説明

超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩及びその塩の即開放性及び高薬剤負荷医薬配合物

本発明は、超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、及び医薬的に許容できるその塩を含んで成る、即開放性及び高薬剤負荷固体医薬配合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、及び医薬的に許容できるその塩を含んで成る、即開放性及び高薬剤負荷固体医薬配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
2種の工程、すなわち成長する胚における分化する内皮細胞又は血管芽細胞からの血管の新たな形成(脈管形成;vasculogenesis)、及び存在する血管からの新しい毛細血管の成長(脈管形成;angiogenesis)が、動物器官及び組織の血管系の成長に関与している。新規血管形成(新生血管形成)の一時的な相がまた、例えば月経サイクルの間、妊娠の間、又は創傷治癒の間、成人身体において生じる。
【0003】
しかしながら、多くの疾病が、規則解除された脈管形成、例えば網膜障害、乾癬、血管芽腫及び新形成性疾病(固形腫瘍)に関連していることが知られている。さらに、脈管形成の複雑な工程が、広範囲の分子、特に脈管形成性長因子及びそれらの内皮受容体、及び細胞付着分子に関与していることが見出されている。
【0004】
最近の発見は、胚成長の間、正常な成長の間、及び多くの病理学的状態及び疾病において、“血管内皮増殖因子”(VEGF)として知られている脈管形成因子が、血管系及びその成分の増殖及び分化を調節するネットワークの一部を形成することを示している(G. Breier など., Trends in Cell Biology (1996) 6,454-456、及びそこに引用される引例)。
【0005】
VEGF又はより特定には、VEGF−Aは、ダイマーのジスルフィド結合された、46のkDaの糖タンパク質であり、そして“血小板由来の増殖因子”(PDGF)に構造的に関係している。それは、正常な細胞系及び腫瘍細胞系により生成される。VEGFは、内皮細胞−特異的ミトゲンであり、そしてインビボ試験システム(例えば、ウサギ角膜)における脈管形成活性を示す。VEGFは内皮細胞及び単球に対して走化性であり、そして内皮細胞においてプラスミノーゲン活性化因子を誘発し、次にそれらは、毛細管の形成の間、細胞外マトリックスのタンパク質分解性劣化に関連している。比較できる生物学的活性を示すが、しかしそれらを分泌する細胞型において及びそれらのヘパリン結合能力において異なる、VEGF-Aの多くのスプライス変異体が知られている。さらに、VEGFファミリーの他のメンバー、例えば“胎盤増殖因子”(PLGF)、VEGF-B、VEGF-C及びVEGF-Dが存在する。
【0006】
多数のヒト腫瘍、特にグリオーマ及び癌は、高レベルのVEGF変異体及びそれらの受容体を発現する。これは、腫瘍細胞により開放されているVEGFがパラクリン態様で、毛細血管の増殖及び腫瘍内皮の増殖を刺激し、そして従って、改良された血液供給を通して、腫瘍増殖を促進する仮説を導いた。高められたVEGF発現は、グリオーマを有する患者における脳水腫の発生を説明することができた。インビボでの腫瘍脈管形成としてのVEGFの役割の直接的な証拠が、VEGF発現又はVEGF活性が阻害された研究から得られた。これは、VEGF活性を阻害する抗体、シグナルトランスダクションを阻害する優勢−負のVEGFR-2変異体、及びアンチセンス−VEGF RNA技法の使用により達成された。すべてのアプローチは、阻害された腫瘍脈管形成の血管としてインビボのグリオーマ細胞系又は他の主要細胞系の増殖の低下を導いた。
【0007】
リガンドに対して異なった親和性を有する3種のVEGFR受容体が存在する。VEGF-AはVEGFR1及びVEGFR2に結合し;VEGF-B及び胎盤増殖因子はVEGFR1に結合し;VEGF-A、及びVEGF-C及びVEGF-Dの処理された形はVEGFR-2に結合し;VEGF-C及びVEGF-DはVEGFR-3に結合する。
【0008】
VEGFR-3は、腫瘍及び転移形成において役割を演じるリンパ管の増殖のために特に重要である。また、もう1つの疾病状態、すなわち喘息においては、リンパ組織は、それが急性炎症の後、肺胞に存続し、そして血管のように分解しないので、主要な重要なものである。これは、外来性剤による刺激に対する連続する感受性を導く。
【0009】
すべてのそれらの受容体は、トランスメンブランタンパク質である。VEGF変異体のシグナルは、2種の受容体分子の二量体化を通して伝達され、それにより、細胞内C−末端で酵素活性の活性化を発揮する。酵素活性は、ATPからのリン酸をそれ自体に(自己リン酸化)、そして下流のシグナル分子に移行するシグナルキナーゼである。これは、全体の細胞内シグナルカルケードとの相互作用を可能にし、結果的に、内皮細胞増殖及び移動を導く。内眼的な結果は、新規血管の形成である。
【0010】
WO98/35958号は、一般的に、腫瘍の処理のための興味ある候補体として、脈管形成阻害活性を有する一連のフタラジン誘導体及び特に(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、その塩、特にその琥珀酸塩を記載する。この化合物は、すべての3種のVEGFRキナーゼのインヒビターである。阻害は、特定のリガンドに依存しないが、しかしすべてのシグナルを阻害する。
【0011】
(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]は、下記に示される化学構造を有する:
【0012】
【化1】

【0013】
(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]の溶解性は、極端にpHに依存性である。例えば、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]の琥珀酸塩(この後、“ピナスネート”として言及される)は、非常に低いpH値で適切な溶解性を有し、そしてその溶解性は、pHが高められるにつれ、有意に低下する:
【0014】

pH 緩衝化された 溶解性(mg/ml)
37℃ 20℃
1.0 no 108
1.1 yes 83
2.0 no 146
3.0 yes 7.9
3.1 yes 7.2
3.6 no 0.35
3.7 no 0.34
4.5 yes 0.02
5.0 yes 3.7×10-3 2.9×10-3
7.0 yes 7.1×10-4 3.1×10-4
【0015】
薬剤物質は、pHが通常5以上である小腸において吸収されるので、実質的にすべての薬剤物質は小腸に入る前、溶解され、すなわち実質的にすべての薬剤物質は胃液に溶解されることは最も重要なことである。明らかに、薬剤物質の満足のゆく吸収性を得るためには、薬剤物質は、即開放性配合物により投与されるべきである。
【0016】
従来、超微粉砕が、薬剤物質の適切な開放性を確保するために使用されて来た。しかしながら、超微粉砕方法に関連する上昇する費用の他に、多くの良く知られてた製造問題、例えば超微粉砕された粒子の凝集、製造装置への超微粉砕された粒子の付着、等がその超微粉砕された薬剤物質に関して発生する。さらに、ピナスネートは、0.1mg/m3の内部作業空間限界により有害であるものとして分類され、すなわち薬剤物質の取り扱いは、包含される条件下に存在すべきであり、そして例えば高剪断混合粒質化の使用は、多くの製品移行及び薬剤物質の非含有取り扱いを包含する。
【0017】
従って、超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩に基づく即開放性配合物についての、及びそのような配合物効果的な調製方法についての必要性がある。
さらに、臨床学的研究は、約1675mgのピナスネートが1日当たり癌患者に投与されるべきである(他の薬剤の他に)ことを示している。患者は、低い患者のコンプライアンスを導く、1日当たり約10個のカプセルを取るべきである。
【0018】
従って、薬剤物質の強い即開放性配合物についての必要性の他に、高薬剤負荷を有する配合物についての必要性をあることは明白である。
本発明者は、本明細書に記載のような配合物が、高い負荷の超微粉砕されていない薬剤物質を有する強い生成方法により、最少量の医薬的賦形剤を含む即開放性プロフィールを伴って調製され得ることを、驚くべきことには見出した。
【0019】
従って、本発明の目的は、薬剤物質の再生可能な即開放性を示す、超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩の高負荷固体医薬配合物を供給することが、本発明の目的である。
この目的は、特許請求の範囲に定義される固体医薬配合物により満たされる。
【発明の開示】
【0020】
発明の要約:
第1の観点においては、本発明は、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩の少なくとも70%が、37℃でpH3.0に調節された0.05MのKH2PO4/HCl緩衝液を、溶解媒体として、及び50rpmを撹拌速度として用いてのUSP28櫂方法により決定される場合、30分以内に前記固体医薬配合物から溶解されることを特徴とする、合計配合物の少なくとも50重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る固体医薬配合物に関する。
【0021】
さらなる観点においては、本発明は、本発明の固体医薬配合物を含んで成る固体投与形、特に固体単位投与形に関する。
さらなる観点においては、本発明は、本明細書に記載のようにして決定される場合、50−300μmの範囲のd90値及び15−100μmの範囲のd50値を有する超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムの組成物に関する。
