説明

超音波を利用して治療部位の温度をモニタリングする方法及び装置、超音波を利用した治療及び診断のシステム

【課題】 超音波を利用して治療部位の温度をモニタリングする方法及び装置、超音波を利用した治療及び診断のシステムを提供する。
【解決手段】 治療部位に向かって照射された診断用超音波のエコー信号を獲得し、獲得されたエコー信号から候補温度映像を生成し、生成された候補温度映像を併合することによって最終温度映像を生成する、超音波を利用した温度モニタリング方法及び装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を利用して治療部位の温度をモニタリングする方法及び装置、並びに超音波を利用した治療及び診断のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医学の発達と共に、腫瘍に対する局所治療は、開腹手術(laparotomy)のような浸襲的手術(invasive surgery)方法から最小浸襲的手術(minimal-invasive surgery)まで発展してきた。そして、現在では、非浸襲的手術(non-invasive surgery)も開発され、ガンマナイフ(gamma knife)、サイバーナイフ(cyber knife)、HIFUナイフ(high intensity focused ultrasound knife)などが出現するに至った。特に、このうち、最近商用化されたHIFUナイフは、超音波を利用することによって、人体に無害であって環境親和的治療法として広く使われている。
【0003】
HIFUナイフを利用したHIFU治療は、高強度の集束超音波(HIFU)を、治療しようとする腫瘍部位に、焦点を合わせて照射し、腫瘍組織の局所的破壊(focal destruction)または壊死(necrosis)を引き起こさせ、腫瘍を除去及び治療する手術法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、腫瘍が治療される間、腫瘍及び周辺の温度をリアルタイムでモニタリングすることができる温度モニタリング方法及び装置を提供するところにある。また、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供するところにある。さらには、超音波を利用して腫瘍を治療及び診断するシステムを提供するところにある。本実施例が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されるものではなく、他の技術的課題も存在しうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面によれば、超音波を利用した温度モニタリング方法は、治療部位に向かって照射された診断用超音波のエコー信号を獲得する段階と、互いに異なる温度検出方式を利用し、前記獲得されたエコー信号から、前記温度検出方式それぞれに対応する候補温度映像を生成する段階と、前記生成された候補温度映像に、前記温度検出方式それぞれの正確度を適用することによって、前記生成された候補温度映像を併合(merge)する段階と、前記併合された結果に基づいて、最終温度映像を生成する段階と、を含む。
【0006】
本発明の他の一側面によれば、前記温度モニタリング方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0007】
本発明のさらに他の一側面によれば、超音波を利用した温度モニタリング装置は、治療部位に向かって照射された診断用超音波のエコー信号を獲得する獲得部と、互いに異なる温度検出方式を利用し、前記獲得されたエコー信号から、前記温度検出方式それぞれに対応する候補温度映像を生成する候補温度映像生成部と、前記生成された候補温度映像に、前記温度検出方式それぞれの正確度を適用することによって、前記生成された候補温度映像を併合する併合部と、前記併合された結果に基づいて、最終温度映像を生成する最終温度映像生成部と、を含む。
【0008】
本発明のさらに他の一側面によれば、超音波治療及び診断のシステムは、治療部位に向かって治療用超音波を照射する治療用超音波装置と、前記治療部位に向かって診断用超音波を照射し、前記照射された診断用超音波のエコー信号を受信する診断用超音波装置と、前記受信されたエコー信号を獲得し、互いに異なる温度検出方式を利用し、前記獲得されたエコー信号から、前記温度検出方式それぞれに対応する候補温度映像を生成し、前記生成された候補温度映像に、前記温度検出方式それぞれの正確度を適用することによって、前記生成された候補温度映像を併合し、前記併合された結果に基づいて、最終温度映像を生成する温度モニタリング装置と、前記候補温度映像及び前記最終温度映像のうち少なくとも一つを表示する表示装置と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、互いに異なる温度検出方式が併合された結果として、検出された温度情報を提供することによって、単一の温度検出方式を利用するときより、正確な温度モニタリング結果を提供することができる。特に、超音波治療が進められる間、高い温度範囲でも、治療部位に対する温度モニタリングを正確に行うことができるので、治療時間の短縮など、効率的な超音波治療が可能となる。そして、治療部位及びその周辺に係わる温度映像を介して、超音波治療を進めるが、治療部位周辺の正常組織が治療用超音波によって傷つくことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例による超音波を利用した治療及び診断のシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施例による温度モニタリング装置の詳細構成図である。
【図3A】温度検出方式を説明する図である。
【図3B】温度検出方式を説明する図である。
【図4】本発明の一実施例による候補温度映像を示したイメージである。
【図5】本発明の一実施例による候補温度映像と最終温度映像とでの焦点位置を比較したイメージである。
【図6】本発明の一実施例による候補誤差映像生成部が候補誤差映像を生成する過程を図示した図である。
【図7】本発明の一実施例による候補誤差映像を示したイメージである。
【図8】本発明の一実施例による最終温度映像及び最終誤差映像を示したイメージである。
