説明

車両のフック取付構造およびフック取付モジュール

【課題】バンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴を小さくしてフック部材の変形を適切に抑制できるようにした場合でも、その挿通穴内にフック部材の軸部を挿入してナット部材に適切に螺合できるようにする。
【解決手段】ナット部材16、取付プレート20、ブラケット22、バンパーリインフォースメント24、およびクラッシュボックス26が予め一体的に溶接されてフック取付モジュール12を構成しており、その状態で取付プレート20を介してボルト32によりサイドメンバ14に取り付けられるため、それ等を一体的に溶接する段階で相互の位置精度を容易に確保できる。このため、取付プレート20に設けられたナット部材16とバンパーリインフォースメント24に設けられた補強用ワッシャ74との芯ずれが抑制され、補強用ワッシャ74の貫通穴72(挿通穴)を小さくして軸部54の変形が一層適切に抑制されるようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のフック取付構造に係り、特に、フック部材の軸部がバンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴内に挿入されてナット部材のめねじに螺合されるフック取付構造の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の前後方向に沿って配設されるサイドメンバの端部に取付プレートを介して一体的に固設されるナット部材を有し、フック部材の軸部がバンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴内に挿入されるとともに、その軸部に設けられたおねじが前記ナット部材のめねじに螺合され且つその挿通穴によってその軸部が支持される車両のフック取付構造が知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、バンパーリインフォースメントにはバンパーアーム(ブラケット)が一体的に固設されているとともに、そのバンパーアームは取付プレートと重ね合わされて共通のボルトによりサイドメンバに一体的に供締めされるようになっている。また、バンパーリインフォースメントに設けられた上記挿通穴は、フック部材の軸方向と交差する方向へ荷重が作用した場合に、そのフック部材と接触可能な大きさとされており、例えば輸送時にフック部材を用いて車両を船舶等に固定する場合など、フック部材に軸方向と交差する方向の荷重が加えられた時に、フック部材の軸部がバンパーリインフォースメントの挿通穴に接触させられることにより、そのバンパーリインフォースメントを介して荷重が分散され、フック部材の変形や変位、そのフック部材が螺合されたナット部材の倒れ、破損等が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−292175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようにバンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴によってフック部材の変形や変位を抑制(制限)しようとすると、フック部材の軸部を挿入できる範囲で挿通穴をできるだけ小さくすることが望まれる。しかしながら、従来のフック取付構造は、バンパーアームと取付プレートとを重ね合わせてサイドメンバに供締めして固定していたため、その組付誤差により取付プレートに設けられたナット部材とバンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴との間で芯ずれが生じ、フック部材をナット部材に対して螺合できなくなる可能性があるため、上記挿通穴を十分に小さくすることができなかった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、バンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴をできるだけ小さくしてフック部材の変形や変位を適切に抑制できるようにした場合でも、その挿通穴内にフック部材の軸部を挿入してナット部材に対して常に適切に螺合できるフック取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、第1発明は、車両の前後方向に沿って配設されるサイドメンバの端部に取付プレートを介して一体的に固設されるナット部材を有し、フック部材の軸部がバンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴内に挿入されるとともに、その軸部に設けられたおねじが前記ナット部材のめねじに螺合され且つその挿通穴によってその軸部が支持される車両のフック取付構造において、(a) 前記取付プレートには、軸方向に圧縮されることにより衝撃エネルギーを吸収する筒形状のクラッシュボックスが一体的に固設されており、そのクラッシュボックスの先端部に前記バンパーリインフォースメントが一体的に固設されるとともに、そのクラッシュボックスの内側に前記ナット部材が収容されている一方、(b) 