説明

車両ギアボックスアクチュエータ

車両ギアボックス・シフト・アクチュエータ及びこれを含む装置。アクチュエータはリードネジ、リードネジにネジ込まれた駆動ナット、プランジャ、駆動ナットとプランジャの第1端部との間に配置された第1バネ、及び、駆動ナットと第1端部と反対側にあるプランジャとの間に配置された第2バネを含む。アクチュエータ出力の非接触式位置検出器も設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についてのクロス・リファレンス]
本願は、2004年10月26日に出願された米国仮特許出願番号第60/622,151号に基づく優先権を主張し、更に2005年1月10日に出願された米国仮特許出願番号第60/622,645号に基づく優先権を主張する。上述した出願の全ての全開示内容は、本願明細書に参考文献として援用する。
【0002】
本発明は、一般に、車両ギアボックス・シフト・アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、フルタイム又はパートタイム4輪駆動及び/又は全輪駆動運転ができる商用車、スポーツ用途車両及び乗用車がありふれたものになっている。幾つかの構成では、運転者は、如何なる所与の時刻にも状況に応じて2輪又は4輪駆動を選択するオプションを有する。車両は、1つの駆動トレイン又はサスペンション作動状況から車両が検知した道路状況に基づいて別の状況に自動的に移動するように構成し得る。例えば、車両は2輪駆動から4輪駆動に変わり得るか、あるいは、滑りやすい道路状況に遭遇したときに、特定の車輪を選択的に駆動し得る。車両サスペンション安定器の接続及び非接続も、道路状況により、手動又は自動的に定立し得る。
【0004】
駆動トレイン又はサスペンション作動状況のこれらの変化を定立するために、例えば、前部及び/又は後部差動装置の状態、トランスファ・ケース、及び/又はスタビライザバーシステムを変えるために、車両は、1つ以上の電気機械式アクチュエータを備え得る。
こうしたアクチュエータのコスト及び信頼性は、勿論、重要な考慮点である。このように、費用対効果及び信頼し得る車両ギアボックス・シフト・アクチュエータの連続需要が存在する。
【0005】
本発明の利点はその例示的実施形態の以下の詳細な説明から明らかであり、詳細な説明は添付図面を参照して考慮すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
説明の容易さのために、本発明によるアクチュエータは、例えば4輪駆動車両のトランスファ・ケース、車両前部差動装置、車両後部差動装置、トランスミッション等のようなギアボックスと関連して本願明細書で記載し得る。しかしながら、本発明によるアクチュエータは、スタビライザーバー、駐車ブレーキ、インターロック等のような様々な用途に関して有用であることが理解される。従って、本願明細書に記載されている図示された例示的実施形態は例示のみによって設けられており、限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。
【0007】
図1は、ギアボックス14に連結されたアクチュエータ12を含むシステム10のブロック線図である。本発明によれば、ギアボックス14は、トランスファ・ケース、前部差動装置、後部差動装置等を含み得る。アクチュエータ12はギアボックス14、及び/又はギアボックス内の1つ以上の構成要素に係合させるためのプランジャ16を含み得る。例えば、ギアボックス14が4輪駆動車両のトランスファ・ケースである実施形態では、プランジャ16は、トランスファ・ケースを全輪駆動と4輪駆動との間でシフト移送させるためのギアボックス14内で移送フォークに作用し得る。アクチュエータ12は、ギアボックス14に直に連結し得る。あるいは、アクチュエータ及びプランジャは中間リンケージ等を介してギアボックスに直に連結し得る。アクチュエータ12は制御信号18に応じて作動し得る。各種実施形態によれば、制御信号18は、例えば、CAN又はLINバスのようなコミュニケーションバス20に亘ってアクチュエータ12に設け得る。
【0008】
図2を参照すると、アクチュエータ100の実施形態が示されている。アクチュエータ100は、通常、モータ、駆動トレイン、幾つかの実施形態では、制御回路を包囲を少なくとも部分的に包囲し得る上下ハウジング部分102、104によって形成される本体を含み得る。上下のハウジング102、104は、ガラス充填されたナイロン、あるいは、プラスチック及び金属材料を含む他の適切な材料から形成し得る。アクチュエータ100は、例えば、アクチュエータ100をギアボックス又は他の車両構成要素又は構造体に装着するのを容易にするフランジ106、108のような装着機構を含み得る。図示するように、アクチュエータ100は、力及び/又は制御信号をアクチュエータ100に供するための、例えば、4ピンコネクタのような、一体コネクタ110を含み得る。アクチュエータの各種実施形態は、力及び/又は制御信号をアクチュエータに供するための、例えば、ピグテールコネクタのような別様のコネクタ構成を含み得る。
