説明

車両の制御装置および制御方法

【課題】車両外部の電源から供給される電力により車両駆動用の蓄電装置を充電可能な車両において、ユーザによる簡易な操作で外部充電可能な状態に移行させる。
【解決手段】ECUは、車両外部の電源から供給される電力により車両駆動用の蓄電装置を充電可能な車両を制御する。ECUは、スリープ状態Aでユーザがブレーキペダルを踏まずにIGスイッチを押した場合(ST=OFF、IG=ONの場合)、制御モードを選択せずに待機するIGニュートラル状態となる(矢印c)。ECUは、IGニュートラル状態となると、所定時間Tが経過するまでは、ST信号が入力された時点で走行制御モードを選択し(矢印d)、ST信号が入力されない場合はIGニュートラル状態を維持する。ECUは、所定時間Tが経過した以降にCPLT信号が入力された場合、充電制御モードを選択する(矢印g)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御に関し、特に、車両外部の電源から供給される電力により車両駆動用の蓄電装置を充電可能な車両の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両外部の電源から車両に搭載された蓄電装置を充電する外部充電が可能な車両(いわゆるプラグイン車両)が実用化されている。このようなプラグイン車両に関し、たとえば特開2009−171733号公報(特許文献1)には、充電ケーブルが出力するパイロット信号のエッジ検出時(パイロット信号が入力されていない状態から入力された状態に変化したことを検出した時)に、プラグイン車両の充電システムを起動する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−171733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、外部充電の完了に応じて充電システム自らが充電システムを停止する場合、充電システムが停止状態となった後も充電ケーブルは車両に接続された状態のまま維持される。
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、パイロット信号のエッジ検出時に充電システムを起動するものであるため、さらに再充電したい(充電システムを再起動したい)状況においては、ユーザは改めて充電ケーブルを抜き差しするといった煩わしい操作を行なう必要があり、車両の利便性(ユーザの使い勝手や購入インセンティブ)を損なうおそれがある。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、外部充電が可能な車両において、ユーザによる簡易な操作で外部充電可能な状態に移行させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る制御装置は、駆動力を得るための電力を蓄える蓄電装置と、外部電源から供給される外部電力を蓄電装置に充電可能な電力に変換して蓄電装置に出力する充電装置とを備えた車両を制御する。制御装置は、車両を走行可能な状態にするためのIG操作をユーザが行なったことおよび外部電源を車両に接続する接続操作をユーザが行なったことのいずれかに応じて起動される。制御装置は、起動時以降に、車両の走行を制御するための走行制御モードおよび充電装置を制御して外部電力で蓄電装置を充電する外部充電を行なうための充電制御モードのいずれかの制御モードを選択する選択部と、選択された制御モードに応じて車両を制御する制御部とを備える。選択部は、IG操作に応じて入力される第1信号、接続操作に応じて入力される第2信号、車両の走行を開始させるための操作をユーザが行なったことを示す第3信号、外部電源が車両に接続されかつ電力供給可能な状態である場合に入力される第4信号の少なくともいずれかの信号に基づいて、制御モードを選択する。
【0008】
好ましくは、選択部は、起動時に第1信号がある場合であっても、起動時以降に第3信号がなくかつ第4信号がある場合は、充電制御モードを選択する。
【0009】
好ましくは、選択部は、起動時に第1信号がある場合であっても、起動時から所定時間が経過するまで第3信号がない状態が継続しかつ所定時間の経過時以降に第4信号がある場合は、充電制御モードを選択する。
【0010】
好ましくは、選択部は、所定時間の経過時以降において、第3信号よりも先に第4信号が入力された場合は充電制御モードを選択し、第4信号よりも先に第3信号が入力された場合は走行制御モードを選択する。
【0011】
好ましくは、選択部は、起動時に第1信号があるが第3信号がない場合でかつ起動時から所定時間が経過していない場合は、第4信号の有無に関わらず制御モードを選択せずに待機し、第3信号が入力された時点で走行制御モードを選択する。選択部は、起動時に第1信号があるが第3信号がない場合でかつ起動時から所定時間が経過するまで第3信号がない状態が継続した場合は、第3、第4信号のいずれか一方が入力されるまでは制御モードを選択せずに待機し、第3信号よりも先に第4信号が入力されたときは充電制御モードを選択し、第4信号よりも先に第3信号が入力されたときは走行制御モードを選択する。
【0012】
好ましくは、選択部は、起動時に第3信号がある場合、第1、第2、第4信号の有無に関わらず走行制御モードを選択する。
【0013】
好ましくは、選択部は、起動時に第1信号がなくかつ第2信号がある場合、前第3、第4信号の有無に関わらず充電制御モードを選択する。