前記取付プレート、前記ナット部材、前記クラッシュボックス、および前記バンパーリインフォースメントは、予め互いに一体的に固設されてフック取付モジュールを構成しており、前記取付プレートを介して前記サイドメンバに取り付けられることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の車両のフック取付構造において、前記フック取付モジュールは、車両の左右両側のサイドメンバに対応して前記バンパーリインフォースメントの左右両側に前記取付プレートおよび前記クラッシュボックスが一体的に固設されているとともに、その少なくとも一方の取付プレートに、前記フック部材を取り付けることができるように前記ナット部材が一体的に固設されていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明の車両のフック取付構造において、(a) 前記フック部材を取り付けることができるように前記ナット部材が固設される前記取付プレートには、その取付プレートから離間した先端部に取付穴が設けられたブラケットが溶接により一体的に接合されており、(b) 前記ナット部材は、前記ブラケットの前記取付穴と前記取付プレートとに跨がって配設され、軸方向に離間した2箇所でその取付穴の周縁部およびその取付プレートに溶接により一体的に接合されていることを特徴とする。
【0009】
第4発明は、第3発明の車両のフック取付構造において、(a) 前記クラッシュボックスは溶接により前記取付プレートに直接接合されており、前記ブラケットはそのクラッシュボックスの内部に収容されているとともに、(b) そのブラケットは有底円筒形状を成していて、底部に前記取付穴が設けられるとともに開口側が溶接により前記取付プレートに一体的に接合されているもので、その円筒形状の側壁には、前記クラッシュボックスとの干渉を避けるためにそのクラッシュボックスの断面輪郭形状に沿って切欠が設けられていることを特徴とする。
【0010】
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかのフック取付構造において、前記バンパーリインフォースメントには、前記挿通穴として機能する貫通穴を有する補強用ワッシャが溶接により一体的に接合されていることを特徴とする。
【0011】
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかの車両のフック取付構造に用いられるフック取付モジュールである。
【発明の効果】
【0012】
このような車両のフック取付構造においては、内側にナット部材が収容されるように取付プレートにクラッシュボックスが一体的に固設され、そのクラッシュボックスの先端部にバンパーリインフォースメントが一体的に固設されるため、コンパクトに構成しつつ車両衝突時にバンパーリインフォースメントからサイドメンバに伝達される衝撃が緩和される。その場合に、上記取付プレート、ナット部材、クラッシュボックス、およびバンパーリインフォースメントは、予め互いに一体的に固設されてフック取付モジュールを構成しており、そのフック取付モジュールの状態で取付プレートを介してサイドメンバに取り付けられるため、サイドメンバに対する取付作業が容易であるとともに、それ等を一体的に固設する段階で相互の位置精度を容易に確保できる。このため、取付プレートに設けられたナット部材とバンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴との芯ずれが抑制され、芯ずれによりフック部材をナット部材に対して螺合できなくなることを確実に防止しつつ、挿通穴を小さくしてフック部材に軸方向と交差する方向の荷重が加えられた時のフック部材の変形や変位が一層適切に抑制(制限)されるようにすることができる。
【0013】
第2発明では、車両の左右両側のサイドメンバに対応してバンパーリインフォースメントの左右両側に取付プレートおよびクラッシュボックスが一体的に固設されているとともに、その少なくとも一方の取付プレートにナット部材が一体的に固設されてフック取付モジュールが構成されているため、左右両側のサイドメンバに対してフック取付モジュールを容易に取り付けることができる。
【0014】
第3発明では、ナット部材が固設される取付プレートにブラケットが溶接により一体的に接合されており、ナット部材は、そのブラケットの取付穴と取付プレートとに跨がって配設されて軸方向に離間した2箇所でそれ等の取付穴および取付プレートに溶接により一体的に接合されるため、取付プレートに対するナット部材の取付強度が高くなり、挿通穴によりフック部材の変形や変位が抑制されることと相まってナット部材の倒れや破損が一層効果的に抑制される。また、軸方向に離間した2箇所でブラケットおよび取付プレートに固定されるため、ナット部材の姿勢を高い精度で管理することが可能で、バンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴に対して高い精度で同心に配設することができ、挿通穴を一層小さくすることができる。
【0015】
第4発明は、クラッシュボックスが溶接により取付プレートに直接接合されており、上記ブラケットは、そのクラッシュボックスの内部に収容されている場合で、そのブラケットは有底円筒形状で開口側が取付プレートに接合されており、円筒形状の側壁にはクラッシュボックスとの干渉を避けるためにクラッシュボックスの断面輪郭形状に沿って切欠が設けられている。したがって、クラッシュボックスを必要以上に大きくする必要がなく、コンパクトで安価に構成できるとともに、クラッシュボックスと切欠との係合でクラッシュボックスが位置決めされるため、クラッシュボックスを取付プレートに溶接する際の位置決め作業が容易になる。また、ブラケット自体の剛性が低下するため、そのブラケットをプレス加工によって成形する際の曲げ加工や絞り加工等が容易になる。
