説明

距離測定方法及び距離測定装置

【課題】間に障害物があっても距離測定を可能とする距離測定装置を提供する。
【解決手段】図示した状態で、第1の送受信機1100から第2の送受信機2000へ、周波数f1/Nの矩形波DTで変調された周波数f1の搬送波を送信する。第2の送受信機2000は、受信波から周波数f1の搬送波を再生し、矩形波を復調する。この後周波数f1の搬送波から周波数f2の搬送波を生成して、復調した矩形波で周波数f2の搬送波を変調し、第2の送受信機2000から第1の送受信機1100へ逆送信する。第1の送受信機1100はここから周波数f1/Nの矩形波DRを復調し、矩形波DTとの位相差を検出する。位相差は、第1の送受信機1100から第2の送受信機2000までの距離の2倍を電波が通過した時間差である。内部回路での時間差(位相差)の補正のために、第2の送受信機2000と同一特性の第3の送受信機3000を用意しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの送受信機を組み合わせた、当該2つの送受信機間の距離を測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電波或いは超音波を用い、対象物からの反射波を受信して送信波との位相差等を検知又は調整することで、対象物までの距離を測定する技術としては、下記特許文献1乃至3が挙げられる。
【特許文献1】特開2004−198306号公報
【特許文献2】特開2005−308694号公報
【特許文献3】特開2005−091214号公報
【0003】
特許文献1の技術は、送受信機と反射物との間にPLL(Phase Locked Loop)を形成するものである。送信した電波あるいは超音波が測定対象にあたり反射した反射波を分周して、基準信号と比較する。比較結果をループフィルタ(積分器としてのLPFが用いられる)を介して、電圧制御発振器(VCO)の制御電圧として入力する。また、変復調を用いる例も図示されている。
【0004】
特許文献2の技術は超音波を用いたPLL形成による距離センサである。反射波と送信波の位相を比較する構成としている。
【0005】
特許文献3の技術は、基準信号の4倍の周波数のパルス光の測定対象からの反射光と、基準信号の5倍の周波数のパルス光との論理積と、基準信号とから距離を測定するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1乃至3は、全て、測定対象からの反射波を利用している。すると、電波や超音波を反射しにくい測定対象や、測定対象と測定装置の間に障害物があると測距することが困難になる。この点で、近距離の測定に限定される。
【0007】
また、送信波と受信波は同じ周波数の波を用いているので、測定対象物以外からの反射がある場合、測定対象物からの反射波を識別できない。また、送信アンテナと受信アンテナが近くに配置された場合(測定装置が小型の場合)、送信した電波(超音波)が直接受信する可能性が懸念される。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するために成されたものであり、間に障害物があっても距離測定を可能とする距離測定装置を提供することを目的とする。また、遠距離の測定も可能とする距離測定装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、第1及び第2の送受信機を用いる距離測定方法であって、第1の送受信機は、位相差を比較可能なデータ信号で、第1の搬送波を変調して第2の送受信機に送信し、第2の送受信機は、第1の送受信機から受信した信号から、第1の搬送波を再生すると共にデータ信号を復調し、当該再生された第1の搬送波を周波数変換することで、周波数の異なる第2の搬送波を生成し、第1の送受信機から受信した信号から復調されたデータ信号で当該第2の搬送波を変調して第1の送受信機に逆送信し、第1の送受信機は、更に、第2の送受信機から受信した信号から、第2の搬送波を再生すると共にデータ信号を復調し、第1の搬送波を変調したデータ信号と、第2の搬送波から復調したデータ信号との位相差を検出することで、第1の送受信機と第2の送受信機との距離を決定することを特徴とする距離測定方法である。
【0010】
請求項2に係る発明は、第1の送受信機には、送受信アンテナを除くほかは第2の送受信機と同一構成の第3の送受信機が設けられており、第1の送受信機と第3の送受信機とを直接接続して、第1の送受信機と第3の送受信機と間の信号のやりとりによる位相差を距離0の位相差として補正を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、第1の搬送波を電圧制御発振器により生成し、それを分周してデータ信号を得ると共に、第3の送受信機との間でPLLを形成して電圧制御発振器を安定発振させた時の、データ信号の位相と、第2の送受信機との間でのPLL形成に切り替えて、電圧制御発振器が安定発振となった時のデータ信号の位相との位相差から、距離の検出を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の距離測定方法に用いる第1の送受信機であって、データ信号を発生させるデータ信号発生装置と、第1の搬送波を生成する発振器と、データ信号発生装置の出力するデータ信号により、発振器の出力する第1の搬送波を変調する変調器と、受信信号から、第2の搬送波を再生する搬送波再生部と、搬送波再生部により再生された第2の搬送波を用いて、受信信号を復調してデータ信号を得る復調器と、データ信号発生装置の出力するデータ信号と、復調器の出力するデータ信号との位相差を検出する位相差検出器とを有することを特徴とする第1の送受信機である。