【0014】
好ましくは、車両は、補機と、補機と蓄電装置と充電装置とに接続され蓄電装置および充電装置の少なくとも一方から入力される電圧を補機を作動可能な電圧に変換して補機に出力するコンバータとをさらに備える。制御部は、充電制御モードが選択された場合、充電装置およびコンバータを制御して外部電力を用いて補機を作動させることを許容する。
【0015】
好ましくは、車両は、補機電源と、ブレーキペダルとをさらにを備える。外部電力は、充電ケーブルを介して車両に供給される。第1信号は、IG操作に応じて補機電源から制御装置に入力される電力信号である。第2信号は、接続操作に応じて補機電源から制御装置に入力される電力信号である。第3信号は、ユーザがブレーキペダルを踏みながらIG操作をしたことを示す信号である。第4信号は、充電ケーブルが外部電源および車両に接続された場合に充電ケーブルから入力されるパイロット信号である。
【0016】
この発明の別の局面に係る制御方法は、駆動力を得るための電力を蓄える蓄電装置と、外部電源から供給される外部電力を蓄電装置に充電可能な電力に変換して蓄電装置に出力する充電装置とを備えた車両の制御装置が行なう制御方法である。制御装置は、車両を走行可能な状態にするためのIG操作をユーザが行なったことおよび外部電源を車両に接続する接続操作をユーザが行なったことのいずれかに応じて起動される。制御方法は、起動時以降に、車両の走行を制御するための走行制御モードおよび充電装置を制御して外部電力で蓄電装置を充電する外部充電を行なうための充電制御モードのいずれかの制御モードを選択するステップと、選択された制御モードに応じて車両を制御するステップとを含む。選択するステップは、IG操作に応じて入力される第1信号、接続操作に応じて入力される第2信号、車両の走行を開始させるための操作をユーザが行なったことを示す第3信号、外部電源が車両に接続されかつ電力供給可能な状態である場合に入力される第4信号の少なくともいずれかの信号に基づいて、制御モードを選択するステップを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外部充電が可能な車両において、ユーザによる簡易な操作で外部充電可能な状態に移行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車両の全体ブロック図である。
【図2】低電圧系の起動回路の概略図である。
【図3】IGスイッチ操作とIG信号との関係を示す。
【図4】プラグイン操作、IGP信号、CPLT信号の関係を例示した図である。
【図5】ECUの機能ブロック図である。
【図6】ECUの処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図7】ECUおよび制御モードの状態遷移を示す図である。
【図8】IG信号、IGP信号、ST信号、CPLT信号の組合せのパターンと制御モードとの対応関係を示した図である。
【図9】ECUの処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0020】
図1は、本実施の形態に従う制御装置を搭載した車両1の全体ブロック図である。車両1は、高圧電源10と、システムメインリレー(SMR)11と、パワーコントロールユニット(PCU)20と、モータジェネレータ(MG)30と、動力伝達ギア40と、駆動輪50と、DC/DCコンバータ60と、低圧電源70と、補機負荷80と、制御装置(ECU)100とを備える。
【0021】
高圧電源10は、車両1の駆動力を得るための電力を蓄える。高圧電源10は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池である。なお、高圧電源10は、電気二重層キャパシタであってもよい。
【0022】
高圧電源10は、正極線PL1および負極線NL1を介してPCU20に接続される。そして、高圧電源10は、車両1の駆動力を発生させるための電力をPCU20に供給する。また、高圧電源10は、MG30で発電された電力を蓄電する。高圧電源10の出力はたとえば200V程度である。
【0023】
SMR11は、リレーR1,R2を含む。リレーR1,R2は、ECU100からの制御信号S1によってそれぞれ独立して制御され、高圧電源10とPCU20との間での電力の供給と遮断とを切替える。
【0024】
コンデンサC1は、正極線PL1および負極線NL1の間に接続され、正極線PL1および負極線NL1の間の電圧変動を低減する。
【0025】
PCU20は、コンバータおよびインバータを含んで構成される。PCU20は、ECU100からの制御信号S2により制御され、高圧電源10から供給される直流電力をMG30を駆動可能な交流電力に変換し、MG30に出力する。これにより、高圧電源10の電力でMG30が駆動される。
【0026】
MG30は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
【0027】
MG30の出力トルクは、動力伝達ギア40を介して駆動輪50に伝達されて、車両1を走行させる。MG30は、車両1の回生制動動作時には、駆動輪50の回転力によって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU20によって高圧電源10を充電するための電力に変換される。
【0028】
