説明

超音波イメージング装置

【課題】イメージの質が劣化せず、クラッタ除去パフォーマンスを改善しても信号対ノイズのパフォーマンスが劣化しない超音波イメージング装置、超音波イメージングシステムを提供すること。
【解決手段】コントローラを用いて、少なくとも部分的に、複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性の測定に基づいて、対象をイメージングするための超音波イメージングシステムの、複数の候補システムコンフィグレーションの1つを選択することができ、測定は、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づいているようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波イメージング装置、超音波イメージングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
「イメージング」とは、1つ以上の関心対象の視覚的特徴を収集するプロセスのことである。「超音波イメージング」とは、音響信号の処理を含むイメージングのプロセスのことである。超音波イメージングテクノロジを使う医療現場では、適切な診断のために十分な解像度及び明瞭度のイメージが用いられている。超音波イメージは、組織を透過するように超音波波形を伝送し、超音波波形により得られた反射及び/又は関心対象からの伝送を処理して形成される。比較的高い周波数の伝送波形を使うと、イメージの解像度は改善されるが、比較的高い周波数の波形により、典型的に、増大したシステムノイズが導入され、それにより、イメージの明瞭度が劣化してしまう。システムノイズは、また、イメージングノイズが組織内のかなり深い個所に位置している場合(例えば、組織体の表面と、組織体内の関心対象との間の距離)、関心度が増大する。従って、深い位置の対象をイメージングするためには、超音波波形周波数を調整することによって、解像度の質とイメージの明瞭度との間でトレードオフされる。超音波トランスジューサは、典型的には、所定の周波数範囲(例えば、1.0〜4.0MHz)内の超音波波形及び搬送周波数(例えば、7.0〜15MHz)を伝送及び受信する。超音波イメージングシステムのオペレータは、典型的には、マニュアルにより、超音波波形周波数を調節する。
【0003】
システムノイズに加えて、超音波「クラッタ」の効果により、イメージの質が劣化することがある。クラッタは、典型的には、関心のない不活性な組織又は対象からの周辺反射の結果である。典型的には、ターゲットから軸外し状態となった明るさ(ブライトオフアクシス)により、軸外し散乱(オフアクシススキヤッタリング)が生じ、それにより、所望のターゲットをイメージングするための市販の超音波システムの性能が妨害されることがある。これらの軸外し(オフアクシス)ターゲットからのエコーにより、典型的に、広幅のクラッタが形成され、それにより、ターゲットからの信号がオーバーシャドウとなることがあり、イメージコントラスト及び/又は軸方向の解像度が大きく低減してしまう。例えば、心臓イメージングでは肋骨郭が、腹部イメージングでは膀胱が、この軸方向クラッタを生じることがある。
【0004】
超音波イメージングシステムは、典型的には、「基本」モードで作動し、この「基本」モードでは、超音波トランスジューサは、第1の搬送波周波数及び/又は帯域幅で超音波波形を伝送し、第1の搬送波周波数及び/又は帯域幅で反射を受信及び処理する。超音波イメージングシステムは、典型的には、「ハーモニック」モードで作動するように選択可能であり、この「ハーモニック」モードでは、超音波トランスジューサは、第1の搬送波周波数及び/又は帯域幅で超音波波形を伝送し、第2の、そして、高い搬送波周波数(例えば、第1の搬送波周波数の整数倍の第2の搬送波周波数、例えば、第1の搬送波周波数の約2倍の第2の搬送波周波数)で、反射を受信し、そして、処理する。クラッタは、優位には、ほぼ第1の搬送波周波数の低い周波数で生じるので、ハーモニックモードを使って、高い周波数で反射された信号のハーモニック成分を受信(そして、反射された信号の低い周波数を除去)することによって、クラッタ除去パフォーマンスを改善することができる。しかし、受信されたハーモニック信号は、典型的には、第1の搬送波周波数で受信された信号と同じ強度ではない。従って、ハーモニックモードを使うと、信号対ノイズのパフォーマンスが劣化してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、イメージの質が劣化せず、クラッタ除去パフォーマンスを改善しても信号対ノイズのパフォーマンスが劣化しない超音波イメージング装置、超音波イメージングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によると、超音波トランスジューサと、コントローラを有しており、該コントローラを用いて、少なくとも部分的に、複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性の測定に基づいて、対象をイメージングするための超音波イメージングシステムの、複数の候補システムコンフィグレーションの1つを選択することができ、測定は、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づいているようにすることにより解決される。
【0007】
この課題は、本発明によると、コントローラを用いて、更に、対象の超音波イメージを得るためにノイズトレランス・スレッショールドを決定し、候補システムコンフィグレーションで生じたシステムノイズを測定し、候補システムコンフィグレーションで測定されたシステムノイズをノイズトレランス・スレッショールドと比較することができるように構成されていることにより解決される。
【0008】
この課題は、本発明によると、超音波トランスジューサと、コントローラを有しており、該コントローラを用いて、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づいて、候補システムコンフィグレーションに従って構成された超音波イメージングシステムの複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定し、少なくとも部分的に、測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて構成された1つ以上の候補システムコンフィグレーションを表示開始することができるように構成されていることにより解決される。
【0009】
この課題は、本発明によると、超音波トランスジューサと、コントローラを有しており、該コントローラを用いて、対象の超音波イメージを得るためのノイズトレランス・スレッショールドを決定し、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された信号及びノイズトレランス・スレッショールドに基づいて、超音波イメージを得るために、超音波トランスジューサの複数の候補作動周波数の少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定することができるように構成されていることにより解決される。
【0010】
この課題は、本発明によると、超音波トランスジューサと、コントローラを有しており、該コントローラを用いて、対象の超音波イメージを得るためのノイズトレランス・スレッショールドを決定し、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで対象から受信された信号に応答するノイズトレランス・スレッショールドに基づいて、超音波トランスジューサの作動周波数を自動的に選択することができるように構成されていることにより解決される。
【0011】
この課題は、本発明によると、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づいて、超音波イメージングシステムの複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定する手段と、少なくとも部分的に、測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて、対象をイメージングする際の候補システムコンフィグレーションの1つを自動的に選択する手段を有していることにより解決される。
【0012】
この課題は、本発明によると、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づいて、超音波イメージングシステムの複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定するための手段と、少なくとも部分的に、測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて、1つ以上の候補システムコンフィグレーションを表示するための手段を有していることにより解決される。
【0013】
この課題は、本発明によると、対象の超音波イメージを得るために、ノイズトレランス・スレッショールドを決定するための手段と、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された信号に基づいて、超音波イメージを得るための超音波トランスジューサの複数の候補作動周波数の少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定するための手段を有していることにより解決される。
【0014】
この課題は、本発明によると、対象の超音波イメージを得るために、ノイズトレランス・スレッショールドを決定するための手段と、少なくとも部分的に、測定されたノイズレベルに応答するノイズトレランス・スレッショールドに基づいて、超音波トランスジューサの作動周波数を自動的に選択する手段を有していることにより解決される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、イメージの質が劣化せず、クラッタ除去パフォーマンスを改善しても信号対ノイズのパフォーマンスが劣化しない超音波イメージング装置、超音波イメージングシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
