車両アンテナの格納装置
【課題】車両アンテナを破損し難くすることができる車両アンテナの格納装置を提供する。
【解決手段】車両のドアトリム17に、電子キーと近距離無線通信を行う車外用アンテナ13aを配置する。車外用アンテナ13aの格納先としてドアトリム17の内部にアンテナ格納部25を設け、車外用アンテナ13aとアンテナ格納部25との間に付勢部材26を介装した状態で、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納する。よって、車外用アンテナ13aに上から荷重が加わったときには、付勢部材26が縮んで車外用アンテナ13aが下降することにより、車外用アンテナ13aに加わる荷重を下側に逃がすことが可能となる。
【解決手段】車両のドアトリム17に、電子キーと近距離無線通信を行う車外用アンテナ13aを配置する。車外用アンテナ13aの格納先としてドアトリム17の内部にアンテナ格納部25を設け、車外用アンテナ13aとアンテナ格納部25との間に付勢部材26を介装した状態で、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納する。よって、車外用アンテナ13aに上から荷重が加わったときには、付勢部材26が縮んで車外用アンテナ13aが下降することにより、車外用アンテナ13aに加わる荷重を下側に逃がすことが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子キーと通信する車両アンテナの格納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、電子キーからIDコードを無線で車両に送信してID照合を行う電子キーシステムが搭載されている。この電子キーシステムでは、車外に位置する電子キーと車両とでID照合(車外照合)が成立すると、ドアロック施解錠が許可又は実行され、車内に位置する電子キーと車両とでID照合(車内照合)が成立すると、エンジン始動が許可される。
【0003】
この電子キーシステムには、通信距離が十cm以下と非常に短い近距離無線通信を用いたもの(特許文献1等参照)がある。近距離無線通信には、例えばNFC(Near Field Communication)が普及している。このシステムで車外照合を行う場合、図13に示すように、車両ドア81においてドアトリム82の上部に、車外照合用の車両側のアンテナ83を搭載することになる。そして、ドアロック施解錠を行うときには、窓ガラス84越しに電子キー85をアンテナ83にかざして、アンテナ83と電子キー85とを通信させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−147423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アンテナ83はドアトリム82の縁から上方に突出した配置状態をとるので、アンテナ84の存在に注意していないと、ユーザの手や肘等がアンテナ83に当接する可能性も否めない。よって、人の手などが強い衝撃でアンテナ83に当たるなどしたとき、アンテナ83が根元から折れて破損する可能性があるので、何らかの対応策が要望されていた。
【0006】
本発明の目的は、車両アンテナを破損し難くすることができる車両アンテナの格納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明では、電子キーから送信された電波を、車内に設置した車両アンテナで受信する車両アンテナの格納装置において、車両ドアの車内側に配置された前記車両アンテナの格納先として、当該車両ドアに形成されたアンテナ格納部と、前記車両アンテナを前記アンテナ格納部から突出させるように付勢する付勢部材とを備えたことを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、車両アンテナを下から付勢部材で支持した状態で、車両ドアの車内側に設けたアンテナ格納部に車両アンテナを格納する。よって、車両アンテナが例えば人体の一部によって上から押さえ付けられることになっても、車両アンテナは付勢部材に抗して下に移動、つまりアンテナ格納部の内部に動く動作をとるので、車両アンテナにかかる荷重を下に逃がすことが可能となる。このため、車両アンテナに過度な荷重が加わらずに済むので、車両アンテナを破損から保護することが可能となる。
【0009】
本発明では、前記車両アンテナを前記アンテナ格納部に引き込む格納機構と、前記車両アンテナを使用する必要のないとき、前記付勢部材の付勢力に抗して前記車両アンテナを前記格納機構によって前記アンテナ格納部に引き込んで、該車両アンテナを前記アンテナ格納部に格納する制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
この構成によれば、車両アンテナを使用する必要がないとき、格納機構によって車両アンテナをアンテナ格納部に格納するので、車両アンテナを無駄にアンテナ格納部の外部に露出させておかずに済む。よって、車両アンテナが破損に遭う可能性を低くすることが可能となるので、車両アンテナの破損防止に一層効果が高くなる。
【0011】
本発明では、前記車両アンテナは、前記車両のドアトリムに配置されていることを要旨とする。
この構成によれば、部品の配置スペースを広くとることが可能なドアトリムにアンテナ格納部を設けることが可能となるので、アンテナ格納部の配置スペースに困ることがない。
【0012】
本発明では、車外に位置する前記電子キーから受信したID信号でID照合を行い、当該ID照合が成立すれば、前記車両のドアロック施解錠を許可又は実行するドアロック施解錠制御手段を備えたことを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、車両アンテナをドアロック施解錠用の車外アンテナとしたので、電子キーを車両アンテナに接近させて電子キーのID照合を成立させれば、車両のドアロックを施解錠することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車両アンテナを破損し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の電子キーシステムの構成図。
【図2】各リーダライタの通信エリアを示す模式図。
【図3】車外用アンテナの配置位置を示す車両ドアの正面図。
【図4】突出位置をとる車外用アンテナを示す模式側面図。
【図5】上から押さえ付けられた車外用アンテナを示す模式斜視図。
【図6】第2実施形態のアンテナ格納装置の構成図。
【図7】アンテナ格納装置の斜視図。
【図8】アンテナ格納装置の平面図。
【図9】車外用アンテナが突出位置をとった状態を示す動作図。
【図10】車外用アンテナが下降する直前の動作図。
【図11】車外用アンテナが格納位置をとった状態を示す動作図。
【図12】別例のアンテナ格納装置の模式図。
【図13】従来のアンテナの配置構造を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した車両アンテナの格納装置の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0017】
図1に示すように、車両1には、電子キー2との近距離無線通信によりID照合を実行する電子キーシステム3が設けられている。近距離無線通信は、いわゆるNFC(Near Field Communication)であって、例えばFelica、Mifare、TypeB(全て登録商標)等の通信方式が使用されている。この電子キーシステム3において、車外でID照合(車外照合)が成立すれば、ドアロック施解錠が許可又は実行され、車内でID照合(車内照合)が成立すれば、エンジン始動が許可される。
【0018】
この場合、車両1には、電子キー2のIDコードを照合するキー照合装置4と、車両ドアの施解錠動作を管理するドアロック装置5と、エンジンの動作を管理するエンジン始動装置6とが設けられ、これらが車内バス7を介して接続されている。このうち、キー照合装置4には、IDコードの照合動作を実行する照合ECU8が設けられている。エンジン始動装置6には、車両1の電源状態を切り換える際に操作するエンジンスイッチ9が接続されている。なお、照合ECU8がドアロック施解錠制御手段に相当する。