なお、図1は、MG30を1つ設ける場合を例示しているが、モータジェネレータを複数設けてもよい。また、動力源としてMG30の他にエンジンを備えてもよい。すなわち、本実施の形態における車両1は、電気自動車、ハイブリッド車両、燃料電池自動車など、電力で駆動力を得る車両全般に適用可能である。
【0029】
DC/DCコンバータ60は、正極線PL1および負極線NL1に接続される。DC/DCコンバータ60は、ECU100からの制御信号S3に基づいて制御され、正極線PL1および負極線NL1の間の電圧を降圧する。そして、DC/DCコンバータ60は、正極線PL3を介して、低圧電源70、補機負荷80、およびECU100などに降圧した電圧(12V程度)を供給する。
【0030】
低圧電源70は、補機バッテリとも呼ばれ、代表的には鉛蓄電池を含んで構成される。低圧電源70の出力電圧は、高圧電源10の出力電圧よりも低く、たとえば12V程度である。以下では、低圧電源70から供給される電力で作動する機器類を総称して「低電圧系」ともいう。
【0031】
補機負荷80は、空調ユニット81と、オーディオユニット82とを含む。なお、補機負荷80には、これらの他、たとえば図示しないランプ類、ワイパー、ヒータなど、他の電気負荷も含まれる。
【0032】
さらに、車両1は、外部電源500からの電力で高圧電源10を充電する外部充電を行なうための構成として、充電装置200と、インレット210とを含む。
【0033】
インレット210は、外部電源500からの交流電力を受けるために、車両1のボディに設けられる。インレット210には、充電ケーブル400のコネクタ410が接続される。そして、充電ケーブル400のプラグ420が、(たとえば、家庭用電源のような)外部電源500のコンセント510に接続されることによって、外部電源500の電力を充電ケーブル400を介して車両1に供給可能な状態となる。
【0034】
充電ケーブル400の内部には、パイロット回路430が設けられる。パイロット回路430は、外部電源500から供給される電力によって動作し、コントロールパイロット信号(以下、「CPLT信号」という)を発生する。パイロット回路430は、コネクタ410がインレット210に接続されると、所定のデューティサイクル(発振周期に対するパルス幅の比)でCPLT信号を発振させる。CPLT信号は、外部電源500の電力を車両1に供給可能な状態(すなわち、充電ケーブル400が外部電源500および車両1の双方に接続され、かつ、停電などによる電力供給遮断がない状態)である場合に、インレット210を経由して、ECU100に入力される。
【0035】
なお、コネクタ410がインレット210に接続された場合、コネクタ410の内部に設けられたリミットスイッチが作動する。これにより、ケーブル接続信号PISWがインレット210からECU100に入力される。
【0036】
充電装置200は、インレット210に接続される。充電装置200は、ECU100からの制御信号S4によって制御され、インレット210から供給される交流電力を、高圧電源10に充電可能な電力(直流200V程度)に変換し、正極線PL1および負極線NL1に出力する。これにより、高圧電源10が外部電源500の電力で充電される。
【0037】
さらに、車両1は、IGスイッチ91、アクセルペダルポジションセンサ92、ブレーキペダルストロークセンサ93、シフトポジションセンサ94を含む。
【0038】
IGスイッチ91は、車両1を走行可能状態(以下「Ready−ON状態」ともいう)にするための操作をユーザが入力するためのスイッチである。走行不能状態(以下「Ready−OFF状態」ともいう)でユーザがIGスイッチ91を押すと、IGスイッチ91は、ユーザがReady−ON状態にすることを要求していることを示すIGreq信号を、ECU100に出力する。なお、後述するように、ECU100は、このIGreq信号に応じて起動される。なお、本実施の形態において、「起動」とは、停止状態(スリープ状態)から作動状態に変化することを意味する。
【0039】
アクセルペダルポジションセンサ92は、アクセルペダルの操作量APを検出する。ブレーキペダルストロークセンサ93は、ブレーキペダルのストローク量BSを検出する。
【0040】
シフトポジションセンサ94は、ユーザによって操作されるシフトレバー(図示せず)の位置(シフトポジション)SPを検出する。なお、本実施の形態においては、シフトポジションSPは、D(ドライブ)、N(ニュートラル)、R(リバース)、P(パーキング)のいずれかのポジションに設定されるものとして説明する。
【0041】
これらの各センサは、検出結果をECU100に出力する。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、メモリを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両1および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0042】
ECU100は、各センサ等から入力される信号などに応じて上述した制御信号S1〜S4を生成し、対応する各機器に出力する。なお、図1においては、ECU100を1つのユニットとしているが、たとえば機能ごとに分割してもよい。
【0043】