【0016】
第5発明では、バンパーリインフォースメントに補強用ワッシャが設けられ、その補強用ワッシャの貫通穴がフック部材の軸部を支持する挿通穴として機能するため、バンパーリインフォースメントの変形や破損を抑制しつつフック部材の変形や変位を一層適切に抑制することができる。
【0017】
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかの車両のフック取付構造に用いられるフック取付モジュールで、実質的に第1発明〜第5発明と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例である車両のフック取付構造を説明する図で、(a) はフック取付モジュールの斜視図であり、(b) は(a) におけるIB−IB矢視部分の断面拡大図、(c) は(a) におけるIC−IC矢視部分の断面拡大図で、それぞれサイドメンバに取り付けられるとともにフック部材が装着された状態である。
【図2】図1の(c) におけるII−II矢視断面の拡大図である。
【図3】図1の実施例において取付プレート、ブラケット、およびナット部材が互いに一体的に接合された状態の斜視図である。
【図4】図1の実施例のブラケットを単独で示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例を説明する図で、(a) は図4に対応するブラケットの斜視図、(b) は図2に対応する断面図である。
【図6】本発明の更に別の実施例を説明する図で、車両左側のサイドメンバに取り付けられる連結部の近傍を示す斜視図である。
【図7】図6の実施例の断面図で、(a) は図6におけるVIIA−VIIA矢視部分の断面図、(b) は図6におけるVIIB−VIIB矢視部分の断面図、(c) は(b) におけるVIIC部の拡大図であり、(a) および(b) はそれぞれサイドメンバに取り付けられるとともにフック部材が装着された状態である。
【図8】図6の実施例で用いられるブラケットを単独で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の車両のフック取付構造は、車両前側に取り付けられるものでも車両後側に取り付けられるものでも良く、その前後の両方に適用することもできるが、前後の何れか一方のみに適用するだけでも差し支えない。また、このようなフック取付構造は、一般に車両の左右の何れか一方に設けられるが、左右の両側に設けることも可能である。
【0020】
取付プレートは、例えばボルトおよびナット等のねじ締結手段を介してサイドメンバに一体的に取り付けられるが、溶接等の他の固設手段で固定することもできる。ナット部材は、フック部材のおねじが螺合されるめねじが設けられた円柱形状や角柱形状等の長手状の部材で、めねじの他に、フック部材の軸部に設けられた嵌合軸部に略接するように嵌合される嵌合穴や、フック部材の軸部に設けられたテーパ部に面接触させられるテーパ面を設けることもできるなど、種々の態様が可能である。
【0021】
フック部材は、軸部の一端に例えば円環形状やC字形状等のフックが設けられ、ロープ等により繋がれて他の車両に牽引されたり他の車両や台車等を牽引したりする場合に用いられるもので、車両を船舶等により輸送する際にロープ等で固定する場合にも用いられる。フック部材の軸部はバンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴によって支持されるが、これはフック部材に軸方向と交差する方向に所定値以上の荷重が作用した場合に軸部が挿通穴に接触し、変形したり変位したりしないように支持されるようになっておれば良く、必ずしも常に軸部が挿通穴に接触して支持されている必要はない。すなわち、フック部材に軸方向と交差する方向の荷重が作用していない場合、挿通穴と軸部との間に所定の隙間が存在していても差し支えないのであり、フック部材をナット部材に対して装着したり取り外したりする上で所定の隙間を有することが望ましい。フック部材は、必要な時にナット部材に装着されて使用されるものでも良いが、常時装着したままでも良い。
【0022】
クラッシュボックスは、例えば軸方向へ蛇腹状に圧縮変形(圧壊)させられることによって衝撃エネルギーを吸収するように構成され、断面四角形等の単純な角筒形状や円筒形状であっても良いが、所定の圧壊強度が得られるように筒形状の内側へ突き出すように複数の凹溝が軸方向に設けられても良いなど、種々の態様が可能である。第4発明で用いるブラケットは、このように複数の凹溝を有するクラッシュボックスを使用する場合に有効で、内側へ突き出す凹溝と干渉しないように、その凹溝が突き出す部分に切欠が設けられる。クラッシュボックスが単純な角筒形状や円筒形状で、ブラケットがクラッシュボックスと干渉しない場合には、必ずしもブラケットに切欠を設ける必要はない。
【0023】