【0019】
照合ECU8には、電子キーシステム3の車両1側の通信装置としてリーダライタ10が接続されている。リーダライタ10は、通信相手である電子キー2への各種データの書き込み及び読み出しを行うものである。図2に示すように、リーダライタ10には、車外用のリーダライタ10aと、車内用のリーダライタ10bとがある。車外リーダライタ10aは、車外に通信エリアEaを形成し、車内リーダライタ10bは、車内に通信エリアEbを形成する。
【0020】
図1に示すように、リーダライタ10には、電子キー2との近距離無線通信を管理するリーダライタ制御ECU11が設けられている。リーダライタ制御ECU11には、通信回路12を介して近距離無線通信用のアンテナ13が接続されている。アンテナ13は、電波として磁界を送信する磁界アンテナであって、例えばループアンテナが使用されている。アンテナ13は、送受信アンテナであって、例えばHF(High Frequency)帯の電波を送受信する。アンテナ13は、アンテナコイル14及びコンデンサ15の直列共振回路を備える。通信回路12は、アンテナ13から送信する電波を変調したり、或いはアンテナ13で受信した電波を復調したりする。
【0021】
図3に示すように、車外リーダライタ10aのアンテナ(以降、車外用アンテナ13aと記す)は、車両ドア16の窓ガラス18越しに配置されている。図4及び図5に示すように、車外用アンテナ13aは、車両ドア16のドアトリム17の上部に配置されている。つまり、アンテナ13は、車両ドア16のドア内縁の上部に配置されている。また、車外用アンテナ13aは、例えば樹脂製のアンテナケース19の中に、アンテナコイル14が複数周回された構造をとっている。車外照合のときには、車両ドア16の窓ガラス18越しに電子キー2を車外用アンテナ13aにかざすことにより、電子キー2と車外リーダライタ10aとの通信を確立する。なお、車外用アンテナ13aが車両アンテナに相当する。
【0022】
図1に示すように、電子キー2は、リーダライタ10と近距離無線通信を行う、いわゆるICタグである。電子キー2には、電子キー2の動作を管理する通信制御回路20が設けられている。通信制御回路20には、電子キー2のIDコードが登録されている。
【0023】
通信制御回路20には、近距離無線通信用にアンテナ21が接続されている。アンテナ21は、磁界アンテナの一種として例えばループアンテナが使用されている。アンテナ21は、アンテナコイル22と共振用のコンデンサ23との並列共振回路からなる。アンテナ21は、送受信アンテナであって、例えばHF帯の電波を送受信する。
【0024】
電子キー2は、リーダライタ10の駆動電波Svを受信すると、駆動電波Svを電源として起動して、ID信号Sidをアンテナ21から送信する。ID信号Sidには、電子キー2のIDコードが含まれる。リーダライタ制御ECU11は、ID信号Sidをアンテナ13で受信すると、ID信号Sid内のIDコードを照合ECU8に転送する。照合ECU8は、リーダライタ制御ECU11からIDコードを入力すると、ID照合を行い、ID照合が成立すれば、ドアロック施解錠やエンジン始動を許可又は実行する。
【0025】
図4及び図5に示すように、車両1には、車外用アンテナ13aをドアトリム17内に格納可能なアンテナ格納装置24が設けられている。この場合、ドアトリム17の内部には、車外用アンテナ13aの格納先としてアンテナ格納部25が設けられている。アンテナ格納部25は、上端が開口されるとともに、車外用アンテナ13a全体を収納可能な大きさに形成されている。なお、アンテナ格納装置24が格納装置に相当する。
【0026】
車外用アンテナ13aとアンテナ格納部25との間には、車外用アンテナ13aを上方に付勢する付勢部材26が介装されている。車外用アンテナ13aは、例えばばねからなり、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25から突出させる方向に付勢する。車外用アンテナ13aは、付勢部材26の付勢力により、アンテナ格納部25から飛び出した突出位置に常時位置する。車外用アンテナ13aは、アンテナケース19の下端に形成された一対の係止片27,27によって抜け止めされている。
【0027】
さて、車両1が駐車状態(ドアロック施錠、エンジン停止)のとき、電子キー2を窓ガラス18越しに車外用アンテナ13aにかざして車外照合が成立すると、ドアロックの解錠が許可される。よって、この状態で車外ドアハンドルノブ16aをタッチ操作すると、ドアロックが解錠され、乗車が許可される。
【0028】
図5に示すように、ユーザが乗車後、ドアトリム17に肘を置いたとき、肘が車外用アンテナ13aを上から押さえ付けることがある。このとき、本例の車外用アンテナ13aは付勢部材26によって支持されているので、車外用アンテナ13aが付勢部材26の付勢力に抗して下降する動きをとる。よって、肘から車外用アンテナ13aにかかる荷重が、付勢部材26によって下に逃がされる。このため、車外用アンテナ13aに大きな荷重(衝撃)が加わらないので、車外用アンテナ13aが根元から折れて破損しない。
【0029】
また、車外用アンテナ13aを上から押さえ付けていた肘が車外用アンテナ13aから外れると、車外用アンテナ13aが付勢部材26の付勢力によって持ち上がり、上方に移動する。よって、図4に示すように、車外用アンテナ13aが突出位置に復帰するため、降車後、ドアロックを施錠するとき、電子キー2を窓ガラス18越しに車外用アンテナ13aにかざすことも問題なく行える。
【0030】
以上により、本例においては、車外用アンテナ13aを付勢部材26によって下から支持し、車外用アンテナ13aに肘等が当接するなどして荷重がかかったときには、車外用アンテナ13aを下方に逃がすことにより、車外用アンテナ13aに大きな荷重が加わらないようにする。よって、車外用アンテナ13aが根元から折れて破損する状況にならずに済むので、車外用アンテナ13aを破損から保護することが可能となる。
【0031】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車外用アンテナ13aの格納先としてアンテナ格納部25をドアトリム17に設け、車外用アンテナ13aとアンテナ格納部25との間に付勢部材26を介装した状態で、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に収納する。よって、車外用アンテナ13aが人体の一部などによって上から押さえ付けられることになっても、付勢部材26が縮んで車外用アンテナ13aがアンテナ格納部25の奥に移動する動きをとることにより、車外用アンテナ13aに加わる荷重が吸収される。このため、車外用アンテナ13aに過度な荷重がかからずに済むので、車外用アンテナ13aを破損から保護することができる。
【0032】
(2)車外用アンテナ13aをドアトリム17に配置したので、部品の配置スペースを広くとることが可能なドアトリム17にアンテナ格納部25を設けることができる。よって、アンテナ格納部25を設けるにあたって、アンテナ格納部25の配置スペースに困ることがない。
【0033】
(3)車外用アンテナ13aを車外からのドアロック施解錠用のアンテナとしたので、電子キー2を車外用アンテナ13aにかざしてID照合を成立させれば、車両ドア16のドアロックを施解錠することができる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図6〜図11に従って説明する。なお、本例は、第1実施形態のアンテナ格納装置24を変更したのみの構成であり、他の基本的な部分は同じである。よって、第1実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0035】
