超音波診断装置及びその制御プログラム
【課題】超音波画像と参照医用画像とを対比しやすい超音波診断装置を提供する。
【解決手段】参照医用画像のボリュームデータVDにおいて、エコー信号の位置と対応する対応領域Ruを特定して、この対応領域Ruの参照医用画像を表示させるとともにリアルタイムの超音波画像を表示させる表示画像制御部と、前記超音波画像における被検体の体表面Sの前記表示部における表示位置と前記参照医用画像における被検体の体表面Sの前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように、参照医用画像のボリュームデータVDにおいて特定された対応領域Ruの位置補正を行なう位置補正部と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】参照医用画像のボリュームデータVDにおいて、エコー信号の位置と対応する対応領域Ruを特定して、この対応領域Ruの参照医用画像を表示させるとともにリアルタイムの超音波画像を表示させる表示画像制御部と、前記超音波画像における被検体の体表面Sの前記表示部における表示位置と前記参照医用画像における被検体の体表面Sの前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように、参照医用画像のボリュームデータVDにおいて特定された対応領域Ruの位置補正を行なう位置補正部と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像及び参照医用画像がともに表示される超音波診断装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置では、超音波の送信を行なって得られたエコー信号に基づいて超音波画像が作成され、リアルタイムの超音波画像を表示することも可能である。このような超音波診断装置において、例えば特許文献1には、被検体における同一領域、同一表示倍率のリアルタイムの超音波画像とX線CT(Computed Tomography)画像やMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像などの参照医用画像とを表示する超音波診断装置が開示されている。この超音波診断装置では、位置センサにより検出される超音波プローブの位置に基づいて、X線CT装置やMRI装置で取得されたボリュームデータにおいて、超音波画像の位置と対応する領域が特定され、この対応領域について前記参照医用画像が表示される。従って、超音波プローブを動かしても、参照医用画像もこれに追従するようにして常に超音波画像と同一領域の画像が表示される。これにより、超音波画像と参照医用画像とを容易に対比することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO2004−098414号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば穿刺などを行なう際に、力が入って体表面に対して超音波プローブを体表面が凹むほど強く押し付けてしまうことがある。この場合、超音波プローブが下方へ移動するとともに、超音波プローブによって押された被検体の生体組織は、そのまま下方へ移動するか、下方へ移動しつつ歪む。
【0005】
生体組織が歪まずにそのまま下方へ移動した場合、移動前と移動後とで超音波画像に変化はない。一方、参照医用画像は、前記超音波プローブが移動したことによって、前記ボリュームデータにおける表示領域が移動する。従って、超音波画像と参照医用画像とで被検体において異なる領域が表示される。
【0006】
また、生体組織が歪みながら下方へ移動した場合、超音波画像として、生体組織が歪んだ画像が表示される。ここで、参照医用画像としては生体組織が歪んでいない画像が表示されるため、超音波画像と参照医用画像とで被検体において異なる領域が表示されるのみならず、異なる画像が表示される。
【0007】
以上のように、超音波画像と参照医用画像とで被検体において異なる領域が表示され、また異なる画像が表示されると、両画像を対比しずらい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するためになされた一の観点の発明は、超音波のエコー信号を取得する超音波プローブの位置を検出するための位置センサと、位置センサの位置検出情報に基づいて、超音波画像の座標系における前記エコー信号の位置を算出する位置算出部と、参照医用画像のボリュームデータにおいて、前記位置算出部で算出された位置と対応する領域を特定して該対応領域の参照医用画像を前記表示部に表示させるとともに、前記エコー信号に基づくリアルタイムの超音波画像を前記表示部に表示させる表示画像制御部と、前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とのずれを検出する位置ずれ検出部と、位置ずれ検出部によって検出された位置ずれ量に基づいて、前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように、前記ボリュームデータにおいて特定された前記対応領域の位置補正を行なう位置補正部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0009】
また、他の観点の発明は、前記一の観点の発明に係る超音波診断装置において、前記超音波画像の歪みを検出する歪み検出部と、歪み検出部で検出された歪み量の分だけ前記参照医用画像を歪ませた歪み画像を作成する歪み画像作成部と、を備え、前記表示画像制御部は、前記位置補正部による位置補正後の前記対応領域について前記歪み画像を表示させることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0010】
上記観点の発明によれば、超音波プローブが体表面に対して押し付けられて体表面及び超音波プローブが移動し、被検体の体表面の位置が、前記超音波画像の座標系と前記参照医用画像の座標系とで異なる位置になると、前記位置補正部により前記対応領域の位置補正が行なわれる。前記位置補正部は、前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と、前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように位置補正を行なう。これを受けて、前記表示画像制御部は、前記超音波画像とともに、位置補正された前記対応領域の参照医用画像を表示させる。これにより、被検体の同一領域についての超音波画像と参照医用画像とが表示されるので、超音波画像と参照医用画像とを対比しやすい。
【0011】
また、他の観点の発明によれば、被検体の生体組織が歪みながら下方へ移動した場合、前記位置補正部による位置補正後の前記対応領域について歪み画像が表示されるので、被検体の同一領域についてともに歪んだ超音波画像と参照医用画像とを表示させることができる。従って、超音波画像と参照医用画像とを対比しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における超音波診断装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態の超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における超音波診断装置の作用を示すフローチャートである。
【図4】超音波画像及び参照医用画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図5】被検体の同一領域についての超音波画像及び参照医用画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図6】被検体の生体組織が超音波プローブによって押されて下方へ移動した場合の超音波画像及び参照医用画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図7】前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と、前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とがずれた場合の処理を示すフローチャートである。
【図8】ボリュームデータにおいて参照医用画像を表示する領域の位置の補正を説明する図である。
【図9】第二実施形態の超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】第二実施形態の作用を示すフローチャートである。
