説明

車両の走行制御装置

【課題】 車両の急加速抑制制御を、それが本当に必要な領域に限って行えるようにする。
【解決手段】 デジタルLEDサイネージ23…が車両の加速を抑制する加速抑制領域であることを示す信号を光により伝送すると、車両に搭載されたカメラが該車両の外部のデジタルLEDサイネージ23…からの信号を受光し、判定手段がカメラにより受光された信号に基づいて自車が前記加速抑制領域にあるか否かを判定し、自車が加速抑制領域にあると判定された場合に、走行制御手段が自車の加速を抑制する急加速抑制制御を行うので、車両の急加速を防止する必要がある駐車スペース22…の近傍等の限られた領域だけで車両の急加速を確実に防止することが可能となり、過剰な急加速抑制制御が行われるのを回避することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセルペダルの誤操作等により駐車場等の狭いスペースで車両が急加速するのを防止するための車両の走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムによって自車がガソリンスタンドや駐車場等の施設内に位置することが検知された場合に、スロットルバルブの開度やエンジンの燃料噴射量の上限値を規制することで、アクセルペダルの誤操作等による自車の急加速を防止するものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−264352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来のものは、ナビゲーションシステムを備えていない車両には適用できないだけでなく、例えば自車が駐車場内の駐車スペースの近傍にあるのか否かを判断できないため、駐車場内の駐車スペースから離れた広い場所で過剰な急加速抑制制御が行われてしまう問題があった。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両の急加速抑制制御を、それが本当に必要な領域に限って行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車両の加速を抑制する加速抑制領域であることを示す信号を光により伝送する投光手段と、車両に搭載されて該車両の外部の前記投光手段からの前記信号を受光する受光手段と、前記受光手段により受光された前記信号に基づいて自車が前記加速抑制領域にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により自車が前記加速抑制領域にあると判定された場合に、自車の加速を抑制する走行制御を行う走行制御手段とを備えることを特徴とする車両の走行制御装置が提案される。
【0007】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記投光手段は、駐車スペースの奥側端部に設置されて車両の乗員に対して情報を提供するサイネージであり、前記サイネージは光の点滅周期を変更することで前記信号を伝送することを特徴とする車両の走行制御装置が提案される。
【0008】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記判定手段により自車が前記加速抑制領域にあると判定された場合に、前記走行制御手段は、自車から前記投光手段までの距離が所定距離未満の場合に前記走行制御を行うことを特徴とする車両の走行制御装置が提案される。
【0009】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記走行制御手段は、自車から前記投光手段までの距離が所定距離以上であり、かつ自車のアクセルペダル開度あるいはアクセルペダル開速度が所定値未満となる状態が所定時間継続した場合に前記走行制御を解除することを特徴とする走行制御装置が提案される。
【0010】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、自車は前記投光手段を備え、自車が駐車しているときに前記投光手段は他車に対して前記信号を伝送することを特徴とする車両の走行制御装置が提案される。
【0011】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記投光手段は車両に設けられた灯体であり、自車が駐車しているときに前記灯体は走行時よりも低い輝度で点滅することを特徴とする車両の走行制御装置が提案される。
【0012】
