説明

超精密加工中の多物理場作用で単結晶ダイヤモンドツールの摩耗を抑制する方法

本発明は超精密加工の過程における単結晶タイヤモンドツールの磨損が抑制でき、具体的に言えば、超精密切削加工中に多物理場作用によって単結晶タイヤモンドツールの磨損を抑制する方法に関連するものである。つまり多物理場作用の装置を提供し、加工物の切削性能を変えることにより、フェラスメタルを切削する過程中に発生するタイヤモンドツールの磨損を抑制し、フェラスメタルの超精密切削の研究に新たな道を開拓することを狙っている。前述の目的を達成するために、本発明の技術ソリューションはタイヤモンドツールの周辺に異なる多物理場を施し、多物理場は電場、磁場あるいはレーザー放射などを含み、低エネルギー状態の転位形式を形成したことにより、結晶体の界面構造と界面エネルギーを変化させ、ナノスケール精度の切削過程で材料を固相変換を発生させる。従って、材料の切削性能が改善され、超精密加工中の単結晶タイヤモンドツールの磨損を抑制することができる。本発明は主に超精密加工に応用するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超精密加工の過程における単結晶ダイヤモンドツールの摩耗を抑制し、具体的に超精密切削加工中に多物理場作用で単結晶ダイヤモンドツール摩耗を抑制する方法に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
単結晶ダイヤモンドツールは広範的に超精密切削加工に使用され、高精度光学部品と高精度金型の加工における重要な方法である。しかし、フェラスメタル、特に工程材料に一番よく使用されている鉄鋼材料を加工する時、ツールの化学摩耗の現象は非常に明らかである。研究結果により、ツールの化学摩耗を発生した決定的な原因はダイヤモンドがある固相変換を生じた、またダイヤモンドの黒鉛化とも称する。
【0003】
長年以来、国内や国外の研究者たちはずっと摩耗形態と摩耗メカニズムの分析や、研究を行い、単結晶ダイヤモンドツールの摩耗を抑制する方法をいくつか提出したが、その効果はあまり期待できない。これらの方法は基本的に三種類に分けている:ツール材料に対する特殊処理、加工材料に対する特殊処理及び加工過程に対する改善。
【0004】
ツールの改善から着手し、例えば、保護コーティングを利用し、即ちTiN、TiCで拡散障壁を作るなどの方法。ドイツWZL実験室のKlockeらは物理気相析出法でダイヤモンドの表面にTiN保護層を形成させたことも、材料化学の面からの試しである。しかし、コーティングの付着力と硬さはダイヤモンドのマトリックスに大いに及ばないし、加工中、被削材と接触したツールのコーティングは非常に摩耗されやすいので、最終的にダイヤモンドツール摩耗の改善に効果が少ないため、実際の応用意義は限りがある。
【0005】
被加工材料を改善するために、ドイツBremen大学のE. Brinksmeier研究グループと天津大学房豊洲研究グループなどは材料の熱処理技術を利用し、鉄鋼材料の表面に窒化処理を行うことで、いい効果を期待できたが、実際の応用には困難がある。
【0006】
加工過程を改善するために、研究者は超低温環境で切削、窒素やアルゴンなどの保護気体の中で加工、ツール超音波振動などの方法を試した。アメリカのC. Evansらは液体窒素及び低温チャックシステムでダイヤモンドツールを冷却し、-140℃ぐらいの温度でステンレス部品を切削した。ダイヤモンドツールの摩耗に対する影響のファクタには温度しか考察しなかったので、摩耗を抑制する効果は限りがある。アメリカCalifornia大学のLawrence Livenmore国家実験室はメタンの気体を保護ガスにし、炭素飽和状態で加工実験を行い、一定的な効果を得た。