クラッシュボックスは、筒形状の軸方向が車両の前後方向となる姿勢で配設されるが、必ずしも厳密に前後方向である必要はなく、前後方向に対して所定角度(例えば10°程度以下)だけ左右或いは上下方向へ傾斜する姿勢で配設されても良い。ナット部材はクラッシュボックスの内側に収容されるが、クラッシュボックスによる衝撃エネルギー吸収性能を確保する上で、ナット部材は、クラッシュボックスの長さ寸法の半分以下の範囲に収容することが望ましい。
【0024】
取付プレート、ナット部材、クラッシュボックス、およびバンパーリインフォースメントが予め一体的に固設されたフック取付モジュールは、例えばアーク溶接やスポット溶接等の溶接(ろう接を含む)によって一体的に接合することが望ましいが、ねじ締結等の他の固設手段を用いることも可能である。何れの固設手段においても、サイドメンバに固定する段階で位置合わせする場合に比較して、複数の部材間の位置精度を容易に確保することができる。
【0025】
第2発明では、車両の左右両側のサイドメンバに対応してバンパーリインフォースメントの左右両側に取付プレートおよびクラッシュボックスが一体的に固設されるが、第1発明の実施に際しては、バンパーリインフォースメントの左右の何れか一方に取付プレート、クラッシュボックス、およびナット部材が一体的に固設されていれば良い。
【0026】
第3発明では、取付プレートにブラケットが設けられ、ナット部材が軸方向に離間した2箇所で取付穴周縁部および取付プレートに溶接により一体的に接合されるが、他の発明の実施に際しては、ブラケットを用いることなくナット部材を軸方向の一箇所で取付プレートに固設するだけでも良い。また、ナット部材を軸方向に沿ってブラケットに溶接することもできるし、ナット部材とクラッシュボックスとを溶接することもできるなど、種々の態様が可能である。
【0027】
第4発明では、クラッシュボックスが取付プレートに直接接合されているが、他の発明の実施に際しては、ナット部材が固設されるブラケットの先端部等にクラッシュボックスを固設することも可能である。また、第4発明のブラケットは有底円筒形状を成しており、底部に取付穴が設けられ、開口側が取付プレートに接合される場合で、円筒形状の側壁の一部に切欠が設けられるが、他の発明の実施に際しては、ハット形状に折り曲げたブラケットを用いることもできるなど、ナット部材を支持するブラケットの形状は適宜定められる。
【0028】
第5発明では、補強用ワッシャがバンパーリインフォースメントに設けられ、その貫通穴がフック部材の軸部を支持する挿通穴として機能するようになっているが、他の発明の実施に際しては、バンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴に直接フック部材の軸部が接触するようになっていても良い。
【実施例1】
【0029】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である車両のフック取付構造10を説明する図で、(a) はそのフック取付構造10の主要部を成すフック取付モジュール12の斜視図、(b) は(a) におけるIB−IB矢視部分の断面拡大図、(c) は(a) におけるIC−IC矢視部分の断面拡大図である。この図1の(b) 、(c) の断面図は、何れもフック取付モジュール12がサイドメンバ14に取り付けられ、且つナット部材16にフック部材18が装着された状態である。また、図2は図1の(c) におけるII−II矢視断面図で、図3は図1の実施例において取付プレート20、ブラケット22、およびナット部材16が互いに一体的に接合された状態の斜視図、図4はブラケット22を単独で示す斜視図である。
【0030】
本実施例のフック取付構造10は車両後部に配置されるもので、前記フック取付モジュール12は、車両の左右両側のサイドメンバ14(右側のサイドメンバは図示せず)に対応して左右両側に一対の連結部28、30を備えている。これ等の連結部28、30は、何れも取付プレート20およびクラッシュボックス26を有して構成されており、クラッシュボックス26の先端部にバンパーリインフォースメント24が一体的に固設されている。そして、取付プレート20が複数のボルト32によってサイドメンバ14の支持プレート34に一体的に固定されるとともに、左側の連結部28には、フック部材18を取り付けることができるように前記ナット部材16が取付プレート20に一体的に配設されている。サイドメンバ14は、断面四角形の筒形状を成していて車両の前後方向に沿って配置されるとともに、その後端部には支持プレート34が車両前後方向に対して略垂直になる姿勢でアーク溶接により一体的に固設されており、取付プレート20は、その支持プレート34に面接触するように重ね合わされた状態でボルト32によって一体的に締結される。取付プレート20には、図3から明らかなように3つの挿通穴36が設けられており、3本のボルト32によって支持プレート34に取り付けられる。なお、上記バンパーリインフォースメント24は、バンパーの補強部材或いは支持部材として機能するもので、図示しないバンパー本体が一体的に装着される。
【0031】
