説明

車両変速パワートレイン

【課題】車両トランスミッション用の動力分割装置を改良する。
【解決手段】本発明の装置は、回転軸の回りを回転駆動する第1回転エレメントと第1回転出力を含む。第2回転エレメントは第1エレメントの内部に収まっていて、第2回転出力を駆動する同じ軸の回りを回転可能である。第1流体チャンバは、第1回転エレメント及び第1レギュレーティング手段と関連し、第1回転エレメントの回転に応じて第1チャンバの容積を変える。第2流体チャンバは、第2回転エレメント及び第2レギュレーティング手段と関連して第2回転エレメントの回転に応じて第2チャンバの容積を変える。コミュテータは、第1及び第2回転エレメントの回転中に第1及び第2チャンバの間の閉じた流体流れの伝達を少なくとも規則正しく確立する。第1及び第2チャンバの容積変化の相対的タイミングは、該第1回転エレメントの回転に応じて第2回転エレメントの回転速度を決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両パワートレインに関する。
【背景技術】
【0002】
車両パワートレインは通常、動力源がクラッチ機構を介して接続された手動または一連のクラッチとブレーキによって歯車式トランスミッションを制御し、この両方は通常3若しくはそれ以上の異なる駆動比を提供する。ほとんどの車両は動力源としてまだ内燃機関を使用している。内燃機関は、通常、最大燃料効率と最小汚染を提供する「スイートスポット」としてそのトルクまたは駆動力に適合する狭い幅の運転回転数(r.p.m)を持っている。
【0003】
段階式トランスミッションの影響は、各ギヤまたは変速段においてエンジンが最初に低回転を必要とする高トルクを受けて、ピストンが燃焼行程において燃焼のフレームフロントよりも遅く動く、ラグ(あえぎ)を引き起こすことである。エンジン回転数が増加するにつれて、バランスした運転のスイートスポットの回転数を通過し、およびフレームフロントと膨張空気の速度で動くピストンによるトルクを生じる。エンジン回転数はその後、回転数とトルク要求のバランスを超え、次の歯車段に噛合うまでオーバースピード状態に入り、そして上記のことが再び繰り返され、次の引き続く歯車段にシフトする。
【0004】
広々としたハイウエーでは、オーバードライブギヤを有することによってさらなる効率が得られ、もう一度、エンジン回転数とトルク要求がぴったりとバランスする。これは通常固定歯車比であり、一般的に平坦若しくは適度にうねる地形を運転するためのほとんどエンジンの最大容量である。傾斜地に遭遇すると、ほとんどの自動トランスミッションでは運転手ドライバーが結果として生じる非効率に比較的大きく調和するより低いギヤ比にマニュアルボタンまたは自動的にキックダウンを操作することを必要とする。ミッドトップギヤ/オーバドライブレンジで負荷に遭遇した場合、トランスミッションはしばしば、比較的急なサイクルでアップおよびダウンシフトを繰り返し、その結果、運転手および乗客の両方に明らかな加速と減速が感じられる。
【0005】
燃焼サイクルのフレームフロントと膨張ガスがバランスした必要なトルクとピストン速度でバランスしたエンジン回転数のスイートスポットでエンジンをコンスタントで調和して運転するためには、従来技術では可変速度入力を要求する種々の歯車駆動システムを組み合せる試みがある。一般的に、摩擦駆動円錐プーリまたはローラがテーパ付き円錐を互いに相対的にスライドさせることによって速度変動を達成するのに使用されている。この手段によって伝達することができるトルク量は最小であり、このオプションで生じる摩耗によって結果として作動不能になる。V形プーリおよび広いVベルトを使うマッチング拡張式V形プーリは低馬力領域において限定された成功を収めている。
【0006】
従来技術の油圧ポンプとモータを使用する可変速度トランスミッションでは、出力の回転数が増大するにつれて作動油の流量も増加し、流量増大のためにさらなる摩擦損失を引き起こすように設計されている。この損失を最小にする試みには、より高い圧力とより低い流量が使用されている。これによって非常に貧弱な低速トルク特性がもたらされる。エネルギー損失、熱を生成し、追加の回路および冷却器を介した冷却消散のための必要性を伴う効率と性能の結果として生じる損失によって、この形式のトランスミッションは高速度車両の応用のためには実行不可能であり、ただ低速度車両や移動機械にのみ適用されていることを意味する。
【0007】
本出願人の特許文献1では、二つの回転入力によって制御されるアウタートランスミッションとインナー差動装置アセンブリによって設定運転範囲にわたって連続的に制御することができる車両パワートランスミッションおよびパワートレインを開示する。マイクロプロセッサからの入力はすべての重要な入力と出力は連続的にモニターされ、連続したリアルタイム・マイクロアジャストメントを行うことでドライバーおよび乗客に容易で円滑さ、燃料効率および汚染の減少を保証する。単一動力源でも、例えば油圧駆動システムを介して、二つの入力を駆動するために使用することができ、この国際出願では、主にスプリット・エンジンまたは二つの動力源、つまり一つのパワーユニットが最大燃料と汚染効率のためのスイートスポットで連続的に運転され、第2の動力源が可変入力の力をバランスするために使用されている。この特許文献1の開示では、この中に相互参照によって組み込まれ、これ以降で「出願人の以前の出願」として参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許出願第AU97/00714号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
大量の自動車製造のために、主要なツーリング・コストを最小化するために、これは既存の高容積エンジン製造に使用することが有利である。これはまた、完全に単一動力源を最大バランスした回転数とトルクで、コンスタントに最大燃料効率と最小汚染のスイートスポットにおいて連続運転の利点を得るために、並びに当該運転を車両の全駆動範囲において正確に維持するために望ましいものである。
【0010】
この発明の一つの観点の目的は、単一回転入力からの可変相対回転速度を有する二つの回転出力を備えた動力分割装置を提供することである。本発明の別の観点の目的は、設定された運転範囲にわたって連続的に制御することができる車両パワートレインとパワートランスミッションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の観点から本発明は、単一回転入力からの可変相対回転速度を有する二つの回転出力を備えた動力分割装置を提供し、該装置は、回転軸の回りを回転駆動され第1回転出力を有する第1回転エレメントと、該回転軸の回りを回転可能で第2回転出力を有する第2回転エレメントと、該第1回転エレメントと関連(接続)する第1流体チャンバと、該第1回転エレメントの回転に応じて該第1チャンバの容積を変えるための第1レギュレーティング手段と、該第2回転エレメントと関連(接続)する第2流体チャンバと、該第2回転エレメントの回転に応じて該第2チャンバの容積を変えるための第2レギュレーティング手段と、第1および第2回転エレメントの回転中に第1および第2チャンバの間の閉じた流体流れの伝達を少なくとも規則正しく確立するためのコミュテータ手段とを含み、該第1および第2チャンバの容積の変化の相対タイミングは該第1回転エレメントの回転に応じて該第2回転エレメントの回転速度を決める。
【0012】
別の観点から本発明は、動力分割装置、アウターメイントランスミッションおよびインナー差動歯車アセンブリを含むパワートランスミッションユニットを提供し、
動力分割装置は可変相対回転速度を有する二つの回転出力を備え、該装置は、パワーユニットによって回転軸の回りを駆動され第1回転出力を有する第1回転エレメントと、該回転軸の回りを回転可能で第2回転出力を有する第2回転エレメントと、該第1回転エレメントと関連(接続)する第1流体チャンバと、該第1回転エレメントの回転に応じて該第1チャンバの容積を変えるための第1レギュレーティング手段と、該第2回転エレメントと関連(接続)する第2流体チャンバと、該第2回転エレメントの回転に応じて該第2チャンバの容積を変えるための第2レギュレーティング手段と、第1および第2回転エレメントの回転中に第1および第2チャンバの間の閉じた流体流れの伝達を少なくとも規則正しく確立するためのコミュテータ手段とを含み、該第1および第2チャンバの容積の変化の相対タイミングは、該第1回転エレメントの回転に応じて該第2回転エレメントの回転速度を決め、
メイントランスミッションは該動力分割装置の第1回転出力と第2回転出力によってそれぞれ駆動される二つの回転入力手段を有し、二つの入力手段は回転出力手段に回転可能に接続され、それによって出力手段の回転速度が二つの入力手段の回転速度の代数平均に比例して変化し、
差動歯車アセンブリはメイントランスミッションの内部に配置されていて、二つの差動回転出力手段に作動可能に接続された回転入力手段を有し、その際、メイントランスミッションの出力手段と差動歯車アセンブリの入力手段は作動可能に接続されている。
【0013】
別の観点において、本発明は、単一パワーユニットと、
動力分割装置と、アウターメイントランスミッションと、インナー差動歯車アセンブリを含むパワートランスミッションユニットとを含む設定された作動範囲にわたって連続的に制御できる車両パワートレインにおいて、
動力分割装置は、可変相対回転速度を有する二つの回転出力を提供し、該パワーユニットによって回転軸の回りを駆動され第1回転出力を有する第1回転エレメントと、該回転軸の回りを回転可能で第2回転出力を有する第2回転エレメントと、該第1回転エレメントと関連(接続)する第1流体チャンバと、該第1回転エレメントの回転に応じて該第1チャンバの容積を変えるための第1レギュレーティング手段と、該第2回転エレメントと関連(接続)する第2流体チャンバと、該第2回転エレメントの回転に応じて該第2チャンバの容積を変えるための第2レギュレーティング手段と、第1および第2回転エレメントの回転中に第1および第2チャンバの間の閉じた流体流れの伝達を少なくとも規則正しく確立するためのコミュテータ手段とを含み、該第1および第2チャンバの容積の変化の相対タイミングは、該第1回転エレメントの回転に応じて該第2回転エレメントの回転速度を決め、
