説明

超音波プローブ,それを用いた超音波検査装置及び超音波検査方法

【課題】超音波伝搬方向の機械走査を行わずに複数の検査層を検査して、各検査層の画像を鮮明に取得できる超音波プローブ,それを用いた超音波検査装置及び超音波検査方法を提供することにある。
【解決手段】アニュラアレイ超音波プローブ101Aに用いる圧電振動素子101Bは、高分子圧電膜B4と、高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極B5と、高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側はその面積が等しい等面積に形成され、外周側は、径方向の幅が等しい等幅に形成された信号電極B3とを備える。切替制御回路103Bと、遅延制御回路103Cにより、異なる複数の焦点位置に対する超音波の送信を行う。また、走査手段101Cによる機械的に2次元走査を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブ,それを用いた超音波検査装置及び超音波検査方法に係り、特に、アニュラアレイタイプを用いるに好適な超音波プローブ,それを用いた超音波検査装置及び超音波検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体やICなどの微細な構造物(検査対象)の内部のはく離やボイドなどの検査においては、従来、単一焦点型の超音波プローブをスキャナなどにより機械的に二次元走査する方法が実用化されている。
【0003】
この方法では、単一焦点型の超音波プローブで検査対象内部の検査対象部位に焦点を結んで超音波を送・受信して、検査部位から超音波の反射波を受信して電気信号に変換した受信信号にゲート処理を行うことで、受信信号に含まれている反射波の強度を求める。この様なことをスキャナで超音波プローブを機械的に二次元方向に移動させて二次元方向の多点において実施し、求めた反射波の強度を二次元空間に並べるマッピングを行うに必要な画像データを作成し、その画像データに基づいて検査部位の検査画像を表示装置に表示して欠陥の有無を調べるものである(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、前記単一焦点型の超音波プローブを二次元方向に移動させて機械的に走査する方法では、検査対象部位の焦点位置を変更する場合には、超音波プローブを超音波伝搬方向(前記二次元方向に直交する方向)に機械走査する必要があった。
【0005】
また、超音波伝搬方向に焦点を電子的に走査する超音波プローブにアニュラアレイ超音波プローブを用いることが知られている。アニュラアレイ超音波プローブは、同心円に環状配列された超音波振動素子を有している(例えば、非特許文献1の図3.60参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−232092号公報
【特許文献2】特開平7−244030号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】超音波便覧編集委員会編,「超音波便覧」,丸善株式会社,平成11年8月30日,p.128
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年の検査対象である半導体やICの構造は微細化の一途をたどっている。半導体の構造が微細化する一方で、複数の材質により構成され、検査体内部に検査必要部位が複数層ある場合が増加している。
【0009】
しかしながら、特許文献1や特許文献2記載の超音波検査装置に、非特許文献1記載のアニュラアレイ超音波プローブを適用した場合、超音波伝搬方向に焦点位置を電子的に走査可能であるが、電子的に走査する焦点位置範囲での感度及び分解能のばらつきが大きく、特に検査層が深くなるほど収録データより得られる画像は鮮明さが劣化する。これは、環状配列された複数の超音波素子は、それぞれの面積が等しい等面積の構成となっているため、超音波プローブ全体としての開口径を大きくできないためである。
【0010】
本発明の目的は、超音波伝搬方向の機械走査を行わずに複数の検査層を検査して、各検査層の画像を鮮明に取得できる超音波プローブ,それを用いた超音波検査装置及び超音波検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、高分子圧電膜と、該高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極と、該高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側はその面積が等しい等面積に形成され、外周側は、径方向の幅が等しい等幅に形成された信号電極とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、超音波伝搬方向の機械走査を行わずに複数の検査層を検査して、各検査層の画像を鮮明に取得できるものとなる。