図6及び図7に示すように、アンテナ格納装置24には、車外用アンテナ13aに使用の必要がないとき、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納する格納機構31が設けられている。本例の格納機構31は、例えば車両1の電源状態がIGオン状態になったとき、車外用アンテナ13aの使用の必要はないとして、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納するよう動作する。
【0036】
この場合、格納機構31には、車外用アンテナ13aを下降させるユニット部品として下降駆動源ユニット32が設けられている。下降駆動源ユニット32は、車両ドア16のボディ側に形成されたレール(図示略)に沿って直線移動することにより、車外用アンテナ13aに接近又は離間する。下降駆動源ユニット32は、車外用アンテナ13aの昇降方向に対して直交する方向に直線移動する。
【0037】
下降駆動源ユニット32は、第1モータ33を駆動源として車外用アンテナ13aに接近又は離間する。第1モータ33のモータ軸33aの先端には、ギヤ34が取り付けられ、下降駆動源ユニット32において本体部32aの裏面に形成されたギヤ部35に、第1モータ33のギヤ34が噛合されている。第1モータ33は、例えばDCモータが使用される。
【0038】
よって、第1モータ33が一方向(図7の矢印A1方向)に回転すると、第1モータ33の回転力が、ギヤ群によって下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aから離間させる方向の力に変換される。このため、下降駆動源ユニット32が同図の右側に直線移動し、離間位置をとる。一方、第1モータ33が他方向(図7の矢印A2方向)に回転すると、第1モータ33の回転力が、ギヤ群によって下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aに接近させる方向の力に変換される。よって、下降駆動源ユニット32が同図の左側に直線移動し、車外用アンテナ13aと接触した連結位置をとる。
【0039】
下降駆動源ユニット32には、車外用アンテナ13aを下降させるときの駆動源として第2モータ36が設けられている。第2モータ36は、例えばDCモータが使用される。第2モータ36のモータ軸36aの先端には、ギヤ37が取り付けられている。ギヤ37には、連結ギヤ38を介して車外用アンテナ13aが連結されている。連結ギヤ38は、細長い軸部38aの両端に一対のギヤ39,39が各々取り付けられている。ギヤ39,39は、アンテナケース19の幅方向両端に形成された一対のギヤ部40,40に各々噛合されている。
【0040】
図8に示すように、車外用アンテナ13aの幅方向両側には、車外用アンテナ13aの上下動を案内する一対のレール部41,41が設けられている。これらレール部41,41には、アンテナケース19のギヤ部40,40が摺動可能に係入されている。
【0041】
よって、車外用アンテナ13aが突出位置をとるとき、第2モータ36が例えば正転方向に回転すると、第2モータ36の回転力が、ギヤ群によって車外用アンテナ13aを下に引き込む力に変換される。このため、車外用アンテナ13aが付勢部材26の付勢力に抗して下降し、アンテナ格納部25に収まった格納位置に位置する。車外用アンテナ13aは、格納位置に位置したとき、下降駆動源ユニット32が連結状態を保つことにより、格納位置で保持される。
【0042】
図1に示すように、車両1には、アンテナ格納装置24のコントロールユニットとしてアンテナ格納ECU42が設けられている。アンテナ格納ECU42には、入力側にエンジンスイッチ9が接続され、出力側に第1モータ33及び第2モータ36が接続されている。なお、アンテナ格納ECU42が制御手段に相当する。
【0043】
エンジンスイッチ9は、車両1の電源状態に応じた電源状態検出信号Saをアンテナ格納ECU42に出力する。電源状態検出信号Saには、エンジンスイッチ9がIGオン位置に操作されたときに出力されるIGオン検出信号、エンジンスイッチ9がACC位置に操作されたときに出力されるACC検出信号、エンジンスイッチ9が電源オフ位置に操作されたときに出力されるIGオフ検出信号などがある。
【0044】
アンテナ格納ECU42は、エンジンスイッチ9から入力する電源状態検出信号Saを基にモータ33,36を制御して、車外用アンテナ13aの位置を突出位置又は格納位置のどちらかに設定する。つまり、アンテナ格納ECU42は、車両1の電源状態がIGオン状態のとき、車外用アンテナ13aを格納位置に位置させ、車両1の電源状態がIGオフ状態のとき、車外用アンテナ13aを突出位置に位置させる。アンテナ格納ECU42は、第1モータ33の回転量から下降駆動源ユニット32の移動量を把握するとともに、第2モータ36の回転量から車外用アンテナ13aの高さ位置を把握する。
【0045】
さて、車両1が駐車状態のとき、アンテナ格納ECU42は、エンジンスイッチ9から電源状態検出信号SaとしてIGオフ検出信号を入力している。よって、アンテナ格納ECU42は、第1モータ33を一方向に回転することにより、下降駆動源ユニット32を離間位置に位置させる。このため、図9に示すように、車外用アンテナ13aは、下降駆動源ユニット32による規制が外れ、付勢部材26の付勢力によって上方に押し上げられる。従って、車外用アンテナ13aが突出位置をとる。
【0046】
車両ドア16のドアロックを解錠するには、車外から窓ガラス18越しに電子キー2を車外用アンテナ13aにかざして、車外照合を実行する。このとき、電子キー2が車外用アンテナ13aの通信エリアEaに進入すると、車外用アンテナ13aからの駆動電波Svを電子キー2が受信し、駆動電波Svを電源に電子キー2が起動する。起動した電子キー2は、ID信号Sidを車外リーダライタ10aに返信する。よって、このIDコードによって車外照合が実行され、車外照合が成立すると、ドアロック解錠が許可される。従って、ユーザが車外ドアハンドルノブ16aに触れると、ドアロックが解錠される。
【0047】
乗車後、もし仮に車外用アンテナ13aにユーザの肘等が上から当接して、車外用アンテナ13aが上から衝撃が加わったとする。しかし、本例の場合、車外用アンテナ13aは付勢部材26によって下から支持されているので、肘等によって上から押さえ付けられたときには、車外用アンテナ13aが下方に動く。よって、車外用アンテナ13aに加わる荷重が付勢部材26によって逃がされるので、車外用アンテナ13aに大きな荷重が加わらず、破損から保護することが可能となる。
【0048】
乗車したユーザがエンジンを始動するには、車内リーダライタ10bに電子キー2をかざして、車内照合を実行する。このとき、車外照合のときと同様に、電子キー2と車内リーダライタ10bとで車内照合が実行され、車内照合が成立すると、エンジン始動が許可される。このため、ブレーキペダル(図示略)を踏み込みながらエンジンスイッチ9を押圧操作すると、エンジンが始動する。
【0049】
エンジンスイッチ9は、IGオン位置に操作されると、電源状態検出信号SaとしてIGオン検出信号をアンテナ格納ECU42に出力する。アンテナ格納ECU42は、エンジンスイッチ9からIGオン検出信号を入力すると、まず第1モータ33を他方向に回転させることにより、下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13a側に直進させて連結位置に位置させる。よって、図10に示すように、連結ギヤ38が車外用アンテナ13aのギヤ部40に連結する。
【0050】
続いて、アンテナ格納ECU42は、第2モータ36を一方向に回転させて、車外用アンテナ13aを下降させる。よって、図11に示すように、車外用アンテナ13aがアンテナ格納部25に収まり格納位置をとる。このため、運転中は車外用アンテナ13aがアンテナ格納部25に収まることになるので、運転中に運転者の肘等が車外用アンテナ13aに当たることがなくなり、車外用アンテナ13aの破損防止に一層効果が高くなる。
【0051】