メイントランスミッションは、該動力分割装置の第1回転出力と第2回転出力によってそれぞれ対応して駆動される二つの回転入力手段を有し、二つの入力手段が回転出力手段に作動可能に接続されていて、その結果、出力手段の回転速度が二つの入力手段の回転速度の代数平均に比例して変化し、
差動歯車アセンブリは、メイントランスミッションの内部に配置されていて、二つの異なる回転出力手段に作動可能に接続されている回転入力手段を有し、その際、メイントランスミッションの出力手段と差動歯車アセンブリの入力手段が作動可能に接続されている、車両パワートレインを提供する。
【0014】
本発明に従って、単一パワーユニットは定速度である動力源回転数でトランスミッションの一つの駆動ライン、および流体の閉じ込め容積またはロッド、好適には作動油による同じパワーユニットから第2駆動ラインに供給し、トランスミッションの力をバランスしながらエネルギーの損失のない反動力が直接動力源に作用できる。
【0015】
好適には、第2駆動ラインはトラップしたオイルの量を機械的に変えトランスミッションへの二つの入力の速度の変化が以下の式に従う出力の回転数の変化を引き起こす。
out=2×Vsecondary−Vprimary
ここで、Voutは出力速度、Vsecondaryは動力分割装置の第2回転出力によって提供されるセカンダリ入力の速度であり、Vprimaryは動力分割装置の第1回転出力によって提供されるプライマリ入力速度である。
【0016】
本発明に従う、動力分割装置は閉じ込めたオイルの比例制御のユニークな方法を使い、その結果、第2回転出力は、好適には常に、
第1回転出力と同じ方向に回り、
前進および後進で同じ速度が要求されるマシーン、この場合、第2回転出力はゼロ回転数に減少できる、において使用される場合を除いて、トランスミッション出力が後進のとき、第1回転出力の速度の3分の1未満で回転しない、
ニュートラル・ダイナミックロックのとき、第1回転出力の速度の半分で回り、
フル前進運動のとき、第1回転出力と同じ速度で回る。
【0017】
差動歯車アセンブリはメイントランスミッションの内部に配置されていて、二つの異なる回転出力手段に作動可能に接続されている回転入力手段を有し、その際、メイントランスミッションの出力手段と差動歯車アセンブリの入力手段が作動可能に接続されている。
【0018】
制御手段は、コマンド入力を受け取るための手段およびパワートレインの作動に関連する性能パラメータを決定するための手段を提供しまた含んでいる。性能パラメータには、アウタートランスミッションの力を閉じ込めるセカンダリ駆動ラインの作動油の閉じ込められたロッドの圧力であるパワーユニットの負荷と、メイントランスミッションの第1プライマリ駆動ラインとセカンダリ駆動ラインの回転速度と、差動歯車アセンブリのそれぞれ二つの出力手段の負荷と、および差動歯車アセンブリのそれぞれ二つの出力手段の回転速度とを含む。
【0019】
制御手段は、コマンド入力に応じて性能パラメータを連続的にモニターし、分析しおよび調整する閉ループフィードバック制御を提供する。
【0020】
パワーユニットは、任意の範囲の在来の内燃機関形式−ガソリン(定容サイクル)エンジン、ディーゼルエンジン、圧縮膨張サイクル付き調整されたバランスド・ロータリエンジンを含むロータリエンジンまたはガスタービンエンジンと同様に在来の電気モータ形式のものから構成できる。ガソリンおよびディーゼル内燃機関は、比較的低生産コストで大量生産技術が確立されているので好ましい。
【0021】
好適には、プライマリおよびセカンダリ駆動ラインの回転動力出力手段はパワートランスミッションユニットに対して同じ方向に回転する。
【0022】
好適には二つの動力駆動ラインの少なくとも一つの回転動力出力手段が、クラッチ出力によってパワートランスミッションユニットのメイントランスミッションの入力手段に選択的に作動可能に接続されている。代替的には、停止ゼロ入力を検出するマイクロプロセッサが、作動油の閉じ込められたロッドのための制御機構がトランスミッション内のプライマリ駆動入力の回転速度の半分のセカンダリ駆動ライン回転速度を決めるように位置し、したがって2:1入力比がゼロ出力位置でダイナミックロックによってゼロ出力回転を引き起こすコマンドを出力する。
【0023】
作動可能接続によってまた、歯車、チェーン、ベルト、電気、油圧または直接エンジン駆動軸接続手段を含むこともできる。
【0024】
パワーユニット、プライマリとセカンダリドライブ、アウタートランスミッションおよびインターナル差動装置は、便利なように共通ハウジングによって囲むか、若しくはパワーユニットからアセンブリとして便利なように脱着できるようにすることもできる。
【0025】
本発明のパワートレインは、異なる応用のために最適化したパワーユニット構成にできる。例えば、制動および減速をエネルギー再生するための発電機として使用できるように備わった定速電動モータである。一定の最大効率で運転している任意の形式のパワーユニットは、直接または真空のケースに入った高速フライホイール若しくは極度に低汚染ハイブリッドを提供する市中運転のような大きく変化するパワー要求および再生的な制動を供給するために使用される電磁ベアリングを介するいずれかである。
【0026】
パワートランスミッションユニットのメイントランスミッションは有利なように、歯車列から構成される。好適には、メイントランスミッションの二つの入力手段は第1軸の回りを回転するように同軸に配置された第1傘歯車と遊星歯車アセンブリから成る。好適には、遊星歯車アセンブリは第1軸に対して垂直の軸を有する内部配置された遊星傘ピニオンを回転可能に担持する環状ピニオンキャリヤから成る。便利なように、第1傘歯車および環状ピニオンキャリヤは、単一動力源からのプライマリおよびセカンダリ駆動ラインまたはプライマリおよびセカンダリ駆動ラインの両方を介してトランスミッションユニットに動力を提供する単一出力軸付きの組合せハイブリッド動力源のように、それぞれ独立して作動可能に回転動力源に接続可能である。好適には、メイントランスミッションの出力手段は、第1軸の回りを回転するために両方の第1傘歯車および遊星歯車アセンブリと同軸に配置された第2課さ歯車から成る。有利なように、遊星歯車アセンブリは、第1および第2傘歯車両方が遊星傘ピニオン歯車と噛合う第1および第2傘歯車の間に配置されている。既述したように、メイントランスミッションは、連続的に可変のトランスミッションから構成され、その際、出力手段の速度は下記の式に従う入力手段の速度に従って変る。
out=2×Vsecondary−Vprimary
ここで、Voutは出力速度、Vsecondaryはセカンダリ入力の速度(遊星歯車アセンブリ)であり、Vprimaryはプライマリ入力速度である。
【0027】
好適には、パワートランスミッションユニットの差動歯車アセンブリの入力手段は、第1軸に対して垂直の軸の回りを回転するメイントランスミッションの半径方向内側に配置された差動傘ピニオン歯車から成る。好適には、差動歯車アセンブリの出力手段は、第1軸の回りを回転する差動ピニオン歯車と噛合うように同軸に配置された二つの差動傘サイド歯車から成る。
【0028】
好適には、メイントランスミッションの第1および第2傘歯車はそれぞれ中央に形成され、軸方向に延びる穴を持っている。好適には、差動歯車アセンブリの二つの差動傘サイド歯車は、メイントランスミッションの第1および第2傘歯車内の穴を通して軸方向外側に伸び、好適には駆動ホイールに作動可能に接続可能のハーフアクスルのように、二つの同軸に整列したパワー出力メンバーの対向する端部の中央に装着されている。
【0029】
好適には、メイントランスミッションは、メイントランスミッションの第2傘歯車に接続されている差動装置フレームによって差動歯車アセンブリに作動可能に接続されていて、差動装置フレームは差動歯車アセンブリの差動ピニオン歯車を担持する。既述したように、差動歯車アセンブリは、在来の自動車の差動歯車の機能性を持っている。この構成形態は、共通のパワーユニットと単一またはハイブリッド動力供給源からのプライマリおよびセカンダリ駆動ラインの間の無効エネルギーを制御するために中空軸付き「パンケーキ」形式の調整済みのロータリエンジン若しくはタービンまたは歯車、スプロケット若しくは軸方向および半径方向ピストン、油圧拘束および動力供給手段から成る中空軸付きプライマリおよびセカンダリ駆動ラインのようなプライマリおよびセカンダリ・パワーユニットおよび/または駆動ラインを使用するために特に有利である。
【0030】
駆動ラインは、それぞれ対応するプライマリおよびセカンダリ駆動ラインを通って出る出力とともにトランスミッションの両方の側に便利なように配置することができ、極度に簡単、コンパクトで軽量のパワートレインを提供する。
【0031】
パワーユニットがガソリンまたはディーゼルエンジンから成る場合、パワートランスミッションユニットは都合のよいように中央、パワーユニットの真下若しくは同じ側に位置し、プライマリおよびセカンダリ駆動ラインは、既述したように、中空歯車、スプロケットまたは中空センター付き半径方向若しくは軸方向油圧装置を介して入力する。
【0032】
トランス軸前輪駆動アプリケーションの場合、パワートランスミッションユニットは、現在の大量生産車両に要求された位置およびスペースに適合するようにフロントホイールアセンブリの間に位置するパワーユニットと駆動ラインとの関係で都合のよい位置に配置される。
【0033】
4輪駆動の自動車、トラクタ若しくはトラックの場合、パワートランスミッションユニットは、それぞれ対応するプライマリおよびセカンダリ駆動ラインを通しおよびメイントランスミッションの第1位および第2傘歯車の軸方向に伸びる穴を通した出力とパワートランスミッションを配置するように一直線にパワーユニットと駆動ラインを位置させる関係で都合のよい位置に配置され、したがって、差動歯車アセンブリの前部および後方に伸びるハーフアクスルのような動力出力部材を整列させ、次にはすべての4輪に対して前部および後部からフロントおよびリヤ差動およびアクスルにユニバーサルおよびトルク管を通して回転パワーを提供する。
【0034】