尚、実施の形態の前方カメラ11、ステレオカメラ13および後方カメラ15は本発明の受光手段に対応し、実施の形態のLEDヘッドライト14およびLEDテールライト16は本発明の投光手段あるいは灯体に対応し、実施の形態のデジタルLEDサイネージ23は本発明の投光手段あるいはサイネージに対応する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の構成によれば、投光手段が車両の加速を抑制する加速抑制領域であることを示す信号を光により伝送すると、車両に搭載された受光手段が該車両の外部の投光手段からの信号を受光し、判定手段が受光手段により受光された信号に基づいて自車が加速抑制領域にあるか否かを判定し、自車が加速抑制領域にあると判定された場合に、走行制御手段が自車の加速を抑制する走行制御を行うので、車両の急加速を防止する必要がある駐車スペースの近傍等の限られた領域だけで車両の急加速を確実に防止することが可能となり、過剰な急加速抑制制御が行われるのを回避することができる。
【0014】
また請求項2の構成によれば、投光手段は、駐車スペースの奥側端部に設置されて車両の乗員に対して情報を提供するサイネージであり、サイネージは光の点滅周期を変更することで信号を伝送するので、既存のサイネージを車両制御のための投光手段に利用して設備費を削減することができる。
【0015】
また請求項3の構成によれば、判定手段により自車が加速抑制領域にあると判定された場合に、走行制御手段は、自車から投光手段までの距離が所定距離未満の場合に走行制御を行うので、走行制御が必要以上に頻繁に行われるのを防止することができる。
【0016】
また請求項4の構成によれば、走行制御手段は、自車から投光手段までの距離が所定距離以上であり、かつ自車のアクセルペダル開度あるいはアクセルペダル開速度が所定値未満となる状態が所定時間継続した場合に走行制御を解除するので、自車が投光手段から所定距離以上離れた瞬間に唐突に走行制御が解除されて自車が急加速するのを未然に防止することができる。
【0017】
また請求項5の構成によれば、自車は投光手段を備え、自車が駐車しているときに投光手段は他車に対して信号を伝送するので、他車が急加速して停車している自車に衝突するのを確実に防止できる。
【0018】
また請求項6の構成によれば、投光手段は車両に設けられた灯体であるため、ヘッドランプやテールライトのような既存の灯体を投光手段として利用することでコストを削減することができる。しかも自車が駐車しているときに灯体は走行時よりも低い輝度で点滅するので、灯体の消費電力を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】走行制御装置を備えた車両の前方からの斜視図。
【図2】走行制御装置を備えた車両の後方からの斜視図。
【図3】インストルメントパネルの正面図。
【図4】駐車場の斜視図。
【図5】車両側のシステム構成図。
【図6】駐車場側のシステム構成図。
【図7】作用を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1〜図3に示すように、本実施の形態の走行制御装置を備えた自動車は、車体前部に設けられて自車前方の物体を撮像する前方カメラ11と、ルームミラー12の左右両端に設けられて自車前方の物体を測距する一対のステレオカメラ13,13と、LEDを光源とする左右のLEDヘッドライト14,14と、車体後部に設けられて自車後方の物体を撮像する後方カメラ15と、LEDを光源とする左右のLEDテールライト16,16とを備える。また車室の前部に配置されたインストルメントパネル17には、ナビゲーションシステムやAVシステムのモニタと兼用される外部視界表示モニタ18と、警報ランプ19と、警報スピーカ20とが設けられる。警報スピーカ20は、AVシステムのスピーカと兼用することができる。
【0022】
図4は、本実施の形態の走行制御が実行される場所の一例であるコンビニの駐車場を示すものである。白線21…で仕切られた複数の駐車スペース22…の奥側の端部に、デジタルLEDサイネージ23…が駐車スペース22…に向けて設けられる。デジタルLEDサイネージ23…は、LEDを用いたディスプレイに文字や映像を表示する電子看板であり、駐車場を利用する運転者に対して各種の報知や指示(駐車表示)を行ったり、コンビニの買い物客に対して各種の広告や宣伝(広告表示)を行うために用いられる。本実施の形態のデジタルLEDサイネージ23…は、LEDを人間の目では認識できない所定の周波数で点滅させることで信号を発するものであり、その信号は車両側に設けた前方カメラ11、ステレオカメラ13,13あるいは後方カメラ15を介して受信される。デジタルLEDサイネージ23…には、それに車両が衝突したことを検出すべく、加速度センサよりなる衝突検出センサが設けられる。またコンビニの建物には、駐車場の様子を撮像する駐車場監視カメラ24が設けられる。
