説明

車両の位置決め装置

【課題】簡単な構造、安価なコストで効率的に車両の位置決めを行うことができる車両の位置決め装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る車両位置決め装置25は、車両の非操舵輪である後輪が接地されて車両の非操舵輪側を車幅方向に移動可能にする前後ローラ35を設けると共に、車両の操舵輪である前輪に当接して荷重を加えることによって車両の前輪側の車幅方向位置を規制する縦ローラ37を設け、車両を走行させながら前記車両の車幅方向の位置を調整するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車幅方向位置を規制する車両の位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリを駆動源として走行する電気自動車の開発が進められており、該電気自動車にはバッテリ交換方式のものがある。このバッテリ交換方式は、例えば電力消費量が少ない夜間にバッテリに予め充電しておき、電気自動車に搭載されたバッテリが消耗したときに、充電済みのバッテリと交換する方式である。
【0003】
ここで、バッテリを交換するときに、位置検出手段でバッテリ車体収納部の位置を検出し、その検出結果に基づき、位置合せ手段でバッテリユニットとバッテリ車体収納部との位置合せを行う技術が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3530870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる従来のバッテリ交換方式では、センサー等の位置検出手段と位置合せ手段とを用いるため、複雑な構造でコストが高くなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、簡単な構造、安価なコストで効率的に車両の位置決めを行うことができる車両の位置決め装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両位置決め装置は、車両の非操舵輪が接地されて車両の非操舵輪側を車幅方向に移動可能にする非操舵輪用移動可能化手段を設けると共に、車両の非操舵輪に当接して荷重を加えることによって車両の非操舵輪側の車幅方向位置を規制する非操舵輪用規制手段を設け、車両を走行させながら前記車両の車幅方向の位置を調整するようにしたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る車両位置決め装置によれば、車両の操舵輪側でなく非操舵輪側を基準として車幅方向位置を規制するため、効率的に車両の位置決めを行うことができる。即ち、車両では、一般的に、非操舵輪の操舵角度範囲よりも操舵輪の操舵角度範囲が大きく設定されるため、操舵輪を基準として位置決めを行うと位置決め精度が低下してしまうおそれがある。
【0009】
従って、本発明では、非操舵輪を基準として車両の位置決めを行うことで、車両の車幅方向の位置決め精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態にかかる車両の位置決めシステム全体を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の実施形態にかかる車両の位置決め装置を示す斜視図である。
【図4】図3の位置決め装置の上に車両が載置されている状態を示す斜視図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】後輪を縦ローラによって車幅方向の位置規制を行っている状態を示す一部断面の斜視図である。
【図8】後輪を縦ローラによって車幅方向の位置規制を行っている状態を示す正面図である。
【図9】図8の平面図である。
【図10】前輪側の縦ローラを示す正面図である。
【図11】前輪を縦ローラによって車幅方向の位置規制を行っている状態を示す正面図である。
【図12】本図のうち、(a)は前輪用および後輪用の前後ローラの長さ関係を示す平面図、(b)はこれらの前後ローラ上を走行する前輪と後輪の位置関係を示す平面図である。
【図13】後輪用縦ローラおよび前輪用前側縦ローラの距離と、車両のホイールベースとの長さ関係を示す平面図である。
【図14】バッテリアセンブリを上下動させる昇降装置を設けた位置決め装置を示す斜視図である。
【図15】前輪用縦ローラの前後位置を変えることが可能な車両位置決め装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態では、車両の前輪が操舵輪であり、後輪が非操舵輪に設定されている。