2輪駆動トラック若しくは後輪駆動トラックの場合には、パワーユニットは通常の伝統的な方法で縦方向位置したままにすることができ、プライマリおよびセカンダリ駆動ラインは標準差動装置の通常の位置にあるパワートランスミッションに直接動力を供給する。これによって、通常10から12変速ギヤボックスを必要とする重負荷高トルクのトラックおよびトラクタを広範な運転条件にわたって要求される重負荷と高トルクの下でエンジン回転数とトルクを最適化するには、アウタートランスミッション部材の環状サポート内部に自由に回転できるピニオンを備えることによって、ギヤボックスに単純に追加のクラウン歯車とピニオンを標準クラウン歯車とピニオンに追加することが排除できることを意味する。これによって、プライマリおよびセカンダリ駆動ラインの間の比を単純に変えることによって後進からオーバードライブまでにわたって無段変速を提供する。
【0035】
パワーユニットがロータリ、調整済みのロータリ、ガスタービンまたは電気エンジンである場合、パワートランスミッションユニットは、パワーユニット部材が中空のロータ若しくはタービンシャフトの中心を通って、またはトランスミッションユニットの反対側の中空セカンダリ駆動システムを通って伸びるように、プライマリ駆動ライン入力として一方の側のパワーユニットと既述したように反対側のセカンダリ駆動ラインの間の中央に都合のよいように搭載することもできる。さらに、パワートランスミッションユニットのハウジングはパワーユニットおよびセカンダリ駆動ラインの共通ケーシングと一体にすることもできる。
【0036】
好適には、内燃機関はプライマリ直接駆動ラインとセカンダリ変速駆動ラインに二つの変速駆動ラインを構成する共通軸から供給することもできる。
【0037】
この配置の利点は、標準の大量生産エンジンが単一動力源として使用することができまたはある応用ではフライホイール配置が機械エネルギーを保存する手段として備えることができる。フライホイールはパワーユニットに関連させたり、または関連させないこともできる。フライホイール配置は、ピークデマンド時における動力を補完する入力としておよび/または、再生ブレーキングを提供するものとして使用することができる。フライホイールは、エンジンとフライホイールの間の固定歯車装置およびオーバーラン・スプラグクラッチを使って、単一動力源または再生ブレーキングによる直接被動として使用することもでき、フライホイールはその後、共通出力軸を介してプライマリおよびセカンダリ駆動ラインに動力を供給する。代替的には、フライホイールはプライマリ若しくはセカンダリ駆動ラインの高速歯車位置として配置することができ、トランスミッションユニットプライマリまたはセカンダリ駆動入力まで適切な歯車装置によって下げることができる。
【0038】
パワートランスミッションユニットは上述のように、単一動力源を一定の速度とトルクで運転中に最大燃料効率、最小汚染および円滑な車両性能を提供する入力回転動力を連続的に可変出力速度で二つの回転動力出力を差動伝達できるように、メイントランスミッションおよび差動歯車アセンブリの機能性を都合のよいように一体に組み合せている。
【0039】
制御手段は好適には、例えば車両操縦者からの、コマンド入力を受け取るための入力装置を有するマイクロプロセッシング制御ユニット、および車両パワートレインの性能パラメータの閉ループフィードバック制御を提供するための複数の入力/出力インターフェース装置から構成される。複数の入力/出力インターフェース装置は、好適にはパワートレインの性能パラメータのデータをモニターし、分析しおよび送信するための複数の高性能センサから構成される。好適には、性能パラメータはマイクロプロセッシング制御ユニットによって連続的に制御され、さらに可変セカンダリ駆動ライン油圧と相互作用力および車両パワートレインを構成する制御装置を含むパワーユニット形式に特有の性能パラメータを含んでいる。例えば、パワーユニットが一つの内燃機関ピストンエンジンから構成される場合、マイクロプロセッシング制御ユニットによって連続的に制御される性能パラメータは、さらにマニホールド圧力および/またはブースト圧力のような最大効率燃料燃焼および最小汚染、エンジントルク、エンジン回転数、燃料空気混合気、燃料流れ、スプロケットタイミング、バルブタイミング、可変吸気マニホールド形状、可変圧縮、間接点火ディーゼルエンジンの場合の可変予燃焼室圧縮、燃焼室コンデション、圧縮比および排気ガスの化学的性質および温度に特有の性能パラメータを含む。
【0040】
使用の際、マイクロプロセッシング制御ユニットは、好適にはドライバーからのコマンド入力に応じて性能パラメータを連続的にモニターし、分析しおよび相互依存して調整をする自己診断閉ループフィードバック制御を提供する。特に、マイクロプロセッシング制御ユニットは、好適にはコマンド入力および/または性能パラメータのデータの分析に適応応答してパワーユニットの速度とトルクおよび他のパワーユニット変数を連続的に制御し、燃料燃焼効率および最小汚染物質を維持し、一方、動力入力手段の相対速度およびプライマリ駆動ラインとセカンダリ可変駆動ライン油圧圧力と速度並びに変速機と二つの駆動ラインとパワーユニットの間の反応負荷分担を含む性能パラメータを相互依存して調整することによって運用要求に合致するパワートレインの最終出力速度とパワーを連続的に制御する。
【0041】
好適には、マイクロプロセッシング制御ユニットは、性能アルゴリズムでプログラム可能であり、そのためパワートレイン性能を最適化するアルゴリズムに従って制御された性能パラメータを連続的に調整する。例えば、マイクロプロセッシング制御ユニットは、パワートレイン効率を最適化するためにプログラムすることもできる。その場合、車両ドライバーからのコマンド入力に応じて、マイクロプロセッシング制御ユニットは、単一パワーユニットからの二つのパワー駆動ラインのそれぞれの性能パラメータを連続的にモニターし、分析し、および相互依存的に調整され、ピーク範囲内でパワーユニットの効率を維持するために、パワーユニットとプライマリ駆動ラインの間の負荷分担および油圧圧力と閉じ込められたオイルのロッドの長さを変えることによってトランスミッションから伝達される反作用負荷に従って減少するセカンダリ駆動ラインの駆動速度の減少の許容量を同時に連続的にモニターし、調整することによって、運用要求に合致するトランスミッションの最終出力速度とパワーを相互依存的に制御するであろう。そのような機能において、総合的なパワーユニット効率は異なる運転状態の広範な範囲にわたって達成されるであろう。
【0042】
パワーユニットが内燃機関形式のものである場合、燃料経済の大幅な改良およびこれに対応する排気ガス放出の大幅な減少が達成されるであろうということが理解されるであろう。さらに、総合パワーユニット効率を最適化するために、パワーユニットはロータリエンジン、圧縮と膨張サイクルについて調整済みのロータリエンジン、ガスタービンエンジン、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、電動機、またはパワーユニットとエネルギー保存と再生ブレーキングシステムのハイブリッド組合せを包含することもできるということが理解されるであろう。これによって、例えば、内燃機関と高エネルギー低重量の効果的なバッテリ蓄電装置付きの発電機および電動モータパワーユニット、または組合せフライホイール再生ブレーキングパワーユニット付き内燃機関、発電機と組合せ電動機/発電機フライホイール付き内燃機関という一つのパワーユニットとしてエネルギー貯蔵と再生ブレーキングのための形式をとることもできる。さらなる例として、好適にはハイブリッドパワーユニット技術の組合せを本発明に使うことによって、燃料電池のようなものを使用することができ、燃料電池はメタノールを水素に変換し、水素は陽子交換膜を通して燃料電池に供給でき、燃料電池は大気中の酸素と結び付いて電動機の電力を提供し、次にこれは貯蔵エネルギーおよび再生ブレーキングのために電動機/発電機フライホイールに給電される。このパワーユニットは既述したように先進トランスミッションにパワーを供給し、パワーの使用および最適効率のための再生をリアルタイム相互作用精密制御する手段を提供し、汚染は水蒸気の排出だけに排除することもできるであろう。代替的に燃料電池および再生ブレーキングは直接若しくは既述したように先進トランスミッションへのエネルギー貯蔵フライホイールを介してのいずれかで接続される電気モータに電力を提供する有効なエネルギー貯蔵電池にエネルギーを供給することができるであろう。トランスミッション・マイクロプロセッサ制御によって、外部の大きく変化する負荷要求に対してシステムのオーバーロードを防止し、しかも最適パワー出力性能を与えるためにパワーユニットに適合した最適入力パワーを引き出すために即時に調整できるであろう。
【0043】
セカンダリ駆動ラインのトランスミッションの反作用力のために圧力がかかってくる閉じ込めオイルの別の好適な使用では、エネルギー貯蔵および再生ブレーキングエネルギーは、市街地走行での停止/発進のような短いピーク値を要求するエネルギーを提供する窒素充填アキュムレータ内にオイル圧縮窒素によって貯蔵することもできる。
【0044】
内燃機関において、点火された燃料空気混合物はシリンダの閉込め範囲の周辺部まで続くフレームフロント内で燃焼する。発生した膨張ガスは、ピストンをシリンダヘッドから押し離しそれによってクランクシャフトが回り、パワーストロークを提供する。ピストンが膨張ガスから離れるにつれて、シリンダ容積が増える。当初のシリンダ圧縮比が高いほど燃焼速度と対応する膨張率が速くなり、より高いエンジン回転数に匹敵するより速いピストン速度が必要となる。固定圧縮エンジンでは、ガスが最適シリンダ圧力で膨張する速さに適合するピストン速度を持つことが望ましく、その結果、最適な燃料効率と最低の汚染レベルとなる。本発明の好適実施例の狙いは、共通動力源からのプライマリおよびセカンダリ駆動の間の比を変えるためにトランスミッション反作用力の割合を変化できるオイルの可変ロッドの制御を利用することである。このように行うことによって、反作用力は共通駆動軸からの初期駆動によって釣り合い、可変負荷要求に適合するとともにまた望ましい車両速度を維持するために必要なエネルギーレベルと一致する最大効率の回転数とトルクの最適バランス状態を維持するために、プライマリおよびセカンダリ駆動ラインの速度変動はアウタートランスミッションにかかり、入力動力源を連続的に調整する。既述したようにステップレス変速コンスタントメッシュ・トランスミッションの機能を有することによって、例えエンジン回転数の変化および圧縮比と燃料空気混合比が変化しても最適燃料空気燃焼比を維持し、要求された精確な車両速度を提供し、最適運転状態は車両速度をエネルギー要求の全範囲にわたってリアルタイムで維持することができ、最小の汚染と最大の燃料効率を提供する。フレームフロントの速度のさらなる制御は、特に、ディーゼルエンジンに関連するが、可変容積予燃焼室および/またはメイン燃料室を持つことである。マイクロプロセッシングからの入力および出力の相互作用によって、エンジン速度、燃焼室圧縮比および/または予燃焼室ディスプレースメントの最適設定が可能となり、ピストンまたはロータリエンジンの拘束部材の対応する機械的運動および速度とともに燃料空気燃焼速度(フレームフロント)まで滑らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】トルクおよびエンジン回転数の変化に関連する内燃機関の効率のグラフである。
