説明

身体情報を使ったサウンド提供装置

【課題】人の動きを機械で制御した音を使うことで、人間が行う人の動きの指導より指導員の個人差が無く、被験者の身体情報に基づいた音出力を実現させる身体情報を使ったサウンド提供装置を提供すること。
【解決手段】身体情報を取り込むためのセンサーと、音情報を作るためのMIDI装置と、デジタル音声ファイルデータとセンサー情報と音情報とを結びつけてスピーカーからの出力を制御する制御手段と、を備えるように身体情報を使ったサウンド提供装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸、心拍数、血圧、脳波などセンサーを経由して、人体から受け取ることが出来る身体情報を使い、音楽、ナレーション、リズムなどの音情報出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
病気になってから病気を治すためにかかるコストは、病気になる前にそれを予防するコストより、格段に高くなる。健康を維持・増進させるための方法は多様にあるが、運動は最も効果的な方法の一つであると言われている。一方、間違った運動を行うことで、運動事故も多発している。この問題を解決するためには、個人の体力や運動経験に基づく適正な運動指導を行うことが必要であるが、運動中の個人の感覚や知識だけではその解決が難しい。そのためには運動指導を専門とするインストラクターが個々人の体力に合わせて適正に指導する必要がある。しかし、コストや時間などの問題で誰でもが運動インストラクターの指導を受けることはできない。そこで今日、コンピュータや運動支援機器を使い健康維持増進を行うことが多くなってきている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−75172号公報
【特許文献2】特開2007−193908号公報
【0004】
本発明では、それらの運動機器をユーザーが適正に使うことができるように、音を使った効果的な運動指導を実現させようとするものである。本発明では、運動支援機器に搭載する効果的運動指導の音機能について言及するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運動を効果的に行うための指導や、身体を正しく計測するための人の動きを指導するためには被検者の身体情報をリアルタイムに計測し、その計測結果に応じた指導を行う必要がある。
【0006】
人の動きの指導には目からの情報、耳からの情報、直接体へ提供する情報があるが、今日最も簡易に出来る方法として音を使った指導が多い。しかし、その指導は指導員の経験や感覚によって発する言葉であったり機械を使った音であったりすることから、必ずしも適正な音を使ったインストラクションをしているとは限らないという問題がある。
【0007】
又、人間が経験や感覚でインストラクションする方法は、インストラクションする指導員ごとに一定ではなく、それぞれ異なったインストラクションを行ってしまうなどの問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、人の動きを機械で制御した音を使うことで、人間が行う人の動きの指導より指導員の個人差が無く、被験者の身体情報に基づいた音出力を実現させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置は、
身体情報を取り込むためのセンサーと、音情報を作るためのMIDI装置と、デジタル音声ファイルデータとセンサー情報と音情報とを結びつけてスピーカーからの出力を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、人の動きを機械で制御した音を使うことで、人間が行う人の動きの指導より指導員の個人差が無く、被験者の身体情報に基づいた音出力を実現させることができる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置は、請求項1に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置であって、
音情報を作るための音源には、主に音楽とリズムを生成する少なくとも2つのトラックを使ったMIDI装置と、人間の音声をデジタル録音した音源と、を用いることを特徴としている。
