説明

車両の人員拘束装置用ガス発生器

【課題】構造が簡略化され、作動時におけるガス漏れも防止されているガス発生器の提供。
【解決手段】点火器31が固定された点火器カラー32が、固定用環状溝51が嵌め込まれることで、ハウジング底部22に取り付けられている。Oリング72が嵌め込まれた環状空間71を形成している環状外壁63は、他の壁部と比べると薄肉であり、ハウジング底部22に当接されている。作動時の圧力でハウジング底部22が変形したとき、それに応じて環状外壁63も変形することで、歪みが吸収され、ガス漏れが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置等に適した車両の人員拘束装置用ガス発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の人員拘束装置用ガス発生器は、内部構造が単純で組立やすいものが好ましい。このため、できるだけ溶接箇所を減らす観点から、外殻ハウジングをディフューザとクロージャから形成して、それらの溶接箇所を1箇所とした構造が知られている。
【0003】
特許文献1のガス発生器は、ブラケット32が形成されたベース14に対して、ディフューザキャップ16側壁22の先端部を溶接して取り付けた構造である。点火器62は、アダプタ64に取り付けられ、更にベース14の取付開口26に取り付けられている。また点火器90も同様に、アダプタ92に取り付けられ、更に取付開口30に対して、溶接等の方法によって取り付けられている。
【0004】
外殻容器は、ディフューザキャップ16とベース14を溶接した構造であり、ガス発生器の作動時に容器内部の圧力でハウジングが変形する場合が考えられる。このとき、アダプター64、92が強固に形成されている場合、ハウジング(特にベース14)の変形に伴い、アダプターとベースの間で行われた固定(溶接など)手段が破壊されて、隙間が形成されやすくなり、ハウジング内部のシールが維持できなくなる。
【特許文献1】米国特許第6,032,979号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造を簡略化することができ、作動時におけるハウジングの密閉性を維持してガス漏れも防止できる車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔請求項1〕
本発明は、課題の解決手段として、
ハウジング底部の開口部に、点火器カラーを介して点火器が取り付けられており、
前記点火器カラーが、前記点火器を支持する本体部と、前記ハウジング底部に固定する取付部とを有しており、
作動時においてハウジングが膨張して変形したとき、前記取付部の少なくとも一部が、前記ハウジングの変形に対応して変形することで、前記ハウジングの変形による歪みを吸収して前記ハウジングと前記点火器カラーとの間をシールする、車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
【0007】
ガス発生器の作動時、ガス発生剤の燃焼により発生したガスにより、ハウジング内の圧力が上昇する。この内圧の上昇によりハウジングが変形して歪みが生じた場合、例えば、ハウジング底部の開口部とそこに取り付けられた点火器カラーとの接続部分に隙間が生じたり、ハウジングに割れが生じたりして、そこから燃焼ガスが漏れるおそれがある。
【0008】
このような内圧の上昇によるハウジングの変形を防止するには、ハウジングの肉厚を厚くしたり、ハウジング内に支持部材を配置したりする方法があるが、それではガス発生器の質量が増加したり、大型化したりしてしまう。
【0009】
そこで本発明は、上記のような内圧の上昇によるハウジングの変形が生じた場合に、点火器カラーがハウジングの変形に応じて変形することで、ハウジングの変形による歪みを吸収して、ハウジングと点火器カラーとの接合部に隙間が生じたり、ハウジングにひび割れ等が発生したりすることを防止することで、密閉性を維持してガス漏れの発生も防止するものである。
【0010】
点火器カラーは、鉄、ステンレス等からなる金属製のものであり、内部に形成された凹部(通常は、底部に導電ピンを貫通されるための孔を有している。)に直接又は樹脂等の他部材を介して点火器本体が固定された構造のものである。
【0011】
なお、本発明において半径方向及び軸方向というときは、ハウジングを基準とする方向である。
【0012】
〔請求項2〕
本発明は、課題の他の解決手段として、
前記点火器カラーの取付部が、前記ハウジング開口部の外側方向に突き出された突出部を有し、前記突出部が半径方向に凹部が形成された固定用環状溝を有しており、