稼働中のエンジンを停止するには、エンジンスイッチ9を再度押圧操作する。このとき、エンジンスイッチ9は、電源状態検出信号SaとしてIGオフ検出信号をアンテナ格納ECU42に出力する。アンテナ格納ECU42は、エンジンスイッチ9からIGオフ検出信号を入力すると、第1モータ33を他方向に回転させ、下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aから離れる側に直進移動させる。よって、図9に示すように、下降駆動源ユニット32が車外用アンテナ13aから離間するので、車外用アンテナ13aが付勢部材26の付勢力によってドアトリム17の外部に露出し、突出位置をとる。つまり、車外用アンテナ13aが突出位置に復帰して、車外からの電子キー2のかざし操作に対して待機する。
【0052】
運転者が降車したとき、車両1のドアロックを施錠するには、車外から電子キー2を窓ガラス18越しに車外用アンテナ13aにかざして、車外照合を実行する。そして、車外照合が成立すると、ドアロックが施錠される。
【0053】
以上により、本例においては、車外用アンテナ13aに使用の必要がないとき、突出位置に位置する車外用アンテナ13aを、格納機構31によってアンテナ格納部25に格納する。このように、未使用時に車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納しておけば、車外用アンテナ13aに人体や物が当接(衝突)する可能性をなくすことが可能となるので、車外用アンテナ13aの破損防止に非常に効果が高くなる。
【0054】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(3)に加え、以下の効果を得ることができる。
(4)車両1の電源状態がIGオン状態のときなど、車外用アンテナ13aを使用する必要がないときには、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納しておくので、車外用アンテナ13aを無駄に外部に露出させておかずに済む。よって、車外用アンテナ13aが破損に遭う可能性を低くすることが可能となるので、車外用アンテナ13aの破損防止に一層効果が高くなる。
【0055】
なお、施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・第1及び第2実施形態において、図12に示すように、車外用アンテナ13aが外力によって押し下げられたとき、その下がった位置を保持機構60により保持してもよい。この場合、車外用アンテナ13aに爪部61を設け、この爪部61の係止先として係止部材62を車体側に設ける。係止部材62には、車外用アンテナ13aの下降方向に沿い、テーパ状(斜面状)の突部63が複数並設されている。そして、車外用アンテナ13aが下降したとき、爪部61が曲がりながら突部63を乗り越え、乗り越え後、爪部61が突部63に係止すると、その位置状態で車外用アンテナ13aが保持される。
【0056】
なお、車外用アンテナ13aを突出位置とするとき、係止部材62に車外用アンテナ13aから一旦離間する動きをとらせて、車外用アンテナ13aを付勢部材26によって上昇させる必要がある。係止部材62を車外用アンテナ13aに対して接近/離間させる機構としては、例えば下降駆動源ユニット32のような構造が応用可能である。
【0057】
・第2実施形態において、アンテナ格納装置24の動作トリガは、車両1の電源状態に限定されない。例えば、ユーザが乗車したことや車内照合が成立したことなどを、アンテナ格納装置24の動作トリガとしてもよい。
【0058】
・第2実施形態において、下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aに対して連結/離間させる機構は、モータ33を使用して下降駆動源ユニット32を直線移動させるものに限定されない。要は、下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aに対して連結/離間できれば、どのような構造の機構を採用してもよい。なお、これは、車外用アンテナ13aを下降させる機構でも同様に言える。
【0059】
・第2実施形態において、格納機構31のアクチュエータは、モータ33,36に限らず、例えばソレノイドやシリンダ等を使用してもよい。
・第1及び第2実施形態において、付勢部材26は、ばねに限定されず、他の弾性部材を使用してもよい。
【0060】
・第1及び第2実施形態において、車外用アンテナ13aが格納位置に到達したことを検出するセンサ(スイッチ)や、車外用アンテナ13aが突出位置に到達したことを検出するセンサ(スイッチ)を設けて、モータ33を制御してもよい。この場合、車外用アンテナ13aを好適な位置で停止させることができる。なお、これは、下降駆動源ユニット32でも同様に言える。
【0061】
・第1実施形態において、車外用アンテナ13aは、突出位置及び格納位置の2位置をとることに限定されず、段階的な位置をとってもよい。
・第1及び第2実施形態において、車両ドア16は、運転席ドアに限定されず、例えば助手席ドア、右側後部ドア、左側後部ドア等でもよい。
【0062】
・第1及び第2実施形態において、車外用アンテナ13aの突出位置は、適宜変更可能である。
・第1及び第2実施形態において、車外用アンテナ13aの配置位置は、ドアトリム17の上部に限定されず、車両ドア16上の位置であれば、他の位置に変更することも可能である。
【0063】
・第1及び第2実施形態において、電子キーシステム3は、近距離無線通信を使用したシステム(かざし照合システム)に限定されない。例えば、車両1からLF帯の電波によりリクエストを送信し、このリクエストに応答した電子キー2がID信号SidをUHF帯の電波で返信するシステム(キー操作フリーシステム)としてもよい。つまり、電子キーシステム3(双方向通信)の通信方式は、近距離無線通信に限らず、通信距離が1m〜数m程度の狭域無線通信としてもよい。
【0064】
・第1及び第2実施形態において、通信は、双方向通信に限定されず、電子キー2から車両1にのみ電波が送信される単方向通信としてもよい。
・第1及び第2実施形態において、車外用アンテナ13aは、磁界アンテナに限定されず、電界アンテナを使用してもよい。また、車外用アンテナ13aは、ループアンテナに限定されず、ダイポールアンテナ等の他のアンテナを使用してもよい。
【0065】
・第1及び第2実施形態において、双方向通信は、ID照合に限定されず、他のデータのやり取りを含む通信としてもよい。
・第1及び第2実施形態において、アンテナ格納装置24は、車外通信に使用されることに限定されず、車内通信に用いてもよい。
【0066】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)請求項1〜4のいずれかにおいて、前記電子キーと前記車両アンテナとの通信方式は、通信距離が極近傍の近距離無線通信が使用されている。この構成によれば、例えばNFC等の近距離無線通信を用いるので、例えばICタグ等を電子キーとして使用することが可能となる。
【符号の説明】
【0067】
1…車両、2…電子キー、8…ドアロック施解錠制御手段としての照合ECU、13a(13)…車両アンテナとしての車外用アンテナ、16…車両ドア、17…ドアトリム、24…格納装置としてのアンテナ格納装置、25…アンテナ格納部、26…付勢部材、31…格納機構、42…制御手段としてのアンテナ格納ECU、Sid…ID信号。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子キーと通信する車両アンテナの格納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、電子キーからIDコードを無線で車両に送信してID照合を行う電子キーシステムが搭載されている。この電子キーシステムでは、車外に位置する電子キーと車両とでID照合(車外照合)が成立すると、ドアロック施解錠が許可又は実行され、車内に位置する電子キーと車両とでID照合(車内照合)が成立すると、エンジン始動が許可される。
【0003】