【0022】
さらなる観点においては、本発明は、薬剤としての使用のための、本発明の配合物、本発明の投与形、又は本発明の組成物に関する。
もう1つの観点においては、本発明は、癌の処理のための薬剤の製造のためへの、本発明の配合物の使用、本発明の投与形の使用、又は本発明の組成物の使用に関する。
【0023】
さらにもう1つの観点においては、本発明は治療的有効量の本発明の配合物、本発明の投与形、又は本発明の組成物を、その必要な患者に投与することを含んで成る、癌の処理方法に関する。
本発明のさらなる観点は、下記の説明及び特許請求の範囲から明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
発明の特定の記載:
上記に説明されるように、本発明は、薬剤物質(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、及び医薬的に許容できるその塩を含んで成る、超微粉砕されていない形での即開放性及び高薬剤負荷固体医薬配合物を提供する。
【0025】
固体医薬配合物
本明細書において使用される場合、用語“超微粉砕されていない”とは、粒子の少なくとも90%が50μm以上の粒子直径(レーザー回折方法を用いて、球体粒子の仮定下での体積分布曲線から計算された)、すなわち少なくとも50μmのd90値を有するような粒度分布が存在することを意味する。所定の粒度分布を説明するために使用されるパラメーターが使用される特定の装置及び設定に依存して、相当に変化することができることは、当業者に良く知られている。従って、用語“粒度分布”、“粒子直径”、“d50”、“d90”、“d95”、“d99”、等が本明細書においては使用される場合いつでも、それらに関連して使用される特定の値又は範囲は、レーザー回折を用いて球体粒子の仮定、及び本明細書における“粒度分布の決定”のセクションに示される条件下での体積分布曲線から決定されることを常に意味することが理解されるべきであることを示すことは重要である。
【0026】
本発明の1つの態様においては、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩のd90値は、少なくとも60μm、例えば少なくとも70μm、例えば少なくとも80μm、又は少なくとも90μmである。本発明の非常に好ましい態様においては、d90値は、少なくとも100μm、例えば少なくとも110μm、例えば少なくとも120μm、より好ましくは少なくとも130μm、例えば少なくとも140μmである。さらに、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩のd50値は好ましくは少なくとも15μm、特に少なくとも20μm、例えば少なくとも25μm、例えば少なくとも30μm、最も好ましくは少なくとも35μmである。
【0027】
本明細書に提供される例から理解されるであろうように、本発明は、安定した即開放性配合物が薬剤物質を超微粉砕しなくとも調製され得る驚くべき発見に、少なくとも一部基づかれている。他方では、薬剤物質の粒度が、溶解性質が妨げされるほど大きくあるべきでないことは、本明細書に提供される例から明らかである。従って、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩のd90値は典型的には、50−300μmの範囲であろう。本発明の好ましい態様においては、d90値は、60−250μmの範囲、例えば70−200μmの範囲、例えば80−200μmの範囲、好ましくは90−200μmの範囲は、例えば100−200μmの範囲、例えば110−190の範囲、より好ましくは120−180μmの範囲、例えば130−170μmの範囲、例えば140−160μmの範囲である。したがって、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩のd50値は典型的には、15−100μmの範囲、特に20−90μmの範囲、例えば25−80μmの範囲、例えば30−70μmの範囲であろう。
【0028】
本発明の開示、例えば本明細書に供給される例から理解されるように、薬剤物質が酸性条件下で早く且つ信頼できる態様で開放されることは、最も重要なことである。従って、本発明において、用語“早い開放性”又は“即開放性”とは、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩の少なくとも70%が、37℃でpH3.0に調節された0.05MのKH2PO4/HCl緩衝液を、溶解媒体として、及び50rpmを撹拌速度として用いてのUSP28櫂方法により決定される場合、30分以内に前記固体医薬配合物から溶解されることを意味する。本発明の好ましい態様においては、薬剤物質の少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%%が、本明細書に記載されるUSP28櫂方法により決定される場合、30分以内に固体医薬配合物から溶解される。
【0029】
本発明の開示から理解されるように、固体医薬配合物が、患者への投与のために必要とされる比較的多量の薬剤物質のために、“高い負荷”の薬剤物質を含むことは、最も重要なことである。従って、本発明においては、用語“高い負荷”又は“高い薬剤負荷”とは、固体医薬配合物が、配合物の合計重量に基づいて計算される場合、少なくとも50重量%の薬剤物質(すなわち、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩)を含むことを意味する。
【0030】
本発明の興味ある態様においては、固体医薬配合物は、配合物の合計重量に基づいて計算される場合、少なくとも55重量%、例えば少なくとも60重量%、例えば少なくとも65重量%、好ましくは少なくとも70重量%、例えば少なくとも75重量%、例えば少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の薬剤物質を含んで成る。異なって言及すれば、固体医薬配合物は典型的には、配合物の合計重量に基づいて計算される場合、50−95重量%の薬剤物質(すなわち、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩)を含んで成る。本発明の興味ある態様においては、固体医薬配合物は、配合物の合計重量に基づいて計算される場合、50−70重量%、又は70−90重量%、例えば55−65重量%又は85−95重量%の薬剤物質を含んで成る。
【0031】
薬剤物質自体は、遊離塩基、すなわち(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩、特に酸付加塩であり得る。そのような塩は、適切な無機又は有機酸から形成され得る。適切な無機酸の例は、ハロゲン酸、例えば塩酸;硫酸;及びリン酸を包含する。適切な有機酸の例は、次のものを包含する:カルボン酸、リン酸、スルホン酸、スルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルコースモノカルボン酸、フマル酸、琥珀酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸;アミノ酸、たとえばグルタミン酸、アスパラギン酸、N-メチルグリシン、アセチルアミノ酢酸、N-アセチルアスパラギン、及びN-アセチルシステイン;ピルビン酸、アセト酢酸、ホスホセリン、2−又は3−グリセロリン酸、グルコース−6−リン酸、グルコース−2−リン酸、フルクトース−1,6−ビス−リン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、シクロへキサン−カルボン酸、アダマンタンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、1−又は3−ヒドロキシ−ナフチル−2−カルボン酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、4−アミノサリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、桂皮酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、メタン−又はエタン−スルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、2−、3−又は4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−、又はN−プロピル−スルファミン酸、又は他の有機酸、例えばアスコルビン酸。
【0032】
本発明の最も好ましい態様においては、薬剤物質は、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]の琥珀酸塩である。
本明細書において、用語“ピナスネート”とは、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]の琥珀酸塩、すなわち(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムを言及する。ピナスネートは、WO98/35958号に記載される。
【0033】
本発明の固体医薬配合物は、超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩の他に、少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤を含むことができる。そのような賦形剤は、充填剤、結合剤、界面活性剤、砕解剤、潤滑剤及び滑剤から成る群から選択される。
そのような医薬的に許容できる賦形剤の特定の例は、次のものを包含する:
【0034】
−不活性希釈剤又は充填剤;
