、他の端末の使用の可否を物理的な搬送波感知によって測定した後にデータの送信を試み、ACKがない場合または共有チャンネルを1つ以上の端末が同時に用いた場合には衝突を宣言し、特定の時間後に再び通信を試みるという方式である。CSMA/CAの場合は、非常に簡単に具現ができるという長所はあるものの、共有チャンネル使用の可否を感知することにおいては、超広帯域信号の電力が極めて低く、マルチパスフェージングが多発する状況では困難を来たす。チャンネルの使用の可否に対する信頼度が落ちればCSMA/CAの性能が急激に低下するし、高い信頼度を維持するためには長時間の感知が必要となるため、効率性が低下する。さらに、CSMA/CAの場合は、端末数が一定の水準以上に増加するようになれば、多元接続の成功率は著しく低下するようになる。
【0005】
最近提示されている有力な多元接続方式は、THMA基盤技術とCDMA基盤技術である。このような方式は、多元ユーザの干渉を平均化処理できるため、干渉に強いという長所を有している上に、超広帯域信号の周波数領域特性が優れているという長所がある。しかし、このような技術は、管理端末と各端末との間の距離が異なる場合には信号干渉において遠近効果があり、端末数が一定の水準以上にまで増加する場合には干渉量が極めて大きくなるため、すべての端末の通信が不可能になるという恐れがある。これは、管理端末に接続する多数の端末の信号が直交しないために生じる問題点である。従来の多元接続方式の場合は、管理端末の受信時点を基準として端末の信号が同期化されておらず、直交するコードを使用することができない。
【0006】
図1は、既存のシステムにおいて、同期が合わないアップリンクの動作を示した図である。管理端末305から各端末までの距離が互いに異なる場合は、各端末から送信されたデータが管理端末に伝達される時間310、315、320が異なる。また、端末からデータを同じ時間に送信しても、各データが管理端末に到着して受信される時間は互いに異なる。このような状況において、各端末が直交時間資源を用いて通信を試みることは、むしろ通信料域内の他の端末に干渉を引き起こす原因となる。したがって、このような場合は、直交する時間資源を用いるよりも、PN(疑似雑音)符合などの相互間の相関性が低い資源を用いたり(DS−CDMA、THMA)、共有するチャンネルを感知して用いる方式(CSMA−CA)、無作為にチャンネルを用いる方式(ALOHA)などが提案されている。
【0007】
しかし、PN符合などの相関性が低い資源を用いて通信を試みる場合には、相関度が低いとは言っても全く無いわけではないため、互いに干渉を与えるようになる。このような干渉は、電力の制御がないシステムの場合には、より一層深刻な問題を引き起こすようになる。共有チャンネルの使用の可否を検査した後に通信を試みるCSMA方式の場合は、チャンネルの使用の可否に確実性がなければ通信が成されないという短所がある。このような場合は、マルチパスフェージングが多発する場合またはHidden node/Exposed node(隠れ端末/さらし端末)問題がある場合が該当する。また、無作為にチャンネルを使用する場合は、例えばALOHAなどの場合のように、端末数が増加すれば成功する確率が著しく低下するため、効率的でないという短所がある。
【0008】
一方、従来の超広帯域通信システムにおける接続方式のフレーム構造は、スーパーフレーム構造で通信が成される。1つのスーパーフレーム内には、ノードが活性化して通信を可能とするビーコン区間、競争区間、非競争区間で構成される活性区間と、ネットワーク調整者を含んだネットワークに属するノードがすべて非活性化する非活性化区間とに分かれて運営される。非競争区間ではTDMA方式の技術が用いられるが、管理端末の網運用において、すべての端末を瞬間ごとに管理しなければならなく、複雑度が高いという短所がある。また、競争区間ではCSMA/CA方式の技術が用いられるが、超広帯域信号のように電力が極めて低い上にマルチパスフェージングが多発する状況においては、共有チャンネルの使用の可否を感知するのが困難であるという短所がある。特に、端末数の増加に伴い、非競争区間におけるTDMA方式の複雑度が急激に増加し、競争区間のCSMA/CA方式における多元接続の成功率が著しく低下するようになり、全体的な通信システムの性能が低下するという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであって、超広帯域通信システムのための効果的な無線接続技術と消費電力、効率性を考慮した効率的なフレーム構造を有するようにする超広帯域無線接続網における多元接続デジタル通信方法を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、マルチパスの影響が大きい超広帯域通信システムにおいて、既存のシステムが有し得ない統計的な多元化効果をアップリンクで積極的に活用する無線接続方式である。本発明は、チャンネル活性度が低い端末が特定の管理端末によって管理される通信システムにおいて、各端末は任意の時間にあらかじめ割り当てられた直交時間ホッピングパターンを用いて通信を試み、管理端末ではホッピングパターンによって各端末を区別する方式で動作する。これにより、統計的な多元化効果が得られ、通信チャンネルを管理するという複雑な制御信号体系を必要としないため、運用が容易に成されるという長所がある。本発明は、既存の接続技術を超広帯域通信システムにて使用する場合に、マルチパスの影響によってチャンネルの使用の可否を容易に感知できないだけでなく、多数のユーザが特定の管理端末によって管理される場合に、システム運用の複雑度が高くなるという短所を解決するものである。さらに、ユーザ端末のバッテリ電力の消耗を考慮して電力節約区間を割り当て、電力節約区間ではない活性区間では直交時間ホッピング方式と直交時間分割方式とを混合して通信し、互いに異なる多元接続方式への転換が可能なように適応型で通信することで、電力使用および効率性を考慮した効果的なフレーム構造で動作するようになる。
【0011】
本発明は、ユーザ端末が管理端末の受信時点で同期化され、ユーザ端末が直交時間をホッピングして接続を試みることによって、アップリンクでも直交時間資源の特性を生かし、活性度が低かったり送信データ率が可変的であるトラフィックは、直交時間ホッピング多元化方式によって統計的に多元化させる。したがって、本発明は、より一層多くの端末から管理端末へのチャンネル収容、限定された直交資源の活用度の増加、不必要なチャンネル割り当ておよび返納のための制御信号トラフィックの減少、アップリンクの送信スケジューリングの複雑度の緩和、端末から要求されるバッファ容量の減少、データ送信遅延時間の減少などの効果を得ることによって、超広帯域通信システムの性能を向上させる。
【0012】
本発明に属する技術分野において通常の知識を有する者は、本明細書の図面、発明の詳細な説明、特許請求の範囲から、本発明の他の目的および長点を容易に認識できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであって、超広帯域通信システムのための効果的な無線接続技術と消費電力、効率性を考慮した効率的なフレーム構造を有するようにする超広帯域無線接続網における多元接続デジタル通信方法を提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、ユーザ端末別に要求するサービスのデータ送信率に応じて、スケジューリングに基づいて直交時間分割方式で多元接続を試みるように許容する段階と、直交時間ホッピングパターンを用いる直交時間ホッピング方式で多元接続を試みるように許容する段階と、前記ユーザ端末を少なくとも1つ以上のグループに分類し、グループ別に直交時間分割方式と直交時間ホッピング方式とを混合して通信を試みる段階と、を含むことを特徴とするデジタル通信方法を開示する。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、要求するデータサービスの種類に応じて直交時間ホッピング多元接続方式と直交時間分割端樹接続方式とを混用することで、各端末で要求するサービスの品質を効果的に提供することができ、端末の消費電力も減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】既存のシステムにおける同期化されていないアップリンクを示した図である。
【図2】本発明が適用された管理端末の網構造である。
【図3】本発明の実施形態に係る端末から管理端末へのアップリンクの同期を合わせる過程を示した図である。
【図4】本発明の実施形態に係る端末から管理端末へのアップリンクにおける端末の受信機構造である。
【図5】本発明の実施形態に係る端末から管理端末へのアップリンクにおける管理端末の受信機構造である。
【図6】各端末のホッピングパターンの割り当てと運営に関するシステム構造図である。
【図7】BPPM変調器が用いられる各端末において、ホッピングパターンが衝突する際に、衝突したシンボルのデータがすべて同一である場合に衝突を制御する方法を示した図である。
【図8】BPPM変調器が用いられる各端末において、ホッピングパターンが衝突する際に、衝突したシンボルのデータが同一でない場合に衝突を制御する方法を示した図である。
【図9】各端末においてBPSK変調方式が用いられる場合の衝突制御方法を示した図である。
【図10】本発明の実施形態に係る通信設定の際に成される端末のサービスを分類する概念図である。