【0023】
図5に示すように、急加速抑制制御を行う車両側の制御装置Ucには、例えばESC(Electronic Stability Control:横滑り防止装置)のECUが利用される。車両側の電子制御ユニットUcは、自車が加速抑制領域にあるか否かを判定する判定手段M1と、この判定手段M1により自車が加速抑制領域にあると判定された場合に、自車の加速を抑制する走行制御を行う走行制御手段M2とを備えるもので、前記前方カメラ11、前記ステレオカメラ13,13、前記LEDヘッドライト14,14、前記後方カメラ15、前記LEDテールライト16,16、前記外部視界表示モニタ18、前記警報ランプ19および前記警報スピーカ20に加えて、車輪速から車速を検出する車速センサ31と、アクセルペダル開度を検出するアクセルペダル開度センサ32と、外界の明るさに応じてLEDヘッドライト14,14を自動的に点灯あるいは消灯するためのオートヘッドライトフォトトランジスタ33と、降雨時にワイパーを自動的に作動させるためのオートワイパ雨滴圧センサ34と、マスタシリンダが発生するブレーキ液圧を検出するブレーキマスタ圧センサ35と、オートマチックトランスミッションのシフト位置を検出するA/Tシフト位置センサ36と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ37と、オーディオ装置の音量を制御するオーディオコントローラ38と、パワーウインドウの開閉を制御するパワーウインドウコントローラ39と、ホイールシリンダに供給するブレーキ液圧を制御するブレーキ液圧モジュレータ40と、エンジンの出力やオートマチックトランスミッションの変速を制御するエンジン・A/T制御ECU41とが接続される。
【0024】
自車がコンビニの駐車場の駐車スペース22に接近すると、前方カメラ11あるいは後方カメラ15が撮像した画像からデジタルLEDサイネージ23…を識別する。デジタルLEDサイネージ23…は所定の周波数で変調された光を発するため、画像内の他の物体からデジタルLEDサイネージ23…だけを識別することができる。このようにしてデジタルLEDサイネージ23…からの信号が検出されると、車両側の制御装置Ucの判定手段M1は自車が加速抑制領域に入ったと判定する。
【0025】
前方カメラ11あるいは後方カメラ15の画像中におけるデジタルLEDサイネージ23…が特定されると、そのデジタルLEDサイネージ23…の位置に対応するステレオカメラ13,13の画像中のデジタルLEDサイネージ23…の位置を特定することで、ステレオカメラ13,13から当該デジタルLEDサイネージ23…までの距離を算出する。ステレオカメラ13,13による物体まの測距方法は周知である。尚、実施の形態ではステレオカメラ13,13が車体前部に設けられているが、車体後部にも設けることが望ましい。
【0026】
測距された複数のデジタルLEDサイネージ23…のうち、最も近いデジタルLEDサイネージ23…の距離が閾値D(例えば、3m)未満になると、車両側の制御装置Ucの走行制御手段M2は急加速抑制制御を実行する。すなわち、車速センサ31で検出した車速とアクセルペダル開度センサ32で検出したアクセルペダル開度とに基づいて自車の急加速が検出されると、ブレーキ液圧モジュレータ40が作動して車両を自動制動することで、あるいは運転者によるブレーキ操作をアシストすることで、自車の急加速を抑制して駐車スペース22を乗り越えるのを防止することができる。このとき、上述したブレーキ制御に加えて、エンジン・A/T制御ECU41がエンジンの燃料噴射量を低減したりスロットルバルブを閉じたりしてエンジン出力を低減することで急加速の抑制を行っても良い。
【0027】
また急加速抑制制御が開始されると、そのことを運転者に報知すべく警報ランプ19や警報スピーカ20が作動する。これと同時に、オーディオコントローラ38がオーディオ装置の音量を低下させ、かつパワーウインドウコントローラ39がドアガラスを開くことで、運転者は車内の音および車外の音を聞き取り易くなって状況の的確な判断が可能になる。
【0028】
自車が停車しているとき、そのLEDヘッドライト14,14およびLEDテールライト16,16は、通常の走行時よりも低い輝度で点滅することで近傍に位置する他車に信号を発する。前方カメラ11、ステレオカメラ13,13あるいは後方カメラ15で前記信号を受信した他車は、その距離が閾値D(例えば、3m)未満の場合に上述した急加速抑制制御を行うことで、他車が自車に接触するのを未然に防止することができる。
【0029】
