説明

超音波トランスデューサおよび超音波プローブ

【課題】2次元アレイの超音波トランスデューサおよび当該超音波トランスデューサを有する超音波プローブにおいて、超音波放射面の面積や、圧電素子の配列形状にかかわらず、容易に圧電素子から信号路(接続リード)を引き出し、当該引き出された信号路と電子回路とを接続することを目的とする。
【解決手段】圧電素子の背面電極から引き出される接続リードを設けた配線基板が、背面電極と導通される第1接続部を有する面と、当該面に交わるとともに接続リードを有する面と、電子回路と導通される第2接続部を有する面とを備え、また第1接続部それぞれから引き出された接続リードを介し、電子回路と接続される第2接続部を側面および背面の少なくともいずれか一方の面にまとめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブに関し、特に超音波トランスデューサにおける圧電素子の電極と電子回路との接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、超音波診断装置の超音波プローブにおける超音波トランスデューサは、2次元アレイのものが用いられるようになっている。この2次元アレイの超音波トランスデューサにおいては、圧電素子の素子数が膨大なため、素子と電子回路(遅延回路等)との接続にかかるリードの引き回しが問題となる。すなわち、2次元的に配列された各素子から引き出されるリードの数が膨大(例えば4096個)であるのに、超音波トランスデューサ全体のサイズ(寸法)が小さいと、リードの引き回しを行うスペースの確保が困難となってしまう
【0003】
このような接続リードの引き回しの問題を解消するためには、2次元アレイの圧電素子の信号数を減ずる(信号増幅・加算)処理を行うことが有効である。このような処理を行うことによって、圧電素子から後段電子回路(遅延回路等)へ引き回すリードの数は減少する。このような回路によって2次元アレイの超音波トランスデューサの実現を図ることが可能である。
【0004】
例えば従来、圧電素子の超音波放射方向と反対方向の面(「以下、「背面」という)に対し、ICを配置する構成の超音波トランスデューサが提案されている(例えば特許文献1)。このICにより、2次元アレイの圧電素子の信号数を減ずる処理を行うことによって、圧電素子からのリードの数は減少する。
【0005】
また従来、臨床適用部位に応じて、さまざまな形状の超音波プローブが採用されている。心臓などの循環器系診断では肋骨の間隙から超音波診断を行う。この場合に用いられる超音波プローブとしては、超音波放射面が小口径かつ平坦な超音波トランスデューサを有する構成が一般的である。
【0006】
また一方、肝臓などの腹部消化器系診断においては、診断対象部位の体表からの距離が比較的長く、また診断対象部位の面積も広くなる。さらに超音波診断に悪影響を及ぼす体内のガスを超音波診断視野から追い出すことも必要になる。この場合に用いられる超音波プローブとしては、超音波放射面が大口径且つ、凸形状または円弧状の曲面形状に形成された超音波トランスデューサを有する構成が一般的である。
【0007】
また、超音波放射面が大口径であることを要する超音波プローブにおいても、圧電素子のサイズには制限がある。超音波トランスデューサにおける圧電素子のサイズを大型化すると、分解能の低下を招くおそれがあるためである。したがって、大口径のプローブを用いる場合には、超音波放射面を大型化するために必要な圧電素子の数が膨大な数となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,551,248号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のようにプローブは超音波放射面が、大口径かつ凸形状または円弧状の曲面形状である場合がある。また、ICのサイズを大きくすることは容易ではなく、実現されたとしても製造コストが高くなってしまう。
【0010】
したがって超音波放射面が、大口径かつ凸形状または曲面形状の場合において、特許文献1のように圧電素子背面にICを配置することは困難である。すなわち、凸形状や曲面状の圧電素子群の背面に対応してICを高密度かつ省スペースで配置することは容易でなく、また、凸形状や曲面状の圧電素子群の背面に対応した形状のICを形成することも容易ではない。また、このようなICの設置・形成が実現されたとしても製造コストが高くなってしまう。
【0011】
このようなさまざまな制約があることにより、従来、圧電素子の素子数や、圧電素子の配列方法によっては、ICの設置が困難な場合があった。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は2次元アレイの超音波トランスデューサにおいて、超音波放射面の面積や、圧電素子の配列形状にかかわらず、容易に圧電素子から信号路(接続リード)を引き出し、当該引き出された信号路と電子回路とを接続することを可能とする2次元アレイの超音波トランスデューサおよび超音波プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、超音波放射面である前面に前面電極が形成され、該前面と反対側である背面に背面電極が形成された圧電素子を含み、かつ2次元的に配列された複数の超音波振動子と、該超音波振動子からの信号を処理する電子回路と、を有する超音波トランスデューサであって、厚みを有する板状の複数の配線基板における板面を隣接させるとともに前記超音波振動子の行または列にしたがって複数積層させることにより形成され、かつ前記超音波放射面方向に向けられた前面に前記複数の超音波振動子の各々に対応する第1接続部が設けられるとともに該側面または背面と該電子回路との間において前記第1接続部の各々に対応する第2接続部が設けられ、かつ前面が前記超音波振動子の背面に接続され、かつ側面もしくは背面または、該側面および背面の双方に前記電子回路が接続された配線基板ブロックと、前記配線基板の前記板面を経由して前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する接続リードと、を備えたこと、を特徴とする。
上記目的を達成するための請求項11に記載の発明は、厚みを有する略平板状の配線基板を積層してなる配線基板ブロックと、超音波の放射面である前面に前面電極が形成され、背面に背面電極が形成された圧電素子を含む超音波振動子を、2次元的に配列してなる超音波振動子群と、前記超音波振動子の前記背面と向かい合う前記配線基板の前面において前記超音波振動子の配列に対応して設けられ、かつ前記背面電極と導通された第1接続パッドと、前記配線基板における周面のうち側面または背面において前記第1接続パッドそれぞれに対応して設けられた複数の第2接続パッドと、前記配線基板の板面の少なくともいずれか一方を介して、前記第1接続パッドと前記第2接続パッドとを導通させる接続リードと、前記配線基板ブロックにおける前記第2接続パッドが設けられた面に接続され、該第2接続パッドと導通され、前記圧電素子からの信号を処理する電子回路と、を備えたこと、を特徴とする超音波トランスデューサである。
上記目的を達成するための請求項12に記載の発明は、超音波放射面である前面に前面電極が形成され、該前面と反対側である背面に背面電極が形成された圧電素子を含み、かつ2次元的に配列された複数の超音波振動子と、該超音波振動子からの信号を処理する電子回路と、を有する超音波プローブであって、厚みを有する板状の複数の配線基板における板面を隣接させ、かつ前記超音波振動子の行または列にしたがって複数積層させることにより形成され、かつ前記超音波放射面方向に向けられた前面に前記複数の超音波振動子の各々に対応する第1接続部が設けられるとともに、該側面または背面と該電子回路との間において前記第1接続部の各々に対応する第2接続部が設けられ、かつ前面が前記超音波振動子の背面に接続され、かつ側面もしくは背面または、該側面および背面の双方に前記電子回路が接続された配線基板ブロックと、前記配線基板の前記板面を経由して前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する接続リードと、を備えたこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記した請求項1、請求項11および請求項12にかかる超音波トランスデューサ、超音波プローブによれば、圧電素子の背面電極から引き出される接続リードを設けた配線基板が、背面電極と導通される第1接続部を有する面と、当該面に交わるとともに接続リードを有する板面と、電子回路と導通される第2接続部を有する面とを備えている。