【図2】パワー入力と車速のステップを示す車両用自動変速機のパワーパターンであるシフト一覧表である。
【図3】従来の多段歯車付き機械式トランスミッションとセカンダリ駆動ラインのリバース油圧トランスミッションの形式の閉じ込めオイルによって制御する反作用力を使用する本発明のパワートレイントランスミッションの間の比較を示したグラフである。
【図4】プライマリおよびセカンダリ入力パワー駆動ライン並びにアウタートランスミッションのパワー出力に関連する比と反作用力の線図である。
【図5】プライマリおよびセカンダリ入力パワー駆動ライン並びにアウタートランスミッションのパワー出力に関連する比と反作用力の線図である。
【図6】プライマリおよびセカンダリ入力パワー駆動ライン並びにアウタートランスミッションのパワー出力に関連する比と反作用力の線図である。
【図7】直線形状からアウタートランスミッションのロータリ形状に変換された示す線図と部分断面概略図である。
【図8】アウターおよびインナートランスミッション並びにプライマリおよびセカンダリパワー入力駆動ラインの関係と効果を含む本発明の第1の観点に従うパワートランスミッションユニットの実施例の部分断面概略図である。
【図9】単一パワーユニットからのプライマリ・パワー駆動ラインとセカンダリ可変パワー駆動ラインとの関係を第8図に示したパワートランスミッションユニットの実際の実施例の断面図である。
【図10】最大吐出位置を示すアウターパワートランスミッションに反作用的に接続され制御される差動ディスプレイスメント油圧/機械式可変セカンダリ動力駆動ラインの実施例の部分断面概略図である。
【図11】第10図に示したセカンダリパワー駆動ラインのゼロディスプレイスメント位置における部分断面図である。
【図12】吐出のフルレンジおよびプライマリおよびセカンダリパワー駆動ラインをアウターパワートランスミッションに直接接続された比および反作用力の合成制御および合成出力を示す第10図および第11図に示したセカンダリパワー駆動ラインの部分断面図である。
【図13】第12図に部分的に図示したパワートランスミッションの実際の実施例の切断図であり、在来位置に配置されている場合の差動装置およびギヤボックスの直接取換えを含む前輪駆動、後輪駆動および4WD車両、トラクタ、並びにトラックの一般的配置および応用に適した第10、11、および12図に示した差動ディスプレイスメントダイナミック油圧/機械式可変セカンダリパワー駆動ラインおよびプライマリパワー駆動ラインの一つの実施例の相互関係が、フロントおよびリヤアクスル駆動車両、トラックおよびトラクタで差動装置。
【図14】第12図に図示したガソリンまたはディーゼルエンジン、プライマリおよびセカンダリパワーライン制御、および第13図に図示したパワートランスミッションの前輪駆動車両に搭載する横置きエンジンに最適な配置のエンジンと関連するパワー出力付き好適実施例における相互関係を示す本発明の第2の観点に従うパワートレインのガソリンおよびディーゼルエンジン実施例の部分断面線図である。
【図15】車両、トラックおよびトラクタで伝統的な直線エンジン配置のリヤパワー出力に適した第14図に示したパワートレインの単純化された実施例の部分断面線図である。
【図16】アウタートランスミッションとインナー差動装置を一体にしたダイナミック油圧/機械式可変セカンダリパワー駆動ラインおよびプライマリ駆動ラインの差動ディスプレイスメントの一つの実施例を組み合せる第13図に図示したパワートランスミッションユニットの実際の実施例の断面図である。
【図17】プライマリおよびセカンダリ駆動ラインを一体にした第16図に図示したパワートランスミッションの実施例の部分断面線図である。
【図18】従来技術の24段歯車トランスミッションのための前進速度に対する選択歯車のグラフである。
【図19】第18図に示した24段歯車比を達成するために必要な従来技術のパワートレインの線図である。
【図20】第19図に示した種類の24段歯車トランスミッションの一部をカットした図である。
【図21】第20図のトランスミッションで使用した種類のトルクコンバータの一部カットした図である。
【図22】代表的なディーゼルエンジンについてエンジン回転数に対する燃料消費、トルクおよびパワーの変化を示したグラフである。
【図23】高トルク負荷に適した本発明のパワートレインの実施例を示す。
【図24】第23図に示した本発明の実施例の適用を示す。
【図25】第23および24図に示した構成配置の作動部分を示す。
【図26】本発明の実施例に従うパワートレインを組み込んだ4輪駆動トラクタの一部カットした図を示す。
【図26A】本発明の実施例に従うパワートレインを組み込んだ4輪駆動トラクタの一部カットした図を示す。
【図27】本発明に従うパワートレインを組み込んだタンデム駆動アセンブリの一部カットした図を示す。
【図27A】本発明に従うパワートレインのさらなる実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の実施例は、添付の図面を参照して例示だけの方法で説明されるであろう。本発明の一部を形成するトランスミッションの作用原理について、第4図から第9図を参照して最初に説明されるであろう。
【0047】
差動比および反作用力:
入力の3:1比:
図解によって第4図からわかるように、ラック1が矢印Aの方向に30歯だけ前方に動くとき、および歯車のスピンドル4が矢印Bの方向にパワー入力比3:1に等しいラック1の10歯に等しい距離を前方に動くとき、歯車2は時計方向に20歯だけ回転を引き起こし、その結果、歯車ラック3が矢印Cの方向に20歯だけ動くことになる。一方、歯車2が矢印Bの方向に10歯の距離だけ前方に動くにつれて、ラック3は矢印Cの方向に距離10歯だけ動くことになる。総合した効果は、プライマリ駆動移動ラック1は前方に、そしてセカンダリ駆動移動歯車2のピボット4はプライマリ駆動ラック1での3:1の比で1/3の速度で前方に動く。ラック3はプライマリ駆動ラック1の1/3の入力速度で反対方向に動く。
【0048】
3:1比に関連する反作用力によってラック1は矢印Aの方向に力を必要とし、歯車2のスピンドル4は矢印Bの逆方向の力で拘束されねばならず、歯車4を軸2の回りに回転させ、またラック3に掛かる力を引き起こし、つまり矢印Cの方向に力が作用する。ラック1と歯車スピンドル4の両方が3:1の比で同じ方向に動き、しかし歯車スピンドル4を矢印Bに対して逆方向にそして矢印Cの方向に逆に行われる作用と同じ方向に拘束したときだけ、ラック3が逆方向に作用することがわかる。
【0049】
入力の2:1比
第5図において、ラック1が距離30歯だけ矢印Aの方向に前方に動くとき、また歯車スピンドル4がラック1の15歯に等しい距離だけ矢印Bの方向に前方に動くとき、これはプライマリおよびセカンダリパワー入力の間に2:1比を与えることになる。歯車スピンドル4がラック1の半分の距離だけ動いた場合、この場合、歯車は時計方向にスピンドル4の回りを15歯回るが、しかし歯車スピンドル4が15歯に等しい距離だけ前方に動くにつれて、ラック3はCに静止したままであるということがわかるであろう。これはプライマリ駆動ラック1とセカンダリ駆動ライン歯車スピンドル4の両方が同じ方向に2:1の比で動くことによって、歯車ラック3がダイナミックニュートラルロック位置に静止したままになることがわかる。
【0050】
プライマリ駆動ラック1とセカンダリ駆動ラインから歯車スピンドル4の間の2:1比についての反作用力は、生起する摩擦以外には必要な反作用力はなく、Cで静止している出力ラック3のいずれの方向にも負荷が掛からない。
【0051】
ラック3に矢印Bの方向に負荷がかかる場合、Cにかかる力をバランスするために、反作用力がBに対して逆方向に歯車スピンドルBに等しい力が必要になるであろうし、またラック1に矢印A方向に負荷がかかるとCにあるラック3に作用する力から伝達されまたラック3に作用する力に等しいスピンドル4の周りの歯車2に作用する逆回転力は等しくなる必要があるであろう。総合した効果は矢印A方向の歯車ラック1に必要な力は、等しくなる必要があり、またスピンドル4の周りを回転運動する歯車2を介して歯車ラック3に矢印B方向に歯車ラック3にかかる力に等しい力が伝達されるであろう、したがって、スピンドル4はラック1とラック3にかかる両方の力の合計を受け、矢印Bに対して反対方向に拘束する必要があるであろう。これがCにある出力ラック3にかかる負荷に対してスピンドルBに必要な拘束力が2倍になることである。
【0052】
逆方向負荷がCにあるパワー出力歯車ラック3に矢印Bの逆方向にかかると、その場合はスピンドル4には矢印B方向に2倍の力が必要となり、ラック1は矢印Aに対して反対方向に反作用力がかかる。
【0053】
プライマリおよびセカンダリパワー駆動ラインの2:1比によってラック3は静止したままであるがしかし歯車ラック3にかかる負荷の方向によって決まり、たとえプライマリおよびセカンダリパワー駆動ラインの両方が同じ方向に回り出力ラック3にかかる負荷の反作用エネルギーが逆になったとしても、プライマリ駆動ラインラック1およびセカンダリ駆動ライン歯車スピンドル4に反対方向の直接反作用力を引き起こし、その結果、前方駆動する拘束をオフにする負荷が逆になり、Cにおけるパワー出力ラック3にかかる負荷の方向がそれぞれ交互に変化する。
【0054】
入力の1:1比
第6図において、プライマリパワー駆動ライン入力ラック1が矢印Aの方向に30歯だけ前方に動いたとき、およびセカンダリパワー駆動ラインがスピンドル4を矢印Bの方向に動かしたとき、スプロケット2がラック1によって同じ距離だけ移動することによって回転が拘束され、歯車スピンドル4と歯車2および歯車2の歯がラック1の歯と噛合って回転を防いでいる。その結果、歯車ラック1とスプロケット2は両方とも固定質量として同じ速度で矢印AとBの方向に移動する。歯車2の歯がラック3と噛合った状態で、また矢印Cの方向に同じ速度で移動する。