【図11】本発明の実施形態に係る混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、アップ・ダウン区間に対する区分なく、柔軟性を持って時間資源を割り当てる多元接続方式のフレーム構造である。
【図12】本発明の実施形態に係る混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、アップ・ダウン区間を区分して時間資源を割り当てる多元接続方式のフレーム構造である。
【図13】本発明の実施形態に係る混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、直交時間分割接続区間においてユーザ別にアップ・ダウンリンクデータを一度にサービスする多元接続方式のフレーム構造である。
【図14】本発明の実施形態に係るグループ方式の混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、ユーザ端末を1つ以上のグループに分類し、グループ別にアップ・ダウン区間に対する区分なく、柔軟性を持って時間資源を割り当てる多元接続方式のフレーム構造である。
【図15】本発明の実施形態に係るグループ方式の混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、ユーザ端末を1つ以上のグループに分類し、グループ別にアップ・ダウン区間を区分して時間資源を割り当てる多元接続方式のフレーム構造である。
【図16】本発明の実施形態に係るグループ方式の混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、直交時間分割接続区間においてユーザ別にアップ・ダウンリンクデータを一度にサービスする多元接続方式のフレーム構造である。
【図17】本発明の実施形態に係るグループ方式の混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、グループ別に直交時間ホッピング方式を用い、全体グループに対して直交時間分割方式を用いる通信方式において、アップ・ダウン区間に対する区分なく、柔軟性を持って時間資源を割り当てる多元接続方式のフレーム区間である。
【図18】本発明の実施形態に係るグループ方式の混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、グループ別に直交時間ホッピング方式を用いて全体グループに対して直交時間分割方式を用いる通信方式において、アップ・ダウン区間を区分して時間資源を割り当てる多元接続方式のフレーム構造である。
【図19】本発明の実施形態に係るグループ方式の混合型の多元接続方式のフレーム構造であって、グループ別に直交時間ホッピング方式を用いて全体グループに対して直交時間分割方式を用いる際に、ユーザ別にアップ・ダウンリンクデータを一度にサービスする多元接続方式のフレーム構造である。
【図20】本発明の実施形態に係る多数の端末が同時に管理端末に通信設定を要求する場合に、分散した構造によって多数の端末の通信設定を実行する過程を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に対する構成および作用について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
OTHMA(直交時間ホッピング多元接続)とは、超広帯域通信システムのアップリンク環境において、各端末が送信した信号が管理端末にすべて同一な時点で受信されるように、各端末が自身の信号送信時間を調節し、管理端末から割り当てられた直交時間ホッピングパターンに応じて使用する時間スロットをホッピングして通信する多元接続方式を意味するものである。すなわち、直交時間ホッピング多元接続は、上述したように、管理端末に同期化されて受信された各端末の信号を処理することができ、各信号間の衝突が発生しても、これを直接に処理することができる多元接続方式である。
【0019】
図2は、本発明が適用される管理端末基盤の網構造である。各端末105、110、115は、管理端末120とデータを授受する。各端末は、管理端末との通信において、管理端末に至るまでの距離が互いに異なるため、同一の時刻にデータを送信すれば、受信される時刻がそれぞれ異なる。本発明に係るOTHMAを適用するためには、管理端末でデータを受信する際に、すべての端末からのデータが同一の時刻に受信されなければならない。このため、端末では、データ送信に先立ち、管理端末から送信される周期的な同期信号が発生した時刻と前記同期信号が自身まで到着する時刻との時間差を計算し、管理端末にデータを送信する際に、管理端末の基準時刻に合わせて自身の信号が管理端末に到着するように送信時刻を調節する。このような過程によって、各端末の信号は、同一な時刻に管理端末に到着するようになる。
【0020】
図3では、このような同期の過程について説明している。図面に示されたように、a端末205は、管理端末から送信する信号がA時間210後に到着し、b端末215とz端末220は、それぞれB225時間およびC230時間後に到着する。各端末では、このような時間を保存しておき、アップリンクでデータを送信する際に、基準時間から前記時間だけ早く送信235、240、245を開始する。こうすることにより、各端末から送られる信号は、図面で確認できるように、同一の時間に管理端末に受信されるようになる。このようなアップリンクを、同期化されたアップリンクと言う。
【0021】
図4は、本発明において用いられた端末の送信機の構造を示した図である。
【0022】
送信機405、410、415は、コード発生器425と、時間ホッパー430と、MAC階層435と、データエンコーダ440と、データ変調器445とを含む。各端末は、図3において説明した方法によって、管理端末に受信されるデータシンボルの送信時間を合わせる。同期が合わせられた後、MAC階層435は、送信するデータがある場合には、送信するフレームを生成し、割り当てられた直交時間ホッピングパターンを確認し、必要に応じて送信するデータシンボルを暗号化する作業を行う。また、MAC階層は、使用する直交時間ホッピングパターンの周期および生成に関する情報をコード発生器425に伝達する。コード発生器425は、MAC階層435から受信した情報と時間ホッピングコードクロック信号420用いて端末固有の直交時間ホッピングパターンを生成する。MAC階層にて生成された端末のデータは、データエンコーダ440によって符合化され、データ変調器445にてBPPM(Binary Pulse Position Modulation)、BPSK(Binary Phase Shift Keying)などの変調方式を用いて変調される。変調されたデータシンボルは、コード発生器425によって生成された直交時間ホッピングパターンに応じて、時間ホッパー430によって該当する時間スロットに配置される。特定の時間スロットに配置されたデータシンボルは、各端末と管理端末との間の無線チャンネル450、455、460を介して送信される。図5は、本発明において用いられた管理端末の受信機の構造を示した図である。上述したように、各端末は、管理端末で同期化された受信が可能となるように送信時刻を調節する。これにより、各端末のデータ505、510、515は、管理端末に同期化されて受信されるようになる。
【0023】
各端末の信号は、直交時間スロットで多元化されて受信されるが、MAC階層545は、各端末の直交時間ホッピングパターンに対する情報をコード発生器520に送信する。コード発生器520は、MAC階層545から受信した情報を用いて各端末の直交時間ホッピングパターンを発生する。時間デホッパー525では、コード発生器520で生成された直交時間ホッピングパターンに該当する時間スロットでデータを受信する。このように受信された信号は、データ復調器530によって復調されるようになる。
【0024】
MAC階層545は、特定の端末がどの時間スロットでどの端末と衝突を引き起こすかを知ることができる。管理端末は、各端末の直交時間ホッピングパターンを有している。したがって、管理端末は、各端末のデータ送信の可否が分かれば、どの端末同士がどの直交時間で衝突を引き起こすかを知ることができるようになる。管理端末が各端末のデータ送信の可否を知るための方法については、2つの方法が可能である。
【0025】
まず、1つ目の方法は、各端末がデータを送信する前に制御信号を用いて自身のデータ送信をあらかじめ管理端末に知らせる方法である。また、2つ目の方法は、各端末が特別な制御信号なく送信するデータを送信する際に、管理端末がそれぞれの端末に対して直交時間ホッピングパターンによって割り当てられた時間スロットで受信された信号のエネルギーを合算した後、合算されたエネルギーと所定の臨界値とを比較して各端末のデータ送信の可否を判断する方法である。各端末のデータ送信の可否を知るための方法については、フレーム構造と関連付けて詳細に後述する。
【0026】
衝突制御器535は、MAC階層545から衝突が発生した時間スロットに関する情報を受信し、該情報に基づいて衝突が起こって受信された信号に対して衝突制御動作を行う。衝突制御器535を通過した受信信号は、データデコーダ540で復号される。
【0027】
