説明

超音波プローブ及び超音波画像表示装置

【課題】前記超音波振動子で発生する熱を、超音波振動子に対して被検体とは反対側へ逃がすことができる超音波プローブを提供する。
【解決手段】超音波振動子7とバッキング層10との間に、前記超音波振動子7から送波される超音波を反射する反射層9を有し、前記バッキング層10は、バッキング材24の表面にバッキング材24よりも熱伝導率が高い材質からなる熱伝導層25が形成されていることを特徴とする。前記熱伝導層25は、少なくとも前記バッキング材24における前記反射層9側の面から反射層9とは反対側の面まで形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動子において生じる熱に対する対策を施した超音波プローブ及び超音波画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像表示装置は、被検体に対して超音波のスキャン(scan)を行なって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示する装置である。このような超音波画像表示装置において、超音波のスキャンは、プローブケーブルを介して装置本体と接続された超音波プローブによって行われる。
【0003】
前記超音波プローブは、超音波振動子と音響整合層とバッキング材とを有している。より詳細には、前記超音波振動子に対して被検体側に前記音響整合層が設けられ、被検体とは反対側に前記バッキング材が設けられている(例えば、特許文献1参照)。また、前記音響整合層に対して被検体側には被検体と当接する音響レンズが設けられている。前記超音波振動子は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電素子からなり、この超音波振動子に電圧を印可して超音波が送波される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−61112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、超音波の送受信時には、前記超音波振動子において熱が発生する。前記バッキング材は、前記音響整合層よりも熱伝導率が低いので、前記超音波振動子で発生した熱は、前記バッキング材側ではなく前記音響整合層側、すなわち被検体側へ伝わる。このため、超音波プローブを使用し続けると、前記音響レンズ表面の温度が上昇する。従って、超音波の送受信時には、音響レンズ表面の温度が上昇しすぎないように、前記超音波振動子からの超音波の出力が制限されている。以上のことから、前記超音波振動子で発生する熱を、超音波振動子に対して被検体とは反対側へ逃がすことができる超音波プローブが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するためになされた発明は、超音波振動子とバッキング層との間に、前記超音波振動子から送波される超音波を反射する反射層を有し、前記バッキング層は、バッキング材の表面に該バッキング材よりも熱伝導率が高い材質からなる熱伝導層が形成されていることを特徴とする超音波プローブである。
【発明の効果】
【0007】
上記観点の発明によれば、前記バッキング材の表面に前記熱伝導層が形成されているので、前記超音波振動子で発生する熱を被検体とは反対側へ逃がすことができる。また、前記超音波振動子から送波された超音波は、前記熱伝導層ではなく前記反射層で反射するので、被検体側への超音波の送波に音響上の悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の実施の形態の一例を示すブロック図である。
【図2】超音波プローブの外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示された超音波プローブの機能素子部のみの外観を示す斜視図である。
【図4】図2に示された超音波プローブの機能素子部の断面図である。
【図5】バッキング層の他例を示す断面図である。
【図6】超音波の送波を説明するための図である。
【図7】熱伝導層とバッキング材のx軸方向における幅の比を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示す超音波診断装置100は、本発明における超音波画像表示装置の一例であり、超音波プローブ1とこの超音波プローブ1が接続される装置本体101を有している。
【0010】
前記装置本体101は、送受信部102、エコーデータ処理部103、表示制御部104、表示部105、操作部106、制御部107を備える。
【0011】
前記送受信部102は、前記超音波プローブ1から所定のスキャン条件で超音波を送信するための電気信号を、前記制御部107からの制御信号に基づいて前記超音波プローブ1に供給する。また、前記送受信部102は、前記超音波プローブ1で受信したエコー信号について、A/D変換、整相加算処理等の信号処理を行なう。
【0012】
前記エコーデータ処理部103は、前記送受信部102から出力されたエコーデータに対し、超音波画像を作成するための処理を行なう。例えば、前記エコーデータ処理部103は、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行ってBモードデータを作成する。
【0013】
前記表示制御部104は、前記エコーデータ処理部103から入力されたデータをスキャンコンバータ(Scan Converter)によって走査変換して超音波画像データを作成し、この超音波画像データに基づく超音波画像を前記表示部105に表示させる。前記表示制御部104は、例えばBモードデータに基づいてBモード画像データを作成し、Bモード画像を前記表示部105に表示させる。