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項3に記載の距離測定方法に用いる第2の送受信機であって、受信信号から、第1の搬送波を再生する搬送波再生部と、搬送波再生部により再生された第1の搬送波を用いて、受信信号を復調してデータ信号を得る復調器と、搬送波再生部により再生された第1の搬送波の周波数を変換して第2の搬送波を生成する周波数変換部と、周波数変換部により生成された第2の搬送波を復調器の出力するデータ信号により変調する変調器とを有することを特徴とする第2の送受信機である。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項4に記載の第1の送信機において、更に、対応する第2の送受信機の有する、搬送波再生部、復調器、周波数変換部及び変調器と同一特性の構成要素から成る第3の送受信機と、送受信アンテナを介さずに、切替により接続可能とした第1の送受信機である。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項3に記載の距離測定方法に用いる第1の送受信機であって、第1の搬送波を生成する電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力を分周してデータ信号を出力する分周器と、分周器のデータ信号により、電圧制御発振器の出力する第1の搬送波を変調する変調器と、受信信号から、第2の搬送波を再生する搬送波再生部と、搬送波再生部により再生された第2の搬送波を用いて、受信信号を復調してデータ信号を得る復調器と、参照信号と、復調器の出力するデータ信号との位相差を検出する位相差検出器と、低域濾波器とを有し、更に、対応する第2の送受信機の有する、搬送波再生部、復調器、周波数変換部及び変調器と同一特性の構成要素から成る第3の送受信機と、送受信アンテナを介さずに、切替により接続可能とし、第3の送受信機とのPLL形成時の分周器の出力するデータ信号の位相と、対応する第2の送受信機とのPLL形成時の分周器の出力するデータ信号の位相との位相差を検出する手段を有することを特徴とする第1の送受信機である。
【発明の効果】
【0016】
第1の送受信機から送信された第1の搬送波を変調したデータ信号を、第2の送受信機で復調し、第2の搬送波をそれで変調して逆送信し、第1の送受信機で復調すると、往復の2度の送受信の間に、送受信距離(第1及び第2の送受信機間の距離の2倍)分の位相差(時間差)が生じることとなる(請求項1)。この時、第1及び第2の送受信機内部での信号が伝達される距離による位相差は無視しても良いが、第2の送受信機と同一特性の第3の送受信機を第1の送受信機内部に設けて、直接接続した状態の位相差を基準として補正しても良い(請求項2)。
【0017】
更には、第1の送受信機と第3の送受信機とでPLLを形成して一旦VCOを安定発振させた後、第1の送受信機と第2の送受信機とでのPLLの形成に切り替えてVCOを安定発振させて、VCOの出力位相が変化することを、データ信号の位相の変化として検出できる(請求項3)。
【0018】
以上の距離測定方法は、請求項4乃至7のように構成した各送受信機により実現可能である。
【0019】
以上の本発明によれば、より低周波のデータ信号の位相差を検出し、搬送波にはより高周波を用いるものであり、当該低周波のデータ信号を復調可能であれば良く、精度よく距離測定が可能である。また、電波を反射しないものも、測距対象とすることができる。第1及び第2の送受信機の間の障壁やノイズに対し強いので、直接見通すことができない場所に第2の送受信機がしまい込まれているような場合でも距離測定ができる。回折効果の期待できる800MHz以下の高周波であれば障害物を回折して距離測定も可能である。尚、第1の送受信機から第2の送受信機への送信と、第2の送受信機から第1の送受信機への逆送信では異なる周波数の搬送波を用いるので、混信は無い。即ち反射波を受信する技術のように、測定対象物以外のものからの逆送信はあり得ない。また、データ信号の周波数を変更することで容易に測定距離範囲を設定変更することができる。
【0020】
本発明は、屋内での物品の位置の検出、車と歩行者との距離測定、車車間の距離測定に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