この電子キーシステムには、通信距離が十cm以下と非常に短い近距離無線通信を用いたもの(特許文献1等参照)がある。近距離無線通信には、例えばNFC(Near Field Communication)が普及している。このシステムで車外照合を行う場合、図13に示すように、車両ドア81においてドアトリム82の上部に、車外照合用の車両側のアンテナ83を搭載することになる。そして、ドアロック施解錠を行うときには、窓ガラス84越しに電子キー85をアンテナ83にかざして、アンテナ83と電子キー85とを通信させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−147423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アンテナ83はドアトリム82の縁から上方に突出した配置状態をとるので、アンテナ84の存在に注意していないと、ユーザの手や肘等がアンテナ83に当接する可能性も否めない。よって、人の手などが強い衝撃でアンテナ83に当たるなどしたとき、アンテナ83が根元から折れて破損する可能性があるので、何らかの対応策が要望されていた。
【0006】
本発明の目的は、車両アンテナを破損し難くすることができる車両アンテナの格納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明では、電子キーから送信された電波を、車内に設置した車両アンテナで受信する車両アンテナの格納装置において、車両ドアの車内側に配置された前記車両アンテナの格納先として、当該車両ドアに形成されたアンテナ格納部と、前記車両アンテナを前記アンテナ格納部から突出させるように付勢する付勢部材とを備えたことを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、車両アンテナを下から付勢部材で支持した状態で、車両ドアの車内側に設けたアンテナ格納部に車両アンテナを格納する。よって、車両アンテナが例えば人体の一部によって上から押さえ付けられることになっても、車両アンテナは付勢部材に抗して下に移動、つまりアンテナ格納部の内部に動く動作をとるので、車両アンテナにかかる荷重を下に逃がすことが可能となる。このため、車両アンテナに過度な荷重が加わらずに済むので、車両アンテナを破損から保護することが可能となる。
【0009】
本発明では、前記車両アンテナを前記アンテナ格納部に引き込む格納機構と、前記車両アンテナを使用する必要のないとき、前記付勢部材の付勢力に抗して前記車両アンテナを前記格納機構によって前記アンテナ格納部に引き込んで、該車両アンテナを前記アンテナ格納部に格納する制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
この構成によれば、車両アンテナを使用する必要がないとき、格納機構によって車両アンテナをアンテナ格納部に格納するので、車両アンテナを無駄にアンテナ格納部の外部に露出させておかずに済む。よって、車両アンテナが破損に遭う可能性を低くすることが可能となるので、車両アンテナの破損防止に一層効果が高くなる。
【0011】
本発明では、前記車両アンテナは、前記車両のドアトリムに配置されていることを要旨とする。
この構成によれば、部品の配置スペースを広くとることが可能なドアトリムにアンテナ格納部を設けることが可能となるので、アンテナ格納部の配置スペースに困ることがない。
【0012】
本発明では、車外に位置する前記電子キーから受信したID信号でID照合を行い、当該ID照合が成立すれば、前記車両のドアロック施解錠を許可又は実行するドアロック施解錠制御手段を備えたことを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、車両アンテナをドアロック施解錠用の車外アンテナとしたので、電子キーを車両アンテナに接近させて電子キーのID照合を成立させれば、車両のドアロックを施解錠することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車両アンテナを破損し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の電子キーシステムの構成図。
【図2】各リーダライタの通信エリアを示す模式図。
【図3】車外用アンテナの配置位置を示す車両ドアの正面図。
【図4】突出位置をとる車外用アンテナを示す模式側面図。
【図5】上から押さえ付けられた車外用アンテナを示す模式斜視図。
【図6】第2実施形態のアンテナ格納装置の構成図。
【図7】アンテナ格納装置の斜視図。
【図8】アンテナ格納装置の平面図。
【図9】車外用アンテナが突出位置をとった状態を示す動作図。
【図10】車外用アンテナが下降する直前の動作図。
【図11】車外用アンテナが格納位置をとった状態を示す動作図。
【図12】別例のアンテナ格納装置の模式図。
【図13】従来のアンテナの配置構造を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した車両アンテナの格納装置の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0017】
図1に示すように、車両1には、電子キー2との近距離無線通信によりID照合を実行する電子キーシステム3が設けられている。近距離無線通信は、いわゆるNFC(Near Field Communication)であって、例えばFelica、Mifare、TypeB(全て登録商標)等の通信方式が使用されている。この電子キーシステム3において、車外でID照合(車外照合)が成立すれば、ドアロック施解錠が許可又は実行され、車内でID照合(車内照合)が成立すれば、エンジン始動が許可される。
【0018】
この場合、車両1には、電子キー2のIDコードを照合するキー照合装置4と、車両ドアの施解錠動作を管理するドアロック装置5と、エンジンの動作を管理するエンジン始動装置6とが設けられ、これらが車内バス7を介して接続されている。このうち、キー照合装置4には、IDコードの照合動作を実行する照合ECU8が設けられている。エンジン始動装置6には、車両1の電源状態を切り換える際に操作するエンジンスイッチ9が接続されている。なお、照合ECU8がドアロック施解錠制御手段に相当する。
【0019】
照合ECU8には、電子キーシステム3の車両1側の通信装置としてリーダライタ10が接続されている。リーダライタ10は、通信相手である電子キー2への各種データの書き込み及び読み出しを行うものである。図2に示すように、リーダライタ10には、車外用のリーダライタ10aと、車内用のリーダライタ10bとがある。車外リーダライタ10aは、車外に通信エリアEaを形成し、車内リーダライタ10bは、車内に通信エリアEbを形成する。
【0020】
図1に示すように、リーダライタ10には、電子キー2との近距離無線通信を管理するリーダライタ制御ECU11が設けられている。リーダライタ制御ECU11には、通信回路12を介して近距離無線通信用のアンテナ13が接続されている。アンテナ13は、電波として磁界を送信する磁界アンテナであって、例えばループアンテナが使用されている。アンテナ13は、送受信アンテナであって、例えばHF(High Frequency)帯の電波を送受信する。アンテナ13は、アンテナコイル14及びコンデンサ15の直列共振回路を備える。通信回路12は、アンテナ13から送信する電波を変調したり、或いはアンテナ13で受信した電波を復調したりする。
【0021】
図3に示すように、車外リーダライタ10aのアンテナ(以降、車外用アンテナ13aと記す)は、車両ドア16の窓ガラス18越しに配置されている。図4及び図5に示すように、車外用アンテナ13aは、車両ドア16のドアトリム17の上部に配置されている。つまり、アンテナ13は、車両ドア16のドア内縁の上部に配置されている。また、車外用アンテナ13aは、例えば樹脂製のアンテナケース19の中に、アンテナコイル14が複数周回された構造をとっている。車外照合のときには、車両ドア16の窓ガラス18越しに電子キー2を車外用アンテナ13aにかざすことにより、電子キー2と車外リーダライタ10aとの通信を確立する。なお、車外用アンテナ13aが車両アンテナに相当する。
【0022】
図1に示すように、電子キー2は、リーダライタ10と近距離無線通信を行う、いわゆるICタグである。電子キー2には、電子キー2の動作を管理する通信制御回路20が設けられている。通信制御回路20には、電子キー2のIDコードが登録されている。