【0012】
図1は本発明の実施形態にかかる車両の位置決めシステム全体を示す側面図、および、図2は図1の平面図である。
【0013】
図1,2に示すように、本発明の実施形態にかかる車両の位置決めシステム1は、車両3を導入させる導入区間5と、該導入区間5の先方側に配置されて車両3の位置決めが行われる位置決め区間7と、該位置決め区間7の先方側に配置された導出区間9とからなる。前記導入区間5は上り坂11、位置決め区間7は平坦路12、および、導出区間9は下り坂15に形成されており、導入区間5を上り坂11とすれば、車両3の速度を低くしやすいという利点がある。なお、これら導入区間5および導出区間9を、共に平坦路に設定してもよい。また、前記導入区間5〜導出区間9に至るまで、左右一対の軌道部材17,17が車両進行方向(車両前方)に沿って延設されており、これらの軌道部材17の車幅方向外側の縁部には、車両進行方向に沿ってガイドレール19(図3参照)が延設され、車輪が軌道部材17から離脱するのが抑制されている。前記位置決め区間7には、後輪用の車輪位置決め機構21と、前輪用の車輪位置決め機構23と、を有する車両の位置決め装置25が配設されている。
【0014】
この車両位置決めシステム1では、ドライバが車輪(タイヤ)を軌道部材17上に乗せつつ車両3を比較的低速で前進させることにより、後輪27が後輪用の車輪位置決め機構21で車幅方向に位置決めされ、かつ前輪29が前輪用の車輪位置決め機構23で車幅方向に位置決めされる。
【0015】
前記位置決め区間7には、車輪の幅(具体的には、タイヤのトレッド幅)よりも広い幅の上面17aを有して相互に平行に直線状に延伸する一対の軌道部材17が配設されている。一対の軌道部材17の間隔は、車両3のトレッドに応じて可変設定できるようになっている。そして、一対の軌道部材17間の下方スペースから、車両の床下に搭載したバッテリアセンブリの取り外しや取り付けの作業を行うことができる。
【0016】
図3は本発明の実施形態にかかる車両の位置決め装置を示す斜視図、図4は図3の位置決め装置の上に車両が載置されている状態を示す斜視図である。図5は図4の側面図、図6は図5の平面図である。
【0017】
前述したように、本実施形態による車両の位置決め装置は、左右一対の軌道部材17,17と、これらの軌道部材17のそれぞれに設けられた後輪用の車輪位置決め機構21および前輪用の車輪位置決め機構23と、後輪用の車輪位置決め機構近傍に設けられて、左右の軌道部材同士17,17を車幅方向に橋渡す車輪陥入部31と、軌道部材17の縁部に設けられたガイドレール19と、前輪用の車輪位置決め機構近傍に設けられて、前輪29の回動を阻止する操舵輪回動阻止手段としての前輪回動阻止機構33とを備えている。
【0018】
後輪用の車輪位置決め機構21は、非操舵輪用移動可能化手段としての前後ローラ35と、該前後ローラ35の前端部の車幅方向外側に配置された非操舵輪用規制手段としての後輪用縦ローラ37とを備える。
【0019】
前後ローラ35は、車両進行方向FRに沿って延設された円筒状の部材であり、車両進行方向FRに延びる軸を中心として回転可能に支持されている。この前後ローラ35の上に車両3の車輪(タイヤ)が載置されて前後ローラ35が回転することによって、車両3が車幅方向に移動することができるように構成されている。
【0020】
後輪用縦ローラ37は、上方に向けて延設された略円錐台状の部材であり、上方に延びる軸を中心として回転可能に支持されている。後輪用縦ローラ37は、前後ローラ35の前端部の車幅方向外側の部位に配置されている。この縦ローラ37の側面に車輪(タイヤ)が当接すると、縦ローラ37からタイヤに向けて荷重が加わり、車両3の車幅方向位置が規制されるように構成されている。
【0021】
また、前記車両位置決め装置25には、車輪(本実施形態では後輪27)を陥入させる車輪陥入部31が設けられており、ドライバが車両3を前進させて車輪を車輪陥入部31に陥入させ、図4〜図6に示すように、車両3の後輪27が車輪陥入部31にその位置で車両3を停止させることによって、車両3が前後方向に位置決めされるようになっている。
【0022】
車輪陥入部31は、例えば、軌道部材17の上面17a上に、軌道部材17の延伸方向(車両進行方向FR)と直交する車幅方向WDに沿う一対の平行なビーム39,39を設けることによって構成することができ、車輪が陥入位置から前方および後方へ移動するのを抑制する所謂輪止めとして機能するものである。もちろん、所定の作業が終了した際には、ドライバが車両3を前進または後退させる操作を行うことで、車輪が車輪陥入部31から前方または後方に脱出できるようになっている。