【0012】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、高分子圧電膜と、該高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極と、該高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側は径方向の幅が等しい等幅に形成され、外周側は、径方向の幅が等しい等幅であるとともに、内周側の幅よりも狭く形成された信号電極とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、超音波伝搬方向の機械走査を行わずに複数の検査層を検査して、各検査層の画像を鮮明に取得できるものとなる。
【0013】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、円環状で、かつ、同心状に配置された複数の振動素子を有する超音波プローブと、該超音波プローブを用いて、検査対象に超音波を送信する送信部と、前記検査対象からの超音波の反射波を受信する受信部と、前記送信部及び前記受信部を制御する制御部と、前記受信部により受信された超音波信号に基づく前記検査対象の検査画像を表示する表示部と、前記超音波プローブをその超音波の送信方向に対して直交する平面上の2次元を機械的に走査する走査手段とを有する超音波検査装置であって、前記超音波プローブは、高分子圧電膜と、該高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極と、該高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側はその面積が等しい等面積か、径方向の幅が等しい等幅に形成され、外周側は、内周側よりも幅の狭い径方向の幅が等しい等幅に形成された信号電極とを備え、前記制御部は、前記超音波プローブから送信される超音波が集束する焦点までの距離に応じて、複数の振動素子の内、使用する振動素子を選択する切替制御回路と、前記超音波プローブから送信される超音波が集束する焦点までの距離に応じて、使用する振動素子から超音波を送信するタイミングを遅延させる遅延制御回路と、前記走査手段による2次元走査を制御する走査制御回路とを備え、前記送信部は、前記切替制御回路からの指令により、使用する振動素子を選択し、また、前記遅延制御回路からの指令により、各振動素子から超音波を送信するタイミングを遅延させるとともに、異なる複数の焦点位置に対する超音波の送信を行うようにしたものである。
かかる構成により、超音波伝搬方向の機械走査を行わずに複数の検査層を検査して、各検査層の画像を鮮明に取得できるものとなる。
【0014】
(4)また、上記目的を達成するために、本発明は、円環状で、かつ、同心状に配置された複数の振動素子を有する超音波プローブと、該超音波プローブを用いて、検査対象に超音波を送信する送信部と、前記検査対象からの超音波の反射波を受信する受信部と、前記送信部及び前記受信部を制御する制御部と、前記受信部により受信された超音波信号に基づく前記検査対象の検査画像を表示する表示部と、前記超音波プローブをその超音波の送信方向に対して直交する平面上の2次元を機械的に走査する走査手段とを有する超音波検査装置を用いた超音波検査方法であって、前記超音波プローブとして、高分子圧電膜と、該高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極と、該高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側はその面積が等しい等面積か、径方向の幅が等しい等幅に形成され、外周側は、内周側よりも幅の狭い径方向の幅が等しい等幅に形成された信号電極とを備えたものを用い、前記制御部は、前記超音波プローブから送信される超音波が集束する焦点までの距離に応じて、複数の振動素子の内、使用する振動素子を選択し、前記超音波プローブから送信される超音波が集束する焦点までの距離に応じて、使用する振動素子から超音波を送信するタイミングを遅延させ、前記送信部は、使用する振動素子を選択し、また、各振動素子から超音波を送信するタイミングを遅延させるとともに、異なる複数の焦点位置に対する超音波の送信を行い、前記走査手段により、2次元走査を行うようにしたものである。
かかる方法により、超音波伝搬方向の機械走査を行わずに複数の検査層を検査して、各検査層の画像を鮮明に取得できるものとなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、超音波伝搬方向の機械走査を行わずに複数の検査層を検査して、各検査層の画像を鮮明に取得できる超音波プローブ,それを用いた超音波検査装置及び超音波検査方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による超音波検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による超音波検査装置に用いる探傷部の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による超音波検査装置に用いる圧電振動素子の構成図である。