【0009】
図示された例示的実施形態では、アクチュエータ100はプランジャアセンブリ112を含み得る。プランジャアセンブリ112はアクチュエータ本体内で軸線方向に往復動可能とし得る。プランジャアセンブリ112はブロックされたシフト補償を与えるように構成し得る。図3を参照すると、プランジャアセンブリ112の実施形態の断面図が示されている。駆動ネジ114は、所望の減速ギアを得るために、アクチュエータ駆動トレイン(図示せず)の出力に連結し得る。駆動ネジ114は、アクチュエータ取付フランジ106を含み得る、プランジャハウジング116を貫通して延在し得る。シール118、120は、駆動ネジ114がハウジング116に入る、プランジャハウジング116の内側及び外側に設け得る。
【0010】
プランジャ122が内部で軸線方向に往復動し得るように、該プランジャ122は少なくとも部分的にプランジャハウジング116内で摺動自在に配置し得る。駆動ネジ114は、プランジャ122の端壁124を貫通してプランジャ122内に延在し得る。駆動ナット126は、プランジャ122内で駆動ネジ114上に配置し得る。第1コンプライアンスバネ128は駆動ナット126とプランジャ122の端壁124との間に配置し得る。第2コンプライアンスバネ130は駆動ナット126とプランジャ122の対向端壁132との間に配置し得る。図示するように、第1及び第2コンプライアンスバネ128、130は螺旋形コイルバネとし得る。
【0011】
駆動ネジ114がアクチュエータ駆動トレイインによって回転駆動されるにつれて、駆動ナット126は駆動ネジ114に沿って軸線方向に移動し得る。通常動作状態下で、プランジャ122は、例えば、ギアボックスの移走フォーク等の被駆動部材を駆動するために駆動ナット126と並んで移動し得る。例えば、駆動部材がブロックされるように、プランジャ移動が阻止される場合、被駆動部材の運動はブロックされ、プランジャ122内部のコンプライアンスバネ128、130は駆動ナット126を駆動ネジに沿って移動させる一方でプランジャが固定したままでいることを可能にし得る。駆動ナット126が駆動ネジ114に沿って移動するにつれて、駆動ネジ114の回転方向に依存して、補償バネ128、130の1つを圧縮し得る。ブロックされた状態が一掃/解除される場合、圧縮コンプライアンスバネ128、130に蓄えられたエネルギーはプランジャ122を駆動して2つのコンプライアンスバネ128、130間の釣合位置内に入れ得る。ブロックされた状態においてさえも圧縮されたコンプライアンスバネ128、130に蓄えられたエネルギーは、ブロックされた状態が一掃/解除される場合に所望位置に駆動部材を移動させるには十分であり得る。ブロックされた移送装置の実例は米国特許出願第11/108,351号明細書に開示されており、その全内容は本願明細書に参考文献として援用される。
【0012】
図4は、アクチュエータ200の実施形態の内部構成要素の斜視図である。図示するように、アクチュエータ200は、永久磁石DCモータとし得る、可逆モータ202を含み得る。モータ202は、アクチュエータ駆動トレインに連結し得る。アクチュエータ駆動トレインの実施形態は、モータ202の出力軸に配置し得る、ピニオンギア204を含み得る。ピニオンギア204は、例えば、第1複合ギア206に、例えば、かみ合い係合によって駆動連結し得る。第1複合ギア206は、今度は、複合ギアともし得る、出力ギアに駆動連結し得る。様々な別の及び/又は付加的な駆動トレインを本発明により適切に採用し得る。実施形態によれば、出力ギア208は、図3に関して検討される、プランジャアセンブリ112の駆動ネジ114のようなアクチュエータ出力に結合し得る。
【0013】
アクチュエータ200は非接触位置検出システムを更に含み得る。例示的実施形態では、非接触位置検出システムは、プランジャアセンブリの駆動ナットの位置に応じて出力を供し得る。非接触位置検出システムは、アクチュエータ駆動トレインの出力歯車208に連結されたセンサ駆動ネジ214を含み得る。例えば、図示するように、センサ駆動ネジ214は、出力歯車208の中心から延在するように設け得る。キャリア216は、モータ202の回転の方向に依存して、センサ駆動ネジ214に沿って往復運動するためにセンサ駆動ネジ214上に配置し得る。
【0014】
磁石218はキャリア216に連結し得るものであり、かつ該キャリア216と共に移動し得る。キャリア216及び磁石218は、ホール効果センサ、フラックスゲートセンサ、リードスイッチ等のような少なくとも1つの磁場センサを含み得る、プリント回路基盤(PCB)上を移動し得る。説明した例示的実施形態では、2つのホール効果センサをPCB上に配置し得る。ホール効果センサ222、224はキャリア216上の磁石218の位置に応じて出力を供し得る。磁石の位置はアクチュエータ出力の位置に直に関連させ得る。
【0015】
