説明

車両の扉又は揺動蓋用の錠

扉を閉じる際、錠部分(10)が回転掛け金(20)へ入り込み、それにより回転掛け金が開放位置からまず予備係止位置へ揺動される。回転掛け金(20)は開放位置の方へばね荷重(25)を受け、通常は予備係止部(21)を爪(30)に支持されている。電動引き閉じ補助装置により、伝動装置(53)及び偏心輪(50)を介して、回転掛け金(20)が本係止位置まで更に回転せしめられ、爪(30)が回転掛け金(20)の本係止部22に係合する。確実で多様に使用可能な錠を得るために、偏心輪(50)と回転掛け金(20)との間にひじ継手・レバー対(40)及び弾性連行体(33)を設けることが提案される。ひじ継手・レバー対(40)は、その一方の自由端(41)を定置支持体(14)に回転可能に支持され、その他方の自由端(42)は案内手段(15)により強制案内され、ばね荷重を受ける連行体(33)を同時に支持する。ひじ継手・レバー対(40)は偏心輪(50)の制御曲面(51)に支持されている。ひじ継手・レバー対が伸張するか又は屈曲することにより、強制運動が起こる。その場合連行体(33)が回転掛け金(20)をつかみ、これを電動機により予備係止位置から本係止位置へ導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念にあげた種類の錠に関する。錠は扉又は揺動蓋の範囲に設けられ、回転掛け金を持っている。扉側柱には錠部分があって、扉又は揺動蓋を手で閉じる際回転掛け金へ入り込み、ばね荷重を受ける開放位置から回転掛け金をまず予備係止位置へ揺動させる。回転掛け金の予備係止位置は、ばね荷重を受ける爪によって確保される。それから制御手段を介して引き閉じ補助装置の電動機が付勢されて、伝動装置及び偏心輪を介して、回転掛け金を予備係止位置から本係止位置へ移行させる。回転掛け金の本係止位置も、回転掛け金に設けられる本係止部へ入り込む爪により確保される。
【従来技術】
【0002】
電動閉鎖−開放補助装置を持つ錠があり(国際公開第98/27301号)、伝動装置が2つの従動路を持ち、これらの従動路が揺動可能に設けられている。この錠は有効なことがわかったが、場所及び費用を要する。
【0003】
請求項1の上位概念にあげた種類の錠が公知であり(ドイツ連邦共和国特許出願公開第10133092号明細書)、前記の従来技術に対して安価に構成されている。この公知の錠では、電動機に伝動装置が常に係合したままであり、かつ2つの偏心輪に作用し、これら偏心輪の一方が引き閉じ補助装置として機能する。この偏心輪はカムを持ち、1つの方向への電動機の回転の際このカムが回転掛け金の肩部の後へ移動し、既に述べたように、回転掛け金を予備係止位置から本係止位置へ電動機で回転させる。それにより回転掛け金へ入る錠部分が連行され、扉が車両にあるその最終位置へもたらされる。
【0004】
回転掛け金が予備係止位置も本係止位置も持たない別の種類の錠(ドイツ連邦共和国第4311786号明細書)では、ばね荷重を受ける爪が操作棒の自由端に設けられ、操作棒の他端が電動機により伝動クランクを介して動かされる。操作棒の自由端には、定置的に支持される揺動片が係合している。扉を閉じる際回転掛け金が連行されると、ばね荷重のため可動爪が回転掛け金の肩部に係合する。それから伝動クランクが電動機により動かされると、操作棒と共に可動な爪が、回転掛け金をその完全な閉鎖位置まで連行する。それから電動機が停止し、爪が肩部と係合したままである。爪に設けられる突起が、同時に固定ストッパの下へ移動し、このストッパが操作棒の自由端の運動を停止する。ばね荷重のため回転掛け金がその開放位置へ移行するまで、閉鎖位置において爪を手又は電動機で回転掛け金から取出すため、固定ストッパが必要である。
【0005】
本発明は、公知の錠の欠点が偏心輪と回転掛け金との直接連結にあることを知った。そのため種々の車両のために、それぞれの条件に合わせた錠を開発せねばならない。これは種々の錠要素の製造及び組立てを必要とするのみならず、保管及び破損した錠の修理を困難にする。前述した公知の錠では、電動機と伝動装置との間の変速比を変化する際、偏心して動かされるカム用肩部が別の位置をとるようにする別の輪郭を回転掛け金に設けることなしに、伝動装置の歯車を簡単に交換することは不可能である。従って公知の錠では、各車両のために、それぞれの条件に合わせた固有の錠を開発し、必要な場合準備することが必要であった。