【図11】被検体の生体組織が超音波プローブによって押されて下方へ移動するとともに歪んだ場合の超音波画像及び参照医用画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図12】体表面の表示位置が同じ位置であり、なおかつともに歪んだ超音波画像及び歪み画像が表示された表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について図1〜図8に基づいて説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信部3、エコーデータ処理部4、表示制御部5、表示部6、操作部7、制御部8、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)9を備える。
【0014】
前記超音波プローブ2は、アレイ状に配置された複数の超音波振動子(図示省略)を有して構成され、この超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。
【0015】
前記超音波プローブ2には、例えばホール素子で構成される前記磁気センサ10が設けられている。この磁気センサ10により、例えば磁気発生コイルで構成される磁気発生部11から発生する磁気が検出されるようになっている。前記磁気センサ10における検出信号は、前記表示制御部5へ入力されるようになっている。前記磁気センサ10における検出信号は、図示しないケーブルを介して前記表示制御部5へ入力されてもよいし、無線で前記表示制御部5へ入力されてもよい。前記磁気発生部11及び前記磁気センサ10は、後述のように前記超音波プローブ2の位置及び傾きを検出するためのものであり、本発明における位置センサの実施の形態の一例である。
【0016】
前記送受信部3は、前記超音波プローブ2から所定の走査条件で超音波を送信するための電気信号を、前記制御部8からの制御信号に基づいて前記超音波プローブ2に供給する。また、前記送受信部3は、前記超音波プローブ2で受信したエコー信号について、A/D変換、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコーデータを前記エコーデータ処理部4へ出力する。
【0017】
前記エコーデータ処理部4は、前記送受信部3から出力されたエコーデータに対し、超音波画像を作成するための処理を行なう。例えば、前記エコーデータ処理部4は、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行ってBモードデータを作成する。
【0018】
前記表示制御部5は、図2に示すように、位置算出部51、メモリ52、超音波画像データ作成部53、表示画像制御部54、位置ずれ検出部55、位置補正部56を有する。前記位置算出部51は、前記磁気センサ10からの磁気検出信号に基づいて、前記磁気発生部11を原点とする三次元空間の座標系における前記超音波プローブ2の位置及び傾きの情報(以下、「プローブ位置情報」と云う)を算出する。さらに、前記位置算出部51は、前記プローブ位置情報に基づいてエコー信号の前記三次元空間の座標系における位置情報を算出する(位置算出機能)。前記磁気発生部11を原点とする三次元空間の座標系を、超音波画像UGの座標系と云うものとする。前記位置算出部51は、本発明における位置算出部の実施の形態の一例である。また、前記位置算出機能は、本発明における位置算出機能の実施の形態の一例である。
【0019】
前記メモリ52は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(Memory)などで構成される。このメモリ52には、例えば前記エコーデータ処理部4から出力されて、後述するように前記超音波画像データ作成部53において超音波画像データに変換される前のデータなどが記憶される。前記超音波画像データに変換される前のデータを、ローデータ(Raw Data)と云うものとする。ローデータは、前記HDD9に記憶されるようになっていてもよい。
【0020】
前記超音波画像データ作成部53は、前記エコーデータ処理部4から入力されたデータを、スキャンコンバータ(Scan Converter)によって走査変換して超音波画像データを作成する。
【0021】
前記表示画像制御部54は、リアルタイムの超音波画像UGを前記表示部6に表示させるとともに、前記位置算出部51で算出されたエコー信号の位置に対応する参照医用画像MGを表示させる(表示画像制御機能)。前記表示画像制御部54は、本発明における表示画像制御部の実施の形態の一例である。また、前記表示画像制御機能は、本発明における表示画像制御機能の実施の形態の一例である。
【0022】
前記参照医用画像MGは、リアルタイムの超音波画像UG以外の医用画像である。具体的には、前記参照医用画像MGは、前記超音波診断装置1以外の医用画像装置(図示省略)で予め取得された医用画像、すなわち例えばX線CT装置やMRI装置などで予め取得されたX線CT画像やMRI画像であってもよい。また、前記参照医用画像MGは、予め取得された超音波画像であってもよい。超音波画像は、前記超音波診断装置1において取得されたものであってもよいし、図示しない他の超音波診断装置において取得されたものであってもよい。
【0023】
前記位置ずれ検出部55は、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面の位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面の位置とのずれを検出する(位置ずれ検出機能)。前記位置ずれ検出部55による位置ずれの検出が行なわれる前記超音波画像UGの座標系及び前記参照医用画像MGの座標系は、位置合わせ済み、すなわち互いの対応座標が特定された状態であるものとする。詳細は後述する。前記位置ずれ検出部55は、本発明における位置ずれ検出部の実施の形態の一例である。また、位置ずれ検出機能は、本発明における位置ずれ検出機能の実施の形態の一例である。
【0024】
前記位置補正部56は、前記位置ずれ検出部55により位置ずれが検出された場合に、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面の前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面の前記表示部6における表示位置とが同じ位置になるように位置補正を行なう(位置補正機能)。詳細は後述する。前記位置補正部56は、本発明における位置補正部の実施の形態の一例である。また、前記位置補正機能は、本発明における位置補正機能の実施の形態の一例である。
【0025】
前記表示部6は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。前記操作部7は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。
【0026】
前記制御部8は、特に図示しないがCPU(Central Processing Unit)を有して構成される。この制御部8は、前記HDD9に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
【0027】
前記HDD9には、前記制御プログラムの他、予め取得された前記参照医用画像MGのデータが記憶される。この参照医用画像MGのデータは被検体における三次元領域についてのボリュームデータである。前記参照医用画像MGのデータは、前記メモリ52に記憶されてもよい。前記参照医用画像MGのデータは、参照医用画像MGの座標系における位置情報とともに前記HDD9に記憶される。ちなみに、参照医用画像MGが超音波画像である場合、超音波プローブの位置を検出して取得された位置情報が記憶される。
【0028】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について図3のフローチャートに基づいて説明する。先ず、図3のステップS1では、予め取得された前記参照医用画像のデータを前記HDD9や前記メモリ52に記憶する。
【0029】
次に、ステップS2では、前記超音波プローブ2を被検体の体表面に当接させて超音波の送受信を開始する。そして、前記表示制御部5は、エコー信号に基づいて作成された超音波画像UGを前記表示部6に表示させる。超音波画像UGは例えばBモード画像である。また、前記表示制御部5は前記HDD9又は前記メモリ52に記憶された参照医用画像のボリュームデータに基づいて参照医用画像MGを表示させる。前記表示制御部5は、図4に示すように、前記超音波画像UG及び前記参照医用画像MGを前記表示部6に並べて表示させる。ちなみに、図4において符号Sは被検体の体表面を示している。
【0030】
次に、ステップS3では、前記超音波画像UGの座標系と前記参照医用画像MGの座標系との位置合わせ処理を行なう。具体的には、操作者は前記表示部6に表示された前記超音波画像UGと前記参照医用画像MGとを見比べながら、いずれか一方又は両方の画像の断面を移動させ、同一断面の超音波画像UGと参照医用画像MGとを表示させる。前記超音波画像UGの断面の移動は、前記超音波プローブ2の位置を変えることによって行なう。また、前記参照医用画像MGの断面の移動は、前記操作部7を操作して断面を変更する指示を入力することにより行なう。