1実施形態では、ホール効果センサ222、224はスイッティングホール効果センサとし得る。こうした実施形態では、磁石218が、例えば、第1ホール効果センサ222に隣接、例えば、より上に配置される場合、第1ホール効果センサ222は”オン”状態に対応する出力を供し得る。第2ホール効果センサ224は、オフ状態に対応する出力を供し得る。逆に、磁石218が第2ホール効果センサ224に隣接、例えば、より上に配置される場合、第2ホール効果センサ224は”オン”状態に対応する出力をし得るものであり、第1ホール効果センサ222は”オフ”状態に対応する出力を供し得る。非接触位置検出システムのこうした実施形態は、磁石218の移動位置の端部及び何れかの方向におけるキャリア216の応じた信号を出力し得る。磁石218及びキャリア216の移動位置の端部は、プランジャアセンブリの駆動ナットの移動位置の端部に対応し得る。
【0016】
位置検出システムの他の実施形態は線形ホール効果装置を利用し得る。こうした実施形態は移動位置の端部に応じて出力を供し得る。さらに、位置検出システムは、移動位置の端との間に、磁石およびキャリアの位置に応答して、出力を提供することもできる。関連した実施形態では、位置検出システムは、磁石及びキャリアの移動の移動経路に沿って配置された2つ以上の磁場センサを含み得る。更なる磁場センサは移動位置の端部間で磁石及びキャリア、及び/又は位置検出システムの解像度を向上させるために中間位置を示し得る。本発明による非接触位置検出システムの更なる実施形態は、例えば、光学センサ等のような磁場センサ以外の非接触式センサを利用し得る。
【0017】
図5に示すように、磁石は3極磁石218aとし得る。図示するように、3極磁石218aは、交番極性226、228、230の領域を含み得る。図示した実施形態では、外側領域226、230は、中間領域228より狭くし得る。各種実施形態において、3極磁石218aは一体物として磁化された本体を含み得る。あるいは、3極磁石は、交番極性の領域を与えるために互いに対して結合された別々の磁石を含む、接合された構造体とし得る。図6に示すように、3極磁石は、オン/オフするときにホール効果デバイスのヒステリシス効果を減じ得る。ヒステリシスの減少は、例えば、”オン”領域234に比較されるような、”灰色”又は未知領域232の減少を被り得る。3極磁石は、従って、ホール効果デバイスの改良されたスイッチング精度を与え得る。
【0018】
図7に示すような、図4の例示的な非接触式位置検出システムで使用されるような、一対の離隔配置されたホール効果センサを含む位置検出システムでは、3極磁石の使用は、スイッチング領域240間の空間に対する2つのホール効果センサの灰色領域236、238の間の増大された移動236を与える。”灰色領域”236、238の減少は、ホール効果センサを利用している位置検出システムの正確さを向上させ得る。ホール効果せンサによって被る”灰色領域”を減らすことに加えて、3極磁石はより大きな電圧、温度及び時間範囲に亘るより正確で信頼し得る性能をも供し得る。
【0019】
図8に戻ると、本発明によるモータ制御電子装置800のための例示的構成が例示されている。図示された例示的実施形態は、アクチュエータに与えられた制御信号に応字手制御入力を受信するための制御回路804に結合されたコントローラ802を含む。
アクチュエータへの点火入力は、安定した供給電圧をコントローラ802へ供給するための入力電力調節回路812に連結し得る。一般に、コントローラ802は、制御信号に応じてアクチュエータモータ202を駆動するための双方向モータ駆動回路806に出力を供し、かつ、例えば、ホール効果センサ222、224のような1つ以上の位置センサ808、810から出力する。コントローラは、作動位置を示すLEDディスプレイを駆動する出力を供するように構成されたLED出力回路814に連結し得る。
【0020】
機械判読可能メモリデバイス816は、モータ駆動を制御する際にコントローラによって、及び/又は、コントローラからの診断出力によってアクセス可能な診断データを実行するために、例えば、ソフトウェアインストラクションのようなインストラクションを記憶するためにプロセッサに結合し得る。診断データは、コントローラに連結された周知の温度センサ818から得られる温度データを含み得る。診断データは、例えば、CAN又はLINバスのような車両通信バスに亘って送受信し得るものであり、CAN又はLINバス又は他の要素を有するインタフェース(図示せず)を介してプロセッサから要請し得る。
【0021】
モータ制御電子装置は、アクチュエータ位置の瞬間的な制御を供するためにパルスの形態の制御信号に応じて、例えば、4WD又は2WD状態のトランスファ・ケースを配置するために、所望のモータ出力シャフト位置を達成するためにモータを駆動するように構成し得る。例えば、1実施形態では、制御信号はアクチュエータへの80ms、12Vパルス入力とし得る。また、モータ制御電子装置800の構成要素は、9〜16VDCの作動電圧で―40℃から140℃までの範囲に亘って瞬間制御によって信頼し得る作動を供するために選択し得る。
【0022】
図示した例示的実施形態では、制御信号パルスは制御入力回路によって受信される。