クラッシュボックス26は筒形状の部材で、軸方向の一端部に取付プレート20がアーク溶接により一体的に接合されているとともに、他端部には前記バンパーリインフォースメント24が溶接によって一体的に固設されている。取付プレート20には、クラッシュボックス26の端部形状に対応する膨出部38が設けられており、その膨出部38によって位置決めされるようにクラッシュボックス26が配置されてアーク溶接される。また、バンパーリインフォースメント24の上下の端縁には、図1(c) から明らかなように略直角に折り曲げられたフランジ40が設けられており、そのフランジ40がクラッシュボックス26に重ね合わされた状態でスポット溶接により一体的に接合されている。このクラッシュボックス26は、軸方向が車両の前後方向と略平行となる姿勢で、取付プレート20を介してサイドメンバ14の後端部に取り付けられ、車両後方から衝撃が加えられて軸圧縮荷重を受けると蛇腹状に圧壊させられるとともに、その時の変形で衝撃エネルギーを吸収し、サイドメンバ14等の車両の構造部材に加えられる衝撃を緩和する。
【0032】
クラッシュボックス26は、図2から明らかなように、軸方向に対して直角な断面が上下方向に長い長方形状を成しているとともに、その長方形断面において互いに平行な2辺を構成している幅広の平板状の左右の一対の側壁42、44には、その中間部分にそれぞれ内側へ台形状に突き出すように左右対称的に折り曲げられた凹溝46、48が軸方向の全長に亘って設けられている。また、このクラッシュボックス26は、軸方向と略平行に略対称的に左右に2分割した断面が略M字形状の一対の半割体50および52にて構成されている。この一対の半割体50、52は、それぞれ薄板材にプレスによる曲げ加工等が施されることによって形成されるとともに、開口側の上下の両側端縁部50a、52aがそれぞれ重ね合わされてスポット溶接により一体的に接合されることにより筒形状とされている。
【0033】
前記ナット部材16は円柱形状の部材で、上記クラッシュボックス26と同様に軸方向が車両の前後方向と略平行となる姿勢で取付プレート20に一体的に固設されており、クラッシュボックス26の内部に収容されているとともに、ナット部材16の中心線上には、前記フック部材18の軸部54の先端部分に設けられたおねじ56が螺合されるめねじ58が設けられている。フック部材18の軸部54にはまた、おねじ56よりも大径の嵌合軸部60およびテーパ部62が同心に設けられており、ナット部材16には、その嵌合軸部60に略接するように嵌合される嵌合穴64、およびテーパ部62に密着させられるテーパ面66が同心に形成されている。これ等の係合により、フック部材18はナット部材16に対して所定の取付強度で強固に装着される。なお、ナット部材16の存在でクッシュボックス26の軸方向の圧縮変形が阻害される可能性があるが、ナット部材16の軸方向寸法はクラッシュボックス26の軸方向寸法の1/2以下で、所定の衝撃エネルギー吸収性能が確保されている。
【0034】
フック部材18には、円環形状のフック70が軸部54と一体に設けられており、そのフック70がバンパーリインフォースメント24から車両の後方側へ突き出す状態でナット部材16に装着される。すなわち、バンパーリインフォースメント24には貫通穴72を有する補強用ワッシャ74がスポット溶接等の溶接手段により一体的に固設されており、フック部材18は、軸部54がおねじ56側からその貫通穴72内に挿入されてナット部材16のめねじ58に螺合されるとともに、貫通穴72との係合で軸部54が支持されるようになっている。このフック部材18は、フック70にロープ等を繋いで他の車両を牽引する場合に用いられるが、車両を船舶等により輸送する際にロープ等で固定する場合にも用いられ、フック部材18の軸方向と交差する方向に比較的大きな荷重が加えられる場合がある。その場合、軸部54が貫通穴72に接触することにより、その軸部54が補強用ワッシャ74を介してバンパーリインフォースメント24によって支持され、荷重がバンパーリインフォースメント24に分散されるとともに、軸部54の変形や変位が抑制される。また、軸部54の変形や変位が抑制されることから、フック部材18が螺合されるナット部材16の倒れや破損も抑制される。バンパーリインフォースメント24の補強用ワッシャ74が固設される部分には、貫通穴72よりも大径の逃げ穴が設けられており、フック部材18の軸部54は補強用ワッシャ74の貫通穴72に接触して支持される。貫通穴72は、フック部材18をナット部材16に螺合する際に軸部54が挿入されるとともに、そのフック部材18の装着状態において軸部54を支持する挿通穴に相当する。
【0035】
ここで、軸部54の変形や変位を抑制する上で、貫通穴72はできるだけ小さいことが望ましいが、この貫通穴72を小さくすると、取付プレート20に設けられたナット部材16とバンパーリインフォースメント24に設けられた補強用ワッシャ74との芯ずれでフック部材18をナット部材16に対して螺合できなくなる可能性がある。これに対し、本実施例では補強用ワッシャ74が配設されるバンパーリインフォースメント24はクラッシュボックス26に一体的に溶接されているとともに、そのクラッシュボックス26は取付プレート20に一体的に溶接されている一方、ナット部材16は取付プレート20に一体的に溶接されており、それ等のナット部材16、取付プレート20、バンパーリインフォースメント24、およびクラッシュボックス26が予め一体的に接合されてフック取付モジュール12が構成されている。このため、それ等を別々にボルト等によりサイドメンバ14に固定する場合に比較して、それ等を一体的に固設する段階で相互の位置精度を容易に確保することが可能で、取付プレート20に設けられたナット部材16とバンパーリインフォースメント24に設けられた補強用ワッシャ74との芯ずれが抑制される。これにより、芯ずれでフック部材18をナット部材16に対して螺合できなくなることを確実に防止しつつ、貫通穴72を小さくすることが可能となり、フック部材18に軸方向と交差する方向の荷重が加えられた時のフック部材18の変形や変位を一層適切に抑制することができる。本実施例では、フック部材18は必要な時にナット部材16に装着されて使用されるもので、貫通穴72と軸部54との間には着脱のために所定の隙間が設けられている。