【0015】
したがって、第1接続部それぞれから引き出された接続リードを、側面や背面にまとめられた第2接続部を介して、電子回路に接続することができる。すなわち背面電極に隣接して電子回路を設ける必要がなくなる。このような構成によれば2次元アレイの超音波トランスデューサにおいて、背面電極との間で信号をやり取りする電子回路を、配線基板ブロックの任意の面へ配置することができる。その結果、超音波放射面の面積や、圧電素子の配列方法にかかわらず、電子回路の設置を阻害する事態を回避することができ2次元アレイの超音波トランスデューサおよび2次元アレイの超音波トランスデューサを有する超音波プローブを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサの概要を示す概略斜視図である。
【図2】この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサの概要を示す概略分解斜視図である。
【図3】この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサにおいて、フレキシブル基板を介した超音波振動子と配線基板との接続状態の概要を示す概略断面図である。
【図4】この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサの配線基板ブロックの概要を示す概略斜視図である。
【図5】この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサの配線基板の概要を示す概略斜視図である。
【図6】この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサの概要を示す概略斜視図である。
【図7】この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサの概要を示す概略分解斜視図である。
【図8】この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサにおいて、フレキシブル基板を介した超音波振動子と配線基板との接続状態の概要を示す概略断面図である。
【図9】この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサの配線基板ブロックの概要を示す概略斜視図である。
【図10】この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサの配線基板の概要を示す概略斜視図である。
【図11】この発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサの概要を示す概略斜視図である。
【図12】この発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサの概要を示す概略分解斜視図である。
【図13】この発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサの配線基板ブロックの概要を示す概略斜視図である。
【図14】この発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサの配線基板の概要を示す概略斜視図である。
【図15】(A)この発明の第1実施形態の変形例にかかる超音波トランスデューサの配線基板の概要を示す概略斜視図である。(B)この発明の第2実施形態および第3実施形態の変形例にかかる超音波トランスデューサの配線基板の概要を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態にかかる超音波トランスデューサおよび超音波プローブにつき、図1〜図15を参照して説明する。
【0018】
[第1実施形態]
(超音波トランスデューサの概略構成)
図1〜図5を参照して第1実施形態における超音波トランスデューサ100の概要について説明する。図1は、この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサ100の概要を示す概略斜視図である。また、図2は、この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサ100の概要を示す概略分解斜視図である。図3は、この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサ100において、フレキシブル基板120を介した超音波振動子110aと配線基板130aとの接続状態の概要を示す概略断面図である。以下、本実施形態にかかる超音波トランスデューサ100の概略構成について説明する。なお、各図において示される超音波トランスデューサ100の超音波振動子110aの配列数および配線基板130aの数は概念上示されるものであり、実際と異なるものである。また図示された配列全体がなす形状、例えば2次元配列における行数や列数についても一例であり、その他の構成とすることも可能である。
【0019】
図1に示すように、この実施形態にかかる超音波トランスデューサ100は、超音波振動子110aを2次元的に配列して構成された超音波振動子群110を有している。図2においては行方向と列方向の2次元配列となっている。この超音波振動子群110における超音波振動子110aの配列について、例えば腹部消化器系診断に適するように、超音波放射面全体が大口径かつ、凸形状または円弧状となる構成とすることが可能である。図1に示すような凸面または曲面をなす超音波振動子群110を有する超音波トランスデューサ100においては、診断対象部位の体表からの距離が比較的長い場合にも対応可能であり、また診断対象部位の面積も広くなる。さらに超音波診断に悪影響を及ぼす体内のガスを超音波診断視野から追い出すことが可能になる。
【0020】
図1および図2に示すように、超音波振動子群110に対する超音波の放射方向と反対方向(以下、単に「後方」と記載する)側すなわち、当該超音波振動子群110の背面には、フレキシブル基板120が隣接配置される。また図2に示すようにフレキシブル基板120の後方には、厚板状の配線基板130aを配列して構成された配線基板ブロック(配線基板群)130が配置される。配線基板130aは、それぞれ厚板状に形成されており、またこの複数の配線基板130aが組み合わされることにより、例えば5つの平面と1つの凸面(または曲面)を有する配線基板ブロック130が形成される。この配線基板ブロック130における1つの面として、超音波振動子群110およびフレキシブル基板120側の面(以下、単に「前面」と記載する。/前面131)があり、また当該前面131と反対側となる背面がある。この配線基板130aの厚さは例えば超音波振動子110aの列方向の配列間隔と同間隔とすることが可能である。
【0021】
また配線基板ブロック130における側面には、電子回路基板140が設けられる。すなわち複数の配線基板130aがそれぞれ組み合わされることにより、配線基板ブロック130には、当該各配線基板130aの側面133が連なって構成される略平面状の側面群が形成されている。この側面群に対し電子回路基板140が設置される。この電子回路基板140における表面141には、電子回路150が設置される。この表面141は配線基板ブロック130側の面と反対側の面である。
【0022】
超音波振動子群110の超音波振動子110aの電極それぞれは、当該超音波振動子110aそれぞれの後方の面(以下、単に「背面」と記載する)に配置されたフレキシブル基板120における第3接続パッド121に接続され導通されている。この図2に示す第3接続パッド121は、フレキシブル基板120に設けられた貫通電極122(図3参照)によってフレキシブル基板120の背面まで引き出され、当該背面に形成された第4接続パッド123(図3参照)に導通されている。
【0023】
図3および図4に示すように、フレキシブル基板120における背面の第4接続パッド123は、配線基板ブロック130における各配線基板130aの前面131に形成された第1接続パッド131aに接続され、かつ導通される。また、この第1接続パッド131aには、第2板面132、側面133を通された接続リード132aが接続されている。この接続リード132aは、当該第1接続パッド131aから各配線基板130aの第2板面132を通り、第2接続パッド133aまで引き出される。したがって、第1接続パッド131aと第2接続パッド133aとは、接続リード132aによって導通されている。また接続リード132aは例えば配線基板ブロック130にプリントされた配線パターンとすることが可能である。