【0031】
同一断面か否かは、例えば操作者が特徴的な部位を参照するなどして判断する。ちなみに、前記超音波プローブ2による超音波の走査面は前記参照医用画像MGのスライス面と平行であるものとする。
【0032】
操作者は、同一断面についての超音波画像UG及び参照医用画像MGが表示されると、前記操作部7のトラックボール等を用いて、前記超音波画像UGの任意の点を指定する。また、操作者は前記超音波画像UGにおいて指定された点と同一位置と思われる点を前記参照医用画像MGにおいても指定する。操作者は、このような点の指定を複数点について行なう。
【0033】
ここで、前記参照医用画像MGのデータは位置情報を有している。従って、上述のように前記超音波画像UGと前記参照医用画像MGとで同一位置と思われる点を指定すると、これら超音波画像UGの座標系と参照医用画像MGの座標系との対応位置が特定される。そして、前記超音波画像UGの座標系と参照医用画像MGの座標系との対応点が複数点特定されることで、前記超音波画像UGの座標系と前記参照医用画像MGの座標系との座標変換が可能になる。以上により位置合わせ処理が完了する。
【0034】
前記ステップS3における位置合わせ処理が完了すると、ステップS4では、前記表示画像制御部54は、リアルタイムの超音波画像UGとともに、前記位置算出部51で算出されたエコー信号の位置に対応する参照医用画像MGを表示させる。これにより、被検体における同一領域の超音波画像UG及び参照医用画像MGが表示される。
【0035】
具体的には、前記表示画像制御部54は、前記位置算出部51で算出されたエコー信号の位置情報を、前記参照医用画像MGの座標系の位置情報に座標変換して、前記参照医用画像MGのボリュームデータVDにおいて前記エコー信号の位置と対応する領域を特定する。次に、前記表示画像制御部54は、この対応領域を含むデータに基づく参照医用画像MGを、図5に示すようにリアルタイムの超音波画像UGとともに同一の表示倍率で表示させる。図5において、前記参照医用画像MG上に表示された一点鎖線の輪郭線Olは、前記参照医用画像MGにおいて超音波画像UGと対応する領域であり、前記参照医用画像MGにおける前記輪郭線Ol内の画像及び前記超音波画像UGは、被検体において同一領域の画像になっている。前記輪郭線Olは、前記位置算出部51で算出された超音波画像UGの座標系におけるエコーデータの位置を、参照医用画像MGの座標系に座標変換して特定される。
【0036】
本例では、前記参照医用画像MGは、前記輪郭線Olよりも広い範囲について表示され、超音波画像UGの対応領域よりも広い範囲の参照医用画像MGが表示されている。
【0037】
ちなみに、図5において符号Iは、例えば腫瘤や血管などの像であるものとする。
【0038】
被検体における同一領域の超音波画像UG及び参照医用画像MGが表示された場合において、例えば前記超音波プローブ2を体表面に対して強く押し付けるなどして体表面が凹み、前記超音波プローブ2が下方へΔx移動すると、エコー信号の位置も下方へΔx移動する。ここでは、被検体の生体組織は歪まずにそのまま下方へΔx移動しているものとする。
【0039】
エコーデータの位置が下方へΔx移動すると、前記参照医用画像MGのボリュームデータVDにおけるエコー信号の対応領域も下方へΔx移動する。従って、前記表示画像制御部54は、前記参照医用画像MGの座標系において下方へΔx移動した位置の参照医用画像MGを表示させる。これにより、図6に示すように、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置とがずれる。具体的には、前記表示部6において、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sが前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sよりも上方に表示される。この場合、前記参照医用画像MGにおける前記輪郭線Ol内の画像及び前記超音波画像UGは、被検体において異なる領域の画像になっている。この場合の処理について、図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
先ず、ステップS41では、前記位置ずれ検出部55が、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面Sの位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面Sの位置とのずれを検出する。具体的には、前記位置ずれ検出部55は、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面Sの位置を前記参照医用画像MGの座標系に座標変換して、前記超音波画像UGの座標系における体表面Sの位置と前記参照医用画像MGの座標系における体表面Sの位置を比較し、位置ずれの検出を行なう。
【0041】
前記超音波画像UGの座標系における体表面Sの位置は、前記超音波プローブ2の送受信面の位置であり、予め特定されて前記HDD9に記憶されている。また、前記参照医用画像MGの座標系における体表面Sの位置は、例えば前記参照医用画像MGの輝度情報から特定される。
【0042】
前記位置ずれ検出部55は、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面Sの位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面Sの位置との位置ずれを検出した場合、検出された位置ずれ量の情報を含む位置ずれ検出の信号を前記位置補正部56へ出力する。前記超音波プローブ2が下方へΔx移動した場合、前記位置ずれ量はΔxである。
【0043】
次に、ステップS42では、前記位置補正部56は、前記位置ずれ検出部55で検出された位置ずれ量に基づいて、前記参照医用画像MGのボリュームデータVDにおける前記参照医用画像MGの表示領域の位置補正と、前記ボリュームデータVDにおいて特定されたエコー信号の対応領域の位置補正を行なう。前記位置補正部56は、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置とが同じ位置になるように位置補正を行なう。
【0044】
具体的に図8に基づいて説明する。図8において、符号Ruは、前記位置算出部51で算出されたエコー信号の位置に対応する対応領域、すなわち前記位置算出部51で算出された超音波画像UGの座標系におけるエコー信号の位置を、参照医用画像MGの座標系に座標変換して特定された領域である。この対応領域Ruは、参照医用画像MGのボリュームデータVDの断面Dにおける領域である。前記対応領域Ruは、前記輪郭線Olで囲まれた位置と一致する。また、符号Rmは、前記表示部6に表示される参照医用画像の表示領域である。この表示領域Rmは、前記対応領域Ruに対して所定の位置に設定される。これにより、前記対応領域Ruに対する前記表示領域Rmの位置関係が決まる。
【0045】
また、符号Ru′は、前記断面Dにおいて前記対応領域Ruを上方へΔx移動させた領域、符号Rm′は、前記断面Dにおいて前記表示領域Rmを上方へΔx移動させた領域である。
【0046】
前記位置補正部56は、前記ボリュームデータVDのうち前記参照医用画像MGを表示する領域を、前記表示領域Rmから前記表示領域Rm′へ移動させるとともに、エコー信号の対応領域を前記対応領域Ruから対応領域Ru′へ移動させる。移動量は、前記位置ずれ検出部55で検出されたΔxである。前記位置補正部56は、前記対応領域Ru′に対する前記表示領域Rm′の位置関係と、前記対応領域Ruに対する前記表示領域Rmの位置関係とが同一の状態で、前記位置補正を行なう。これにより、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面の位置を前記参照医用画像MGの座標系に座標変換した位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面の位置とが一致する。
【0047】
このようにして前記表示領域Rm及び前記対応領域Ruの位置補正が行なわれると、前記表示画像制御部54は、位置補正後の前記対応領域Ru′を含む表示領域Rm′の参照医用画像MGを表示させる。これにより、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの表示位置と前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの表示位置とが同じ位置になり、図5の状態に戻る。
【0048】
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、図6に示すように、前記超音波画像UGと前記輪郭線Ol内の参照医用画像とが、被検体の異なる領域の画像になっても、前記位置補正部56の作用により、前記超音波画像UGと前記参照医用画像MGとで前記表示部6における体表面Sの表示位置が同じ位置になる。従って、被検体の同一領域についての超音波画像と参照医用画像とが表示されるので、前記超音波画像UGと前記参照医用画像MGとを対比しやすい。