【0023】
通信制御回路20には、近距離無線通信用にアンテナ21が接続されている。アンテナ21は、磁界アンテナの一種として例えばループアンテナが使用されている。アンテナ21は、アンテナコイル22と共振用のコンデンサ23との並列共振回路からなる。アンテナ21は、送受信アンテナであって、例えばHF帯の電波を送受信する。
【0024】
電子キー2は、リーダライタ10の駆動電波Svを受信すると、駆動電波Svを電源として起動して、ID信号Sidをアンテナ21から送信する。ID信号Sidには、電子キー2のIDコードが含まれる。リーダライタ制御ECU11は、ID信号Sidをアンテナ13で受信すると、ID信号Sid内のIDコードを照合ECU8に転送する。照合ECU8は、リーダライタ制御ECU11からIDコードを入力すると、ID照合を行い、ID照合が成立すれば、ドアロック施解錠やエンジン始動を許可又は実行する。
【0025】
図4及び図5に示すように、車両1には、車外用アンテナ13aをドアトリム17内に格納可能なアンテナ格納装置24が設けられている。この場合、ドアトリム17の内部には、車外用アンテナ13aの格納先としてアンテナ格納部25が設けられている。アンテナ格納部25は、上端が開口されるとともに、車外用アンテナ13a全体を収納可能な大きさに形成されている。なお、アンテナ格納装置24が格納装置に相当する。
【0026】
車外用アンテナ13aとアンテナ格納部25との間には、車外用アンテナ13aを上方に付勢する付勢部材26が介装されている。車外用アンテナ13aは、例えばばねからなり、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25から突出させる方向に付勢する。車外用アンテナ13aは、付勢部材26の付勢力により、アンテナ格納部25から飛び出した突出位置に常時位置する。車外用アンテナ13aは、アンテナケース19の下端に形成された一対の係止片27,27によって抜け止めされている。
【0027】
さて、車両1が駐車状態(ドアロック施錠、エンジン停止)のとき、電子キー2を窓ガラス18越しに車外用アンテナ13aにかざして車外照合が成立すると、ドアロックの解錠が許可される。よって、この状態で車外ドアハンドルノブ16aをタッチ操作すると、ドアロックが解錠され、乗車が許可される。
【0028】
図5に示すように、ユーザが乗車後、ドアトリム17に肘を置いたとき、肘が車外用アンテナ13aを上から押さえ付けることがある。このとき、本例の車外用アンテナ13aは付勢部材26によって支持されているので、車外用アンテナ13aが付勢部材26の付勢力に抗して下降する動きをとる。よって、肘から車外用アンテナ13aにかかる荷重が、付勢部材26によって下に逃がされる。このため、車外用アンテナ13aに大きな荷重(衝撃)が加わらないので、車外用アンテナ13aが根元から折れて破損しない。
【0029】
また、車外用アンテナ13aを上から押さえ付けていた肘が車外用アンテナ13aから外れると、車外用アンテナ13aが付勢部材26の付勢力によって持ち上がり、上方に移動する。よって、図4に示すように、車外用アンテナ13aが突出位置に復帰するため、降車後、ドアロックを施錠するとき、電子キー2を窓ガラス18越しに車外用アンテナ13aにかざすことも問題なく行える。
【0030】
以上により、本例においては、車外用アンテナ13aを付勢部材26によって下から支持し、車外用アンテナ13aに肘等が当接するなどして荷重がかかったときには、車外用アンテナ13aを下方に逃がすことにより、車外用アンテナ13aに大きな荷重が加わらないようにする。よって、車外用アンテナ13aが根元から折れて破損する状況にならずに済むので、車外用アンテナ13aを破損から保護することが可能となる。
【0031】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)車外用アンテナ13aの格納先としてアンテナ格納部25をドアトリム17に設け、車外用アンテナ13aとアンテナ格納部25との間に付勢部材26を介装した状態で、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に収納する。よって、車外用アンテナ13aが人体の一部などによって上から押さえ付けられることになっても、付勢部材26が縮んで車外用アンテナ13aがアンテナ格納部25の奥に移動する動きをとることにより、車外用アンテナ13aに加わる荷重が吸収される。このため、車外用アンテナ13aに過度な荷重がかからずに済むので、車外用アンテナ13aを破損から保護することができる。
【0032】
(2)車外用アンテナ13aをドアトリム17に配置したので、部品の配置スペースを広くとることが可能なドアトリム17にアンテナ格納部25を設けることができる。よって、アンテナ格納部25を設けるにあたって、アンテナ格納部25の配置スペースに困ることがない。
【0033】
(3)車外用アンテナ13aを車外からのドアロック施解錠用のアンテナとしたので、電子キー2を車外用アンテナ13aにかざしてID照合を成立させれば、車両ドア16のドアロックを施解錠することができる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図6〜図11に従って説明する。なお、本例は、第1実施形態のアンテナ格納装置24を変更したのみの構成であり、他の基本的な部分は同じである。よって、第1実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0035】
図6及び図7に示すように、アンテナ格納装置24には、車外用アンテナ13aに使用の必要がないとき、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納する格納機構31が設けられている。本例の格納機構31は、例えば車両1の電源状態がIGオン状態になったとき、車外用アンテナ13aの使用の必要はないとして、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納するよう動作する。
【0036】
この場合、格納機構31には、車外用アンテナ13aを下降させるユニット部品として下降駆動源ユニット32が設けられている。下降駆動源ユニット32は、車両ドア16のボディ側に形成されたレール(図示略)に沿って直線移動することにより、車外用アンテナ13aに接近又は離間する。下降駆動源ユニット32は、車外用アンテナ13aの昇降方向に対して直交する方向に直線移動する。
【0037】
下降駆動源ユニット32は、第1モータ33を駆動源として車外用アンテナ13aに接近又は離間する。第1モータ33のモータ軸33aの先端には、ギヤ34が取り付けられ、下降駆動源ユニット32において本体部32aの裏面に形成されたギヤ部35に、第1モータ33のギヤ34が噛合されている。第1モータ33は、例えばDCモータが使用される。
【0038】
よって、第1モータ33が一方向(図7の矢印A1方向)に回転すると、第1モータ33の回転力が、ギヤ群によって下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aから離間させる方向の力に変換される。このため、下降駆動源ユニット32が同図の右側に直線移動し、離間位置をとる。一方、第1モータ33が他方向(図7の矢印A2方向)に回転すると、第1モータ33の回転力が、ギヤ群によって下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aに接近させる方向の力に変換される。よって、下降駆動源ユニット32が同図の左側に直線移動し、車外用アンテナ13aと接触した連結位置をとる。
【0039】
下降駆動源ユニット32には、車外用アンテナ13aを下降させるときの駆動源として第2モータ36が設けられている。第2モータ36は、例えばDCモータが使用される。第2モータ36のモータ軸36aの先端には、ギヤ37が取り付けられている。ギヤ37には、連結ギヤ38を介して車外用アンテナ13aが連結されている。連結ギヤ38は、細長い軸部38aの両端に一対のギヤ39,39が各々取り付けられている。ギヤ39,39は、アンテナケース19の幅方向両端に形成された一対のギヤ部40,40に各々噛合されている。