図2は、低電圧系の起動回路の概略図である。この起動回路は、メインリレー(MR)71と、プラグインメインリレー(PIMR)72との2つの電源スイッチを含む。MR71およびPIMR72は、それぞれECU100からの制御信号S5,S6によって制御される。
【0044】
ECU100および充電装置200は、MR71を介して低圧電源70に接続されるとともに、PIMR72を介しても低圧電源70と接続される。なお、ECU100は、電力線PL4を介して低圧電源70に常時接続されている。一方、補機負荷80は、MR71を介して低圧電源70に接続されるが、PIMR72を介しては低圧電源70に接続されない。
【0045】
ECU100は、スリープ状態において、電力線PL4を介して供給される電力を僅かに消費しながら、IGreq信号およびCPLT信号を監視している。
【0046】
スリープ状態でユーザがIGスイッチ91を押すと、ECU100にIGreq信号が入力される。この場合、ECU100は、MR71を閉状態にさせる制御信号S5をMR71に出力する。これにより、MR71が閉状態となり、低圧電源70の電力が低電圧系に供給され、ECU100を含む低電圧系が起動される。この状態がReady−ON状態である。以下では、低圧電源70からMR71を介してECU100に供給される電力を「IG信号」という。ECU100は、このIG信号が入力されることによって起動される。
【0047】
一方、スリープ状態でユーザが充電ケーブル400を外部電源500および車両1に接続する操作(以下「プラグイン操作」という)を行なうと、上述したCPLT信号がECU100に入力される。この場合、ECU100は、PIMR72を閉状態にさせる制御信号S6をPIMR72に出力する。これにより、PIMR72が閉状態となり、低圧電源70の電力が充電装置200およびECU100に供給される。この際、外部充電に必要のない補機負荷80(空調ユニット81やオーディオユニット82など)は起動されないため、無駄な電力消費が抑制される。以下では、低圧電源70からPIMR72を介してECU100に供給される電力を「IGP信号」という。ECU100は、上述したIG信号だけでなく、このIGP信号が入力されることによっても起動される。
【0048】
このように、ECU100は、IG信号またはIGP信号が入力されることによって、起動される。なお、以下の説明において、信号について用いる「ON」は、その信号が活性状態であることを意味し、「OFF」は非活性状態であることを意味する。
【0049】
図3は、IGスイッチ操作(ユーザがIGスイッチ91を押す操作)とIG信号との関係を示す。IG信号が「OFF」(IG信号がECU100に入力されていない状態)の場合にIGスイッチ操作がなされると、IGreq信号がECU100に入力され、IG信号は「OFF」から「ON」(IG信号がECU100に入力された状態)に変化する。一方、IG信号が「ON」の場合にIGスイッチ操作がなされると、IG信号は「ON」から「OFF」に変化する。このように、IG信号のON/OFFの切替は、ユーザのIGスイッチ操作に応じて行なわれ、ECU100の判断では行なわれない。
【0050】
図4は、プラグイン操作、IGP信号、CPLT信号の関係を例示した図である。IGP信号が「OFF」の場合にプラグイン操作がなされると、CPLT信号がECU100に入力され、IGP信号は「OFF」から「ON」に変化する。これにより、ECU100が起動され、外部充電が可能な状態となる。その後、外部充電によって高圧電源10が満充電状態になったとECU100が判断した場合には、ECU100は、ユーザの操作がなくても、自らPIMR72を開状態にして、IGP信号を「ON」から「OFF」に変化させる。これにより、ECU100は、スリープ状態となる。この場合、ユーザが充電ケーブル400を外部電源500または車両1から外す操作(以下、「プラグアウト操作」という)を行なうまでは、外部電源500の停電がない限り、図4に示すように、IGP信号のOFF後もCPLT信号の入力は継続される。
【0051】
ECU100は、起動時以降に、IG信号、IGP信号、ST信号(後述)、CPLT信号の少なくともいずれかの信号に基づいて、車両1の走行を制御するための走行制御モードおよび充電装置200を制御して外部充電を行なうための充電制御モードのいずれかの制御モードを選択し、選択した制御モードで車両1の各機器を制御する。
【0052】
図5は、制御モードの選択に関する部分のECU100の機能ブロック図である。図5に示した各機能ブロックは、電子回路等によるハードウェア処理によって実現してもよいし、プログラムの実行等によるソフトウェア処理によって実現してもよい。
【0053】
ECU100は、ST信号生成部110と、選択部120と、制御部130とを含む。
ST信号生成部110は、ユーザが車両1の走行開始を要求する操作(以下、「スタート操作」という)を行なったか否かを判断し、スタート操作が行なわれたと判断した場合、その旨を示すST信号を生成して選択部120に出力する。なお、スタート操作がどのような操作であるのかは、予め決めておけばよい。以下では、スタート操作を「ブレーキペダルを踏みながらIGスイッチ91を押す操作」であるものとして説明する。したがって、ST信号生成部110は、ブレーキペダルのストローク量BSが0よりも大きい状態でIGreq信号が入力された場合に、ST信号を生成する。
【0054】
選択部120は、IG信号、IGP信号、ST信号、CPLT信号の組合せに基づいて、走行制御モードおよび充電制御モードのいずれかの制御モードを選択する。