データ信号は矩形波が好ましい。但し位相差を検出可能であれば任意の波形のデータ信号を用いることができる。変調方法は任意であるが、位相変調(PSK)であれば、差動変復調が容易となる。特にBPSKが好ましい。尚、振幅変調を採用しても本願発明は実施可能である。1〜10m程度の範囲の距離測定であれば、例えばキャリアを数十MHz〜1GHz、データ信号を数十kHz〜10MHz程度とすると良い。下記に具体的な実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各ブロック図は、重要な構成要素を示したものであって、例えば所望の箇所に、帯域濾波器(BPF)や、AGC等の増幅器を追加することは当然本発明に包含される。
【実施例1】
【0022】
図1及び図2は、本発明の具体的な第1の実施例に係る距離測定装置を構成する第1の送受信機1000の構成を示すブロック図と、第2の送受信機2000の構成を示すブロック図である。また、図3は図1に示した第1の送受信機1000の一部である、第3の送受信機3000の構成を示すブロック図である。本実施例では、第1の送受信機1000から第2の送受信機2000への送信と第2の送受信機2000から第2の送受信機1000への逆送信のいずれも2相位相変調方式(BPSK)を用いるものである。本実施例は、特に請求項2に係る方法の発明、請求項4及び請求項6に係る第1の送受信機及び請求項5に係る第2の送受信機の具体的な一実施例である。
【0023】
図1に示す第1の送受信機1000の構成は次の通りである。発振器10、位相比較器11、LPF12、VCO13、1/N分周器14、発振器100、変調器110、切替スイッチSWT、送信アンテナA1T、第3の送受信機3000、受信アンテナA1R、切替スイッチSWR、キャリア再生回路(搬送波再生部)150、復調器160、位相比較器(位相差検出器)191。位相比較器11、LPF12、VCO13及び1/N分周器14はPLLを形成する。変調器110は乗算器115と差動符号化回路116とから成る。キャリア再生回路150は2逓倍器158、分周器159、位相比較器151、LPF152、VCO153、分周器154から成る。このうち、位相比較器151、LPF152、VCO153及び分周器154はPLLを形成する。
【0024】
水晶発振器等の、周波数の固定された発振器10の出力である周波数f0の矩形波を基に、位相比較器11、LPF12、VCO13、1/N分周器14から成るPLLで周波数f1の正弦波である第1の搬送波を生成する。即ち、f1=Nf0である。一方、やはり周波数の固定された発振器100の出力である周波数fDの矩形波を送信側のデータ信号とし、DTと示す。送信側のデータ信号DTは変調器110の差動符号化回路116にて差動符号化され、その出力により乗算器115にて周波数f1の第1の搬送波がBPSK変調される。
【0025】
切替スイッチSWTには、変調器110の乗算器115の出力が入力され、送信アンテナA1T及び第3の送受信機3000のいずれかへ出力される。
一方、切替スイッチSWRには、受信アンテナA1R及び第3の送受信機3000からの出力が入力され、そのいずれかがキャリア再生回路150の2逓倍器158及び復調器160の乗算器165に出力される。
この2つの切替スイッチSWTとSWRは連動しており、切替スイッチSWTが乗算器115の出力を送信アンテナA1Tに出力する場合は、切替スイッチSWRは受信アンテナA1Rからの出力を後段に出力する(図1に記載された状態)。
逆に、切替スイッチSWTが乗算器115の出力を送受信機3000に出力する場合は、切替スイッチSWRは送受信機3000からの出力を後段に出力する。
【0026】
切替スイッチSWRの出力は、いずれの場合も、周波数f2(≠f1)の第2の搬送波の変調信号である。キャリア再生回路150において、2逓倍器158で2逓倍され(周波数2f2)、分周器159で1/Aに分周され(周波数2f2/A)、位相比較器151、LPF152、VCO153、分周器154から成るPLLで周波数f2の第2の搬送波が生成されさ、復調器160の乗算器165に出力される。
【0027】
復調器160では、キャリア再生回路150の出力する周波数f2の第2の搬送波により切替スイッチSWRの出力がBPSK復調され(乗算器165)、差動復号化回路167で、周波数fDの矩形波である受信側のデータ信号DRが生成される。
【0028】
こうして、復調器160の差動復号化回路167の出力する受信側のデータ信号DRと、発振器100の出力である送信側のデータ信号DTの位相差(時間遅れ)が位相比較器(位相差検出器)191で検出される。
【0029】
図2に示す第2の送受信機2000の構成は次の通りである。受信アンテナA2R、キャリア再生回路250、復調器260、周波数変換回路(周波数変換部)270、変調器210、送信アンテナA2T。キャリア再生回路(搬送波再生部)250は2逓倍器258、分周器259、位相比較器251、LPF252、VCO253、分周器254から成る。このうち、位相比較器251、LPF252、VCO253及び分周器254はPLLを形成する。復調器260は乗算器265と差動復号化回路267とから成る。周波数変換回路270は、分周器279、位相比較器271、LPF272、VCO273、分周器274から成る。このうち、位相比較器271、LPF272、VCO273及び分周器274はPLLを形成する。変調器210は乗算器215と差動符号化回路216とから成る。