【0023】
前記ビーム39は、具体的には、断面L字状のアングル材を、その角部が上方となる姿勢で軌道部材17の上面17a上に配置したものとして構成することができる。なお、ビーム39は、本実施形態では、二つの軌道部材17,17間で架設されているが、架設することは必須ではなく、少なくとも軌道部材上に形成されていればよい。また、車輪陥入部31は、軌道部材17の上面17aを凹設した凹部として形成することもできる。
【0024】
ガイドレール19は、車両3が進行しているときに、軌道部材17の上面17aから車輪が脱輪しないように設けられている。
【0025】
前輪用の車輪位置決め機構23は、操舵輪用移動可能化手段としての前後ローラ41と、該前後ローラ41の前端部の車幅方向外側に配置された操舵輪用規制手段としての前輪用縦ローラ43とを備える。
【0026】
前後ローラ41は、後輪用のものと同様に、車両進行方向に延設された円筒状の部材であり、車両進行方向に延びる軸を中心として回転可能に支持されている。
【0027】
前輪用縦ローラ43は、前輪用後側縦ローラ47と前輪用前側縦ローラ45とからなり、それぞれ略円錐台状に形成されている。前輪用後側縦ローラ47および前輪用前側縦ローラ45は共に、上方に延びる軸を中心として回転可能に支持されており、前後ローラ41の前端部の車幅方向外側の部位に前後方向に沿って並んで配設されている。
【0028】
また、前後ローラ41の車幅方向外側には、操舵輪回動阻止手段としての前輪回動阻止機構33が配設されている。この前輪回動阻止機構33は、車両進行方向FRに延びる細い円筒状のガイドバー49と、該ガイドバー49を車幅方向に移動させるエアー等の駆動源を有する機構本体51と、から構成されている。この機構本体51を作動させて前記ガイドバー49を車幅方向内側に移動させ、前輪29(前タイヤ)に押し当てることによって、前輪の回動を阻止することができる。
【0029】
前輪用後側縦ローラ47および前輪用前側縦ローラ45の上側は、上方に向かうにつれて外径が先細りする円錐台状の円錐台部に形成されており、車幅方向内側の側面45a,47aは、上方に向かうにつれて車幅方向外側に傾斜して延びている。
【0030】
次いで、本実施形態による車両位置決め装置を用いて、車両の車幅方向の位置決めを行う手順を簡単に説明する。
【0031】
上記構成の車両位置決め装置25において、図1に示すように、車両3が導入区間5を通過して位置決め区間7に進入すると、まずは前輪29が後輪用の車輪位置決め機構21を通過する。このとき、前輪29は後輪用の車輪位置決め機構によって車幅方向にある程度位置決めされる。
【0032】
そして、本実施形態では、前後二つの車輪位置決め機構21,23の配置を適宜に設定しているため、図7〜9に示すように後輪用の車輪位置決め機構21による後輪27の位置決めが行われ、図10〜11に示すように前輪用の車輪位置決め機構23による前輪29の位置決めが行われる。
【0033】
具体的には、図11の二点鎖線に示す位置で前後ローラ41の上に前輪29が載置されると、前輪29は前後ローラ41の回転に伴って車幅方向に移動可能になっている。そのまま車両3が前進すると、図11に示すように前輪29が前輪用後側縦ローラ47および前輪用前側縦ローラ45に当接して車幅方向内側に移動することによって、車両3の車幅方向位置が規制される。
【0034】
このように、車両3が車幅方向の位置決めをされた後は、後輪27が車輪陥入部31に陥入して車両3が停止することによって車両3が前後方向にも位置決めされ、車両3が車幅方向ならびに前後方向ともに位置決めされるようになっている。具体的には、後輪27が後輪用の車輪位置決め機構から前方に抜け出して車輪陥入部31の手前側のビームに乗り上げている状態で、まだ前輪用の車輪位置決め機構23による前輪29の位置決めが完了していない状態があり、前輪29の位置決めが完了した後あるいは完了するのとほぼ同時に、後輪27が車輪陥入部31に陥入して、車両3が停止するようになっている。
【0035】
車両3では、一般的に、二輪操舵の場合には、前輪29が操舵輪となって後輪27が非操舵輪となり、また、四輪操舵の場合には、後輪27の操舵角度範囲より前輪29の操舵角度範囲が大きく設定される。よって、後輪27に比べて前輪29は切れた状態(直進状態での角度から回動した状態)となる確率が高く、前輪29を基準として位置決めを行うと位置決め精度が低下してしまうおそれがある。
【0036】