【図9】本発明の一実施例による温度モニタリング結果を、従来の温度モニタリング結果と比較したグラフである。
【図10】本発明の一実施例による超音波を利用した温度モニタリング方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施例による、超音波を利用した治療及び診断のシステムの構成図である。図1を参照すれば、本実施例による超音波を利用した治療及び診断のシステム1は、治療用超音波装置10、診断用超音波装置20、制御装置30、温度モニタリング装置40及び表示装置50から構成される。
【0013】
図1に図示された超音波を利用した治療及び診断のシステム1には、本実施例と関連した構成要素だけが図示されている。従って、図1に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれてもよいということは、本実施例と関連した技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0014】
超音波を利用した治療及び診断のシステム1は、患者の腫瘍60の治療部位610に対して治療用超音波を照射して治療し、診断用超音波で、その治療部位610の温度のような治療結果をモニタリングするシステムである。すなわち、超音波を利用した治療及び診断のシステム1は、超音波治療を介して腫瘍を壊死させ、その結果をリアルタイムでモニタリングすることにより、患者を診断する医療用システムである。
【0015】
さらに詳細に説明すれば、超音波を利用した治療及び診断のシステム1は、患者の体内に腫瘍60が生じた場合、治療用超音波装置10を介して、治療用超音波を腫瘍60の治療部位610に照射して熱傷(lesion)を作り、診断用超音波装置20を介して、治療部位610の超音波映像を獲得し、治療が完了したか否かを診断する。かような熱傷は、治療部位610の組織が、局所的に破壊(focal destruction)されたり、あるいは壊死(necrosis)したものである。
【0016】
さらには、本実施例による超音波を利用した治療及び診断のシステム1は、診断用超音波装置20を利用し、治療部位610の温度変化も共にモニタリングする。
【0017】
HIFU(high intensity focused ultrasound)のような治療用超音波を利用した超音波治療の場合、HIFUが腫瘍の一部部位に達すれば、この腫瘍部位は、HIFUによる熱エネルギーによって、瞬間的に70℃以上に温度が上がりうる。理論上では、60℃ほどの温度で、組織破壊が110msec以内に発生するということが知られている。かような高温によって、この腫瘍部位の組織と血管は、凝固性壊死(coagulative necrosis)を起こすのである。
【0018】
本実施例によれば、治療部位610の温度変化をリアルタイムでモニタリングすることにより、治療を続けるか否か、または治療が完了したか否かを正確に把握することが可能であり、超音波治療をさらに効率的に行うことができる。
【0019】
図1を参照すれば、超音波を利用した治療及び診断のシステム1それぞれの構成、動作について説明すれば、以下の通りである。
【0020】
治療用超音波装置10は、腫瘍60の治療部位610に向かって治療用超音波を照射し、治療部位610の組織を壊死させることにより、患者を治療する。すなわち、治療用超音波装置10は、治療用超音波を発生させ、患者の局所組織に治療用超音波を照射する。
【0021】
本実施例による治療用超音波としては、高強度の集束超音波であるHIFUが利用されてもよい。すなわち、本実施例の治療用超音波装置10は、治療用超音波として一般的に知られているHIFUを照射する装置に該当する。HIFU装置については、当技術分野で当業者であるならば自明であるので、詳細な説明は省略する。しかし、本実施例による治療用超音波装置10は、HIFUという用語にのみ限定されるものではなく、HIFUと同様に集束超音波(focused ultrasound)を照射する装置であるならば、本実施例による治療用超音波装置10の範疇に含まれるものであるということは、当技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0022】
診断用超音波装置20は、診断用プローブ(probe)とも称し、治療部位610に対して診断用超音波を照射し、照射された診断用超音波が反射されたエコー信号を受信する。ここで、一般的に、診断用超音波装置20は、治療部位610に係わる超音波診断映像を生成するために、治療部位610に診断用超音波を照射し、反射されたエコー信号を受信するのである。反射されたエコー信号を利用し、超音波映像を生成する一般的な過程は、当技術分野で当業者には自明であるので、これに係わる詳細な説明は省略する。
【0023】
ただし、本実施例で、治療用超音波装置10及び診断用超音波装置20は、それぞれ独立している装置であると説明するが、これに限定されるものではなく、治療用超音波装置10及び診断用超音波装置20は、1つの装置内の別途のモジュールとして具現されたり、または1つの装置として具現することもできる。すなわち、いずれか1つの形態のみに限定されるものではない。
【0024】
本実施例では、特に、診断用超音波装置20で受信されたエコー信号は、治療部位610及びその周辺の温度変化をモニタリングするのにもさらに利用される。すなわち、エコー信号は、一般的に知られている超音波診断映像を生成する以外にも、体内治療部位610の温度変化をモニタリングするのに利用されるのである。
【0025】
従来、超音波を利用して温度をモニタリングするための温度検出方式のうち一つとして、change in backscattered energy(CBE)方式が知られていた。簡略に説明すれば、CBE方式は、超音波のエコー信号において、波形の大きさ変化(amplitude variation)を検出することによって、温度変化を測定する方式である。CBE方式は、超音波が高温度の組織部位を過ぎれば、それ以後の組織部位については、温度誤差(temperature error)が急激に大きくなる現象であるテール・アーティファクト(tail artifact)現象が生じる。従って、CEB方式は誤差が多く、空間解像度が低く、精密な温度分布を検出することができないという問題がある。
【0026】