例えばスクロース、ソルビトール、糖、マンニトール、微晶性セルロース、澱粉、多糖、カラゲナン、λ−カラゲナン、κ−カラゲナン、i−カラゲナン、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、又はラクトース、例えばラクトース一水和物。不活性希釈剤又は充填剤は、合計配合物の1−50重量%の量で存在する。好ましくは、不活性希釈剤又は充填剤は、合計配合物の1−40重量%の量で存在する。
【0035】
本発明の1つの特定の興味ある態様においては、不活性希釈剤又は充填剤は、合計配合物の1−20重量%、好ましくは1−10重量%、より好ましくは1−7.5重量、最も好ましくは1−5重量%の量で存在する。本発明のもう1つの特に興味ある態様においては、不活性希釈剤又は充填剤は、合計配合物の20−40重量%、好ましくは25−35重量%、より好ましくは30−35重量%の量で存在する。本発明の好ましい態様においては、不活性充填剤又は希釈剤は、ラクトース、特にラクトース一水和物である。
【0036】
−結合剤:
例えばスクロース、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、澱粉、プレゼラチン化された澱粉、微晶性セルロース、多糖、カラゲナン、λ−カラゲナン、κ−カラゲナン、i−カラゲナン、珪酸マグネシウムアルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCナトリウム)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール又はポリビニルピロリドン、例えばPVP K12、 PVP K15、 PVP K17、 PVP K25、 PVP K30、 PVP K60、 PVP K90、 PVP K120、又はそれらの組合せ。結合剤は典型的には、合計配合物の0.5−15重量%の量で存在する。好ましくは、結合剤は、合計配合物の1−10重量%、より好ましくは1−5重量%の量で存在する。本発明の好ましい態様においては、結合剤は、HPMC、特に粘度グレード3を有するHPMCである。
【0037】
−滑剤、例えば潤滑剤及び粘着防止制:
例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、水素化された植物油又はタルク。滑剤は典型的には、合計配合物の0.1−10重量%の量で存在する。好ましくは、滑剤は、合計配合物の0.2−5重量%、例えば0.5−5重量%、例えば1−5重量%、より好ましくは1−3重量%の量で存在する。本発明の好ましい態様においては、滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0038】
−砕解剤;
例えばクロスカルメロースナトリウム、架橋されたポビドン、ナトリウム澱粉グリコレート、トウモロコシ澱粉又はジャガイモ澱粉。砕解剤は典型的には、合計配合物の1−20重量%の量で存在する。好ましくは、砕解剤は、合計配合物1−15重量%、例えば1−10重量%、例えば1−7.5重量%、より好ましくは1−5重量%の量で存在する。本発明の好ましい態様においては、砕解剤は、クロスカルメロースナトリウムである。クロスカルメロースナトリウムは、商品名Ac-Di-Sol(商標)として市販されている。
【0039】
−界面活性剤及び湿潤剤;
例えば天然に存在するホスファチド、例えばレシチン又は大豆レシチン;酸化エチレンと、脂肪酸との縮合生成物、長鎖脂肪アルコール、又は脂肪酸及びヘキシトール又は無水へキシトール由来の部分的エステル、例えばポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、等;又は長鎖脂肪族ホスフェートの塩、例えばラウリル硫酸ナトリウム。
【0040】
本発明の固体医薬配合物に組込まれ得る他の医薬的に許容できる賦形剤の例は、着色剤、風味剤、可塑剤、保湿剤、緩衝剤、等を包含する。
本発明の固体医薬配合物はまた、追加の薬剤物質、例えば抗癌剤を含むことができる。
【0041】
医薬配合物が固体投与形、特に固体単位投与形(例えば、錠剤、香粉又はカプセル、特に錠剤)の形で存在するそれらの場合、単位投与形は経口投与のために適合され、そして被膜、例えばフィルム被膜、糖被膜、又は同様のものを供給される。従って、本発明の固体単位投与形のための適切な被膜は、例えば1又は複数の次の成分に基づく糖被膜又はフィルム被膜であり得る:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アクリレートポリマー(例えば、Eudragit(商標))、ポリエチレングリコール又はポリビニルピロリドン、好ましくは、被膜は、HPMCに基づくフィルム被膜である。
【0042】
被膜された又は被覆されていない錠剤は典型的には、500−700mgの範囲、例えば525−675mgの範囲、例えば525−650mgの範囲の重量を有する。本発明の1つの特に興味ある態様においては、被膜された又は被膜されていない錠剤は、被膜されていない場合、525−575mgの範囲、例えば約550mgの重量、又は被膜されている場合、約562mgの重量を有する。本発明のもう1つの特に興味ある態様においては、被覆された又は被覆されていない錠剤は、被覆されていない場合、610−650mgの範囲、例えば約627mgの重量、又は被覆されている場合、約640mgの重量を有する。
【0043】
錠剤に存在する活性薬剤物質、特に(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムの量は典型的には、300−600mgの範囲であろう。本発明の1つの特に興味ある態様においては、錠剤は、300−350mg、例えば310−350mg、例えば320−350mg、好ましくは330−340mg、より好ましくは約335mgの薬剤物質を含んで成る。本発明のもう1つの興味ある態様においては、錠剤は、500−600mg、例えば510−600mg、例えば520−600mg、好ましくは530−590mg、例えば540−580、例えば550−570mg、より好ましくは555−565mg、例えば約558.3mgの薬剤物質を含んで成る。
【0044】
本発明の興味ある態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 %
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 50−95
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール) 1−50
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 1−10
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 1−20
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 0.1−10
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0045】
本発明の好ましい態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 % %
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 50−70 70−90
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール) 20−40 1−20
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 1−5 1−5
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 1−5 1−5
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 1−5 1−5
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0046】
本発明のさらにより好ましい態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 % %
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 55−65 85−95
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール) 25−35 1−10
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 1−5 1−5
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 1−5 1−5
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 1−3 1−3
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0047】
本発明の最も好ましい態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 %* %* %** %**
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 60.9 89.0 59.6 87.2
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール)32.0 2.9 31.3 2.8
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 2.5 2.6 2.5 2.5
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 2.7 3.7 2.7 3.6