【0040】
図8に示すように、車外用アンテナ13aの幅方向両側には、車外用アンテナ13aの上下動を案内する一対のレール部41,41が設けられている。これらレール部41,41には、アンテナケース19のギヤ部40,40が摺動可能に係入されている。
【0041】
よって、車外用アンテナ13aが突出位置をとるとき、第2モータ36が例えば正転方向に回転すると、第2モータ36の回転力が、ギヤ群によって車外用アンテナ13aを下に引き込む力に変換される。このため、車外用アンテナ13aが付勢部材26の付勢力に抗して下降し、アンテナ格納部25に収まった格納位置に位置する。車外用アンテナ13aは、格納位置に位置したとき、下降駆動源ユニット32が連結状態を保つことにより、格納位置で保持される。
【0042】
図1に示すように、車両1には、アンテナ格納装置24のコントロールユニットとしてアンテナ格納ECU42が設けられている。アンテナ格納ECU42には、入力側にエンジンスイッチ9が接続され、出力側に第1モータ33及び第2モータ36が接続されている。なお、アンテナ格納ECU42が制御手段に相当する。
【0043】
エンジンスイッチ9は、車両1の電源状態に応じた電源状態検出信号Saをアンテナ格納ECU42に出力する。電源状態検出信号Saには、エンジンスイッチ9がIGオン位置に操作されたときに出力されるIGオン検出信号、エンジンスイッチ9がACC位置に操作されたときに出力されるACC検出信号、エンジンスイッチ9が電源オフ位置に操作されたときに出力されるIGオフ検出信号などがある。
【0044】
アンテナ格納ECU42は、エンジンスイッチ9から入力する電源状態検出信号Saを基にモータ33,36を制御して、車外用アンテナ13aの位置を突出位置又は格納位置のどちらかに設定する。つまり、アンテナ格納ECU42は、車両1の電源状態がIGオン状態のとき、車外用アンテナ13aを格納位置に位置させ、車両1の電源状態がIGオフ状態のとき、車外用アンテナ13aを突出位置に位置させる。アンテナ格納ECU42は、第1モータ33の回転量から下降駆動源ユニット32の移動量を把握するとともに、第2モータ36の回転量から車外用アンテナ13aの高さ位置を把握する。
【0045】
さて、車両1が駐車状態のとき、アンテナ格納ECU42は、エンジンスイッチ9から電源状態検出信号SaとしてIGオフ検出信号を入力している。よって、アンテナ格納ECU42は、第1モータ33を一方向に回転することにより、下降駆動源ユニット32を離間位置に位置させる。このため、図9に示すように、車外用アンテナ13aは、下降駆動源ユニット32による規制が外れ、付勢部材26の付勢力によって上方に押し上げられる。従って、車外用アンテナ13aが突出位置をとる。
【0046】
車両ドア16のドアロックを解錠するには、車外から窓ガラス18越しに電子キー2を車外用アンテナ13aにかざして、車外照合を実行する。このとき、電子キー2が車外用アンテナ13aの通信エリアEaに進入すると、車外用アンテナ13aからの駆動電波Svを電子キー2が受信し、駆動電波Svを電源に電子キー2が起動する。起動した電子キー2は、ID信号Sidを車外リーダライタ10aに返信する。よって、このIDコードによって車外照合が実行され、車外照合が成立すると、ドアロック解錠が許可される。従って、ユーザが車外ドアハンドルノブ16aに触れると、ドアロックが解錠される。
【0047】
乗車後、もし仮に車外用アンテナ13aにユーザの肘等が上から当接して、車外用アンテナ13aが上から衝撃が加わったとする。しかし、本例の場合、車外用アンテナ13aは付勢部材26によって下から支持されているので、肘等によって上から押さえ付けられたときには、車外用アンテナ13aが下方に動く。よって、車外用アンテナ13aに加わる荷重が付勢部材26によって逃がされるので、車外用アンテナ13aに大きな荷重が加わらず、破損から保護することが可能となる。
【0048】
乗車したユーザがエンジンを始動するには、車内リーダライタ10bに電子キー2をかざして、車内照合を実行する。このとき、車外照合のときと同様に、電子キー2と車内リーダライタ10bとで車内照合が実行され、車内照合が成立すると、エンジン始動が許可される。このため、ブレーキペダル(図示略)を踏み込みながらエンジンスイッチ9を押圧操作すると、エンジンが始動する。
【0049】
エンジンスイッチ9は、IGオン位置に操作されると、電源状態検出信号SaとしてIGオン検出信号をアンテナ格納ECU42に出力する。アンテナ格納ECU42は、エンジンスイッチ9からIGオン検出信号を入力すると、まず第1モータ33を他方向に回転させることにより、下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13a側に直進させて連結位置に位置させる。よって、図10に示すように、連結ギヤ38が車外用アンテナ13aのギヤ部40に連結する。
【0050】
続いて、アンテナ格納ECU42は、第2モータ36を一方向に回転させて、車外用アンテナ13aを下降させる。よって、図11に示すように、車外用アンテナ13aがアンテナ格納部25に収まり格納位置をとる。このため、運転中は車外用アンテナ13aがアンテナ格納部25に収まることになるので、運転中に運転者の肘等が車外用アンテナ13aに当たることがなくなり、車外用アンテナ13aの破損防止に一層効果が高くなる。
【0051】
稼働中のエンジンを停止するには、エンジンスイッチ9を再度押圧操作する。このとき、エンジンスイッチ9は、電源状態検出信号SaとしてIGオフ検出信号をアンテナ格納ECU42に出力する。アンテナ格納ECU42は、エンジンスイッチ9からIGオフ検出信号を入力すると、第1モータ33を他方向に回転させ、下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aから離れる側に直進移動させる。よって、図9に示すように、下降駆動源ユニット32が車外用アンテナ13aから離間するので、車外用アンテナ13aが付勢部材26の付勢力によってドアトリム17の外部に露出し、突出位置をとる。つまり、車外用アンテナ13aが突出位置に復帰して、車外からの電子キー2のかざし操作に対して待機する。
【0052】
運転者が降車したとき、車両1のドアロックを施錠するには、車外から電子キー2を窓ガラス18越しに車外用アンテナ13aにかざして、車外照合を実行する。そして、車外照合が成立すると、ドアロックが施錠される。
【0053】
以上により、本例においては、車外用アンテナ13aに使用の必要がないとき、突出位置に位置する車外用アンテナ13aを、格納機構31によってアンテナ格納部25に格納する。このように、未使用時に車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納しておけば、車外用アンテナ13aに人体や物が当接(衝突)する可能性をなくすことが可能となるので、車外用アンテナ13aの破損防止に非常に効果が高くなる。
【0054】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態の(1)〜(3)に加え、以下の効果を得ることができる。
(4)車両1の電源状態がIGオン状態のときなど、車外用アンテナ13aを使用する必要がないときには、車外用アンテナ13aをアンテナ格納部25に格納しておくので、車外用アンテナ13aを無駄に外部に露出させておかずに済む。よって、車外用アンテナ13aが破損に遭う可能性を低くすることが可能となるので、車外用アンテナ13aの破損防止に一層効果が高くなる。
【0055】
なお、施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・第1及び第2実施形態において、図12に示すように、車外用アンテナ13aが外力によって押し下げられたとき、その下がった位置を保持機構60により保持してもよい。この場合、車外用アンテナ13aに爪部61を設け、この爪部61の係止先として係止部材62を車体側に設ける。係止部材62には、車外用アンテナ13aの下降方向に沿い、テーパ状(斜面状)の突部63が複数並設されている。そして、車外用アンテナ13aが下降したとき、爪部61が曲がりながら突部63を乗り越え、乗り越え後、爪部61が突部63に係止すると、その位置状態で車外用アンテナ13aが保持される。