【0055】
ほとんどの車両の運転では、1:1の比であり、トランスミッションは第6図のラック3の矢印Cの方向の逆スラストを断続的に受けるだけである。このような場合は、車両がブレーキとしてエンジンの圧縮を使って、若しくは排気ブレーキの手段によって減速されている。他のすべての場合、ラック3は矢印Cに対して反対方向に移動し反対方向の大きさが変化する力を受けるであろう。この力はラック3の歯と噛合う歯車2の歯の噛合いによって拘束される。矢印Cに対して反対方向にラック3によって歯車2にかかる力は、時計方向にスピンドル4の周りを歯車2を回転させるようにし、これは1:1の比で矢印Aに対して反対方向に必要となる拘束力で歯車ラック1によって拘束されるであろう。矢印Bの方向にスピンドル4に必要な力は、矢印Cに対して反対であるラックの動きに対して反対方向にラック3の車両駆動負荷と運動の方向に反対方向にまた矢印Aに対して反対方向にラック1にかかる拘束力としてスピンドル4の周りの回転から歯車2を拘束するのに必要な力との合計となるであろう。
【0056】
1:1の比でスピンドル4においてセカンダリ駆動ラインに必要な力は矢印Bの方向になるであろう、また矢印Cに対して反対方向にパワー出力ラックCに作用する力の2倍に等しいであろうことと、プライマリ駆動ライン1の力が矢印CおよびAの反対方向のパワー出力ラック3に対して作用する力と同じ方向で等しいであろうということがわかる。
【0057】
1:1.5比
1:1比を超えるすべての比はオーバードライブとして選択することができるが1:1.5の比の図解の目的についても選択されている。第6図に示したようにこの比を使うと、プライマリ駆動ラインラック1が矢印Aの方向に30歯の距離だけ前方に動くとき、およびスピンドル4がラック1の移動距離よりも1.5倍の距離、これは合計45歯に等しい距離だけ前方に動くとき、歯車2のスピンドル4がラック1よりさらに15歯だけ動くにつれて、歯車2は反時計方向に15歯だけ回る。総合した作用力は、パワー出力ラック3がプライマリ駆動ラック1によって移動するのと同じ30歯の距離を動き、これにプラスして、スプロケット2の反時計方向によって引き起こされる追加の30歯の距離と合計60歯の距離をラック3は矢印Cの方向に動き、したがってプライマリ駆動ライン速度のものより2倍のオーバードライブを引き起こすことになるであろう。
【0058】
図解目的のための第7図はプライマリパワー入力駆動ラインを直線ラック1として、プライマリ駆動ラインをAとして表示されるように示している。セカンダリパワー入力駆動ラインはスピンドル4と歯車2として示され、このスピンドル4と歯車2はスピンドル4の周りを自由に回転でき、セカンダリ駆動ラインBとして表示されている。比および反作用力を組み合せた合成結果は、第4、5、および6図を参照して既に説明されていて、その結果の合成パワー出力は第7図においてラック3にCとして示される。ラックと歯車の平坦線形形状は図解目的のために使用されるものであり、ラック1と3がクラウン歯車5と6の形状に取り換わりまた歯車とスピンドル4がピニオン7と軸受8に取り換えられた場合でも、同じ比と反作用力がかかることが容易に理解されるであろう。
【0059】
ラック1が矢印Aの方向に前方に動き、クラウン歯車5が上部表面から見てラックと同じ方向に動くにつれて、クラウン歯車はクラウン歯車5で矢印の方向に反時計方向に回る。ピニオン7は平坦輪郭歯車2と同じ作用を有しトップから見て時計方向に回る結果となり、ピニオン7はCでパワー出力クラウン歯車の矢印の方向にクラウン歯車6を回す。
【0060】
第4、5、および6図で説明したように、第7図に示したようにセカンダリパワー入力駆動ラインは、スピンドル4と、したがって歯車2を矢印Bの方向に動かす。同じ作用は、軸受けアセンブル8を完備したピニオン7を軸A−Cの周りを回るクラウン歯車5と6の中心軸のまわりを回すことによって受ける。
【0061】
比および反作用力について3:1、2:1、1:1および1:1.5の比についてだけ説明したが、出力速度変動および反作用力は以下の式に従って入力手段に比例するということがわかる。
out=2×Vsecondary−Vprimary
ここで、Voutは出力速度であり、Vsecondaryはセカンダリ入力の速度(遊星歯車アセンブリ)およびVprimaryはプライマリ入力の速度であり、二つの入力手段の反作用力のベクトル分析に対応する出力をともなう。
【0062】
本発明は後進から静止ダイナミックロックを通してフルスピードまでそしてオーバードライブまでの間の無限の無段変速を提供する。生成された反作用力はAで表されるプライマリパワー入力駆動ラインとBで表されるセカンダリパワー入力駆動ラインの間で拘束されねばならず、その結果、これらは共通駆動軸に対して反作用を与え、したがってエネルギー損失を回避している。これを達成するために本発明は、パワー入力駆動ラインAと駆動ラインBの間の速度変動に対して閉じ込められたオイルのロッドの突出量の差動変動若しくは回転アセンブリ内のそのような適切な流体によって制御できるようにし、逆の差動油圧作用を与えて軸受8を自由に回転するピニオン7および第7図に示したように軸A−Cの周りを回るクラウン歯車5と6の軸の周りピニオン軸受アセンブリ8の回転によって生成する反作用力の変速と制御を提供する。
【0063】
これは第8図にさらに詳しく示してある。プライマリパワー入力駆動ラインは矢印Aで示す傘歯車5に作動可能に接続されている。セカンダリパワー入力駆動ラインは差動可変速度手段によって制御されおよび可変反作用トルクは閉じ込められたオイルのダイナミック差動リバース油圧制御若しくは適切な流体によって制御され、軸受8に対して反作用力に応じて決まる回転可能または拘束するように作用する、軸受8の中をピニオン歯車7は軸A−Aの周りを回転するBとして表される反作用対向回転力として自由に回転する。さらなる観点から本発明に関連して、出願者の以前の出願で開示された差動装置9がアウタートランスミッション10の内部に含まれている。出力速度および力は以下の式に従って入力手段の速度に対応する。
out=2×Vsecondary−Vprimary
ここで、Voutは出力速度であり、Vsecondaryはセカンダリ入力の速度(遊星歯車アセンブリ)およびVprimaryはプライマリ入力の速度であり、プライマリ駆動ラインAとセカンダリ駆動ラインBの反作用力のベクトル分析に対応する出力について傘歯車6に伝達される出力は出力パワーCとして表示されている。傘歯車6は回転力を中央差動装置に回転キャリヤ20によって伝え、Dとして表される。
【0064】
本発明は、車両、トラックおよびトラクタの広範な範囲で実証され使用されたクラウン歯車、ピニオンおよび差動構成品を実証された有利な組み合せにしたものであるが、速度および反作用力を制御するための手段にユニークで斬新な組合せを使用している。
【0065】
第9図は、本発明の最初の観点の好適実施例に基づくパワートランスミッション10を示し、一般的に回転可能出力手段に作動可能に接続された二つの回転可能入力手段を有するアウターメイントランスミッション11と、二つの差動回転可能出力手段に作動可能に接続された回転可能入力手段を有する内部差動歯車アセンブリ9から構成される。これらの構成品については、種々の好適実施例についての説明とともにさらに詳細に説明されるであろう。
【0066】
パワートランスミッション10のメイントランスミッション11は好適には歯車列から成る。メイントランスミッション11の二つの入力手段は第1傘歯車5と第1軸A−Aの周りを回転するように同軸に配置された遊星歯車アセンブリ12から成る。遊星歯車アセンブリ12は環状ピニオンキャリヤ13と環状ピニオンキャリヤ13が回転可能に担持する内部に配置された遊星傘ピニオン歯車7から成り、遊星傘ピニオン歯車7は第1軸A−Aに対して垂直な軸を有する。第9図において、文字AとBで示したように、第1傘歯車5と環状ピニオンキャリヤ13は、在来の手段である歯車、ベルト、チェーンによってまたは直接パワー入力プライマリおよびセカンダリ駆動ラインにそれぞれ独自に作動可能に接続可能である。メイントランスミッション11の出力手段は、第1傘歯車5と遊星歯車アセンブリ12の両方と同軸に配置された第2傘歯車14から成り、第1軸A−Aの周りを回転する。メイントランスミッション11の第1および第2傘歯車5、14はそれぞれ中央に形成された軸方向に伸びる穴を有している。遊星歯車アセンブリ12は第1および第2傘歯車5、14の間に配置され、第1および第2傘歯車5、14の両方と噛合う遊星傘ピニオン歯車7を伴う。
【0067】
差動歯車アセンブリ9はメイントランスミッション11の内部に配置されている。パワートランスミッション10の差動歯車アセンブリ9の入力手段は、メイントランスミッション11の内側に半径方向に配置されている差動傘ピニオン歯車15から成り、第1軸A−Aに対して垂直な軸の周りを回転する。差動歯車アセンブリ9の出力手段は、差動傘ピニオン歯車15と噛合うように同軸に配置された二つの差動傘サイド歯車16、17から成り、第1軸A−Aの周りを回転する。二つの差動傘サイド歯車16、17は二つの同軸に整列したハーフ・アクスルのようなパワー出力部材18、19の向い合った端部の中央に装着されていて、これはメイントランスミッション11の第1および第2傘歯車5、14内の穴を通って軸方向外側に伸びる。駆動輪(図示していない)または4輪駆動の場合にはパワートランスミッションユニットに作動可能に接続されているハーフ・アクスル18、19は、中心に装着することもでき、その場合、ハーフ・アクスル18、19はフロントおよびリヤ差動装置に作動可能に接続される。メイントランスミッション11は差動フレーム20によって差動歯車アセンブリ9に作動可能に接続され、差動フレーム20はメイントランスミッション11の第2傘歯車14に接続されていて、これは差動歯車アセンブリ9の差動ピニオン歯車15を担持する。
【0068】