【0014】
前記表示部105は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。前記操作部106は、操作者が指示や情報を入力するためのスイッチ、キーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。
【0015】
前記制御部107は、特に図示しないがCPU(Central Processing Unit)を有して構成される。この制御部107は、図示しない記憶部に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置100における各部の機能を実行させる。
【0016】
前記超音波プローブ1について、図2、図3及び図4に基づいて説明する。前記超音波プローブ1は、被検体に対して超音波のスキャンを行なう。また、前記超音波プローブ1は、超音波のエコー信号を受信する。
【0017】
前記超音波プローブ1は、先端部に音響レンズ部2を有している。また、前記超音波プローブ1は、プローブ筐体3、前記装置本体101と接続するための接続ケーブル4を備えている。
【0018】
前記プローブ筐体3内には、機能素子部5が設けられている。この機能素子部5について、図3及び図4に基づいて詳細に説明する。前記機能素子部5は、音響整合層6、超音波振動子7、接着層8、反射層9、バッキング(backing)層10、フレキシブル(flexible)基板11、金属体12を備えている。x軸方向に長い直方体の形状を有する前記音響整合層6、前記超音波振動子7及び前記反射層9は、超音波の照射方向に沿った方向であるz軸方向に積み重ねられて積層体13を構成する。そして、この積層体13が、y軸方向に複数配列されている。
【0019】
前記音響整合層6は、前記超音波振動子7における超音波照射方向側の板面に接着されている(接着層は図示省略)。前記音響整合層6は、前記超音波振動子7と前記音響レンズ部2の中間の音響インピーダンスを有する。また、前記音響整合層6は、透過する超音波の中心周波数の概ね1/4波長の厚さを有し、音響インピーダンスの異なる境界面での反射を抑制する。また、前記音響整合層6は、本例では1層の例が図示されているが、2層或いは多層になっていてもよい。
【0020】
前記圧電振動子7は、圧電材14と導電層15とで構成される。前記圧電材14は、PZT等である。この圧電材14の表面にスパッタ(spatter)等によって前記導電層15が形成されている。
【0021】
前記導電層15は、信号電極16及び接地電極17を有している。前記信号電極16は、前記圧電材14における後述の掘削孔18,18の間の部分14aに形成されている。また、前記接地電極17は、前記圧電体14の端部14b,14bにおいて、前記信号電極16と前記掘削孔18,18を隔てて同一面に形成された第一の部分17a,17aと、前記圧電体14において前記第一の部分17a,17aが形成された面と反対側の面に形成された第二の部分17bと、直方体の超音波振動子7において前記第一の部分17a,17aと前記第二の部分17bの間の側面に形成された第三の部分17c,17cとからなっている。前記信号電極16は、前記接地電極17における第一の部分17a,17aに挟まれるようにして形成されており、前記両電極16,17は、前記掘削孔18,18によって電気的に絶縁されている。
【0022】
前記超音波振動子7及び前記接着層8を合わせた厚さは、前記超音波振動子7の振動により生じる超音波の中心周波数の概ね1/4である。具体的には、前記超音波振動子7は、数100μm程度の厚さである。
【0023】
前記反射層9は、前記超音波振動子7における被検体とは反対側(前記音響整合層6とは反対側)の面に、エポキシ樹脂接着剤等からなる前記接着層8によって接着されている。前記反射層9は、前記信号電極16及び前記第一の部分17a,17aと接着されている。
【0024】
ここで、前記反射層9における前記超音波振動子7側の表面には、鏡面研磨が施されている。また、前記超音波振動子7における前記信号電極16及び前記第一の部分17a,17aの表面にも鏡面研磨が施されている。これにより、前記反射層9における前記超音波振動子7側の表面と、前記超音波振動子7における前記信号電極16及び前記第一の部分17a,17aの表面は、凹凸が数μm程度に抑えられている。よって、前記接着層8の厚さを数μm程度の厚さとすることができ、できるだけ薄く均一な厚さにすることができる。
【0025】
このように、前記接着層8の厚さは、前記信号電極16の表面の凹凸、前記第一の部分17a,17aの表面の凹凸、前記反射層9の表面の凹凸と同程度の大きさになっている。従って、前記接着層8は、エポキシ樹脂接着剤を含む絶縁体であるにもかかわらず、前記信号電極16及び前記第一の部分17a,17aと前記反射層9とは、表面の凹凸部分において部分的に接触し導通している。
【0026】
前記反射層9は、前記超音波振動子7の振動によって前記反射層9側へ生じる超音波を被検体の方向へ反射する固定端として機能する。前記反射層9で反射する超音波により、被検体に入射される超音波パワーが増加する。前記反射層9は、本発明における反射層の実施の形態の一例である。前記反射層9は、前記超音波振動子7からの超音波を反射するという目的から、前記圧電体14よりも音響インピーダンスが高い材質で形成される。例えば、前記反射層9は、タングステン(tungsten)である。
【0027】