【0024】
なお、本実施形態における第1接続パッド131aは、本発明における「第1接続部」の一例に該当する。また、本実施形態における第2接続パッド133aは、本発明における「第2接続部」の一例に該当する。また、本実施形態における第3接続パッド121は、本発明における「第3接続部」の一例に該当する。また、本実施形態における第4接続パッド123は、本発明における「第4接続部」の一例に該当する。
【0025】
(超音波振動子の構成)
次に、図3を参照して本実施形態の超音波トランスデューサ100における超音波振動子110aについて説明する。なお、超音波振動子110aの基本的構成については図示を省略して説明する。超音波振動子110aは、超音波の放射方向へ順に、バッキング材、背面電極、圧電素子、前面電極、音響整合層を備えて構成されている。すなわち、圧電素子の当該放射方向側(以下、単に「前方」と記載する。)となる前面には前面電極が設けられ、さらに前面電極の前方には音響整合層が設けられる。また、圧電素子の背面には背面電極が設けられ、さらに背面電極の後方にはバッキング材が設けられる。また圧電素子の電極からは、超音波振動子110aの背面まで電極リードが引き出される。当該電極リードの端部は、当該背面に形成された端子110c(接続パッド)に接続される(図3参照)。
【0026】
また図1に示すように、超音波トランスデューサ100による超音波放射面を曲面とする場合、この超音波振動子110aは、隣接する超音波振動子110aに対して所定の角度傾けられて配置される。また超音波振動子110aを複数(例えば2素子)分だけ平行に配置し、当該振動子のまとまりを1ブロックとし、隣接するブロックと所定角度傾ける構成とすることも可能である。
【0027】
超音波診断装置本体から送信された信号に基づき、後段電子回路(不図示)や超音波トランスデューサ100における電子回路150、接続リード132a等を介して、前面電極や、背面電極に電圧が印加される。超音波振動子110aにおける圧電素子それぞれは、このように印加された電気信号を超音波パルスに変換する。変換された超音波パルスは、音響整合層および音響レンズを通して被検体へ送波される。その後、超音波振動子110aが被検体からの反射波を受波すると、当該受波した反射波を信号に変換する。当該変換された背面電極それぞれからの信号は、フレキシブル基板120、配線基板ブロック130の第1接続パッド131a、接続リード132a、第2接続パッド133a、電子回路基板140を通り、対応する電子回路150にそれぞれ送信される。当該検出された信号は電子回路150それぞれにより、加算処理され、信号路数を減じられた上で、超音波診断装置本体に伝送される。詳細については後述する。
【0028】
〈圧電素子〉
この超音波振動子110aにおける圧電素子としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛/Pb(Zr,Ti)O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3 )、PZNT(Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3)単結晶、PMNT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3)単結晶等を用いることが可能である。
【0029】
〈バッキング材〉
バッキング材は、超音波パルスの送波の際に超音波の照射方向と反対側に放射される超音波パルスを吸収し、各圧電素子それぞれの余分な振動を抑える。このバッキング材としては、音響減衰、音響インピーダンス等の観点から、PZT粉末やタングステン粉末等を含むエポキシ樹脂、ポリ塩化ビニールやフェライト粉末を充填したゴムあるいは多孔質のセラミックにエポキシ等の樹脂を含漬したもの等、任意の材料を用いることができる。
【0030】
〈音響整合層〉
超音波振動子110aにおける音響整合層は、圧電素子それぞれと被検体との音響インピーダンスの整合をとるものである。この音響整合としてはエポキシ樹脂などの樹脂材料からなるものを用いることができる。なお、音響整合層を1層としてもよく、また、2層以上とすることもできる。
【0031】
(超音波振動子−フレキシブル基板−配線基板間の構成)
次に、本実施形態にかかる超音波トランスデューサ100における超音波振動子110aとフレキシブル基板120との接続構造およびフレキシブル基板120と配線基板130aとの接続構造について、図1〜図3を参照して説明する。
【0032】
図2に示すようにフレキシブル基板120は、超音波振動子群110に対して後方に隣接して配置される。また超音波振動子110aとフレキシブル基板120との隣接部分には、超音波振動子110aの背面に設けられた端子110cと、フレキシブル基板120の前面に設けられた第3接続パッド121が介在している。さらに図3に示すように、これら端子110cと第3接続パッド121とは導電性を有する接着部115によって接続される。この接着部115によって、端子110cと第3接続パッド121とが接続され、かつ導通される。さらに端子110cを介して第3接続パッド121と圧電素子の電極とが導通される。
【0033】
また図3に示すように、フレキシブル基板120における前面の第3接続パッド121は貫通電極(電極孔)122を通じて、背面の第4接続パッド123と導通されている。例えば貫通電極122は、フレキシブル基板120を貫通して設けられたスルーホールまたは、ビアホール等として構成されており、フレキシブル基板120の前面側において第3接続パッド121に接続される。さらに、貫通電極122はフレキシブル基板120の内部を貫通して、第3接続パッド121側と反対側の端部において背面の第4接続パッド123に接続される。このようにしてフレキシブル基板120の前面と背面との間で導通がなされる。
【0034】
また図2に示すように、フレキシブル基板120の後方には、配線基板ブロック130が隣接して配置される。また配線基板ブロック130には、配線基板130aの前面131がひと続きとなって構成された前面群が形成されている。この配線基板ブロック130の前面群とフレキシブル基板120の背面との隣接部分には、図3に示すように第1接続パッド131aと第4接続パッド123が介在している。すなわち配線基板130aそれぞれの前面131には、フレキシブル基板120の背面に設けられた第4接続パッド123の配列および位置にあわせて、第1接続パッド131aが並設されている。図3に示すように、これら第1接続パッド131aと第4接続パッド123とは接着部125によって接続される。この接着部125によって、第1接続パッド131aと第4接続パッド123とが導通されることにより、さらに第4接続パッド123、第3接続パッド121、端子110cを介し、第1接続パッド131aと圧電素子の電極とが導通される。
【0035】
上述のように、超音波振動子110aと配線基板ブロック130とは、可撓性を有するフレキシブル基板120を介して接続されている。したがって、超音波振動子群110の背面の形状・起伏と、配線基板ブロック130の前面の形状・起伏とに合わせてフレキシブル基板120が曲げ撓められる。このような構成によれば、端子110cと第3接続パッド121との接続および、第4接続パッド123と第1接続パッド131aとの接続が容易となり、結果として端子110cと第1接続パッド131aとの接続も容易となる。ただし、超音波振動子群110の背面と配線基板ブロック130の前面131の形状によっては、第1接続パッド131aと端子110cとの接続が困難でない場合がある。その場合、フレキシブル基板120を設けずに、直接、超音波振動子群110と配線基板ブロック130とを接続することも可能である。
【0036】
(配線基板および配線基板ブロックの構成)
次に、図1、図4および図5を参照して本実施形態の超音波トランスデューサ100における配線基板130aおよび配線基板ブロック130について説明する。図4は、この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサ100の配線基板ブロック130の概要を示す概略斜視図である。図5は、この発明の第1実施形態にかかる超音波トランスデューサ100の配線基板130aの概要を示す概略斜視図である。なお、各図において示される超音波トランスデューサ100の配線基板ブロック130における第1接続パッド131aの配列数および配線基板130aの数は概念上示されるものであり、実際と異なるものである。また端子110cに応じた第1接続パッド131aの行数や列数についても一例であり、その他の構成とすることも可能である。