そこで、本実施形態では、まずは後輪27(非操舵輪、あるいは操舵角の小さい車輪)を位置決めし、それ以降(同時または後に)前輪29(操舵輪、あるいは操舵角の大きい車輪)を位置決めすることで、車両3の車幅方向の位置決め精度の低下を抑制している。
【0037】
また、車両3の位置決めが完了した後は、全ての車輪が車幅方向の位置決め機構21,23から離間し、車輪と軌道部材17の上面17aとのフリクションによって、車幅方向に位置決めした状態が維持されるようにしている。
【0038】
図12のうち、(a)は前輪用および後輪用の前後ローラの長さ関係を示す平面図、(b)はこれらの前後ローラ上を走行する前輪と後輪の位置関係を示す平面図である。
【0039】
図12(a)に示すように、後輪用の前後ローラ35の車両走行方向FRに沿った長さをL1、前輪用の前後ローラ41の長さをL2とすると、L1よりもL2の方が長く形成されている。従って、図12(b)に示すように、前輪29と後輪27がAの位置(二点鎖線)に配置されたのち、車両が前進してBの位置(一点鎖線)に来たときには、後輪27は前後ローラ35の前端部に位置しているが、前輪29は前後ローラ41の途中部分に位置している。
【0040】
図13は、後輪用縦ローラおよび前輪用前側縦ローラの距離と、車両のホイールベースとの長さ関係を示す平面図である。
【0041】
図12にて説明したように、前輪29と後輪27がAの位置(二点鎖線)に配置されたのち、車両が前進してBの位置(一点鎖線)に配置される。このB地点においては、後輪27は後輪用縦ローラ37に当接し、前輪29は未だ前輪用前側縦ローラ45に当接していない。即ち、後輪用縦ローラ37と前輪用前側縦ローラ45との車両走行方向に沿った距離Dは、車両3のホイールベースWB(前輪29の中心と後輪27の中心との前後距離)よりも長く形成されている。従って、後輪27が後輪用縦ローラ37で位置決めを行った後で、前輪29が前輪用前側縦ローラ45で位置決めを行うようになる。
【0042】
図14はバッテリーを上下動させるリフターを設けた位置決め装置を示す斜視図である。
【0043】
図14に示すように、本発明の変形例では、昇降装置55によってバッテリアセンブリを車両3の床下に取り付けることができる。
【0044】
フロア面53には、前述した構造の軌道部材17,17が左右一対に配設されており、これら一対の軌道部材同士17,17の間には、作業スペースSが下方に向けて凹設されており、前記作業スペースSの底面には昇降装置55が配置され、側壁面にはリフト装置57が取り付けられている。昇降装置55は、下部の昇降部59と、該昇降部59の上に設けられた天板部61と、から構成されている。この天板部61の上には、バッテリアセンブリ63が載置されており、昇降部59を上下動させることでバッテリアセンブリ63を上昇または下降させることができる。前記リフト装置57の上端には、ロッド65を介して係止プレート67が設けられている。即ち、リフト装置57を稼働させてロッド65を上方に持ち上げて係止プレート67を車両3の床面に設けた高剛性のメンバ部材に押し当てて車両3の位置を前後で動かないようにしたまま、バッテリアセンブリ63の交換等を行うことができる。
【0045】
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0046】
(1)車両3の操舵輪である前輪29が接地されて車両3の操舵輪側を車幅方向に移動可能にする操舵輪用移動可能化手段である前後ローラ41を用いて前記車両3の操舵輪側を車幅方向に移動可能の状態にしたまま、車両3の非操舵輪側(後輪側)の車幅方向位置を非操舵輪用規制手段である後輪用縦ローラ37を用いて位置決めするように構成しているため、車両3の車幅方向の位置決めを効率的に行うことができる。
【0047】
(2)前記車両3の非操舵輪側と操舵輪側との双方を、規制手段37,43を用いて車幅方向の位置決めを行うように構成しているため、一方の規制手段を用いた場合よりも位置決めの精度が向上する。
【0048】
(3)前記非操舵輪側を規制する非操舵輪用規制手段37と操舵輪側を規制する操舵輪用規制手段45との車両走行方向に沿った距離Dが、車両3の非操舵輪である後輪27と操舵輪である前輪29の中心同士の距離WBよりも大きいか又は同一寸法に設定しているため、非操舵輪側を位置決めした後(または同時)に操舵輪側の位置決めを行うことができ、従って、位置決め精度が向上し、かつ位置決め時間も短縮される。
【0049】
(4)前記操舵輪である前輪29を移動可能にする操舵輪用前後ローラ41の長さL2を、非操舵輪である後輪27を移動可能にする非操舵輪用前後ローラ35の長さL1よりも長く形成しているため、異なるホイールベースの車両3にも対応することができる。