【図4】本発明の一実施形態による超音波検査装置の送信側の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態による超音波検査装置の受信側の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態による超音波検査装置による3次元スキャンの説明図である。
【図7】本発明の一実施形態による超音波検査装置による検査内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態による超音波検査装置による検査結果に関する説明図である。
【図9】本発明の一実施形態による超音波検査装置に用いる圧電振動素子の他の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図9を用いて、本発明の一実施形態による超音波検査装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による超音波検査装置の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による超音波検査装置の構成を示すブロック図である。
【0018】
検査対象100は、例えば、半導体装置などである。検査対象100が半導体装置の場合、検査対象100は、例えば、配線基板100Aと、配線基板100Aの上に形成された第1の半導体層100Bと、第1の半導体層100Bの上に形成された第2の半導体層100Cと、第1及び第2の半導体層100B,100Cを封止する絶縁性のパッケージ部材100Dとからなる。
【0019】
ここで、本実施形態による超音波検査装置は、検査対象100の配線基板100Aと第1の半導体層100Bとの間、第1の半導体層100Bと第2の半導体層100Cとの間、第2の半導体層100Cとパッケージ部材100Dとの間のはく離やボイドなどを検査するために用いられる。
【0020】
本実施形態による超音波検査装置は、探傷部101と、送・受信部102と、制御部103と、表示部104とから構成される。
【0021】
探傷部101は、検査対象100に超音波を送・受信するアニュラアレイ超音波プローブ101Aと、超音波プローブ101Aに備えられた圧電振動素子101Bと、超音波プローブ101Aを走査する走査手段101Cとからなる。
【0022】
圧電振動素子101Bは、図3を用いて後述するが、環状の超音波素子が同心円状に配置されたものである。圧電信号素子101Bは、X−Y平面上に配置されている。圧電振動素子101Bから送信された超音波は、例えば、検査対象100の配線基板100Aと第1の半導体層100Bとの間に集束するように、送・受信部101によって制御される。この超音波が集束する位置は、X−Y平面に直交するZ軸方向に、電子的に変えることができる。すなわち、電子的にスキャンできる。
【0023】
一方、X方向及びY方向については、超音波プローブ101Aは、走査手段101Cによって機械的に走査できる。
【0024】
送・受信部102は、パルサ102Aと、レシーバ102Bとを備える。パルサ102Aは、アニュラアレイ超音波プローブ101Aに遅延時間を与えて超音波を送信するために電圧を印加する。パルサ102Aは、送信遅延回路102Cと、送信切替回路102Dと、送信増幅器102Eとを備えている。
【0025】
レシーバ102Bは、超音波プローブ101Aによって受信した超音波を、アナログ・デジタル変換して受信信号とするとともに受信の遅延時間を与える。レシーバ102Bは、受信切替回路102Iと、受信増幅器102Hと、A/D変換器102Gと、遅延メモリ102Fとを備える。
【0026】
制御部103は、走査制御回路103Aと、切替制御回路103Bと、遅延制御回路103Cと、加算回路103Dと、制御・処理用コンピュータ103Eと、記憶装置103Fとを備える。
【0027】
走査制御回路103Aは、走査手段101Cによるアニュラアレイ超音波プローブ101Aの走査を制御する。切替制御回路103Bは、超音波の送・受信に使用する素子を切り替える。遅延制御回路103Cは、送・受信時の遅延時間を制御する。加算回路103Dは、受信信号を加算する。制御・処理用コンピュータ103Eは、これらを制御し、受信した信号を収録するとともに処理を行う。記憶装置103Fは、切替制御回路103Bによる切替制御の情報や、遅延制御回路103Cによる遅延制御の際に用いる遅延時間の情報などを保持している。
【0028】
表示部104は、受信信号及び検査画像を表示するものである。表示部104は、検査モード切替器104Aを備えている。表示部104には、受信信号を表示する第1表示部104Bや、検査結果の画像を表示する第2表示部102Cがある。検査モード切替器104Aは、受信信号を表示するか、画像を表示するかなど検査モードを切り替える。
【0029】
次に、本実施形態のアニュラアレイ超音波プローブによる検査装置の動作について説明する。
【0030】