これは多くの構造費と既観できない保管の原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の基礎となっている課題は、請求項1の上位概念にあげた種類の信頼できる安価な錠を開発し、場合によっては僅かな整合しか必要としないため、異なる形式の車両において使用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、本発明によれば、請求項1にあげた特徴によって達せられ、即ち本発明では、偏心輪と回転掛け金との間にひじ継手・レバー対が使用され、一方の自由端に弾性連行体を保持している。連行体は、そのばね荷重のため、少なくとも予備係止位置でハウジングにある定置終端面に支持される。連行体の支持のために役立つひじ継手・レバー対の自由端は、案内手段により錠ハウジング内で強制案内される。ひじ継手・レバー対の他方の自由端は、定置の支持体内に回転可能に支持されている。偏心輪は制御曲面を持ち、ばね荷重を受けてひじ継手・レバー対が制御曲面に支持される。連行体は肩部を持ち、回転掛け金にある相手肩部がこの肩部に対応している。肩部と相手肩部は開放位置で互いに離れているが、電動機による引き閉じ運動の際ひじ継手・レバー対が、種々の伸張位置と屈曲位置との間を移行せしめられ、屈曲位置で連行体の肩部が回転掛け金の相手肩部の方へ移動し、回転掛け金を予備係止位置から本係止位置へ移行させる。
【0008】
本発明では、偏心輪と回転掛け金との間に間接結合しか存在せず、即ちひじ継手・レバー対及びそれに枢着される連行体を介して結合が行われる。本発明による錠を別の形式の車両に使用するため、まず所定の制御曲面を持つ偏心輪を、別の輪郭を持つ偏心輪に代えることが直ちに可能であり、錠の残りの構造は不変である。しかし必要な場合、補足して又は代わりに、ひじ継手・レバー対及び/又は連行体を取外し、異なる割合及び/又は輪郭を持つ別の類似な部材により代えることも直ちに可能である。例えばひじ継手・レバー対の腕長を変化することができる。この容易な整合のため、本発明による錠の万能な使用可能性が生じる。それにより本発明による錠の製造が著しく多くの個数で可能であり、それにより製造費を少なくすることができる。
【0009】
ひじ継手・レバー対の自由端用の案内手段として連結棒を使用するのがよく、連結棒の一方の端部がひじ継手・レバー対の自由端に枢着され、他方の端部が定置支持体に支持されている。この定置支持体は、同時に回転掛け金の支持体であってもよい。
【0010】
本発明のそれ以外の手段及び利点は、従属請求項、以下の説明及び図面から明らかになる。図面には本発明の実施例が示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
錠は、扉に設けられる錠ハウジンク11及び扉側柱にある錠部分10を持っている。錠ハウジング11内で第1の定置支持ピン12上に回転掛け金20があり、錠部分10用受入れ部23を持っている。扉が開放位置にあると、回転掛け金20は、錠ハウジンク11内で図示しない開放位置をとり、受入れ部23の開口はハウジンク11のスリット13と一直線をなしている。回転掛け金20は、図1aに矢印25で示すように開放位置の方へばね荷重を受け、開放位置で図示しない終端ストッパの所に留まっている。
【0012】
扉はまず閉じられる。その際錠部分10は受入れ部23へ入り、その内側側面へ当り、それにより回転掛け金20は、ばね荷重25とは逆の方向に、図1bに補助線20.1で示す「予備係止位置」まで回転する。この予備係止位置20.1において、力矢印35の向きにばね荷重を受ける爪30が、回転掛け金20に設けられる予備係止部21へ入り込む。爪30は、錠ハウジング11内の第2の定置支持ピン32上に支持され、この場合その阻止個所31で掛け金側予備係止部21に係合する。それにより回転掛け金20はまずその予備係止位置20.1に確保される。即ち扉は一時的な閉鎖位置にある。
【0013】
図1aからわかるように、錠ハウジング11内にレバー対10が設けられ、ひじ継手43により互いに結合されており、従って以下単に「ひじ継手・レバー対40」と称する。ひじ継手・レバー対40の一方の端部41は、錠ハウジング11内にある第3の定置支持ピン14上に支持され、従って以下「固定端部」と称する。ひじ継手・レバー対40の他方の端部42は錠ハウジング11内で自由に動き得るが、案内手段により強制案内される。この案内手段はこの場合連結棒15から成り、その一方の連結棒端部16はひじ継手・レバー対40の自由端42に枢着され、その他方の連結棒端部17は定置支持体に支持されている。この例では、場所を節約するように、回転掛け金20の支持体12は連結棒支持体として役立つ。
【0014】