1実施形態では、制御入力回路はスイッチデバウンス機構及び、例えば、1.5Vのような接地浮動許容電圧を供するように構成し得る。また、制御入力回路は比較的低い電流(例えば15mA)を招くように構成されることができる。そのとき、アクチュエータは駆動して、静電放電から保護されていることができる。
【0023】
制御入力回路の出力はコントローラ802にパルス結合し得る。コントローラ802は、制御入力回路804の出力と、単数又は複数の出力あるいはモータを所望位置まで駆動するための1つ以上の位置センサ808、810に応じてモータ制御出力を双方向モータ駆動回路806に供するように構成し得る。コントローラ802からのモータ制御出力は、より大きな電圧及び温度範囲に亘る安定性、低消費電力、及びソフトスタート機能を可能にするためにパルス幅変調とし得る。コントローラは、電源異常事象の間にアクチュエータの位置が失われないことを保証するために電力回復のインテリジェント損失を供するようにも構成し得る。電力を増す際に、コントローラはアクチュエータに指令を与えて、例えば、4WD又は2WD位置の何れかのような予め定められた位置にし得る。別様に、移動方向は移送要求時にメモリ816に記憶し得るものであり、また、電力が回復されてきた場合に移動の記憶された方向を続けるようにアクチュエータに指令を与え得る。
【0024】
コントローラ802は、本発明の実施形態によって必要とされる速度及び機能を与えることができる何れかのタイプの電子回路とし得る。例えば、コントローラは、マイクロプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、複合プログラマブル論理装置(CPLD)特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいは他の類似のデバイスとして構成し得る。コントローラがマイクロプロセッサとして構成される実施形態では、プロセッサは、インテル社によって製造されたプロセッサのPentium(登録商標)ファミリのプロセッサ又はモトローラによって製造されたプロセッサのファミリとし得た。コントローラ/プロセッサをして適切な出力を供せしめるソフトウェア指令は、例えば、メモリ814に、プロセッサ/コントローラによって実行されるように構成された指令を記憶することができる何れかの機械判読可能な媒体に記憶し得る。本願明細書で使用しているように、「プロセッサによって実行されるように構成されている」というフレーズは、圧縮及び/又は暗号化されたフォーマット、並びにプロセッサによって実行される以前にコンパイル又はインストールされなければならない指令を含むことが意図されている。
【0025】
双方向モータ駆動回路806は、NEC株式会社から入手し得るNEC EX2−N5駆動回路のような周知のモータ駆動回路を含み得る。1実施形態では、モータに指令を与えて2WD又は4WDのそれぞれにするためにモータ駆動回路806に第1及び第2出力を与えるように構成し得る。モータ駆動回路806はコントローラ出力に応じて第1又は第2回転方向にモータを駆動するためのモータ制御信号を与え得る。
【0026】
LED出力回路814は、例えば、2WD又は4WDのようなアクチュエータの位置を示すためにコントローラから出力されるLED出力を受信し得る。LED出力回路814は、アクチュエータによって駆動されたシステムの位置の視覚的指示を与えるためにアクチュエータ出力でLED駆動電流を与え得る。1実施形態では、LED出力回路は、25℃において13.8V、100mAのLED駆動電流を与えるように構成し得る。
【0027】
コントローラ802に対する供給電圧は入力電力調節回路812によって供し得る。
入力電力調節回路812は、12Vのイグニション入力から安定した供給電圧をコントローラへ供給するための、例えば、5Vの調節装置のような電圧調整装置を受け入れ得る。
1実施形態では、入力電力調節回路は低ドロップアウト電圧をも供し得るものであり、低不活電流は、逆になされた極性を具備する車両バッテリの接続に対して保護する回路を含み得るものであり、ESDで保護し得る。
【0028】
本発明の一態様によれば、車両ギアボックス・シフト・アクチュエータが設けられており、リードネジと、リードネジにネジ込まれた駆動ナットと、プランジャと、駆動ナットとプランジャの第1端部との間に配置された第1バネと、駆動ナットと第1端部とは反対側のプランジャの第2端部との間に配置された第2バネと、リードネジに連結されたモータと、を含む。プランジャがブロックされた状態になるまで、駆動ナットは、プランジャの対応する運動を引き起こすべくモータの励磁に際しリードネジに沿って移動するように構成し得る。ブロックされた状態が発生した際に、駆動ナットは、ブロックされた状態が解除されたときにリードネジに沿って釣合位置に駆動ナットを戻すためのエネルギーを蓄えるべく第1及び第2バネの少なくとも1つを圧縮すべくプランジャに対して移動するように構成される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、モータを具備するアクチュエータ駆動トレインによって駆動されるリードネジを含む非接触位置検出システムが設けられている。キャリアはリードネジ及び該キャリアに連結された磁石に連結し得る。キャリアは、磁石の対応する運動を引き起こすためにモータの励磁の際にリードネジに沿って移動動させるように構成し得る。非接触位置検出システムは、キャリア及び磁石の移動の経路に沿って配置された第1及び第2磁場センサを更に含み得る。第1及び第2磁場センサは、何れかの方向におけるキャリアの移動位置の端部に応じて出力を供し得る。