【0055】
図6は、選択部120が制御モードを選択する際の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、ECU100の起動時に開始される。したがって、この処理の開始時においては、IGP信号およびIG信号の少なくともいずれかは「ON」である。このフローチャートの各ステップ(以下、ステップを「S」と略す)はハードウェア処理によって実現してもよいしソフトウェア処理によって実現してもよい。
【0056】
S1にて、選択部120は、ST信号が入力された状態(ST=ON)であるか否かを判断する。ST=ONであると(S1にてYES)、選択部120は、処理をS3に移して走行制御モードを選択する。そうでないと(S1にてNO)、処理はS2に移される。
【0057】
S2にて、選択部120は、IGP信号が入力されかつIG信号が入力されていない状態(IGP=ONかつIG=OFF)であるか否かを判断する。
【0058】
IGP=ONかつIG=OFFであると(S2にてYES)、選択部120は、処理をS4に移して充電制御モードを選択する。
【0059】
一方、IGP=ONかつIG=OFFでない場合、すなわち少なくともIG信号が入力された状態(IG=ON)である場合(S2にてNO)、選択部120は、処理をS5に移し、制御モードの選択を行なわずに待機する。以下、この待機状態を「IGニュートラル状態」という。
【0060】
S6にて、選択部120は、IGニュートラル状態が所定時間T(たとえば数秒程度)以上継続しているか否かを判断する。
【0061】
IGニュートラル状態が所定時間T以上継続していない場合(S6にてNO)、選択部120は、処理をS1に戻し、S1以降の処理を繰り返す。
【0062】
一方、IGニュートラル状態が所定時間T以上継続している場合(S6にてYES)、選択部120は、処理をS7に移し、CPLT信号が入力された状態(CPLT=ON)であるか否かを判断する。
【0063】
CPLT信号が入力されていない状態(CPLT=OFF)である場合(S7にてNO)、選択部120は、処理をS1に戻し、S1以降の処理を繰り返す。
【0064】
一方、CPLT=ONである場合(S7にてYES)、選択部120は、処理をS4に移して充電制御モードを選択する。
【0065】
図5に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、選択部120が設定した制御モードで車両1の各機器を制御する。
【0066】
走行制御モードでは、制御部130は、SMR11を閉状態にして高圧電源10の電力をPCU20を経由してMG30に供給可能な状態とする。そして、制御部130は、アクセルペダルの操作量APなどの各センサからの情報に基づいてPCU20の動作を制御して、高圧電源10の電力でMG30を駆動させる。これにより、ユーザの意図に応じて車両1が走行される。なお、走行制御モードでは、充電装置200の作動が禁止される。したがって、外部充電を行なうことはできない。
【0067】
走行制御モード中にユーザがシステムを停止させるためにIGスイッチ91を押すと、制御部130は、MR71を開状態にする。これに伴ない、ECU100は作動状態からスリープ状態に移行する。
【0068】
一方、充電制御モードでは、制御部130は、SMR11を閉状態にして充電装置200と高圧電源10とを接続する。そして、ECU100は、充電装置200の動作を制御して、外部電源500の交流電力を高圧電源10に充電可能な直流電力に変換する。これにより、外部充電が行なわれる。
【0069】
また、充電制御モードでは、制御部130は、充電装置200およびDC/DCコンバータ60を制御して外部電源500の電力を用いて補機負荷80(空調ユニット81やオーディオユニット82など)を作動させることを許容する。すなわち、充電制御モード中にユーザが補機負荷80を作動させる場合、制御部130は、充電装置200を制御して外部電源500の交流電力を直流電力に変換させるとともに、DC/DCコンバータ60を制御して外部電源500で変換された電力の電圧を降圧して補機負荷80に供給する。これにより、充電制御モード中であれば、充電装置200およびDC/DCコンバータ60を作動させることによって、家庭用の外部電源500の電力をリアルタイムで車両1の補機負荷80に供給することができる。以下では、このような目的で充電装置200およびDC/DCコンバータ60を作動させることを「マイルーム充電」ともいう。
【0070】
外部充電中、制御部130は、高圧電源10の蓄電量を監視し、蓄電量が目標値に達した(満充電状態となった)時点で、不要な電力消費を防止するために、PIMR72を開状態にする。これに伴ない、ECU100は作動状態からスリープ状態に移行する。
【0071】
図7は、ECU100および制御モードの状態遷移を示す図である。
まず、スリープ状態Aでユーザがスタート操作(ブレーキペダルを踏みながらIGスイッチ91を押す操作)を行なった場合を想定する。この場合、IGreq信号がECU100に入力され、これに応じてMR71が閉状態となりIG信号が「OFF」から「ON」に変化するため、ECU100が起動され作動状態Bとなる。この際、ST=ONであるため、矢印aに示すように、起動直後に走行制御モードが選択される(S1にてYES、S3)。
【0072】