【0036】
一方、本実施例のフック取付モジュール12は、上記フック部材18が装着される左側の連結部28の取付プレート20にブラケット22が設けられ、それ等の取付プレート20およびブラケット22によってナット部材16が一体的に強固に支持されるようになっている。ブラケット22は、図4から明らかなように有底円筒形状を成しており、その開口側に設けられたフランジ80の外周縁部がアーク溶接により取付プレート20に一体的に接合されるとともに、取付プレート20から離間する先端側の底部82には取付穴84が設けられ、その取付穴84と取付プレート20とに跨がってナット部材16が配設される。フランジ80が設けられることにより、取付プレート20に面接触させられて高い接合強度が得られる。取付穴84の径寸法は、ナット部材16の外径と略等しいとともに、取付プレート20にも、ナット部材16の外径と略等しい径寸法の取付穴86が設けられており、ナット部材16はそれ等の取付穴84、86内に嵌合されるように同心に配設され、軸方向に離間した2箇所がアーク溶接により取付プレート20およびブラケット22に一体的に接合されている。
【0037】
このようにナット部材16は軸方向に離間した2箇所で支持されるため、取付プレート20に対するナット部材16の取付強度が高くなり、補強用ワッシャ74によりフック部材18の変形や変位が抑制されることと相まってナット部材16の倒れや破損が一層効果的に抑制される。また、軸方向に離間した2箇所でブラケット22および取付プレート20に固定されるため、ナット部材16の姿勢を高い精度で管理することが可能で、バンパーリインフォースメント24に設けられた補強用ワッシャ74の貫通穴72に対して高い精度で同心に配設することができ、貫通穴72を一層小さくして軸部54に対する支持性能を向上させることができる。
【0038】
上記ブラケット22の円筒形状の側壁88には、前記クラッシュボックス26との干渉を避けるためにクラッシュボックス26の断面輪郭形状に沿って一対の切欠90、92が設けられている。すなわち、本実施例のクラッシュボックス26の左右の側壁42、44には凹溝46、48が設けられているため、ブラケット22の側壁88には、図2から明らかなようにそれ等の凹溝46、48に対応して一対の切欠90、92が設けられているのである。これ等の切欠90、92はフランジ80の外周縁に達している。これにより、ブラケット22と干渉しないようにクラッシュボックス26を必要以上に大きくする必要がなく、コンパクトで安価に構成できるとともに、クラッシュボックス26と切欠90、92との係合でクラッシュボックス26が位置決めされるため、クラッシュボックス26を取付プレート20に溶接する際の位置決め作業等が容易になる。また、ブラケット22自体の剛性が低下するため、そのブラケット22をプレス加工によって成形する際の絞り加工等が容易になる。側壁88とフランジ80、底部82との境界部分は、軸方向の断面が何れも円弧状に湾曲させられており、ナット部材16の長手方向の支持強度が高められている。
【0039】
このように、本実施例の車両のフック取付構造10においては、内側にナット部材16が収容されるように取付プレート20にクラッシュボックス26が一体的に固設され、そのクラッシュボックス26の先端部にバンパーリインフォースメント24が一体的に固設されるため、コンパクトに構成しつつ車両衝突時にバンパーリインフォースメント24からサイドメンバ14に伝達される衝撃が緩和される。
【0040】
その場合に、本実施例では上記ナット部材16、取付プレート20、ブラケット22、バンパーリインフォースメント24、およびクラッシュボックス26が予め互いに一体的に溶接されてフック取付モジュール12を構成しており、そのフック取付モジュール12の状態で取付プレート20を介して複数のボルト32によりサイドメンバ14に取り付けられるため、サイドメンバ14に対する取付作業が容易であるとともに、それ等を一体的に溶接する段階で相互の位置精度を容易に確保できる。このため、取付プレート20に設けられたナット部材16とバンパーリインフォースメント24に設けられた補強用ワッシャ74との芯ずれが抑制され、芯ずれによりフック部材18をナット部材16に対して螺合できなくなることを確実に防止しつつ、補強用ワッシャ74の貫通穴72を小さくして、フック部材18に軸方向と交差する方向の荷重が加えられた時のフック部材18の軸部54の変形や変位が一層適切に抑制されるようにすることができる。
【0041】
また、車両の左右両側のサイドメンバ14に対応してバンパーリインフォースメント24の左右両側に取付プレート20およびクラッシュボックス26を有する一対の連結部28、30が一体的に設けられているとともに、左側の連結部28の取付プレート20にナット部材16が一体的に固設されているため、左右両側のサイドメンバ14に対してフック取付モジュール12を容易に取り付けることができる。
【0042】
