説明

超電導線材

【課題】電流がより流れやすいBi2223超電導線材とし、臨界電流値を向上する超電導線材を提供する。
【解決手段】超電導線材10は、Bi2223相よりなる超電導結晶を含む超電導線材であって、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm以上であり、21.1μm以上とすることが好ましい。また、Bi2223相よりなる超電導結晶のXRDロッキングカーブで測定された(0.0.24)ピークのFWHMが18°以下である。また、Bi2212相よりなる超電導結晶をさらに含み、X線回折によりθ/2θスキャン法で測定されるBi2223相およびBi2212相のピーク強度において、Bi2223(0.0.14)/(Bi2223(0.0.14)+Bi2212(0.0.12))により求められる値が0.95以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導線材に関し、たとえば大きな粒径の超電導結晶を含むBi2223超電導線材に関する。
【背景技術】
【0002】
Bi2223超電導体は、異方性が非常に強い物質であることが知られており、そのa−b面(CuOの結晶面)方向には電流を流しやすく、c軸方向には電流を流しにくい。そのため、a−b面方向に接合した複数のBi2223結晶が存在する場合に、その結晶間の接合にずれがあると電流が流れにくくなる。また、複数のBi2223超電導体におけるa−b面方向およびc軸方向の結晶間に非超電導物質が存在すると、電流経路が阻害される。そのため、Bi2223超電導体における電流の流れやすさは、接合ずれ角や、非超電導物質などに影響を受ける。
【0003】
非特許文献1に開示されているBi2223超電導線材では、a−b面と平行な面のBi2223相の結晶は、10μm×10μm×1μmの大きさであることが開示されている。なお、この結晶の大きさは、入射電子が原子の熱振動によって非弾性散乱を受け、その後ブラック反射されることによって生じる図形の大きさとしている。
【非特許文献1】T T Tan,S Li,J T Oh,W Gao,H K Liu and S X Dou, "Crystallographic orientation mapping with an electron backscattered diffraction technique in (Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3O10superconductor tapes", Superconductor Science and Technology,vol.14, (2001), pp79.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献1に開示のBi2223超電導線材では、Bi2223相の結晶が小さいため、a−b面方向における結晶間の接合数が増大して、結晶接合ずれ角が大きくなるという問題がある。また、非超電導物質により電流経路が減少した場合に、結晶接合ずれ角が大きいと、電流がより流れにくくなるという問題がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、電流がより流れやすいBi2223超電導線材とし、臨界電流値を向上する超電導線材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にしたがった一の局面における超電導線材は、Bi2223相よりなる超電導結晶を含む超電導線材であって、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm以上である。
【0007】
本発明にしたがった他の局面における超電導線材は、Bi2223相よりなる超電導結晶を含む超電導線材であって、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が21.1μm以上である。
【0008】
本発明の超電導線材によれば、Bi2223超電導線材において、電流を流しやすいa−b面に平行な断面におけるBi2223相の超電導結晶の平均粒径は、従来のBi2223相の超電導結晶の平均粒径よりも大きい。そのため、a−b面に平行な方向における結晶間の接合数を減少でき、結晶接合ずれ角を小さくできる。また、非超電導物質による電流経路が減少した場合であっても、結晶接合ずれ角を小さくできるので、電流が通る粒界を減少でき、電流が流れにくくなることを防止できる。よって、電流が流れやすいBi2223超電導線材とでき、臨界電流値を向上できる。
【0009】
なお、上記「平均粒径」とは、a−b面に平行な断面の200μm四方の視野において、各結晶粒における目視可能な粒界の最大の長さを測定し、25視野採って測定したときの平均の長さを意味する。
【0010】
上記超電導線材において好ましくは、Bi2223相よりなる超電導結晶のXRDロッキングカーブで測定された(0.0.24)ピークのFWHMが18°以下である。FWHMを18°以下とすることによって、超電導線材の長手方向におけるBi2223相よりなる超電導結晶の並び(a−b方向に平行な面)である面内配向性が良好となる。そのため、臨界電流値をより向上できる。
【0011】
なお、上記「FWHM(半波高全幅値)」とは、XRDロッキングカーブで測定された(0.0.24)ピークの半値幅を意味し、面内配向性を示す指標となる。FWHMの値が小さいほど面内での配向性が良好であることを示す。
【0012】