一層わかり易くするため、図1bにおいては、ひじ継手・レバー対40が省略されている。即ちひじ継手・レバー対自由端42にある連結棒15用支持個所のみが認められる。この支持個所においてこの自由端42に、更に連行体33が枢着されている。図1bによれば、連行体33は矢印37の方向にばね荷重を受けている。このばね荷重のため、連行体33は、予備係止位置20.1で、錠ハウジング11にある定置終端面18に支持されている。この肩部34には、回転掛け金20にある相手肩部24が対応している。図1bによる予備係止位置20.1で、肩部34と相手肩部24との間に間隔36がある。
【0015】
図1aにおいても明らかなこのばね荷重37は、案内手段と共に、ひじ継手・レバー対40が電動駆動可能な偏心輪50の制御曲面51に弾性的に支持されるようにしている。付属する電動機52は、錠ハウジング11の範囲に設けられている。電動機52は、概略的に示す伝動装置53に作用し、この伝動装置の出力端は軸54である。この軸54上に偏心輪50が相対回転しないように取付けられている。
【0016】
扉及び回転掛け金20が図1a及び1bの予備係止位置20.1にあると、電動機50が付勢される。これは図示しないセンサにより行われ、錠部分がこの予備係止位置を特徴づける位置に達すると、センサが反応する。それから偏心輪50が、電動機52を介して図1aの矢印55の方向に回転せしめられて、50.1で示す不動作位置から離れる。この不動作位置50.1は、前述したように予備係止位置20.1に達するまで、回転掛け金の最初に説明した開放位置にある。
【0017】
図2a及び2bは、図1a及び1bと類似な図で、偏心輪50の引続く回転55中における特別な「中間位置」を示し、この中間位置は適当な補助線50.2により示されている。この回転位置50.2はひじ継手・レバー対40の位置に影響を及ぼす。即ちひじ継手43は下方へ押される。しかし連結棒15の強制案内のため、図2bに示すように、その自由端42は連結棒15により支持ピン12の周りに揺動せしめられ、それにより連行体33の肩部34が掛け金20の相手肩部24と接触する。そのため錠ハウジング内に設けられた上述の終端面18が適当な輪郭にされている。
【0018】
図2a及び2bの中間位置に続いて偏心輪50が更に回転すると、回転掛け金20が連行体33により連行される。即ち扉側柱に設けられる錠部分10に関して、扉の電動「引き閉じ補助」が行われる。図2a及び2bにはこの引き閉じ補助の開始が示され、回転掛け金20が依然として図1a及び1bに示す予備係止位置にある。これは、偏心輪50が図3a及び3bに示す「最高位置」へ移行する際に変化し、この最高位置は補助線50.3により示されている。
【0019】
図1aによる偏心輪50の不動作位置50.1において、ひじ継手・レバー対40の両方のレバーは、44.1で示す比較的小さい角をとる。その場合図1aにおいて補助線40.1で示すひじ継手・レバー対40の「屈曲状態」が存在する。図3aの最高位置50.3で、ひじ継手・レバー対40の両方のレバーは、44.2で示す大きい角をなしている。図3aにおいて補助線40.2により示すひじ継手・レバー対40の「伸張状態」がほぼ存在する。
【0020】
図3aにおいて前記の「引き閉じ補助」は最大に達する。ひじ継手・レバー対40の自由端42は、連結棒15の案内作用で最大に更に動かされる。それにより連行体33が連行され、その肩部34を介して回転掛け金20を支持ピン12の周りに更に回転させる。回転掛け金20は、図3bに補助線20.2により示される回転位置へもたらされ、この回転位置が「過行程位置」と称される。図3bからわかるように、つかまれた錠部分10は、錠ハウジング11の内部に一層深く引込まれている。過行程位置20.2において、矢印35で示すばね荷重のため爪30の阻止個所31が回転掛け金20にある第2の本係止部23に係合できるまで、回転掛け金30が回転している。その際爪30は、概略的に38で示す回転ストッパにより、本係止部22に合わせた位置に保持されることができる。阻止個所33と本係止部22との間に、図3bに示すように、なお自由間隙19が残る。しかしこれは、電動機52が引続き回転するので、その後短時間変化する。
【0021】
それからどうなるかが、図4a及び4bからわかる。偏心輪50は再び図1aの位置50.1に達する。それから電動機50が再び停止される。これはリミットスイッチ、センサ等により行うことができる。それによりひじ継手・レバー対40は、再び小さい角44.1で示す屈曲位置40.1へ再び達する。その場合ひじ継手・レバー対40の自由端42も再び図1aの初期位置にあり、それによりそこに枢着されている連行体33の肩部34が、ハウジング側終端面18上の図1bに示す初期位置へ再び達する。回転掛け金20にある相手肩部24は、図4bに26で示す距離からわかるように、肩部34から大きく離れている。
【0022】