【0030】
本発明の別の態様では、9―16のVDCから作動電圧で―40℃〜140℃までの範囲の温度に亘って瞬間的な制御で信頼性が高い動作を供するための車両ギアボックス・シフト・アクチュエータ用のモータ制御電子装置が設けられている。電子機器は、アクチュエータ及び1つ以上の位置センサからの出力への制御信号入力に応じてモータを駆動するためのマイクロプロセッサコントローラを含み得る。
【0031】
しかしながら、本願明細書に記載してきた実施形態は、本願明細書に例示として記載されたものであり限定を意図したものではない。さらに、各種実施形態の態様を他の実施形態に組み込み得ることが理解される。当業者には直に明らかである、多くの他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の精神及び範囲から逸脱せずに作り得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるアクチュエータを含むシステムのブロック線図である。
【図2】本発明によるアクチュエータの1つの例示的実施形態の斜視図である。
【図3】本発明によるプランジャアセンブリを含む図2に示されたアクチュエータの一部の断面図である。
【図4】本発明による例示的な非接触位置検出システムの斜視図である。
【図5】本発明による非接触位置検出システムと関連して適切に用い得る3極磁石の斜視図である。
【図6】本発明による3極磁石と結合して使用されるホールデバイスの例示的切換領域特性を表す図である。
【図7】本発明による第1及び第2ホールデバイスのための例示的な切換領域特性を表す図である。
【図8】本発明による例示的なモータ制御電子装置構成のブロック線図である。
【符号の説明】
【0033】
10 システム
12 アクチュエータ
14 ギアボックス
16 プランジャ
18 制御信号
20 コミュニケーションバス
100 アクチュエータ
102、104 ハウジング部分
106、108 フランジ
110 一体コネクタ
112 プランジャアセンブリ
114 駆動ネジ
116 プランジャハウジング
118、120 シール
118a 3極磁石
122 プランジャ
124 端壁
126 駆動ナット
128 第1コンプライアンスバネ
130 第2コンプライアンスバネ
200 アクチュエータ
202 モータ
204 ピ二オンギア
206 第1複合ギア
208 出力歯車
214 センサ駆動ネジ
216 キャリア
218 磁石
222、224 ホール効果センサ
226、228、230 交番極性
232 未知領域
234 オン領域
236、238 灰色領域
240 スイッチング領域
802 コントローラ
804 制御回路
806 双方向モータ駆動回路
808、810 位置センサ
812 入力電力調節回路
814 LED出力回路
816 機械判読可能メモリデバイス
818 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータであって、
モータと、
前記モータに連結された駆動トレインであって、前記駆動トレインは第1及び第2のリードネジに連結された出力ギアを具備し、前記第1リードネジは駆動ナットに連結され、かつ、前記モータが励磁される場合に、前記駆動ナットを第1及び第2位置間に駆動し、前記駆動ナットは第1及び第2バネを介してプランジャに連結され、前記第2リードネジは磁石に連結され、前記モータが励磁される場合に、前記磁石を、前記駆動ナットの位置に応じた第1及び第2位置間に移動させる、前記駆動トレインと、
前記磁石の位置に応じて出力を供するように構成された少なくとも1つの磁場センサと、を備えるアクチュエータ。
【請求項2】
前記駆動ナットは、前記プランジャがブロックされた状態にある場合に、エネルギーを蓄えるべく前記第1及び第2バネの1つを圧縮するように構成されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1及び第2バネは、前記ブロックされた状態が解除された場合に前記プランジャを駆動すべく前記蓄えられたエネルギーを解放するように構成されている、請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記磁場センサがホール効果センサである、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記第1及び第2位置と関連づけられた第1及び第2磁場センサを備え、