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 1.8 1.8 1.8 1.8
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0048】
異なって言及すれば、被覆されていない錠剤は、本発明の典型的な態様においては、次の成分を含む:
成分 量(mg)
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 300−600
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール) 5−250
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 5−50
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 5−100
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 0.5−25
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0049】
本発明の好ましい態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 量(mg) 量(mg)
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 300−350 500−600
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール)110−220 1−50
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 5−30 5−30
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 5−35 5−35
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 1−20 1−20
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0050】
本発明のより好ましい態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 量(mg) 量(mg)
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 320−350 540−580
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール)150−200 10−30
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 5−25 5−25
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 5−25 10−30
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 5−15 5−15
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0051】
本発明のさらにより好ましい態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 量(mg) 量(mg)
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 330−340 555−565
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール)170−180 15−20
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 10−20 10−20
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 10−20 20−30
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 5−15 5−15
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0052】
本発明のさらにより好ましい態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 量(mg) 量(mg)
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 332−337 557−560
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール)174−178 17−19
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 13−15 15−17
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 15−16 22−25
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 9−11 10−13
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0053】
本発明の最も好ましい態様においては、被覆されていない錠剤は次の成分を含む:
成分 量(mg) 量(mg)
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 335 558.3
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール)176 18
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース) 14 16
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 15 23.2
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 10 11.5
それぞれの被覆されていない錠剤が被覆され得る。
【0054】
本発明のもう1つの態様においては、顆粒は、滑剤が除かれている前述の組成物のいずれか1つに従っての成分を含む。
本発明の他の興味ある態様においては、顆粒は、ペレットに形状化され、ここでそれぞれの顆粒は次の成分を含む。
【0055】
成分 量(%) 量(mg)
薬剤物質(例えば、ピナスネート) 87.3 1675
充填剤(例えば、ラクトース一水和物、マンニトール、カラゲナン)2.7 52
結合剤(例えば、HPMC、微晶性セルロース、カラゲナン) 5.0 96
砕解剤(例えば、クロスカメロースナトリウム) 5.0 96
滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム) 0
それぞれのペレットが被覆され得る。
【0056】
本発明の固体医薬配合物及び固体単位投与形は典型的には、粒質化工程により調製され、すなわち適切な賦形剤と共に、超微粉砕されていない薬剤物質が、粒質化工程、好ましくは湿潤粒質化工程、例えば流動層粒質化工程にゆだねられる。粒質化工程の後、顆粒はさらに、最終固体単位投与形に加工される。本発明の1つの態様においては、顆粒が、カプセル、例えばハードゼラチンカプセルに充填され得る。しかしながら、本発明の好ましい態様においては、顆粒は、圧縮により錠剤に加工され、そして続いてフィルム被覆される。
【0057】
従って、本発明はまた、合計顆粒の少なくとも50重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る顆粒の調製方法にも向けられ、ここで前記方法は、
i)結合剤を含んで成る液体媒体を調製し、
ii)賦形剤、例えば充填材及び希釈剤、及び少なくとも50重量%の成分の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩の粉末混合物を、グラニューレーターにゆだね、
iii)前記液体媒体を粒質化工程にゆだね、そして
iv)任意には、押出し、そして顆粒を形状化し、
v)任意には、前記顆粒を乾燥し、
vi)任意には、追加の賦形剤、例えば砕解剤及び滑剤を、前記顆粒に添加し、
vii)任意には、前記顆粒を集める段階を含んで成る。
【0058】
関連する観点においては、本発明はまた、本発明の固体単位投与形の調製方法にも向けられ、ここで前記方法は、
i) 上記のように、合計顆粒の少なくとも50重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る顆粒を調製し、
ii)前記顆粒を固体単位投与形中に配合する段階を含んで成る。
【0059】
液体媒体は、結合剤を含んで成る。本発明の興味ある態様においては、前記液体は、砕解剤及び/又は滑剤を含まない。好ましくは、砕解剤及び/又は滑剤は、粒質化工程の間、特に粒質化工程の最後で添加される。液体媒体は好ましくは、水である。
【0060】
粉末ブレンドは典型的には、液体を除く媒体の成分の少なくとも55重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る。本発明の好ましい態様においては、粉末ブレンドは、少なくとも60重量%、例えば少なくとも65重量%、例えば少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも75重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の成分の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る。