前記固定用環状溝がハウジング底部の開口部周縁に対して嵌め込まれることで、前記ハウジングに前記点火器カラーが固定されている、請求項1記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
【0013】
このようにハウジング底部の開口部に対して、固定用環状溝が固く嵌め込まれた状態にて点火器カラーが固定されているため、作動時においてハウジングが変形して歪みが生じた場合でも、ハウジングから点火器カラーが脱落することがなく、ガス漏れ防止にも寄与できる。
【0014】
〔請求項3〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記取付部の一部が、ハウジング底部の開口部近傍の内表面と接しており、前記内表面と接している部分が外力を受けたときに変形する、請求項1又は2記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
【0015】
このようにして取付部の一部が変形することにより、作動時におけるハウジング変形による歪みを吸収することができる。
【0016】
〔請求項4〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記取付部の一部が、ハウジング底部の開口部近傍の内表面と接しており、前記内表面と接している部分が他の部分に比べて薄肉になるように形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
【0017】
このようにして取付部の一部が変形することにより、作動時におけるハウジング変形による歪みを吸収することができる。
【0018】
〔請求項5〕
本発明は、課題の他の解決手段として、
前記取付部の一部が、前記ハウジング底部の内表面と接する部分に軸方向に凹部が形成された変形可能な環状溝を有しており、
前記変形可能な環状溝が、環状内壁、環状天井壁及び環状外壁から形成され、前記環状内壁、前記環状天井壁及び前記環状外壁と、前記ハウジング底部から形成される環状空間内に弾性部材からなるOリングが嵌め込まれており、
作動時においてハウジングが膨張して変形したとき、前記環状内壁、前記環状天井壁及び前記環状外壁の内の少なくとも1つが、前記ハウジングの変形に対応して変形することで、前記ハウジングの変形による歪みを吸収して前記ハウジングと前記点火器カラーとの間をシールする、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
【0019】
このようにして、変形可能な環状溝を形成する前記環状内壁、前記環状天井壁及び前記環状外壁の内の少なくとも1つが変形することにより、作動時におけるハウジング変形による歪みを吸収することができる。そして、ハウジングの変形に対応して、変形可能な環状溝に嵌め込まれたOリングも変形することで、シール性を維持したままで歪みの吸収作用がより高められる。
【0020】
本発明のガス発生器は、点火手段が1つのシングル型のもの、点火手段が2つで、同時及び時間差点火が可能なデュアル型のいずれにも適用できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のガス発生器は、構造を簡略化して全体を軽量化したとき、作動時の圧力によりハウジングが変形した場合であっても、ハウジングと点火器カラーの間のシール性が維持され、ガス漏れが生じることが防止されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(1)図1、図2のガス発生器
図1(a)は、本発明のガス発生器10の縦断面図、図1(b)は、図1(a)の部分断面図(組立前のハウジングの部分断面図)である。図2(a)、(b)は、ハウジングに対する点火器カラーの取付構造を説明するための部分拡大断面図、図3は、図1(a)のガス発生器10の動作を説明するための部分拡大断面図である。
【0023】
ハウジング13は、ディフューザシェル11とクロージャシェル12がそれぞれのフランジ部で溶接固定されて形成されている。ディフューザシェル11は、複数のガス排出口14を有しており、防湿のため、内側からアルミニウムテープ15で閉塞されている。ハウジング13内には、ガス排出口14との間に間隔をおいて、筒状のクーラントフィルタ16が配置されている。
【0024】
図1(b)に示すとおり、クロージャシェル12は、周壁部21と底部22とを有しており、底部(ハウジング底部)22は、2つの点火手段を取り付けるための第1開口部23と第2開口部24を有している。
【0025】
ハウジング13内にはインナーシェル17が配置されており、ハウジング13の内壁面、クーラントフィルタ16の内周面、インナーシェル17の外表面で囲まれた空間が第1燃焼室30となっている。
【0026】