また、従来には、他の温度検出方式として、echo-shift(ES)方式が知られていた。簡略に説明すれば、ES方式は、診断用超音波のエコー信号において、波形の速度変化を検出することによって、温度変化を測定する方式である。しかし、ES方式によれば、約36〜43℃の低温範囲の温度を比較的正確に測定することができるのみであり、それより高い高温範囲の温度については、正確に測定できないという問題がある。
【0027】
すなわち、従来の超音波を利用して温度をモニタリングするための方法は、正確な温度を測定することができる温度範囲の制限、テール・アーティファクトのような問題を抱えているので、超音波治療の最中、治療部位610に係わる広い範囲の温度変化をリアルタイムでモニタリングするには限界があった。
【0028】
しかし、本実施例による温度モニタリング装置40は、診断用超音波のエコー信号から、多様な温度検出方式を併合して温度変化を検出することによって、従来の単一の温度検出方式が有する問題点を解決できるものである。さらには、正確な温度モニタリングを行うことができる。以下、本実施例による温度モニタリング装置40の動作及び機能について、さらに詳細に説明する。
【0029】
図2は、本発明の一実施例による温度モニタリング装置の詳細構成図である。図2を参照すれば、温度モニタリング装置40は、獲得部410、映像生成部420、併合部430及び表示制御部440を含む。そして、映像生成部420は、候補温度映像生成部4210、候補誤差映像生成部4220、最終温度映像生成部4230及び最終誤差映像生成部4240を含む。
【0030】
ここで、温度モニタリング装置40は、一種のプロセッサに該当する。すなわち、温度モニタリング装置40は、多数の論理ゲートのアレイでもって具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせとして具現されもするのである。また、他の形態のハードウェアとして具現することができるということは、本実施例が属する技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0031】
一方、図2に図示された超音波を利用した治療及び診断のシステム1は、本実施例と関連した構成要素のみ図示されている。従って、図2に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がさらに含まれてもよいということは、本実施例と関連した技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0032】
獲得部410は、診断用超音波装置20(図1)で照射された後、人体組織によって反射されて戻ってくる診断用超音波のエコー信号を獲得する。ここで、エコー信号は、波形信号であってもよい。
【0033】
映像生成部420は、治療部位610(図1)及びその周辺部位を含んだ腫瘍60(図1)領域に係わる温度映像または誤差映像を生成する。ここで、温度映像は、治療部位610(図1)及びその周辺部位に係わる温度分布を、互いに異なるカラーまたは互いに異なる明度値で表示した映像に該当する。そして、誤差映像は、温度映像の画素とマッピング(mapping)され、かような温度分布の誤差を、互いに異なるカラーまたは互いに異なる明度値で表現した映像に該当する。
【0034】
候補温度映像生成部4210は、互いに異なる温度検出方式を利用し、獲得部410で獲得されたエコー信号から、温度検出方式それぞれに対応する候補温度映像を生成する。
【0035】
候補温度映像生成部4210で利用される互いに異なる温度検出方式それぞれは、エコー信号から互いに異なる類型の複数の波形変化を検出する方式を意味する。ここで、互いに異なる類型の波形変化は、エコー信号の速度(echo time)変化、エコー信号の大きさ(amplitude)変化及びエコー信号の形態(shape)変化のうち、少なくとも2以上の波形変化を含む。ここで、エコー信号の形態変化は、エコー信号の周波数変化または非線形性の変化による形態変化を含む。すなわち、本実施例によれば、従来のように、1つの温度検出方式だけを利用して温度をモニタリングするのではなく、複数の温度検出方式を併合して温度をモニタリングする。
【0036】
ここで、エコー信号の速度変化のような波形変化を利用する温度検出方式は、前述のES方式と類似し、エコー信号の大きさ変化のような波形変化を利用する温度検出方式は、前述のCBE方式と類似している。
【0037】
図3A及び図3Bは、温度検出方式を説明する図である。
【0038】
図3Aを参照すれば、候補温度映像生成部4210(図2)は、エコー信号301の速度変化、大きさ変化及び形態変化のうち、少なくとも2以上の波形変化を検出する。
【0039】
まず、エコー信号301の速度変化303を検出する方式は、次の通りである。
【0040】
治療用超音波が治療部位302に照射された後、候補温度映像生成部4210(図2)は、参照(reference)信号とエコー信号301とを比較し、エコー信号301の速度変化303を検出する。
【0041】
さらに詳細に説明すれば、候補温度映像生成部4210(図2)は、参照信号と比較し、エコー信号301で、遅延(delay)の発生有無を検出し、遅延が検出された部分について、エコー信号301の速度が変化したことを検出する。そして、候補温度映像生成部4210(図2)は、遅延された程度、または速度が変化した程度を、あらかじめ保存された参照情報の温度とマッピングすることによって、温度を検出する。
【0042】
ここで、速度変化303の波(wave)には、3つの周期の波形のみ図示されているが、実際には、さらに多くの周期の波形が存在しうる。従って、候補温度映像生成部4210(図2)は、それぞれの周期の波形の速度変化303を検出することによって、治療部位302及びその周辺に係わる温度分布を検出することができる。候補温度映像生成部4210(図2)は、かような速度変化303に基づいて検出された温度分布を利用し、速度変化303に対応する候補温度映像を生成する。
【0043】
次に、エコー信号301の大きさ変化304を検出する方式は、次の通りである。
【0044】
治療用超音波が治療部位302に照射された後、候補温度映像生成部4210(図2)は、参照信号とエコー信号301とを比較し、エコー信号301の大きさ変化304を検出する。
【0045】