この特徴によれば、人間の音声により適切な運動の指示を、サウンド提供装置を用いて使用者に与えることができるばかりか、音楽とリズムとを合成することにより、使用者に精神的なストレスを与えることなく、適切な音出力を行うことができる。
【0011】
本発明の請求項3に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置は、請求項1または2に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置であって、
出力する音は、音楽、リズム、音声の少なくとも3種類で、音楽とリズムはMIDI音符を使った音出力で、音声は録音した音声を再生するものであることを特徴としている。
この特徴によれば、音楽、リズム、音声の少なくとも3種類を用いてサウンド提供装置から音が出力されるため、使用者が飽きることなくサウンド提供装置を使用しつづけられる。
【0012】
本発明の請求項4に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の身体情報を使ったサウンド提供装置であって、
適正な身体状態であるかどうかを判断するに、予め用意した数値領域と比較し、音を使って適正な身体状態にするために、目標となる数値領域より下回る身体情報を指導する音出力を有するMIDI音の出力速度を最初に用い、段階的に出力速度を上げ、目標となる数値領域に到達した段階で、段階的に出力速度を上げる機能を止め、数値領域に到達した時点の出力速度を保つことを特徴としている。
この特徴によれば、段階的に出力速度を変化させられるようになり、サウンド提供装置の使用者の身体を適正な状態にすることができる。
【0013】
本発明の請求項5に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の身体情報を使ったサウンド提供装置であって、
音声データの出力は、センサーを使って身体から取得した情報によって、選択する音声データが異なり、音声データの区分は、設定した領域の中間範囲、設定した領域の下限範囲、設定した領域の上限範囲、設定した領域の下限より下の範囲、設定した上限より上の範囲の複数段階で区分することを特徴としている。
この特徴によれば、音声データの出力は、複数段階で区分されるため、サウンド提供装置の使用者の身体状態に合わせた出力を行うことができる。
【0014】
本発明の請求項6に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置は、請求項4に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置であって、
音の出力速度を一定時間内に上昇させても設定領域内に測定身体情報が到達しない場合に音の出力を止めることを特徴としている。
この特徴によれば、センサーからの測定値が目標領域内に一定時間到達しない場合に、使用者の身体状態が危険である判断し、音出力と測定操作を停止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る身体情報を使ったサウンド提供装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0016】
本発明のサウンド提供装置(音情報出力システム)は、身体情報を取り込むためのセンサーと、音情報を作るためのMIDI装置、及びデジタル音声ファイルデータとセンサー情報と音情報を結びつけてスピーカーから出力するかを制御するプログラムから成る。
【0017】
センサー部分は呼吸を測定する場合と心拍数を測定する場合、脳波を測定する場合、血圧を測定する場合により異なり、それぞれ適正なセンサーを選択することになるが、音を生成するための音源は主に音楽とリズムを生成する2つのトラックを使ったMIDIと、人間の音声をデジタル録音した音源を用いる(図1参照)。
【0018】
音の選択には、予め予測される適正領域の閾値と比較して、センサーから取得した情報が上回っているか、下回っているか、閾値内にいるかを判断して出力する音を選択するもので、MIDI音源と組み合わせたデジタル符号が作り出すMIDI音楽は人体から取得した計測情報に基づいてその出力速度を決定する。
【0019】