【0049】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。ただし、第一実施形態と同一事項については説明を省略する。
【0050】
本例において、前記表示制御部5は、図9に示すように、位置算出部51、メモリ52、超音波画像データ作成部53、表示画像制御部54、位置ずれ検出部55、位置補正部56の他、歪み検出部57及び歪み画像作成部58を有する。前記歪み検出部57は、本発明における歪み検出部の実施の形態の一例である。また、前記歪み画像作成部58は、本発明における歪み画像作成部の実施の形態の一例である。
【0051】
本例の作用について説明する。本例では、上述のステップS4において、被検体の同一領域についてリアルタイムの超音波画像UG及び参照医用画像MGが表示されている時に、被検体の生体組織が前記超音波プローブ2によって押されて下方へ移動するとともに歪んだ場合の処理について図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0052】
被検体の生体組織が前記超音波プローブ2によって押されて下方へ移動するとともに歪むと、図11に示すように前記超音波画像UGは歪んだ画像になる(前記像Iが歪んでいる)。一方、前記参照医用画像MGは歪んでいない。また、図6と同様に、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置とがずれる。この場合、図10のステップS41′では、前記ステップS41と同様に、前記位置ずれ検出部55が前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面Sの位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面Sの位置とのずれを検出する。また、前記歪み検出部57が前記超音波画像UGの歪みを検出する。
【0053】
前記歪み検出部57は、例えば前記超音波画像UGにおける複数点の移動を、時間的に異なる二つのフレームの超音波画像データに基づいて検出して、歪み量を算出する。或いは、前記歪み検出部57は、時間的に異なる二つのフレームに属する同一音線上のローデータ(例えば前記送受信部3から出力されたデータ)に基づいて歪み量を算出してもよい(例えば、特開2008−126079号公報参照)。
【0054】
前記位置ずれ検出部55は、前記ステップS41と同様に、検出された位置ずれ量の情報を含む位置ずれ検出の信号を前記位置補正部56へ出力する。また、前記歪み検出部57は、検出された歪み量の情報を含む歪み検出の信号を前記歪み画像作成部58へ出力する。
【0055】
次に、ステップS42′では、前記位置補正部56が、前記ステップS41と同様に、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置とが同じ位置になるように位置補正を行なう。また、前記歪み画像作成部58は、前記歪み検出部57で検出された歪み量の分だけ前記参照医用画像を歪ませた歪み画像MG′のデータを作成する。前記歪み画像作成部58は、前記位置補正部56による位置補正後の前記対応領域Ru′を含む前記表示領域Rm′について前記歪み画像MG′のデータを作成する。
【0056】
前記位置補正部56による位置補正が行なわれ、前記歪み画像作成部58によって歪み画像MG′のデータが作成されると、このデータに基づいて、前記表示画像制御部54は、位置補正後の前記対応領域Ru′を含む前記表示領域Rm′における前記歪み画像MG′を表示させる。これにより、図12に示すように、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの表示位置と前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの表示位置とが同じ位置になり、なおかつともに歪んだ超音波画像UG及び歪み画像MG′が表示される。従って、被検体の同一領域についてともに歪んだ超音波画像UGと前記歪み画像MG′とを表示させることができるので、前記超音波画像UGと歪み画像MG′とを対比しやすい。
【0057】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。
【符号の説明】
【0058】
1 超音波診断装置
10 磁気センサ(位置センサ)
11 磁気発生部(位置センサ)
51 位置算出部
54 表示画像制御部
55 位置ずれ検出部
56 位置補正部
57 歪み検出部
58 歪み画像作成部
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像及び参照医用画像がともに表示される超音波診断装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置では、超音波の送信を行なって得られたエコー信号に基づいて超音波画像が作成され、リアルタイムの超音波画像を表示することも可能である。このような超音波診断装置において、例えば特許文献1には、被検体における同一領域、同一表示倍率のリアルタイムの超音波画像とX線CT(Computed Tomography)画像やMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像などの参照医用画像とを表示する超音波診断装置が開示されている。この超音波診断装置では、位置センサにより検出される超音波プローブの位置に基づいて、X線CT装置やMRI装置で取得されたボリュームデータにおいて、超音波画像の位置と対応する領域が特定され、この対応領域について前記参照医用画像が表示される。従って、超音波プローブを動かしても、参照医用画像もこれに追従するようにして常に超音波画像と同一領域の画像が表示される。これにより、超音波画像と参照医用画像とを容易に対比することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO2004−098414号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば穿刺などを行なう際に、力が入って体表面に対して超音波プローブを体表面が凹むほど強く押し付けてしまうことがある。この場合、超音波プローブが下方へ移動するとともに、超音波プローブによって押された被検体の生体組織は、そのまま下方へ移動するか、下方へ移動しつつ歪む。
【0005】
生体組織が歪まずにそのまま下方へ移動した場合、移動前と移動後とで超音波画像に変化はない。一方、参照医用画像は、前記超音波プローブが移動したことによって、前記ボリュームデータにおける表示領域が移動する。従って、超音波画像と参照医用画像とで被検体において異なる領域が表示される。
【0006】
また、生体組織が歪みながら下方へ移動した場合、超音波画像として、生体組織が歪んだ画像が表示される。ここで、参照医用画像としては生体組織が歪んでいない画像が表示されるため、超音波画像と参照医用画像とで被検体において異なる領域が表示されるのみならず、異なる画像が表示される。
【0007】
以上のように、超音波画像と参照医用画像とで被検体において異なる領域が表示され、また異なる画像が表示されると、両画像を対比しずらい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するためになされた一の観点の発明は、超音波のエコー信号を取得する超音波プローブの位置を検出するための位置センサと、位置センサの位置検出情報に基づいて、超音波画像の座標系における前記エコー信号の位置を算出する位置算出部と、参照医用画像のボリュームデータにおいて、前記位置算出部で算出された位置と対応する領域を特定して該対応領域の参照医用画像を前記表示部に表示させるとともに、前記エコー信号に基づくリアルタイムの超音波画像を前記表示部に表示させる表示画像制御部と、前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とのずれを検出する位置ずれ検出部と、位置ずれ検出部によって検出された位置ずれ量に基づいて、前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように、前記ボリュームデータにおいて特定された前記対応領域の位置補正を行なう位置補正部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0009】
また、他の観点の発明は、前記一の観点の発明に係る超音波診断装置において、前記超音波画像の歪みを検出する歪み検出部と、歪み検出部で検出された歪み量の分だけ前記参照医用画像を歪ませた歪み画像を作成する歪み画像作成部と、を備え、前記表示画像制御部は、前記位置補正部による位置補正後の前記対応領域について前記歪み画像を表示させることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0010】