1実施例は、少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づいて、1つの候補システムコンフィグレーションに従って構成される超音波イメージングシステムの複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性の測定システム及び/又は方法に関している。1つ以上の候補システムコンフィグレーションは、少なくとも部分的に、異なった候補システムコンフィグレーションと関連して測定された1つ以上のパフォーマンス特性に基づいて、対象のイメージを得るための超音波イメージングシステムで使うために自動的に選択される。択一的な実施例では、候補システムコンフィグレーションを自動的に選択する代わりに(又は、自動的に選択するのに付加的に)、1つ以上の候補システムコンフィグレーションが、少なくとも部分的に、1つ以上のシステムコンフィグレーションと関連して測定されたパフォーマンス特性に基づいて、オペレータによって選択されるために表示されるようにしてもよい。別の択一的な実施例では、複数の候補システムコンフィグレーションの1つ以上が、測定された1つ以上のパフォーマンス特性に関連する情報と一緒に表示されるようにしてもよい。
【実施例】
【0017】
本件明細書を通じて、「1実施例」又は「実施例」とは、具体的な実施例と関連して説明する特定の特徴、構造、又は、特性が、請求項記載の要件を有する少なくとも1つの具体的な実施例に含まれているということである。従って、この明細書を通じて種々の個所で用いられている語句「1実施例において」又は「実施例」は、いつも全て同じ具体的な実施例に関連するとは限らない。更に、特定の要件、構造、又は、特性は、1つ以上の具体的な実施例の組合せであってもよい。
【0018】
本件明細書での「超音波イメージ」とは、超音波イメージング技術を用いて得た組織体内に含まれている「対象」のことを示す。超音波イメージは、医療診断で使用されるためのディスプレイ装置又は印刷媒体上での視覚イメージとして示される。超音波イメージは、イメージについての複数の「ピクセル位置」でのイメージ強度を示す「ピクセル値」の組合せとして示される。しかし、これらは、超音波イメージの単なる例であり、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0019】
本件明細書での「超音波波形」は、組織体内を伝送することができる、及び/又は、組織体を通じて伝送される信号に関している。幾つかの具体的な実施例での超音波波形は、特定のピーク電力、周波数帯域及び搬送波周波数を有するものとして特徴付けられる。超音波波形は、パルス信号(例えば、信号パルス又はパルス列)として伝送してもよい。しかし、これらは、超音波波形の単なる例にすぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0020】
本件明細書での「超音波トランスジューサ」は、超音波波形を対象に伝送し、及び/又は、対象からの反射波形を受信することの少なくとも1つを行うことができる装置に関している。1実施例では、超音波トランスジューサは、単一のトランスジューサ要素、又は、フェイズドアレーとして形成された表面領域に亘って分散された複数の個別要素を有することができ、その際、各要素は、個別に超音波波形の一部分を伝送し、又は、受信された反射波形の一部分を受信することができる。1実施例では、超音波トランスジューサは、超音波波形を対象に伝送し、それにより、対象から反射又は伝送されたエネルギを受信することによって対象を「アクティブリィ・スキャン」するように構成してもよい。しかし、これらは、超音波トランスジューサの単なる例であって、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0021】
1実施例では、超音波トランスジューサは、伝送信号帯域幅及び/又は伝送信号帯域幅の中心周波数の少なくとも1つによって特徴付けられる特定の「伝送周波数」を有する超音波波形を伝送するように構成してもよい。同様に、超音波トランスジューサは、受信信号帯域幅及び/又は受信信号帯域幅の中心周波数の少なくとも1つによって特徴付けられる特定の「受信周波数」を有する反射エネルギ又は伝送エネルギを受信するように構成してもよい。しかし、これらは、伝送周波数及び/又は受信周波数の単なる例であって、請求項記載の要件がこれらの観点に限定されるものではない。つまり、伝送周波数及び/又は受信周波数の1つ以上の観点は、超音波イメージングシステムの「作動周波数」を特徴付ける点にある。従って、作動周波数は、伝送又は受信搬送波周波数、転送又は受信帯域幅、又は、それらの組合せのどれかを特徴付ける。
【0022】
本件明細書での「所望のイメージング深さ」は、イメージングされるべき組織体内の対象の深さに関連して言及される。例えば、所望のイメージング深さは、イメージングトランスジューサの表面と器官の表面との間の距離を含む組織内での器官の深さに関連している。つまり、所望のイメージング深さは、イメージングの目的のために、関心のある組織内で、オペレータ又は技術者からイメージングシステムに入力されたデータから決定される。しかし、これらは、所望のイメージング深さの単なる例にすぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0023】
受信信号は、受信信号と結合された「ノイズ」又は「システムノイズ」が生じているという情報を受信するために処理してもよい。システムノイズ源は、例えば、イメージングされる組織体の周囲温度からのノイズ、信号を受信、及び/又は、処理する装置からの内部コンポーネントノイズを有する種々のノイズ源から生じる。システムノイズは、特定のスペクトル特性、例えば、ホワイトノイズ又は有色雑音を有していることがある。しかし、これらは、ノイズ、システムノイズ及び/又はそのようなノイズの単なる例に過ぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0024】
(例えば、医療診断の目的のための)質の高いイメージを得るために、「ノイズトレランス・スレッショールド」は、ノイズトレランス以下のシステムノイズが生じている状態でのイメージングが、質の高い超音波イメージを得ることができる所定の受信信号対雑音比となるようにノイズの品質を定義するようにしてもよい。ノイズトレランス・スレッショールドは、例えば、ノイズの質又はレベルを示すのに使われる(例えば、デシベルとして表示された)所望の信号の強度に関連した絶対的なノイズパワー、及び/又は、利得を含む種々の形式の何れか1つで表現するとよい。しかし、これらは、ノイズトレランス・スレッショールドを表現する単なる例に過ぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0025】
「システム構成」は、超音波イメージングシステムの具体的な実施例の作動を定義する1つ以上のパラメータに関連して言及される。例えば、システム構成は、超音波イメージングシステムを用いて対象をイメージングするために使うことができる1つ以上の作動周波数によって特徴付けられる。また、システム構成は、基本イメージングモード又はハーモニックイメージングモードのどちらかを使うことによって特徴付けられる。また、システム構成は、作動周波数の定義、及び/又は、イメージングモードの定義の何らかの組合せとして特徴付けられる。しかし、これらのシステム構成の単なる例に過ぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0026】
ここで言及される「測定ノイズレベル」は、ノイズ及び/又はシステムノイズの1つ以上のコンポーネントの測定に関連して言及される。例えば、1実施例では、測定ノイズレベルは、超音波トランスジューサで受信された信号から得られ、超音波イメージングシステムは、システム構成の具体的な実施例に従って作動する。従って、既述のように、測定ノイズレベルは、絶対ノイズ及び/又は情報内の信号パワーに関する利得として表現することができる。しかし、これらの測定されたノイズレベルの単なる例に過ぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0027】
ここで言及される「クラッタインディケータ」は、超音波イメージ内にあるクラッタの程度を示すメトリックに関連して言及される。例えば、クラッタインディケータは、超音波イメージングシステムが1つ以上のシステム構成の具体的な実施例に従って構成されるようにして測定される。しかし、これは、クラッタインディケータ測定の単なる一例に過ぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0028】
ここで言及される「パフォーマンス特性」は、システムのタスク又は役割又は1つ以上の質に作用するものを履行、又は、ほぼ履行するシステムの能力を示すメトリックに関連して言及される。超音波イメージングシステムを用いて、例えば、システムノイズ又はクラッタの程度の指示により、質の高いイメージを提供する超音波イメージングシステムを示すパフォーマンス特性を提供することができる。しかし、これは、パフォーマンス特性の単なる例に過ぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0029】
超音波イメージングシステムの具体的な実施例の1つ以上のアスペクトは、オペレータコンソールでオペレータ又は技術者によって設定される。例えば、少なくとも部分的に、ディスプレイ上でのイメージの表現又は他の情報に基づいて、1つ以上の超音波波形パラメータを設定するか、又は、イメージングモード(例えば、基本イメージングモード対ハーモニックイメージングモード)を選択するとよい。択一的に、超音波イメージングシステムの具体的な実施例は、少なくとも部分的に、例えば、超音波トランスジューサで受信された信号でなされた特定の測定に基づいて、これらのシステムパラメータ又はシステム構成の具体的な実施例の1つ以上を「自動的に」調整又は選択するとよい。そのような、システム入力又はシステム構成の自動調整又は選択により、オペレータ又は技術者の特定の選択又は動作なしに行うことができる。しかし、これらは、自動調整又は選択の単なる例に過ぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0030】