前記磁場センサの各々は前記磁石の位置に応じて関連する出力を供する、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記磁石が交番極性を有する3つの領域を備える、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記第1及び第2バネが螺旋コイルバネである、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記アクチュエータがコントローラを更に備え、
前記コントローラはパルス入力信号に応じて前記第1及び第2位置の少なくとも1つまで前記駆動ナットを駆動すべく前記モータを励磁するように構成されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
車両ギアボックスの作動状態を変更する装置であって、
プランジャを第1及び第2位置間で移動させるように構成された往復動可能要素であって、前記プランジャが前記車両ギアボックスに連結されている、前記往復動可能要素と、
往復動可能磁石と、前記第1駆動可能要素の位置に応じた信号を供するように構成された第1及び第2磁場センサであって、前記磁石が交番極性を有する3つの領域を備える、前記往復動可能磁石と前記第1及び第2磁場センサと、を備える装置。
【請求項10】
前記往復駆動可能要素が前記プランジャを動かすように構成された駆動ナットを備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
車両システムであって、
車両ギアボックスと、
前記ギアボックスに連結されたアクチュエータであって、該アクチュエータは
モータと、
前記モータに連結された駆動トレインであって、前記駆動トレインは第1及び第2のリードネジに連結された出力ギアを具備し、前記第1リードネジは駆動ナットに連結され、かつ、前記モータが励磁される場合に、前記駆動ナットを第1及び第2位置間に駆動し、前記駆動ナットは第1及び第2バネを介してプランジャに連結され、前記プランジャは、前記駆動ナットが、前記ギアボックスを、前記第1位置にある場合に第1作動状態に、前記駆動ナットが前記第2位置にある場合に第2作動状態に配置すべく前記ギアボックスの可動要素に連結され、前記第2リードネジは磁石に連結され、前記モータが励磁される場合に、前記磁石を、前記駆動ナットの位置に応じた第1及び第2位置間に移動させる、前記駆動トレインと、を備えた前記アクチュエータと、
前記磁石の位置に応じて出力を供するように構成された少なくとも1つの磁場センサと、を備える車両システム。
【請求項12】
前記駆動ナットは、前記プランジャがブロックされた状態にある場合にエネルギーを蓄えるべく前記第1及び第2バネの1つを圧縮するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1及び第2バネは、前記ブロックされた状態が解除された場合に前記プランジャを駆動すべく前記蓄えられたエネルギーを解放するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記磁場センサがホール効果センサである、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1及び第2位置と関連づけられた第1及び第2磁場センサを備え、前記磁場センサの各々は前記磁石の位置に応じて関連する出力を供する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記磁石が交番極性を有する3つの領域を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1及び第2バネが螺旋コイルバネである、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記アクチュエータがコントローラを更に備え、
前記コントローラはパルス入力信号に応じて前記第1及び第2位置の少なくとも1つまで前記駆動ナットを駆動すべく前記モータを励磁するように構成されている、請求項11に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−518182(P2008−518182A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539097(P2007−539097)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/038722
【国際公開番号】WO2006/047667
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(505269412)ストーンリッジ・コントロール・デバイスィズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】