同様に、MIDI音源と組み合わせたデジタル符号が作り出すMIDIリズムは、人体から取得した計測情報に基づいてその出力速度を決定する。
【0020】
出力する速度の時間軸は音楽トラックとリズムトラックは同じで、ソフトウェアによってどちらか一方、又は両方の音情報を出力する。
【0021】
デジタル音声データベースからの音選択はデジタル音声データベースに登録した複数の音声データにそれぞれ異なるIDを付加し、音声出力制御プログラムに取り込んだ身体情報の状態と予め用意した身体情報を比較してその差異から目的の音声を出力する構造としている(図2参照)。
【0022】
この特徴によれば、センサーを使って身体から取得した身体情報を音選択機能に情報を渡せば身体情報に基づいた音声データと音楽出力速度およびリズム出力速度を選択し、それを出力する。
【0023】
参照:MIDIとはMusical Instrument Digital Interface の略称。シンセサイザーなど電子楽器の演奏情報のデータ形式、プロトコル、物理的インターフェイスの規格。
【0024】
MIDIデータは小節・拍といった時間概念を有しており、そのスケール上のどのタイミングでどの鍵盤をどの位の強さで押したかというノート(音符)情報を記録できる。つまりMIDIデータとは電子楽器にとっての楽譜ということができる。
【0025】
この他、各パートの音色選択やボリュームやパン(左右の定位)の情報、リバーヴやコーラスといったエフェクトの度合いなど、楽器のコントロールに関する様々な情報を取り扱う。
【0026】
音楽、ナレーション、リズムの組み合わせ:
出力する音は音楽、リズム、音声の3種類で、音楽とリズムはMIDI音符を使った音出力で、音声は録音した音声を再生する。
【0027】
音楽とリズムの出力速度制御は同じプログラムを使い、同じ音楽符号位置で同じ速度で出力する。出力制御プログラムは音楽とリズムの出力速度を決定し、その音を出力する。音声はセンサーを使って取得した身体情報と予め設定した閾値を比較し、その結果選択した音声データを出力する。
【0028】
本発明ではこのように出力速度をプログラムによって制御したMIDI音と身体情報と予め設定した閾値とを比較して決定した音声出力の組み合わせによって実現する(図3参照)。
【0029】
MIDIのIIチャンネルのボリュームコントロール:
MIDIから出力する音楽とリズムの2種類の音は、ユーザーの選択で両方同時に、あるいは片一方のトラックだけを出力することが出来る。又、リズムトラックは予め設定されている身体情報の設定領域に入ったときだけ出力することが出来る。音楽トラックは、閾値とは関係なくONとOFFを設定する(図4参照)。
【0030】
音楽とリズムの出力速度調整:
音楽とリズムの出力速度はセンサーによって取得した身体情報と予め設定した閾値との比較によって決定されるが、人間の身体情報は常に微妙に変化しているので、その情報をそのまま音楽とリズムの出力速度制御に使用すると、出力する音楽とリズムが常に不安定な音楽として聞こえてしまい、聞く側に精神的なストレスを与えてしまう。この問題を解決するために音楽の出力をステップごとに区分して変化させる(区分するステップ量は測定身体情報の測定内容によって決定する)(図5参照)
【0031】
測定身体情報が設定領域に留まるようにガイドするための機能:
測定身体情報が設定領域に留まることで効果的な測定結果を得ることが出来るため、本発明では測定数値が設定領域に対してどの位置にいるかで音出力内容を変化させる。測定数値が設定領域の中間範囲に位置している場合にはMIDI音の出力速度は変化させず、その時点の出力速度を維持する。
【0032】
測定数値が設定領域の下限領域の場合はMIDI音の出力速度をステップ上昇させ、設定領域の中間範囲まで測定数値を上昇させる音速度を出力する。
【0033】
測定数値が設定領域の上限限領域の場合はMIDI音の出力速度をステップごとに落とし、設定領域の中間範囲まで測定数値を下げる音速度を出力、常に設定領域内に測定身体情報が留まるための音ガイド機能を有する。
【0034】
ウォームアップスッテップアップ出力:
身体情報を取得する人がセンサーを取り付け、身体情報を適正に取り込むまでに時間がかかることがある。また、時間がかかっても適正な身体情報を得ることが出来ない身体状態になっていることがある。この問題を解決するため、適正な身体状態になるように音でガイドする機能を有する。