【0037】
超音波トランスデューサ100における配線基板ブロック130は、超音波振動子群110との間で送受信される信号を処理する電子回路150と、当該電子回路150と配線基板ブロック130との接続を行う電子回路基板140とを有する。すなわち配線基板ブロック130は、超音波振動子群110の超音波振動子110aと電子回路150との間の配線の引き回しを行うものである。図4に示すように超音波トランスデューサ100の配線基板ブロック130は、複数の配線基板130aが並べられ、隣接させて組み合わせられることにより、配線基板130aの集合体を形成する。また図5に示すようにこの配線基板130aそれぞれは、第1接続パッド131aが設けられた面(前面131)がそれぞれ同じ方向(例えば列方向)に向けて配列されるとともに、当該面が傾斜または湾曲している。この配列により当該傾斜または湾曲された面がひと続きの曲面または凸面を形成するように組み合わせられる。また配線基板130aは後述のように超音波振動子110aの配列に合わせて傾斜、湾曲される。
【0038】
〈配線基板〉
図5に示すように配線基板ブロック130における配線基板130aそれぞれは、最も広い第1板面134と、その第1板面134の反対側となる第2板面132を有する。また配線基板130aは、第1板面134および第2板面132に対して略直交する側面133と、当該側面133の反対側となる側面(不図示)とを有する。また、配線基板130aは第1板面134および側面133と直交する背面(不図示)と、当該背面の反対側となる面であって、曲面または当該背面に対して傾斜された面である前面131とを有する。つまり配線基板130aはこれらの第1板面134、第2板面132、側面133、前面131および背面を含む厚板状に形成されている。
【0039】
なお、配線基板130aとしてはアルミニウム、硬質樹脂、セラミック等、形状精度を確保することが可能なものが用いられる。
【0040】
また配線基板ブロック130における配線基板130aそれぞれは、背面から前面131に向かう方向の長さが、相対する側面同士の間の長さより長く形成されている。なお、以下においては説明の便宜上、配線基板130aにおける背面から前面131に向かう方向の長さを「高さ」と記載し、かつ相対する側面同士の間の長さを「幅」と記載する。
【0041】
また、図4に示すように配線基板130aそれぞれの高さは一律でなく、配線基板ブロック130における配線基板130aの配列の中央に位置する配線基板130aが最も高く形成される。また図4に示すように、当該中央に位置する配線基板130aから配列の両端へ向かうにつれ、漸次配線基板130aの高さは低くなっていく。このような配線基板130aを並べて組み合わせることにより、配線基板130aそれぞれの前面131が連続し、ひと続きの曲面または凸面を形成する。なお、図4に示すように配線基板130aそれぞれの第1板面134と、隣接する配線基板130aの第2板面132の高さがほぼ同じ高さとなるように形成するとともに、隣り合う前面131同士の縁部それぞれが連なるように配列することで、より段差の少ない配線基板ブロック130の曲面が形成される。
【0042】
また、この配線基板130aの前面131の集合からなる配線基板ブロック130の前面は、超音波振動子群110の背面側の形状に合わせて形成される。なお、超音波振動子群110における背面が曲面でない場合、すなわち階段状に段差を設けて超音波振動子110aそれぞれを配列している場合は、当該背面の形状にあわせ、配線基板ブロック130の前面も階段状に形成される。このとき、隣接する配線基板130aの第2板面132と第1板面134との高さは異なるように形成される。
【0043】
〈第1接続パッド〉
また、図4および図5に示すように配線基板130aの前面には、所定の配列間隔で第1接続パッド131aが設けられている。この第1接続パッド131aの配列間隔は、例えば超音波振動子110aの配列間隔と同間隔である。ただし、フレキシブル基板120によって第3接続パッド121の配列間隔より、第4接続パッド123の配列間隔を広くとっている場合、第1接続パッド131aの配列間隔は第4接続パッド123と同じ間隔であって、かつ超音波振動子110aの間隔より広い間隔となる。
【0044】
なお図示されている第1接続パッド131aは、1列に、かつ前面131の中央に配列されているが、この構成に限られない。例えば、配線基板130aの厚みによっては、前面131に複数列の第1接続パッド131aを配列することも可能である。また、前面131の中央でなく、前面131の縁部に第1接続パッド131aを偏らせて配列することも可能である。
【0045】
〈接続リード〉
また、図1、図4および図5に示すように、配線基板130aの前面131における第1接続パッド131aからは接続リード132aが引き出されている。この接続リード132aは例えば、図5に示すように配線基板130aの前面131から第2板面132を通過し、側面133の第2接続パッド133aまで引き出される。また第2板面132における、接続リード132aの配置間隔は、例えば図5に示すように第2板面132の途中まで第1接続パッド131aの配置間隔とし、その後、第2接続パッド133aの配置間隔に合わせて間隔を拡げて配置される。
【0046】
〈第2接続パッド〉
また、図4および図5に示すように配線基板130aの側面133には、所定の配列間隔で第2接続パッド133aが設けられている。この第2接続パッド133aの配列間隔は、一例として図5に示すように第1接続パッド131aの間隔より拡げることが可能である。配線基板130aそれぞれにおいて前面131より側面133の方を長く形成することが可能であるためである。また、この第2接続パッド133aの配置間隔は等間隔である必要はなく、例えば前方または後方に偏らせる構成、複数個ごとに配置間隔を拡げる構成等、電子回路基板140の接続パッドの構成に合わせることが可能である。また第2接続パッド133aの配列を、側面133の中央でなく、側面133の縁部に偏らせることも可能である。また側面133において、第2接続パッド133aを、第1接続パッド131aと同様に複数列に配列することも可能である。
【0047】
上述のように、本実施形態の超音波トランスデューサ100においては、略厚板状の配線基板130aの前面131に第1接続パッド131aを設け、この第1接続パッド131aから、第2板面132を通して接続リード132aを引き出している。またこの接続リード132aは、側面133の第2接続パッド133aに接続される。さらに、配線基板130aは側面133がひと続きとなるように配列され、この側面133それぞれが集合され連続することにより、配線基板ブロック130において略平面を形成する。当該側面には、電子回路基板140、電子回路150が配置される。また超音波振動子群110が曲面状、または凸面状になっている場合、配線基板ブロック130の前面は、超音波振動子群110の背面の形状に対応され、かつ当該前面に配置された第1接続パッド131aが、超音波振動子110aそれぞれと導通されている。
【0048】
このような構成によって超音波振動子群110の背面の形状に関わらず、配線基板ブロック130と電子回路150との接続は、配線基板ブロック130の略平面状の側面に配置された第2接続パッド133aとの間でなされる。また、この実施形態における配線基板ブロック130の側面の第2接続パッド133aには、配線基板130aそれぞれから引き出された接続リード132aが接続されている。
【0049】
したがって電子回路150を、配線基板ブロック130における略平面状の側面に配置することにより、電子回路150は当該側面において超音波振動子群110における各配列の超音波振動子110aそれぞれと導通される。結果として、超音波振動子110aの配列形状に応じた超音波トランスデューサ特有の電子回路や、大型の電子回路等を必要としないため、2次元アレイの超音波トランスデューサを実現することが可能となる。
【0050】
(電子回路基板の構成および電子回路)
次に、図1および図4を参照して本実施形態の超音波トランスデューサ100における電子回路基板140および電子回路150について説明する。超音波トランスデューサ100における電子回路150は、電子回路基板140を介して配線基板ブロック130の側面と接続される。電子回路基板140には、フレキシブル基板120と同様に、当該側面と対向する面(裏面)と、その反対側となる表面141との両面において接続パッドが設けられている。電子回路基板140の当該裏面の接続パッド(不図示)は、第2接続パッド133aの配列に応じて設けられている。この接続パッドは第2接続パッド133aと接続され、この第2接続パッド133a、接続リード132a、第1接続パッド131a等を介して超音波振動子110aの端子110cと導通されている。