ハルピン工業大学の袁哲俊らは霧化した液体窒素を切削部位に注入する方法を使用した。試験の結果から見ると、一定的な改善効果が現れたが、これらのような超低温と保護ガスを注入する方法は大量加工生産に適用しない。日本神戸大学のMoriwakiやShamotoは超音波振動アシスト加工技術を開発した、この方法はダイヤモンドツール摩耗の改善において他の方法より更に成功したと言われている。切削方向に沿ってツールに超音波振動を加え、ステンレス部品を切削し、あるいは楕円振動の方法で焼入鋼部品を切削することによりいい効果が得た。しかし、超音波振動は加工物の表面に波形を生じさせ、加工後の表面の粗さが悪化する恐れがあるため、光学レベルの表面粗さを得るのが困難だし、形状精度も保証できない。中国の北京航空航天大学、ハルピン工業大学と大連理工大学なども超音波振動アシスト切削方法を利用して、単結晶ダイヤモンドツールで鉄鋼材料を加工する研究を行っている。しかし、試験の結果から見ると、さらに改善する必要がある。そのほか、ドイツBremen大学のE. Brinksmeier研究グループは超低温、保護ガス及び超音波振動という三種類の方法を組み合わせ、試験を行ったが、単独に超音波振動を取り入れることより、改善は明らかではない。
【0007】
前述の方法では、加工材料の表面に窒化処理、加工区域にイナートガスの注入及びツールの超音波振動などは、根本的に大量生産中のツール摩耗の問題を解決できない。今まで有効的にナノ切削加工過程中の単結晶ダイヤモンドツール摩耗を抑制させ、或は減少する実用的な方法はまだ見つかっていない。
【発明の概要】
【0008】
現有の技術における欠陥を克服するため、本発明の目的は、単結晶ダイヤモンド超精密切削加工の多物理フィールド作用の方法を使い、フェラスメタル材料は切削する過程中に出てくるダイヤモンドツール摩耗を抑制し、フェラスメタル材料の超精密切削研究に新たな道を開拓することである。
【0009】
以上の目的を達成するため、本発明は以下のような技術方案を使った。ダイヤモンドツールの周辺に物理場を設置し、物理場は電場、磁場、レーザー誘導あるいは輻射、低エネルギー状態で転位形式を形成したことで、結晶の界面構造と界面エネルギーを変化させ、ナノスケールの精度がある切削過程中の材料に固相変換させる。これによって、材料の切削性能が改善され、超精密加工中の単結晶ダイヤモンドツールの摩耗を抑制することになる。
【0010】
前述のダイヤモンドツールの周辺に物理場を設置する方法とは:ダイヤモンドツールを囲み、周辺に一つあるいは多数の小型物理場アクチュエータを設置し、各アクチュエータはダイヤモンドツールに付着し、ダイヤモンドツールと同時に動く。それに、マイクロセッサで電機系統を制御することで組み合わせた後の一つあるいは多数の小型物理場アクチュエータユニットが空間的な位置と姿勢の変換を実現する。それで、一つあるいは多数の小型物理場アクチュエータは具体的な加工対象と加工環境によってダイヤモンドツールの空間的な位置と姿勢を調整することになる。さらに、物理場アクチュエータの属性によりそれに相応している信号発生電路あるいは変調電路を設計する。信号発生電路あるいは変調電路は物理場アクチュエータにいろいろな周波数、位相と振幅の励起信号を提供する。
【0011】
前述の信号発生電路あるいは変調電路から励起信号を提供する形式は:直流信号、交流信号あるいはパルス信号。前述の信号発生電路あるいは変調電路は直流信号の電流あるいは電圧信号の振幅を調整する。前述の信号発生電路あるいは変調電路は交流信号の電流あるいは電圧信号の振幅、周波数と位相を調整する。前述の信号発生電路あるいは変調電路はパルス信号電流あるいは電圧信号の振幅、周波数、位相とデュティサイクルを調整する。
【0012】