上記観点の発明によれば、超音波プローブが体表面に対して押し付けられて体表面及び超音波プローブが移動し、被検体の体表面の位置が、前記超音波画像の座標系と前記参照医用画像の座標系とで異なる位置になると、前記位置補正部により前記対応領域の位置補正が行なわれる。前記位置補正部は、前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と、前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように位置補正を行なう。これを受けて、前記表示画像制御部は、前記超音波画像とともに、位置補正された前記対応領域の参照医用画像を表示させる。これにより、被検体の同一領域についての超音波画像と参照医用画像とが表示されるので、超音波画像と参照医用画像とを対比しやすい。
【0011】
また、他の観点の発明によれば、被検体の生体組織が歪みながら下方へ移動した場合、前記位置補正部による位置補正後の前記対応領域について歪み画像が表示されるので、被検体の同一領域についてともに歪んだ超音波画像と参照医用画像とを表示させることができる。従って、超音波画像と参照医用画像とを対比しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における超音波診断装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態の超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における超音波診断装置の作用を示すフローチャートである。
【図4】超音波画像及び参照医用画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図5】被検体の同一領域についての超音波画像及び参照医用画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図6】被検体の生体組織が超音波プローブによって押されて下方へ移動した場合の超音波画像及び参照医用画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図7】前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と、前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とがずれた場合の処理を示すフローチャートである。
【図8】ボリュームデータにおいて参照医用画像を表示する領域の位置の補正を説明する図である。
【図9】第二実施形態の超音波診断装置における表示制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】第二実施形態の作用を示すフローチャートである。
【図11】被検体の生体組織が超音波プローブによって押されて下方へ移動するとともに歪んだ場合の超音波画像及び参照医用画像が表示された表示部の一例を示す図である。
【図12】体表面の表示位置が同じ位置であり、なおかつともに歪んだ超音波画像及び歪み画像が表示された表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について図1〜図8に基づいて説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信部3、エコーデータ処理部4、表示制御部5、表示部6、操作部7、制御部8、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)9を備える。
【0014】
前記超音波プローブ2は、アレイ状に配置された複数の超音波振動子(図示省略)を有して構成され、この超音波振動子によって被検体に対して超音波を送信し、そのエコー信号を受信する。
【0015】
前記超音波プローブ2には、例えばホール素子で構成される前記磁気センサ10が設けられている。この磁気センサ10により、例えば磁気発生コイルで構成される磁気発生部11から発生する磁気が検出されるようになっている。前記磁気センサ10における検出信号は、前記表示制御部5へ入力されるようになっている。前記磁気センサ10における検出信号は、図示しないケーブルを介して前記表示制御部5へ入力されてもよいし、無線で前記表示制御部5へ入力されてもよい。前記磁気発生部11及び前記磁気センサ10は、後述のように前記超音波プローブ2の位置及び傾きを検出するためのものであり、本発明における位置センサの実施の形態の一例である。
【0016】
前記送受信部3は、前記超音波プローブ2から所定の走査条件で超音波を送信するための電気信号を、前記制御部8からの制御信号に基づいて前記超音波プローブ2に供給する。また、前記送受信部3は、前記超音波プローブ2で受信したエコー信号について、A/D変換、整相加算処理等の信号処理を行ない、信号処理後のエコーデータを前記エコーデータ処理部4へ出力する。
【0017】
前記エコーデータ処理部4は、前記送受信部3から出力されたエコーデータに対し、超音波画像を作成するための処理を行なう。例えば、前記エコーデータ処理部4は、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行ってBモードデータを作成する。
【0018】
前記表示制御部5は、図2に示すように、位置算出部51、メモリ52、超音波画像データ作成部53、表示画像制御部54、位置ずれ検出部55、位置補正部56を有する。前記位置算出部51は、前記磁気センサ10からの磁気検出信号に基づいて、前記磁気発生部11を原点とする三次元空間の座標系における前記超音波プローブ2の位置及び傾きの情報(以下、「プローブ位置情報」と云う)を算出する。さらに、前記位置算出部51は、前記プローブ位置情報に基づいてエコー信号の前記三次元空間の座標系における位置情報を算出する(位置算出機能)。前記磁気発生部11を原点とする三次元空間の座標系を、超音波画像UGの座標系と云うものとする。前記位置算出部51は、本発明における位置算出部の実施の形態の一例である。また、前記位置算出機能は、本発明における位置算出機能の実施の形態の一例である。
【0019】
前記メモリ52は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(Memory)などで構成される。このメモリ52には、例えば前記エコーデータ処理部4から出力されて、後述するように前記超音波画像データ作成部53において超音波画像データに変換される前のデータなどが記憶される。前記超音波画像データに変換される前のデータを、ローデータ(Raw Data)と云うものとする。ローデータは、前記HDD9に記憶されるようになっていてもよい。
【0020】
前記超音波画像データ作成部53は、前記エコーデータ処理部4から入力されたデータを、スキャンコンバータ(Scan Converter)によって走査変換して超音波画像データを作成する。
【0021】
前記表示画像制御部54は、リアルタイムの超音波画像UGを前記表示部6に表示させるとともに、前記位置算出部51で算出されたエコー信号の位置に対応する参照医用画像MGを表示させる(表示画像制御機能)。前記表示画像制御部54は、本発明における表示画像制御部の実施の形態の一例である。また、前記表示画像制御機能は、本発明における表示画像制御機能の実施の形態の一例である。
【0022】
前記参照医用画像MGは、リアルタイムの超音波画像UG以外の医用画像である。具体的には、前記参照医用画像MGは、前記超音波診断装置1以外の医用画像装置(図示省略)で予め取得された医用画像、すなわち例えばX線CT装置やMRI装置などで予め取得されたX線CT画像やMRI画像であってもよい。また、前記参照医用画像MGは、予め取得された超音波画像であってもよい。超音波画像は、前記超音波診断装置1において取得されたものであってもよいし、図示しない他の超音波診断装置において取得されたものであってもよい。
【0023】
前記位置ずれ検出部55は、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面の位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面の位置とのずれを検出する(位置ずれ検出機能)。前記位置ずれ検出部55による位置ずれの検出が行なわれる前記超音波画像UGの座標系及び前記参照医用画像MGの座標系は、位置合わせ済み、すなわち互いの対応座標が特定された状態であるものとする。詳細は後述する。前記位置ずれ検出部55は、本発明における位置ずれ検出部の実施の形態の一例である。また、位置ずれ検出機能は、本発明における位置ずれ検出機能の実施の形態の一例である。
【0024】