さらに詳細に説明すれば、候補温度映像生成部4210(図2)は、参照信号と比較し、エコー信号301で、振幅(amplitude)が変化した部分を検出する。そして、候補温度映像生成部4210(図2)は、振幅の変化程度を、あらかじめ保存された参照情報の温度とマッピングすることによって、温度を検出する。
【0046】
前述のように、大きさ変化304の波には、3つの周期の波形のみ図示されているが、実際には、さらに多くの周期の波形が存在しうる。従って、候補温度映像生成部4210(図2)は、それぞれの周期の波形の大きさ変化304を検出することによって、治療部位302及びその周辺に係わる温度分布を検出することができる。候補温度映像生成部4210(図2)は、かような大きさ変化304に基づいて検出された温度分布を利用し、大きさ変化304に対応する候補温度映像を生成する。
【0047】
最後に、エコー信号301の形態変化304を検出する方式は、次の通りである。これは、frequency shift(FS)方式という。
【0048】
治療用超音波が治療部位302に照射された後、候補温度映像生成部4210(図2)は、参照信号とエコー信号301とを比較し、エコー信号301の形態変化305を検出する。
【0049】
さらに詳細に説明すれば、候補温度映像生成部4210(図2)は、参照信号と比較し、エコー信号301の波形で、周波数(frequency)が変化した部分を検出し、周波数変化が検出された部分について、エコー信号301の形態が変化したことを検出する。そして、候補温度映像生成部4210(図2)は、形態の変化程度を、あらかじめ保存された参照情報の温度とマッピングすることによって、温度を検出する。
【0050】
同様に、形態変化305の波には、3つの周期の波形のみ図示されたが、実際には、さらに多くの周期の波形が存在しうる。従って、候補温度映像生成部4210(図2)は、それぞれの周期の波形の形態変化305を検出することによって、治療部位302及びその周辺に係わる温度分布を検出することができる。候補温度映像生成部4210(図2)は、かような形態変化305に基づいて検出された温度分布を利用し、形態変化305に対応する候補温度映像を生成する。
【0051】
図3Bを参照すれば、治療用超音波が照射される前(before heating)と、照射された後(after heating)とのエコー信号が図示されている。治療用超音波が照射された後のエコー信号で、治療部位302(図3A)の温度変化が反映された波形306には、速度変化(echo shift)、大きさ変化(amplitude)及び形態変化(shape)がいずれも反映されている。言い換えれば、温度変化がある場合、少なくとも1つの類型の波形変化が、エコー信号に反映される。前述のそれぞれの温度検出方式を利用すれば、エコー信号から、それぞれの類型の波形変化を検出することができ、従って、温度検出方式それぞれに対応する温度を検出することができる。
【0052】
すなわち、治療部位302(図3A)の温度が変化する過程で、エコー信号は、互いに異なる複数の類型の波形変化が反映される。候補温度映像生成部4210(図2)は、かような複数の類型をそれぞれ検出することができる互いに異なる温度検出方式を使用することによって、温度検出方式それぞれに対応する複数の候補温度映像を生成する。
【0053】
以上の図3A及び図3Bでは、本実施例による3類型の温度検出方式について説明した。候補温度映像生成部4210(図2)は、かような温度検出方式のうち、少なくとも2以上の温度検出方式を利用することによって、それぞれの温度検出方式に対応する候補温度映像を生成する。
【0054】
図4は、本発明の一実施例による候補温度映像を図示したイメージである。図4を参照すれば、それぞれの温度検出方式に対応する候補温度映像401,402,403が図示されている。すなわち、前述のCEB方式に対応するCBE映像401、ES方式に対応するES映像402及びfrequency shift(FS)方式に対応するFS映像403が図示されている。かような候補温度映像401,402,403は、いずれも候補温度映像生成部4210(図2)で生成された映像である。また、前述の通り、候補温度映像生成部4210(図2)は、図4に図示された候補温度映像401,402,403のうち、少なくとも2以上を生成する。
【0055】
候補温度映像401,402,403は、いずれも多様なカラーで表現されている。カラー参照情報405は、それぞれの温度によって、互いに異なるカラーがマッピングされている。従って、かような候補温度映像401,402,403の画素の多様なカラーは、カラー参照情報405による温度値を意味する。図4では、たとえカラーで表示されている(図面では白黒で表示)としても、これに限定されるものではなく、候補温度映像401,402,403は、温度によって、互いに異なる明度値による白黒映像で表現されてもよい。
【0056】
候補温度映像401,402,403それぞれで対応する位置の画素は、体内の同じ部位の温度情報を示す。しかし、候補温度映像401,402,403についてそれぞれ見るとき、治療部位610(図1)及びその周辺の同じ領域に係わる温度映像であるのにかかわらず、温度分布が互いに異なって検出されることが分かる。特に、CBE映像401には、テール・アーティファクト現象404が現れ、誤差が大きいということが分かる。
【0057】
図5は、本発明の一実施例による候補温度映像及び最終温度映像での焦点位置を比較した図である。ここで、焦点位置は、治療用超音波が照射された治療部位の位置を示す。図5を参照すれば、低温でのCEB映像及びES映像と、高温でのCEB映像及びES映像とが図示されている。そして、候補温度映像の温度情報が併合されて生成された最終温度映像であるCEB+ES映像(または、fusion映像)が図示されている。最終温度映像については、以下の当該部分で詳細に説明する。
【0058】
まず、低温でのCEB映像、ES映像及びCEB+ES映像での同一線上の焦点位置501を比較すれば、ほとんど差がない。しかし、超音波治療が始まり、治療部位の温度が上昇する場合、高温でのCBE映像は、焦点位置502を比較的正確に反映するが、高温でのES映像は、焦点位置502を正確に反映することができない。しかし、高温でのCEB+ES映像は、本来の焦点位置502を正確に反映する。かような点に照らしてみるとき、CEB映像、ES映像のような候補温度映像それぞれは、特定温度範囲で、特定位置の温度を正確に反映することができない可能性が高い。しかし、CEB+ES映像のような最終温度映像を利用すれば、単一の候補温度映像を利用するときより、温度分布を比較的正確に示すことができる。