自車のLEDヘッドライト14,14およびLEDテールライト16,16を点滅させるとき、オートヘッドライトフォトトランジスタ33が検出した外界の暗さに応じてLEDヘッドライト14,14およびLEDテールライト16,16の輝度を増加させることにより、その信号を他車の前方カメラ11、ステレオカメラ13,13あるいは後方カメラ15によって確実に検出させることができる。
【0030】
図6に示すように、駐車場側およびコンビニ側の制御装置Upには、前記デジタルLEDサイネージ23…および前記駐車場監視カメラ24に加えて、店内モニタ51と、警報ブザー52と、警察・消防通信手段53と、契約警備サービス通信手段54と、チェーン店本社通信手段55と、店内カメラ56と、緊急通報スイッチ57と、配電盤58と、バックアップ電源59とが接続される。
【0031】
駐車場側およびコンビニ側の制御装置Upは、デジタルLEDサイネージ23…の広告表示および駐車表示の切り替え、駐車場の明るさに応じたデジタルLEDサイネージ23…の点灯輝度の変更等の変調信号発信制御、デジタルLEDサイネージ23…に設けた衝突センサによる該デジタルLEDサイネージ23…に対する車両の衝突の検出、衝突検出時の緊急時対応等を行う。
【0032】
衝突検出時の緊急時対応では、店内モニタ51に駐車場監視カメラ24で撮像した駐車場の映像を表示して警報ブザー52を作動させるとともに、警察・消防通信手段53、契約警備サービス通信手段54およびチェーン店本社通信手段55を介して警察、消防、警備会社、コンビニ本社等に事故発生の通報を行う。
【0033】
次に、図7のフローチャートに基づいて、車両側の制御装置Ucの作用を更に具体的に説明する。
【0034】
先ず、ステップS1でA/Tシフト位置センサ36により検出したシフト位置が前進レンジであれば、ステップS2で前方カメラ11を作動させ、前記ステップS1で前進レンジでなく、ステップS3で後退レンジであれば、ステップS4で後方カメラ15を作動させる。続くステップS5で前方カメラ11あるいは後方カメラ15の画像からデジタルLEDサイネージ23…(あるいは他車のLEDヘッドライト14,14やLEDテールライト16,16の急加速抑制信号を検出すると、ステップS6でステレオカメラ13,13の画像からデジタルLEDサイネージ23…の距離を検出する。続くステップS7で最も近いデジタルLEDサイネージ23の距離が前記閾値D未満であれば、ステップS8で急加速抑制制御フラグをONして急加速抑制制御を開始する。
【0035】
すなわち、ステップS9で、アクセルペダル開度センサ32で検出したアクセルペダル開度が閾値θ1以上であるか、あるいは前記アクセルペダル開度を時間微分したアクセルペダル開速度が閾値θ′1以上であれば、ステップS11で自車が急加速したと判断して自動ブレーキやブレーキアシストによる急加速抑制制御を実行する。また前記ステップS9の答えがNOであっても、ステップS10で車速センサ31で検出した車速が閾値V1以上であるか、あるいは前記車速を時間微分した車体加速度が閾値V′1以上であれば、前記ステップS11で自車が急加速したと判断して自動ブレーキやブレーキアシストによる急加速抑制制御を実行する。
【0036】
前記ステップS7で前記最も近いデジタルLEDサイネージ23の距離が前記閾値D以上であり、かつステップS12で急加速抑制制御フラグがONであれば、すなわち自車が急加速抑制制御中に駐車スペース22…から離れて行く場合、ステップS13でアクセルペダル開度センサ32で検出したアクセルペダル開度が閾値θ2未満であり、かつ前記アクセルペダル開度を時間微分したアクセルペダル開速度が閾値θ′2未満であり、ステップS14でその状態が時間t1以上継続したことがタイマーにより判定された場合には、ステップS15で自車が急加速する虞がないと判断し、急加速抑制制御フラグをOFFして急加速抑制制御を解除した後、ステップS16でステレオカメラ13,13によるデジタルLEDサイネージ23…の測距を停止する。前記ステップS13でアクセルペダル開度が閾値θ2以上であるか、あるいはアクセルペダル開速度が閾値θ′2以上である場合には、急加速抑制制御を解除することなく継続する。
【0037】
前記ステップS12〜ステップS16により、急加速抑制制御の実行中に自車からデジタルLEDサイネージ23…までの距離が所定距離D以上に広がっても、自車のアクセルペダル開度およびアクセルペダル開速度が共に閾値θ2,θ′2未満となる状態が所定時間継続するまで急加速抑制制御を解除しないので、自車がデジタルLEDサイネージ23…から所定距離D以上離れた瞬間に急加速抑制制御が唐突に解除されて自車が急加速するのを未然に防止することができる。
【0038】