【0035】
適正な身体状態であるかどうかを判断するには予め用意した数値領域と比較する。音を使って適正な身体状態にするには目標となる数値領域より下回る身体情報を指導する音出力を有するMIDI音の出力速度を最初に用い、段階的に出力速度を上げ、目標となる数値領域に到達した段階で、段階的に出力速度を上げる機能を止め、数値領域に到達した時点の出力速度を保つ。
【0036】
クールダウンステップダウン出力:
身体情報を取得する人がセンサーを取り付け、身体情報を適正に取り込んだ後、測定を急に中止するとユーザーに身体的な負担をかける場合がある。この問題を解決するため、測定時の身体状態から安定時の身体状態になるように時間をかけて音でガイドする機能を有する。
【0037】
安定時の身体状態になっているかどうかを判断するにはウォームアップガイドをする前に取得した身体情報と比較し、予め設定した領域内に収まっているか否かで判断する。
音を使って安定時の身体状態にするには、現在測定中の測定結果によって作り出した音出力速度から段階的に出力速度を落とし、予め設定した安定時の身体状態の領域になるまでMIDI出力速度を落し、目標となる数値領域に到達した時点でMIDI音を使ったクールダウンステップダウン出力を止める。
【0038】
ナレーション出力情報の選択法:
音声データの出力はセンサーを使って身体から取得した情報によって、選択する音声データが異なる。
【0039】
音声データの区分は設定した領域の中間範囲、設定した領域の下限範囲、設定した領域の上限範囲、設定した領域の下限より下の範囲、設定した上限より上の範囲の5段階で区分する。
【0040】
又それぞれの区分領域にどれだけの時間測定結果が留まっているかでも選択する音声出力が異なる。以下の区分方法を使って音声出力データを選択する(図6参照)。
1.設定領域の中間範囲
2.設定領域の下限範囲
3.設定領域の上限範囲
4.設定領域の下限より下の範囲
5.設定領域の上限より上の範囲
6.各区分に留まった時間による選択基準
【0041】
安全性のための機能:
センサーからの測定値が目標領域内に一定時間到達しない場合音出力と測定操作を停止する機能を有する。本発明は身体からの測定値を設定領域内に入るようプログラムしてある。これを実現させるため音の出力速度を設定領域内に入るまで上昇させることになるが、音の出力速度を一定時間内に上昇させても設定領域内に測定身体情報が到達しない場合、危険と判断し、センサーの測定と音の出力を止めるプログラムに移行する。
【0042】
本発明に用いる設定領域は固定値では可変させてもその機能を出力する。
身体情報の設定領域はユーザーの身体的条件やユーザーの目的によって変更できるが、前述した音楽、ナレーション、リズムの組み合わせと、音楽とリズムの出力速度調整と、ナレーション出力情報の選択法と、は変わらない。前述した音楽とリズムの出力速度調整のステップ区分量と、前述したナレーション出力情報の選択法の上限範囲数値、中間範囲数値、下限範囲数値が異なる。
【0043】
MIDI音と音声出力のボリュームコントロール:
本発明による音出力はMIDI音と音声データの出力が同時に行われることがある。この場合音声情報の出力音が聞き取りにくい問題がある。これを解決するために、音声情報の出力中はMIDI音の出力ボリュームを下げ、音声情報の出力が終了した時点で、MIDI音の出力ボリュームを自動的に元に戻す機能を有する。
【0044】
心拍情報を使った場合の構造:
心拍センサーを使ってユーザーの年齢情報とユーザーからのアンケート情報を使って身体情報の設定領域を決定する。
【0045】
最初に前述したウォームアップスッテップアップ出力を実施する。MIDI音の運動の速度と(運動強度)と音声出力を使い効果的に心拍数を制御しながら、前述した測定身体情報が設定領域に留まるようにガイドするための機能を用いて心拍数が目標設定領域内に留まるよう音でガイドする。
【0046】
一定時間設定領域内に心拍数が留まったら前述したクールダウンステップダウン出力を実施し、心拍情報を使った運動指導プログラムを終える。
【0047】
呼吸情報を使った場合の構造:
心拍センサーを使ってユーザーの呼吸情報とユーザーからのアンケート情報を使って身体情報の設定領域を決定する。
【0048】