【0061】
本明細書に提供される例から見出されるように、多くのバッチが、種々の粒度分布を有するピナスネートを用いて製造された。
ピナスネート原料の非常に細かな(超微粉砕された)粒子は製造するのに相当な困難性を導くことは見出されている。超微粉砕されたピナスネート粒子から形成された顆粒の圧縮は、それにより形成される錠剤がパンチへの接着及び低められた物質的安定性を示すので、不可能である。さらに、超微粉砕されたピナスネート粒子から調製された顆粒はほとんど粗くなく、すなわち超微粉砕されたピナスネート粒子が低いほど、300μm以上の粒度を有する顆粒の量(%での)は低い。
【0062】
ピナスネートの超微粉砕されていない粒子は、良好〜卓越した圧縮性質を示した。パンチへの接着に関しては、わずか少数の問題が遭遇するか又はまったく遭遇しなかった。さらに、超微粉砕されていないピナスネート粒子から調製された錠剤は、ピナスネートの満足する物理的安定性及び満足する即開放性を示した。しかしながら、顆粒の粒度は、開放性質が妨げられるほど大きくあるべきではない。
【0063】
本発明の興味ある態様においては、本明細書に記載される方法により得られる顆粒はまた、前記顆粒の少なくとも25%が、250μmの平均メッシュ幅を有する篩を用いてpH. Eur. Method 2.9.12に従っての篩分析により決定される場合、250μmよりも粗いように存在する。好ましくは、前記顆粒の少なくとも30%、例えば少なくとも35%、例えば少なくとも40%が250μmよりも粗い。より好ましくは、前記顆粒の25−70%が、250μmの平均メッシュ幅を有する篩を用いてpH. Eur. Method 2.9.12に従っての篩分析により決定される場合、250μmよりも粗い。特に前記顆粒の30−70%、例えば35−70%、例えば40−70%、好ましくは40−65%、例えば40−60%が250μmよりも粗い。
【0064】
超微粉砕されていないピナスネート:
上記に記載されるように、本発明者は、超微粉砕されていないピナスネートが高負荷固体医薬配合物の調製を可能にする卓越した製造性質を示すことを、驚くべきことには見出した。従って、本発明はまた、本明細書に記載のようにして決定される場合、50−300μmの範囲のd90値及び15−100μmの範囲のd50値を有する超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムの組成物にも向けられる。好ましい態様においては、本明細書に記載のようにして決定される場合、前記d90値が100−200μmの範囲であり、そして前記d50値が30−70μmの範囲である。本発明の特に好ましい態様においては、超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウム粒子の組成物は、次のd50, d90, d95及びd99値を有する:
【0065】
組成物 d50 d90 d95 d99
A1 30-50 100-140 150-180 260-300
A2 35-45 110-130 155-175 270-290
A3 40-44 117-121 162-166 280-284
B1 25-50 120-160 160-200 210-250
B2 30-40 130-150 165-185 220-240
B3 35-40 139-143 172-176 227-231
C1 45-75 150-190 180-220 225-265
C2 55-70 160-180 190-210 235-255
C3 60-65 165-175 200-205 245-250
すべての値は、μmである。
【0066】
本発明の特に興味ある態様においては、超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウム粒子の組成物は、例1、2又は3に示されるd50, d90, d95及びd99値を有する。
【0067】
医学的使用
本発明は、いずれかの適切な動物、好ましくは哺乳類及び特にヒトにおける一定の癌又は腫瘍、又は腫瘍性脈管形成を処理するための手段及び方法を提供する。
用語“固体悪性腫瘍”とは、明白な原因を伴わないで、先在する組織の細胞から発生し、生理学的機能を有さず、そして正常細胞に侵入し、そして身体中に広がる能力を有する、炎症ではない組織の異常悪性塊状物を意味する。典型的な固形悪性腫瘍の例は、乳癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌及び悪性メラノーマを包含する。
【0068】
用語“癌腫”とは、上皮起源の悪性腫瘍を意味する。上皮組織は、身体内部及び外部の身体表面を保護するか又はその内面になる。上皮組織の例は、身体腔及び内部器官、例えば腸、膀胱、子宮、等の内面になる、皮膚、及び粘膜及び漿膜である。上皮組織はまた、腺、例えば粘液分泌腺を形成するために、より深い組織層中に拡張することができる。
用語“肉腫”とは、結合組織、例えば軟骨、脂肪、筋肉、腱及び骨から増殖する悪性腫瘍を意味する。
【0069】
用語“白血病”とは、血液癌、すなわち骨髄に起因し、そして骨髄の正常赤血球及び白血球細胞及び血小板の生成を維持する癌を意味する。
用語“リンパ腫”とは、リンパ系の節又は腺において起因する癌を意味する。
用語“グリオーマ”とは、本明細書において使用される場合、グリア細胞に起因する悪性腫瘍を包含する。
【0070】
用語“阻害”又は“阻害する”とは、固形腫瘍の処理に関して使用される場合、一次又は二次腫瘍の遅延された出現、一次又は二次腫瘍の遅延された進行、一次又は二次腫瘍の低めされた発生、疾病の二次効果の遅延された又は低めされた重症度、抑制された腫瘍増殖及び腫瘍の退行を包含する。腫瘍サイズに関する用語“低下”又は“低める”とは、用語“阻害”又は“阻害する”により包含される。固形腫瘍の低下とは、腫瘍体積の低下を言及する。例えば、固形腫瘍の10%の低下とは、処理された腫瘍の体積が10%低められたことを意味する。
【0071】
本発明の重要な観点は、本発明の固体医薬配合物の治療的適用にある。
従って、本発明はまた、薬剤としての使用のための本発明の固体医薬配合物にも向けられる。特に、本発明は、癌の処理のための薬剤の製造のためへの本発明の固体医薬配合物の使用に向けられる。他方では、本発明は、治療的有効量の本発明の固体医薬配合物を、その必要な患者に投与することを含んで成る、癌の処理方法に向けられる。
【0072】
本発明においては、用語“癌の処理”又は“癌を有する哺乳類を処理する”とは、本明細書に記載される固体医薬配合物が、i)腫瘍の増殖を阻害し、ii)腫瘍退行を促進し、すなわち腫瘍のサイズを低め、iii)腫瘍を除去し、そして/又はiv)腫瘍細胞転移を阻害するのに十分である治療的有効量で投与される。
【0073】
固体医薬配合物は、“治療的に有効な”用量で、すなわちそれが投与される条件に関して、所望する効果を生成するのに十分である用量で、患者に投与されるであろう。正確な用量は、処理されるべき癌の形に依存し、そして既知技術を用いて、当業者により確かめることができるであろう。薬剤物質、特にピナスネートの適切な用量は、約1−2g/患者/日、例えば1−1.5g/患者/日、例えば1.3−1.4g/患者/日、特に1.34g/患者/日で企画される。
【0074】
本発明の非常に興味ある態様においては、前記癌は、癌腫、例えば悪性メラノーマ、基底細胞癌腫、卵巣癌腫、乳癌腫、非小細胞肺癌、腎細胞癌腫、膀胱癌腫、再発性上皮膀胱癌、胃癌、前立腺癌、膵臓癌腫、肺癌腫、頸部癌腫、頸部形成異常、喉頭乳頭腫、結腸癌腫、結腸直腸癌腫及びカルチノイド腫瘍から成る群から選択された、特に悪性メラノーマ、非小細胞肺癌、乳癌腫、結腸癌腫及び腎細胞癌腫から成る群から選択された癌腫である。
【0075】
従って、本発明の1つの態様においては、前記癌は、悪性メラノーマ、例えば上皮拡散性メラノーマ、結節性メラノーマ、悪性ほくろメラノーマ、末端性メラノーマ、メラニン欠乏性メラノーマ又は癒着性メラノーマである。本発明のもう1つの態様においては、前記癌は、非小細胞肺癌である。本発明のさらにもう1つの態様においては、本発明のさらなる態様においては、前記癌は、腎細胞癌腫である。
【0076】
本発明のさらに興味ある態様においては、前記癌は、肉腫、例えば骨肉腫、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、悪性線維性組織球腫、線維肉腫、及びカポジ肉腫から成る群から選択された肉腫である。
本発明のさらに興味ある態様においては、前記癌はグリオーマである。
当業者により理解されるように、上記癌タイプ(すなわち、癌腫、肉腫及びグリオーマ)は、固形腫瘍の存在により特徴づけられる。
【0077】
本発明のさらなる興味ある態様においては、前記癌は、リンパ腫、例えばホジキン病、非ホジキン病、B−細胞リンパ腫、T−細胞リンパ腫、小胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、及び菌状息肉腫から成る群から選択されたリンパ腫である。
本発明のさらにもう1つの興味ある態様においては、前記癌は、メラノーマ、例えば多発性メラノーマである。
【0078】
癌治療への1つの重要な使用は、中皮腫に関して、異なった起源(例えば、子宮内膜、卵巣癌、結腸癌)の腹部腫瘍における腹水形成の低下及び遮断である。
抗癌剤としてのその使用の他に、本発明の配合物は、血管増殖による黄斑変性、リンパ管増殖による角膜移植のような脈管形成のオーバーシュート、及びそれによる、免疫特典の遮断により特徴づけられる他の疾病のために使用され得る。上記に言及されたように、それは喘息において効果的である。また、女性の周期関連の血管増殖による疾病は、子宮内膜症の場合のように、有益に影響される。
【0079】
種々の癌形のさらにより効果的な処理が、本発明の固体医薬配合物が適切な化学療法剤と組合され、そして/又は放射性療法と組合され、そして/又は手術と組み合わされる組合せ療法により得られることは理解されるであろう。