前述のダイヤモンドツールの周辺に設置された物理場は電磁コイルでマイクロ接触加工区域に磁場を形成し、信号発生電路で励起信号、電磁コイルの数、面積と透磁率を調整する。
【0013】
前述のダイヤモンドツールの周辺に設置された物理場は電極でマイクロ接触加工区域に磁場を形成し、信号発生電路で励起信号を調整する。
【0014】
前述のダイヤモンドツールの周辺に設置された物理場はレーザー器でレーザーをマイクロ接触加工区域に照射させ、変調電路で励起信号を調整し、いろいろな変調方式を利用する。変調方式は連続的な変調、パルス変調あるいはパルスコーディング変調である。
【0015】
以下は本発明の技術効果:本発明はマイクロ接触加工区域にいろいろな物理場を設置する。たとえば、電場、磁場、レーザー輻射など。それでダイヤモンドツールでフェラスメタル材料への切削に影響を与え、ツール結晶界面の構造とエネルギーを変化し、ダイヤモンドの黒鉛化を抑制する。これによって、材料の切削性能を改善することができ、加工精度と加工表面の質量を高め、安定したナノスケールの超精密切削を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】単結晶ダイヤモンドは元素によっての切削性能の略図[1]
【図2】炭素の温度―圧力相図[2]
【図3】調整可能な電磁場はナノ切削過程に作用する原理略図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明はナノ精度切削のメカニズム及びツールの摩擦摩耗の理論を分析した結果を取り入れ、電磁場は材料変換過程に対する影響理論を参照し、電場、磁場やレーザー輻射などの物理場が作用する元で、低エネルギー状態での転位形式を形成する。これによって、結晶界面の構造とエネルギーを変化し、ナノスケールの精度がある切削過程中に材料の固体変換を起こすことで、材料の切削性能を改善し、ダイヤモンドツールの使用寿命を延ばし、安定したナノスケールの精度がある切削を実現することができる。分子や原子の角度から物理場の作用したナノスケールの精度切削の動作を理論分析し、物理場付けはツール摩耗メカニズムに対する影響の規則を確定する。その理論分析に基づき、物理場付けのナノ切削実験システムを構築し、ツール及び被削材のフェラスメタル材料の物理化学特性は物理場の違いによっての反応関係を分析し研究する。それに、総合的に実験の整備性能などの変数の影響を考え、ナノでフェラスメタル材料を切削する最善のプロセッシング変数を確定する。
【0018】
物理場はマイクロ接触加工区域に作用するところは本発明の肝心な一環である。物理場の違いによって操作方式も違うので、以下、可変磁場を例に分析する。
【0019】
磁場は十分な強度でマイクロ接触加工区域に作用できるように、磁場全体のロード部分は一つあるいは多数の小型電磁コイルが組み合わせたものであり、ツールに付着し、ツールと同時に動く必要がある。それに、具体的な加工対象と加工環境によって空間的な位置と姿勢を調整できる。これらの電磁コイルは空間的な分布と組み合わせの違いによって特定加工区域の磁場分布を変化させるほか、電磁コイルの属性によって信号発生電路を設計する。電路はいろいろな周波数と振幅の励起電流信号を提供する。たとえば、直流信号、交流信号、パルス信号など。レーザーからの時変制御可能な磁場はマイクロ加工区域に作用し、材料の物理や熱化学性能に影響を与える。本発明の重要な革新ポイントとして、この可変な磁場がツールの摩耗を抑制する方法は常態加工の環境で応用できる、図3を参照されたい。
【0020】
具体的な実現過程はマイクロプロセッサで信号発生電路をコントロールしマルチチャンネルの時変信号の輸出を実現する。電磁コイルの巻数、面積と透磁率などの変数は現場環境と加工対象によって変調できる。電流信号は方形波パルス、三角波、生弦波、鋸歯状の波などいろいろな波形をしている。それに、それらの振幅、周波数、位相とデュティサイクルは可変の変数である。マイクロプロセッサは電機システムで多コイル組み合わせの空間的な位置と姿勢の変換を制御させることができる。