図6は、本発明において、各端末が直交時間スロットをホッピングする過程を示した図である。各端末は、あるシンボル時間605の時間軸から分離されたm個の直交時間スロット610〜640をホッピングしてデータを送信するようになる。図6に示されたように、端末#a645の場合は、n番目のシンボルで直交時間スロット3番を用いてデータを送信し、(n+1)番目のシンボルで直交時間スロット5番を用いてデータを送信する。他の端末も、このように各シンボルを直交する時間スロットをホッピングしながらデータを送信する。ここで、各端末のホッピングパターンは、無作為かつ独立的であるため、他の端末との衝突が発生するようになる。例えば、図6に示すように、n番目のシンボル区間において、端末#bと端末#zが同一な直交スロット2番を用いるようになる。このような場合が2つの端末間の衝突660である。このような直交時間ホッピングパターンの衝突は、受信端において適切に制御しなければならない。各端末は、固定した特定の直交時間スロットを用いて通信するのではなく、直交時間ホッピングパターンによって割り当てられた直交時間スロットを用いて通信を試みる。管理端末は、各端末からのデータを割り当てられたホッピングパターンによって復号する。
【0028】
このような各端末間の直交時間ホッピングパターンの衝突率は、下記の数式1のように表現される。
〔数式1〕
【0029】
【数1】

【0030】
ここで、NOTは直交時間スロットの総数を意味し、Kは直行時間ホッピングパターンを割り当てて通信のセッションを開いている端末数を意味する。また、 は、各端末のチャンネル活性度の平均値を示す。数式1は、総直交時間のうち、各端末が1つの直交時間を用いて通信を試みるものと仮定している。数式1から知ることができるように、衝突率は、端末数が多いほど、または各端末のチャンネル活性度が高いほど増加する。図6は、各端末がすべて活性化した状態を示している。しかし、チャンネル活性度に応じて、各端末は、同一の直交時間を同一のシンボル区間に割り当てたとしても、活性化されなければ干渉を与えないため、チャンネル活性度が著しく低いデータトラフィックの特性を勘案すれば、衝突率はそれほど高くはない。このような直交時間ホッピング接続方式によって通信を試みるようになれば、各端末は、データが生じるたびに特別な制御信号なく通信を試みれるようになるし、管理端末においては、各端末の直交時間ホッピングパターンのみを用いて送られた信号を復号するようになる。このとき、管理端末の受信の複雑度を減少させるために、各端末のデータ送信の可否を知らせるための1ビット制御情報が添付されても良い。
【0031】
直交時間ホッピングパターンの衝突が発生すれば、管理端末は、衝突が発生した時間スロットに受信された信号が未受信であるとして一括的に処理しても良いが、衝突したデータシンボルが同一であるか相違するかをチェックし、衝突したデータシンボルが同一である場合には、これを情報取得に用いることができる。
【0032】
直交時間ホッピングパターンの衝突を引き起こしたすべての端末のシンボルが同一であると判断される場合に、受信されたデータシンボルは、各端末のシンボルを復号するためのデコーダにそのまま入力される。ホッピングパターンの衝突はあったが、むしろ復号に肯定的な影響を与えるため、受信されるデータシンボルをそのまま用いて復号する。衝突を引き起こした端末のデータシンボルのうち、1つ以上が異なると判断される場合、受信されたデータシンボルはそのままデコーダに入力されず、中立的な値が各端末の受信シンボルを復号するためのデコーダに入力される。どの端末にも、肯定的もしくは不定的な影響を与えないために、衝突を引き起こしたすべての端末のシンボル区間に強制して中立的な信号を宣言し、衝突が発生した時間スロットに受信された信号は、未受信であると見なす。
【0033】
各端末の直交時間ホッピングパターンが衝突した際に、これを復号化するために衝突を適切に制御する方法は、変調方式によって処理することができる。
【0034】
図7は、BPPM変調器が用いられる各端末において、ホッピングパターンが衝突する際に、衝突したシンボルのデータがすべて同一である場合に衝突を制御する方法を示した図である。
【0035】
図7において、端末a705、端末b710、端末c715すべては、同一な時間スロットを用いてデータシンボルを送信する。管理端末では、データシンボルを送信するすべての端末のホッピングパターンとデータシンボルを送信した端末を知ることができるため、特定の直交時間スロットをどの端末が占有するようになるのかを知ることができる。図7では、各端末a、b、cは、すべて同一のパルス位置、すなわち−1に該当するパルス位置にそれぞれのデータを送信している。このような場合、管理端末の復調器720、725、730は、衝突が発生した時間スロット内の各パルス位置に対してパルスエネルギーを測定する。すなわち、−1に該当する左側のパルス位置に対してパルスエネルギーを測定し、+1に該当する右側のパルス位置に対してパルスエネルギーを測定する。測定されたパルスエネルギーのうち大きい値をA、小さい値をBとするとき、A/Bが特定の臨界値よりも大きいため、管理端末は1つの位置でのみデータシンボルが存在すると判断し(735、740、745)、特定の直交時間を占有した端末の情報がすべて一致するものと推定する。特定の臨界値は、衝突が発生する端末数、各端末と管理端末との間の距離に応じて変化するようになる。図7において、左側のパルスエネルギー値は大きい反面、右側のパルスエネルギー値はノイズ水準として極めて小さいため、管理端末は直交時間ホッピングパターンの衝突が発生したにも係らず、データシンボルがすべて−1を有するものと推定する。直交時間ホッピングパターンの衝突を引き起こしたすべての端末のシンボルが同じであると判断された場合であるため、受信されたデータシンボルは、各端末のシンボルを復号するためのデコーダにそのまま入力される。すなわち、−1の値がデコーダに入力されるようになる(750、755、760)。
【0036】
図8は、BPPM変調器が用いられる各端末において、ホッピングパターンが衝突する際に、衝突したシンボルのデータが同一でない場合に衝突を制御することを示した図である。
【0037】
図8において、端末a805、端末b810、端末c815すべては、同一の時間スロットを用いてデータシンボルを送信する。管理端末では、すべての端末のホッピングパターンとデータを送信する端末を知ることができるため、特定の直交時間スロットをどの端末が占有するようになるのかを知ることができる。図8において、端末a805は−1、端末b810は+1、端末c815は−1を送信している。この場合、管理端末の復調器820、825、830は、衝突が発生した時間スロット内の各パルス位置に対してパルスエネルギーを測定し、+1に該当する右側のパルス位置に対してパルスエネルギーを測定する。すなわち、−1に該当する左側のパルス位置に対してパルスエネルギーを測定し、+1に該当する右側のパルス位置に対してパルスエネルギーを測定する。測定されたパルスエネルギーのうち大きい値をA、小さい値をBとするとき、A/Bが特定の臨界値よりも小さいため、管理端末は2つの位置でデータシンボルがすべて存在すると判断し(835、840、845)、特定の直交時間を占有した端末の情報が互いに異なるものと推定する。図8では、管理端末が2つの左側のパルスと1つの右側のパルスとが混合した信号を受信するため、左側のパルスエネルギーに比べて無視できない程度の右側のパルスエネルギーが存在するようになる。直交時間ホッピングパターンの衝突を引き起こした端末のシンボルが互いに異なるものと判断された場合であるため、+1や−1の信号ではなく、中立的な値が各端末のデータシンボルを復号するためのデコーダに入力される(850、855、856)。
【0038】
図7および図8では、各パルス位置におけるパルスエネルギー比率を用いて衝突したデータシンボルを制御する方法を説明したが、各パルス位置におけるパルスエネルギーの絶対値を用いて衝突したデータシンボルを制御することもできる。1つのパルス位置におけるパルスエネルギーの絶対値が所定の臨界値よりも小大きい反面、他のパルス位置におけるパルスエネルギーの絶対値は所定の臨界値より小さい場合、直交時間ホッピングパターンの衝突を引き起こしたすべての端末のシンボルが同じであるものと判断し、受信されたデータシンボルは、各端末のシンボル復号のためのデコーダにそのまま入力される。この反面、各パルス位置におけるパルスエネルギーの絶対値がそれぞれの所定の臨界値よりすべて大きい場合には、直交時間ホッピングパターンの衝突を引き起こした端末のシンボルが互いに異なるものと判断され、+1や−1の信号ではなく、中立的な値が各端末のデータシンボルを復号するためのデコーダに入力される。
【0039】
図9は、各端末において、BPSK変調方式が用いられる場合の衝突制御方法を示した図である。BPSKが変調方式として用いられ、2つ以上の端末が同一の直交時間スロットを用いてデータシンボルを送信する際に、各端末から送信したデータがすべて同一であるとすれば、受信された信号のエネルギーは衝突を引き起こした端末数に応じて大きくなる。例えば、3つの端末がすべて同一な距離であり、すべて同一な+1を送信したとすれば、端末に受信された信号のエネルギーは、各端末の衝突なく受信した信号のエネルギーの3倍となる。したがって、管理端末では、衝突を引き起こした端末数と各端末の距離情報とを用いて特定の臨界値を設定し、該臨界値よりも大きいエネルギーを有する信号が受信されれば、すべての端末のデータが同一であるものと見なし、特別な制御なく受信された信号をデコーダに入力する。この反面、受信された信号のエネルギーが臨界値よりも小さい場合には、管理端末は、衝突を引き起こした端末のうちに他のデータシンボルを有した端末があると見なし、中立的な値をデコーダに入力する。