前記位置補正部56は、前記位置ずれ検出部55により位置ずれが検出された場合に、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面の前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面の前記表示部6における表示位置とが同じ位置になるように位置補正を行なう(位置補正機能)。詳細は後述する。前記位置補正部56は、本発明における位置補正部の実施の形態の一例である。また、前記位置補正機能は、本発明における位置補正機能の実施の形態の一例である。
【0025】
前記表示部6は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。前記操作部7は、操作者が指示や情報を入力するためのキーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。
【0026】
前記制御部8は、特に図示しないがCPU(Central Processing Unit)を有して構成される。この制御部8は、前記HDD9に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置1の各部における機能を実行させる。
【0027】
前記HDD9には、前記制御プログラムの他、予め取得された前記参照医用画像MGのデータが記憶される。この参照医用画像MGのデータは被検体における三次元領域についてのボリュームデータである。前記参照医用画像MGのデータは、前記メモリ52に記憶されてもよい。前記参照医用画像MGのデータは、参照医用画像MGの座標系における位置情報とともに前記HDD9に記憶される。ちなみに、参照医用画像MGが超音波画像である場合、超音波プローブの位置を検出して取得された位置情報が記憶される。
【0028】
さて、本例の超音波診断装置1の作用について図3のフローチャートに基づいて説明する。先ず、図3のステップS1では、予め取得された前記参照医用画像のデータを前記HDD9や前記メモリ52に記憶する。
【0029】
次に、ステップS2では、前記超音波プローブ2を被検体の体表面に当接させて超音波の送受信を開始する。そして、前記表示制御部5は、エコー信号に基づいて作成された超音波画像UGを前記表示部6に表示させる。超音波画像UGは例えばBモード画像である。また、前記表示制御部5は前記HDD9又は前記メモリ52に記憶された参照医用画像のボリュームデータに基づいて参照医用画像MGを表示させる。前記表示制御部5は、図4に示すように、前記超音波画像UG及び前記参照医用画像MGを前記表示部6に並べて表示させる。ちなみに、図4において符号Sは被検体の体表面を示している。
【0030】
次に、ステップS3では、前記超音波画像UGの座標系と前記参照医用画像MGの座標系との位置合わせ処理を行なう。具体的には、操作者は前記表示部6に表示された前記超音波画像UGと前記参照医用画像MGとを見比べながら、いずれか一方又は両方の画像の断面を移動させ、同一断面の超音波画像UGと参照医用画像MGとを表示させる。前記超音波画像UGの断面の移動は、前記超音波プローブ2の位置を変えることによって行なう。また、前記参照医用画像MGの断面の移動は、前記操作部7を操作して断面を変更する指示を入力することにより行なう。
【0031】
同一断面か否かは、例えば操作者が特徴的な部位を参照するなどして判断する。ちなみに、前記超音波プローブ2による超音波の走査面は前記参照医用画像MGのスライス面と平行であるものとする。
【0032】
操作者は、同一断面についての超音波画像UG及び参照医用画像MGが表示されると、前記操作部7のトラックボール等を用いて、前記超音波画像UGの任意の点を指定する。また、操作者は前記超音波画像UGにおいて指定された点と同一位置と思われる点を前記参照医用画像MGにおいても指定する。操作者は、このような点の指定を複数点について行なう。
【0033】
ここで、前記参照医用画像MGのデータは位置情報を有している。従って、上述のように前記超音波画像UGと前記参照医用画像MGとで同一位置と思われる点を指定すると、これら超音波画像UGの座標系と参照医用画像MGの座標系との対応位置が特定される。そして、前記超音波画像UGの座標系と参照医用画像MGの座標系との対応点が複数点特定されることで、前記超音波画像UGの座標系と前記参照医用画像MGの座標系との座標変換が可能になる。以上により位置合わせ処理が完了する。
【0034】
前記ステップS3における位置合わせ処理が完了すると、ステップS4では、前記表示画像制御部54は、リアルタイムの超音波画像UGとともに、前記位置算出部51で算出されたエコー信号の位置に対応する参照医用画像MGを表示させる。これにより、被検体における同一領域の超音波画像UG及び参照医用画像MGが表示される。
【0035】
具体的には、前記表示画像制御部54は、前記位置算出部51で算出されたエコー信号の位置情報を、前記参照医用画像MGの座標系の位置情報に座標変換して、前記参照医用画像MGのボリュームデータVDにおいて前記エコー信号の位置と対応する領域を特定する。次に、前記表示画像制御部54は、この対応領域を含むデータに基づく参照医用画像MGを、図5に示すようにリアルタイムの超音波画像UGとともに同一の表示倍率で表示させる。図5において、前記参照医用画像MG上に表示された一点鎖線の輪郭線Olは、前記参照医用画像MGにおいて超音波画像UGと対応する領域であり、前記参照医用画像MGにおける前記輪郭線Ol内の画像及び前記超音波画像UGは、被検体において同一領域の画像になっている。前記輪郭線Olは、前記位置算出部51で算出された超音波画像UGの座標系におけるエコーデータの位置を、参照医用画像MGの座標系に座標変換して特定される。
【0036】
本例では、前記参照医用画像MGは、前記輪郭線Olよりも広い範囲について表示され、超音波画像UGの対応領域よりも広い範囲の参照医用画像MGが表示されている。
【0037】
ちなみに、図5において符号Iは、例えば腫瘤や血管などの像であるものとする。
【0038】
被検体における同一領域の超音波画像UG及び参照医用画像MGが表示された場合において、例えば前記超音波プローブ2を体表面に対して強く押し付けるなどして体表面が凹み、前記超音波プローブ2が下方へΔx移動すると、エコー信号の位置も下方へΔx移動する。ここでは、被検体の生体組織は歪まずにそのまま下方へΔx移動しているものとする。
【0039】
エコーデータの位置が下方へΔx移動すると、前記参照医用画像MGのボリュームデータVDにおけるエコー信号の対応領域も下方へΔx移動する。従って、前記表示画像制御部54は、前記参照医用画像MGの座標系において下方へΔx移動した位置の参照医用画像MGを表示させる。これにより、図6に示すように、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置とがずれる。具体的には、前記表示部6において、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sが前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sよりも上方に表示される。この場合、前記参照医用画像MGにおける前記輪郭線Ol内の画像及び前記超音波画像UGは、被検体において異なる領域の画像になっている。この場合の処理について、図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
先ず、ステップS41では、前記位置ずれ検出部55が、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面Sの位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面Sの位置とのずれを検出する。具体的には、前記位置ずれ検出部55は、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面Sの位置を前記参照医用画像MGの座標系に座標変換して、前記超音波画像UGの座標系における体表面Sの位置と前記参照医用画像MGの座標系における体表面Sの位置を比較し、位置ずれの検出を行なう。
【0041】
前記超音波画像UGの座標系における体表面Sの位置は、前記超音波プローブ2の送受信面の位置であり、予め特定されて前記HDD9に記憶されている。また、前記参照医用画像MGの座標系における体表面Sの位置は、例えば前記参照医用画像MGの輝度情報から特定される。
【0042】
前記位置ずれ検出部55は、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面Sの位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面Sの位置との位置ずれを検出した場合、検出された位置ずれ量の情報を含む位置ずれ検出の信号を前記位置補正部56へ出力する。前記超音波プローブ2が下方へΔx移動した場合、前記位置ずれ量はΔxである。