まず、制御・処理用コンピュータ103Eは、走査手段101Cを動作する際には走査制御回路103Aへ制御信号を送信し、超音波を送・受信して検査対象からの反射信号を収録する際には切替制御回路103Bへ超音波を送・受信する圧電振動素子101Bの選択のための送・受信素子切替信号を送信するとともに遅延制御回路103Cを通じて超音波を集束して送・受信するための各圧電振動素子101Bへの遅延時間を与える。
【0031】
送信信号と遅延時間を受取った送信遅延回路102Cは、与えられた遅延時間で送信信号を送信切替手段としての送信切替回路102Dに送る。送信切替回路102Dは、送信遅延回路102Cから遅延時間を付与して送信された送信信号を受け、切替制御回路103Bからの送信素子切替信号に基づき、送信素子を切替えて、送信信号を送信増幅器102Eへ送信する。送信増幅器102Eは送信信号を増幅してアニュラアレイ超音波プローブ101Aの各電圧振動素子に超音波を送信するための駆動電圧を印加する。この際に、送信切替回路102Dは、アニュラアレイ超音波プローブ101Aが持つ一部の圧電振動素子101Bに対して、個々にあるいは複数の圧電振動素子101Bに同時に送信信号を送ることが可能である。一般には送受信素子の切替にマルチプレクサ等の切替器を用いる。
【0032】
次に、増幅された送信信号を受けた複数の圧電振動素子101Bは、圧電効果で超音波を送信するが、ここでは、複数の圧電振動素子101Bの超音波の送・受信について説明する。前述の説明のように、送信信号に遅延時間を与えて圧電振動素子101Bに電圧を印加すると、各圧電振動素子101Bは遅延時間に対応した時間遅れで超音波を送信する。超音波を集束する場合には、各圧電振動素子101Bから集束位置までの幾何学的な距離、つまり各媒質での超音波の音速と境界面での屈折を考慮した距離に対応した遅延時間で各電圧振動素子に電圧を印加する。例えば、検査対象が複数の材質により構成される場合には、式(1)で示されるスネルの法則で、各媒質間での屈折角度を求め、超音波の幾何学的な伝搬経路を計算し、圧電振動素子101Bの遅延時間を決定する。

sinθ1/ν1=sinθ2/ν2 …(1)

ここで、θは超音波の入射角度及び屈折角度、vは音速、θ及びvの添え字1、2は媒質番号である。このようにして、検査対象の所定の位置に超音波を集束して送信する。
【0033】
一方、超音波を受信する際には、圧電振動素子101Bのそれぞれで受信した超音波に対応して、圧電効果により生じた受信信号を受信切替回路102Iで受信素子を個々あるいは複数切替えて受信する。更に、受信信号を受信増幅器102Hで増幅して、アナログ−デジタル変換器102Gでアナログであった受信信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された受信信号は、記憶装置である遅延メモリ102Iに記憶される。この際に、遅延メモリ102Fでは、超音波送信時と同様に超音波を焦点に集束して受信する際には、遅延制御回路103Cから送信された遅延時間を各素子からの受信信号に付与して、記憶される。更に、遅延時間を与えられた受信信号は、加算回路103Dで加算され、制御・処理用コンピュータ103Eに送られる。
【0034】
次に、図2を用いて、本実施形態による超音波検査装置に用いる探傷部101の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による超音波検査装置に用いる探傷部の構成を示す斜視図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0035】
ここでは、一般におけるアニュラアレイ超音波プローブを用いた超音波検査の走査方法を説明する。水槽201は水で満たされており、アニュラアレイ超音波プローブ101Aを水浸させて検査を行う。走査手段101Cにより、X方向及びY方向に機械的に移動させて、二次元方向を走査する。一方、アニュラアレイ超音波プローブ101Aの圧電振動素子101Bへ送る送信信号の遅延時間を制御して、水面201Aから水槽の底面201Bの方向に超音波を送信し集束させて焦点fを形成し、焦点深さ方向(Z方向)に電子的に走査する。
【0036】
次に、図3を用いて、本実施形態による超音波検査装置に用いる圧電振動素子101Bの構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による超音波検査装置に用いる圧電振動素子の構成図である。図3(A)は平面図であり、図3(B)は断面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0037】
図3(A)に示すように、本実施形態の圧電振動素子101Bは、8個の振動素子S1,S2,…,S8から構成されている。振動素子S1の平面形状は円形である。振動素子S2,…,S8の平面形状は、円環状である。各振動素子S1,S2,…,S8は、同心状に配置されている。また、各素子の間には、ギャップが設けられている。
【0038】