【0059】
再び図2を参照すれば、候補誤差映像生成部4220は、温度検出方式それぞれの正確度に基づいて、候補温度映像それぞれに含まれた温度情報の誤差を算出する。そして、候補誤差映像生成部4220は、候補温度映像それぞれについて算出された誤差を示す候補誤差映像を生成する。ここで、候補誤差映像のそれぞれの画素値は、誤差の絶対的または相対的な大きさや分散を意味することができる。
【0060】
図6は、本発明の一実施例による候補誤差映像生成部が、候補誤差映像を生成する過程を図示した図である。図6を参照すれば、温度検出方式は、それぞれの温度範囲で、正確度が互いに異なる。
【0061】
まず、ES映像に係わる候補誤差映像であるES−cov映像603を生成する過程は、次の通りである。
【0062】
ES方式は、治療部位610(図1)の温度がだんだんと上昇し、治療部位610(図1)が高温になるほど、誤差(error)が大きくなる。かような現象は、例えば、グラフ601に示されているように、温度とES誤差との関係、ES誤差とNCC(normalized cross-correlation)値との関係を参考にして知ることができる。グラフ601は、NCC値が1に近いほど、ES方式が正確である(ES誤差が小さい)ことを示し、NCC値が低くなるほど、de-correlation現象によって、ES方式の正確度が落ちる(ES誤差が大きい)ということを示す。すなわち、ES方式は、高温範囲では、正確ではないということを示す。ここで、グラフ601は、単に説明の便宜さのために提供されたものであるので、グラフ601は、定量的な実験結果による誤差値によって最適化されて変わりうることは、当技術分野で当業者であるならば分かるであろう。
【0063】
候補誤差映像生成部4220(図2)は、前述のグラフ601のようなES方式の正確度を利用し、候補温度映像であるES映像に含まれた温度情報の誤差を算出する。その後、候補誤差映像生成部4220(図2)は、算出された誤差を示す候補誤差映像であるES−cov映像603を生成する。
【0064】
ES−cov映像603のそれぞれの画素のカラー値は、誤差の分散に該当しうる。すなわち、ES−cov映像603のような候補誤差映像は、誤差の大きさによって、互いに異なるカラーで表現される。例えば、ES−cov映像603では、真ん中の赤い領域は、誤差が大きい領域、その外の青い領域は、誤差が小さい領域を示す。
【0065】
次に、CBE映像に係わる候補誤差映像であるCBE−cov映像604を生成する過程は、次の通りである。
【0066】
CBE方式は、前述のように、テール・アーティファクト現象605による誤差が発生する。かような現象605は、診断用超音波が体内の深さ(depth)方向に進められるとき、温度が高い治療部位610(図1)を過ぎるために発生する。すなわち、グラフ602を参照すれば、深さが深くなるほど、テール・アーティファクト現象605によって誤差が累積されて増大することが分かる。ここで、グラフ602は、単に説明の便宜さのために提供されたものであるので、グラフ602は、定量的な実験結果による誤差値で最適化されて変わりうることは、当技術分野で当業者であるならば分かるであろう。
【0067】
候補誤差映像生成部4220(図2)は、前述のグラフ602のようなCBE方式の正確度を利用し、候補温度映像であるCBE映像に含まれた温度情報の誤差を算出する。その後、候補誤差映像生成部4220(図2)は、算出された誤差を示す候補誤差映像であるCBE−cov映像604を生成する。
【0068】
ES−cov映像603と同様に、CBE−cov映像604それぞれの画素のカラー値は、誤差の分散に該当しうる。すなわち、CBE−cov映像604のような候補誤差映像は、誤差の大きさによって、互いに異なるカラーで表現される。例えば、CBE−cov映像604では、テール・アーティファクト現象605によるCBE誤差領域606が、他の領域と区分されるカラーで表現される。
【0069】
図7は、本発明の一実施例による候補誤差映像を図示した図である。図7を参照すれば、候補誤差映像であるCBE−cov映像701、ES−cov映像702及びFS−cov映像703が図示されている。
【0070】
そして、候補誤差映像の画素のカラーは、カラー参照情報704のカラーに対応する。カラー参照情報704のカラー値は、誤差の分散、誤差の大きさなどを意味するものである。従って、候補誤差映像は、カラー参照情報704によって、画素それぞれの誤差の分散、誤差の大きさなどに該当するカラーで表現される。ただし、当技術分野で当業者であるならば、カラー参照情報704のカラー値の基準は、使用環境によって変わりうることを理解することができるであろう。
【0071】
再び図2を参照すれば、図6で述べたように、候補誤差映像生成部4220は、候補温度映像生成部4210で生成された候補温度映像それぞれに対応する候補誤差映像を生成する。すなわち、本実施例によれば、候補誤差映像生成部4220は、ES−cov映像、CBE−cov映像及びFS−cov映像のうち少なくとも2以上の候補誤差映像を生成する。
【0072】
併合部430は、候補温度映像生成部4210で生成された候補温度映像に、温度検出方式それぞれの正確度を適用することによって、候補温度映像を併合する。
【0073】
さらに詳細には、併合部430は、候補温度映像それぞれに含まれた温度情報、及び候補誤差映像それぞれに含まれた誤差情報を利用し、最終温度情報(またはfusion温度情報)を算出することによって、候補温度映像を併合する。すなわち、併合部430は、それぞれの温度検出方式によって検出された互いに異なる温度情報を併合することによって、新しい最終温度情報を生成する。
【0074】
さらには、併合部430は、候補誤差映像生成部4220で生成された候補誤差映像それぞれに含まれた誤差情報をさらに併合し、最終誤差情報を算出することによって、候補誤差映像をさらに併合する。
【0075】