第10図は、単一動力源からトランスミッションにパワー入力プライマリおよびセカンダリ駆動ラインを提供するために使用される本発明に基づくパワー分割装置の実際の実施例を示す。この装置は、可変回転数の差動ディスプレイスメントおよびダイナミック機械/油圧式制御並びにパワー入力プライマリおよびセカンダリ駆動ラインの間の反作用力の制御を提供する。単一パワー入力を有する共通軸に対して反作用することによって動力損失のないように制御されている反作用力が、直接単一動力源に接続されるか、または歯車、Vベルト、マルチVパワーベルト(共通接続用フラットアウターベルト付き)、歯付きベルト、ローラまたは特別な高速若しくはサイレント・チェーン若しくは油圧出力によるような在来の手段によって接続されるかのいずれかである。
【0069】
第10図は図解目的のものであり、一つの好適実施例においてガソリン内燃機関またはディーゼルエンジンのようなパワーユニットが歯車20によって作動可能に接続されていて、バランスドアセンブリ21を回し、歯車20はハウジング22に固定されていて、ハウジング22は回転可能ハウジングを介してプライマリ入力パワーラインを歯車23に伝達する。歯車23はハウジングに固定されている。ハウジングは、固定具26によって回転が拘束されている固定軸25上の軸受24によって担持されている。ハウジングはさらに軸受27によって反対側端部で担持されている。この手段によってパワーはプライマリ駆動ラインを介してパワーユニットから歯車20を介してハウジング22を通してA点の歯車23に直接伝達される。出力速度は、エンジンまたはパワーユニットとアセンブリ22の間の歯車装置によって決まり、入力パワーユニットの回転数の変化は直接A点の歯車20によって決まる。
【0070】
別々に回転可能であり軸25から独立している第2軸28は、軸受29によって担持され、B点でパワー入力セカンダリ駆動ラインを提供する歯車30を通した油圧/機械式差動パワーを伝える歯車30に直接接続されている。
【0071】
固定軸25は静止円周ピストングループ31を有し、静止円周ピストングループ31は固定軸25のスプラインによって回転が拘束されている。軸受29によって担持されている回転可能軸28は回転可能ピストングループ32にスプラインによって装着されていて、したがってピストングループ32に軸28およびセカンダリ駆動ライン歯車若しくはスプロケット30と作動可能に接続され、B点で反作用力を提供する。回転可能ハウジング22はそれ自体にピストングループ31、32の間に共通ポーテイングおよびコミュテータプレート33が装着されている。共通ポーテイングおよびコミュテータプレートアセンブリ33はハウジング22に固定され、またはハウジング22と回転可能になっている。これによって、高圧および低圧のインゲン豆形状(C形状)のポーティングがアセンブリ33の円周上の各側に常に存在し、回転ハウジング22に関連して両方の反作用ディスプレイスメント回転グループ31、スワッシュプレート制御スワッシュプレート35、および固定ディスプレイスメントスワッシュプレート36の固定ピボット点34と整列する。
【0072】
本発明は、プライマリパワー入力固定駆動ラインAとセカンダリ可変パワー駆動ラインBの間に差動油圧/機械式可変速度およびトルク力反作用制御を提供する。これは、ハウジング22に固定されている入力Aでプライマリ駆動ライン入力歯車若しくはスプロケット20によって達成され、そして回転可能および作動可能にAでプライマリパワー供給のためにプライマリ駆動ラインスプロケット若しくは歯車23に直接接続され、Aで歯車若しくはスプロケット20への入力パワーユニットの速度およびトルクによって直接制御されているトルク力および回転数はAで歯車若しくはスプロケット23に直接伝達される。セカンダリパワー入力Bから伝達される反作用力は第4,5、6、7および8図で説明したように第10図に示すようにBでスプロケット若しくは歯車30に対して直接作用する。歯車30は軸28と回転グループ32によって回転が拘束され、これは次に、固定角度スワッシュプレート36に関連して反作用力がピストングループ32を回すにつれて固定角度スワッシュプレート36と接触するピストン38によってディスプレイスされているシリンダ37内の閉じ込めオイルの制御によって回転が拘束され、オイル37の閉じ込めロッドはピストンがシリンダ位置35に向かって回転するにつれてピストン38によってディスプレイスされる。許容回転量はスワッシュプレート35の可変角度によって決まり、ディスプレイスされるオイルはコミュテータアセンブリ33の円周上の各側のインゲン豆形状(C形状)のポーティングを介して自由に移動し、コミュテータアセンブリ33は固定されたままで、スワッシュプレートピボット点34に対応して、ハウジング22とともに回転する。シリンダ37に閉じ込められたオイルのロッドは円周上にほとんど180°伸びているインゲン豆形状(C形状)の部分を通して自由に移送でき、回転ピストンアセンブリ31が静止していて、スワッシュプレート35がハウジング22の回転によって駆動されるにつれて、オイルがコミュテータアセンブリ33を介してシリンダ40と41に移送されるということがわかる。スワッシュプレートがシリンダ位置41に動くにつれて、シリンダ40のディスプレイスメント空間は増加し、したがってシリンダ37から31、41の間の膨張シリンダに閉じ込めオイルの移送の制御が可能となる。プライマリ入力歯車20がハウジング22を回すと、次に、ハウジング22に応じて固定スワッシュプレートピボット点34への通路を介してスワッシュプレート35を駆動し、またスワッシュプレート制御角がスワッシュプレート36の固定角に等しい位置1にセットされる場合、回転ピストンアセンブリ32内の閉じ込めオイルのロッドのディスプレイスメントが固定回転ピストンアセンブリ31の膨張するディスプレイスメントチャンバと等しくなるであろう、したがってアウタートランスミッションからの反作用力がBで歯車30に対して作用し、軸28を介して後方にプライマリスプロケット20とハウジング22に応じて回転するということがわかるであろう。これはA点で歯車20へのフルスピード入力およびフルパワー入力の下で、歯車30の出力速度はゼロになるであろう、そして反作用力は、回転する機械的ハウジング22内部で相互に機械的に作用する直接油圧/機械式可変制御によって、エネルギー損失なしに完全に拘束されることを意味する。
【0073】
第11図は第10図のものと同じ一般的配置を示すが、しかし作動位置4にある調整可能手段によって軸34の周りに制御されるスワッシュプレート35が付いている。入力プライマリ駆動ラインAでパワーが入るにつれて歯車20とハウジング22が回り、これはまたスワッシュプレート35の角度の位置にかかわらず1:1の同じ比でスワッシュプレート35を作動させる。スワッシュプレート35の角度が位置4で軸25の中心線に対して90°である状態にセットされた場合、次にピストンチャンバ40,41の間にディスプレイスメントの変化がなく、シリンダ37、39からの閉じ込めオイルのすべての流れがゼロになるであろう。パワーがプライマリ駆動ラインに入力されるにしたがって、Aで歯車20を通してハウジング22と歯車23を介して第7、8、9図に示すようにアウター機械式トランスミッションプライマリ駆動ライン内の入力1に伝達され、第4、5、6、7および9図に記載した反作用力が第11図に示すようにBで歯車30に対して作用する。歯車30は軸28によって拘束され、固定ピストンアセンブリ31内のゼロ・ディスプレイスメント変化によって、回転ピストングループ32はピストン38とともにシリン37内の閉じ込めオイルのロッドをコミュテータアセンブリ33を通して移送することはできない。総合した効果は全体アセンブリ21がプライマリパワー入力および出力スプロケット20、23とともに一体となって回転し、セカンダリ反作用パワー制御スプロケット30はBですべてが1:1の比で一致して回転する。
【0074】
第12図は、また第10および11図と同様のものであるが、しかしスワッシュプレート35の5個の作動位置を図解のためにさらに示してある。位置1では出力歯車若しくはスプロケット23がプライマリ駆動ラインを介して第10および11図で説明したようにパワーユニットによって提供された速度とトルクと直接相関関係を持ってAのアウタートランスミッションスプロケット42にパワーを供給する。スワッシュプレート35の制御角が制御位置1に位置していれば、次に第10図で説明したような機能が生起し、反作用力についてBで環状ピニオンキャリヤ13を通して伝達され、スプロケット若しくは歯車43に接続され、入力および出力負荷の変動、並びに力の方向と直接相関関係をもって変化する反作用力を制御し、第4、5、6および7図で説明したようにその間依然としてゼロ回転を維持する。
【0075】
スワッシュプレート35制御角が位置2に変化したとき、次にディスプレイスメントによって歯車若しくはスプロケット30にかかる反作用力をB点のセカンダリパワー駆動ラインで制御され、A点でプライマリパワー駆動ラインの1/3になる。これは3:1比を生み出し、メイントランスミッション11内に入力し、傘ピニオン歯車7を介してCの傘歯車14に伝達される速度とエネルギーの移送を介して逆転出力で入力回転数の1/3を与える。
【0076】
第12図は位置3にワッシュプレート角度をセットし、ディスプレイスメントがBでセカンダリパワー駆動ラインをプライマリパワー駆動ラインAの半分の速度で回転することを示している。この反作用力の効果は第4,5、6および7図で説明したように2:1の比でメイントランスミッション11内に入り、メイントランスミッション11からのゼロ出力でダイナミックロック中立位置を生み出し、第12図に示すようにスワッシュプレート35を位置4にセットし、ここで軸25に対して90°であることを示している。反作用の効果は、第11図に完全に説明されているように、1:1の比でプライマリパワー駆動ラインAとセカンダリ反作用パワー制御駆動ラインBの間に入力される。したがって、入力の1:1の比はメイントランスミッションの速度と相互作用するトルク力の相関関係を制御し、トランスミッションからCの第2傘歯車14を介して1:1フルフォワード出力を作り出し、総合した効果は第12図に示したピストン回転グループからのオイル移送流れが、シリンダ37でゼロになるであろう。ピストン回転グループ32のハウジングに対する動きがなくなり、作動ディスプレイスメント油圧/機械式反作用パワー制御ユニット21内のすべての構成品が固定軸25を除いて一致して回転し、そして固定ピストングループ31は常に静止したままである。
【0077】