上記超電導線材において好ましくは、Bi2212相よりなる超電導結晶をさらに含み、X線回折によりθ/2θスキャン法で測定されるBi2223相およびBi2212相のピーク強度において、Bi2223(0.0.14)/(Bi2223(0.0.14)+Bi2212(0.0.12))により求められる値が0.95以上である。値を0.95以上とすることによって、超電導線材におけるBi2223相が十分に含まれて、電流がより多く流れる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の超電導線材によれば、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が大きいため、電流が流れやすいBi2223超電導線材とでき、臨界電流値を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態における超電導線材を示す概略図である。図2は、図1における線分II−IIにおける断面図である。図3は、図2におけるある視野における拡大模式図である。図4は、本発明の実施の形態のa−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の概略模式図である。図5は、本発明の実施の形態の超電導線材のある領域における電流の流れを説明するための図である。図6は、従来の超電導線材のある領域における電流の流れを説明するための図である。図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態における超電導線材を説明する。実施の形態における超電導線材10は、Bi2223相よりなる超電導結晶を含む超電導線材であって、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm以上である。
【0016】
実施の形態では、図1に示すように、超電導線材10は、フィラメント1と、シース部2とを備えている。シース部2は、たとえば銀などからなり、フィラメント1を被覆している。
【0017】
フィラメント1を構成する結晶は、超電導線材10の幅方向と同じ方向に延在するa−b面と、超電導線材10の厚さ方向(図1において上下方向)と同じ方向に延在するc軸とを有している。超電導線材10において電流は主にa−b面と平行な方向を流れる。
【0018】
フィラメント1は、Bi−Pb−Sr−Ca−Cu−O系の組成よりなっており、(ビスマスと鉛):ストロンチウム:カルシウム:銅の元素比がほぼ2:2:2:3の比率で近似して表わされるBi2223相よりなる超電導結晶を含む。
【0019】
また、フィラメント1は、Bi2223相に変わりきらないため、(ビスマスと鉛):ストロンチウム:カルシウム:銅の元素比がほぼ2:2:1:2よりなるBi2212相よりなる超電導結晶を含む場合もある。この場合には、X線回折によりθ/2θスキャン法で測定されるBi2223相およびBi2212相のピーク強度において、Bi2223(0.0.14)/(Bi2223(0.0.14)+Bi2212(0.0.12))により求められる値が0.95以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.96以上であり、最も好ましくは0.98以上である。0.95以上とすることによって、Bi2223相からなる超電導結晶が多くなるので、電流がより流れやすくなる。0.96以上とすることによって、電流がより一層流れやすくなる。0.98以上とすることによって、電流が非常に流れやすくなる。
【0020】
Bi2223相よりなる超電導結晶のXRDロッキングカーブで測定された(0.0.24)ピークのFWHMが18°以下であることが好ましく、さらに好ましくは10°以上16°以下である。FWHMは、Bi2223相からなる超電導結晶の延びる方向の、超電導線材10の延びる方向(超電導線材10に電流が流れる方向)に対する傾角である。FWHMを18°以下とすることによって、面内配向性に優れ、電流がより流れやすくなる。FWHMを16°以下とすることによって、電流をより一層流れやすくできる。一方、10°以上とすることによって、超電導線材10を製造しやすい。
【0021】
次に、フィラメント1を構成する結晶について詳細に説明する。図2に示すように、フィラメント1において、a−b面方向と平行な方向での断面であって、顕微鏡で観察するために、1mm四方の試料を取り出す。なお、顕微鏡としては、たとえば走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)を用いることができる。そして、図2に示す試料の200μm四方のある視野20において、図3に示すように、Bi2223相よりなる超電導結晶の各結晶粒における目視可能な粒界の長さx1〜x9をそれぞれ測定する。この長さx1〜x9のうち、最大の長さ(図3ではたとえば長さx1)をある視野20における長さとする。なお、視野20に存在するBi2223相よりなる超電導結晶30は、図4に示すように、a−b面方向の長さxは20μm以上であることが好ましい。そして、視野20を25採って測定したときの平均の長さをBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径とすると、平均粒径は20μm以上であり、好ましくは21.1μm以上であり、さらに好ましくは27μm以上50μm以下である。平均粒径が20μmよりも小さいと、電流を流したときに、a−b面方向における結晶間の接合数を減少できず、結晶接合ずれ角を小さくすることができない。平均粒径を21.1μm以上とすることによって、電流を流したときに、a−b面方向における結晶間の接合数を減少でき、結晶接合ずれ角を小さくすることができる。一方、平均粒径を50μm以下とすることによって、現実的に作製可能な結晶とできる。
【0022】