要するに、1実施例は、少なくとも部分的に、超音波イメージングシステムが候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例に従って構成されている場合に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づく超音波イメージングシステムの具体的な実施例の複数の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例の少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定するシステム及び/又は方法に関している。その際、1つ以上の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、少なくとも部分的に、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例に関連した少なくとも1つのパフォーマンス特性の比較に依存して、対象のイメージを得るための超音波イメージングシステムの具体的な実施例を用いて使用するために選択される。しかし、これは、単に実施例に過ぎず、請求項記載の要件がこれに限定されるものではない。
【0031】
択一的な具体的な実施例で、1つ以上の候補システムコンフィグレーション実施例の代わりに、又は、付加的に、1つ以上の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例が、少なくとも部分的に、1つ以上のシステムコンフィグレーションの具体的な実施例と関連した少なくとも1つの測定されたパフォーマンス特性に基づいて、オペレータによる選択のために表示されるようにしてもよい。別の択一的な具体的な実施例では、複数の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例の1つ以上が、1つ以上の測定されたパフォーマンス特性に関連する情報と組み合わせて表示される。しかし、これらは、単に付加的な択一実施例に過ぎず、他の具体的な実施例も可能であり、これに限定されない。
【0032】
図1は、具体的な実施例10による医療診断用の超音波イメージングシステムのブロック略図である。
【0033】
伝送ビーム成形器11は、超音波波形を、伝送/受信スイッチ12及びトランスジューサアレイ13を介して伝送する。トランスジューサアレイ13は、イメージングすべき対象Bの内部又は対象Bの方に配向された伝送波形に応答して超音波パルスを形成する。対象Bから戻ったエコーが、トランスジューサアレイ13に照射され、このトランスジューサアレイ13は、これらのエコーを、伝送/スイッチ12を介して受信ビーム成形器14で受信される受信信号に変換する。受信ビーム成形器14は、トランスジューサ13の各個別要素からの適切な遅延及び位相シフト信号を用いて、対象B内の選択された位置からの受信信号がコヒーレントに加算されるようにする。これらのビーム成形された信号は、振幅検出器15に供給され、更に、スキャンコンバータ17に供給される前に、ログコンプレッション(対数により圧縮)デバイス16及びアダプティブ・マルチディメンショナル・バックエンド・マッピングステージ18を有するバックエンドプロセッサに供給される。スキャンコンバータ17は、ディスプレイ19用に適したグリッド上にディスプレイ値を形成する。これは、単に、イメージングシステムの具体例にすぎず、もっとたくさんの別の具体例も可能であり、請求項記載の各要件の範囲内に含まれている。
【0034】
要素11−19は、適切な形式にしてもよく、何らかの特定の具体例に限定されない。例えば、伝送及び受信ビーム成形器11及び14は、アナログ及び/又はディジタルデバイスとして構成してもよく、シングルエレメントトランスジューサアレイ及び/又は種々のディメンションのフェーズドアレイを含む、何らかの適切なトランスジューサを用いてよい。つまり、システムの具体例10は、トランスジューサアレイ13とディスプレイ19との間の信号路内に付加的な要素を含むようにしてもよく、例示された各要素の選択された1つが検出され、又は、各要素の何らかの順序が変えられる。例えば、バックエンドプロセッサ及びスキャンコンバータ17の順序を変えてもよい。
【0035】
トランスジューサアレイ13の各要素に印加された信号に対する適切な遅延及び/又は当該信号に対して重み付けされた係数を用いることによって、伝送ビーム成形器11により、トランスジューサアレイ13が超音波波形を、特定の角度方向の「伝送ビーム」で伝送するようになる(例えば、主ローブの角度配向)。同様に、トランスジューサアレイ13で受信された信号に対して適切な遅延を用いたり、及び/又は、この信号に対して重み付けされる係数を用いることによって、受信ビーム成形器14は、有効に、「受信ビーム」を形成するために、特定の角度方向で対象からの反射信号の受信を強調したりすることができる。
【0036】
オペレータコンソール20により、オペレータは、超音波イメージを得るためのパラメータを定めるためのデータを入力することができるようになる。そのようなパラメータは、例えば、体組織内のイメージングされるべき対象の深さ、マニュアルで選択された作動周波数等を含む。コントローラ22により、オペレータからのパラメータ、及び、少なくとも部分的に、バックエンドプロセッサ、検出器15、及び/又は、伝送及び受信ビーム成形器11及び14からのモニタされた情報に基づいて、超音波イメージングシステムの具体例用の作動モードを定めることができる。例えば、コントローラ22により、伝送及び受信ビーム成形器11及び14によって用いられる超音波イメージング波形の周波数(例えば、パルス搬送波周波数及び帯域幅)、作動モード(例えば、基本イメージングモード又はハーモニックイメージングモード)、伝送及び受信ビーム成形器11及び14用のビーム成形パラメータ(例えば、ビームの角度方向及び電力)、ディスプレイ19上に表示されるべきイメージの部分、及び/又は、別のオペレーションモードを定めることができる。
【0037】
この具体例によると、コントローラ22は、オペレーショナル・コントロール信号を、伝送及び受信ビーム成形器11及び14に供給して、所定のオペレーショナルパラメータを定めることができる。例えば、コントローラ22は、例えば、中心搬送波周波数及び/又は帯域幅(伝送及び/又は受信用)、パルス繰り返し周波数、パルス波形デューティサイクル及び伝送パワーのような、1つ以上の超音波波形パラメータを定めることができる。つまり、コントローラ22は、1つ以上のスキャンニング又はビームフォーミングパラメータ、例えば、伝送及び/又は受信ビーム角度を定めることができる。
【0038】
コントローラ22は、オペレーションモードを定めるための前述の処理を実行するためのストレージメディアからのマシンリーダブル・インストラクションを実行することができるマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを有することができる。択一的に、コントローラ22は、1つ以上のアプリケーション特有の集積回路(ASICs)、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)デバイス、アプリケーション特有のプログラマブルデバイス、及び/又は、前述の処理を実行するためのロジックを提供するハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの別の組合せを含むことができる。しかし、これらは、単にコントローラが、超音波イメージングシステム内で実行される仕方の一例に過ぎず、請求項記載の要件は、これに限定されるものではない。
【0039】
図2は、図1に示された超音波イメージングシステムの具体例用の作動周波数を選択するための処理の具体例を示す流れ図である。そのような選択された作動周波数は、伝送周波数及び/又は受信周波数、搬送波周波数及び/又は帯域幅を定めることができる。そのような作動周波数は、例えば、伝送搬送波及び/又は帯域幅、受信搬送波及び帯域幅、及び/又は、伝送及び/又は受信周波数の両方のための、これらの各パラメータの組合せのような、システムコンフィグレーションの具体例での周波数パラメータの組合せを特徴付けることができる。ここに示した具体例では、コントローラ22は、オペレータコンソール20からのオペレータ入力データに応答して、処理の具体例100を実行及び/又は制御することができる。しかし、処理の具体例100は、例えば、1つ以上のシステムパラメータ(例えば、ディスプレイ深さ、トランスジューサ・トランスミッタ電力、及び/又は、イメージ中の変化の検出)の変化の検出のような、幾つかのイベントのどれか1つによって、又は、設定された周期で開始される。
【0040】
ブロック102で、オペレータは、オペレータコンソール20で、所望のイメージング深さ(例えば、組織体内の関心対象の深さに相応する)を指示することができる。少なくとも部分的に、所望のイメージング深さに基づいて、ブロック104は、システムノイズトレランス・スレッショールドを定めることができる。超音波イメージングシステムデザインの通常の当業者ならば、所望のイメージング深さが増大するに連れて、システムノイズのインパクトが益々問題を生じるということが分かる。例えば、十分な質のイメージを得るために、所定の超音波イメージングシステムの具体例は、比較的狭いイメージングを得る場合、高いシステムノイズを許容することができるが、比較的深いイメージを得る場合には、かなり低いシステムノイズしか許容できない。従って、少なくとも部分的に、所望のイメージング深さに基づいて、ブロック104は、別のファクタが決定に影響することがあるとはいえ、システムノイズトレランス・スレッショールドを決めることができる。
【0041】