【0030】
受信アンテナA2Rにて、第1の送受信機1000から送信された、変調された周波数f1の第1の搬送波が受信され、キャリア再生回路250の2逓倍器258と、復調器260の乗算器265に出力される。キャリア再生回路250においては、2逓倍器258で2逓倍され(周波数2f1)、分周器259で1/Aに分周され(周波数2f1/A)、位相比較器251、LPF252、VCO253、分周器254から成るPLLで周波数f1の第1の搬送波が生成され、復調器260の乗算器265と周波数変換回路270の分周器279に出力される。本実施例では、同期復調を行っているので、復調器に入力される第1の搬送波は、当然、受信信号に含まれる第1の搬送波と同期している。
【0031】
復調器260では、キャリア再生回路250の出力する周波数f1の第1の搬送波により受信アンテナA2Rの出力がBPSK復調され(乗算器265)、差動復号化回路267で、周波数fDの矩形波であるデータ信号が生成される。
【0032】
周波数変換回路270においては、キャリア再生回路250の出力する周波数f1の第1の搬送波が、分周器279で1/M1に分周され(周波数f1/M1)、位相比較器271、LPF272、VCO273及び1/M2分周器274から成るPLLにより周波数f2(≠f1)の正弦波である第2の搬送波が生成される。即ち、f2/M2=f1/M1である。
【0033】
次に、復調器260の差動復号化回路267から出力された、周波数fDの矩形波であるデータ信号が変調器210の差動符号化回路216に入力されて差動符号化される。これにより、乗算器215にて周波数変換回路270の生成する周波数f2の第2の搬送波がBPSK変調され、送信アンテナA2Tから第1の送受信機1000へ逆送信される。本実施例では、PLLを用いた周波数変換により第1の搬送波を第2の搬送波に変換しているので、これらは「同期」していると言える。
【0034】
図3に示す第3の送受信機3000の構成は次の通りである。キャリア再生回路350、復調器360、周波数変換回路(周波数変換部)370、変調器310、送信アンテナA2T。キャリア再生回路(搬送波再生部)350は2逓倍器358、分周器359、位相比較器351、LPF352、VCO353、分周器354から成る。このうち、位相比較器351、LPF352、VCO353及び分周器354はPLLを形成する。復調器360は乗算器365と差動復号化回路367とから成る。周波数変換回路370は、分周器379、位相比較器371、LPF372、VCO373、分周器374から成る。このうち、位相比較器371、LPF372、VCO373及び分周器374はPLLを形成する。変調器310は乗算器315と差動符号化回路316とから成る。
【0035】
図3の第3の送受信機3000の各構成要素は、第2の送受信機2000の各構成要素に対応し、その特性は全て実質的に同等である。即ち、第2の送受信機2000の構成から受信アンテナA2Rと送信アンテナA2Tを除く他は、全く同一特性の構成要素を用いるものである。よってそれらの作用も、受信アンテナA2Rからの入力が切替スイッチSWTからの入力に置き換わり、送信アンテナA2Tからの入力が切替スイッチSWRからの入力に置き換わる他は全く同一である。
【0036】
以上の構成により、図1の第1の送受信機1000において、切換スイッチSWT及びSWRを各々送信アンテナA1Tと受信アンテナA1Rに切り替えると(図1に記載した状態)、図1の第1の送受信機1000は図2の第2の送受信機2000と双方向通信を行うこととなる。第1の送受信機1000から第2の送受信機2000への送信は周波数f1の第1の搬送波で、第2の送受信機2000から第1の送受信機1000への逆送信は周波数f2(≠f1)の第2の搬送波で行われるので混信はない。また、それらをデータ信号で変調しているため、通信環境が悪くてもデータ信号の位相比較が容易である。
【0037】
第1の送受信機1000と第2の送受信機2000とが距離L離れていた場合、双方向通信によりデータ信号は距離2Lを伝搬するので、時間遅れΔtは光速をcとしてΔt=2L/cとなる。Δtが、周波数fDのデータ信号の1周期である1/fDよりも小さければ、位相遅れとして検出可能である(測定可能な距離Lの範囲)。一方、Δtの精度の面では、第1及び第2の搬送波の1波長よりも細かい精度がある。概ね、第1及び第2の搬送波の4分の1波長程度の精度を有すると考えられる。
【0038】
更に、距離0の補正を、切換スイッチSWT及びSWRを各々第3の送受信機3000の入出力に接続して行うことができる。即ち、第3の送受信機3000の構成要素は第2の送受信機2000の構成要素と同一特性であるので、第1の送受信機1000と第2の送受信機2000とで送信及び逆送信する際の内部回路での位相遅れを、第1の送受信機1000と第3の送受信機3000とで送信及び逆送信する際の内部回路での位相遅れとして検出できる。これにより、第1の送受信機1000と第2の送受信機2000とで送信及び逆送信をした際の位相遅れから、それらの内部回路での位相遅れを減じて、距離2Lを伝搬する際の、時間遅れΔtに対応する位相差を得ることができる。
【0039】