【0051】
また電子回路基板140の裏面の接続パッドは、フレキシブル基板120と同様に、電子回路基板140を貫通された貫通電極(不図示)によって、電子回路基板140の表面141まで引き出される。さらに表面141まで引き出された当該貫通電極は表面141に配置された電子回路150(図1および図2)に接続される。このようにして電子回路150は、電子回路基板140、第2接続パッド133a、接続リード132a、第1接続パッド131aを通じて、超音波振動子110aの端子110cと導通されている。
【0052】
(超音波診断装置本体との接続の概略等)
次に実施形態における超音波トランスデューサ100と超音波診断装置本体との接続の概略について説明する。なお、以下の説明においては図示を省略する。
【0053】
本実施形態における超音波プローブ(不図示)は、超音波トランスデューサ100、超音波診断装置本体と超音波プローブとを接続するケーブルおよび中継部(不図示)等を含んで構成される。また、超音波トランスデューサ100と超音波診断装置本体とは、電子回路150、超音波プローブにおける中継部、ケーブル等を介して接続される。この中継部は、例えば電子回路150との間で信号を伝送する電子回路や、ケーブルとの接続部等を含んで構成される。このケーブルは、超音波プローブとの間における信号の伝送路である。また、当該中継部の接続部を通じて電子回路150と導通されている。また、ケーブルと超音波診断装置本体とは、コネクタを介して接続されている。
【0054】
〈動作〉
次に、上述の超音波プローブと超音波診断装置本体との間で送受信される信号の流れの概略と超音波プローブの動作の概略について説明する。
【0055】
超音波診断装置本体の送信部は、電圧回路や所定のレート周波数のレートパルスを繰り返し発生するパルサ回路を有する。この送信部はケーブル、コネクタ等を介して、このレートパルスを超音波プローブに送信する。このレートパルスは、超音波トランスデューサ100の超音波振動子110aそれぞれによって放射される超音波を発生するためのものである。
【0056】
超音波プローブの中継部および電子回路150は、超音波診断装置本体から送信されたレートパルスを含む信号を受ける。この中継部および電子回路150は電子回路基板140、配線基板ブロック130を介して超音波振動子群110と接続されている。この中継部、電子回路150を介して超音波診断装置本体から受信した当該信号は、配線基板130aおよびフレキシブル基板120を介して端子110cへ送られる。さらにこの端子110cから超音波振動子110aそれぞれの前面電極や背面電極へこの上記レートパルスに基づく電圧が印加されることにより、圧電素子が駆動され当該印加された電圧は超音波パルスに変換される。変換された超音波パルスは、音響整合層および音響レンズ(不図示)を通して被検体へ送波される。このようにして超音波プローブの中継部および電子回路150は超音波トランスデューサ100に超音波ビームを送波させる。
【0057】
その後、超音波トランスデューサ100が被検体からの反射波を受波すると、当該受波した反射波により圧電素子が励起されて、当該反射波は信号に変換される。当該変換された超音波振動子110aそれぞれからの信号は、対応する電子回路150それぞれに送信される。当該検出された信号は電子回路150それぞれにより、加算処理され、信号路数を減じられた上で、中継部を介して超音波診断装置本体に伝送される。
【0058】
超音波診断装置本体の受信部は、超音波プローブにおける電子回路150や中継部によって処理された、被検体からの反射波に基づく信号を受ける。さらに受信部は、当該信号を増幅して、デジタル変換処理を行った後、処理した信号を一端メモリに記憶させる。さらに受信部は当該信号に、所定の深さからの超音波反射波を集束するための集束用遅延時間と、超音波反射波の受信指向性を順次変更して走査するための偏向用遅延時間を与える。さらにこのようなビームフォーミングされた出力に対し、整相加算(所定の方向から得られた受信信号を、位相を合わせた上で加算処理)がなされる。
【0059】
さらに超音波診断装置本体は、Bモード信号処理を行って表示可能な超音波画像データを生成し、またはドプラ信号処理を行って、血流情報のデータを基に平均速度画像、分散画像、パワー画像、またはこれらの組み合わせ画像を生成する。
【0060】
(作用・効果)
以上説明した第1実施形態にかかる超音波トランスデューサ100および超音波トランスデューサ100を含む超音波プローブの作用及び効果について説明する。
【0061】
上記説明したように第1実施形態の超音波トランスデューサ100では、超音波振動子群110の背面側に、厚板状の配線基板130aを複数配列した配線基板ブロック130を設けている。この配線基板ブロック130は、前面131が超音波振動子群110の背面の形状に対応した形状を有している。さらに、前面131には超音波振動子110aの端子110cと導通された第1接続パッド131aが設けられている。また、第1接続パッド131aからは、配線基板ブロック130の側面に設けられた第2接続パッド133aまで接続リード132aが引き出されている。この配線基板ブロック130の側面は、平面状の配線基板130aをひと続きに連結した略平面状となっており、さらに当該側面に配列された第2接続パッド133aには、電子回路基板140を介して電子回路150が導通されている。
【0062】
したがって、超音波振動子群110が曲面状または凸面状となっていても、超音波振動子110aとの間で信号を送受信する電子回路150を略平面状の側面に配置することができる。さらに、配線基板ブロック130の側面に超音波振動子110aそれぞれから引き出された接続リード132aが集合しているので、電子回路150と後段電子回路(中継部等)との接続が容易となり、かつ接続リード132aの配線も容易となる。結果として、超音波トランスデューサ100における超音波振動子群110の超音波振動子110aの配列数や、配列形状にかかわらず、2次元配列の超音波トランスデューサ100を実現することが可能となる。
【0063】
さらに超音波振動子110aからの信号路数を減らすために、電子回路150を直接、超音波振動子群110に実装する必要がないので、超音波トランスデューサの仕様ごとに専用IC(ASIC)を開発する必要が無い。また1つの電子回路の規模(面積等)を抑え、複数のICを用いて超音波トランスデューサ100の全素子の処理を行うことが可能である。したがって、開発コストや製造コスト、製品コスト等が低減される。
【0064】
また、超音波振動子110aと配線基板ブロック130とは、可撓性を有するフレキシブル基板120を介して接続されている。したがって、超音波振動子群110の背面の形状・起伏と、配線基板ブロック130の前面の形状・起伏とに合わせてフレキシブル基板120が曲げ撓められる。結果として、超音波振動子群110の端子110cと第1接続パッド131aとの接続が容易となる。
【0065】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200および超音波トランスデューサ200が設けられた超音波プローブについて図6〜図10を参照して説明する。図6は、この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200の概要を示す概略斜視図である。図7は、この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200の概要を示す概略分解斜視図である。図8は、この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200において、フレキシブル基板220を介した超音波振動子210aと配線基板230aとの接続状態の概要を示す概略断面図である。図9は、この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200の配線基板ブロック230の概要を示す概略斜視図である。図10は、この発明の第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200の配線基板230aの概要を示す概略斜視図である。なお、第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主として説明し、その他重複する部分については説明を割愛する場合がある。