従って、さらなる観点においては、本発明は、化学療法剤と組合しての癌の処理のための薬剤の製造のためへの本発明の固体医薬配合物の使用に関する。同様に、本発明のさらなる観点は、治療的有効量の本発明の固体医薬配合物及び化学療法剤を、その必要な患者に投与することを含んで成る、癌の処理方法に関する。
【0080】
適切な化学療法剤の特定の例は、次のものから成る群から選択された化学療法剤を包含する:アドレノコルチコステロイド、例えばプレドニゾン、デキサメタゾン又はデカドロン;アルトレタミン(ヘキサレン、ヘキサメチルメラミン(HMM));アミフォスチン(エチオール);アミノグルテチミド(シタドレン);アムサクリン(M−AMSA);アナストロゾール(arimidex);アンドロゲン、例えばテストステロン;アスパラギナーゼ(elspar);パシルス・カルメテグリン;ビカルタミド(casodex);ブレオマイシン(ブレノキサン);ブスルファン(ミレラン);カルボプラチン(パラプラチン);カルムスチン(BCNU, BICNU);クロラムブシル(ロイケラン);クロロデオキシアデノシン(2−CDA, クラドリビン、ロイスタチン);シスプラチン(プラチノール);シトシンアラビノシド(シタラビン);デカルバジン(DTIC);デクチノマイシン(アクチノマイシン−D、コスメゲン);ダウノルビシン(セルビジン);ドセタキセル(タキソテレ);ドキソルビシン(アドリオマイシン);エピルビシン;エストウムスチン(emcyt);エストロゲン、例えばジエチルスチルペストロール(DES);エトプシド(VP-16, VePesid, エトポホス);フルダラビン(フルダラ);
【0081】
フルタミド(エウレキシン);5−FUDR(フロキシウリジン);5−フルオロウラシル(5−FU);ゲムシタビン(gemzar);ゴセレリン(zodalex);ヘルセプチン(trastuzumab);ヒドロキシウレア(hydrea); イダルビシン(イダマイシン);イフォスファミド;IL-2(プロロイキン、アルデスロイキン);インターフェロンα(イントロンA、ロフェロンA);イリノテカン(camptosar);ロイプロリド(ルプロン);レバミゾール(エルガミゾール);ロムスチン(CCNU);メクロラタミン(ムスタルゲン、ナイトロジエンマスタード);メルファラン(アルケラン);メルカプトプリン(プリンエトール、6−MP);メトトレキセート(メキセート);ミトマイシン−C(ムタムシン);ミトザントロン(ノバントロン);オクトレオチド(サンドスタチン);ペントスタチン(2−デキソコホルマイシン、ニペント);プリカマイシン(ミトラマイシン、ミトラシン);プロロカルバジン(マツラン);ストレプトゾシン;タモキシフィン(ノルバデックス);タキソール(パシルタキセル);テニポシド(vumon, VM-26);チオテパ;トポテカン(ヒカムチン);トレチノイン(ベサノイド、すべてのトランスレチン酸);ビンブラスチン(バルバーン);ビンクリスチン(オンコビン)及びビノレルビン(ナベルビン)。
【0082】
本明細書に記載される目的のために有用である他の化学療法剤は、アメリカ特許第6,482,802号の第12欄、62行〜第13欄、42行に言及される化学療法剤を包含する。それらの及び他の化学療法剤の記載に関しては、The Merck Index, 12th 版、pp. THER13-14を参照のこと。
【0083】
化学療法剤は、実際の癌形の考慮下で選択されることが理解されるであろう。本発明の好ましい態様においては、次の化学療法剤が、次の特定の癌形の処理のために(本明細書に記載される固体医薬配合物と共に)使用される:悪性メラノーマ及びシスプラチン;悪性メラノーマ及びIL-2;腎細胞癌腫及びドキソルビシン;腎細胞癌腫及びIL-2;乳癌及びドキソルビシン;乳癌及びタキソール;結腸癌及び5−フルオロウラシル;結腸癌及びシスプラチン;及び非小細胞肺癌及びシスプラチン。
【0084】
本発明はさらに、次の例に記載される。それらの例は、本明細書及び特許請求の範囲の概論の制限として理解されるべきではない。
材料及び方法
粒度分布の決定
ピナスネートの粒度分布の決定を、次の装置及び設定を用いて、レーザー回折により行った:
装置:Sympatec Helos(H0583)
分散システム:Sympatec Rodosモジュールを用いての空気乾燥分散
焦点距離:500mm
空気流の体積:2m3/時
圧力:2バール
分散圧力:3バール
レンズ:R5(4.5−875μm)
光学濃度:0.8−20%
測定時間:2秒
光学モデル:球体粒子の仮定下でのFraunhofer
【0085】
顆粒粗大性の決定
顆粒粗大性の決定を、250μmの平均メッシュ幅を有する篩を用いて、ph. Eur. Method 2.9.12に従って篩分析により実施した。
【0086】
溶解方法
フィルム被覆された錠剤からのピナスネート溶解の決定を、次の試験パラメーターを用いて、USP28櫂方法に従って実施した:
装置:6個のカバーされたガラス容器及び櫂撹拌機を有するUSP溶解装置2
媒体:ガス抜きされた0.05Mのリン酸緩衝液(KH2PO4/HCl)。pH値は最終的に3.00±0.05に調節された。
充填体積:1000ml
温度:37℃±0.5℃
撹拌速度:50rpm±2rpm
サンプリング時間:5, 10, 15, 30, 45及び60分
検出:316nmでのUV−測定
【0087】
粉末流動計測定
粉末流動計分析に関しては、次のシステム及びパラメーターを使用した:
製造業者:Freeman Technology
システム:FT4
サンプル容器:25ml
刃サイズ:23.5mm
サンプル調製:コンディショニング試験、25mlのサンプルの計量、サンプルの計量
サンプル試験:100mm/秒の先端速度でのコンディショニング試験及び測定試験。8回の反復
【0088】
70mm/秒の先端速度でのコンディショニング試験及び測定試験
40mm/秒の先端速度でのコンディショニング試験及び測定試験
10mm/秒の先端速度でのコンディショニング試験及び測定試験
測定サイクル:同じサンプルに対する5回のサンプル試験
【実施例】
【0089】
例1小さな粒度を有する薬剤物質
薬剤バッチの粒度分布を、上記のようにして分析した。粒度分布測定の結果は、図1に与えられている。次のパラメーターを見出した:d50=42μm, d90=119μm、d95=164μm及びd99=282μm。フイルム被覆された錠剤を、下記例5に従って製造した。フィルム被覆された錠剤は、活性薬剤物質の93%が、USP28櫂方法を用いる場合、30分後に溶解される、急速な溶解性を示した。
【0090】
例2中位の粒度を有する薬剤物質
薬剤バッチの粒度分布を、上記のようにして分析した。粒度分布測定の結果は、図2に与えられている。次のパラメーターを見出した:d50=37μm, d90=141μm、d95=174μm及びd99=229μm。フイルム被覆された錠剤を、下記例5に従って製造した。フィルム被覆された錠剤は、活性薬剤物質の87%が、USP28櫂方法を用いる場合、30分後に溶解される、急速な溶解性を示した。
【0091】
例3大きな粒度を有する薬剤物質
薬剤バッチの粒度分布を、上記のようにして分析した。粒度分布測定の結果は、図3に与えられている。次のパラメーターを見出した:d50=63μm, d90=169μm、d95=202μm及びd99=247μm。フイルム被覆された錠剤を、下記例5に従って製造した。フィルム被覆された錠剤は、活性薬剤物質の78%が、USP28櫂方法を用いる場合、30分後に溶解される、急速な溶解性を示した。
【0092】
例4非常に大きな粒度を有する薬剤物質
薬剤バッチの粒度分布を、上記のようにして分析した。粒度分布測定の結果は、図4に与えられている。次のパラメーターを見出した:d50=170μm, d90=374μm、d95=419μm及びd99=491μm。フイルム被覆された錠剤を、下記例5に従って製造した。フィルム被覆された錠剤は、活性薬剤物質の58%が、USP28櫂方法を用いる場合、30分後に溶解される、急速な溶解性を示した。
【0093】
例5高負荷ピナスネート錠剤の製造
錠剤を次の成分から調製した:
成分 量(kg)
均質化されたピナスネート 26.800
ラクトース・一水和物 14.080
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) 1.120
水 12.380
クロスカルメロースナトリウム 1.200
ステアリン酸マグネシウム 0.800
【0094】
44kgの顆粒を次の工程により得た:ラクトース及びピナスネートを、流動層グラニューレーター中に充填した。粒質化工程を開始し、そしてHPMCを水に溶解することにより調製された結合剤溶液を、流動層上に噴霧した。粒質化工程の最後で、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを前記流動層グラニュレーターに添加し、顆粒と共にブレンドした。
【0095】
132kgの錠剤を次の工程により得た:粒質化工程を、3度、実施し、この後、顆粒を適切なホッパーに集め、次に回転プレスに適用した。
【0096】
顆粒を、次の成分を含む550mgの長方形の錠剤(17.6×7曲率4mm)に圧縮した:
成分 量(mg)
ピナスネート 335(60.9%)
ラクトース・一水和物 176
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)* 14
クロスカルメロースナトリウム 15
ステアリン酸マグネシウム 10
合計 550
【0097】
錠剤を、次の成分を含む分散体によりフィルム被覆した:
成分 量(kg)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) 1.820
タルク 0.364
酸化鉄黄色顔料 0.425
二酸化チタン 0.991
水I 12.237