最初に前述したウォームアップスッテップアップ出力を実施する。MIDI音の運動の速度と(運動強度)と音声出力を使い効果的に呼吸タイミングと呼吸長さと呼吸量を音のガイドに従って制御しながら、前述した測定身体情報が設定領域に留まるようにガイドするための機能を用いて酸素摂取量と呼吸タイミングが目標設定領域内に留まるよう音でガイドする。
【0049】
一定時間設定領域内に酸素摂取量と呼吸タイミングが留まったら前述したクールダウンステップダウン出力を実施し、呼吸情報を使った運動指導プログラムを終える。
【0050】
血圧情報を使った場合の構造:
血圧センサーを使ってユーザーの血圧情報とユーザーからのアンケート情報を使って身体情報の設定領域を決定する。
【0051】
精神状態が不安定になり、それに伴い血圧の変化がある場合に用いる。
最初に前述したウォームアップスッテップアップ出力を実施する。MIDI音の運動の速度と(運動強度)と音声出力を使い効果的に呼吸タイミングと呼吸長さを音ガイドに従ってユーザーが呼吸を制御することで目的の領域内に血圧をとどめる機能を有する。
【0052】
これを実現させるため前述した測定身体情報が設定領域に留まるようにガイドするための機能を用いて呼吸タイミングと呼吸長さが目標設定領域内に留まるよう音でガイドする。
【0053】
脳波情報を使った場合の構造:
脳波センサーを使ってユーザーの脳波状態を設定領域にガイドする方法。測定脳波(δ(デルタ)波、θ(シータ)波、α(アルファ)波、β(ベータ)波の4種類の中のいずれか、又は組み合わせ)情報を使い、例えば睡眠導入や精神統一のための音出力速度の提供と音声出力を提供する。
【0054】
最初に前述したウォームアップスッテップアップ出力を実施する。MIDI音による音速度と音声出力を使い効果的に睡眠や精神統一を誘引する。
【0055】
これを実現させるため前述した測定身体情報が設定領域に留まるようにガイドするための機能を用いて呼吸タイミングと呼吸長さが目標設定領域内に留まるよう音でガイドする。
【0056】
本発明では、安全性や更に効果を上げるために片耳だけから音を提供する。
音を片耳から提供することで外部の音を聞き取ることが出来るようになる。これにより、屋外で使った場合、危険を事前に感知することが出来るようになるばかりか、他の音を聞き取ることによって更に効果的な音による指導を実現させることが出来る。これは本発明による機器を装着して身体情報を制御していても、内蔵された音情報だけでは不十分な場合、外部から音で指導するときに有効である。
【0057】
本発明では本システムに内蔵したMIDI音と音声データ以外に外部入力音を受け付ける。
外部入力音が本システムに入力された場合、MIDIの音楽トラックの音を自動的にカットし、外部入力音をスピーカーから出力する。外部入力音が受け付けた場合でもMIDI音と音声データの出力に影響は無い。外部入力音のON / OFFは外部入力用の機械的スイッチを用いる(図7参照)。
【0058】
4拍を1単位としたリズム音と音楽音の構成:
MIDI内に組み込むリズム音と音楽音の構成は1音0.25秒を基準とし、0.25秒の音を4つ順番に組み合わせ、合計4音で2秒1単位のリズムブロックを作り、これを連続的に出力する。
【0059】
1拍0.25秒4拍一単位で合計2秒の出力速度を有する音楽は120bpmに相当し、効果的に心肺機能を向上させるための音出力速度であり、精神的に高揚させる下限の音出力速度である。
【0060】
音楽トラックに記録する音楽も4拍単位で区切ることの出来る音楽で用いる。
これにより、音楽とリズムを同時に繰り返して再生しても、繰り返して再生することによるリズムのずれは起きない音出力構造になる。
【0061】
MIDIの音出力の速度を編集する場合、4拍間の再生間隔を調整することで出力速度を変化させる。この場合、4拍の出力間隔は同じ間隔で短くするか、長くすることで、出力音楽の違和感を減少させる技法を用いる(図8参照)。
【0062】
応用:
心肺機能を向上させるための運動指導に心拍センサーを使い心拍情報を取得し、その情報と関連させた音を出力し、その音を使って心肺機能向上のための運動指導を行う。
【0063】