【0040】
図9は、端末a905が+1、端末b910が−1、端末c915が+1をそれぞれ送信した場合の例を示している。復調器920、925、930には、前記端末a、b、cから送信した情報がすべて合わさった信号が受信されるため、距離に応じて伝播減殺を無視すれば、約2の大きさを有する信号が衝突を引き起こした時間スロットに受信される(935、940、945)。この場合、臨界値が2.5の値を有すると仮定すれば、受信された信号の合が臨界値よりも小さいため、中立的な値、すなわち0が各端末のデータシンボルを復号するための複合器に入力される(950、955、960)。管理端末から各端末までの距離が互いに異なる上に電力制御を行わない場合には、各端末の受信信号の強度が異なるため、特定の端末のデータシンボルが一致するか否かを判別するための臨界値の設定に注意する必要がある。
【0041】
以上では、超広帯域通信方式において最も広く用いられているBPSK、BPPM方式のみを例示して説明したが、その他の方式、例えばQAM(Quadrature Amplitude Modulation)、FSK(Frequency Shift Keying)などのような変調方式でも、本発明が提案している衝突制御方式が用いられる。これは、本発明の技術的な思想に含まれると言える。
【0042】
[端末のサービス分類]
図10は、本発明において、通信を設定する際に成される端末のサービス分類を例示した図である。まず、システムに属する端末が移動データ通信サービスを開始する場合に、通信が設定されて開始するようになる(1000)。始めの号またはセッションが設定されるとき、管理端末は、ユーザ端末が要求するサービスの類型をデータ送信率の側面で分類し(1015、1010)、これによって時間資源管理方式を配定し(1015、1020)、配定された時間資源管理方式に対してはビーコン区間を介して端末に知らせ、直交時間ホッピングパターンなどの通信に必要な情報などを送信する。このとき注意すべき点は、通信が成される間にも要求する送信率が変化することがあり、これによって時間資源管理方式も変化(1025)するようになるという点である。ユーザ端末のサービスを分類する際に、管理端末とユーザ端末との間の距離に応じて受信SINR値もともに考慮するようになる。通信が設定されて開始されれば(1030)、管理端末は、ユーザ端末が要求するサービスの類型を管理端末とユーザ端末との間の距離に応じた受信SINR側面で分類し(1035、1040)、これによって時間資源管理方式を配定し(1045、1050)、通信が成される間に管理端末とユーザ端末との間の距離変化に応じた受信SINRの変化によって時間資源管理方式を変化させるようになる(1055)。時間資源管理方式の変化は、フレームごとまたは1つのフレームよりも大きい単位であるn個のフレーム(n>1)単位ごとに変化するようになる。
【0043】
[フレーム構造提案]
本発明で提案するフレーム構造は、Rangingなどの技術を用いて同期を合わせ、直交時間をホッピングすることで接続を試みることによって直交時間資源の特性を生かし、統計的な多元化特性が得られる直交時間ホッピング多元化(OTHMA)方式と管理端末のビーコン区間を用いて端末の通信時間をスケジューリングし、固定的に時間を割り当てる直交時間分割多元化(OTHDMA)方式とを結合して用いる。
【0044】
図11は、本発明で提案する混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1100構造である。図10に示したように、各ユーザ端末のサービスが高速サービスと中低速サービスとに分類されれば、各ユーザ端末のデータは図11のフレーム1100にマッピングされる。フレーム1100構造は、全体的に活性区間1105と電力節約区間1110とに分けられる。活性区間1105は、ビーコン区間1115、競争区間1120、直交時間ホッピング接続区間1125、直交時間分割接続区間1130に分けられる。本発明で提案するフレーム1100構造では、ユーザ端末のバッテリ電力の消耗を考慮して電力節約区間1110を割り当てる。移動インターネットサービスとともに音声サービスを使用しようとする場合には、電力節約区間1110を除去または減少してスケジューリングするようになる。競争区間1120では、各ユーザ端末の通信加入、通信設定および開始、Ranging作業が成される。競争区間で用いられるプロトコルとしては、競争基盤(Contention−based)多元接続方式であるCSMA/CA方式やSlotted ALOHA方式、または事前に決定された(Pre−determined)パターンや時間スロットを用いて競争する多元接続方式などが用いられる。中低速のサービスユーザ端末のデータは、制御情報なく通信設定する際に、ビーコン区間1115のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて直交時間ホッピング接続区間1125で時間資源をホッピングして通信を試みる。このとき、アップ・ダウン区間に対する区分なく、柔軟性を持って時間資源を割り当てる。高速サービスを要求するユーザ端末のデータは、直交時間分割接続区間1130でスケジューリングされてマッピングされる。ユーザ端末の多元接続方式は、直交時間ホッピング方式1125とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式1130との間で変化するようになる。図11の点線1135は、時間をホッピングして通信を試みるのに用いられる時間資源を区別する。フレーム構造の特徴は、フレームごとにビーコン区間1115、競争区間1120、直交時間ホッピング接続区間1125、直交時間分割接続区間1130の間の境界が可変的であるという点である。これは、先に区別した高速、中低速に属するユーザ端末の比率に応じて変化するようになる。仮に、中低速のユーザが多くなれば、直交時間ホッピング接続区間1125が増加し、ビーコン区間1115における情報量が減少するようになる。これは、中低速に属するユーザ端末に対しては、管理端末がビーコン区間1115で各ユーザ端末が用いる時間資源に対するスケジューリング管理情報を知らせる必要があるためである。ビーコン区間1115における情報量が減少すれば、フレームの効率は上昇する。
【0045】
図12は、本発明で提案する混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1200構造である。図10に示されたように、各ユーザ端末のサービスが高速サービスと中低速サービスとに分類されれば、各ユーザ端末のデータは図12のフレーム1200にマッピングされる。フレーム1200構造は、全体的に活性区間1205と電力節約区間1210とに分けられる。活性区間1205は、ビーコン区間1215、競争区間1220、直交時間ホッピング接続ダウン区間1225、直交時間ホッピング接続アップ区間1230、直交時間分割接続ダウン区間1235、直交時間分割接続アップ区間1240に分けられる。中低速のサービスユーザ端末アップ・ダウンリンクデータは、制御情報なく、通信設定の際にビーコン区間1215のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて、直交時間ホッピング接続区間のアップ区間1230とダウン区間1225で時間資源をホッピングして通信を試みる。高速のサービスを要求するユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、直交時間分割接続区間のアップ区間1235とダウン区間1240でそれぞれスケジューリングされてマッピングされる。図12の点線1245は、時間をホッピングして通信を試みるのに用いられる時間資源とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式によって通信を試みるのに用いられる時間資源とを区別するものである。これは、適応的に変化するようになる。
【0046】
図13は、本発明で提案する混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1300構造である。図10に示されたように、各ユーザ端末のサービスが高速サービスと中低速サービスとに分類されれば、各ユーザ端末のデータは図13のフレーム1300にマッピングされる。フレーム1300構造は、全体的に活性区間1305と電力節約区間1310とに分けられる。活性区間1305は、ビーコン区間1315、競争区間1320、直交時間ホッピング接続ダウン区間1325、直交時間ホッピング接続アップ区間1330、直交時間分割接続区間1335に分けられる。中低速のサービスユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、制御情報なく、通信設定の際にビーコン区間1315のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて、直交時間ホッピング接続区間のアップ区間1330とダウン区間1325で時間資源をホッピングして通信を試みる。高速のサービスを要求するユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、バッテリ電力の消耗に対する節減効果を得るために、ユーザ別1340、1345、1350にアップリンクデータとダウンリンクデータとを一度にサービスする方式を用いる。図13の点線1335は、時間をホッピングして通信を試みるのに用いられる時間資源とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式によって通信を試みるのに用いられる時間資源とを区別するものである。これは、適応的に変化するようになる。