【0043】
次に、ステップS42では、前記位置補正部56は、前記位置ずれ検出部55で検出された位置ずれ量に基づいて、前記参照医用画像MGのボリュームデータVDにおける前記参照医用画像MGの表示領域の位置補正と、前記ボリュームデータVDにおいて特定されたエコー信号の対応領域の位置補正を行なう。前記位置補正部56は、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置とが同じ位置になるように位置補正を行なう。
【0044】
具体的に図8に基づいて説明する。図8において、符号Ruは、前記位置算出部51で算出されたエコー信号の位置に対応する対応領域、すなわち前記位置算出部51で算出された超音波画像UGの座標系におけるエコー信号の位置を、参照医用画像MGの座標系に座標変換して特定された領域である。この対応領域Ruは、参照医用画像MGのボリュームデータVDの断面Dにおける領域である。前記対応領域Ruは、前記輪郭線Olで囲まれた位置と一致する。また、符号Rmは、前記表示部6に表示される参照医用画像の表示領域である。この表示領域Rmは、前記対応領域Ruに対して所定の位置に設定される。これにより、前記対応領域Ruに対する前記表示領域Rmの位置関係が決まる。
【0045】
また、符号Ru′は、前記断面Dにおいて前記対応領域Ruを上方へΔx移動させた領域、符号Rm′は、前記断面Dにおいて前記表示領域Rmを上方へΔx移動させた領域である。
【0046】
前記位置補正部56は、前記ボリュームデータVDのうち前記参照医用画像MGを表示する領域を、前記表示領域Rmから前記表示領域Rm′へ移動させるとともに、エコー信号の対応領域を前記対応領域Ruから対応領域Ru′へ移動させる。移動量は、前記位置ずれ検出部55で検出されたΔxである。前記位置補正部56は、前記対応領域Ru′に対する前記表示領域Rm′の位置関係と、前記対応領域Ruに対する前記表示領域Rmの位置関係とが同一の状態で、前記位置補正を行なう。これにより、前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面の位置を前記参照医用画像MGの座標系に座標変換した位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面の位置とが一致する。
【0047】
このようにして前記表示領域Rm及び前記対応領域Ruの位置補正が行なわれると、前記表示画像制御部54は、位置補正後の前記対応領域Ru′を含む表示領域Rm′の参照医用画像MGを表示させる。これにより、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの表示位置と前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの表示位置とが同じ位置になり、図5の状態に戻る。
【0048】
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、図6に示すように、前記超音波画像UGと前記輪郭線Ol内の参照医用画像とが、被検体の異なる領域の画像になっても、前記位置補正部56の作用により、前記超音波画像UGと前記参照医用画像MGとで前記表示部6における体表面Sの表示位置が同じ位置になる。従って、被検体の同一領域についての超音波画像と参照医用画像とが表示されるので、前記超音波画像UGと前記参照医用画像MGとを対比しやすい。
【0049】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。ただし、第一実施形態と同一事項については説明を省略する。
【0050】
本例において、前記表示制御部5は、図9に示すように、位置算出部51、メモリ52、超音波画像データ作成部53、表示画像制御部54、位置ずれ検出部55、位置補正部56の他、歪み検出部57及び歪み画像作成部58を有する。前記歪み検出部57は、本発明における歪み検出部の実施の形態の一例である。また、前記歪み画像作成部58は、本発明における歪み画像作成部の実施の形態の一例である。
【0051】
本例の作用について説明する。本例では、上述のステップS4において、被検体の同一領域についてリアルタイムの超音波画像UG及び参照医用画像MGが表示されている時に、被検体の生体組織が前記超音波プローブ2によって押されて下方へ移動するとともに歪んだ場合の処理について図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0052】
被検体の生体組織が前記超音波プローブ2によって押されて下方へ移動するとともに歪むと、図11に示すように前記超音波画像UGは歪んだ画像になる(前記像Iが歪んでいる)。一方、前記参照医用画像MGは歪んでいない。また、図6と同様に、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置とがずれる。この場合、図10のステップS41′では、前記ステップS41と同様に、前記位置ずれ検出部55が前記超音波画像UGの座標系における被検体の体表面Sの位置と、前記参照医用画像MGの座標系における被検体の体表面Sの位置とのずれを検出する。また、前記歪み検出部57が前記超音波画像UGの歪みを検出する。
【0053】
前記歪み検出部57は、例えば前記超音波画像UGにおける複数点の移動を、時間的に異なる二つのフレームの超音波画像データに基づいて検出して、歪み量を算出する。或いは、前記歪み検出部57は、時間的に異なる二つのフレームに属する同一音線上のローデータ(例えば前記送受信部3から出力されたデータ)に基づいて歪み量を算出してもよい(例えば、特開2008−126079号公報参照)。
【0054】
前記位置ずれ検出部55は、前記ステップS41と同様に、検出された位置ずれ量の情報を含む位置ずれ検出の信号を前記位置補正部56へ出力する。また、前記歪み検出部57は、検出された歪み量の情報を含む歪み検出の信号を前記歪み画像作成部58へ出力する。
【0055】
次に、ステップS42′では、前記位置補正部56が、前記ステップS41と同様に、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置と、前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの前記表示部6における表示位置とが同じ位置になるように位置補正を行なう。また、前記歪み画像作成部58は、前記歪み検出部57で検出された歪み量の分だけ前記参照医用画像を歪ませた歪み画像MG′のデータを作成する。前記歪み画像作成部58は、前記位置補正部56による位置補正後の前記対応領域Ru′を含む前記表示領域Rm′について前記歪み画像MG′のデータを作成する。
【0056】
前記位置補正部56による位置補正が行なわれ、前記歪み画像作成部58によって歪み画像MG′のデータが作成されると、このデータに基づいて、前記表示画像制御部54は、位置補正後の前記対応領域Ru′を含む前記表示領域Rm′における前記歪み画像MG′を表示させる。これにより、図12に示すように、前記超音波画像UGにおける被検体の体表面Sの表示位置と前記参照医用画像MGにおける被検体の体表面Sの表示位置とが同じ位置になり、なおかつともに歪んだ超音波画像UG及び歪み画像MG′が表示される。従って、被検体の同一領域についてともに歪んだ超音波画像UGと前記歪み画像MG′とを表示させることができるので、前記超音波画像UGと歪み画像MG′とを対比しやすい。
【0057】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。
【符号の説明】
【0058】
1 超音波診断装置
10 磁気センサ(位置センサ)
11 磁気発生部(位置センサ)
51 位置算出部
54 表示画像制御部
55 位置ずれ検出部
56 位置補正部
57 歪み検出部
58 歪み画像作成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波のエコー信号を取得する超音波プローブの位置を検出するための位置センサと、
該位置センサの位置検出情報に基づいて、超音波画像の座標系における前記エコー信号の位置を算出する位置算出部と、
参照医用画像のボリュームデータにおいて、前記位置算出部で算出された位置と対応する領域を特定して該対応領域の参照医用画像を前記表示部に表示させるとともに、前記エコー信号に基づくリアルタイムの超音波画像を前記表示部に表示させる表示画像制御部と、
前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とのずれを検出する位置ずれ検出部と、