すなわち、併合部430は、候補温度映像を併合して最終温度情報を算出し、候補誤差映像を併合して最終誤差情報を算出する。このとき、併合部430は、候補温度映像それぞれで、互いに対応する位置の画素が示す温度情報間で互いに併合する。また、併合部430は、候補誤差映像それぞれで、互いに対応する位置の画素が示す誤差情報間で互いに併合する。その理由は、対応する位置の画素は、体内の同じ位置を示すためである。
【0076】
併合部430は、候補温度映像それぞれに含まれた温度情報に、温度検出方式それぞれの正確度による加重値を反映させることによって、候補温度映像を併合する。
【0077】
例えば、併合部430が、CBE映像及びES映像の候補温度映像を併合しようとするとき、併合部430は、次の式(1)及び(2)を利用して併合することができる。
【0078】
【数1】

ここで、Tは温度、σは温度誤差の分散を示す。そして、下添字のCBEはCBE方式、ESはES方式、fusionは、CBE及びESが併合された方式であることを示す。従って、σfusionは、最終誤差情報であり、Tfusionは、最終温度情報である。
【0079】
他の例について述べれば、併合部430が、CBE映像、ES映像及びFS映像の候補温度映像を併合しようとするとき、併合部430は、次の式(3)及び(4)を利用して併合されてもよい。
【0080】
【数2】

ここで、Tは温度、σは、温度誤差の分散を示す。そして、下添字のCBEはCBE方式、ESはES方式、FSはFS(frequency shift)方式、fusionは、CBE、ES及びFSが併合された方式を示す。従って、σfusionは、最終誤差情報であり、Tfusionは、最終温度情報である。
【0081】
併合部430は、前記のような数式を利用することによって、候補温度映像または候補誤差映像を併合する。ただし、本実施例は、前記数式に限定されるものではなく、温度検出方式それぞれの正確度による加重値を反映させようとする他の方法が利用可能であることは、当技術分野で当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0082】
最終温度映像生成部4230は、併合部430で併合された結果の最終温度情報に基づいて、最終温度映像を生成する。そして、最終誤差映像生成部4240は、併合部430で併合された結果である最終誤差情報を利用し、最終誤差映像を生成する。
【0083】
結局、最終温度映像は、互いに異なる温度検出方式による複数の候補温度映像が併合された結果を示し、最終誤差映像は、互いに異なる温度検出方式の正確度による複数の候補誤差映像が併合された結果を示す。
【0084】
図8は、本発明の一実施例による最終温度映像及び最終誤差映像を示したイメージである。図8を参照すれば、候補温度映像であるCBE映像、ES映像及びFS映像が併合されて生成された最終温度映像801(fusion image)と、候補誤差映像であるCBE−cov映像、ES−cov映像及びFS−cov映像が併合されて生成された最終誤差映像802(fusion-cov image)とが図示されている。
【0085】
候補誤差映像と最終誤差映像とを比較すると、最終誤差映像は、候補誤差映像に比べ、誤差が全般的に減少している。これにより、候補温度映像と最終温度映像とを比較してみれば、最終温度映像は、CBE映像のテール・アーティファクト現象が低減している。また、ES映像は、高温で、焦点部位の位置正確度が低かったが、最終温度映像は、焦点部位の位置正確度が補正されている。結論として、温度検出方式それぞれで、正確度の高い特徴のみ反映されて併合されたためであると見ることができる。
【0086】
図9は、本発明の一実施例による温度モニタリング結果を、従来の温度モニタリング結果と比較したグラフである。図9を参照すれば、治療用超音波による治療が進められる間、治療部位610(図1)の温度変化が図示されている。CBE方式、ES方式及びFS方式それぞれによれば、治療が完了する約50℃〜60℃範囲では、実際の温度変化(thermocouple)を正確に検出することができない。しかし、本実施例によれば、fusion方式は、治療が始まって完了する約36℃〜58℃範囲で、実際の温度変化(thermocouple)をほぼ正確に検出することができる。一方、図9のグラフは、単に実験的なシミュレーション結果を示したものであるので、本実施例は、図9のグラフの結果に限定されるものではない。
【0087】
再び図2を参照すれば、表示制御部440は、候補温度映像、候補誤差映像、最終温度映像及び最終誤差映像のうち少なくとも一つが、表示装置50(図1)に表示されるように制御する。すなわち、表示制御部440は、ユーザが表示しようとする映像だけを表示するように制御する。
【0088】
使用環境によって、表示制御部440は、候補温度映像または最終温度映像に含まれた治療部位610(図1)の温度情報だけ表示されるように制御することができる。すなわち、例えば、図9のグラフで、fusion方式に該当する温度変化の情報だけ表示されるように制御することができる。さらには、表示制御部440は、候補誤差映像または最終誤差映像に含まれた治療部位610(図1)の誤差情報だけ表示されるように制御することができる。
【0089】
以上で説明した通り、本実施例による温度モニタリング装置40は、互いに異なる温度検出方式が併合された結果によって生成された最終温度情報を提供することにより、単一の温度検出方式を利用して、温度をモニタリングするときより、正確な温度モニタリング結果を提供することができる。
【0090】
再び図1を参照すれば、制御装置30は、治療用超音波装置10及び診断用超音波装置20の動作及び機能を制御する装置である。
【0091】
ただし、他の一実施例によれば、制御装置30は、温度モニタリング装置40で生成された最終温度映像で、治療部位610の温度が所定温度に達するまで、治療用超音波を自動的に照射するように制御することができる。
【0092】
すなわち、最終温度映像で、治療部位610の位置が把握された場合、温度モニタリング装置40は、治療部位610の温度変化をリアルタイムでモニタリングすることができる。これにより、制御装置30は、治療部位610の温度のモニタリング結果を継続的に受信しつつ、治療部位610の温度が所定温度に達すれば、治療用超音波の照射が中止されるように、治療用超音波装置10を制御することができる。ここで、所定温度は、超音波治療が完了する温度を意味する。
【0093】