この具体例によると、ブロック104は、選択可能イメージング深さと相応のノイズトレランス・スレッショールドを参照するルックアップテーブルから実行することができる。そのようなシステムノイズトレランス・スレッショールドは、経験により製造業者によって決めることができ(例えば、異なった深さの対象の表示でのイメージをビューイングしつつ、システムノイズレベルを調整する)、少なくとも部分的に、イメージング深さ(オペレータによって選択されるべき)に基づいてデフォルトパラメータとして提供することができる。ノイズトレランス・スレッショールドは、特定の超音波イメージングシステムがフィールド内にある場合、技術者又はオペレータによってプログラム可能又は調整可能であるようにすることができる。別の具体的な実施例では、システムノイズトレランス・スレッショールドは、何らかの別のプログラムされた数式を使って、イメージング深さ及び/又は別のパラメータの関数として定めることができる。
【0042】
別の具体的な実施例では、ノイズトレランス・スレッショールドは、イメージングすべき対象から受信された信号電力及び/又は別のパラメータの関数として決めることができる。例えば、所定の所望のイメージング深さでは、ノイズトレランス・スレッショールドは、対象から受信された信号電力に関する利得と関連付けることができる(例えば、−30dB又は−50dB以下の信号電力)。少なくとも部分的に、対象から反射されて受信された信号電力の何らかの評価、又は、アプリオリな知識に基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドは、対象から受信されるべき信号電力以下の利得から決定することができる。同様に、対象から受信される信号電力は、例えば、1つ以上のテストパルスからの戻りパルスを測定するとか、又は、例えば、ルックアップテーブルから測定するといった幾つかの技術を用いて決定又は評価することができる。
【0043】
ブロック106は、イメージを得る際に使われるべき初期作動周波数を設定することができる。トランスジューサ13(図1)が、イメージングすべき対象の上に配置されている場合(例えば、対象を含む組織体と接触している)、コントローラ22は、初期作動周波数で超音波信号を受信するために、受信ビーム成形器14を設定することができる(例えば、対象での受信ビームを配向したり、及び/又は、初期作動周波数で受信されるべき受信フィルタパラメータを設定する)。伝送ビーム成形器11から波形の放射なしに、ブロック108は、受信ビーム成形器14で受信されたシステムノイズを測定することができる。1実施例では、システムノイズは、以下図3を参照して説明するような、局所ノイズ平均N(x)として測定することができる。しかし、これは、単に、システムノイズが測定される仕方の例にすぎず、請求項記載の要件がこの点に限定されるのではない。
【0044】
測定されたシステムノイズが、矩形で示した判定部110で決定されたような(例えば、特定の範囲内のような)、ほぼ、システムノイズトレランス・スレッショールドのところにない場合には、ブロック112は、作動周波数を変えて、システムノイズがブロック108で再度測定されるようにできる。さもないと、測定されたノイズが、ほぼ、矩形で示した判定部110で決定されたようなシステムノイズトレランス・スレッショールドのところにある場合、ブロック114は、超音波波形の現在の作動周波数で対象をイメージングすることができる(その結果、ほぼ、システムノイズトレランス・スレッショールドのところで、測定されたシステムノイズとなる)。
【0045】
1実施例では、ブロック106は、予期される作動周波数以下の初期作動周波数を設定することができ、その結果、ノイズトレランス・スレッショールドで測定されたシステムノイズとなる(特定の所望のイメージング深さで)。ブロック112は、ブロック108で、システムノイズの測定後、測定されたシステムノイズが、矩形で示した判定部110で測定されるようなシステムノイズトレランス・スレッショールドを超過する迄、現在の作動周波数をインクリメントに増大することができる。それから、現在の超音波波形周波数は、ブロック114でのイメージングを使用するために、その以前のレベルにデクリメントすることができる(その結果、ノイズトレランス・スレッショールド以下のシステムノイズとなる)。択一的な実施例では、ブロック106は、初期作動周波数を、予期される作動周波数に設定することができ、それにより、矩形で示した判定部110で測定されたような、ノイズトレランス・スレッショールドで測定されたシステムノイズとなる。ブロック112は、それから、測定されたシステムノイズが、システムノイズトレランス・スレッショールド以下に低下する迄、ブロック108でのシステムノイズの測定後、現在の作動周波数をインクリメントに低減することができる。それから、イメージングは、低減された作動周波数で、ブロック114で開始することができる。
【0046】
具体的な実施例によると、トランスジューサ13は、小さな数の作動周波数で作動することができるようになる。図2に示された処理の具体的な実施例100のオペレーション106〜110に対して択一的に、トランスジューサ13は、利用可能な、又は、候補作動周波数を用いることができ、ノイズ測定は、これらの作動周波数でのイメージング中、行うことができる。比較的高い作動周波数の結果、その際、作動周波数として選択され得るノイズトレランス・スレッショールド以下のノイズ測定値となる。
【0047】
別の択一的な実施例では、少なくとも部分的に、パフォーマンス測定(例えば、上述のノイズ)に基づいて、イメージングの際に使用されるべき作動周波数を自動的に選択するよりもむしろ(又は、付加的に)、コントローラ22は、関連のパフォーマンス情報に沿って、オペレータコンソール20に、1つ以上の候補作動周波数を表示することができる。こうすることによって、オペレータは、予めスクリーンに表示された特定の作動周波数をマニュアルにより選択することができるようになる。別の択一的な実施例では、複数の作動周波数の1つ以上が、1つ以上の測定されたパフォーマンス特性に関連する情報と一緒に表示され得る。
【0048】
図3は、図1に示した超音波イメージングシステムの具体的な実施例によるシステムノイズレベルの測定のために使用することができるバックエンドマッピングステージ18の具体的な実施例によるバックエンドマッピングステージの略図である。バックエンドマッピングステージ18は、ロングコンプレッションデバイス(例えば、ロングコンプレッションデバイス16)からの入力信号i(x)を受信することができる。例を用いて簡単に、入力信号I(x)は、Bモードイメージ信号であるように有することができる。しかし、請求項記載の要件は、Bモードイメージングを用いるシステムに限定されず、ドップライメージング等を用いる別のシステムに用いることができる。
【0049】
入力信号i(x)及び局所ノイズ平均評価器120によって形成された局所ノイズ平均評価値は、加算器124に加えることができる。局所ノイズ平均評価器120は、システムの局所ノイズを評価する。1例では、1つ以上のフレームのイメージデータが、伝送信号をトランスジューサ13のトランスジューサ要素に用いずに、トランスジューサ13で得られる。高周波照射による音響ホログラムを形成する(insonifying)圧力波がない場合、その結果得られた入力信号は、現在優勢なシステムノイズの測定であるノイズフレームを形成している。それから、このノイズフレームは、例えば、ローパスフィルタを用いてフィルタリングされ、局所ノイズ平均評価器120で、局所ノイズ平均値(又は、測定されたシステムノイズ)N(x)が形成される。択一的に、イメージングシステムのコンピュータモデルは、少なくとも部分的に、現在優勢なシステムパラメータに基づいて局所平均ノイズN(x)を評価するために用いることができる。このパラメータN(x)は、加算器124で、入力信号I(x)から減算される。加算器124の出力信号は、ノイズ抑制入力信号In(x)を示し、このノイズ抑制入力信号In(x)は、この特定の具体的な実施例では、並行して組織平均評価器121、最大SNR評価器125及びアダプティブ・マルチディメンショナル・マッピング・ステージ126に供給することができる。
【0050】
組織平均評価器121は、ノイズ抑制入力信号In(x)を処理して、ソフトな組織から得られたノイズ抑制入力信号In(x)の当該部分に対して、ノイズ抑制入力信号In(x)の局所平均を示す出力信号It(x)を形成する。組織平均評価器121は、組織検出器122及び平均評価器123を有している。組織検出器122は、ソフトな組織のノイズ抑制入力信号In(x)特性の当該部分を識別することができ、ロジック段で、ソフトな組織と関連するxの値の場合に「1」であって、ロジック段で、ソフトな組織と関連していないxの値の場合に「0」である出力信号T(x)を形成する。組織検出器122は、たくさんの形式にすることができ、In(x)の分散をソフトな組織のターゲット値の特性と比較することによって作動することができる。システムノイズを評価するための技術に関する付加的な情報は、米国特許第6579238号明細書、「Medical Ultrasonic Imaging System with Adaptive Multi−Dimensional Back−end Mapping」に記載されている。しかし、請求項記載の要件は、この、開示された技術の範囲内に限定されない。
【0051】
図4は、少なくとも部分的に、図1に示された具体的な実施例の1つ以上のパフォーマンス特性の測定に基づいて、対象をイメージングするためのシステムコンフィグレーションの具体的な実施例を選択するための処理の具体的な実施例200を示す流れ図である。図2の処理の具体的な実施例100を用いた場合と同様に、処理の具体的な実施例200は、例えば、オペレータコンソール20で受信されたオペレータ入力データ、1つ以上のシステムパラメータでの変化の検出(例えば、ディスプレイの深さ、トランスジューサのトランスミッタ出力及び/又はイメージでの変化の検出)のような、幾つかのイベントの何れか1つによって、及び/又は、設定された周期の間隔で開始することができる。
【0052】