また、本実施例では左側の連結部28の取付プレート20にブラケット22が一体的に溶接されており、ナット部材16は、そのブラケット22の取付穴84と取付プレート20の取付穴86とに跨がって配設されて軸方向に離間した2箇所でそれ等の取付プレート20およびブラケット22に一体的に溶接されるため、取付プレート20に対するナット部材16の取付強度が高くなり、補強用ワッシャ74によりフック部材18の軸部54の変形や変位が抑制されることと相まってナット部材16の倒れや破損が一層効果的に抑制される。
【0043】
また、ナット部材16は軸方向に離間した2箇所でブラケット22および取付プレート20に固定されるため、ナット部材16の姿勢を高い精度で管理することが可能で、バンパーリインフォースメント24に設けられた補強用ワッシャ74の貫通穴72に対して高い精度で同心に配設することができ、貫通穴72を一層小さくして軸部54に対する支持性能を向上させることができる。
【0044】
また、クラッシュボックス26が溶接により取付プレート20に直接接合されており、上記ブラケット22は、そのクラッシュボックス26の内部に収容されているとともに、クラッシュボックス26との干渉をさけるための切欠90、92が側壁88に設けられているため、クラッシュボックス26を必要以上に大きくする必要がなく、コンパクトで安価に構成できる。また、クラッシュボックス26と切欠90、92との係合でクラッシュボックス26が位置決めされるため、クラッシュボックス26を取付プレート20に溶接する際の位置決め作業等が容易になる一方、ブラケット22自体の剛性が低下するため、そのブラケット22をプレス加工によって成形する際の絞り加工等が容易になる。
【0045】
また、本実施例ではバンパーリインフォースメント24に補強用ワッシャ74が設けられ、その補強用ワッシャ74の貫通穴72がフック部材18の軸部54を支持する挿通穴として機能するため、バンパーリインフォースメント24の変形や破損を抑制しつつフック部材18の軸部54の変形や変位を一層適切に抑制することができる。
【実施例2】
【0046】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0047】
図5(a) のブラケット100は、前記実施例のブラケット22の代わりに用いられるもので、ブラケット22に比較して一対の切欠90、92が無い円筒形状の側壁88、および円環形状のフランジ80を備えている。すなわち、前記実施例では図2に示すように左右両側の側壁42、44に内側へ突き出す凹溝46、48が設けられたクラッシュボックス26が用いられていたが、図5の(b) に示すように前記凹溝46、48が無い平坦な側壁42、44を有する長方形断面(角部の傾斜を含めると8角形断面)のクラッシュボックス102の場合、ナット部材16の周囲に十分なスペースがあるためブラケット100がクラッシュボックス102と干渉する恐れがなく、切欠90、92を設ける必要がないのである。図5の(a) は前記図4に対応するブラケット100の斜視図で、図5の(b) は前記図2に対応する断面図である。
【実施例3】
【0048】
図6は、フック部材18が装着される左側の連結部110の近傍を示す斜視図で、図7の(a) 、(b) はそれぞれ図6におけるVIIA−VIIA矢視部分、VIIB−VIIB矢視部分の断面図であり、(c) は(b) におけるVIIC部の拡大図である。この図7の(a) 、(b) は、それぞれ連結部110がサイドメンバ14に固定されるとともにナット部材16にフック部材18が装着された状態である。また、図8は、連結部110に用いられているブラケット112を単独で示す斜視図である。このブラケット112は偏平な四角形の有底箱形状を成しており、その開口側に設けられた4つのフランジ114a〜114dの中下方のフランジ114dを除く3つのフランジ114a〜114cの周縁部がそれぞれアーク溶接により取付プレート20に一体的に接合される。また、上方のフランジ114aを除く3つのフランジ114b〜114dは比較的大きいとともに、前記挿通穴36と同じ位置に挿通穴116が設けられており、前記ボルト32によって取付プレート20と共に支持プレート34に一体的に固定される。
【0049】
上記ブラケット112の取付プレート20から離間する先端側の底部118には前記取付穴84が設けられ、前記実施例と同様にその取付穴84と取付プレート20とに跨がってナット部材16が配設される。四角形の角筒形状の側壁120とフランジ114a〜114dとの境界部分、および側壁120と底部118との境界部分は、軸方向の断面が何れも円弧状に湾曲させられており、ナット部材16の長手方向の支持強度が高められている。また、側壁120と底部118との境界部分には段差122が全周に設けられており、前記クラッシュボックス26は、軸方向の端縁が段差122に係止された状態で、その端縁部分がアーク溶接によりブラケット112に一体的に接合されている。クラッシュボックス26は、図2の断面図から明らかなように凹溝46、48および傾斜部を有するが、その凹溝46、48および傾斜部を除く部分、すなわち左右の側壁42、44の各々の上下の2箇所(計4箇所)、および上下の側壁の各々の中央部分の計6箇所が、他の部分よりも軸方向へ突き出して段差122に係止される。このように段差122に係止されることにより、クラッシュボックス26に加えられる軸方向荷重が確実にブラケット112からサイドメンバ14に伝達され、クラッシュボックス26が適切に軸方向へ圧縮されて衝撃を吸収できる。なお、このようにクラッシュボックス26がブラケット112とバンパーリインフォースメント24との間に配設されることから、ナット部材16との重なり寸法が短くなり、それに関連してクラッシュボックス26の軸方向長さを短くできる。