該位置ずれ検出部によって検出された位置ずれ量に基づいて、前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように、前記ボリュームデータにおいて特定された前記対応領域の位置補正を行なう位置補正部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記位置ずれ検出部は、前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置を前記参照医用画像の座標系に座標変換し、座標変換された座標と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とを比較して位置ずれの検出を行なうことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記位置補正部による前記対応領域の位置補正により、前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置を前記参照医用画像の座標系に座標変換した位置と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とが一致することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記超音波画像の歪みを検出する歪み検出部と、
該歪み検出部で検出された歪み量の分だけ前記参照医用画像を歪ませた歪み画像を作成する歪み画像作成部と、を備え、
前記表示画像制御部は、前記位置補正部による位置補正後の前記対応領域について前記歪み画像を表示させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記表示画像制御部は、前記超音波画像の座標系と前記医用画像の座標系との間で座標変換を行なって前記対応領域の特定を行なう
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記表示画像制御部は、前記位置算出部で算出されたエコー信号の位置情報を前記参照医用画像の座標系の位置情報に座標変換して前記対応領域を特定することを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記表示画像制御部は、前記参照医用画像として、前記対応領域を含む画像を表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記表示画像制御部は、同一の表示倍率で前記超音波画像及び前記参照医用画像を表示させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記位置ずれ検出部は、位置合わせ済みの前記超音波画像の座標系及び前記参照医用画像の座標系において位置ずれの検出を行なうことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
コンピュータに、
超音波のエコー信号を取得する超音波プローブの位置を検出するための位置センサの位置検出情報に基づいて、超音波画像の座標系における前記エコー信号の位置を算出する位置算出機能と、
参照医用画像のボリュームデータにおいて、前記位置算出部で算出された位置と対応する領域を特定して該対応領域の参照医用画像を前記表示部に表示させるとともに、前記エコー信号に基づくリアルタイムの超音波画像を前記表示部に表示させる表示画像制御機能と、
前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とのずれを検出する位置ずれ検出機能と、
該位置ずれ検出機能によって検出された位置ずれ量に基づいて、前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように、前記ボリュームデータにおいて特定された前記対応領域の位置補正を行なう位置補正機能と、
を実行させる超音波診断装置の制御プログラム。
【請求項1】
超音波のエコー信号を取得する超音波プローブの位置を検出するための位置センサと、
該位置センサの位置検出情報に基づいて、超音波画像の座標系における前記エコー信号の位置を算出する位置算出部と、
参照医用画像のボリュームデータにおいて、前記位置算出部で算出された位置と対応する領域を特定して該対応領域の参照医用画像を前記表示部に表示させるとともに、前記エコー信号に基づくリアルタイムの超音波画像を前記表示部に表示させる表示画像制御部と、
前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とのずれを検出する位置ずれ検出部と、
該位置ずれ検出部によって検出された位置ずれ量に基づいて、前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように、前記ボリュームデータにおいて特定された前記対応領域の位置補正を行なう位置補正部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記位置ずれ検出部は、前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置を前記参照医用画像の座標系に座標変換し、座標変換された座標と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とを比較して位置ずれの検出を行なうことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記位置補正部による前記対応領域の位置補正により、前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置を前記参照医用画像の座標系に座標変換した位置と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とが一致することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記超音波画像の歪みを検出する歪み検出部と、
該歪み検出部で検出された歪み量の分だけ前記参照医用画像を歪ませた歪み画像を作成する歪み画像作成部と、を備え、
前記表示画像制御部は、前記位置補正部による位置補正後の前記対応領域について前記歪み画像を表示させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記表示画像制御部は、前記超音波画像の座標系と前記医用画像の座標系との間で座標変換を行なって前記対応領域の特定を行なう
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記表示画像制御部は、前記位置算出部で算出されたエコー信号の位置情報を前記参照医用画像の座標系の位置情報に座標変換して前記対応領域を特定することを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記表示画像制御部は、前記参照医用画像として、前記対応領域を含む画像を表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記表示画像制御部は、同一の表示倍率で前記超音波画像及び前記参照医用画像を表示させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記位置ずれ検出部は、位置合わせ済みの前記超音波画像の座標系及び前記参照医用画像の座標系において位置ずれの検出を行なうことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
コンピュータに、
超音波のエコー信号を取得する超音波プローブの位置を検出するための位置センサの位置検出情報に基づいて、超音波画像の座標系における前記エコー信号の位置を算出する位置算出機能と、
参照医用画像のボリュームデータにおいて、前記位置算出部で算出された位置と対応する領域を特定して該対応領域の参照医用画像を前記表示部に表示させるとともに、前記エコー信号に基づくリアルタイムの超音波画像を前記表示部に表示させる表示画像制御機能と、
前記超音波画像の座標系における被検体の体表面の位置と、前記参照医用画像の座標系における被検体の体表面の位置とのずれを検出する位置ずれ検出機能と、
該位置ずれ検出機能によって検出された位置ずれ量に基づいて、前記超音波画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置と前記参照医用画像における被検体の体表面の前記表示部における表示位置とが同じ位置になるように、前記ボリュームデータにおいて特定された前記対応領域の位置補正を行なう位置補正機能と、
を実行させる超音波診断装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−223416(P2012−223416A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94803(P2011−94803)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
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