プライマリ駆動ラインAおよびBでの1:1の等しい回転数の供給およびパワー制御駆動ラインBによる反作用エネルギーの制御によってメイントランスミッション11のすべての構成品は動きがゼロになる。したがって、車両、トラック若しくはトラクタへの応用のためにゼロ速度ではただ2:1のバリエーションだけであり、プライマリおよびセカンダリパワー駆動ラインはセカンダリ駆動ラインBとの速度がプライマリパワー駆動ラインの回転数の半分で行い、また1:1の比への円滑な移行によって、可変負荷に適合する最大効率を瞬時にまた精確に行うことができる。
【0078】
第12図に示すように、スワッシュプレート35の制御位置が位置5まで進んだ場合、次に1:1.5の比が実行でき、その結果、Cのメイントランスミッションからのオーバードライブ出力は第6図で既に説明したように1.5倍に等しいプライマリ・パワー入力駆動ライン回転速度になる。
【0079】
第12図に示す本発明のさらなる観点は、油圧作動油で充填された回転ハウジング22が回転するとき遠心力によって回転ハウジング22の外周に向かってオイルの圧力と閉じ込められたオイル質量を作り出すということにある。この圧力は本発明の一つの実施例では、充填圧力として作用し半径方向に配置されたシリンダ40、41、37、39およびこれらの間の半径方向に配置されたシリンダを充填し、これらのシリンダはまたピストングループ31、32の外周で高圧油圧作動油のゾーンに配置されている。高圧および低圧チェックバルブの通常の使用は使用することができ、また一体組み込む充填ポンプのある種の応用に使用することもできる。
【0080】
本発明のさらなる実施例(図示していない)では、回転ハウジング22が伸張した冷却フィンおよび/またはロータリシールを有し、濾過および冷却のために油圧作動油をハウジング22に出し入れできるように備えている。
【0081】
別の実施例では、回転ピストングループおよび/またはコミュテータプレートは、高速、高圧、低潤滑性および高い有効性能のためにセラミック材料から作られるであろう。
【0082】
可変角度スワッシュプレート35は適切なアームおよびスラスト軸受若しくは適切な穴付き圧力制御装置または遠隔無線若しくは赤外線制御装置によって制御することができ、回転ハウジング22の内部でスワッシュプレートの角度を制御できる。
【0083】
第13図は第9および10図の一体に配置された実際の実施例を示し、軸受、シールおよびアセンブリを作動させるのに必要な取り付け構成形態を含んでいる。これらの構成品は実際には変更することもでき、またたとえその機能が当該技術分野の専門家には容易に理解できるであろうにしても、説明は本発明を理解するためには必要ないであろう。
【0084】
使用に際して、上述のメイントランスミッション11は連続可変トランスミッションから成り、その際、出力速度(第2傘歯車14の回転速度)が一体組み込みアセンブリ21から供給される二つの入力速度の和または差に比例し、AとBで表されるプライマリおよびセカンダリ可変速度およびトルク駆動ラインを備える(第1傘歯車5および遊星歯車アセンブリ12の回転速度を制御)。したがって、第1傘歯車5と遊星歯車アセンブリ12の速度が制御される場合、第2傘歯車14の速度が、設計最大値から回転の第1方向でゼロを通り回転の第2反対方向である設計最大値まで連続的に変えることもできるということが理解されるであろう。また上述したように、差動歯車アセンブリ9は従来の自動車用の差動歯車の方法で作動する。パワートランスミッションユニット10は上述したようにメイントランスミッション11および差動歯車アセンブリ9を機能的に便利なように一体に組み合せ、その結果、入力回転パワーは連続可変出力速度で二つのハーフアクスル18、19に差動的に伝達することもできる。
【0085】
上述したパワートランスミッションユニット10の作動は、第9図において例示的な実施例を参照してさらに理解することもでき、その際、メイントランスミッション11の第1傘歯車5と第2傘歯車14がそれぞれ30歯を有し、またメイントランスミッション11の遊星傘ピニオン歯車7もそれぞれ10歯を持っている。
【0086】
第9図に図解した例示的実施例の軸A−Aの周りの同じ回転方向の入力の差の比の影響について以下に説明する。
【0087】
油圧/機械式反作用パワー制御ユニット20を形成するために一体に接続したプライマリおよびセカンダリパワー駆動ラインAおよびBからの入力の1:1比
第9図に示す第1傘歯車5が前方に1回転すると、傘歯車5の30枚の歯が前方に回る。同時に環状ピニオンキャリヤ13が前方に1回転同じ方向にA−A軸の周りを回ると、各遊星傘ピニオン歯車7は静止したままとなる。その結果、第2傘歯車20と歯を噛合わせた非回転傘ピニオン歯車7は傘歯車14と差動フレーム20をA−A軸の周りに前方に完全に1回転回す。差動フレーム20に担持された差動ピニオン歯車15は、それぞれハーフアクスル18、19に作動可能に接続されている差動サイド歯車16、17によってのみ拘束され、これによって二つの駆動ホイール(図示していない)の間で通常の自動車差動装置の作用を行うことができる。
【0088】
第13図に示した結果は、第13図に示した差動油圧/機械式反作用パワー制御ユニット21によって提供される入力の比によって第1傘歯車5と環状ピニオンキャリヤ13の間で1:1であり、パワートランスミッションユニット10を通り差動フレーム20までの速度比は1:1である。
【0089】
差動パワー制御ユニット21とパワートランスミッションユニット10を統合した入力比2:1
第9図の第1傘歯車5が前方に1回転すると、前方に30歯動き、環状ピニオンキャリヤ13が同じ方向にA−A軸の周りを前方に半回転(2:1)すると、各遊星傘ピニオン7はA−A軸に対して垂直の軸の周りを逆方向に15歯回り、第2傘歯車14と噛合う点から15歯だけ半回転して動く。第2傘歯車14は30枚の歯を持っているので、環状ピニオンキャリヤ13と傘歯車7は半回転動き、したがって、30歯の第2傘歯車14と差動フレーム20は静止したままになる。
【0090】
その結果、第13図に示したようにパワー制御ユニット21によって提供される入力の比は第1傘歯車5と環状ピニオンキャリヤ13の間で2:1であり、第2傘歯車14と差動サイド歯車16、17はパワートランスミッションユニット10からのゼロ出力で効果的にロックされた静止位置のままである。
【0091】
入力の3:1比
第1傘歯車5が前方に30歯分1回転すると、また環状ピニオンキャリヤ13が同じ方向にA−A軸の周りを前方に1/3回転すると、各遊星傘ピニオン歯車7は20歯だけ後方に逆回転し、その間第2傘歯車14の周りを10歯に等しい距離を動く。このため、第2傘歯車14と差動フレーム20は逆方向に10歯、または逆方向に1/3回る。上記のように、差動歯車アセンブリ9は二つの駆動ホイール(図示していない)の間で通常の自動車差動装置の作用を行うことができる。
【0092】
その結果、第1傘歯車5と環状ピニオンキャリヤ13の間の入力の比は3:1であり、第2傘歯車14と差動フレーム20はA−A軸の周りを逆方向に1/3回転する。
【0093】
オーバードライブは1未満の入力比によって得られるということが理解されるであろう。上記の観点から、本発明の統合パワートランスミッションユニットの実施によって、コンパクトで一体組込みの連続可変トランスミッションを在来の自動車差動装置付きで提供し、これは特に、排他的ではないが、また前輪駆動車、4輪駆動車用のミッドマウント、トラックおよびトラクタの車両パワートレイン、本発明による後輪駆動差動アセンブリの換装によるギヤボックスの不要化をもたらし、本発明を車両、トラックおよびトラクタの車両パワートレインの使用に適したものであるということが理解されるであろう。特に、本発明のトランスミッションの実施例によって二つの車両駆動輪を連続的に可変速度で回転させて差動駆動し、またはフロントおよびリヤアクスルを差動駆動できる。
【0094】
添付の図面第8、9および、13図に示すように、本発明の第2の観点の好適実施例に従う一般的に差動油圧/機械式反作用パワー制御ユニット21およびパワートランスミッションユニット10と接続した単一パワー入力ユニット一体組立品から構成され、これらの一体組立については上述した。
【0095】
第14図に、パワーユニット44、差動ディスプレイスメント油圧/機械式可変速度トルク反作用セカンダリパワー駆動ラインユニット21、トランスミッションユニット10および買いCloseプロセッシング制御ユニット5が示してある。これらの構成品はここでさらに詳細に各種の好適実施例について説明する。
【0096】
パワートランスミッションユニット10の種々の構成品の構造、配置および作動についてのこれまでの詳細説明は以下の説明に参照されるであろう。
【0097】
第14図に図示した実施例において、パワーユニット44は内燃機関であり代替的にはすべての形式の内燃機関形式−ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ロータリエンジン、真のロータリバランスドエンジンガスタービンエンジン、または通常の電気モータ係止、燃料電池動力電気モータ、電気および/または機械的フライホイールも使用することができる任意の類似または非類似の組合せのものから構成される。ガソリンおよびディーゼル内燃機関が比較的低い生産コストで確立された技術をもつため好適である。第14図に示す実施例において、パワーユニット44はガソリンまたはディーゼルエンジンパワーユニットである。
【0098】
作動油圧/機械式パワー制御ユニット21は、エンジンの後部のクランクシャフトからギヤまたはスプロケット20に適合するギヤ、チェーン、またはベルトを介して伝達し、プライマリおよびセカンダリパワー入力駆動ラインをエンジン/パワーユニット44の中心まで歯車またはチェーンまたはベルトを介してパワー制御ユニット21のプライマリおよびセカンダリ駆動A、Bからパワートランスミッションユニット10の駆動ギヤまたはスプロケット42、43まで伝達するために有利なように配置され、パワートランスミッションユニット10は前輪駆動応用についてはもっとも適した位置である横置きエンジン44に関連して中央に配置され、ハーフアクスル18、19については標準前輪駆動軸から前輪までに接続する適切な位置に配置されるであろう。
【0099】
パワー制御ユニット21およびパワートランスミッションユニット10のハウジングはまたエンジン44から容易に着脱ができるように有利なように配置される。
【0100】