【0050】
(5)前記非操舵輪用規制手段を、前記非操舵輪用移動可能化手段の近傍に車両走行方向に沿って2つ(複数)配設しているため、異なるホイールベースの車両3にさらに柔軟に対応することができる。
【0051】
ところで、本発明の位置決め装置は前記実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能である。
【0052】
図15は、前輪用縦ローラの前後位置を変えることが可能な車両位置決め装置を示す斜視図である。
【0053】
この位置決め装置125には、フロア面53の上に左右一対の軌道部材117,117が車両走行方向に沿って配設されており、この軌道部材117は、3分割されて移動可能になっている。つまり、軌道部材117は、第1分割部120、第2分割部121、第3分割部122から構成されている。第1分割部120には、嵌合部120aが設けられ、第2分割部121には嵌合部121aが設けられており、これらの嵌合部120a,121a同士が噛み合っている。また、第2分割部121には、嵌合部121bが設けられ、第3分割部122には嵌合部123aが設けられており、これらの嵌合部121b,123a同士が噛み合っている。また、第2分割部121は、シリンダー123によってスライド可能に構成されている。従って、シリンダー123を作動させると、第2分割部121は、車両走行方向に沿って前後移動するため、第2分割部121に取り付けられた操舵輪用規制手段43も前後移動する。
【符号の説明】
【0054】
25,125 車両位置決め装置
27 後輪(非操舵輪)
29 前輪(操舵輪)
35 前後ローラ(非操舵輪用移動可能化手段)
37 後輪用縦ローラ(非操舵輪用規制手段)
41 前後ローラ(操舵輪用移動可能化手段)
43 前輪用縦ローラ(操舵輪用規制手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を走行させながら前記車両の車幅方向の位置を調整する車両位置決め装置であって、
車両の非操舵輪が接地されて車両の非操舵輪側を車幅方向に移動可能にする非操舵輪用移動可能化手段と、
車両の非操舵輪に当接して荷重を加えることによって車両の非操舵輪側の車幅方向位置を規制する非操舵輪用規制手段と、を備えたことを特徴とする車両の位置決め装置。
【請求項2】
車両の操舵輪が接地されて車両の操舵輪側を車幅方向に移動可能にする操舵輪用移動可能化手段を用いて前記車両の操舵輪側を車幅方向に移動可能の状態にしたまま、車両の非操舵輪側の車幅方向位置を非操舵輪用規制手段を用いて位置決めするように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両の位置決め装置。
【請求項3】
前記車両の非操舵輪側と操舵輪側との双方を、規制手段を用いて車幅方向の位置決めを行うように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の位置決め装置。
【請求項4】
前記非操舵輪側を規制する非操舵輪用規制手段と操舵輪側を規制する操舵輪用規制手段との車両走行方向に沿った距離が、車両の非操舵輪と操舵輪の中心同士の距離よりも大きいか又は同一寸法に設定したことを特徴とする請求項3に記載の車両の位置決め装置。
【請求項5】
前記非操舵輪用移動可能化手段および操舵輪用移動可能化手段は、車輪が接地されて車両を車幅方向に移動可能にすると共に車両走行方向に延びる前後ローラであり、前記操舵輪を移動可能にする操舵輪用前後ローラの長さを、非操舵輪を移動可能にする非操舵輪用前後ローラよりも長く形成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両の位置決め装置。
【請求項6】
前記非操舵輪用規制手段を、前記非操舵輪用移動可能化手段の近傍に車両走行方向に沿って複数配設したことを特徴とする請求項4または5に記載の車両の位置決め装置。
【請求項7】
前記非操舵輪用規制手段の車両走行方向の設置位置を変更可能に構成したことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の車両の位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−31806(P2011−31806A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181626(P2009−181626)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】