ブロック202で、コントローラ22は、例えば、超音波波形パラメータ、伝送出力、パルス繰り返し間隔及び/又はイメージングすべき対象の位置のような、何らかのシステムパラメータに従って超音波トランスジューサ13を構成することができる。これらのパラメータは、全て供給してもよいし、又は、部分的に、デフォルトパラメータとして、(少なくとも部分的に)システムの条件に基づいて導出されたオペレータデータとして、又は、それらの何らかの組合せとして供給してもよい。1実施例では、例えば、作動周波数は、所望のイメージング深さ、及び/又は、図2に示された処理の具体的な実施例100で上述したような、他のパラメータの関数として導出することができる。
【0053】
ここで説明している具体的な実施例では、超音波システム10は、複数のシステムコンフィグレーションの具体的な実施例の何れか1つで構成することができる。そのようなシステムコンフィグレーションの具体的な実施例は、基本イメージングモード又はハーモニックイメージングモードを用いるものとして特徴付けられる。他のシステムコンフィグレーションの具体的な実施例は、異なった作動周波数を使うものとして特徴付けられる。システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、異なった作動周波数での基本イメージングモードを使う別のシステムコンフィグレーションの具体的な実施例から区別されるような、特定の作動周波数での基本イメージングモードを使うものとして特徴付けることができる。これらのシステムコンフィグレーションの具体的な実施例は、前述の作動周波数又は異なった作動周波数のどちらかのハーモニックイメージングモードを使う別のシステムコンフィグレーションの具体的な実施例から区別することができる。システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、また、超音波波形の特定のパルス繰り返しを使うことによって、それ自体によって、又は、前述のシステムパラメータと組み合わせて特徴付けることができる。しかし、これらは、超音波イメージングシステム用に特徴付けることができる候補システムコンフィグレーションの単なる具体的な実施例に過ぎず、請求項に記載された要件は、これらに限定されるものではない。
【0054】
具体的な実施例によると、1つ以上の「候補システムコンフィグレーション」の具体的な実施例は、対象のイメージを得るために定義することができる。1つ以上の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、上述のようなシステムコンフィグレーションの属性で特徴付けることができる。そのような候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、別の1実施例から区別することができ、異なったパフォーマンス特性となる。従って、そのようなパフォーマンス特性に基づいて、そのような1つ以上の特定の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、対象のイメージを得るための複数の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例の中から選択することができる。しかし、これは、単に、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例に過ぎず、請求項記載の要件は、この点に限定されるものではない。
【0055】
ブロック206で、トランスジューサ13は、ブロック204で定義された現在の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を使って、関心のある対象をイメージングすることができる。少なくとも部分的に、受信ビーム成形器14で受信された信号の処理に基づいて、ブロック208は、対象をイメージングするための現在のコンフィグレーションの具体的な実施例を用いて得られた1つ以上のパフォーマンス特性を測定する。そのようなパフォーマンス特性は、例えば、測定されたシステムノイズ(例えば、ブロック108で測定されたシステムノイズ)、及び/又は、1つ以上のクラッタインディケータを有することができる。矩形で示した判定部210で決定されたように、(ブロック208での候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例用に形成された単数乃至複数の関連のパフォーマンス特性の測定を用いて)対象をイメージングするために使われる、可能な候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例の選択後、ブロック212は、少なくとも部分的に、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例用に測定されたパフォーマンス特性の比較に基づいて、個補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を選択することができ例えば、低いクラッタ(関連して測定されたクラッタインディケータによって指示されるように)又は低減化された測定されたシステムノイズとなるシステムコンフィグレーションの具体的な実施例は、高いクラッタを生じるシステムコンフィグレーションの具体的な実施例よりも有利に使用することができる。しかし、ブロック212は、少なくとも部分的に、測定されたパフォーマンス特性に対して付加的な別の情報に基づいて、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を選択することができる。
【0056】
別の択一的な実施例では、少なくとも部分的に、測定されたパフォーマンス特性に基づいて、システムコンフィグレーションの具体的な実施例を自動的に選択するのに対して付加的に、又は、その代わりに、コントローラ22は、関連のパフォーマンス情報(例えば、測定されたクラッタ及び/又はシステムノイズの程度)に沿って、オペレータコンソール20上に、1つ以上の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を表示することができる。こうすることによって、オペレータは、予めスクリーン表示された特定の、システムコンフィグレーションの具体的な実施例をマニュアルにより選択することができるようになる。
【0057】
ブロック204で定義されたシステムコンフィグレーションの具体的な実施例が、基本イメージングモードを含む場合、伝送ビーム成形器11は、少なくとも部分的に、ブロック202で受信された超音波波形パラメータに基づいて、伝送搬送波周波数及び/又は伝送搬送波周波数を中心とした伝送帯域幅で、超音波波形を伝送するように制御することができる。受信ビーム成形器14は、ほぼ同時に制御されて、受信搬送波周波数を中心とした受信帯域幅で、及び/又は伝送搬送波周波数を中心とした受信帯域幅で、及び/又は、伝送帯域幅を中心とした受信帯域幅で、関心のある対象からの反射を受信することができる。それから、受信された反射は、(基本イメージングモードを使う場合)受信されたイメージ信号内のクラッタのレベル、又は、システムノイズのレベルのどちらかを測定するためのブロック208で処理される。
【0058】
ブロック204でのシステムコンフィグレーションの具体的な実施例が、ハーモニックイメージングモードを使うことを含む場合、伝送ビーム成形器11は、少なくとも部分的に、現在のシステムコンフィグレーションの具体的な実施例で定義された超音波波形パラメータに基づいて、伝送搬送波周波数及び/又はこの伝送搬送波周波数で超音波波形を伝送するように制御することができる。受信ビーム成形器14は、ほぼ同時に、受信搬送波周波数及び/又は受信帯域幅で、関心のある対象からの反射を受信するように制御される。しかし、受信搬送波周波数は、伝送搬送波周波数よりも高く(例えば、伝送搬送波周波数の1.5倍)して、高いハーモニック周波数で反射の検出を強調するようにすることができる。1実施例では、高い受信搬送波周波数を中心にしてセンタリングされた受信帯域幅は、伝送帯域幅の受信帯域幅とほぼ同じサイズにすることができる。別の実施例では、しかし、受信帯域幅は、伝送帯域幅よりも狭くして、基本搬送波周波数を中心にして反射をフィルタリングにより除去するようにして、高いハーモニック周波数での反射の検出をずっと強調することができる。受信された反射は、それから、ブロック208で処理され、現在の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を用いて、受信イメージ信号内にあるクラッタ又はシステムノイズのレベルを測定することができるようになる。
【0059】
クラッタがあることを測定するために、ブロック208は、超音波イメージングクラスタのインディケータの測定を決定するための幾つかの技術の何れか1つを用いることができる。例えば、ヒストグラムイメージピクセル強度値の統計的な評価、コヒーレンスファクタ計算、及び/又は、中心ビーム伝送信号を使う場合、中心ビーム受信信号とオフビーム受信信号との比較を用いることができる。これらの技術については、大部分、以下で説明する。しかし、これらは、単に、具体的な超音波イメージングシステム用のクラッタインディケータ測定を決定することができる仕方の例であるにすぎないのであり、請求項に記載の要件は、これに限定されるものではない。
【0060】
1実施例では、クラッタインディケータ測定は、少なくとも部分的に、ピクセル強度値のヒストグラムの統計的な評価に基づいて決定することができる。超音波イメージ内の関心領域内で、ピクセル値は、関心のある領域内の幾つかのピクセル位置での暗さの強度又は程度を示すことができる。1実施例で、例えば、ピクセル位置は、何らかのピクセルが、0〜255の整数によって示される関連の強度値を有するようなピクセル位置に対して、ピクセル強度を示す8個のビット値によって示すことができる。しかし、これは、単に、ピクセル強度を量子化する仕方の例に過ぎず、請求項記載の要件は、これに限定されるものではない。
【0061】
現在の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を用いて、トランスジューサ13は、中心ビームで、対象にパルスを伝送するように制御される(ブロック204で)。コントローラ22は、特定の整数(例えば、0〜255個)の強度値でのピクセルの番号を識別する第1の統計的なヒストグラムとして強度を示すために、関心領域に亘って、ピクセル用の強度値を収集することができる(例えば、バックエンドマッピングステージ18及び/又はスキャンコンバータ17から)。