そのため、釈放される回転掛け金20はばね荷重25のため図3bに示す自由間隙19だけ戻り回転でき、図4bに示すように回転掛け金20の本係止部22が爪30の阻止個所31に支持される。それにより図4aによる偏心輪50の残りの回転55中に、回転掛け金20は図4bの補助線20.3により示す位置に確保され、この位置を「本係止位置」と称することができる。その場合入り込んだ錠部分10は錠ハウジング11内の最終的な位置をとる。扉は最終的な閉鎖位置にあり、弾性密封片が扉と車両側扉開口との間で圧縮されている。「引き閉じ補助」の本発明による効果は終了している。
【0023】
扉を開くため、通常のように爪30の阻止個所31を図4bの本係止部22の下からばね荷重35とは逆方向に引き離しさえすればよい。これは、種々のやり方で、例えば再び同じ電動機52により行うことができるが、このことは図示してない。電動機52の再始動は遠隔操作により行うことができ、その際予備係止位置20.1で再び中間停止を行うことができる。しかし扉の開放は、図示しない部材連鎖を介して爪30に作用する内部又は外部の扉取っ手により、機械的に行うこともできる。本係止位置20.3が、例えば錠シリンダを介して鎖錠されている場合、遠隔操作手段又は電気又は機械鍵により、先に解錠を行う。
【0024】
本発明による錠は、異なる形式の車両に対して同じようによく使用することができる。万一の整合作業も速やかに簡単に行うことができる。これらの作業は、例えば図に示す偏心輪50をそれぞれの要求に一層よく合った制御曲面51を持つ別のものに代えることである。付加的に又は補足して、ひじ継手・レバー対40の形状及び寸法を異なる構成のものに代え、連行体33及び/又は連結棒15も異なる輪郭を持つ素子と交換することができる。
【0025】
連結棒端部17を持つ連結棒15を使用する際、これを定置の支持個所12に枢着する代わりに、回転掛け金20と共に可動な支持個所に枢着することもできる。連結棒15の代わりに、案内手段としてハウジングに固定した曲面も使用でき、この曲面に沿ってひじ継手・レバー対40の自由端42が滑るか又は転がって強制案内される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1a】 開かれた錠ハウジングの概略平面図を示し、扉の最終閉鎖位置にまだ相当しない中間位置へ扉が手動でもたらされる時に存在するいわゆる「予備係止位置」に錠部分がある。
【図1b】 図1aにおけるのと同じ錠及び錠部分の同じ位置を示し、最も上にある錠部分の若干即ちひじ継手・レバー対が除去されている。
【図2a】 図1aに相当する図で、錠にある電動引き閉じ補助の開始の際の同じ錠を示す。
【図2b】 図1bに相当する図で、錠にある電動引き閉じ補助の開始の際の同じ錠を示す。
【図3a】 実行される引き閉じ補助の終りにおける同じ錠を示し、部材が「過行程位置」にある。
【図3b】 実行される引き閉じ補助の終りにおける同じ錠を示し、部材が「過行程位置」にある。
【図4a】 扉の完全な閉鎖位置に相当するいわゆる「本係止位置」へ錠部分が達している時の錠を示す。
【図4b】 扉の完全な閉鎖位置に相当するいわゆる「本係止位置」へ錠部分が達している時の錠を示す。
【符号の説明】
【0027】
10 錠部分
11 錠ハウジング
12 支持体、20用の11にある第1の支持ピン
13 10用の11にあるスリット
14 支持体、43用の11にある第3の支持ピン
15 案内手段、連結棒
16 42における15の第1の連結棒端部
17 12における15の第2の連結棒端部
18 11にある33用の定置終端面
19 31、32の間の自由間隙(図3b)
20 回転掛け金
20.1 20の予備係止位置(図1b,2b)
20.2 20の過行程位置(図3b)
20.3 20の本係止位置(図4b)
21 20の予備係止
22 20の本係止
23 10用の20にある受入れ部
24 34用の20にある相手肩部
25 20のばね荷重の矢印
26 34と24との間の自由区間
30 爪
31 30の阻止個所
32 支持体、30用の11にある第2の支持ピン
33 連行体
34 24用の33にある肩部
35 30のばね荷重の矢印
36 24と34との間隙(図1b)
37 33のばね荷重の矢印
38 30用の回転ストッパ(図3b)
40 ひじ継手・レバー対
40.1 40の屈曲位置(図1a,4a)
40.2 40の伸張位置(図3a)
41 40の固定端
42 40の自由端
43 40のひじ継手範囲
44.1 40.1における小さい角(図1a,4a)
44.2 40.2における大きい角(図3a)
50 偏心輪
50.1 50の不動作位置(図1a,4a)
50.2 50の中間位置(図2a)
50.3 50の最高位置
51 50の周囲の制御曲面
52 50用の電動機
53 52と50との間の伝動装置
54 50用の53の出力軸