尚、内部回路での位相遅れを補正せず、無視する場合は、切替スイッチSWT及びSWR並びに第3の送受信機3000は省略可能である。この場合、変調器110の出力は直接送信アンテナA1Tに入力され、受信アンテナA1Rの出力は直接キャリア再生回路150及び復調器160に入力される。
【0040】
〔実施例1の変形例〕
図1の第1の送受信機1000においては、2つの周波数固定の発振器10及び100を用いたが、分周器の出力は矩形波であるので、図4のように1つの局部発振器101で代用することも可能である。図4.Aは、変形例に係る第1の送受信機1100の構成を示すブロック図、図4.Bはそれと対となる第2の送受信機2000の構成を示すブロック図である。図4.Aの送受信機1100の内部構成である変調器110、キャリア再生回路150、復調器160、切替スイッチSWT及びSWR、アンテナA1T及びA1R、並びに第3の送受信機3000と、図4.Bの第2の送受信機2000の構成は、各々図1の変調器110、キャリア再生回路150、復調器160、切替スイッチSWT及びSWR、アンテナA1T及びA1R、並びに図3の第3の送受信機3000、図2の第2の送受信機2000と同一とした。
【0041】
図4.Aの第1の送受信機1100の構成は、周波数f1の正弦波を生成する局部発振器101の出力を変調器110と分周器141に入力する。分周器141の出力する周波数fD(=f1/N)の矩形波をデータ信号とし、変調器110と位相比較器191に入力する他は実施例1と全く同一である。図4.Aの第1の送受信機1100と図4.Bの第2の送受信機2000を用いた本変形例も、実施例1と全く同様に作用する。
【0042】
実施例1では発振器100の周波数、その変形例の場合は局部発振器101の周波数又は分周器141の設定を変更することで、データ信号の周波数を変更可能である。これにより、測定距離範囲に対応した周波数のデータ信号を生成できる。
【実施例2】
【0043】
図5.A及び図5.Bは、本発明の具体的な第2の実施例に係る距離測定装置を構成する第1の送受信機4000の構成を示すブロック図と、第2の送受信機2000の構成を示すブロック図である。図5.Aの送受信機4000の内部構成である変調器110、キャリア再生回路(搬送波再生部)150、復調器160、切替スイッチSWT及びSWR、アンテナA1T及びA1R、並びに第3の送受信機3000と、図5.Bの第2の送受信機2000の構成は、各々図1又は図4.Aの変調器110、キャリア再生回路150、復調器160、切替スイッチSWT及びSWR、アンテナA1T及びA1R、並びに図3又は図4.Aの第3の送受信機3000、図2又は図4.Bの第2の送受信機2000と同一である。本実施例は、特に請求項3に係る方法の発明、請求項5に係る第2の送受信機及び請求項7に係る第1の送受信機の具体的な一実施例である。
【0044】
本実施例において、PLLを構成する位相比較器11、LPF12、VCO13、分周器14は、第2の送受信機2000又は第3の送受信機3000を介して初めてPLLのループが閉じる構成となっている。また、位相比較器11は、復調器160のデータ信号DRの位相と、周波数の固定された発振器100の出力(参照信号)の位相とを比較する。本実施例では、請求項7に係る発明に言う位相差検出器は、位相比較器11がそれにあたる。
【0045】
図5.Aの第1の送受信機4000の作用は、周波数f1の正弦波を生成するVCO13を次のようにPLL制御する点で、実施例1の構成と大きく異なる。VCO13の出力を仮に周波数f1の正弦波とする。尚、以下に述べる通り、本実施例による距離測定中に、VCO13の出力の周波数は、f1近辺で微妙に増減する。
【0046】
VCO13の出力は変調器110と分周器14とに入力される。分周器14は周波数fD=f1/Nの矩形波であるデータ信号DTを変調器110に出力する。こうして、変調器110は、周波数fD=f1/Nの矩形波DTで、周波数f1の正弦波である第1の搬送波を変調して、第3の送受信機3000に出力する(尚、図5.Aでは第2の送受信機2000との双方向通信となる状態の切替スイッチSWT及びSWRが記載されている)。
【0047】
実施例1と同様に、第3の送受信機3000からは、周波数f2の正弦波である第2の搬送波を、周波数fDの矩形波であるデータ信号で変調した信号が出力され、キャリア再生回路150及び復調器160により、受信データ信号DRが生成される。
【0048】
復調器160の出力する受信データ信号DRは、発振器100の出力(参照信号)と位相が比較される。位相差がある場合には、LPF12を介してVCO13が制御され、最終的には、発振器100(参照信号)の出力と周波数が同一で、位相差の無い受信データ信号DRが得られるように、VCOの位相が固定される。即ち、この状態では、送信データ信号DTと受信データ信号DRの周波数fDは発振器100の出力(参照信号)の周波数と一致し、VCO13の周波数f1は、f1=NfDで固定される。この時、第3の送受信機3000を通過する時間分だけ、分周器14の出力する送信データ信号DTは、復調器160の出力する受信データ信号DRよりも位相が進んでいる。
【0049】