【0062】
それにより形成された、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例のヒストグラムは、統計的に比較されて(ブロック212で)、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を用いて、クラッタを低減する相対的な効果を決定することができる。例えば、平均ピクセル強度付近の高い分散を有する統計的なヒストグラムは、形成されるイメージ内でのクラッタを低減する際に、大きな効果を示すことができる。別の具体的な実施例では、中心領域内のピクセルの数と比較したテール領域でのピクセルの数は、クラッタ低減を示すことができる(中心領域に比較して、テールエンドではもっとたくさんのピクセルを有するヒストグラムは、もっと効果的なクラッタ低減を示すことができる)。何らかの実施例では、統計的な比較は、中心強度領域内の各ピクセル間のコントラストのみに限定することができる(例えば、8ビット強度値で、100〜155)。しかし、これらは、単に、クラッタの存在を示すピクセル強度値の各ヒストグラム間の統計的な比較の例に過ぎず、請求項記載の要件は、この点に限定されるものではない。
【0063】
図5は、図4の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例用のクラッタインディケータを測定するためのヒストグラムデータの統計的な解析をグラフで示す図である。ヒストグラム302〜312は、ピクセル値を0〜255の整数にすることができる関連のシステムコンフィグレーションの具体的な実施例を用いて受信されたピクセル値のヒストグラムを示す。これらの各ヒストグラムの平均及び分散は、以下のように提供される:
ヒストグラム 平均 分散
302 40.48 13.11
304 51.42 15.46
306 47.85 13.98
308 44.00 11.88
310 44.55 12.23
312 46.44 11.38
少なくとも部分的に、分散情報の比較に基づいて、ヒストグラム304を形成する候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、その分散が15.46であるので、クラッタの最小量を形成する場合に考慮することができ、ヒストグラム312を形成する候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、その分散が11.38であるので、クラッタの最高量を形成する場合に考慮することができる。
【0064】
処理の具体的な実施例200のブロック208でのクラッタインディケータを測定するための択一的な具体的な実施例では、コヒーレンスファクタ(CF)は、ブロック206での候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を使って得られたイメージ用に計算することができる。一般的に、比較的低いコヒーレンスファクタ(CF)の測定は、クラッタが比較的多く存在することを指示し、比較的高いコヒーレンスファクタ(CF)の測定は、クラッタが比較的少なく存在することを指示する。従って、ブロック212は、(少なくとも部分的に)、比較的低いコヒーレンスファクタ(CF)の測定を生じる候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例よりも少ないクラッタの存在を指示する、比較的高いコヒーレンスファクタ(CF)の測定を生じる候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例の方を優先して、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例の中から選択することができる。
【0065】
ブロック208で、コヒーレンスファクタ(CF)の測定を得るために、コントローラ22は、伝送ビーム成形器11及び14を制御して、ブロック206で、現在の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例を使用して、単一パルスを伝送及び/又は受信する。それから、コヒーレンスファクタ(CF)は、以下のようにして、ブロック208で、現在の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例のために計算することができる:
【0066】
【数1】

【0067】
その際、xi(t)=サンプリング時間tで、トランスジューサ要素iで受信された信号の強度、
及び、
αi=受信ビームフォーミング用に要素iに適用されたアポダイゼーション定数
である。
【0068】
ここで説明している具体的な実施例では、xi(t)は、ベースバンドに対して周波数シフトされていて、適切な時間遅延と、ビームフォーミング用に用いられる位相調整を有していて、時間tで、要素iでサンプリングされた信号の同相及び2乗成分を示すのに複素数として表現される。別の具体的な実施例では、しかし、同様のコヒーレンスファクタ(CF)計算を、ベースバンドに変換されていないサンプリング値から得られた高周波信号データを使って行うことができる。
【0069】
図6A〜6Cは、多数のビーム角度で受信された各信号の強度を比較することによって、処理の具体的な実施例200のブロック208で、クラッタインディケータを測定する択一的な技術を示す略図である。図6Aでは、トランスジューサアレイ402は、1つ以上のパルスを、ほぼ中心ビーム方向404で対象Bの方に伝送し、ほぼ中心で、リターンパルス406を受信する(例えば、受信するためにビームをフォーミングする)ように構成されている。トランスジューサアレイ402は、1つ以上のパルスを再度、中心ビーム方向402に直接伝送し、オフセンタビーム方向408〜414で受信するように構成されている。択一的に、単一パルス又はパルスセットは、方向404に伝送され、多数の受信ビームは、平行ビーム処理技術を使って、ほぼ同時に受信方向404〜414に成形される。受信された信号強度は、受信方向406〜414で測定される(例えば、バックエンドプロセッサブロック16及び/又は18)。
【0070】
同様の処理が、図6B及び6Cに示されているように実行されるが、但し、相違する点は、伝送パルスがオフセンタ方向416(図6B)及び430(図6C)に配向されており、受信された信号強度の測定は、図6Bでは、受信方向418〜426で行われ、図6Cでは、受信方向432〜440で行われる。
【0071】
中心ビームで受信された信号の強度に対して相対的なオフビーム角度で受信された信号の強度により、これら各オフビーム角度での反射から生じたクラッタを指示することができるようになる。これは、例えば、相対的なクラッタレベル(RCL)を使って、特定の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例用にクラッタを測定することができるように決定される。別のコンフィグレーションと比較して高い、相対的なクラッタレベル(RCL)が生じる候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例は、ブロック212での選択の際にあまり優先されず、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例では、低い、相対的なクラッタレベル(RCL)が生じる。そのような相対的なクラッタレベル(RCL)は、全オフビームエネルギとオンビームエネルギとの比として、以下のようにして計算することができる:
【0072】
【数2】

【0073】
その際:
a=伝送ビーム方向とは別の方向から受信されたビーム、
b=伝送ビーム方向から受信されたビーム、
d=サンプルが各受信ビームに沿って測定される深さ、
xa(d)=ビームa及び深さdで、検出且つ対数により圧縮された信号値、
xb(d)=ビームb及び深さdで、検出且つログコンプレッション(対数により圧縮された)信号値
である。
【0074】
当然、これは、単に、相対的なクラッタレベル(RCL)を決定するための可能なアプローチの例に過ぎず、請求項記載の要件は、この点に限定されるものではない。候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例のために、これらのクラッタインディケーションの測定は、別の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例から形成された各測定値間で比較される。従って、ブロック212で、少なくとも部分的に、その測定値によって表された低いレベルのクラッタを生じる各候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例、乃至、その測定値によって表された、低いコヒーレンスファクタ(CF)測定値の高いレベルのクラッタを生じる、候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例の中から選択することができる。
【0075】
請求項記載の要件を具体的に実施した実施例として上述のように説明してきたが、当業者には、種々異なる変形実施例が可能であり、本発明の技術思想を逸脱しない限りで、種々に異なって実施することができる。付加的に、請求項記載の要件から逸脱しない限りで、多くの変形を、請求項記載の要件の技術思想に適合させることができる。従って、本願発明は、上述の特定実施例に限定されるものではなく、各請求項記載の範囲内の全ての実施例を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0076】
超音波イメージングテクノロジを使う医療現場では、適切な診断のために十分な解像度及び明瞭度のイメージが用いられている。超音波イメージは、組織を透過するように超音波波形を伝送し、超音波波形により得られた反射及び/又は関心対象からの伝送を処理して形成される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の具体的な実施例による医療診断用超音波イメージングシステムのブロック略図。