表示装置50は、映像生成部420で生成された映像を表示する装置であり、表示制御部440(図2)から伝送された映像を表示する。ユーザは、表示装置50を介して、温度映像または誤差映像を確認することによって、超音波治療が進められる間、温度をモニタリングすることができる。表示装置50は、ユーザに情報を報告するために、視覚情報を表示するための装置、例えば、一般的なモニタ、LCD(liquid crystal display)画面、LED(light emitting diode)画面、目盛り表示装置などを含む。
【0094】
図10は、本発明の一実施例による超音波を利用した温度モニタリング方法のフローチャートである。図10を参照すれば、本実施例による超音波を利用した温度モニタリング方法は、図1に図示された超音波を利用した治療及び診断のシステム1、または図2に図示された温度モニタリング装置40で、時系列的に処理される段階から構成される。従って、以下で省略された内容であっても、図1及び図2について以上で述べた内容は、本実施例による超音波を利用した温度モニタリング方法にも適用される。
【0095】
1001段階で、獲得部410は、治療部位に向かって照射された診断用超音波のエコー信号を獲得する。
【0096】
1002段階で、候補温度映像生成部4210は、互いに異なる温度検出方式を利用し、獲得されたエコー信号から温度検出方式それぞれに対応する候補温度映像を生成する。
【0097】
1003段階で、併合部430は、生成された候補温度映像に、温度検出方式それぞれの正確度を適用することによって生成された候補温度映像を併合する。
【0098】
1004段階で、最終温度映像生成部4240は、併合された結果に基づいて、最終温度映像を生成する。
【0099】
一方、前述の本発明の実施例は、コンピュータで実行することができるプログラムで作成が可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、前記プログラムを動作させる汎用デジタル・コンピュータで具現されてもよい。また、前述の本発明の実施例で使われたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、複数の手段を介して記録することができる。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD−ROM、DVD(digital versatile disc))などのような記録媒体を含む。
【0100】
以上、本発明について、その望ましい実施例を中心に説明した。本発明が属する技術分野で当業者であるならば、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施例は、限定的な観点ではなくして、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなくして、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたものであると解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の、超音波を利用して治療部位の温度をモニタリングする方法及び装置、超音波を利用した治療及び診断のシステムは、例えば、超音波治療関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 超音波を利用した治療及び診断のシステム
10 治療用超音波装置
20 診断用超音波装置
30 制御装置
40 温度モニタリング装置
410 獲得部
420 映像生成部
4210 候補温度映像生成部
4220 候補誤差映像生成部
4230 最終温度映像生成部
4240 最終誤差映像生成部
430 併合部
440 表示制御部
50 表示装置
60 患者の腫瘍
610 治療部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療部位に向かって照射された診断用超音波のエコー信号を獲得する段階と、
互いに異なる温度検出方式を利用し、前記獲得されたエコー信号から、前記温度検出方式それぞれに対応する候補温度映像を生成する段階と、
前記生成された候補温度映像に、前記温度検出方式それぞれの正確度を適用することによって、前記生成された候補温度映像を併合する段階と、
前記併合された結果に基づいて、最終温度映像を生成する段階と、を含む超音波を利用した温度モニタリング方法。
【請求項2】
前記温度検出方式は、
前記エコー信号から互いに異なる類型の波形変化を検出することによって温度を検出する方式であることを特徴とする請求項1に記載の温度モニタリング方法。
【請求項3】
前記互いに異なる類型の波形変化は、
前記エコー信号の速度変化、大きさ変化及び形態変化のうち少なくとも2以上の波形変化を含むことを特徴とする請求項2に記載の温度モニタリング方法。
【請求項4】
前記温度検出方式は、それぞれの温度範囲で、前記正確度が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の温度モニタリング方法。
【請求項5】
前記併合する段階は、
前記候補温度映像それぞれで、互いに対応する位置の画素が示す温度情報を、互いに併合することを特徴とする請求項1に記載の温度モニタリング方法。
【請求項6】
前記併合する段階は、
前記生成された候補温度映像それぞれに含まれた温度情報に、前記正確度に基づいた加重値を反映させることによって、前記生成された候補温度映像を併合することを特徴とする請求項1に記載の温度モニタリング方法。
【請求項7】
前記温度検出方式それぞれの正確度に基づいて、前記生成された候補温度映像それぞれに含まれた温度情報の誤差を算出する段階をさらに含み、
前記併合する段階は、前記生成された候補温度映像それぞれに含まれた前記温度情報、及び前記算出された誤差を利用して、最終温度情報を算出することによって、前記生成された候補温度映像を併合することを特徴とする請求項1に記載の温度モニタリング方法。
【請求項8】
前記生成された候補温度映像それぞれに対し、前記算出された誤差を示す候補誤差映像を生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の温度モニタリング方法。
【請求項9】