ここで、内周部側に配置される4個の振動素子S1,S2,S3,S4は、その平面上の面積が等しい等面積素子である。また、これらの外周に配置される4個の振動素子S5,S6,S7,S8は、その径方向の幅が等しい等幅素子である。そして、ギャップの径方向の幅はいずれも等しくしている。
【0039】
なお、振動素子S1,S2,S3を等面積素子とし、振動素子S4,S5,S6,S7,S8を等幅素子としてもよいものである。また、振動素子S1,S2,S3,S4,S5を等面積素子とし、振動素子S6,S7,S8を等幅素子としてもよいものである。また、振動素子の数は、8個として例示しているが、一般的には、16個や32個の素子が用いられる。いずれにしても、円環状の振動素子が同心状に配置される圧電振動素子において、内周部側は等面積素子とし、外周側を等幅素子とする。
【0040】
これにより圧電振動素子全体としての開口径を大きくできる。すなわち、従来、例えば、非特許文献1に記載のように、全ての素子を等面積素子とし、例えば、32個の素子を同心状に配置した場合、外周側の素子は円環の半径が大きくなる分、幅が狭くなる。その結果、圧電素子全体としての開口径は大きくできず、ある程度の大きさに制限される。
【0041】
また、内周側を等面積とすることで、内周側の振動素子S1,…,S4から送信する超音波の音圧を一定にすることができる。その結果、焦点位置における音圧を上げることができる。
【0042】
次に、図3(B)に示すように、圧電振動素子101Bは、バッキング材B1にFPC基板B2が接着されている。FPC基板B2の表面には、予めアニュラアレイ形状の信号電極B3がプリントされている。FPC基板B2がアニュラアレイ形状の信号電極B3がプリントされていない面が、バッキング材B1に接着されている。FPC基板B2の、アニュラアレイ形状の信号電極がプリントされた面に圧電膜B4が接着されている。圧電膜B4の上には、接地電極B5が形成されている。
【0043】
信号電極B3,圧電膜B4,接地電極B5からなる積層構造体において、信号電極B3のみが、図3(A)に示した8個の振動素子S1,S2,…,S8と同様に、円環状で、かつ、同心円状に形成されている。圧電膜B4及び接地電極B5は、8個の振動素子S1,S2,…,S8及びそれぞれの間のギャップを含めた形状となっている。アニュラアレイ形状の信号電極B3は、8個の円環状からなり、それぞれが、図3(A)に示した8個の振動素子S1,S2,…,S8に対応する。そして、例えば、最内周の信号電極B3と、圧電膜B4及び接地電極B5によって、一つの振動素子S1が構成される。
【0044】
バッキング材B1としては、例えばポリテトラフルオロチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の合成樹脂を用いる。圧電膜B4としては、例えばポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンの共重合体等の高分子圧電膜を用いる。信号電極B3及び接地電極B5としては、例えば金、銀、銅、白金、アルミニウム等の金属を用いる。
【0045】
図3(A)に示した8個の振動素子S1,S2,…,S8において、振動素子S8の外径が例えば、10mm程度の場合、個々の振動素子の間のギャップは、例えば、数十μm程度であり、最外周の振動素子S8の幅も数十μm程度である。ここで、圧電膜B4として、高分子圧電膜を用いた場合、数十μm程度の幅に加工したり、ギャップを数十μmとするのが加工が難しいものである。それに対して、信号電極B3は、金等の金属であるため、エッチング等の手法により容易に数十μmの線幅やギャップとできるため、本実施形態では、信号電極B3のみをアニュラー形状としている。なお、信号電極B3をアニュラー形状とする代わりに、接地電極B5としている側をアニュラー形状とすることもできる。この場合、信号電極側が接地電極として用いられる。
【0046】
次に、図4〜図6を用いて、本実施形態による超音波検査装置による検査方法の原理について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による超音波検査装置の送信側の説明図である。図5は、本発明の一実施形態による超音波検査装置の受信側の説明図である。図6は、本発明の一実施形態による超音波検査装置による3次元スキャンの説明図である。なお、図4〜図6において、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0047】
最初に、図4を用いて、送信時の検査原理について説明する。
【0048】
本実施形態では、検査層の数と焦点位置等の検査条件を設定して制御・処理用コンピュータ103Eにより、例えば前述の遅延時間の計算法により各検査層の遅延時間を計算する。次に、各検査層の検査で使用する圧電振動素子101Bを選択する。これらの遅延時間及び使用する素子の情報は、記憶装置103Fに記憶されている。
【0049】