【0056】
なお、車外用アンテナ13aを突出位置とするとき、係止部材62に車外用アンテナ13aから一旦離間する動きをとらせて、車外用アンテナ13aを付勢部材26によって上昇させる必要がある。係止部材62を車外用アンテナ13aに対して接近/離間させる機構としては、例えば下降駆動源ユニット32のような構造が応用可能である。
【0057】
・第2実施形態において、アンテナ格納装置24の動作トリガは、車両1の電源状態に限定されない。例えば、ユーザが乗車したことや車内照合が成立したことなどを、アンテナ格納装置24の動作トリガとしてもよい。
【0058】
・第2実施形態において、下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aに対して連結/離間させる機構は、モータ33を使用して下降駆動源ユニット32を直線移動させるものに限定されない。要は、下降駆動源ユニット32を車外用アンテナ13aに対して連結/離間できれば、どのような構造の機構を採用してもよい。なお、これは、車外用アンテナ13aを下降させる機構でも同様に言える。
【0059】
・第2実施形態において、格納機構31のアクチュエータは、モータ33,36に限らず、例えばソレノイドやシリンダ等を使用してもよい。
・第1及び第2実施形態において、付勢部材26は、ばねに限定されず、他の弾性部材を使用してもよい。
【0060】
・第1及び第2実施形態において、車外用アンテナ13aが格納位置に到達したことを検出するセンサ(スイッチ)や、車外用アンテナ13aが突出位置に到達したことを検出するセンサ(スイッチ)を設けて、モータ33を制御してもよい。この場合、車外用アンテナ13aを好適な位置で停止させることができる。なお、これは、下降駆動源ユニット32でも同様に言える。
【0061】
・第1実施形態において、車外用アンテナ13aは、突出位置及び格納位置の2位置をとることに限定されず、段階的な位置をとってもよい。
・第1及び第2実施形態において、車両ドア16は、運転席ドアに限定されず、例えば助手席ドア、右側後部ドア、左側後部ドア等でもよい。
【0062】
・第1及び第2実施形態において、車外用アンテナ13aの突出位置は、適宜変更可能である。
・第1及び第2実施形態において、車外用アンテナ13aの配置位置は、ドアトリム17の上部に限定されず、車両ドア16上の位置であれば、他の位置に変更することも可能である。
【0063】
・第1及び第2実施形態において、電子キーシステム3は、近距離無線通信を使用したシステム(かざし照合システム)に限定されない。例えば、車両1からLF帯の電波によりリクエストを送信し、このリクエストに応答した電子キー2がID信号SidをUHF帯の電波で返信するシステム(キー操作フリーシステム)としてもよい。つまり、電子キーシステム3(双方向通信)の通信方式は、近距離無線通信に限らず、通信距離が1m〜数m程度の狭域無線通信としてもよい。
【0064】
・第1及び第2実施形態において、通信は、双方向通信に限定されず、電子キー2から車両1にのみ電波が送信される単方向通信としてもよい。
・第1及び第2実施形態において、車外用アンテナ13aは、磁界アンテナに限定されず、電界アンテナを使用してもよい。また、車外用アンテナ13aは、ループアンテナに限定されず、ダイポールアンテナ等の他のアンテナを使用してもよい。
【0065】
・第1及び第2実施形態において、双方向通信は、ID照合に限定されず、他のデータのやり取りを含む通信としてもよい。
・第1及び第2実施形態において、アンテナ格納装置24は、車外通信に使用されることに限定されず、車内通信に用いてもよい。
【0066】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)請求項1〜4のいずれかにおいて、前記電子キーと前記車両アンテナとの通信方式は、通信距離が極近傍の近距離無線通信が使用されている。この構成によれば、例えばNFC等の近距離無線通信を用いるので、例えばICタグ等を電子キーとして使用することが可能となる。
【符号の説明】
【0067】
1…車両、2…電子キー、8…ドアロック施解錠制御手段としての照合ECU、13a(13)…車両アンテナとしての車外用アンテナ、16…車両ドア、17…ドアトリム、24…格納装置としてのアンテナ格納装置、25…アンテナ格納部、26…付勢部材、31…格納機構、42…制御手段としてのアンテナ格納ECU、Sid…ID信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子キーから送信された電波を、車内に設置した車両アンテナで受信する車両アンテナの格納装置において、
車両ドアの車内側に配置された前記車両アンテナの格納先として、当該車両ドアに形成されたアンテナ格納部と、
前記車両アンテナを前記アンテナ格納部から突出させるように付勢する付勢部材と
を備えたことを特徴とする車両アンテナの格納装置。
【請求項2】
前記車両アンテナを前記アンテナ格納部に引き込む格納機構と、
前記車両アンテナを使用する必要のないとき、前記付勢部材の付勢力に抗して前記車両アンテナを前記格納機構によって前記アンテナ格納部に引き込んで、該車両アンテナを前記アンテナ格納部に格納する制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両アンテナの格納装置。
【請求項3】
前記車両アンテナは、前記車両のドアトリムに配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両アンテナの格納装置。
【請求項4】
車外に位置する前記電子キーから受信したID信号でID照合を行い、当該ID照合が成立すれば、前記車両のドアロック施解錠を許可又は実行するドアロック施解錠制御手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の車両アンテナの格納装置。
【請求項1】
電子キーから送信された電波を、車内に設置した車両アンテナで受信する車両アンテナの格納装置において、
車両ドアの車内側に配置された前記車両アンテナの格納先として、当該車両ドアに形成されたアンテナ格納部と、
前記車両アンテナを前記アンテナ格納部から突出させるように付勢する付勢部材と
を備えたことを特徴とする車両アンテナの格納装置。
【請求項2】
前記車両アンテナを前記アンテナ格納部に引き込む格納機構と、
前記車両アンテナを使用する必要のないとき、前記付勢部材の付勢力に抗して前記車両アンテナを前記格納機構によって前記アンテナ格納部に引き込んで、該車両アンテナを前記アンテナ格納部に格納する制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両アンテナの格納装置。
【請求項3】
前記車両アンテナは、前記車両のドアトリムに配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両アンテナの格納装置。
【請求項4】
車外に位置する前記電子キーから受信したID信号でID照合を行い、当該ID照合が成立すれば、前記車両のドアロック施解錠を許可又は実行するドアロック施解錠制御手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の車両アンテナの格納装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−259222(P2011−259222A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132088(P2010−132088)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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