前記併合する段階は、前記生成された候補誤差映像それぞれに含まれた誤差情報をさらに併合し、最終誤差情報を算出することによって、前記生成された候補誤差映像をさらに併合し、
前記生成された最終誤差情報を利用し、最終誤差映像を生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の温度モニタリング方法。
【請求項10】
前記候補誤差映像及び前記最終誤差映像は、前記誤差によって、互いに異なるカラーで表現された映像であることを特徴とする請求項9に記載の温度モニタリング方法。
【請求項11】
前記候補温度映像、前記候補誤差映像、前記最終温度映像及び前記最終誤差映像のうち、少なくとも一つを表示する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の温度モニタリング方法。
【請求項12】
前記表示する段階は、
前記候補温度映像及び前記最終温度映像のうち、少なくとも一つに含まれた前記治療部位の温度情報だけを表示するか、
前記候補誤差映像及び前記最終誤差映像のうち、少なくとも一つに含まれた前記治療部位の誤差情報だけを表示することを特徴とする請求項11に記載の温度モニタリング方法。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のうち、いずれか一項に記載の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
治療部位に向かって照射された診断用超音波のエコー信号を獲得する獲得部と、
互いに異なる温度検出方式を利用し、前記獲得されたエコー信号から、前記温度検出方式それぞれに対応する候補温度映像を生成する候補温度映像生成部と、
前記生成された候補温度映像に、前記温度検出方式それぞれの正確度を適用することによって、前記生成された候補温度映像を併合する併合部と、
前記併合された結果に基づいて、最終温度映像を生成する最終温度映像生成部と、を含む超音波を利用した温度モニタリング装置。
【請求項15】
前記温度検出方式は、
前記エコー信号から互いに異なる類型の波形変化を検出することによって、温度を検出する方式であることを特徴とする請求項14に記載の温度モニタリング装置。
【請求項16】
前記互いに異なる類型の波形変化は、
前記エコー信号の速度変化、大きさ変化及び形態変化のうち、少なくとも2以上の波形変化を含むことを特徴とする請求項15に記載の温度モニタリング装置。
【請求項17】
前記併合部は、
前記候補温度映像それぞれで、互いに対応する位置の画素が示す温度情報を、互いに併合することを特徴とする請求項14に記載の温度モニタリング装置。
【請求項18】
前記併合部は、
前記生成された候補温度映像それぞれに含まれた温度情報に、前記正確度に基づいた加重値を反映させることによって、前記生成された候補温度映像を併合することを特徴とする請求項14に記載の温度モニタリング装置。
【請求項19】
前記温度検出方式それぞれの正確度に基づいて、前記生成された候補温度映像それぞれに含まれた温度情報の誤差を算出し、前記生成された候補温度映像それぞれについて、前記算出された誤差を示す候補誤差映像を生成する候補誤差映像生成部をさらに含み、
前記併合部は、前記生成された候補温度映像それぞれに含まれた前記温度情報、及び前記算出された誤差を利用し、最終温度情報を算出することによって、前記生成された候補温度映像を併合することを特徴とする請求項14に記載の温度モニタリング装置。
【請求項20】
前記併合部は、前記生成された候補誤差映像それぞれに含まれた誤差情報をさらに併合し、最終誤差情報を算出することによって、前記生成された候補誤差映像をさらに併合し、
前記生成された最終誤差情報を利用し、最終誤差映像を生成する最終誤差映像生成部をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の温度モニタリング装置。
【請求項21】
前記候補温度映像、前記候補誤差映像、前記最終温度映像及び前記最終誤差映像のうち、少なくとも一つが表示されるように制御する表示制御部をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の温度モニタリング装置。
【請求項22】
治療部位に向かって治療用超音波を照射する治療用超音波装置と、
前記治療部位に向かって診断用超音波を照射し、前記照射された診断用超音波のエコー信号を受信する診断用超音波装置と、
前記受信されたエコー信号を獲得し、互いに異なる温度検出方式を利用し、前記獲得されたエコー信号から、前記温度検出方式それぞれに対応する候補温度映像を生成し、前記生成された候補温度映像に、前記温度検出方式それぞれの正確度を適用することによって、前記生成された候補温度映像を併合し、前記併合された結果に基づいて、最終温度映像を生成する温度モニタリング装置と、
前記候補温度映像及び前記最終温度映像のうち、少なくとも一つを表示する表示装置と、を含む超音波治療及び診断のシステム。
【請求項23】
前記温度検出方式は、
前記エコー信号から、前記エコー信号の速度変化、大きさ変化及び形態変化のうち、少なくとも2以上の波形変化を検出することによって、温度を検出する方式であることを特徴とする請求項22に記載の超音波治療及び診断のシステム。
【請求項24】
前記温度モニタリング装置は、
前記候補温度映像それぞれで、互いに対応する位置の画素が示す温度情報を、互いに併合することを特徴とする請求項22に記載の超音波治療及び診断のシステム。
【請求項25】
前記治療用超音波装置は、前記生成された最終温度映像に含まれた前記治療部位の温度が、所定温度に達するまで、前記治療用超音波を照射することを特徴とする請求項22に記載の超音波治療及び診断のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図9】
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【図10】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−43082(P2013−43082A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−94817(P2012−94817)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】