【0066】
(全体構成の概略)
図6および図7に示すように、第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200においても、超音波振動子210aを2次元的に配列して構成された超音波振動子群210を有している。また超音波振動子群210の全体の形状は凸形状または円弧状となる構成とすることが可能である。
【0067】
また図6および図7に示すように、超音波振動子群210の後方側には、フレキシブル基板220が隣接して配置され、フレキシブル基板220の後方には、厚板状の配線基板230aを配列して構成された配線基板ブロック230が配置される。
【0068】
また配線基板ブロック230における側面には、電子回路基板240が設けられる。また第2実施形態の配線基板ブロック230も第1実施形態と同じく、配線基板230aがそれぞれ組み合わされることにより、当該各配線基板230aの側面233が連なって構成される略平面状の側面群が形成されている。この側面群に対し電子回路基板240が設置される。この電子回路基板240における、表面241には、電子回路250が設置される。
【0069】
図7および8に示すように超音波振動子群210の超音波振動子210aそれぞれは、端子210cを介し、後方側に配置されたフレキシブル基板220における第3接続パッド221に接続され導通されている。この図7に示す第3接続パッド221は、フレキシブル基板220に設けられた貫通電極222(図8参照)によってフレキシブル基板220の背面まで引き出され、当該背面に形成された第4接続パッド223(図8参照)に導通されている。
【0070】
図8に示すように、フレキシブル基板220の背面に配置された第4接続パッド223は、配線基板ブロック230における各配線基板230aの前面231に形成された第1接続パッド231aに接続され、かつ導通される。また、この第1接続パッド231aには、第2板面232、側面233を通された接続リード232aが接続されている。この接続リード232aは、当該第1接続パッド231aから各配線基板230aの第2板面232を通り、第2接続パッド233aまで設けられる。したがって、第1接続パッド231aと第2接続パッド233aとは、接続リード232aによって導通されている。
【0071】
なお、第2実施形態における各部と本発明との対応は、第1実施形態における対応関係と同様である。
【0072】
(配線基板ブロックおよび配線基板)
次に、図6、図9および図10を参照して、第2実施形態の超音波トランスデューサ200における配線基板ブロック230、配線基板230aについて説明する。なお、各図において示される超音波トランスデューサ200の配線基板ブロック230における第1接続パッド231aの配列数および配線基板230aの数は概念上示されるものであり、実際と異なるものである。また端子210cに応じた第1接続パッド231aの行数や列数についても一例であり、その他の構成とすることも可能である。
【0073】
第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200における配線基板ブロック230は、電子回路250と、超音波振動子210aそれぞれとの間の配線の引き回しを行うものである。図9に示すように超音波トランスデューサ200のでは、複数の配線基板230aが並べられ、隣接させて組み合わせられることにより、集合体を形成し配線基板ブロック230となる。またこの配線基板ブロック230は、図9および図10に示すように、超音波振動子群210の背面の形状に合わせて形成された曲面または凸形状をなす配線基板230aの前面231が同方向に向けて配列されるように組み合わせられる。
【0074】
また図10に示すように第2実施形態における配線基板230aそれぞれは、第1実施形態における配線基板130aと同様に、最も広い第1板面(不図示)および反対側の第2板面232を有し、かつ第1板面および第2板面232に対して略直交する側面233および反対側の側面(不図示)を有する。また配線基板230aは、第2板面232および側面233と直交する背面(不図示)およびこの背面の反対側となる前面231を有する。つまり配線基板230aはこれらの第1板面、第2板面232、側面233、前面231および背面を含む厚板状に形成されている。
【0075】
ただし、第2実施形態における配線基板230aそれぞれの高さは、ほぼ一律となる。すなわち図7に示すように第2実施形態における配線基板230aの前面231は、超音波振動子群210の背面のうち、当該前面231が対向する部分の超音波振動子210aの配列形状に応じた形状に形成されている。例えば図7に示すように、超音波振動子群210の配列が円弧状であれば、配線基板230aの前面231の形状は、超音波振動子群210における対向面(背面)の形状に合わせて円弧状に形成される。ただし、超音波振動子210aの2次元配列において、行方向および列方向の双方において、配列形状が湾曲または凸形状となっていれば、配線基板ブロック230の配列の中央にある配線基板230aが最も高く形成され、当該配列の端部に向かうにつれ、配線基板230aの高さが漸次低くなっていくように形成される場合もある。
【0076】
また図9および図10に示すように配線基板ブロック230における配線基板230aそれぞれの幅および高さの関係は、第1実施形態における配線基板130aの例と異なり、必ずしも幅より高さが長くなるとは限らない。例えば図10に示す配線基板230aは、その幅より高さのほうが長く形成される。
【0077】
なお、第2板面232、接続リード232a、側面233、第2接続パッド233a、電子回路基板240および電子回路250の構成や互いの接続については第1実施形態と同様であるため、説明を割愛する。
【0078】
(作用・効果)
以上説明した第2実施形態にかかる超音波トランスデューサ200を含む超音波プローブの作用及び効果について説明する。
【0079】
上記説明した第2実施形態の超音波トランスデューサ200においても、超音波振動子群210が曲面状または凸面状である場合に、電子回路250を略平面に配置することができる。さらに、配線基板ブロック230の側面に接続リード232aが集合しているので、電子回路250と後段電子回路(中継部等)との接続が容易となり、かつ接続リード232aの配線も容易となる。結果として、超音波トランスデューサ200における超音波振動子群210の超音波振動子210aの配列数や、配列形状にかかわらず、2次元配列の超音波トランスデューサ200および超音波トランスデューサ200を含む超音波プローブを実現することが可能となる。
【0080】
さらに電子回路250を直接、超音波振動子群210に実装する必要がないので、超音波トランスデューサの仕様ごとに専用IC(ASIC)を開発する必要が無い。また1つの電子回路250の規模を抑えることが可能である。したがって、開発コストや製造コスト、製品コスト等が低減される。
【0081】
また、超音波振動子210aと配線基板ブロック230とは、可撓性を有するフレキシブル基板220を介して接続されているので、超音波振動子群210の端子210cと第1接続パッド231aとの接続が容易となる。
【0082】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサ300および超音波トランスデューサ300が設けられた超音波プローブについて図11〜図14を参照して説明する。図11は、この発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサ300の概要を示す概略斜視図である。図12は、この発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサ300の概要を示す概略分解斜視図である。図13は、この発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサ300の配線基板ブロック330の概要を示す概略斜視図である。図14は、この発明の第3実施形態にかかる超音波トランスデューサ300の配線基板330aの概要を示す概略斜視図である。なお、第3実施形態については、第1実施形態、第2実施形態と異なる部分を主として説明し、その他重複する部分については説明を割愛する場合がある。
【0083】
(全体構成の概略)
図11および図12に示すように、第3実施形態にかかる超音波トランスデューサ300においても、超音波振動子310aを2次元的に配列して構成された超音波振動子群310を有している。また超音波振動子群310の全体の形状は凸形状または円弧状となる構成とすることが可能である。