また、前記反射層9を構成するタングステンは導電性を有しているので、前記反射層9は、前記フレキシブル基板11の後述する第一銅箔層19及び第二銅箔層20と、前記超音波振動子7の信号電極16及び接地電極17とを電気的に接続する機能を有している。これにより、前記第一銅箔層19及び前記第二銅箔層20から供給される電圧が、前記反射層9を介して前記超音波振動子7に印加されるようになっている。
【0028】
前記反射層9、前記接着層8及び前記超音波振動子7の長さ方向における両端部には、掘削孔18,18が形成されている。この掘削孔18,18は、例えば前記超音波振動子7及び前記反射層9を前記接着層8によって接着した後、前記反射層9側からダイヤモンド(diamond)砥石等を用いた切削加工によって形成される。
【0029】
前記反射層9における前記超音波振動子7との接着面とは反対側の面には、前記バッキング層10との間に前記フレキシブル基板11が接着剤を用いて接着されている(接着層は図示省略)。そして、前記フレキシブル基板11は、前記バッキング層10の厚み方向側面に沿って引き出され、前記接続ケーブル4と接続されている(接続構造は図示省略)。
【0030】
前記フレキシブル基板11の構成について説明すると、このフレキシブル基板11は、第一銅箔層19、第二銅箔層20、第一ポリイミド(polyimide)膜層21及び第二ポリイミド膜層22の4層からなる。前記第一銅箔層19及び前記第二銅箔層20は、前記第一ポリイミド膜層21によって互いに絶縁されている。前記第一銅箔層19は、前記反射層9に接着された状態において、前記掘削孔18,18よりも前記反射層9における両端部側に位置するように形成されている。また、前記第二銅箔20は、前記第一ポリイミド膜層21及び前記第二ポリイミド膜層22の間に積層されるとともに、前記掘削孔18,18よりも前記反射層9における中央部側においては、スルーホール(through hole)Hを介して、前記第一銅箔層19と同一面にも存在している。同一面に存在する前記第一銅箔層19及び前記第二銅箔層20は、分割溝23により互いに絶縁されている。この分割溝23は、前記フレキシブル基板11が前記反射層9に接着された状態において、前記掘削孔18,18の位置になるように形成されている。これにより、前記第一銅箔層19は、導電性を有する前記反射層9における前記掘削孔18,18よりも端部側と電気的に接続され、一方で前記第二銅箔層20は、前記反射層9における前記掘削孔18,18の間の中間部と電気的に接続される。従って、前記第一銅箔層19は、前記超音波振動子7における接地電極17の前記第一の部分17a,17aと前記反射層9を介して電気的に接続され、また前記第二銅箔層20は、前記超音波振動子7の信号電極16と前記反射層9を介して電気的に接続される。
【0031】
ちなみに、前記接地電極17と接続される前記第一銅箔層19は、前記フレキシブル基板11の表面一面に形成されており、y軸方向に配列された全ての前記超音波振動子7の接地電極17の導通が共通して図られている。一方、前記第二銅箔層20は、図示しない銅箔分割溝によってy軸方向に複数に分割され、前記フレキシブル基板11内に形成された図示しない銅箔パターンを複数有している。この銅箔パターンは、y軸方向に複数配列された前記積層体13ごとに形成されている。
【0032】
前記バッキング層10は、前記フレキシブル基板11と接着され、或いは前記フレキシブル基板11の背面に直接形成されて、このフレキシブル基板19を保持する。前記バッキング層10は、本発明におけるバッキング層の実施の形態の一例である。
【0033】
前記バッキング層10は、バッキング材24と熱伝導層25とで構成される。前記バッキング材24は、例えば金属紛体を分散させ固化したエポキシ樹脂である。前記熱伝導層25は、前記バッキング材24の表面に形成されている。前記熱伝導層25は、前記バッキング材よりも熱伝導率が高い材質で形成されており、例えば金属のシートを前記バッキング材24の表面に被覆して形成される。このように前記バッキング材24にシートを被覆して前記熱伝導層25を形成することにより、前記熱伝導層25を容易に形成することができる。
【0034】
熱伝導層25は、前記バッキング材24と比較して数百倍から数千倍の熱伝導率を有する材質で形成されていればよく金属に限られない。例えば、前記熱伝導層25はカーボンで形成されていてもよい。
【0035】
本例では、前記熱伝導層25は前記バッキング層10の全面に形成されている。ただし、前記熱伝導層25は、少なくとも前記バッキング層10における前記反射層9側の面から、この反射層9とは反対側の前記金属体12側の面にまで達するように設けられていればよい。例えば、図5に示すように、前記熱伝導層25は、前記バッキング層10における前記金属体12側の面においてx軸方向の両端部のみに形成され、全面に形成されていなくてもよい。
【0036】
前記熱伝導層25の厚さは、前記超音波振動子7から送波される超音波の中心周波数の波長の10%以下であることが好ましい。その理由について説明する。前記超音波振動子7から前記反射層9側(被検体とは反対側)へ送波された超音波は、大部分が前記反射層9において被検体側へ反射する。ただし、低周波の超音波については前記反射層9を透過し前記バッキング材24に達して吸収される。
【0037】
前記熱伝導層25の厚さが厚すぎると、前記反射層9を透過した超音波が前記バッキング材24で吸収される前に前記熱伝導層25で反射するおそれがある。そこで、前記熱伝導層25の厚さを上述の厚さとすることにより、前記熱伝導層25における超音波の反射を抑制することができる。
【0038】
前記金属体12は、前記バッキング層10と接着剤により接着されている(接着層は図示省略)。この金属体12は、例えば前記プローブ筐体3の一部を構成している。
【0039】