次に、切替スイッチSWT及びSWRにより、第2の送受信機2000との間で「データ信号のPLL」を形成する状態に切り替えられる。即ち、第1の送受信機4000から、距離L離れた第2の送受信機2000にデータ信号で変調された周波数f1の第1の搬送波が送信され、第2の送受信機2000から、距離L離れた第1の送受信機4000にデータ信号で変調された周波数f2の第2の搬送波が逆送信される。ここで、切替スイッチSWT及びSWRを「第3の送受信機3000との間でデータ信号のPLL」の状態から「第2の送受信機2000との間でデータ信号のPLL」に切り替えた瞬間は、受信データ信号DRが距離2Lを伝搬する時間分だけ発振器100の出力(参照信号)に対して時間遅れ(位相遅れ)が発生することとなる。
【0050】
これは「第2の送受信機2000との間でのデータ信号のPLL」により当該時間遅れ(位相遅れ)が最終的には解消されることとなる。この際に、VCO13の制御電圧を一旦上げて周波数をf1より大きくし(送信データ信号DTと受信データ信号DRの周波数もfDより大きくなる)、受信データ信号DRの位相を発振器100の出力(参照信号)の位相まで追いつかせ、その後受信データ信号DRの位相が発振器100の出力(参照信号)の位相を追い抜いたら、VCO13の制御電圧を下げて周波数をf1より小さくし(送信データ信号DTと受信データ信号DRの周波数もfDより小さくなる)、受信データ信号DRの位相を発振器100の出力(参照信号)の位相まで遅らせる、と言ったフィードバック制御となる。最終的には発振器100の周波数とデータ信号の周波数fDは一致し、VCO13の制御電圧も元に戻る。こうして、分周器14の出力する送信データ信号DTと、復調器160の出力する受信データ信号DRとの位相差は、「第3の送受信機3000との間でデータ信号のPLL」の状態よりも「第2の送受信機2000との間でデータ信号のPLL」の状態の方が大きくなる(送信データ信号DTは、受信データ信号DRよりも、より進む)。
【0051】
この際、受信データ信号DRは発振器100の出力(参照信号)と位相が一致しているので、送信データ信号DTと発振器100の出力(参照信号)との位相差を、第3の送受信機3000との間での場合と、第2の送受信機2000との間での場合とで検出できれば良い。これを位相比較器111で実行する。これにより、位相差の変化量から、第1の送受信機4000から第2の送受信機2000までの距離が算出できる。図4の第1の送受信機1100においては、位相比較器191で送信データ信号DTと受信データ信号DRを単に比較するのみであるが、図5の第1の送受信機4000においては、位相比較器111に入力される送信データ信号DTは、受信データ信号DRが、発振器100の出力する参照信号と位相一致するように、「位相を進められた」出力である周波数f1のVCO13の出力に基づくものであり、PLLを第1の送受信機4000と第2の送受信機2000との間で形成することによる実現例である。
【0052】
〔送信機4000の変形例〕
図5.Cに、第1の送受信機4000の変形例である第1の送受信機4100の構成を示す。尚、対応する第2の送受信機は、図2、図4.B又は図5.Bの第2の送受信機2000を用いることができる。図5.Cの第1の送受信機4100は、第3の送受信機3000の構成を短絡により構成するものである。
【0053】
図5.Cの第1の送受信機4100は、3端子の切替スイッチSWTではなく、4端子の切替スイッチSWT’を用いる。また、3端子の切替スイッチSWRは、受信アンテナA1Rとキャリア再生回路150及び復調器160との間ではなく、復調器160と位相比較器11の間に設ける。
【0054】
まず、4端子の切替スイッチSWT’は次の切替を行う。3端子の切替スイッチSWRが復調器160と位相比較器11とを接続している時であって、変調器110の出力と送信アンテナA1Tを接続し、分周器14と切替スイッチSWRの間を遮断する場合と、3端子の切替スイッチSWRが分周器14との接続側に切り替わっている時であって、変調器110の出力と送信アンテナA1Tの間を遮断し、分周器14と切替スイッチSWRとを接続する場合。
【0055】
図5.Cの第1の送受信機4100は、図5.Aの第1の送受信機4000の内部構成である第3の送受信機3000の構成要素を簡略化(短絡)したものであり、実施例1で第3の送受信機3000を省略したものに対応するとも言える。
【0056】
〔実施例2の変形例〕
図6に、実施例2の変形例を示す。図6.Aは、第3の送受信機7000を内部構成とする第1の送受信機5000の構成を示すブロック図、図6.Bは第2の送受信機6000の構成を示すブロック図である。本変形例は、第1の送受信機5000から第2の送受信機6000又は第3の送受信機7000へは周波数f1の第1の搬送波のみを送信し、第2の送受信機6000又は第3の送受信機7000でそれを分周してデータ信号を生成する構成である。即ち、図6.Aの第1の送受信機5000は、図5.Aの第1の送受信機4000から変調器110を除いてVCO13の出力を直接切替スイッチSWTに入力する。分周器14の出力は位相比較器111にのみ入力する。また図6.Aの第1の送受信機5000の内部構成である第3の送受信機7000は、図5.Aの第1の送受信機4000の内部構成である第3の送受信機3000からキャリア再生回路350と復調器360を除き、切替スイッチSWTの出力を直接周波数変換回路370に入力するとともに1/N分周器34に入力する。変調器310は1/N分周器34の出力で、周波数変換回路370の出力である周波数f2の第2の搬送波を変調する。全く同様に、図6.Bの第2の送受信機6000では、変調器210は1/N分周器24の出力で、周波数変換回路270の出力である周波数f2の第2の搬送波を変調する。