なお、走行制御モード中にユーザが再びIGスイッチ91を押すと、ECU100は自らIG信号を「ON」から「OFF」に変化させてスリープ状態となる(矢印e参照)。
【0073】
次に、スリープ状態Aでユーザがプラグイン操作を行なった場合を想定する。この場合、CPLT信号が「OFF」から「ON」に変化し、これに応じてPIMR72が閉状態となりIGP信号が「OFF」から「ON」に変化するため、ECU100が起動され作動状態Bとなる。この際、ST=OFFであり(S1にてNO)、さらにIGP=ONかつIG=OFFである(S2にてYES)ため、矢印bに示すように、起動直後に充電制御モードが選択される(S4)。
【0074】
なお、充電制御モード中に、外部充電によって高圧電源10が満充電状態となった場合、または、CPLT=OFFとなった場合、ECU100は自らIGP信号を「ON」から「OFF」に変化させてスリープ状態Aとなる(矢印f参照)。
【0075】
次に、スリープ状態Aでユーザがブレーキペダルを踏まずにIGスイッチ91を押した場合を想定する。この場合、IGreq信号がECU100に入力され、これに応じてMR71が閉状態となりIG信号が「OFF」から「ON」に変化するため、ECU100が起動され作動状態Bとなる。この際、ST=OFFであり(S1にてNO)、かつIG=ONである(S2にてNO)ため、矢印cに示すように、いずれの制御モードも選択されずにIGニュートラル状態となる(S5)。
【0076】
IGニュートラル状態となると、所定時間Tが経過するまで(S6にてNO)は、ST信号の入力の有無の判断が継続される(S1)。そして、矢印dに示すように、ST信号が入力された時点で走行制御モードが選択される(S1にてYES、S3)。ST信号が入力されない場合はIGニュートラル状態が維持される(S1にてNO、S2にてNO、S5)。
【0077】
ニュートラル状態が所定時間T以上継続した以降(S6にてYES)は、ST信号の入力の有無の判断(S1)に加えて、さらにCPLT信号の入力の有無の判断が行なわれる(S7)。そして、CPLT信号よりも先にST信号が入力された場合(S6にてNO、S1にてYES)は、矢印dに示すように、走行制御モードが選択される(S3)。ST信号よりも先にCPLT信号が入力された場合(S1にてのNO、S7にてYES)、矢印gに示すように、充電制御モードが選択される(S4)。
【0078】
本実施の形態において、最も特徴的な点は、図7の矢印gに示した状態移行を実現した点である。この点について説明する。
【0079】
上述したように、充電制御モード中であれば、外部電源500の電力をリアルタイムで車両1の補機負荷80に供給する「マイルーム充電」が可能である。
【0080】
ところが、充電制御モード中に外部充電が完了した後は、ECU100はスリープ状態となってしまう(矢印f参照)。
【0081】
このように外部充電完了後のスリープ状態からマイルーム充電を行なう場合、従来においては、矢印bに示すルートで制御モードを充電制御モードに移行させることしができなかった。つまり、充電ケーブル400が既に車両1および外部電源500に接続されているにも関わらず、ユーザは、改めてプラグアウト操作を行なってCPLT信号を「OFF」にした後にさらにプラグイン操作を行なってCPLT信号を「ON」にするという煩わしい操作を行なう必要があった。
【0082】
これに対し、本実施の形態においては、従来のような煩わしいプラグの抜き差し操作を行なう必要はない。すなわち、外部充電完了後のスリープ状態Aでスタート操作を行なうことなくIGスイッチ操作を行なってIGニュートラル状態にし(矢印c)、その後、所定時間Tが経過するのを待てば、充電制御モードとなる(矢印g)。これにより、外部充電完了後のマイルーム充電を、IGスイッチ操作を行なうだけの簡易な操作で行なうことができる。
【0083】
さらに、従来においては、矢印bに示すルートでしか充電制御モードを選択できなかった。そのため、何らかの異常が生じてIGP信号がECU100に入力されくなった場合(以下、このような異常を「IGP断線異常」という)、そもそもIGP信号が「OFF」から「ON」に変化したことをECU100で判断できなくなるため、充電制御モードを選択することができなかった。
【0084】
これに対し、本実施の形態においては、上述したように、外部充電完了後のスリープ状態Aでスタート操作を行なうことなくIGスイッチ操作を行なってIGニュートラル状態にし(矢印c)、その後、所定時間Tが経過するのを待つことで、充電制御モードを選択することができる(矢印g)。このような選択ルートでは、IGP信号が「ON」であることを判断する必要がないため、IGP断線異常が生じた場合においても、充電制御モードの選択が可能となる。
【0085】
図8は、IG信号、IGP信号、ST信号、CPLT信号の組合せのパターンと制御モードとの対応関係を示した図である。
【0086】
スリープ状態でユーザがスタート操作を行なった場合、パターン1、1aとなる。この場合、ST=ONであるため、起動直後に走行制御モードとなる。なお、パターン1aでは、CPLT=ONであり、充電ケーブル400が車両1に接続されたままの状態であるため、車両1の走行を一時的に禁止した上で、ユーザにその旨および充電ケーブル400を車両1から外すように促がす警告を行なえばよい。
【0087】
スリープ状態でユーザがプラグイン操作を行なった場合、パターン2となる。この場合、ST=OFF、IGP=ON、IG=OFFであるため、起動直後に走行制御モードとなる。