また、図5に示すように、超電導線材10におけるある領域40を見たときに、a−b面方向およびc軸方向のBi2223相からなる超電導結晶間に非超電導物質41が存在すると、電流(図5における矢印)は非超電導物質41を回避して3の結晶42〜44、すなわち2の粒界を介して流れる。一方、図6に示すように、従来のBi2223相からなる超電導結晶の平均粒径が小さい場合には、従来の超電導線材における領域40と同じ範囲の領域50を見たとき、非超電導物質51が存在すると、電流(図6における矢印)は、非超電導物質51を回避するため9の結晶52,53,55〜58,60,62,63、すなわち8の粒界を流れる。このように、実施の形態の超電導線材に電流を流すと、従来の超電導線材と比較して、粒界をまたぐ数を減少できる。そのため、超電導線材10に非超電導物質が存在している場合であっても、電流が流れにくくなることを防止できる。
【0023】
次に、本発明の実施の形態における超電導線材10の製造方法について説明する。まず、酸化物超電導体の原材料粉末(前駆体)を準備し、これを金属管に充填する。具体的には、たとえばBi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.7:0.4:1.9:2.0:3.0の組成比になるように原料粉末を混合する。これに700〜860℃程度の熱処理を複数回施し、多量の(BiPb)2Sr2Ca1Cu2Z(Bi−2212相)と少量の(BiPb)2Sr2Ca2Cu3Z(Bi−2223相)および非超電導相から構成される粉末を準備する。この粉末を準備する工程では、噴霧した液滴を加熱炉内に導入し、溶媒の蒸発および、化学反応により微粒子を核生成・成長させた後、焼結して組織と形状を整える噴霧熱分解法(CSP法)を用いることが好ましい。また、クエンチ現象による発熱を速やかに取り去ることができる観点から、金属管としては熱伝導率の高い銀や銀合金などを用いることが好ましい。
【0024】
次に、粉末が充填された金属管を伸線加工して、原材料粉末を芯材として銀などの金属で被覆された単芯線を作製する。次に、この単芯線を多数束ねて、たとえば銀などの金属よりなる金属管内に嵌合する。これにより、原料材粉末を芯材として多数有する多芯構造の線材が得られる。
【0025】
次に、所望の直径にまで多芯構造の線材を伸線加工し、原材料粉末がたとえば銀などのシース部2に埋め込まれた多芯線を作製する。これにより、超電導線材10の原材料粉末を金属で被覆した形態を有する長尺の多芯線の線材が得られる。そして、この多芯線の線材を圧延することによって、原材料粉末の密度が高められ、テープ形状の線材が得られる。
【0026】
次に、この多芯線の線材をたとえば99.9%窒素ガスと0.1%酸素ガスとからなる雰囲気ガスを用いて1atmの雰囲気下で、760℃程度の温度で2時間、上記線材を熱処理する。760℃の高温で熱処理することによって、原材料粉末からBi2212相が結晶成長し、フィラメント1となる。以上の製造工程を実施することにより、図1に示す超電導線材10が得られる。
【0027】
以上説明したように、本発明の実施の形態における超電導線材10によれば、Bi2223相よりなる超電導結晶を含む超電導線材であって、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm以上である。これにより、超電導線材10におけるBi2223相の超電導結晶の平均粒径は、従来のBi2223相の超電導結晶の平均粒径よりも充分に大きい。そのため、電流が流れる際に、a−b面方向における結晶間の接合数を減少でき、電流が流れる結晶粒界の数を減少できる。また、a−b面方向における結晶間の接合数を減少でき、結晶接合ずれ角を小さくできる。さらに、非超電導物質41による電流経路が減少した場合であっても、接合ずれ角を小さくできるので、電流が通る粒界を減少でき、電流が流れにくくなることを防止できる。よって、超電導線材10は、電流がより流れやすいBi2223超電導線材とでき、臨界電流値を向上できる。
【0028】
なお、上記非先行技術文献1に開示されているBi2223超電導線材におけるa−b面と平行な面のBi2223相の結晶は、本発明のBi2223相からなる超電導結晶の平均粒径と比較可能な測定法により測定されている。そのため、本発明の実施の形態におけるBi2223相の超電導結晶の平均粒径は、非先行技術文献1のBi2223相の超電導結晶の粒径の約2倍以上である。
【0029】
[実施例]
本発明の実施例では、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm以上であることの効果について調べた。
【0030】
(実施例1)
本発明の実施例1の超電導線材は、本発明の実施の形態1の製造方法にしたがって製造した。なお、熱処理の条件として、酸素濃度8%において828℃で50時間とした。そして、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が21.1μmの超電導線材を得た。
【0031】
(実施例2)
実施例2の超電導線材は、実施例1の超電導線材と基本的には同様であるが、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径を27.3μmとした点においてのみ異なる。なお、熱処理の条件として、酸素濃度8%において828℃で70時間とした。
【0032】
(実施例3)
実施例3の超電導線材は、実施例1の超電導線材と基本的には同様であるが、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径を20.0μmとした点においてのみ異なる。なお、熱処理の条件として、酸素濃度8%において828℃で150時間とした。
【0033】
(比較例1)
比較例1の超電導線材は、実施例1の超電導線材と基本的には同様であるが、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が本発明の範囲外の5.1μmとした点においてのみ異なる。なお、熱処理の条件として、酸素濃度8%において822℃で50時間とした。