第1燃焼室30内に面した第1開口部23には、第1点火器31と第1点火器カラー32からなる第1点火手段が取り付けられており、第1点火器31と第1点火器カラー32は樹脂36で一体化されている。
【0027】
第1点火器カラー32は、第1点火器31を接触保持している部分とその近傍が本体部であり、ハウジング底部22と接触している部分とその近傍が取付部であり、外側に面した凹部がコネクタ差し込み空間39である。なお、本体部と取付部は一体となって第1点火器カラー32を形成しているもので、それらの間に境界があるものではない。
【0028】
図2に示すとおり、第1点火器カラー32の取付部は、第1開口部23の外側方向に突き出された突出部50を有している。突出部50は、半径方向に凹部が形成された固定用環状溝51を有しており、固定用環状溝51が第1開口部23の周縁部23aに対して嵌め込まれている。
【0029】
固定用環状溝51は、下方向に真っ直ぐに延びた先端部50aをハウジング底部22の外表面に接するようにかしめて形成されたものでもよいし、予め図示する形状に形成された固定用環状溝51を第1開口部23の周縁部23aに嵌め込んだ後、ハウジング底部22の外表面に対して先端部50aを叩き潰して押し付けたものでもよい。
【0030】
第1点火器カラー32の取付部は、変形可能な環状溝60を有している。変形可能な環状溝60は、環状内壁61、環状天井壁62及び環状外壁63から形成されている。そして、変形可能な環状溝60とハウジング底部22の内表面で形成される環状空間71内には、弾性部材からなるOリング72が嵌め込まれている。
【0031】
変形可能な環状溝60を形成する環状外壁63は、環状溝60を形成する他の壁部分や固定用環状溝51を形成する壁部分よりも薄肉になるように形成されているため、力が加えられたときに変形し易くなっている。
【0032】
第1燃焼室30内には、インナーシェル17と間隔をおいて、周壁に複数の伝火ノズル18aを有する上端側が閉塞された伝火チューブ18が配置されている。複数の伝火ノズル18aは、外側からシールテープ(図示せず)で閉塞されている。
【0033】
伝火チューブ18の内部は点火手段室33となっており、所要量の伝火薬34が充填されている。伝火チューブ18は、上端閉塞面がハウジング13の天井面に当接されており、第1点火器31の着火部を包囲した状態にて、下端開口部のフランジ部が第1点火器カラー32に当接されており、上下から挟み付けられることで固定されている。
【0034】
伝火薬34は、ボロン硝石など公知の伝火薬を使用できるほか、特開2005−199867号公報にて開示されている燃焼温度の高いガス発生剤(ニトログアニジン系ガス発生剤)を使用することもできる。
【0035】
第1燃焼室30内の伝火チューブ18の外側には、所要量の第1ガス発生剤35が充填されている。第1ガス発生剤35は、特開2005−199867号公報に開示された燃焼温度の低いものを使用することができる。
【0036】
第2燃焼室40は、インナーシェル17で囲まれた空間であり、内部には所要量の第2ガス発生剤45が充填されている。第1燃焼室30と第2燃焼室40の容積比は、同じでも異なっていてもよい。インナーシェル17は、周壁面に貫通孔17aを有しており、内側から金網状のフィルタ19で覆われている。
【0037】
インナーシェル17は、ハウジング13の中心軸に対して偏心して配置・固定されている。インナーシェル17の偏心度は、10〜75%の範囲で適宜選択することができる。インナーシェル17は、クーラントフィルター16との間に隙間をおいて配置されている。この隙間は、クーラントフィルター16とインナーシェル17との間にガスの流れを作り、クーラントフィルター16の全面を有効に使うことを目的とするものであり、またインナーシェル17の開口部が開口する際にクーラントフィルター16が障害とならないようにするためのものでもある。
【0038】
第2ガス発生剤45は、第1ガス発生剤35と同じものでもよいし、燃焼速度、組成、組成比及び充填量の内の少なくとも1つ以上が異なるものでもよい。第2燃焼室40内には、必要に応じて第1燃焼室30と同じ伝火薬を配置してもよい。
【0039】
第2燃焼室40に面した第2開口部24には、第2点火器41と第2点火器カラー42からなる第2点火手段が取り付けられており、第2点火器41と第2点火器カラー42は樹脂46で一体化されている。
【0040】
第2点火器カラー42と、ハウジング底部22に形成された第2開口部24の周縁部24aに対する取付構造は、第1点火器カラー32の場合と同じである。
【0041】
次に、図1〜図3により、ガス発生器10を自動車のエアバッグシステムに組み込んだ場合の動作を説明する。
【0042】