水II 6.117
【0098】
酸化鉄黄色顔料、タルク及び二酸化チタンを、水IIに懸濁し、そして水I中、HPMCの溶液に添加した。追加の水を添加し、23.994kgの最終重量にした。その懸濁液を、コロイドミルにおいて均質化し、そして続いて、錠剤上に噴霧した。被覆を、フィルム被膜された錠剤がそれぞれ562mgの重量に達するまで、実施した。
【0099】
例6非常に高い負荷ピナスネート錠剤の製造
錠剤を次の成分から調製した:
成分 量(mg)
均質化されたピナスネート 39.179
ラクトース・一水和物 1.263
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) 1.123
水 12.380
クロスカルメロースナトリウム 1.628
ステアリン酸マグネシウム 0.807
【0100】
44kgの顆粒を次の工程により得た:ラクトース及びピナスネートを、流動層グラニューレーター中に充填した。粒質化工程を開始し、そしてHPMCを水に溶解することにより調製された結合剤溶液を、流動層上に噴霧した。粒質化工程の最後で、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを前記流動層グラニュレーターに添加し、顆粒と共にブレンドした。
【0101】
132kgの錠剤を次の工程により得た:粒質化工程を、3度、実施し、この後、顆粒を適切なホッパーに集め、次に回転プレスに適用した。
【0102】
顆粒を、次の成分を含む627mgの小滴−形状化された錠剤(18×6曲率12mm)に圧縮した:
成分 量(mg)
ピナスネート 558.3 (89.0%)
ラクトース・一水和物 18.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) 16.0
クロスカルメロースナトリウム 23.2
ステアリン酸マグネシウム 11.5
合計 627.0
【0103】
錠剤を、次の成分を含む分散体によりフィルム被覆した:
成分 量(kg)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) 1.620
タルク 0.324
酸化鉄黄色顔料 0.378
二酸化チタン 0.882
水I 10.891
水II 5.444
【0104】
酸化鉄黄色顔料、タルク及び二酸化チタンを、水IIに懸濁し、そして水I中、HPMCの溶液に添加した。追加の水を添加し、23.994kgの最終重量にした。その懸濁液を、コロイドミルにおいて均質化し、そして続いて、錠剤上に噴霧した。被覆を、フィルム被膜された錠剤がそれぞれ640mgの重量に達するまで、実施した。
非常に高い負荷フィルム被膜されたピナスネート錠剤は、卓越した物理的安定性、例えば図5に示された、圧縮力−対−硬度データを示した。
【0105】
例7最適化された高負荷フィルム被膜されたピナスネート錠剤
64μmのd50及び173μmのd90を有するピナスネート粒子を、例5に記載のようにして、顆粒に圧縮した。顆粒の47%は、250μmよりも粗かった。圧縮工程は、パンチへの顆粒の付着を示さず、そして得られる錠剤は卓越した物理的安定性を示し、そしてキャッピングは存在しなかった。フィルム被覆された錠剤は、上記に記載されるUSP28櫂方法を用いて、30分後、ピナスネートの85.8%を開放した。
【0106】
例8純粋ピナスネートの圧縮
54gの均質化された、超微粉砕されていないピナスネートを、1gのステアリン酸マグネシウムと共に混合した。そのブレンドを、単一パンチ圧縮機械を用いて、それぞれ550mgの重量の錠剤に圧縮した。圧縮工程は成功ではなかった。材料が、すべての利用できる圧縮力及び速度でパンチに付着した。錠剤は得られなかった。
【0107】
例9非常に高く負荷されたピナスネートパレットの製造
1675gの均質化された、超微粉砕されていないピナスネートを、52gのマンニトール及び96gの微晶性セルロースと共に混合した。このブレンドに、1130mlの水を添加した。その混合物を押出し機に注入し、そして1000μmの丸形状のグリッドを通して押出した。押出し物を、丸型のペレットに、球状化機上で形状化し、そして次に、60℃の入口空気温度で、流動層乾燥機において平衡状態まで乾燥した。その後、ペレットを、12時間、開放貯蔵により周囲状態にコンディショニングした。ペレットは、上記に記載されるUSP28櫂方法を用いて、30分後、ピナスネートの89.9%を開放した。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図1は、例1に従って調製されたピナスネートの粒度体積分布を示す。
【図2】図2は、例2に従って調製されたピナスネートの粒度体積分布を示す。
【図3】図3は、例3に従って調製されたピナスネートの粒度体積分布を示す。
【図4】図4は、例4に従って調製されたピナスネートの粒度体積分布を示す。
【図5】図5は、圧縮力と、例6において調製された錠剤の硬度との間の関係を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合計配合物の少なくとも50重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る固体医薬配合物であって、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩の少なくとも70%が、37℃でpH3.0に調節された0.05MのKH2PO4/HCl緩衝液を、溶解媒体として、及び50rpmを撹拌速度として用いてのUSP28櫂方法により決定される場合、30分以内に前記固体医薬配合物から溶解されることを特徴とする配合物。
【請求項2】
前記超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩の少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%が、30分以内に前記固体医薬配合物から溶解される請求項1記載の配合物。
【請求項3】
超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩が、本明細書に記載のようにして決定される場合、少なくとも60μmのd90値を有する請求項1又は2記載の配合物。
【請求項4】
前記d90値が、少なくとも70μm、例えば少なくとも80μm、例えば90μm、好ましくは少なくとも100μm、例えば少なくとも110μm、例えば少なくとも120μm、より好ましくは少なくとも130μm、例えば少なくとも140μmである請求項3記載の配合物。
【請求項5】
超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩が、本明細書に記載のようにして決定される場合、少なくとも50−300μmの範囲のd90値を有する請求項1〜4のいずれか1項記載の配合物。
【請求項6】
前記d90値が、60−250μmの範囲、例えば70−200μmの範囲、例えば80−200μmの範囲、好ましくは90−200μmの範囲は、例えば100−200μmの範囲、例えば110−190の範囲、より好ましくは120−180μmの範囲、例えば130−170μmの範囲、例えば140−160μmの範囲である請求項5記載の配合物。
【請求項7】
超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩が、本明細書に記載のようにして決定される場合、少なくとも15μmのd50値を有する請求項1〜6のいずれか1項記載の配合物。
【請求項8】
前記d50値が、少なくとも20μm、例えば少なくとも25μm、例えば少なくとも30μm、好ましくは少なくとも35μmである請求項7記載の配合物。
【請求項9】
超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩が、本明細書に記載のようにして決定される場合、少なくとも15−100μmの範囲のd50値を有する請求項1〜8のいずれか1項記載の配合物。
【請求項10】
前記d50値が、20−90μmの範囲、例えば25−80μmの範囲、例えば30−70μmの範囲である請求項9記載の配合物。
【請求項11】
前記合計配合物の少なくとも55重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る請求項1〜10のいずれか1項記載の配合物。
【請求項12】
前記合計配合物の少なくとも60重量%、例えば少なくとも65重量%、例えば少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも75重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る請求項11記載の配合物。
【請求項13】
少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤をさらに含んで成る請求項1〜12のいずれか1項記載の配合物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤が、充填剤、結合剤、界面活性剤、砕解剤、潤滑剤及び滑剤から成る群から選択される請求項13記載の配合物。
【請求項15】
前記(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]が、医薬的に許容できるその塩の形で存在する請求項1〜14のいずれか1項記載の配合物。
【請求項16】
前記医薬的に許容できるその塩が、酸付加塩である請求項15記載の配合物。
【請求項17】
前記酸付加塩が、無機酸又は有機酸から形成される請求項16記載の配合物。
【請求項18】
前記(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]の医薬的に許容できる塩が、(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムである請求項17記載の配合物。