送信遅延回路102Cは、図示のように、使用する素子及び遅延時間が設定される。例えば、遅延時間DAは、図中の黒丸で示すように、使用する素子は、内周側の3素子とする。例えば、図3(A)の例では、素子S1,S2,S3とする。そのときの遅延時間は、中央の素子S1の遅延時間が一番長く、外周に行くに従って、図示のように遅延時間が短くする。このような使用する素子及び遅延時間としたとき、図4の下の方に示すように、圧電振動素子101Bから送信された超音波は、検査対象100の内部の焦点位置fAに集束する。
【0050】
また、遅延時間DBは、図中の黒丸で示すように、使用する素子は、内周側の5素子とする。例えば、図3(A)の例では、素子S1,…,S5とする。そのときの遅延時間は、中央の素子S1の遅延時間が一番長く、しかも、遅延時間DAの場合よりも長くする。また、外周に行くに従って、図示のように遅延時間が短くする。このような使用する素子及び遅延時間としたとき、図4の下の方に示すように、圧電振動素子101Bから送信された超音波は、検査対象100の内部の焦点位置fBに集束する。すなわち、遅延時間DAとした場合よりも、頂点位置fBが遠くなる。
【0051】
また、遅延時間DCは、図中の黒丸で示すように、使用する素子は、全ての8素子とする。例えば、図3(A)の例では、素子S1,…,S8とする。そのときの遅延時間は、中央の素子S1の遅延時間が一番長く、しかも、遅延時間DBの場合よりも長くする。また、外周に行くに従って、図示のように遅延時間が短くする。このような使用する素子及び遅延時間としたとき、図4の下の方に示すように、圧電振動素子101Bから送信された超音波は、検査対象100の内部の焦点位置fCに集束する。すなわち、遅延時間DBとした場合よりも、頂点位置fCが遠くなる。
【0052】
ここで、焦点距離fAの位置が、例えば、図1にて説明した第2の半導体層100Cとパッケージ部材100Dの位置である。また、焦点距離fBの位置が、例えば、図1にて説明した第1の半導体層100Bと第2の半導体層100Cとの間の位置である。また、焦点距離fCの位置が、例えば、図1にて説明した検査対象100の配線基板100Aと第1の半導体層100Bとの間の位置である。これらの各層の界面に超音波を集束して、これらの界面におけるはく離やボイドなどを検査する。
【0053】
そこで、送信切替回路102Dにより選択した圧電振動素子101Bに計算した遅延時間Dの内、遅延時間DAを与えた送信信号を送り、検査層で超音波を集束させ、検査層に焦点fAを形成する。送信の際の圧電振動素子の選択は、例えば各検査層の焦点距離と選択する圧電振動素子の最外径の比において一定になるかまたはそのばらつき偏差が小さくなるように選択する。すなわち、図示の例において、fA/rA=fC/rCとなるようにする。但し、これらの比が正確に一致しない場合もあるので、そのときは、そのばらつき偏差が小さくなるようにする。
【0054】
図4に示すように、圧電振動素子101Bを構成する複数の振動素子の内、使用する素子を、焦点位置に応じて選択するのは次の理由による。例えば、焦点距離fAのように、焦点距離が短い場合、図3(A)に示す最外周の素子S8から焦点位置(図4の焦点距離fAの位置に示す白丸の位置)に超音波を送信しようとすると、素子S8から白丸の位置に向かう角度により、検査対象100のパッケージ部材100Dの表面(媒質である水と、パッケージ部材100Dの界面)において、超音波が反射することとなる。従って、素子S8からの超音波は、諸焦点距離fAの焦点位置には到達できないため、焦点位置fAに超音波を送信する場合には、内周側の素子のみを使用することになる。
【0055】
次に、受信時について説明する。図5に示すように、焦点fAで反射した超音波を圧電振動素子101Bで受信して、受信信号を得る。受信の際の圧電振動素子は、受信切替回路102Iにより選択されるが、例えば送信の際に選択した圧電振動素子を選択する方法や全素子を選択し使用する方法等がある。図示の例では、全素子を選択している。受信信号は、遅延メモリ102Fにて、遅延時間DA’で遅延され、図1の加算回路103Dで加算され、制御・処理用コンピュータ103Eに送られる。制御・処理用コンピュータ103Eでは、遅延時間の発信間隔時間により収録データを各検査層の範囲で分割処理する。
【0056】
また、焦点fBで反射した超音波や、焦点fCで反射した超音波についても、同様に受信して、信号処理する。
【0057】
次に、図6に示すように、走査手段101Cにより圧電振動素子101Bを、機械的にX−Y平面内で、二次元方向に移動させる。例えば、圧電振動素子101Bは、原点の位置を(x0,y0)とし、最大移動された位置を(xm,yn)とすると、走査手段101Cは、X方向に(xm−x0)だけ移動し、Y方向に(yn−y0)だけ移動する。
【0058】
そして、例えば、位置(x0,y0)において、焦点位置を位置fA,位置fB,位置fCのように、電子的にスキャンし、各焦点位置における超音波の反射波を検出する。それが終了すると、走査手段101Cにより圧電振動素子101Bを、機械的移動して、例えば、次の位置(xi,yj)において、焦点位置を位置fA,位置fB,位置fCのように、電子的にスキャンし、各焦点位置における超音波の反射波を検出する。それが終了すると、走査手段101Cにより圧電振動素子101Bを、機械的移動して、例えば、最後の位置(xm,yn)において、焦点位置を位置fA,位置fB,位置fCのように、電子的にスキャンし、各焦点位置における超音波の反射波を検出する。