【図2】図1に示した具体的な実施例の超音波イメージングシステムの作動周波数を選択する過程の具体的な実施例を示す流れ図。
【図3】図1に示した具体的な実施例のバックエンドマッピングステージの具体的な実施例の略図。
【図4】少なくとも部分的に、図1に示した具体的な実施例のクラッタインディケータの測定値に基づいて、対象のイメージング用のシステムコンフィグレーションを選択する過程の具体的な実施例を示す流れ図。
【図5】図4に示した具体的な実施例の候補システムコンフィグレーションの具体的な実施例でのクラッタインディケータを測定するためのヒストグラムデータの統計的な解析をグラフで示した図。
【図6】A〜Cは、複数のビーム角度で受信された信号の強度を比較することによって、クラッタインディケータを測定するための択一的な技術の具体的な実施例を示す略図。
【符号の説明】
【0078】
10 具体的な実施例
11 伝送ビーム成形器
12 伝送/受信スイッチ
13 トランスジューサアレイ
14 受信ビーム成形器
15 振幅検出器
16 ログコンプレッション(対数により圧縮)デバイス
17 スキャンコンバータ
18 アダプティブ・マルチディメンショナル・バックエンド・マッピングステージ
19 ディスプレイ
20 オペレータコンソール
22 コントローラ
120 局所ノイズ平均評価器
121 組織平均評価器
122 組織検出器
123 平均評価器
124 加算器
125 最大SNR評価器
126 アダプティブ・マルチディメンショナル・マッピング・ステージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(10)において、
超音波トランスジューサ(13)と、
コントローラ(22)を有しており、該コントローラ(22)を用いて、少なくとも部分的に、複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性の測定に基づいて、対象をイメージングするための超音波イメージングシステムの、複数の候補システムコンフィグレーションの1つを選択することができ、前記測定は、少なくとも部分的に、前記超音波トランスジューサ(13)で受信された1つ以上の信号に基づいているようにすることを特徴とする超音波イメージング装置(10)。
【請求項2】
コントローラ(22)を用いて、更に、
対象の超音波イメージを得るためにノイズトレランス・スレッショールドを決定し、
候補システムコンフィグレーションで生じたシステムノイズを測定し、
前記候補システムコンフィグレーションで測定されたシステムノイズを前記ノイズトレランス・スレッショールドと比較することができるように構成されている
請求項1記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項3】
コントローラ(22)を用いて、更に、少なくとも部分的に、対象の超音波イメージでの所望のイメージング深さに基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドを決定することができるように構成されている
請求項2記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項4】
コントローラ(22)を用いて、更に、少なくとも部分的に、対象から受信した信号の強度の評価に基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドを決定することができるように構成されている
請求項2記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項5】
コントローラ(22)を用いて、少なくとも1つの、候補システムコンフィグレーションと関連したクラッタインディケータを測定することによって、少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定することができるように構成されている
請求項1記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項6】
コントローラ(22)を用いて、候補システムコンフィグレーションに従って、領域内ピクセル用の第1の周期的ピクセル値を得るように構成されている超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号を処理し、
少なくとも部分的に、得られたピクセル値の統計的比較に基づいて、複数の候補システムコンフィグレーションの中から選択されたシステムコンフィグレーションを自動的に選択することができるように構成されている
請求項5記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項7】
コントローラ(22)を用いて、更に、コヒーレンスファクタ測定値を決定するために、超音波トランスジューサ(13)で受信された1つ以上の信号を処理し、
少なくとも部分的に、各候補システムコンフィグレーションと関連した、コヒーレンスファクタ測定値の比較に基づいて、前記各候補システムコンフィグレーションの中から選択されたシステムコンフィグレーションを選択することができるように構成されている
請求項5記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項8】
コントローラ(22)を用いて、更に、波形を超音波トランスジューサ(13)から第1の方向で伝送開始し、
前記第1の方向及び当該第1の方向とは異なる第2の方向で伝送された前記波形の反射を示す信号を処理し、
前記第1の方向及び前記第2の方向で受信された反射の強度の比較に基づいて、少なくとも1つのクラッタインディケータを測定することができるように構成されている
請求項4記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項9】
候補システムコンフィグレーションは、所定の作動周波数を有しているように特徴付けられている請求項1記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項10】
作動周波数は、少なくとも1つの伝送搬送波周波数及び/又は伝送帯域幅を有している請求項9記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項11】
作動周波数は、少なくとも1つの受信搬送波周波数及び/又は受信帯域幅を有している請求項9記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項12】
候補システムコンフィグレーションは、基本イメージングモード又はハーモニックイメージングモードのちょうど1つを有しているように特徴付けられている請求項1記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項13】
超音波トランスジューサ(13)と、
コントローラ(22)を有しており、該コントローラ(22)を用いて、少なくとも部分的に、前記超音波トランスジューサ(13)で受信された1つ以上の信号に基づいて、候補システムコンフィグレーションに従って構成された超音波イメージングシステムの複数の前記候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定し、
少なくとも部分的に、前記測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて構成された1つ以上の前記候補システムコンフィグレーションを表示開始することができるように構成されている
ことを特徴とする超音波イメージング装置(10)。
【請求項14】
オペレータ入力データに応答して、表示された各候補システムコンフィグレーションの1つを、コントローラ(22)を用いて選択することができるように構成されている請求項13記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項15】
超音波トランスジューサ(13)と、
コントローラ(22)を有しており、該コントローラ(22)を用いて、対象の超音波イメージを得るためのノイズトレランス・スレッショールドを決定し、
少なくとも部分的に、前記超音波トランスジューサ(13)で受信された信号及びノイズトレランス・スレッショールドに基づいて、前記超音波イメージを得るために、前記超音波トランスジューサ(13)の複数の候補作動周波数の少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定することができるように構成されていることを特徴とする超音波イメージング装置(10)。
【請求項16】
コントローラ(22)を用いて、少なくとも部分的に、測定された、少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて、1つ以上の候補作動周波数を表示開始することができるように構成されている請求項15記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項17】
コントローラ(22)を用いて、更に、オペレータの選択に応答して、超音波トランスジューサ(13)用の作動周波数として、表示された候補作動周波数の1つを選択することができるように構成されている請求項16記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項18】
コントローラ(22)を用いて、更に、少なくとも部分的に、測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて、超音波トランスジューサ(13)用の作動周波数として、候補作動周波数の1つを自動的に選択することができるように構成されている請求項15記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項19】
超音波トランスジューサ(13)と、