自動車が衝突して衝撃を受けたとき、コントロールユニットからの作動信号を受け、第1点火器31が作動点火して生じた火炎等により、伝火チューブ18内の伝火薬34が着火燃焼され、伝火ノズル18aから火炎や高温ガス等が排出される。
【0043】
伝火ノズル18aから排出された火炎や高温ガス等により、第1ガス発生剤35が着火燃焼されて高温ガスが発生する。この高温ガスは、クーラントフィルタ16を通って冷却濾過された後、アルミニウムテープ15を破ってガス排出口14から排出され、エアバッグを膨張させる。
【0044】
第1点火器31の作動から僅かに遅れて第2点火器41が作動点火して生じた火炎等により、第2ガス発生剤45が着火燃焼されて高温ガスが発生する。この高温ガスは、貫通孔17aから第1燃焼室30内に排出された後、クーラントフィルタ16を通って冷却濾過された後、開放されたガス排出口14から排出され、更にエアバッグを膨張させる。
【0045】
このような動作過程において、内圧の上昇を受けたハウジング13(ハウジング底部22)が図2(a)から図3に示すようにして変形したとき、前記ハウジング13の変形に対応して、他の部分と比べると最も薄肉になるように形成されている環状外壁63が変形し、更に環状溝71内に嵌め込まれたOリング72も押し潰されるように変形する。
【0046】
このように環状外壁63とOリング72が変形することにより、ハウジング13の変形による歪みが吸収される。そして、点火器カラー32と第1開口部23は、固定用環状溝51により、強固に結合されているため、ハウジング13の変形が生じても、結合状態は維持されている。よって、ハウジング13が変形したときにも、点火器カラー32、42とハウジング13との接合部に隙間が生じたり、ハウジング底部22等に割れが生じたりすることがなく、Oリング72によるシールも維持されるため、作動時においてガス漏れが生じることがない。
【0047】
(2)図4、図5のガス発生器
図4(a)、(b)は、別実施形態であるガス発生器のハウジングに対する点火器カラーの取付構造を説明するための部分拡大断面図、図5は、図4(a)のガス発生器の動作を説明するための部分拡大断面図である。図4、図5に示すガス発生器は、図1のガス発生器10とは、ハウジングに対する点火器カラーの取付構造が異なるだけであり、図1と同一番号のものは同一のものであることを意味する。
【0048】
第2燃焼室40内に面した第2開口部24には、第2点火器41と第2点火器カラー42からなる第2点火手段が取り付けられており、第2点火器41と第2点火器カラー42は樹脂46で一体化されている。
【0049】
第2点火器カラー42は、第2点火器41を接触保持している部分とその近傍が本体部であり、ハウジング底部22と接触している部分とその近傍が取付部であり、外側に面した凹部がコネクタ差し込み空間49である。なお、本体部と取付部は一体となって第2点火器カラー42を形成しているもので、それらの間に境界があるものではない。
【0050】
第2点火器カラー42の取付部は、第2開口部24の外側方向に突き出された突出部150を有しており、突出部150は、半径方向に凹部が形成された固定用環状溝151を有しており、固定用環状溝151が第2開口部24の周縁部24aに対して嵌め込まれている。
【0051】
固定用環状溝151は、下方向に真っ直ぐに延びた先端部150aをハウジング底部22の外表面に接するようにかしめて形成されたものでもよいし、予め図示する形状に形成された固定用環状溝151を第1開口部23の周縁部23aに嵌め込んだ後、ハウジング底部22の外表面に対して先端部150aを叩き潰して押し付けたものでもよい。
【0052】
第2点火器カラー42の取付部は、変形可能な環状溝160を有している。変形可能な環状溝160は、環状内壁161、環状天井壁162及び環状外壁163から形成されている。そして、変形可能な環状溝160とハウジング底部22の内表面で形成される環状空間171内には、弾性部材からなるOリング172が嵌め込まれている。
【0053】
変形可能な環状溝160を形成する環状天井壁162は、環状溝160を形成する他の壁部分や固定用環状溝151を形成する壁部分よりも薄肉になるように形成されているため、力が加えられたときに変形し易くなっている。
【0054】
第2点火器カラー32と、ハウジング底部22に形成された第2開口部23の周縁部23aに対する取付構造は、第2点火器カラー42の場合と同じである。
【0055】
図1のガス発生器10において図4、図5で示す取付構造を有する場合、内圧の上昇を受けたハウジング13が図4(a)から図5に示すようにして変形したとき、前記ハウジング13の変形に対応して、他の部分と比べると最も薄肉になるように形成されている環状天井壁162が変形し、更に環状溝171内に嵌め込まれたOリング172も押し潰されるように変形する。
【0056】