【0021】
レーザー誘導あるいは輻射物理場のロードの方式に対して、変調電路付けを利用し、レーザーの強度、周波数などの変数を変化させる。変調波で変数の違いを制御する。レーザー変調は振幅変調、周波数変調と位相変調に分ける。搬送波の振動輸出方式の違いによって連続変調、パルス変調とパルスコーディング変調などがある。それに、具体的な加工対象と加工環境によって変調方式を選択しマイクロ接触加工区域にレーザーを照射させる。
本発明は単結晶ダイヤモンドツールで一つの自由曲面の部品を加工できる。加工された部品の材料はステンレス鋼である。
【0022】
ダイヤモンドツールの修光の刃の円弧半径は1mm、切削の鈍円半径は20nm、切り込み(ap)は10nm、送り速度(vp)は1ミクロン/転。
【0023】
部品加工区域の曲率の変化により、ステッピングモータ制御を採用し、コイルあるいはレーザー器の空間的な位置と姿勢を調整する。
【0024】
コイル変数:コイルの中径は8mm、コイルの軸の方向の長さは12mm、コイル巻数は1962、インダクタンスは12.6mH。
電場変数:電場強度は30MV・m-1
レーザー変数:Nd:YAGレーザー器を使用し、レーザー光線はステンレス鋼に作用するレーザーのパワー密度は103W・cm-2
【0025】
以下は本発明に関する基礎理論の分析した結果:
【0026】
1.異なる材料のマイクロ電子の状態はダイヤモンド切削に対する影響
図1より、単結晶ダイヤモンドツールはフェラスメタルの切削に適応していることが分かる。合理的にそれを解釈するため、異なる元素の原子分子の物理化学性質について徹底した分析が必要である。表1には一部分の元素原子の基本状態の電子構成が示されている。その中から統計の法則が分かる。ダイヤモンドは切削が可能な材料(ワイドフレーム太字)の原子の外側の層にある電子軌道は充填されている。たとえば、銅の原子価d軌道に電子は10であり、飽和状態となる。一方、ダイヤモンドは切削が不可能な材料原子の外側の層にある電子軌道は充填されていない。たとえば、鉄の原子価d軌道に電子は6しかない。ここで指摘が必要なのは、切削が不可能なフェラスメタルはほとんど遷移金属であること。これらはd軌道が充填されていないことで、性質はほかの元素と明らかな差がある。空いているd軌道があるため、電子の安定した状態になるように、ハイブリッド軌道を採用し、電子を受け取りる傾向がある。すなわち、遷移金属は複合体になりやすい。
【0027】
従って、フェラスメタルのマイクロ電子状態及びバンドの分布によって、外部条件は十分なエネルギーが提供できる時、彼らは外部の電子を強力的に吸収する能力を持ち、安定状態に達する。この特性はダイヤモンドツールにある炭素原子の共有結合が壊れて、再編してグラファイトのマイクロレベルを生成する原動力となる。
【0028】
【表1】

【0029】
2.異なる材料の巨視的電気学特性はダイヤモンド切削に対する影響の分析
一般的に言えば、金属はよい電気伝導性がある。金属材料の電気学性能はその成分、原子構造、バンド構造及び組織状態によって異なる。外部要因(例えば温度、圧力、ひずみ、熱処理)は金属材料の内部構造または構成状態を変更することを通してその電気学性能に影響する。
【0030】
フェラスメタルは普通の純粋な金属より高い抵抗の温度係数を持っている。300Kの温度で、Mn、Fe、Ni金属の抵抗はすでにAl、Cuなどのノンフェラスメタルより明らかに高い。また、切削に伴って、温度も徐々に上昇するため、フェラスメタルの抵抗値がさらに速いスピードで増加する。
【0031】