本例の超音波プローブ1における前記機能素子部5の作用について説明する。前記超音波振動子7は、前記信号電極16及び前記接地電極17間に電圧が印加されると共鳴振動を励起する。この共鳴振動は、被検体側が前記音響整合層6からなる低音響インピーダンス、被検体とは反対側の前記バッキング層10側が前記反射層9からなる高音響インピーダンスとなっているので、図6に示すように、被検体側が自由端、前記反射層9が固定端となる定在波Wを形成する。
【0040】
ちなみに、図6に示されているz軸における座標位置は、図6に示されている前記超音波振動子7及び前記反射層9のz軸方向の位置と対応している。
【0041】
図6には、前記超音波振動子7の被検体側の面において振幅が最大となり、前記反射層9の前記超音波振動子側の面において振幅が零となる定在波Wが図示されている。また、前記反射層9は固定端として機能する。このように前記超音波振動子7においては、共振状態で超音波振動子7のz軸方向の厚さを1/4波長とする定在波Wが発生する。
【0042】
ちなみに、前記接着層8は、上述のように薄く均一になっているので、前記接着層8が前記反射層9の固定端としての機能を損なうことはない。
【0043】
超音波の送波時に前記超音波振動子7において発生する熱は、前記反射層9及び前記フレキシブル基板11を伝わって前記バッキング層10へ達する。このバッキング層10へ達した熱は前記熱伝導層25を伝わって前記金属体12へ達する。
【0044】
ここで、前記熱伝導層25は、前記バッキング材24と比較して数百倍から数千倍の熱伝導率を有している。ただし、図7に示すように、前記熱伝導層25の幅(厚さ)をAとし、前記バッキング材24のx軸方向の幅をBとすると、前記熱伝導層25のx軸方向における幅(2×A)は、前記バッキング材24のx軸方向の幅Bと比べて数百分の一である。このように、前記熱伝導層25の幅が前記バッキング材24に比べて小さくても、前記熱伝導層25は前記バッキング材24と比較して数百倍から数千倍の熱伝導率を有するので、前記熱伝導層25を有さない場合と比べて、数倍から数百倍の熱伝導性を有することになる。以上より、前記熱伝導層25を有さずバッキング材24のみであった従来と比べて、前記超音波振動子7で発生した熱が被検体とは反対側の前記金属体12へ伝わりやすくなる。これにより、音響出力が前記音響レンズ部2の表面の温度によって制約されることを防止することができる。
【0045】
一方、前記バッキング層10の表面に、金属等の材質の前記熱伝導層25が形成されていても、前記超音波振動子7から被検体とは反対側に送波された超音波は、前記反射層9において反射するので、音響上悪影響を及ぼすことはない。
【0046】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、前記熱伝導層25は、金属のシートを被覆して形成されているが、前記熱伝導層25の形成方法はこれに限られるものではない。例えば、前記熱伝導層25は、前記バッキング材24の表面にメッキ処理を施すことによって形成されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 超音波プローブ
7 超音波振動子
9 反射層
10 バッキング層
12 金属体
24 バッキング材
25 熱伝導層
100 超音波診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動子とバッキング層との間に、前記超音波振動子から送波される超音波を反射する反射層を有し、前記バッキング層は、バッキング材の表面に該バッキング材よりも熱伝導率が高い材質からなる熱伝導層が形成されていることを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
前記熱伝導層は、少なくとも前記バッキング材における前記反射層側の面から該反射層とは反対側の面まで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記熱伝導層の厚さは、前記超音波振動子から送波される超音波の中心周波数の波長の10%以下の厚さであることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記熱伝導層は、前記バッキング材よりも熱伝導率が高い材質からなるシートを前記バッキング材の表面に被覆して形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記バッキング層における前記反射層とは反対側の面と接触する金属体を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記反射層は、前記超音波振動子よりも音響インピーダンスが大きく、該超音波振動子から送波される超音波を反射する固定端として機能することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記反射層は、金属又はカーボンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波プローブ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の超音波プローブを備えることを特徴とする超音波画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−77883(P2013−77883A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215098(P2011−215098)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】