55 50の回転運動の矢印





【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の扉又は揺動蓋用の錠であって、
定置的に支持される回転掛け金(20)へ、扉又は揺動蓋の閉鎖の際錠部分(10)が入り、回転掛け金(20)が開放位置からまず予備係止位置(20.1)へ揺動し、
回転掛け金(20)が開放位置の方向へばね荷重(25)を受けており、定置的に支持されてばね荷重(35)を受ける爪(30)が、予備係止位置(20.1)で、回転掛け金(20)に設けられる予備係止部(21)へ係合し、
扉又は揺動蓋用の電動(52)引き閉じ補助装置が、偏心輪(50)を持っ伝動装置(53)を含み、
電動機(52)を付勢及び消勢する制御手段が設けられ、
付勢の場合偏心輪(50)の運動(55)が、回転掛け金(20)を予備係止位置(20.1)から本係止位置(20.3)へ移行させ、回転掛け金(20)の本係止部(22)へ係合する爪(30)により本係止位置(20.3)が確保されるものにおいて、
偏心輪(50)と回転掛け金(20)との間に、ひじ継手・レバー対(40)及び弾性連行体(33)が設けられ、
連行体(33)がひじ継手・レバー対(40)の一方の自由端(42)に枢着され、
連行体(33)が、その弾性(37)により、回転掛け金(20)の少なくとも予備係止位置(20.1)において定置終端面(18)に支持され、
ひじ継手・レバー対(40)の一方の自由端(42)が、錠ハウジング(11)内の案内手段(15)により強制案内され、
ひじ継手・レバー対(40)の他方の自由端(41)が、定置支持体(14)に回転可能に支持され、
偏心輪(50)が制御曲面(51)をもち、この制御曲面(51)にひじ継手・レバー対(40)が支持され、
連行体(33)が肩部(34)を持ち、開放位置でこの肩部(34)は、回転掛け金(20)に設けられる相手肩部(36)から離れているが、
電動(52)引き閉じ運動中には、ひじ継手・レバー対(40)が伸びる(40.2)か又は屈曲し(40.1)、それにより連行体(33)の肩部(34)が回転掛け金(20)の相手肩部(24)をつかんで、回転掛け金(20)を予備係止位置(20.1)から本係止位置(20.3)へ回転させる
ことを特徴とする錠。
【請求項2】
ひじ継手・レバー対(40)が、そのひじ継手の範囲(43)で偏心輪(50)に支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の錠。
【請求項3】
案内手段が連結棒(15)から成り、その一方の連結棒端部(16)がひじ継手・レバー対(40)の自由端(42)に枢着され、他方の連結棒端部(17)が定置支持体(12)に支持されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の錠。
【請求項4】
連結棒(15)の定置支持体が同時に回転掛け金(20)の支持体(12)であることを特徴とする、請求項3に記載の錠。
【請求項5】
ひじ継手・レバー対(40)にある連結棒(15)の枢着個所が、同時に連行体(33)用の枢着個所であることを特徴とする、請求項1〜4の1つに記載の錠。
【請求項6】
連行体(33)のばね荷重(37)が、ひじ継手・レバー対(40)の自由端(42)にある連行体(33)の枢着個所の範囲にあるねじりばねから成っていることを特徴とする、請求項1〜5の1つに記載の錠。
【請求項7】
偏心輪(50)が所定の制御曲面(51)を持ち、偏心輪(50)が伝動装置(53)から分離可能であり、異なる輪郭の制御曲面(51)を持つ偏心輪により取り換え可能であることを特徴とする、請求項1〜6の1つに記載の錠。
【請求項8】
ひじ継手・レバー対(40)及び/又は連行体(33)及び/又は案内手段(15)がハウジング(11)から取外し可能で、異なる比率及び/又は輪郭を持つ他の類似な部材と交換可能であることを特徴とする、請求項1〜7の1つに記載の錠。

【公表番号】特表2007−506879(P2007−506879A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515857(P2006−515857)
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006194
【国際公開番号】WO2004/113655
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(500209826)フフ・ヒユルスベツク・ウント・フユルスト・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト (5)
【Fターム(参考)】