このように環状天井壁162とOリング172が変形することにより、ハウジング13の変形による歪みが吸収される。そして、点火器カラー42と第2開口部24は、固定用環状溝151により、強固に結合されているため、ハウジング13の変形が生じても、結合状態は維持されている。よって、ハウジング13が変形したときにも、点火器カラー32、42とハウジング13との接合部に隙間が生じたり、ハウジング底部22等に割れが生じたりすることがなく、Oリング172によりシールが維持されており、作動時においてガス漏れが生じることがない。なお、図2〜図5は、ハウジングの変形により環状溝の変形例を示すものであり、変形の仕方はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0057】
図1〜図5は、デュアル型のガス発生器の実施形態であるが、点火器を固定した点火器カラーからなる1つの点火手段を有するシングル型のガス発生器のハウジングへの取付構造として、図2に示す取付構造又は図4に示す取付構造を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明のガス発生器の縦断面図。
【図2】(a)、(b)は、図1のガス発生器において、ハウジングに対する点火器カラーの取付構造を説明するための部分拡大断面図。
【図3】図1(a)のガス発生器の動作を説明するための部分拡大断面図。
【図4】(a)、(b)は、他実施形態のガス発生器において、ハウジングに対する点火器カラーの取付構造を説明するための部分拡大断面図。
【図5】図4のガス発生器の動作を説明するための部分拡大断面図。
【符号の説明】
【0059】
10 ガス発生器
11 ディフューザシェル
12 クロージャシェル
13 ハウジング
14 ガス排出口
30 第1燃焼室
31 第1点火器
32 第1点火器カラー
40 第2燃焼室
41 第2点火器
42 第2点火器カラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング底部の開口部に、点火器カラーを介して点火器が取り付けられており、
前記点火器カラーが、前記点火器を支持する本体部と、前記ハウジング底部に固定する取付部とを有しており、
作動時においてハウジングが膨張して変形したとき、前記取付部の少なくとも一部が、前記ハウジングの変形に対応して変形することで、前記ハウジングの変形による歪みを吸収して前記ハウジングと前記点火器カラーとの間をシールする、車両の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項2】
前記点火器カラーの取付部が、前記ハウジング開口部の外側方向に突き出された突出部を有し、前記突出部が半径方向に凹部が形成された固定用環状溝を有しており、
前記固定用環状溝がハウジング底部の開口部周縁に対して嵌め込まれることで、前記ハウジングに前記点火器カラーが固定されている、請求項1記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項3】
前記取付部の一部が、ハウジング底部の開口部近傍の内表面と接しており、前記内表面と接している部分が外力を受けたときに変形する、請求項1又は2記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項4】
前記取付部の一部が、ハウジング底部の開口部近傍の内表面と接しており、前記内表面と接している部分が他の部分に比べて薄肉になるように形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器。
【請求項5】
前記取付部の一部が、前記ハウジング底部の内表面と接する部分に軸方向に凹部が形成された変形可能な環状溝を有しており、
前記変形可能な環状溝が、環状内壁、環状天井壁及び環状外壁から形成され、前記環状内壁、前記環状天井壁及び前記環状外壁と、前記ハウジング底部から形成される環状空間内に弾性部材からなるOリングが嵌め込まれており、
作動時においてハウジングが膨張して変形したとき、前記環状内壁、前記環状天井壁及び前記環状外壁の内の少なくとも1つが、前記ハウジングの変形に対応して変形することで、前記ハウジングの変形による歪みを吸収して前記ハウジングと前記点火器カラーとの間をシールする、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−114718(P2008−114718A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299783(P2006−299783)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】