【0059】
これらの二次元方向の機械的走査と、Z軸方向に焦点位置を電子的に変える電子的走査を繰り返して、各点の収録データを得る。
【0060】
次に、図7を用いて、本実施形態による超音波検査装置による検査内容について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による超音波検査装置による検査内容を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS10において、制御・処理用コンピュータ103Eは、検査層の数及び焦点位置等の検査条件を設定し、記憶装置103Fに記憶する。
【0062】
次に、ステップS20において、制御・処理用コンピュータ103Eは、遅延時間を設定し、記憶装置103Fに記憶する。
【0063】
次に、ステップS30において、制御・処理用コンピュータ103Eは、各検査層の使用素子数を選択し、記憶装置103Fに記憶する。
【0064】
次に、ステップS40において、検査を実行するが、その際、遅延制御回路103Cは、ステップS20にて記憶された送信遅延時間を送信遅延回路102Cや遅延メモリ102Fに設定する。また、切替制御回路103Bは、ステップS30にて記憶された使用素子数を送信切替回路102Dや受信切替回路102Iに設定する。そして、超音波を圧電振動素子101Bを送信し、検査対象100からの反射波を受信する。
【0065】
次に、ステップS50において、制御・処理用コンピュータ103Eは、各層毎にデータを分割する。
【0066】
そして、ステップS60において、制御・処理用コンピュータ103Eは、全検査涼気データの収録が収集したか否かを判定して、終了していなければ、以上の処理を、操作制御回路103Aにより、走査手段101CをX−Y面内で移動して繰り返し実行される。
【0067】
そして、ステップS70において、制御・処理用コンピュータ103Eは、表示部104に各層のデータを表示する。
【0068】
なお、感度の小さい検査層があった場合には、使用素子数を変化させて再検査を行う。使用素子数の変化は、例えば感度の小さい検査層の使用素子数を増加させる方法等により行う。例えば予め各検査層の波高値のばらつき範囲を設定し、検査により得られる収録データのばらつきを照合する方法等により、検査の終了を判定する。
【0069】
次に、図8を用いて、本実施形態による超音波検査装置による検査結果について説明する。
図8は、本発明の一実施形態による超音波検査装置による検査結果に関する説明図である。
【0070】
このようにして得られた収録データは、図8に示すように感度及び分解能の特性において、焦点距離依存性が少なくばらつきが小さい情報である。これらの収録データに基づいて画像を作成することで、超音波伝搬方向(Z軸方向)の機械走査を行わずに検査層の深さに関わらず鮮明な画像が表示される。
【0071】
次に、図9を用いて、本発明の一実施形態による超音波検査装置に用いる圧電振動素子の他の構成について説明する。
図9は、本発明の一実施形態による超音波検査装置に用いる圧電振動素子の他の構成を示す平面図である。
【0072】
本例では、図3(A)と同様に、圧電振動素子101B’は、8個の振動素子S1’,S2’,…,S8から構成されている。振動素子S1’の平面形状は円形である。振動素子S2’,…,S8の平面形状は、円環状である。各振動素子S1’,S2’,…,S8は、同心状に配置されている。また、各素子の間には、ギャップが設けられている。
【0073】
ここで、内周部側に配置される4個の振動素子S1’,S2’,S3’,S4’は、その径方向の幅が等しい等幅素子である。また、これらの外周に配置される4個の振動素子S5,S6,S7,S8は、その径方向の幅が等しい等幅素子である。但し、外周側に配置される素子S5,S6,S7,S8の幅は、内周部側に配置される4個の振動素子S1’,S2’,S3’,S4’の幅よりも狭くしている。
【0074】
圧電振動素子101B’の断面構成は、図3(B)に示したものと同様である。
【0075】
本例においても、圧電振動素子全体としての開口径を大きくできる。但し内周側の素子の面積は、中心側が小さく、外周に行くに従って大きくなるため、音圧が一定にはできないものである。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、感度及び分解能の焦点距離に依存するばらつきを低減させることができるため、超音波伝搬方向の機械走査を行わずに検査層が深くなる場合の画像も鮮明に取得できる。更に、一度の二次元走査において、複数の検査層を検査可能であるため、検査時間が短縮できる。
【符号の説明】
【0077】
100…検査対象
101…探傷部
101A…アニュラアレイ超音波プローブ
101B…圧電振動素子
101C…走査手段
102…送・受信部
102A…パルサ
102B…レシーバ
102C…送信遅延回路
102D…送信切替回路
102E…送信増幅器
102F…受信切替回路