【0057】
本変形例は、図示した構成においては、実施例2の構成よりも簡略化できる。
【0058】
図6.Cは第3の送受信機7000を簡略化した、第3の送受信機7500を用いた第1の送受信機5500の構成を示したブロック図である。第1実施例の説明の最後で、内部回路での位相遅れを無視した構成を述べたが、図6.Cの第1の送受信機5500は、図6.Aの第1の送受信機5000を、内部回路での位相遅れを無視して構成し直したものである。第3の送受信機7500は1/N分周器34のみで構成され、復調器160とキャリア再生回路150は切替スイッチSWRと受信アンテナA1Rの間に配置される。尚、図6.Cの第1の送受信機5500は図6.Bの第2の送受信機6000と組み合わせて用いられ、その使用方法は、図6.Aの第1の送受信機5000と図6.Bの第2の送受信機6000の組み合わせの使用方法と同じである。
【0059】
〔その他〕
尚、上記各実施例では、キャリアを再生した後に復調を行う構成としたが、コスタス方式のように、一旦復調器を通したあと、フィードバックさせることでキャリヤ再生を行なう構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、タグ(第2の送受信機)を付した物品の位置検出に用いることができる。例えば旅券のような、通常はその保管場所を必ずしも確認しないが、必要となったときには瞬時に探し出す必要があるものを、的確に位置検出することも可能となる。
【0061】
例えば10m四方の室内又は領域内に、第1の送受信機を例えば3個配置させれば、各第1の送受信機からの距離に基づきタグ(第2の送受信機)を付した物品の位置を特定することも可能である。
【0062】
複数のタグ(第2の送受信機)毎に異なる周波数の高周波で起動する起動回路を組み込めば、当該高周波に対応するタグ(第2の送受信機)のみを起動させた後に第1の送受信機と送受信を行うことで、複数のタグ(第2の送受信機)を1個ずつ位置検出することも可能となる。尚、起動回路の例としては本発明者らによる特開2004−140805号公報等の技術がある。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の具体的な第1の実施例に係る距離測定装置を構成する第1の送受信機1000の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の具体的な第1の実施例に係る距離測定装置を構成する第2の送受信機2000の構成を示すブロック図。
【図3】第1の送受信機1000の一部である第3の送受信機3000の構成を示すブロック図。
【図4】4.Aは、変形例に係る第1の送受信機1100の構成を示すブロック図、4.Bは、変形例に係る第2の送受信機2000の構成を示すブロック図。
【図5】5.Aは、本発明の具体的な第2の実施例に係る距離測定装置を構成する第1の送受信機4000の構成を示すブロック図、5.Bは、第2の送受信機2000の構成を示すブロック図、5.Cは,変形例に係る第1の送受信機4100の構成を示すブロック図。
【図6】6.Aは、変形例に係る距離測定装置を構成する第1の送受信機5000の構成を示すブロック図、6.Bは、第2の送受信機6000の構成を示すブロック図、6.Cは、他の変形例に係る第1の送受信機5500の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0064】
1000、1100、4000、4100、5000、5500:第1の送受信機
2000、6000:第2の送受信機
3000、7000、7500:第3の送受信機
10、100、101:発振器(周波数固定)
11、111、151、191、251、271、351、371:位相比較器
12、152、252、272、352、372:低域濾波器(LPF、積分器)
13、153、253、273、353、373:電圧制御発振器(VCO)
14、24、34、141、154、159、254、259、274、279、354、359、374、379:分周器
110、210、310:変調器
115、165、215、265、315、365:乗算器
116、216、316:差動符号化回路
150、250、350:キャリア再生回路(搬送波再生部)
158、258、358:2逓倍回路
160、260、360:復調器
167、267、367:差動復号化回路
270、370:周波数変換回路(周波数変換部)
1T、A2T:送信アンテナ
1R、A2R:受信アンテナ
SWT、SWR:切換スイッチ(3端子)