コントローラ(22)を有しており、該コントローラ(22)を用いて、対象の超音波イメージを得るためのノイズトレランス・スレッショールドを決定し、
少なくとも部分的に、前記超音波トランスジューサで対象から受信された信号に応答するノイズトレランス・スレッショールドに基づいて、前記超音波トランスジューサ(13)の作動周波数を自動的に選択することができるように構成されていることを特徴とする超音波イメージング装置(10)。
【請求項20】
コントローラ(22)を用いて、更に、少なくとも部分的に、対象での所望のイメージング深さに基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドを決定することができるように構成されている請求項19記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項21】
コントローラ(22)を用いて、更に、少なくとも部分的に、対象から受信された信号の評価された、又は、測定された強度に基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドを決定することができるように構成されている請求項20記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項22】
コントローラ(22)を用いて、更に、複数の所定の作動周波数の中から作動周波数を選択することができるように構成されている請求項19記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項23】
作動周波数は、少なくとも1つの帯域幅周波数及び/又は搬送波周波数を有する請求項19記載の超音波イメージング装置(10)。
【請求項24】
少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づいて、超音波イメージングシステムの複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定する手段と、
少なくとも部分的に、前記測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて、対象をイメージングする際の前記候補システムコンフィグレーションの1つを自動的に選択する手段
を有していることを特徴とする超音波イメージング装置。
【請求項25】
複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定する手段は、
対象の超音波イメージを得るためのノイズトレランス・スレッショールドを決定する手段と、
前記複数の候補システムコンフィグレーションで生じたシステムノイズを測定するための手段と、
前記複数の候補システムコンフィグレーションで測定されたシステムノイズを、前記ノイズトレランス・スレッショールドと比較する手段
を有している請求項24記載の超音波イメージング装置。
【請求項26】
装置は、更に、少なくとも部分的に、対象の超音波イメージでの所望のイメージング深さに基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドを決定するための手段を有している請求項25記載の超音波イメージング装置。
【請求項27】
装置は、更に、少なくとも部分的に、対象からの信号の強度の評価に基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドを決定するための手段を有している請求項25記載の超音波イメージング装置。
【請求項28】
少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定する手段は、候補システムコンフィグレーションと関連付けられた少なくとも1つのクラッタインディケータを測定するための手段を有している請求項24記載の超音波イメージング装置。
【請求項29】
候補システムコンフィグレーションと関連付けられた少なくとも1つのクラッタインディケータを測定するための手段は、更に、所定領域内のピクセル用の第1の周期的なピクセル値を得るために、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号を処理するための手段を有しており、装置は、更に、少なくとも部分的に、得られたピクセル値の統計的な比較に基づいて、複数の候補システムコンフィグレーションの中から選択されたシステムコンフィグレーションを自動的に選択することを有している請求項28記載の超音波イメージング装置。
【請求項30】
候補システムコンフィグレーションと関連付けられた少なくとも1つのクラッタインディケータを測定するための手段は、更に、コヒーレンスファクタの測定値を決定するために、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号を処理するための手段を有しており、当該装置は、更に、少なくとも部分的に、前記候補システムコンフィグレーションと関連した前記コヒーレンスファクタの各測定値の比較に基づいて、前記各候補システムコンフィグレーション間から選択されたシステムコンフィグレーションを選択するための手段を有している請求項28記載の超音波イメージング装置。
【請求項31】
候補システムコンフィグレーションと関連付けられた少なくとも1つのクラッタインディケータを測定するための手段は、更に、
波形を第1の方向に伝送する手段と、
第1の方向及び当該第1の方向とは異なる第2の方向で伝送された前記波形の反射を受信する手段と、
前記第1の方向で受信された反射の強度及び第2の方向で受信された反射の強度を比較する手段を有している請求項28記載の超音波イメージング装置。
【請求項32】
候補システムコンフィグレーションは、作動周波数を有するように特徴付けられている請求項24記載の超音波イメージング装置。
【請求項33】
作動周波数は、少なくとも1つの伝送搬送波周波数及び/又は伝送帯域幅を有している請求項32記載の超音波イメージング装置。
【請求項34】
作動周波数は、少なくとも1つの受信搬送波周波数及び/又は受信帯域幅を有している請求項32記載の超音波イメージング装置。
【請求項35】
候補システムコンフィグレーションは、基本イメージングモード又はハーモニックイメージングモードのちょうど1つを有しているように特徴付けられている請求項24記載の超音波イメージング装置。
【請求項36】
少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された1つ以上の信号に基づいて、超音波イメージングシステムの複数の候補システムコンフィグレーションの少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定するための手段と、
少なくとも部分的に、前記測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて、1つ以上の候補システムコンフィグレーションを表示するための手段を有していることを特徴とする超音波イメージング装置。
【請求項37】
装置は、更に、少なくとも部分的に、オペレータ入力データに応答して、表示された候補システムコンフィグレーションの1つを選択することができるための手段を有している請求項36記載の超音波イメージング装置。
【請求項38】
対象の超音波イメージを得るために、ノイズトレランススレッショールドを決定するための手段と、
少なくとも部分的に、超音波トランスジューサで受信された信号に基づいて、超音波イメージを得るための超音波トランスジューサの複数の候補作動周波数の少なくとも1つのパフォーマンス特性を測定するための手段を有していることを特徴とする超音波イメージング装置。
【請求項39】
装置は、更に、少なくとも部分的に、測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて、1つ以上の候補作動周波数を表示するための手段を有している請求項38記載の超音波イメージング装置。
【請求項40】
装置は、更に、オペレータ選択に応答して、超音波トランスジューサ用の作動周波数として、表示された候補作動周波数の1つを選択するための手段を有している請求項39記載の超音波イメージング装置。
【請求項41】
装置は、更に、少なくとも部分的に、測定された少なくとも1つのパフォーマンス特性に基づいて、超音波トランスジューサ用の作動周波数として、候補作動周波数の1つを自動的に選択するための手段を有している請求項38記載の超音波イメージング装置。
【請求項42】
対象の超音波イメージを得るために、ノイズトレランススレッショールドを決定するための手段と、
少なくとも部分的に、測定されたノイズレベルに応答するノイズトレランス・スレッショールドに基づいて、超音波トランスジューサの作動周波数を自動的に選択する手段を有していることを特徴とする超音波イメージング装置。
【請求項43】
装置は、更に、少なくとも部分的に、対象用の所望のイメージング深さに基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドを決定するための手段を有している請求項42記載の超音波イメージング装置。
【請求項44】
装置は、更に、少なくとも部分的に、対象から受信された信号の評価又は測定された強度に基づいて、ノイズトレランス・スレッショールドを決定するための手段を有している請求項43記載の超音波イメージング装置。
【請求項45】
装置は、更に、複数の所定の作動周波数の中から、作動周波数を選択するための手段を有している請求項42記載の超音波イメージング装置。
【請求項46】
作動周波数は、少なくとも1つの帯域幅周波数及び/又は搬送波周波数を有している請求項42記載の超音波イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−187631(P2006−187631A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249(P2006−249)
【出願日】平成18年1月4日(2006.1.4)
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【Fターム(参考)】