【請求項19】
前記配合物が顆粒である請求項1〜18のいずれか1項記載の配合物。
【請求項20】
前記配合物が錠剤である請求項1〜19のいずれか1項記載の配合物。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項記載の固体医薬配合物を含んで成る個体投与形。
【請求項22】
単位投与形で存在する請求項21記載の個体投与形。
【請求項23】
多単位投与形で存在する請求項21記載の個体投与形。
【請求項24】
前記投与形がペレットである請求項23記載の個体投与形。
【請求項25】
前記固体単位投与形が、経口投与のために適合される請求項21記載の個体投与形。
【請求項26】
前記固体単位投与形が、錠剤、カプセル又は香粉の形で存在する請求項22記載の個体投与形。
【請求項27】
前記単位投与形が、錠剤の形で存在する請求項26記載の錠剤。
【請求項28】
前記錠剤が被覆されている請求項27記載の錠剤。
【請求項29】
前記錠剤がフィルム被覆されている請求項28記載の錠剤。
【請求項30】
前記錠剤が、500−700mgの範囲の重量を有する請求項26〜29のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項31】
前記錠剤が、525−675mgの範囲、例えば525−650mgの範囲、例えば525−575mgの範囲、又は610−650mgの範囲の重量を有する請求項30記載の錠剤。
【請求項32】
前記錠剤が、300−600mgの(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムを含んで成る請求項26〜31のいずれか1項記載の錠剤。
【請求項33】
前記錠剤が、300−350mgの(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムを含んで成る請求項32記載の錠剤。
【請求項34】
前記錠剤が、310−350mg、例えば320−350mg、例えば330−340mg、好ましくは約335mgの(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムを含んで成る請求項33記載の錠剤。
【請求項35】
前記錠剤が、335mgの(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウム、176mgのラクトース一水和物、14mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、15mgのクロスカルメロースナトリウム及び10mgのステアリン酸マグネシウムを含んで成る請求項34記載の錠剤。
【請求項36】
前記錠剤が、500−600mg、例えば510−600mg、例えば520−600mg、好ましくは530−590mg、例えば540−580mg、例えば550−570mg、より好ましくは555−565mg、例えば約558.3mgの(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムを含んで成る請求項32記載の錠剤。
【請求項37】
前記錠剤が、558.3mgの(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウム、18mgのラクトース一水和物、16mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース、23.2mgのクロスカルメロースナトリウム及び11.5mgのステアリン酸マグネシウムを含んで成る請求項36記載の錠剤。
【請求項38】
合計顆粒の少なくとも50重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る顆粒の調製方法であって、
i)結合剤を含んで成る液体媒体を調製し、
ii)賦形剤、例えば充填材及び希釈剤、及び少なくとも50重量%の成分の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩の粉末混合物を、グラニューレーターにゆだね、
iii)前記液体媒体を粒質化工程にゆだね、そして
iv)任意には、押出し、そして顆粒を形状化し、
v)任意には、前記顆粒を乾燥し、
vi)任意には、追加の賦形剤、例えば砕解剤及び滑剤を、前記顆粒に添加し、
vii)任意には、前記顆粒を集める段階を含んで成る方法。
【請求項39】
前記粉末ブレンドが少なくとも55重量%の液体を除く媒体の成分の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記粉末ブレンドが、少なくとも60重量%、例えば少なくとも65重量%、例えば少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも75重量%、例えば少なくとも80重量%、例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩が、請求項3〜10のいずれか1項記載の通りである請求項38〜40のいずれか1項記載の方法。
【請求項42】
前記液体媒体が結合剤を含んで成る請求項38〜41のいずれか1項記載の方法。
【請求項43】
前記液体媒体が砕解剤を含まない請求項38〜42のいずれか1項記載の方法。
【請求項44】
前記液体媒体が滑剤を含まない請求項38〜43のいずれか1項記載の方法。
【請求項45】
砕解剤が、粒質化工程の間、好ましくはその工程の最後で添加される請求項38〜44のいずれか1項記載の方法。
【請求項46】
滑剤が、粒質化工程の間、好ましくはその工程の最後で添加される請求項38〜45のいずれか1項記載の方法。
【請求項47】
前記液体が水である請求項38〜46のいずれか1項記載の方法。
【請求項48】
前記粒質化工程が、高剪断粒質化、流動層乾燥、流動層粒質化、ローラー圧縮又は押出しにより実施される請求項38〜47のいずれか1項記載の方法。
【請求項49】
前記粒質化工程が、流動層粒質化により実施される請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記顆粒の少なくとも25%が、250μmの平均メッシュ幅を有する篩を用いてpH. Eur. Method 2.9.12に従っての篩分析により決定される場合、250μmよりも粗い請求項38〜49のいずれか1項記載の方法。
【請求項51】
前記顆粒の少なくとも30%、例えば少なくとも35%、例えば少なくとも40%が250μmよりも粗い請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記顆粒の25−70%が、250μmの平均メッシュ幅を有する篩を用いてpH. Eur. Method 2.9.12に従っての篩分析により決定される場合、250μmよりも粗い請求項38〜51のいずれか1項記載の方法。
【請求項53】
前記顆粒の30−70%、例えば35−70%、例えば40−70%、好ましくは40−65%、例えば40−60%が250μmよりも粗い請求項52記載の方法。
【請求項54】
請求項38〜53のいずれか1項記載の方法により得られる顆粒。
【請求項55】
請求項22記載の固体単位投与形の調製方法であって、
i)請求項38〜53のいずれか1項記載の方法に従って、合計顆粒の少なくとも50重量%の超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]、又は医薬的に許容できるその塩を含んで成る顆粒を調製し、
ii)前記顆粒を固体単位投与形中に配合する段階を含んで成る方法。
【請求項56】
前記固体単位投与形が、請求項25〜37のいずれか1項記載の通りである請求項55記載の方法。
【請求項57】
請求項55又は56記載の方法により得られる個体単位投与形。
【請求項58】
本明細書に記載のようにして決定される場合、50−300μmの範囲のd90値及び15−100μmの範囲のd50値を有する超微粉砕されていない(4−クロロフェニル)[4−(4−ピリジルメチル)−フタラジン−1−イル]琥珀酸水素アンモニウムの組成物。
【請求項59】
本明細書に記載のようにして決定される場合、前記d90値が100−200μmの範囲であり、そして前記d50値が30−70μmの範囲である請求項58記載の組成物。
【請求項60】
d50値、d90値、d95値及びd99が、本明細書における例1、例2又は例3に定義される通りである請求項59記載の組成物。
【請求項61】
薬剤としての使用のための、請求項1〜20のいずれか1項記載の配合物、請求項21〜37、又は57のいずれか1項記載の投与形、又は請求項58〜60のいずれか1項記載の組成物。
【請求項62】
癌の処理のための薬剤の製造のためへの、請求項1〜20のいずれか1項記載の配合物の使用、請求項21〜37、又は57のいずれか1項記載の投与形の使用、又は請求項58〜60のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項63】
治療的有効量の請求項1〜20のいずれか1項記載の配合物、請求項21〜37、又は57のいずれか1項記載の投与形、又は請求項58〜60のいずれか1項記載の組成物を、その必要な患者に投与することを含んで成る、癌の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−542420(P2008−542420A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515151(P2008−515151)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005600
【国際公開番号】WO2006/131393
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】