【0047】
[ホッピングパターンの管理維持シナリオ]
本発明で提案する混合型の多元接続方式における直交時間ホッピング接続区間で用いられる時間ホッピングパターンを割り当てる周期は、次の通りとなる。
【0048】
(a)時間ホッピングパターンの割り当て周期がフレームと同一である場合、直交時間ホッピング接続の際に用いられる時間ホッピングパターンを各フレームに割り当てられた固有の番号とユーザ端末が割り当てられた固有の識別子とを用いてフレームごとに生成するようになる。また、時間ホッピングパターンを表に基づいて管理して、フレームごとにユーザに割り当てるようになる。
【0049】
(b)時間ホッピングパターンの割り当て周期が1つのフレームよりも大きい単位であるn個のフレーム(n>1)単位である場合、直交時間ホッピング接続の際に用いられる時間ホッピングパターンの割り当て周期は、フレームよりも大きい単位であるn個のフレーム(n>1)単位となり得る。
【0050】
(c)時間ホッピングパターンの割り当て周期がユーザ端末の通信設定および開始時点から終了時点までである場合、ユーザ端末が競争区間を介して管理端末に通信設定および開始のために加入する時点に直交時間ホッピング接続の際に用いられる時間ホッピングパターンを割り当て、割り当てた時間ホッピングパターンは、ユーザ端末のサービスが終了するときに還元されるようになる。
【0051】
時間ホッピングパターンは、各ユーザ端末ごとに独立的かつ無作為に生成されるため、同一な時間に互いに異なるユーザ端末のデータが生かされるようになる場合に、時間ホッピングパターンの衝突が発生するようになる。このような衝突は、用いられた変調方式によって適切に制御される。
【0052】
ここで、全体のユーザ端末数における中低速サービス要求ユーザ端末数に応じて直交時間ホッピング接続区間の長さが可変的であるため、直交時間ホッピング接続区間でホッピングして通信できる時間資源の数は変化するようになる。このとき、時間ホッピングパターンの割り当て周期が小さいほど、ホッピングが可能な時間資源数の変化が大きくなるため、時間資源を効率的に管理できるようになるが、それに応じて複雑度が増加するようになる。通信中のサービス時間に対する持続性が長いほど、時間ホッピングパターンの割り当て周期を長く設定することが効率的であり、パケット通信サービスのうち活性度が低いとか送信データ率が可変的であるとか通信中のサービス時間に対する持続性が長くないという場合には、時間ホッピングパターンの割り当て周期を小さく設定することが効率的である。
【0053】
[送るデータの有/無を知らせる方法−特定のホッピングパターンを利用(アップリンク)]
本発明においては、特定の時間ホッピングパターンを別途に分離して送る情報がある端末は、送るデータとともに、送るデータがあるという簡単な情報を特定の時間ホッピングパターンを用いて管理端末に知らせることを含む。図7〜9では、管理端末において、端末から受信された情報が同一な直交時間を占有したときに分別できる場合と分別が不可能である場合の例について示した。しかし、看過してはならないことは、管理端末がすべての端末が特定の時間に通信を試みたのか、あるいは送った信号が元々ないのかについての制御情報が必要であるということである。もちろん、このような制御情報なく通信が成され得ることは事実であるが、制御情報がなければ管理端末では常にすべての端末の時間ホッピングパターンを分析して復号しなければならない。したがって、本発明では、特定の時間ホッピングパターンを別途に分離し、送る情報がある端末は、送るデータとともに、送るデータがあるという簡単な制御情報を特定の時間ホッピングパターンを用いて管理端末に知らせることを含む。仮に、このようなホッピングパターンを構成しようとすれば、すべての端末が固有して衝突のないホッピングパターンを有さなければならない。なぜなら、制御情報を積んだホッピングパターンも、衝突が生じて不確実に送信されるようになれば、システムが不安定に作動する恐れがあるためである。このような過程を介して制御信号が生じるという短所はあるが、管理端末の立場においては、瞬間ごとにすべての時間ホッピングパターンを復号するという複雑度を減らすことができる。
【0054】
[送るデータの有/無を知らせる方法−ビーコン区間でユーザID情報を利用(ダウンリンク)]
本発明で提案するフレーム構造においては、ビーコン区間でユーザIDを用いて直交時間ホッピング多元化方式のダウンリンクに対する管理端末がユーザ端末に送る情報があるか否かを知らせる方式として、送る情報があるユーザIDのみをビーコン情報に含んで知らせるようになる。直交時間分割多元化方式におけるダウンリンクに対しても同じように、管理端末がユーザ端末に送る情報があるか否かを知らせる方法として、送る情報があるユーザIDのみをビーコン情報に含んで知らせるようになる。ここで、ユーザ別IDは、ユーザが競争区間を介して設定および開始のために加入する時点において、管理端末が加入するユーザにIDを割り当てて知らせる方式を用いることができる。
【0055】
[送るデータの有/無を知らせる方法−ビーコン区間でビットマップ情報を利用(ダウンリンク)]
本発明で提案するフレーム構造においては、ビーコン区間でビットマップ情報を用いて直交時間ホッピング多元化方式におけるダウンリンクに対する管理端末がユーザ端末に送る情報があるか否かについて、各ユーザ別に1ビットの情報を用いてビットマップで構成し、ビーコン情報に含んで知らせるようになる。直交時間分割多元化方式におけるダウンリンクに対しても同じように、管理端末がユーザ端末に送る情報があるか否かについて、各ユーザ別に1ビットの情報を用いてビットマップで構成されたビーコン情報に含んで知らせるようになる。ビーコン区間のビットマップ情報における各ビットと各ユーザ端末との間のマッピングは、ユーザ端末が競争区間を介して通信設定および開始のために加入する時点において、管理端末が加入するユーザ端末にビットマップにおける割り当てられたビットの位置を知らせる方式を用いることができる。
【0056】
[送るデータの有/無を知らせる方法−エネルギーレベルを利用(アップリンク)]
制御情報を別途に定めずに、管理端末でユーザ端末から受信されたデータのエネルギーレベルによって特定のユーザ端末のデータ送信の可否に対する情報を検出し、各ユーザが端末の情報があるか否か、あったのにエラーが発生したのかなどを管理端末の受信端で内在的に知ることができる方式を含む。まず、管理端末の受信機は、時間ホッピングによって通信を試みるユーザ端末のデータ送信の可否を知ることができるため、通信を試みる各ユーザ端末に対して復調を行う。復調の後、1段階として、各ユーザ端末別に分類して復調されたデータのエネルギーレベルを検査する。このとき、実際に送信されなかったデータは、特定の基準値を超えることができないものである。このような検査によって、実際に情報を送信しなかったユーザ端末に対して、復号と衝突制御などの複雑な過程を行わない場合がある。この検査において、特定のエネルギー基準値を超えるユーザ端末は、情報の送信が成されたと仮定し、再び集めて衝突検査および制御を行う。このとき、使用された変調方式によって、衝突制御が可能ともなるし不可能ともなる。この後に各ユーザ端末別に復号を行い、エラー検査(CRC検査)によって受信されたデータのエラー発生の可否を知ることができる。この場合、複雑な受信構造を有するものの、ユーザ端末から別途に情報の有無を知らせる制御情報を送信しなくても良いという長所がある。
【0057】
[グループ方式1フレーム構造提案]
網内部のユーザ端末数が増加するようになり、大規模のユーザ端末が通信を試みる場合、大規模のユーザ端末を簡単な方式で管理するために、ユーザ端末を1つ以上のグループに分類し、グループ別に直交時間分割方式と直交時間ホッピング方式とを混合して用いることができる。
【0058】