MIDI音は設定閾値領域内に心拍数をとどめるように運動のペースメーカーとして用いる。MIDIの音楽トラックは、その音楽の出力速度に合わせて、心拍数が目的の心拍数領域内に留まるように出力速度を測定心拍情報に対応させて音楽出力速度を調整する。これを運動のペースメーカーとして用いる。MIDIのリズムトラックは心拍数が目的の心拍領域の上限、又は、下限に近づいたり目的の心拍数領域内では無い場合、リズム音を使って強制的に心拍数をその領域に内に戻すために4拍のリズム音の出力速度を変化させる。音声出力は閾値領域外にセンサーによって取得した身体情報が、閾値領域内に位置している場合、又は、閾値外に近づいたとき、閾値を超えたとき、閾値内に入らなかった場合、それぞれ設定した異なる音声出力を被検者に提供し、被検者に運動中の心拍状態を心肺機能向上のために効果的な運動強度を得られるよう音で運動指導を行う。
【0064】
精神状態を安定させるために呼吸センサーを使って呼吸の速度と強さの制御を音で指導する装置:
呼吸センサーを使って呼吸のタイミング、長さ、酸素摂取量を測定することで精神の不安程度を推測する。精神の不安定度と予め設定した精神の不安程度閾値と比較し、精神の安定化に向かわせる呼吸方法を音楽の出力速度、リズムの出力速度、音声を使い効果的な呼吸の方法の指導を行う機能を有する。
【0065】
出産時の呼吸指導装置:
出産時における効果的な呼吸方法によって妊産婦の精神的・身体的苦痛を和らげることが出来るとともに、潤沢な出産を促す効果を有する装置。
【0066】
呼吸センサーを使ってユーザーの呼吸状態を計測する。計測した呼吸状態(呼吸のタイミング、呼吸の長さ、呼吸の強さ)と予め設定した呼吸領域と比較し、測定した呼吸情報がどの位置にあるかによって出力するMIDI音楽とリズムと音声情報の出力を変化させ、予め設定した適正な呼吸領域に誘引する機能を有する。
【0067】
過呼吸治療のための装置:
過呼吸時における効果的な呼吸方法によって過呼吸の精神的・身体的苦痛を和らげることが出来るとともに、過呼吸治療の効果を有する装置。
【0068】
呼吸センサーを使ってユーザーの呼吸状態を計測する。計測した呼吸状態(呼吸のタイミング、呼吸の長さ、呼吸の強さ)と予め設定した呼吸領域と比較し、測定した呼吸情報がどの位置にあるかによって出力するMIDI音楽とリズムと音声情報の出力を変化させ、予め設定した適正な呼吸領域に誘引する機能を有する。
【0069】
精神的に上昇した血圧を安定させるための装置:
血圧センサーを使ってユーザーの血圧情報と、ユーザーからのアンケート情報を使って身体情報の設定領域を決定し、その設定領域と測定血圧とを比較し、効果的な音の出力タイミングと音声ガイドを使って、ユーザーの安静時の血圧に誘引する機能を有する。
【0070】
精神が興奮し、それに伴い血圧の上昇が急激な場合、特に心臓に疾患があるユーザーには急激な血圧の上昇は健康を維持するために大きな障害になる。この問題を解決するために血圧センサーから取得した血圧情報と設定領域と比較し、血圧の目標設定領域に誘引するように、血圧とMIDIの音楽とリズムの出力速度関数を使って対応する音楽とリズムの出力速度を決定し、出力音声を決定する。
【0071】
測定脳波情報を使った睡眠誘導装置:
脳波測定装置を使い
δ(デルタ)波 0.5〜4Hz未満はぐっすり寝ている時に現れる。
θ(シータ)波 4〜8Hz未満はとろとろと眠くなって来た時に現れる。
α(アルファ)波 8〜13Hz未満は脳の休めている部位に現れる。
β(ベータ)波 13〜40Hz未満は精神活動している部位に現れる現象を抽出する。
【0072】
抽出した脳波情報からシータ波とデルタ波をMIDIの音楽の出力内容とその再生速度と音声で睡眠を誘導する。音楽の出力内容は4拍一単位で区分することが出来る音楽で構成された複数の音色を有する音楽を用い、測定の右派状態に合わせて睡眠を誘引する音色と速度を選択してシータ波とデルタ波を誘導する(図9参照)。
【0073】
脳波と心拍情報を使った禅のための精神集中誘導装置:
脳波測定装置を使い
δ(デルタ)波 0.5〜4Hz未満はぐっすり寝ている時に現れる。
θ(シータ)波 4〜8Hz未満はとろとろと眠くなって来た時に現れる。
α(アルファ)波 8〜13Hz未満は脳の休めている部位に現れる。
β(ベータ)波 13〜40Hz未満は精神活動している部位に現れる現象を抽出する。
【0074】
抽出した脳波情報からベータ波をMIDIの音楽の出力内容とその再生速度と音声で誘導する。音楽の出力内容は4拍一単位で区分することが出来る音楽で構成された複数の音色を有する音楽を用い、測定脳波状態に合わせて睡眠を誘引する音色と速度を選択してシータ波とデルタ波を誘導する。