102G…受信増幅器
102H…アナログ−デジタル変換機
102I…遅延メモリ
103…制御部
103A…走査制御回路
103B…切替制御回路
103C…遅延制御回路
103D…加算回路
103E…制御・処理用コンピュータ
103F…記憶装置
104…表示部
104A…検査モード切替器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子圧電膜と、
該高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極と、
該高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側はその面積が等しい等面積に形成され、外周側は、径方向の幅が等しい等幅に形成された信号電極とを備えることを特徴とするアニュラアレイ超音波プローブ。
【請求項2】
高分子圧電膜と、
該高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極と、
該高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側は径方向の幅が等しい等幅に形成され、外周側は、径方向の幅が等しい等幅であるとともに、内周側の幅よりも狭く形成された信号電極とを備えることを特徴とするアニュラアレイ超音波プローブ。
【請求項3】
円環状で、かつ、同心状に配置された複数の振動素子を有する超音波プローブと、
該超音波プローブを用いて、検査対象に超音波を送信する送信部と、
前記検査対象からの超音波の反射波を受信する受信部と、
前記送信部及び前記受信部を制御する制御部と、
前記受信部により受信された超音波信号に基づく前記検査対象の検査画像を表示する表示部と、
前記超音波プローブをその超音波の送信方向に対して直交する平面上の2次元を機械的に走査する走査手段とを有する超音波検査装置であって、
前記超音波プローブは、
高分子圧電膜と、
該高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極と、
該高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側はその面積が等しい等面積か、径方向の幅が等しい等幅に形成され、外周側は、内周側よりも幅の狭い径方向の幅が等しい等幅に形成された信号電極とを備え、
前記制御部は、
前記超音波プローブから送信される超音波が集束する焦点までの距離に応じて、複数の振動素子の内、使用する振動素子を選択する切替制御回路と、
前記超音波プローブから送信される超音波が集束する焦点までの距離に応じて、使用する振動素子から超音波を送信するタイミングを遅延させる遅延制御回路と、
前記走査手段による2次元走査を制御する走査制御回路とを備え、
前記送信部は、前記切替制御回路からの指令により、使用する振動素子を選択し、また、前記遅延制御回路からの指令により、各振動素子から超音波を送信するタイミングを遅延させるとともに、異なる複数の焦点位置に対する超音波の送信を行うことを特徴とする超音波検査装置。
【請求項4】
円環状で、かつ、同心状に配置された複数の振動素子を有する超音波プローブと、
該超音波プローブを用いて、検査対象に超音波を送信する送信部と、
前記検査対象からの超音波の反射波を受信する受信部と、
前記送信部及び前記受信部を制御する制御部と、
前記受信部により受信された超音波信号に基づく前記検査対象の検査画像を表示する表示部と、
前記超音波プローブをその超音波の送信方向に対して直交する平面上の2次元を機械的に走査する走査手段とを有する超音波検査装置を用いた超音波検査方法であって、
前記超音波プローブとして、
高分子圧電膜と、
該高分子圧電膜の一方の面に設けられた接地電極と、
該高分子圧電膜の他方の面に設けられるとともに、円環状で、かつ、同心円状に配置され、内周側はその面積が等しい等面積か、径方向の幅が等しい等幅に形成され、外周側は、内周側よりも幅の狭い径方向の幅が等しい等幅に形成された信号電極とを備えたものを用い、
前記制御部は、
前記超音波プローブから送信される超音波が集束する焦点までの距離に応じて、複数の振動素子の内、使用する振動素子を選択し、
前記超音波プローブから送信される超音波が集束する焦点までの距離に応じて、使用する振動素子から超音波を送信するタイミングを遅延させ、
前記送信部は、使用する振動素子を選択し、また、各振動素子から超音波を送信するタイミングを遅延させるとともに、異なる複数の焦点位置に対する超音波の送信を行い、
前記走査手段により、2次元走査を行うことを特徴とする超音波検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−11468(P2013−11468A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143155(P2011−143155)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス (276)
【Fターム(参考)】