図14は、本発明で提案するグループ方式の混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1400構造である。図10に示されたように、各ユーザ端末のサービスが高速サービスと中低速サービスとに分類されれば、各ユーザ端末のデータは図14のフレーム1400にマッピングされる。フレーム1400構造は、全体的にグループ別に活性区間1405と電力節約区間1410とに分けられる。各グループ別の活性区間1405は、ビーコン区間1415、競争区間1420、直交時間ホッピング接続区間1425、直交時間分割接続区間1430に分けられる。この特徴としては、各グループ別の活性区間が互いに重ならないように設定されているという点である。これは、各グループ別に管理端末に接続する時間を分けるTDMA方式によって解釈できるが、これによって同一の管理端末によって管理される無線網内の互いに異なるグループに属する端末同士は、互いに衝突を引き起こさないということである。仮に、このようなグループがなければ、同一の管理端末によって管理されるすべての端末は、非活性区間で生成されたデータフレームを同一のフレーム活性区間で送信を試みるため、互いに衝突する可能性が高まる。競争区間1420では、各グループ別のユーザ端末の通信加入、通信設定および開始、Ranging作業が成される。中低速のサービスユーザ端末のデータは、制御情報なく、通信設定の際にビーコン区間1415のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて、グループ別の直交時間ホッピング接続区間で時間資源をホッピングして通信を試みる。このとき、アップ・ダウン区間に対する区分がなく、柔軟性を持って時間資源を割り当てる。高速のサービスを要求するユーザ端末のデータは、グループ別に直交時間分割接続区間1430でスケジューリングされてマッピングされる。図14の点線1435は、時間をホッピングして通信を試みるのに用いられる時間資源とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式によって通信を試みるのに用いられる時間資源とを区別するものである。これは、適応的に変化するようになる。
【0059】
図15は、本発明で提案するグループ方式の混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1500構造である。図10に示されたように、各ユーザ端末のサービスが高速サービスと中低速サービスとに分類されれば、各ユーザ端末のデータは図15のフレーム1500にマッピングされる。フレーム1500構造は、全体的にグループ別に活性区間1505と電力節約区間1510とに分けられる。各グループ別の活性区間1505は、ビーコン区間1515、競争区間1520、直交時間ホッピング接続ダウン区間1525、直交時間ホッピング接続アップ区間1530、直交時間分割接続ダウン区間1535、直交時間分割接続アップ区間1540に分けられる。中低速のサービスユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、制御情報なく、通信設定の際にビーコン区間のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて、グループ別に直交時間ホッピング接続区間のアップ区間1530とダウン区間1525で時間資源をホッピングして通信を試みる。高速のサービスを要求するユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、グループ別に直交時間分割接続区間のアップ区間1540とダウン区間1535でそれぞれスケジューリングされてマッピングされる。図15の点線1545は、時間をホッピングして通信を試みるのに用いられる時間資源とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式によって通信を試みるのに用いられる時間資源とを区別するものである。これは、適応的に変化するようになる。
【0060】
図16は、本発明で提案するグループ方式の混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1600構造である。図10に示されたように、各ユーザ端末のサービスが高速サービスと中低速サービスとに分類されれば、各ユーザ端末のデータは図16のフレーム1600にマッピングされる。フレーム1600構造は、全体的にグループ別に活性区間1605と電力節約区間1610とに分けられる。活性区間1605は、ビーコン区間1615、競争区間1620、直交時間ホッピング接続ダウン区間1625、直交時間ホッピング接続アップ区間1630、直交時間分割接続区間1635に分けられる。中低速のサービスユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、制御情報なく、通信設定の際にビーコン区間のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて、グループ別に直交時間ホッピング接続区間のアップ区間1630とダウン区間1625で時間資源をホッピングして通信を試みる。高速のサービスを要求するユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、グループ別に直交時間分割接続区間1635で通信を試みるが、このとき、ユーザ端末のバッテリ電力の消耗に対する節減効果を得るためには、ユーザ別1640、1645、1650にアップリンクデータとダウンリンクデータとを一度にサービスする方式を用いる。図16の点線1655は、時間をホッピングして通信を試みるのに用いられる時間資源とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式によって通信を試みるのに用いられる時間資源とを区別するものである。これは、適応的に変化するようになる。
【0061】
[グループ方式2フレーム提案]
網内部のユーザ端末数が増加するようになり、大規模のユーザ端末が通信を試みる場合には、大規模のユーザ端末を簡単な方式で管理するために、ユーザ端末を1つ以上のグループに分類し、グループ別に直交時間ホッピング方式を用いて、全体グループに対する直交時間分割方式を用いるようになる。直交時間分割方式をグループ別に用いる場合と比較してみると、全体グループに対して直交時間分割方式を用いる場合は、フレームごとにグループ別にスケジューリングを何度も行う必要なく1度だけ行えば良く、放送サービスのようなブロードキャスト情報の場合は、グループ数だけ繰り返して送信する必要なく一度で送信が可能である。
【0062】
図17は、本発明で提案するグループ方式の混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1700構造である。図10に示されたように、各ユーザ端末のデータは図17のフレーム1700にマッピングされる。フレーム1700構造は、全体的にグループ別の活性区間1705と電力節約区間1710と全体グループ直交時間分割接続区間1715とに分けられる。各グループ別の活性区間1705は、ビーコン区間1720、競争区間1725、直交時間ホッピング接続区間1730に分けられる。全体グループ直交時間分割接続区間1715は、直交時間分割接続ビーコン区間1735と直交時間分割接続区間1740とに分けられる。競争区間1725では、各グループ別のユーザ端末の通信加入、通信設定および開始、Ranging作業が成される。中低速のサービスユーザ端末のデータは、制御情報なく、通信設定の際にビーコン区間1720のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて、グループ別の直交時間ホッピング接続区間1730で時間資源をホッピングして通信を試みる。高速のサービスを要求するユーザ端末のデータは、全体のグループに対して直交時間分割接続区間1715でスケジューリングされてマッピングされる。このとき、アップ・ダウン区間に対する区分なく、柔軟性を持って時間資源を割り当てる。図17の点線1745は、時間をホッピングして通信を試みるのに用いられる時間資源とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式によって通信を試みるのに用いられる時間資源とを区別するものである。これは、適応的に変化するようになる。
【0063】
図18は、本発明で提案するグループ方式の混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1800構造である。図10に示されたように、各ユーザ端末のサービスが高速サービスと中低速サービスとに分類されれば、各ユーザ端末のデータは図18のフレーム1800にマッピングされる。フレーム1800構造は、全体的にグループ別の活性区間1805と電力節約区間1810と全体グループ直交時間分割接続区間1815とに分けられる。各グループ別の活性区間1805は、ビーコン区間1820、競争区間1825、直交時間ホッピング接続ダウン区間1830、直交時間ホッピング接続アップ区間1835に分けられる。中低速のサービスユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、制御情報なく、通信設定の際にビーコン空間1820のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて、グループ別に直交時間ホッピング接続区間のアップ区間1835とダウン区間1830で時間資源をホッピングして通信を試みる。全体グループ直交時間分割接続区間1815は、直交時間分割接続ビーコン区間1840と直交時間分割接続ダウン区間1845と直交時間分割接続ダウン区間1850とに分けられる。高速のサービスを要求するユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、全体グループに対して直交時間分割接続区間のアップ区間1850とダウン区間1845でスケジューリングされてマッピングされる。図18の点線1855は、時間をホッピングして通信を試みるのに用いられる時間資源とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式によって通信を試みるのに用いられる時間資源とを区別するものである。これは、適応的に変化するようになる。