【0075】
位置情報センサーを使った姿勢指導装置:
位置情報センサーは取り身体に取り付けた部位の位置と移動量、及び移動方向を検出する。予め設定情報範囲を有するデータベース内の情報をクラス分けし、測定データをクラス分けしたデータと比較する。測定した情報を含むクラスに対応した音楽出力速度とリズム速度と音声出力で歩き方、立ち姿、座っている姿の姿勢制御のための音ガイド機能を有する。
【0076】
バランスセンサーを使った身体のバランス指導装置:
2つ以上の重さセンサーと位置センサーそれぞれのセンサーにかかる重力の差を検出し、特定の部位に取りつけた位置センサーは部位の位置と移動量、及び移動方向を検出する。予め設定情報範囲を有するデータベース内の情報をクラス分けし、測定データをクラス分けしたデータと比較する。測定した情報を含むクラスに対応した音楽出力速度とリズム速度と音声出力で体の各部位の設定位置との差異を検出し、それを補正するための音声出力を行うとともに、バランスを補正するための運動強度とリズムを有する音楽を出力する機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】サウンド提供装置を示す説明図である。
【図2】サウンド提供装置を示す説明図である。
【図3】音出力のタイミングの制御状態を示す説明図である。
【図4】ボリュームコントロールの制御状態を示す説明図である。
【図5】音楽とリズムの出力速度の制御状態を示す説明図である。
【図6】ナレーション出力情報の制御状態を示す説明図である。
【図7】サウンド提供装置を示す説明図である。
【図8】リズム音と音楽音の制御状態を示す説明図である。
【図9】脳波測定装置を使ったサウンド提供装置の制御状態を示す説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体情報を取り込むためのセンサーと、音情報を作るためのMIDI装置と、デジタル音声ファイルデータとセンサー情報と音情報とを結びつけてスピーカーからの出力を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする身体情報を使ったサウンド提供装置。
【請求項2】
音情報を作るための音源には、主に音楽とリズムを生成する少なくとも2つのトラックを使ったMIDI装置と、人間の音声をデジタル録音した音源と、を用いることを特徴とする請求項1に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置。
【請求項3】
出力する音は、音楽、リズム、音声の少なくとも3種類で、音楽とリズムはMIDI音符を使った音出力で、音声は録音した音声を再生するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置。
【請求項4】
適正な身体状態であるかどうかを判断するに、予め用意した数値領域と比較し、音を使って適正な身体状態にするために、目標となる数値領域より下回る身体情報を指導する音出力を有するMIDI音の出力速度を最初に用い、段階的に出力速度を上げ、目標となる数値領域に到達した段階で、段階的に出力速度を上げる機能を止め、数値領域に到達した時点の出力速度を保つことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の身体情報を使ったサウンド提供装置。
【請求項5】
音声データの出力は、センサーを使って身体から取得した情報によって、選択する音声データが異なり、音声データの区分は、設定した領域の中間範囲、設定した領域の下限範囲、設定した領域の上限範囲、設定した領域の下限より下の範囲、設定した上限より上の範囲の複数段階で区分することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の身体情報を使ったサウンド提供装置。
【請求項6】
音の出力速度を一定時間内に上昇させても設定領域内に測定身体情報が到達しない場合に音の出力を止めることを特徴とする請求項4に記載の身体情報を使ったサウンド提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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