【0084】
また図11および図12に示すように、第1実施形態および第2実施形態と同じく、超音波振動子群310の超音波振動子310aと配線基板ブロック330とは、フレキシブル基板320を介して接続されている。また図13および図14に示すように、配線基板ブロック330は厚板状の配線基板330aを配列して構成されている。
【0085】
ただし図11および図12に示すように、第1実施形態および第2実施形態と異なり、第3実施形態の配線基板ブロック330に対しては、背面群335に対して電子回路基板340が設置される。すなわち、第3実施形態における配線基板ブロック330は、配線基板330aがそれぞれ組み合わされることにより、当該各配線基板330aの背面が連なって構成される略平面状の背面群335が形成されている。またこの背面群335に対し電子回路基板340が設置される。この電子回路基板340における、裏面342には、配線基板ブロック330の背面群335に配列された第2接続パッド(不図示)に対応して、第5接続パッド342aが形成されている。また電子回路基板340の図示しない表面には、電子回路(不図示)が設置される。
【0086】
なお、超音波振動子群310の超音波振動子310aそれぞれと、フレキシブル基板320と、配線基板ブロック330の前面331との接続構成については、第1実施形態および第2実施形態と同様であるので説明を割愛する。また、第3実施形態における各部と本発明との対応は、第1実施形態および第2実施形態における対応関係と同様である。
【0087】
(配線基板ブロックおよび配線基板)
次に、図11、図13および図14を参照して、第3実施形態の超音波トランスデューサ300における配線基板ブロック330、配線基板330aについて説明する。なお、各図において示される超音波トランスデューサ300の配線基板ブロック330における第1接続パッド331aの配列数および配線基板330aの数は概念上示されるものであり、実際と異なるものである。また超音波振動子310a背面の端子(不図示)に応じた第1接続パッド331aの行数や列数についても一例であり、その他の構成とすることも可能である。
【0088】
第3実施形態にかかる配線基板ブロック330は、図13に示すように超音波トランスデューサ300の配線基板ブロック330は、複数の配線基板330aが並べられ、隣接させて組み合わせられることにより、集合体を形成し、配線基板ブロック330となる。またこの配線基板ブロック330は、図13および図14に示すように、超音波振動子群310の背面の形状に合わせて形成された曲面または凸形状をなす配線基板330aの前面331が同方向に向けて配列されるように組み合わせられる。
【0089】
また図13に示すように第3実施形態における配線基板330aそれぞれは、第1実施形態における配線基板330aと同様に、最も広い第1板面(不図示)および反対側の第2板面332を有し、かつ第1板面等および第2板面332に対して略直交する側面333およびその反対側の側面(不図示)を有する。また、配線基板330aは第2板面332および側面333と直交する背面およびその反対側の前面331を有する。つまり配線基板330aはこれらの第1板面、第2板面332、側面333、前面331および背面を含む厚板状に形成されている。
【0090】
また図14に示すように、第3実施形態における配線基板330aは、第2実施形態と同様にその高さがほぼ一律となる。また、第2実施形態と同様に、第3実施形態における配線基板330aの前面331も、超音波振動子群310に対して、当該前面331が対向する部分の形状に応じた形状に形成されている。また、第2実施形態と同様に超音波振動子310aの2次元配列において、行方向および列方向の双方において湾曲または凸形状となっていれば、配線基板ブロック330の配列の中央にある配線基板330aが最も高く形成され、当該配列の端部に向かうにつれ、配線基板330aの高さが漸次低くなっていくように形成される場合もある。配線基板ブロック330における配線基板330aそれぞれの幅および高さの関係は、第2実施形態における配線基板230aと同様である。
【0091】
ここで、第3実施形態における配線基板ブロック330において、第2板面332、接続リード332a、側面333、第2接続パッド(不図示)、電子回路基板340および電子回路の構成や互いの接続関係は第1実施形態および第2実施形態と異なる。これらの構成について以下、説明する。
【0092】
図12〜図14に示すように、配線基板ブロック330における配線基板330aは、側面333において第2接続パッドが形成されない。この第2接続パッドは、配線基板ブロック330における背面群335に配列される。すなわち、配線基板330aにおける背面には、第1接続パッド331aとほぼ同じ配列間隔で第2接続パッド(不図示)が形成されている。したがって、第2板面332における接続リード332aは、前面331の第1接続パッド331aから略直線状に引き出され、配線基板330aの背面に向かう。さらに配線基板330aの背面に配列された第2接続パッドと接続リード332aとが接続される。
【0093】
さらに図12に示すように配線基板ブロック330の背面群335に配列された第2接続パッドと、電子回路基板340の裏面342に配列された第5接続パッド342aとが接続され、電子回路基板340の表面における電子回路と導通される。この電子回路基板340を介した第2接続パッドと電子回路との接続構成については、第1実施形態および第2実施形態と同様であるので説明を割愛する。
【0094】
なお、第3実施形態における配線基板ブロック330の配線基板330aは、図13および図14に示すような構成に限られず、例えば第1実施形態における配線基板130aのような構成であってもよい。
【0095】
(作用・効果)
以上説明した第3実施形態にかかる超音波トランスデューサ300を含む超音波プローブの作用及び効果について説明する。
【0096】
上記説明した第3実施形態の超音波トランスデューサ300においても、超音波振動子群310が曲面状または凸面状である場合に、電子回路を略平面に配置することができる。さらに、配線基板ブロック330の背面群335に接続リード332aが集合しているので、電子回路と後段電子回路(中継部等)との接続が容易となり、かつ接続リード332aの配線も容易となる。結果として、超音波トランスデューサ300における超音波振動子群310の超音波振動子310aの配列数や、配列形状にかかわらず、2次元配列の超音波トランスデューサ300を実現することが可能となる。
【0097】
さらに電子回路を直接、超音波振動子群310に実装する必要がないので、超音波トランスデューサの仕様ごとに専用IC(ASIC)を開発する必要が無い。また1つの電子回路の規模を抑えることが可能である。したがって、開発コストや製造コスト、製品コスト等が低減される。
【0098】
また、超音波振動子310aと配線基板ブロック330とは、可撓性を有するフレキシブル基板320を介して接続されているので、超音波振動子群310の端子と第1接続パッド331aとの接続が容易となる。
【0099】
[変形例]
次に、上述した第1実施形態〜第3実施形態の超音波トランスデューサの変形例について、図15(A)および図15(B)を参照して説明する。図15(A)は、この発明の第1実施形態の変形例にかかる超音波トランスデューサの配線基板の概要を示す概略斜視図である。図15(B)は、この発明の第2実施形態および第3実施形態の変形例にかかる超音波トランスデューサの配線基板の概要を示す概略斜視図である。
【0100】
図5や図10、図13に示すように上述の超音波トランスデューサにおいては、第2接続パッドが1つの面(側面133、側面233、背面群335等)にのみ形成されていたが、本発明の超音波トランスデューサとしては、この構成に限られない。例えば、図15(A)または図15(B)に示すように側面と、反対側の側面の2つの面に第2接続パッドを配列することも可能である。または、側面と背面との2つの面に第2接続パッドを配列することも可能である。また配線基板ブロックの3つの面に第2接続パッドを引き出すことも可能である。この場合、第1接続パッドから引き出される接続リード132aは、第2接続パッドの配置に応じて形成される。
【0101】