【0034】
(比較例2)
比較例2の超電導線材は、実施例1の超電導線材と基本的には同様であるが、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が本発明の範囲外の8.6μmとした点においてのみ異なる。なお、熱処理の条件として、酸素濃度8%において822℃で70時間とした。
【0035】
(比較例3)
比較例3の超電導線材は、実施例1の超電導線材と基本的には同様であるが、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が本発明の範囲外の15.5μmとした点においてのみ異なる。なお、熱処理の条件として、酸素濃度8%において822℃で200時間とした。
【0036】
(比較例4)
比較例4の超電導線材は、実施例1の超電導線材と基本的には同様であるが、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径を19.5μmとした点においてのみ異なる。なお、熱処理の条件として、酸素濃度8%において828℃で35時間とした。
【0037】
(測定方法)
実施例1,2および比較例1〜3の超電導線材について、温度が77Kで、自己磁場中において、臨界電流値を測定した。臨界電流値は、10-6V/cmの電界が発生したときの通電電流値とした。その結果を表1および図7に示す。なお、図7は、本発明の実施例におけるa−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径とその臨界電流値との関係を示す図である。図7中、縦軸は臨界電流値(単位:A)を、横軸はa−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径(単位:μm)としている。
【0038】
【表1】

【0039】
(測定結果)
表1および図7に示すように、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm以上である実施例1,2は、臨界電流値が非常に高かった。また、図7から明らかなように、平均粒径が大きいほど臨界電流値は高くなるが、平均粒径が20μm以上となる点を境界として、臨界電流値が飛躍的に向上していることがわかった。一方、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm未満の比較例1〜3は、実施例1,2と比較して、臨界電流値が低かった。
【0040】
以上説明したように、本発明の実施例によれば、a−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm以上である超電導線材は、その臨界電流値を向上できることが確認できた。
【0041】
以上に開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態における超電導線材を示す概略図である。
【図2】図1における線分II−IIにおける断面図である。
【図3】図2におけるある視野における拡大模式図である。
【図4】本発明の実施の形態のa−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の概略模式図である。
【図5】本発明の実施の形態の超電導線材のある領域における電流の流れを説明するための図である。
【図6】従来の超電導線材のある領域における電流の流れを説明するための図である。
【図7】本発明の実施例におけるa−b面に平行な断面におけるBi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径とその臨界電流値との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 フィラメント、2 シース部、10 超電導線材、20 視野、30 超電導結晶、40,50 領域、41,51 非超電導物質、42〜44,52〜63 結晶、x1〜x9 長さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bi2223相よりなる超電導結晶を含む超電導線材であって、
a−b面に平行な断面における前記Bi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が20μm以上である、超電導線材。
【請求項2】
Bi2223相よりなる超電導結晶を含む超電導線材であって、
a−b面に平行な断面における前記Bi2223相よりなる超電導結晶の平均粒径が21.1μm以上である、超電導線材。
【請求項3】
前記Bi2223相よりなる超電導結晶のXRDロッキングカーブで測定された(0.0.24)ピークのFWHMが18°以下である、請求項1または2に記載の超電導線材。
【請求項4】
Bi2212相よりなる超電導結晶をさらに含み、
X線回折によりθ/2θスキャン法で測定される前記Bi2223相および前記Bi2212相のピーク強度において、Bi2223(0.0.14)/(Bi2223(0.0.14)+Bi2212(0.0.12))により求められる値が0.95以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の超電導線材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−242526(P2007−242526A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65950(P2006−65950)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】