【0088】
外部充電完了後のスリープ状態でユーザがIGスイッチ操作を行なった場合、パターン3となる。この場合、ST=OFF、IG=ONであるため起動後はIGニュートラル状態となり、IGニュートラル状態が所定時間T継続した時点で充電ケーブル400が車両1に接続されたままの状態でありCPLT=ONが継続している(図4参照)ため充電制御モードとなる。
【0089】
IGスイッチ操作による起動でECU100がIGニュートラル状態となった後、しばらくしてユーザがプラグイン操作を行なった場合、パターン4となる。この場合、プラグイン操作が行なわれた時点でCPLT=ONとなる。したがって、まだIGニュートラル状態が所定時間T継続していない場合は所定時間Tが継続した時点で、既にIGニュートラル状態が所定時間T継続していた場合はプラグイン操作が行なわれた時点で、充電制御モードとなる。なお、上述したIGP断線異常時には、パターン3またはパターン4と同様のルートで充電制御モードを選択することが可能である。
【0090】
以上のように、本実施の形態に従うECU100は、外部充電完了後のスリープ状態でIGスイッチ操作を行なった場合(パターン3)、IGスイッチ操作後のIGニュートラル状態でプラグイン操作を行なった場合(パターン4)、のいずれの場合であっても、ユーザによる簡易な操作で充電制御モードに移行させることができる。また、IGP断線異常時においても充電制御モードに移行させることができる。そのため、車両1の利便性(ユーザの使い勝手および購入インセンティブ)を著しく向上させることができる。
【0091】
なお、本実施の形態において、図6のS1にて「ST=ONであるか否か」を判断したが、この判断に用いる情報は、IGスイッチ操作時以降のユーザの走行開始意思を判断可能なものであればよく、したがってST信号に代えてあるいは加えて、他の情報を用いてもよい。
【0092】
たとえば、シフトポジションSPが「P(パーキング)」の状態での停車中に、シフトポジションSPがP以外のポジション(本実施の形態においてはD、N、Rのいずれかのポジション、以下、「非PポジションnotP」ともいう)に変化した場合は、ユーザが車両1を走行を開始させるためにシフトレバーを操作したと考えられる。以下、このようなユーザ操作を「P抜き操作」ともいう。このP抜き操作をIGスイッチ操作時以降のユーザの走行開始意思を判断するための情報として用いることができる。
【0093】
図9は、P抜き操作を考慮して制御モードを選択する際の選択部120(ECU100)の処理手順を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、図6のS1をS1aに代えたものである。他の処理は既に説明した内容と同じであるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0094】
S1aにて、選択部120(ECU100)は、ST=ONであるか否か、および、シフトポジションSPが非PポジションnotPである状態が所定時間継続したか否かを判断する。選択部120は、ST=ONの場合、または、SP=notPが所定時間継続している場合(S1aにてYES)、ユーザの走行開始意思ありと判断して、処理をS3に移し、走行制御モードを選択する。そうでない場合(S1aにてNO)、選択部120は、処理をS2に移す。
【0095】
このようにすれば、スタート操作に加えて、P抜き操作に基づいて、ユーザの走行開始意思を判断できるため、よりユーザの意思に近い制御モード選択が可能となる。
【0096】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 車両、10 高圧電源、11 システムメインリレー(SMR)、20 パワーコントロールユニット(PCU)、30 モータジェネレータ(MG)、40 動力伝達ギア、50 駆動輪、60 コンバータ、70 低圧電源、80 補機負荷、81 空調ユニット、82 オーディオユニット、91 スイッチ、92 アクセルペダルポジションセンサ、93 ブレーキペダルストロークセンサ、94 シフトポジションセンサ、100 制御装置(ECU)、110 ST信号生成部、120 選択部、130 制御部、200 充電装置、210 インレット、400 充電ケーブル、410 コネクタ、420 プラグ、430 パイロット回路、500 外部電源、510 コンセント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を得るための電力を蓄える蓄電装置と、外部電源から供給される外部電力を前記蓄電装置に充電可能な電力に変換して前記蓄電装置に出力する充電装置とを備えた車両の制御装置であって、
前記制御装置は、前記車両を走行可能な状態にするためのIG操作をユーザが行なったことおよび前記外部電源を前記車両に接続する接続操作をユーザが行なったことのいずれかに応じて起動され、
前記制御装置は、
起動時以降に、前記車両の走行を制御するための走行制御モードおよび前記充電装置を制御して前記外部電力で前記蓄電装置を充電する外部充電を行なうための充電制御モードのいずれかの制御モードを選択する選択部と、
選択された前記制御モードに応じて前記車両を制御する制御部とを備え、