【0050】
本実施例においても、ナット部材16、取付プレート20、バンパーリインフォースメント24、クラッシュボックス26、およびブラケット112が予め互いに一体的に溶接されてフック取付モジュール124を構成しており、そのフック取付モジュール124の状態で取付プレート20を介して複数のボルト32によりサイドメンバ14に取り付けられる。このため、サイドメンバ14に対する取付作業が容易であるとともに、それ等を一体的に溶接する段階で相互の位置精度を容易に確保することが可能で、取付プレート20に設けられたナット部材16とバンパーリインフォースメント24に設けられた補強用ワッシャ74との芯ずれが抑制され、補強用ワッシャ74の貫通穴72を小さくしてフック部材18の軸部54の変形や変位を一層適切に抑制できるなど、実質的に前記実施例と同様の作用効果が得られる。
【0051】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
10:フック取付構造 12、124:フック取付モジュール 14:サイドメンバ 16:ナット部材 18:フック部材 20:取付プレート 22、100、112:ブラケット 24:バンパーリインフォースメント 26、102:クラッシュボックス 54:軸部 56:おねじ 58:めねじ 72:貫通穴(挿通穴) 74:補強用ワッシャ 84:取付穴 90、92:切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前後方向に沿って配設されるサイドメンバの端部に取付プレートを介して一体的に固設されるナット部材を有し、フック部材の軸部がバンパーリインフォースメントに設けられた挿通穴内に挿入されるとともに、該軸部に設けられたおねじが前記ナット部材のめねじに螺合され且つ該挿通穴によって該軸部が支持される車両のフック取付構造において、
前記取付プレートには、軸方向に圧縮されることにより衝撃エネルギーを吸収する筒形状のクラッシュボックスが一体的に固設されており、該クラッシュボックスの先端部に前記バンパーリインフォースメントが一体的に固設されるとともに、該クラッシュボックスの内側に前記ナット部材が収容されている一方、
前記取付プレート、前記ナット部材、前記クラッシュボックス、および前記バンパーリインフォースメントは、予め互いに一体的に固設されてフック取付モジュールを構成しており、前記取付プレートを介して前記サイドメンバに取り付けられる
ことを特徴とする車両のフック取付構造。
【請求項2】
前記フック取付モジュールは、車両の左右両側のサイドメンバに対応して前記バンパーリインフォースメントの左右両側に前記取付プレートおよび前記クラッシュボックスが一体的に固設されているとともに、その少なくとも一方の取付プレートに、前記フック部材を取り付けることができるように前記ナット部材が一体的に固設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のフック取付構造。
【請求項3】
前記フック部材を取り付けることができるように前記ナット部材が固設される前記取付プレートには、該取付プレートから離間した先端部に取付穴が設けられたブラケットが溶接により一体的に接合されており、
前記ナット部材は、前記ブラケットの前記取付穴と前記取付プレートとに跨がって配設され、軸方向に離間した2箇所で該取付穴の周縁部および該取付プレートに溶接により一体的に接合されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のフック取付構造。
【請求項4】
前記クラッシュボックスは溶接により前記取付プレートに直接接合されており、前記ブラケットは該クラッシュボックスの内部に収容されているとともに、
該ブラケットは有底円筒形状を成していて、底部に前記取付穴が設けられるとともに開口側が溶接により前記取付プレートに一体的に接合されているもので、その円筒形状の側壁には、前記クラッシュボックスとの干渉を避けるために該クラッシュボックスの断面輪郭形状に沿って切欠が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の車両のフック取付構造。
【請求項5】
前記バンパーリインフォースメントには、前記挿通穴として機能する貫通穴を有する補強用ワッシャが溶接により一体的に接合されている
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両のフック取付構造。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の車両のフック取付構造に用いられるフック取付モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−224099(P2012−224099A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90468(P2011−90468)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000241496)豊田鉄工株式会社 (104)
【Fターム(参考)】