この変形例においても上記説明した第1〜第3実施形態の超音波トランスデューサと同様に、超音波トランスデューサにおける超音波振動子群の超音波振動子の配列数や、配列形状にかかわらず、2次元配列の超音波トランスデューサおよび超音波トランスデューサを含む超音波プローブを実現することが可能となる。また、この変形例においては、複数面に接続リードが引き出されるため、接続リードの引き回しが容易となり、さらに第2接続パッドの配列間隔に余裕を持たせることが可能となる。
【0102】
また、接続リードは、第2板面から第2接続パッドに引き出される構成に限らず、例えば第2板面および第1板面の双方を介して引き出される構成とすることも可能である。この場合は、配線基板間には絶縁シート等が設けられる。
【0103】
また、上記説明した第1〜第3実施形態の超音波トランスデューサにおいては、超音波振動子との位置合わせの調整の観点から、超音波振動子の2次元配列における1行分、または1列分に対して。配線基板が1枚割り当てられている。ただし、位置合わせの調整が困難でない場合は、例えば超音波振動子2列に対して1枚の配線基板を割り当てる等、超音波振動子の複数配列に対して1枚の配線基板を割り当てることも可能である。
【符号の説明】
【0104】
100、200、300 超音波トランスデューサ
110、210、310 超音波振動子
110a、210a、310a 超音波振動子群
110c、210c 端子
120、220、320 フレキシブル基板
121、221、321 第3接続パッド
122、222 貫通電極
123、223 第4接続パッド
130、230、330 配線基板ブロック
130a、230a、330a 配線基板
131、231、331 前面
131a、231a、331a 第1接続パッド
132、232、332 第2板面
132a、232a、332a 接続リード
133、233、333 側面
133a、233a 第2接続パッド
134 第1板面
140、240、340 電子回路基板
141、241 表面
150、250 電子回路
335 背面群
342 裏面
342a 第5接続パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波放射面である前面に前面電極が形成され、該前面と反対側である背面に背面電極が形成された圧電素子を含み、かつ2次元的に配列された複数の超音波振動子と、該超音波振動子からの信号を処理する電子回路と、を有する超音波トランスデューサであって、
厚みを有する板状の複数の配線基板における板面を隣接させるとともに、前記超音波振動子の行または列にしたがって複数積層させることにより形成され、かつ前記超音波放射面方向に向けられた前面に前記複数の超音波振動子の各々に対応する第1接続部が設けられるとともに、該側面または背面と該電子回路との間において前記第1接続部の各々に対応する第2接続部が設けられ、かつ前面が前記超音波振動子の背面に接続され、かつ側面もしくは背面または、該側面および背面の双方に前記電子回路が接続された配線基板ブロックと、
前記配線基板の前記板面を経由して前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する接続リードと、を備えたこと、
を特徴とする超音波トランスデューサ。
【請求項2】
前記第1接続部は、前記配線基板の周面のうち、前記超音波振動子側の面に設けられており、
前記第2接続部は、前記配線基板の周面のうち、側方の面または後方の面に設けられていること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項3】
前記超音波振動子の配列全体がなす形状は曲面状または凸形状であり、
前記配線基板ブロックにおける前記前面は、前記超音波振動子の配列がなす前記背面の形状に対応して、曲面または凸面を形成すること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項4】
前記配線基板ブロックにおいて前記電子回路が接続される前記側面または前記背面は、平面を形成していること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項5】
前記超音波振動子配列の全体の曲面に対応した前記配線基板ブロックにおける前記前面は、前記配線基板の配列によって該前面それぞれが略連続するひとつづきの面となり、
前記各配線基板における前記前面は、前記超音波振動子配列の全体のうち、対向する配列部分の曲率に対応した曲面状に形成されていること、
を特徴とする請求項2に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項6】
前記超音波振動子の前記背面と前記配線基板ブロックの前記前面との間に配置され、かつ可撓性を有し、前記圧電素子それぞれにおける前記背面電極と、前記第1接続部とを導通させる接続基板を備えたこと、
を特徴とする請求項2に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項7】
前記接続基板における前記超音波振動子の前記背面と対向する面には、前記背面電極と導通される第3接続部が設けられ、かつ前記配線基板の前記前面と対向する面には、該第3接続部と導通され該第3接続部より配置間隔が長くなるように配置された第4接続部が設けられていること、
を特徴とする請求項6に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項8】
一面において前記配線基板ブロックの前記側面または前記背面に対向して配置され、かつ前記第2接続部それぞれと接続される第5接続部を有し、かつ該一面と反対側の面に前記電子回路が設置される電子回路基板を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項9】
前記配線基板における前記側面は、前記前面の長さより長く形成されており、
前記第2接続部の配置間隔は、前記第1接続部の配置間隔以上であること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項10】
前記配線基板における前記前面の長さは、前記超音波振動子配列における1行分または1列分の長さ以上であり、
前記第1接続部の配置間隔は、前記超音波振動子の配置間隔以上であること、
を特徴とする請求項5に記載の超音波トランスデューサ。
【請求項11】
厚みを有する略平板状の配線基板を積層してなる配線基板ブロックと、
超音波の放射面である前面に前面電極が形成され、背面に背面電極が形成された圧電素子を含む超音波振動子を、2次元的に配列してなる超音波振動子群と、
前記超音波振動子の前記背面と向かい合う前記配線基板の前面において前記超音波振動子の配列に対応して設けられ、かつ前記背面電極と導通された第1接続パッドと、
前記配線基板における周面のうち側面または背面において前記第1接続パッドそれぞれに対応して設けられた複数の第2接続パッドと、
前記配線基板の板面の少なくともいずれか一方を介して、前記第1接続パッドと前記第2接続パッドとを導通させる接続リードと、
前記配線基板ブロックにおける前記第2接続パッドが設けられた面に接続され、該第2接続パッドと導通され、前記圧電素子からの信号を処理する電子回路と、を備えたこと、
を特徴とする超音波トランスデューサ。
【請求項12】
超音波放射面である前面に前面電極が形成され、該前面と反対側である背面に背面電極が形成された圧電素子を含み、かつ2次元的に配列された複数の超音波振動子と、該超音波振動子からの信号を処理する電子回路と、を有する超音波プローブであって、
厚みを有する板状の複数の配線基板における板面を隣接させ、かつ前記超音波振動子の行または列にしたがって複数積層させることにより形成され、かつ前記超音波放射面方向に向けられた前面に前記複数の超音波振動子の各々に対応する第1接続部が設けられるとともに、該側面または背面と該電子回路との間において前記第1接続部の各々に対応する第2接続部が設けられ、かつ前面が前記超音波振動子の背面に接続され、かつ側面もしくは背面または、該側面および背面の双方に前記電子回路が接続された配線基板ブロックと、
前記配線基板の前記板面を経由して前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する接続リードと、を備えたこと、
を特徴とする超音波プローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−223468(P2011−223468A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92542(P2010−92542)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】