前記選択部は、前記IG操作に応じて入力される第1信号、前記接続操作に応じて入力される第2信号、前記車両の走行を開始させるための操作をユーザが行なったことを示す第3信号、前記外部電源が前記車両に接続されかつ電力供給可能な状態である場合に入力される第4信号の少なくともいずれかの信号に基づいて、前記制御モードを選択する、車両の制御装置。
【請求項2】
前記選択部は、起動時に前記第1信号がある場合であっても、起動時以降に前記第3信号がなくかつ前記第4信号がある場合は、前記充電制御モードを選択する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記選択部は、起動時に前記第1信号がある場合であっても、起動時から所定時間が経過するまで前記第3信号がない状態が継続しかつ前記所定時間の経過時以降に前記第4信号がある場合は、前記充電制御モードを選択する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記選択部は、前記所定時間の経過時以降において、前記第3信号よりも先に前記第4信号が入力された場合は前記充電制御モードを選択し、前記第4信号よりも先に前記第3信号が入力された場合は前記走行制御モードを選択する、請求項3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記選択部は、
起動時に前記第1信号があるが前記第3信号がない場合でかつ起動時から所定時間が経過していない場合は、前記第4信号の有無に関わらず前記制御モードを選択せずに待機し、前記第3信号が入力された時点で前記走行制御モードを選択し、
起動時に前記第1信号があるが前記第3信号がない場合でかつ起動時から前記所定時間が経過するまで前記第3信号がない状態が継続した場合は、前記第3、第4信号のいずれか一方が入力されるまでは前記制御モードを選択せずに待機し、前記第3信号よりも先に前記第4信号が入力されたときは前記充電制御モードを選択し、前記第4信号よりも先に前記第3信号が入力されたときは前記走行制御モードを選択する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
前記選択部は、起動時に前記第3信号がある場合、前記第1、第2、第4信号の有無に関わらず前記走行制御モードを選択する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項7】
前記選択部は、起動時に前記第1信号がなくかつ前記第2信号がある場合、前第3、第4信号の有無に関わらず前記充電制御モードを選択する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項8】
前記車両は、補機と、前記補機と前記蓄電装置と前記充電装置とに接続され前記蓄電装置および前記充電装置の少なくとも一方から入力される電圧を前記補機を作動可能な電圧に変換して前記補機に出力するコンバータとをさらに備え、
前記制御部は、前記充電制御モードが選択された場合、前記充電装置および前記コンバータを制御して前記外部電力を用いて前記補機を作動させることを許容する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項9】
前記車両は、補機電源と、ブレーキペダルとをさらにを備え、
前記外部電力は、充電ケーブルを介して前記車両に供給され、
前記第1信号は、前記IG操作に応じて前記補機電源から前記制御装置に入力される電力信号であり、
前記第2信号は、前記接続操作に応じて前記補機電源から前記制御装置に入力される電力信号であり、
前記第3信号は、ユーザが前記ブレーキペダルを踏みながら前記IG操作をしたことを示す信号であり、
前記第4信号は、前記充電ケーブルが前記外部電源および前記車両に接続された場合に前記充電ケーブルから入力されるパイロット信号である、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項10】
駆動力を得るための電力を蓄える蓄電装置と、外部電源から供給される外部電力を前記蓄電装置に充電可能な電力に変換して前記蓄電装置に出力する充電装置とを備えた車両の制御装置が行なう制御方法であって、
前記制御装置は、前記車両を走行可能な状態にするためのIG操作をユーザが行なったことおよび前記外部電源を前記車両に接続する接続操作をユーザが行なったことのいずれかに応じて起動され、
前記制御方法は、
起動時以降に、前記車両の走行を制御するための走行制御モードおよび前記充電装置を制御して前記外部電力で前記蓄電装置を充電する外部充電を行なうための充電制御モードのいずれかの制御モードを選択するステップと、
選択された前記制御モードに応じて前記車両を制御するステップとを含み、
前記選択するステップは、前記IG操作に応じて入力される第1信号、前記接続操作に応じて入力される第2信号、前記車両の走行を開始させるための操作をユーザが行なったことを示す第3信号、前記外部電源が前記車両に接続されかつ電力供給可能な状態である場合に入力される第4信号の少なくともいずれかの信号に基づいて、前記制御モードを選択するステップを含む、車両の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−70538(P2012−70538A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213307(P2010−213307)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】