これは参照指標として分析できるようである。
【0032】
従って、フェラスメタルの抵抗値はノンフェラスメタルより高い。結晶体にある実効キャリアの数が少ない。つまり電子を失う可能性が下がった。すると、外部にある電子をもらう能力が強くなる。この特性はダイヤモンドツールにある炭素原子の固相変化も促進する。
【0033】
3.ダイヤモンドとグラファイトの性能分析及び高温、高圧での転化メカニズム分析
ダイヤモンドとグラファイトはカーボンの同素体であるが、結晶内の原子の排列方式が異なる。ダイヤモンドは炭素原子の共有結合によって形成された四面体の空間網状構造の原子結晶体である。グラファイトは層状構造の遷移型結晶体である。層内の炭素原子は共有結合で正六角形の網構造を形成する。層間隔は比較的に大きい。分子間の力の働きに相当する。ダイヤモンドは最大の硬度を持っている物質で、導電ができない。一方で、グラファイトの硬度はわりに弱い。層と層の間は滑り合える。導電性能もよい。彼らは炭素元素からなるもので、化学特性の相違は大きくない。
【0034】
ダイヤモンドの各炭素原子はハイブリッド軌道と四つの炭素原子から共有原子価の単一結束を形成している。各原子は二つの価電子をもらう。グラファイトの炭素原子はsp2ハイブリッド軌道と隣接した三つの炭素原子がσボンドで結合する。炭素原子ごとに2p軌道がある。そのうち、2p電子が一つある。これらのp軌道は互いに平行し、炭素原子sp2のハイブリッド軌道からなる平面に垂直して、大きなπポンドを形成する。それゆえ、これらのπ電子は全体の炭素原子面で活動でき、金属ポンドの性質に似ている。各原子は8/3分の価電子をもらう。従って、グラファイトの結合エネルギーはダイヤモンドより大きい。グラファイトは層内のファンデル・ワールス力があるが、グラファイトの層内共有結合はダイヤモンドのより短いし、高エネルギーで、化学的な性質は比較的安定している。グラファイトには移動できる電子があるから、導電できる。
【0035】
ダイヤモンドとグラファイトの相互転化は相転移に属し、エネルギー削減の方向に向かって発展し、抵抗最小の方向にそって行進する。図2は炭素の温度・圧力の相図である。この図から、高温条件で、圧力がすぐ下がると、深刻な黒鉛化現象を引き起こすということがわかる。
【0036】
4.材料電磁プロセッシングの応用
材料電磁プロセッシング(電磁材料加工、EPM)は、電場または磁場を材料の製作、加工のプロセスを取り入れ、材料の製作または加工プロセスとプロダクトの品質管理、及び材料組織と性能の改善を実現する。
【0037】
材料電磁プロセッシングの科学基礎は電磁気学、流体力学、熱力学、トランスポートと変換理論、及びプラズマ・エンジニリングなどの領域を含む。まとめてみると、材料電磁プロセッシングにある電磁場が材料に対する役割は主に電磁力、熱量を生じ、変換と輸送プロセスの特別な機能(例えば、電移転など)である。材料電磁プロセッシングの応用範囲も非常に広い。液体材料の凝固過程だけではなく、固体材料の加工プロセスにも使われる。何年かの発展で、材料電磁プロセッシングはすでに多学科交差、プロセッシング手段繁多及び応用領域広範の体系となった。採用された電場または磁場はその特性に基づいて、直流電解、交流電場、パルス電場及び直流磁場、交流磁場、固定磁場、移動磁場、回転磁場と分類できる。多くの関連研究はすでに磁場がFe-C原子の性質と状態に影響を与えることができると証明した。
【0038】
参考文献:
[1] Paul E, Evans C, MangamelliA et al.Chemical Aspects of Tool Wear in Single Point Diamond Turning. Precision Engineering, 1996, 18(1): 4-19.