【0064】
図19は、本発明で提案するグループ方式の混合型の多元接続方式に用いられるフレーム1900構造である。図10に示されたように、各ユーザ端末のサービスが高速サービスと中低速サービスとに分類されれば、各ユーザ端末のデータは図19のフレーム1900にマッピングされる。フレーム1900構造は、全体的にグループ別の活性区間1905と電力節約区間1910と全体グループ直交時間分割接続区間1915とに分けられる。活性区間1905は、ビーコン区間1920、競争区間1925、直交時間ホッピング接続ダウン区間1930、直交時間ホッピング接続アップ区間1935に分けられる。中低速のサービスユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、制御情報なく、通信設定の際にビーコン区間1920のうちの一部を用いて付与された時間ホッピングパターンに応じて、グループ別に直交時間ホッピング接続区間のアップ区間1935とダウン区間1930で時間資源をホッピングして通信を試みる。全体グループ直交時間分割接続区間1915は、直交時間分割接続ビーコン区間1940と直交時間分割接続区間1945とに分けられる。高速のサービスを要求するユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータは、全体グループに対して直交時間分割接続区間1945で通信を試みるが、このとき、ユーザ端末のバッテリ電力の消耗に対する節減効果を得るために、ユーザ別1950、1955、1960にアップリンクデータとダウンリンクデータを一度にサービスする方式を用いる。図19の点線1965は、時間ホッピング通信を試みるのに用いられる時間資源とスケジューリングに基づいた直交時間分割方式によって通信を試みるのに用いられる時間資源とを区別するものである。これは、適応的に変化するようになる。
【0065】
[グループ分類方法]
網内部のユーザ端末数が増加するようになり、大規模のユーザ端末が通信を試みる場合には、大規模のユーザ端末を簡単な方式で管理するために、ユーザ端末を1つ以上のグループに分類して通信する場合、グループ分類方式としては次のようなものが挙げられる。
【0066】
(a)ユーザが要求するデータ送信率に応じて分類する方式
(b)ユーザ端末と管理端末との間の距離に応じて分類する方式
(c)ユーザ端末や管理端末における受信SINRに応じて分類する方式
(d)ユーザ端末の番号(ID)に応じて分類する方式
ユーザ端末を1つ以上のグループに分類した後、周期的または必要時にユーザ端末に対してグループを再び分類するようになる。ここで、再分類する方式としては、次のようなものが挙げられる。
【0067】
(a)フレームごとにユーザ端末に対するグループを再分類する方式
(b)フレームよりも大きい単位の2つ以上のフレーム単位でユーザ端末に対するグループを再分類する方式
(c)ユーザ端末が競争区間を介して管理端末に通信設定および開始のために加入する時点ごとにユーザ端末に対するグループを再分類する方式
【0068】
[競争区間の性能向上方法]
図20は、本発明の実施形態に係る多数の端末が同時に管理端末に通信設定を要求する場合に、分散した構造を用いて多数の端末の通信設定を実行する過程を示した図である。
【0069】
網が始めて初期化され、管理端末が各端末の通信設定を要求したり各端末の特定の事件に対してデータ収集した後に送信が成されるなど、多数の端末が同時に通信を設定するようになる場合、競争区間2005に多数の端末が集中するようになる。この場合、CSMA/CAなどの方式は、著しく性能が低下するという短所がある。このために、競争区間を適切な大きさの時間スロット2010に分けた後、各スロットは通信設定要求のためのアップリンクミニスロット2015とACKのためのダウンリンクミニスロット2020とに分けられる。各端末は、適切な大きさで構成されたアップリンクミニスロットのうちから無作為に1つのアップリンクミニスロットを選択し、仮に衝突なく管理端末にデータが送信されたとすれば、すぐに次のダウンリンクミニスロットを用いてACK信号が下される。これによって、多数の端末が同時に通信設定を要求する場合でも、ある程度分散した構造を用いて効率的に通信設定が成されるようになる。このような過程を介して、各端末は、自身の要求サービスの類型に応じて通信の類型を決定し、固有のホッピングパターンを割り当てるようになる。
【0070】
上述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。
【0071】
なお、本発明は以下のように表現することも出来る。
【0072】
〔発明の開示〕
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであって、超広帯域通信システムのための効果的な無線接続技術と消費電力、効率性を考慮した効率的なフレーム構造を有するようにする超広帯域無線接続網における多元接続デジタル通信方法を提供することを目的とする。
【0073】
本発明は、マルチパスの影響が大きい超広帯域通信システムにおいて、既存のシステムが有し得ない統計的な多元化効果をアップリンクで積極的に活用する無線接続方式である。本発明は、チャンネル活性度が低い端末が特定の管理端末によって管理される通信システムにおいて、各端末は任意の時間にあらかじめ割り当てられた直交時間ホッピングパターンを用いて通信を試み、管理端末ではホッピングパターンによって各端末を区別する方式で動作する。これにより、統計的な多元化効果が得られ、通信チャンネルを管理するという複雑な制御信号体系を必要としないため、運用が容易に成されるという長所がある。本発明は、既存の接続技術を超広帯域通信システムにて使用する場合に、マルチパスの影響によってチャンネルの使用の可否を容易に感知できないだけでなく、多数のユーザが特定の管理端末によって管理される場合に、システム運用の複雑度が高くなるという短所を解決するものである。さらに、ユーザ端末のバッテリ電力の消耗を考慮して電力節約区間を割り当て、電力節約区間ではない活性区間では直交時間ホッピング方式と直交時間分割方式とを混合して通信し、互いに異なる多元接続方式への転換が可能なように適応型で通信することで、電力使用および効率性を考慮した効果的なフレーム構造で動作するようになる。
【0074】
本発明は、ユーザ端末が管理端末の受信時点で同期化され、ユーザ端末が直交時間をホッピングして接続を試みることによって、アップリンクでも直交時間資源の特性を生かし、活性度が低かったり送信データ率が可変的であるトラフィックは、直交時間ホッピング多元化方式によって統計的に多元化させる。したがって、本発明は、より一層多くの端末から管理端末へのチャンネル収容、限定された直交資源の活用度の増加、不必要なチャンネル割り当ておよび返納のための制御信号トラフィックの減少、アップリンクの送信スケジューリングの複雑度の緩和、端末から要求されるバッファ容量の減少、データ送信遅延時間の減少などの効果を得ることによって、超広帯域通信システムの性能を向上させる。
【0075】
本発明に属する技術分野において通常の知識を有する者は、本明細書の図面、発明の詳細な説明、特許請求の範囲から、本発明の他の目的および長点を容易に認識できるであろう。
【0076】
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、超広帯域通信システムのアップリンクにおけるデジタル通信方法であって、各ユーザ端末が送信した信号が管理端末で同期化されるようにする段階と、前記管理端末から割り当てられた直交時間ホッピングパターンに応じて使用する時間スロットをホッピングして通信する段階とを含む。前記同期化段階は、前記管理端末から同期信号が発生した時刻と前記同期信号が前記ユーザ端末に受信された時刻との時間差を計算する段階と、前記時間差に応じて前記管理端末にデータを送信する時刻を調節する段階とを含む。
【0077】
本発明は、超広帯域通信システムのアップリンクにおけるデジタル通信方法であって、それぞれのユーザ端末に対して直交時間ホッピングパターンによって割り当てられた時間スロットで受信された信号のエネルギーを合算する段階と、前記合算されたエネルギーと所定の臨界値とを比較する段階と、前記合算されたエネルギーが前記臨界値よりも大きい場合に、前記ユーザ端末がデータを送信したものと判断する段階とを含む。
【0078】
本発明は、超広帯域通信システムのアップリンクにおけるデジタル通信方法であって、ユーザ端末を少なくとも2つ以上のグループに分類する段階と、前記グループ別に互いに重ならないように活性区間を設定する段階とを含む。
【0079】
本発明は、超広帯域通信システムのアップリンクにおけるデジタル通信方法であって、各端末からそれぞれの直交時間ホッピングパターンに応じて送信されたデータシンボルを受信する段階と、前記直交時間ホッピングパターンの衝突の可否を検査する段階と、前記直交時間ホッピングパターンの衝突が発生した端末のデータシンボルの同一性の可否に基づいて前記データシンボルを復号する段階とを含む。
【0080】