以上のように、本実施の形態によれば、デジタルLEDサイネージ23…等から特定の方向に光による信号を発信して加速抑制領域を設定するので、加速抑制領域を駐車スペース22…の近傍等の限られた領域だけに限定して設定することができ、過剰な急加速抑制制御が行われるのを防止してドライバビリティの低下を最小限に抑えることができる。
【0039】
またLEDヘッドライト14,14、LEDテールライト16,16およびデジタルLEDサイネージ23は既存のものを利用し、その光の点滅周期を変更することで信号を伝送すれば良いので、灯体の消費電力を最小限に抑えることができるだけでなく、特別の灯体を設ける場合に比べて設備費を削減することができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0041】
例えば、本発明の投光手段は実施の形態のデジタルLEDサイネージ23に限定されず、デジタルLEDサイネージ23…の代わりに設けられた鏡であっても良い。なぜならば、自車に設けられたLEDヘッドライト14あるいはLEDテールライト16からの光が鏡に反射され、自車の前方カメラ11、ステレオカメラ13,13あるいは後方カメラ15で受光されることで、急加速抑制制御が支障なく行われるからである。
【0042】
また本発明の送信手段はLEDを用いたものに限定されず、プラズマや液晶を用いたものであっても良い。
【0043】
また本発明の車両の走行制御装置は、駐車場以外にガソリンスタンド等の任意の場所において用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
11 前方カメラ(受光手段)
13 ステレオカメラ(受光手段)
14 LEDヘッドライト(投光手段、灯体)
15 後方カメラ(受光手段)
16 LEDテールライト(投光手段、灯体)
23 デジタルLEDサイネージ(投光手段、サイネージ)
M1 判定手段
M2 走行制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の加速を抑制する加速抑制領域であることを示す信号を光により伝送する投光手段(14,16,23)と、
車両に搭載されて該車両の外部の前記投光手段(14,16,23)からの前記信号を受光する受光手段(11,13,15)と、
前記受光手段(11,13,15)により受光された前記信号に基づいて自車が前記加速抑制領域にあるか否かを判定する判定手段(M1)と、
前記判定手段(M1)により自車が前記加速抑制領域にあると判定された場合に、自車の加速を抑制する走行制御を行う走行制御手段(M2)とを備えることを特徴とする車両の走行制御装置。
【請求項2】
前記投光手段(23)は、駐車スペース(22)の奥側端部に設置されて車両の乗員に対して情報を提供するサイネージであり、前記サイネージは光の点滅周期を変更することで前記信号を伝送することを特徴とする、請求項1に記載の車両の走行制御装置。
【請求項3】
前記判定手段(M1)により自車が前記加速抑制領域にあると判定された場合に、前記走行制御手段(M2)は、自車から前記投光手段(14,16,23)までの距離が所定距離未満の場合に前記走行制御を行うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両の走行制御装置。
【請求項4】
前記走行制御手段(M2)は、自車から前記投光手段(14,16,23)までの距離が所定距離以上であり、かつ自車のアクセルペダル開度あるいはアクセルペダル開速度が所定値未満となる状態が所定時間継続した場合に前記走行制御を解除することを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両の走行制御装置。
【請求項5】
自車は前記投光手段(14,16)を備え、自車が駐車しているときに前記投光手段(14,16)は他車に対して前記信号を伝送することを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両の走行制御装置。
【請求項6】
前記投光手段(14,16)は車両に設けられた灯体であり、自車が駐車しているときに前記灯体は走行時よりも低い輝度で点滅することを特徴とする、請求項5に記載の車両の走行制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−162122(P2012−162122A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22331(P2011−22331)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】