[2] 高圧物理学報,2004,18(3):210-219


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種の超精密切削加工中に外部追加の多物理場作用によって単結晶ダイヤモンドツールの磨耗を抑制する方法であって、特徴としては、ダイヤモンドツールと被加工物との接触点の付近に、その範囲は接触点を円心として、半径はミリメートルまたはミクロンの小さなエリアに、異なる外部追加の物理場を設置することであり、物理場のロードの方式は電場、磁場またはレーザー放射であり、低エネルギー状態で転位形式を形成したことで、結晶体の界面構造と界面エネルギーを変化させ、ナノスケールの精度がある切削過程中に材料の固体変換を起こし、これによって、材料の切削性能が改善され、超精密加工中の単結晶ダイヤモンドツールの摩耗を抑制することになる。
【請求項2】
請求項1記載の、一種の超精密切削加工中に外部追加の多物理場作用によって単結晶ダイヤモンドツールの磨耗を抑制する方法であって、特徴は、前述のダイヤモンドツールの周辺の小さなエリアに一種或いは多種の物理場を設置する方法とは:ダイヤモンドツールの周辺の小さなエリアをめぐって、一つあるいは多数の小型物理場アクチュエータを設置し、各アクチュエータはダイヤモンドツールに付着し、ダイヤモンドツールと同時に動き、それに、マイクロセッサで電機系統を制御することで組み合わせた後の一つあるいは多数の小型物理場アクチュエータユニットが空間的な位置と姿勢の変換を実現し、それで、一つあるいは多数の小型物理場アクチュエータは具体的な加工対象と加工環境によってダイヤモンドツールの空間的な位置と姿勢を調整することになり、さらに、物理場アクチュエータの属性によりそれに相応している信号発生電路あるいは変調電路を設計し、信号発生電路あるいは変調電路は物理場アクチュエータにいろいろな周波数、位相と振幅の励起信号を提供する。
【請求項3】
請求項2記載の、一種の超精密切削加工中に外部追加の多物理場作用によって単結晶ダイヤモンドツールの磨耗を抑制する方法であって、特徴は、前述の信号発生電路あるいは変調電路から励起信号を提供する形式は:直流信号、交流信号あるいはパルス信号であり、前述の信号発生電路あるいは変調電路は直流信号の電流あるいは電圧信号の振幅を調整し、前述の信号発生電路あるいは変調電路は交流信号の電流あるいは電圧信号の振幅、周波数と位相を調整し、前述の信号発生電路あるいは変調電路はパルス信号電流あるいは電圧信号の振幅、周波数、位相とデュティサイクルを調整する。
【請求項4】
請求項2記載の、一種の超精密切削加工中に外部追加の多物理場作用によって単結晶ダイヤモンドツールの磨耗を抑制する方法であって、特徴は、前述のダイヤモンドツールの周辺の小さなエリアに設置された物理場は電磁コイルでマイクロ接触加工区域に磁場を形成し、信号発生電路で励起信号、電磁コイルの巻数、面積と透磁率を調整する。
【請求項5】
請求項2記載の、一種の超精密切削加工中に外部追加の多物理場作用によって単結晶ダイヤモンドツールの磨耗を抑制する方法であって、特徴は、前述のダイヤモンドツールの周辺の小さなエリアに設置された物理場は微小電極でマイクロ接触加工区域に磁場を形成し、信号発生電路で励起信号を調整する。
【請求項6】
請求項2記載の、一種の超精密切削加工中に外部追加の多物理場作用によって単結晶ダイヤモンドツールの磨耗を抑制する方法であって、特徴は、前述のダイヤモンドツールの周辺の小さなエリアに設置された物理場はレーザー誘導またはレーザーをマイクロ接触加工区域に照射させ、変調電路で励起信号を調整し、いろいろな変調方式を利用し、変調方式は連続的な変調、パルス変調あるいはパルスコーディング変調である。


【図3】
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【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−533440(P2012−533440A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520897(P2012−520897)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/CN2010/075086
【国際公開番号】WO2011/116567
【国際公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(505245449)天津大学 (3)
【氏名又は名称原語表記】Tian Jin University
【住所又は居所原語表記】92, Weijin Road, Nankai District Tianjin 300072 CHINA
【Fターム(参考)】