また、本発明は、多様化されたサービスを要求するユーザが網に共存する場合、このようなユーザを効果的に収容し、各ユーザのサービスの品質を保障し、ユーザ端末の電力消費を減少させることができる超広帯域通信システムのためのフレーム構造を提案する。本発明は、ユーザ端末のバッテリ電力の消耗を考慮して電力節約区間を割り当て、電力節約区間ではない活性区間で直交時間ホッピング方式と直交時間分割方式を混合して通信し、互いに異なる多元接続方式への転換を可能とする適応型の通信方式を用いる。また、本発明は、ユーザ端末を1つ以上のグループに分類し、グループ別に直交時間ホッピング方式と直交時間分割方式とを混合して用いる通信方式と、グループ別に直交時間ホッピング方式を用いて全体グループに対して直交時間分割方式を用いる通信方式とを提示する。
【0081】
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、超広帯域通信システムにおいて、効果的な統計的な多元化基盤の直交時間ホッピング多元接続方式と多元接続方式を用いて消費電力の減少と効率性を考慮したフレーム構造を具現することができる。特に、本発明により、マルチパスフェージングが多発する超広帯域通信チャンネルにおいて、通信チャンネルを効率的に利用し、多元接続端末間の衝突を効果的に制御することによって、特別な端末管理を行うことなく多数の端末を網に収容することができる。
【0082】
また、本発明によれば、要求するデータサービスの種類に応じて直交時間ホッピング多元接続方式と直交時間分割端樹接続方式とを混用することで、各端末で要求するサービスの品質を効果的に提供することができ、端末の消費電力も減らすことができる。また、本発明は、直交時間ホッピング多元接続方式に用いられる直交時間ホッピングパターンの管理と運営方式を用いることで、各管理端末で効果的な網運営を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、超広帯域通信システムに用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末別に要求するサービスのデータ送信率に応じて、スケジューリングに基づいて直交時間分割方式で多元接続を試みるように許容する段階と、
直交時間ホッピングパターンを用いる直交時間ホッピング方式で多元接続を試みるように許容する段階と、
前記ユーザ端末を少なくとも1つ以上のグループに分類し、グループ別に直交時間分割方式と直交時間ホッピング方式とを混合して通信を試みる段階と、
を含むことを特徴とするデジタル通信方法。
【請求項2】
前記ユーザ端末のバッテリ電力の消耗を考慮して電力節約区間を割り当て、前記電力節約区間ではない活性区間では、直交時間ホッピング方式と直交時間分割方式とを混合して用いることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項3】
高速のデータサービスを要求する前記ユーザ端末では、スケジューリング基盤の多元接続を収容し、中低速のデータサービスを要求するユーザ端末では、直交時間ホッピング方式を収容することを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項4】
前記デジタル通信方法において、互いに異なる多元接続方式への転換を通信中に可能にすることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項5】
アップ・ダウン区間に対する区分なく、柔軟性を持って時間資源を割り当てる方式と、
アップ・ダウン区間を区分して、直交時間分割接続区間のアップ・ダウン区間でユーザ端末のアップ・ダウンリンクデータをそれぞれスケジューリングしてマッピングし、直交時間ホッピング接続区間のアップ・ダウン区間で時間資源をホッピングして通信する方式と、
直交時間分割接続区間でユーザ別にアップ・ダウンリンクデータをサービスし、ユーザ端末のバッテリ電力の消耗に対する節減効果を得る方式と、
のうち選択されるいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項6】
前記ユーザ端末を少なくとも1つ以上のグループに分類し、グループ別に直交時間ホッピング方式を用い、全体グループに対して直交時間分割方式を用いることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項7】
前記ユーザ端末を1つ以上のグループに分類する方法には、
ユーザが要求するデータ送信率に応じて分類する方式と、
ユーザ端末と管理端末との間の距離に応じて分類する方式と、
ユーザ端末や管理端末における受信SINRに応じて分類する方式と、
前記ユーザ端末の番号(ID)に応じて分類する方式と、
のうち選択されるいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1または6に記載のデジタル通信方法。
【請求項8】
前記ユーザ端末を1つ以上のグループに分類した後、周期的または必要時にユーザ端末に対するグループを再分類する方式が適用されることを特徴とする請求項1または6に記載のデジタル通信方法。
【請求項9】
前記デジタル通信方法には、
フレームごとにユーザ端末に対するグループを再分類する方式と、
フレームよりも大きい単位の2つ以上のフレーム単位でユーザ端末に対するグループを再分類する方式と、
ユーザ端末が競争区間を介して管理端末に通信設定および開始のために加入する時点ごとに、ユーザ端末に対するグループを再分類する方式と、
のうち選択されるいずれか1つを用いることを特徴とする請求項8に記載のデジタル通信方法。
【請求項10】
前記直交時間ホッピング多元化方式における時間ホッピングパターンを管理する方法には、
各フレームに割り当てられた固有の番号とユーザ端末が割り当てた固有の識別子を用いてフレームごとに生成する方式と、
直交時間ホッピング多元化方式における時間ホッピングパターンを表に基づいて管理してフレームごとにユーザに割り当てる方式と、
直交時間ホッピング多元化方式における時間ホッピングパターンをフレームよりも大きい単位の2つ以上のフレーム単位で割り当てる方式と、
直交時間ホッピング多元化方式における時間ホッピングパターンをユーザ端末が競争区間を介して管理端末に通信設定および開始のために加入する時点に割り当て、ユーザ端末のサービスが終了する際に、割り当てた時間ホッピングパターンを還元する方式と、
のうち選択されるいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項11】
前記直交時間ホッピング多元化方式において、特定の時間ホッピングパターンを別途に分離し、送る情報がある端末は、送るデータとともに、送るデータがあるという簡単な情報を特定の時間ホッピングパターンを用いて管理端末に知らせる方式が適用されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項12】
前記直交時間ホッピング多元化方式におけるダウンリンクに対して管理端末が各ユーザ端末に送信する情報があるか否かについて、制御信号チャンネルを定義せず、ビーコン区間のビットマップ情報を用いて各ユーザ別に1ビットの情報でビットマップを構成してビーコン情報に含んで知らせる方式が適用されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項13】
前記直交時間分割多元化方式におけるダウンリンクに対して管理端末が各ユーザ端末に送信する情報があるか否かについて、制御信号チャンネルを定義せず、ビーコン区間のビットマップ情報を用いて各ユーザ別に1ビットの情報でビットマップを構成してビーコン情報に含んで知らせる方式が適用されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項14】
前記各端末が送信する情報があるか否かに対する制御信号チャンネルを定義せず、受信された管理端末のエネルギーレベルで各端末のデータフレーム内に存在するか検査する受信方式が適用されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項15】
前記直交時間ホッピング多元化方式におけるダウンリンクに対する管理端末が各ユーザ端末に送信する情報があるか否かについて、制御チャンネルを定義せず、ビーコン区間でユーザIDを用いて送信する情報があるユーザIDのみをビーコン情報に含んで知らせる方式が適用されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。
【請求項16】
前記直交時間分割多元化方式におけるダウンリンクに対して管理端末が各ユーザ端末に送信する情報があるか否かについて、制御信号チャンネルを定義せず、ビーコン区間でユーザIDを用いて送信する情報があるユーザIDのみをビーコン情報に含んで知らせる方式が適用されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−217392(P2011−217392A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131365(P2011−131365)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【分割の表示】特願2008−503943(P2008−503943)の分割
【原出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(505463102)パンテック カンパニー リミテッド (89)
【Fターム(参考)】