SWT':切換スイッチ(4端子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の送受信機を用いる距離測定方法であって、
前記第1の送受信機は、
位相差を比較可能なデータ信号で、第1の搬送波を変調して前記第2の送受信機に送信し、
前記第2の送受信機は、
前記第1の送受信機から受信した信号から、前記第1の搬送波を再生すると共に前記データ信号を復調し、
当該再生された前記第1の搬送波を周波数変換することで、周波数の異なる第2の搬送波を生成し、
前記第1の送受信機から受信した信号から復調された前記データ信号で当該第2の搬送波を変調して前記第1の送受信機に逆送信し、
前記第1の送受信機は、更に、
前記第2の送受信機から受信した信号から、前記第2の搬送波を再生すると共に前記データ信号を復調し、
前記第1の搬送波を変調した前記データ信号と、前記第2の搬送波から復調した前記データ信号との位相差を検出することで、前記第1の送受信機と前記第2の送受信機との距離を決定することを特徴とする距離測定方法。
【請求項2】
前記第1の送受信機には、
送受信アンテナを除くほかは前記第2の送受信機と同一構成の第3の送受信機が設けられており、
前記第1の送受信機と前記第3の送受信機とを直接接続して、
前記第1の送受信機と前記第3の送受信機と間の信号のやりとりによる位相差を距離0の位相差として補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の距離測定方法。
【請求項3】
前記第1の搬送波を電圧制御発振器により生成し、それを分周してデータ信号を得ると共に、前記第3の送受信機との間でPLLを形成して前記電圧制御発振器を安定発振させた時の、前記データ信号の位相と、
前記第2の送受信機との間でのPLL形成に切り替えて、前記電圧制御発振器が安定発振となった時の前記データ信号の位相との位相差から、
距離の検出を行うことを特徴とする請求項2に記載の距離測定方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の距離測定方法に用いる第1の送受信機であって、
データ信号を発生させるデータ信号発生装置と、
第1の搬送波を生成する発振器と、
前記データ信号発生装置の出力する前記データ信号により、前記発振器の出力する前記第1の搬送波を変調する変調器と、
受信信号から、第2の搬送波を再生する搬送波再生部と、
前記搬送波再生部により再生された前記第2の搬送波を用いて、受信信号を復調してデータ信号を得る復調器と、
データ信号発生装置の出力するデータ信号と、前記復調器の出力するデータ信号との位相差を検出する位相差検出器と
を有することを特徴とする第1の送受信機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3に記載の距離測定方法に用いる第2の送受信機であって、
受信信号から、第1の搬送波を再生する搬送波再生部と、
前記搬送波再生部により再生された前記第1の搬送波を用いて、受信信号を復調してデータ信号を得る復調器と、
前記搬送波再生部により再生された前記第1の搬送波の周波数を変換して第2の搬送波を生成する周波数変換部と、
前記周波数変換部により生成された前記第2の搬送波を前記復調器の出力するデータ信号により変調する変調器と
を有することを特徴とする第2の送受信機。
【請求項6】
請求項4に記載の第1の送信機において、
更に、対応する第2の送受信機の有する、
前記搬送波再生部、前記復調器、前記周波数変換部及び前記変調器と同一特性の構成要素から成る第3の送受信機と、送受信アンテナを介さずに、切替により接続可能とした第1の送受信機。
【請求項7】
請求項3に記載の距離測定方法に用いる第1の送受信機であって、
第1の搬送波を生成する電圧制御発振器と、
前記電圧制御発振器の出力を分周してデータ信号を出力する分周器と、
前記分周器の前記データ信号により、前記電圧制御発振器の出力する前記第1の搬送波を変調する変調器と、
受信信号から、第2の搬送波を再生する搬送波再生部と、
前記搬送波再生部により再生された前記第2の搬送波を用いて、受信信号を復調してデータ信号を得る復調器と、
前記復調器の出力するデータ信号と、固定された参照信号との位相差を検出する位相差検出器と、
低域濾波器と
を有し
更に、対応する第2の送受信機の有する、
前記搬送波再生部、前記復調器、前記周波数変換部及び前記変調器と同一特性の構成要素から成る第3の送受信機と、送受信アンテナを介さずに、切替により接続可能とし、
前記第3の送受信機とのPLL形成時の前記分周器の出力するデータ信号の位相と、対応する前記第2の送受信機とのPLL形成時の前記分周器の出力するデータ信号の位相との位相差を検出する手段を有することを特徴とする第1の送受信機。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−32535(P2008−32535A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206352(P2006−206352)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】