第15図は、第9および10図に示した車両パワートレイン46の単純化した実施例を示し、ここではパワートランスミッションユニット10の第2傘歯車14が内部差動歯車アセンブリに作動可能に接続されていない、つまり、パワートランスミッションユニット10だけはメイントランスミッション11を含むが、しかしその代わりに駆動軸47に作動可能に接続されている。第15図に示す車両パワートレイン46の単純化された実施例は好適にはガソリン、ディーゼル、ロータリ、真ノバランスドロータリまたはガスタービンエンジンを利用し、前輪および/または後輪駆動車両で使用するように適合し、駆動軸47が単一在来自動車用差動歯車アセンブリに作動可能に接続されている。代替的には、第15図に示す車両パワートレイン47はミッドマウント式の4輪駆動車両にすることもでき、その際、駆動軸47は在来の前輪および後輪4輪駆動差動歯車アセンブリに作動可能に接続される。
【0101】
第14図に示すマイクロプロセッシング制御ユニット45は、車両ドライバからのコマンド入力を受信するための入力装置と車両パワートレインの性能パラメータの閉ループフィードバック制御を提供するための複数の入力/出力インターフェース装置(図示していない)を含んでいる。好適には、複数の入力/出力インターフェース装置(図示していない)は、パワートレインの性能パラメータのデータをモニターし、分析しおよび伝送するための複数の高性能センサから構成される。性能パラメータは好適には、エンジン44の負荷、二つのプライマリおよびセカンダリパワー出力歯車またはスプロケット42、43のそれぞれの回転速度、油圧および回転数を含むパワー制御ユニットの負荷、二つのハーフアクスル18、19のそれぞれの負荷および二つのハーフアクスル18、19のそれぞれの回転速度を含む。好適には、性能パラメータはマイクロプロセッシング制御ユニット45によって連続的に制御され、さらに車両パワートレインを構成するパワーユニットの形式に固有置または形式に関する性能パラメータを含む。
【0102】
使用に際して、マイクロプロセッシング制御ユニット45は、好適にはドライバからのコマンド入力に応じて性能パラメータを連続的にモニターし、分析しおよび相互に調整するための閉ループフィードバック制御を備えている。エンジン44の始動の間、マイクロプロセッシング制御ユニット45は第12図に示すディスエンゲージ・セーフティクラッチおよび/またはスワッシュプレート35の角度整列を都合のよいように制御し、それによってセカンダリパワー入力駆動ラインがプライマリ駆動ラインに対して2:1の比において、メイントランスミッション11の出力傘歯車14が始動時または駐車セーフティク位置で静止ダイナミックロック位置に止める。
【0103】
すなわち、始動時マイクロプロセッシング制御ユニット45は、パワー出力歯車42と43の間の回転速度の比が2:1のときだけ、制御ユニット21の第1歯車20にエンジン44の対応するパワー出力軸を接続する。
【0104】
パワートランスミッションユニット21および10の作動についての上記の説明から、パワートランスミッションユニット10の各差動サイド歯車16と17は、したがって、ゼロ速度において安全静止位置に確実にロックされるであろうことが理解されるであろう。大部分の応用において、手動オーバーライド・クラッチはセーフティレベルを増大するために備わっているということが明らかになるであろう。パワートランスミッションユニット21および10の作動についての上記の説明から、その後に続く、例えば車両ドライバからのコマンド入力に応じてマイクロプロセッシング制御ユニット45はパワー出力歯車23と30の相対速度を調整するためにエンジン44とパワー制御ユニット21の作動を都合のよいように制御し、それによって、パワートランスミッションユニット10の差動サイド歯車5と14および、したがって二つのハーフアクスル18と19並びに二つの駆動輪(図示していない)は必要な方向に、必要な速度で回転するということもまた理解されるであろう。車両パワートレイン21と10の運転中、マイクロプロセッシング制御ユニット45は、コマンド入力および/または性能パラメータのデータの分析に適応応答し、また二つのプライマリおよびセカンダリパワー駆動ラインAとBの相対速度およびAとBでの二つの駆動ライン23と30の間の反作用負荷制御を含む性能パラメータを相互対話式に調整することによって運用要求に合致する車両パワートレイン48の最終出力速度とパワーを連続的に制御する。
【0105】
好適には、マイクロプロセッシング制御ユニット45は、性能アルゴリズムによってプログラム可能であり、その結果、車両パワートレイン48の性能を最適化するアルゴリズムに従って制御された性能パラメータを連続的に相互対話式に調整する。例えば、マイクロプロセッシング制御ユニット45は、車両パワートレイン48を効率的に最適化するためにプログラムすることもでき、その場合、コマンド入力に応じてマイクロプロセッシング制御ユニット45は、ピーク値の範囲内でエンジン44の効率を維持するために各プライマリおよびセカンダリパワー駆動ラインの性能パラメータを連続的にモニター、分析および相互対話式に調整し、一方では、運用供給に適合するためにパワートランスミッションユニット10の最終出力速度とパワーを相互対話式に制御するパワー制御ユニット21のプライマリおよびセカンダリ駆動ラインの間の負荷分担を瞬時に連続的にモニターし調整するであろう。そのような機能において、総エンジン効率は異なる運転条件の広範な範囲にわたって達成されるであろう。したがって、内燃機関に適用する実施例において、燃料経済の大幅な改良および対応する排気ガス放出の大幅な減少を達成することもできるということが理解されるであろう。
【0106】
例えば、パワーユニットが内燃ピストンエンジン(第14図に示した実施例のように)であるとき、性能パラメータはマイクロプロセッシング制御ユニットによって連続的に制御され、好適にはさらに内燃ピストンエンジンに特有のマニホールド・ブースト圧、エンジントルク、エンジン回転数、燃料混合気、スパークタイミング、バルブタイミング、可変インテークマニホールド形状、燃焼室状態、圧縮比および排気ガス化学的性質のようなパラメータを含む。
【0107】
無段変速トランスミッションの機能を有することによって、要求された精密な車速を提供し、一方。エンジン回転数および相互に関連するパワー制御ユニット21のプライマリおよびセカンダリパワー出力速度を変化させることによって、並びに燃料空気混合比を変化させることによって最適燃料空気燃焼率を維持し、最適運転条件を車両、トラックおよびトラクタについて速度とエネルギー要求条件の全範囲にわたってリアルタイムに維持することができ、最小汚染と最大燃料効率を提供する。
【0108】
上述の観点から、本発明の車両パワートレインの実施例はコンパクトな適応制御された車両パワートレインを提供し、特に重量とサイズが緊要である小型および中型の前輪駆動車両への応用に適したものであるということが理解されるであろう。
【0109】
第16図は、第9図で説明した同じ原理の実施例であり、メイントランスミッション11と差動歯車アセンブリ9の二つの入力手段を組合せてパワートランスミッションユニット10を形成するものに関する。プライマリパワー入力駆動ラインから直接パワーの入る傘歯車5と環状ピニオンキャリヤ13の間の速度変化が要求され、第4、5、6および7図に説明したように同じ反作用力を生成し制御する。
【0110】
第16図は、本発明のパワー制御ユニットとパワートランスミッションユニット10をコンパクトに一体に組合せたものを示し、これは上記のように速度変化と反作用力の両方を差動ディスプレイスメントによって制御する。カムとラック49(a)はプライマリパワー入力歯車スプロケットまたはプーリ42に固定され、環状カムとラックはコミュテータプレート50に固定され、コミュテータプレート50は二つのインゲン豆形状(C形状)のコミュテータスロット51と52を有し、ほとんど180°に円形コミュテータプレートの両側に広がり、対向するセミサーキュラコミュテータスロットの間を十分にセパレートし、油圧作動油が高圧側から低圧側に移動しないように防止する、この圧力は第4、5、6および7図で説明した交互に作用する力である。第16図に示す各コミュテータスロット51と52は、カムプレート49(a)、49(b)と整列して恒久的に固定され、それによってサーキュラカムトラック49(b)の最高部位が二つのコミュテータセミサーキュラスロット51と52の分割点である。この手段によって、プライマリ入力スプロケットまたは歯車の回転にかかわらずカムトラック49(a)、49(b)がコミュテータバルブプレート50に固定され、コミュテータスロット51と52はまたカムトラックとともに回転し、カムトラックとコミュテータプレートの恒久的な整列を確実にし、油圧作動油またはオイルがシリンダ55のピストン54の後部にトラップされたとき、この手段によってピストンローテーティンググループ54が差動的に回転するにつれて油圧作動油を受け入れおよび解放する。カムトラック49(a)、49(b)にかかる反作用力によって、ピストンローテーティンググループがプライマリパワー入力歯車またはスプロケット42と一致して回転する。ピストンローテーティンググループは環状ピニオンキャリヤ13に装着され、環状ピニオンキャリヤ13は内部に配置された遊星傘ピニオン歯車7を回転可能に担持している。これによって、出力速度の変化とトルク力を生じ、これはローテーティングピストングループ53によって既述したような方法で拘束される。
【0111】
狭いセンタースロットとまた相互連結している湾曲経路にある一つのスロットまたは一連のサーキュラホールのいずれかである二つのセミサーキュラコミュテータスロットを制御するために、高圧コミュテータスロットを低圧側から分離する必要があり、またコミュテータスロット51と52は差動回転するので、ステーショナリコミュテータギャラリ56をポートAでギャラリ57をポートBで互いにA−A軸に対してオフセットする必要がある。この手段によって、コミュテータプレートスロット51と52を介して差動回転するピストンローテーティンググループシリンダオイルギャラリ51と52は、常にそれぞれ対応する高圧および低圧ポートに隣接している。
【0112】
第16図で説明したように本発明の利点は、プライマリおよびセカンダリパワー入力駆動ラインの間の差動的なパワー入力速度の要求された変化の制御並びに相互作用力の制御は、すべての車両、トラックおよびトラクタ若しくは通常前進および後進、変速および差動作用並びにさらにギヤボックスの削除を必要とする任意の当該機械の現行の位置に差動装置の換装のために適したコンパクトな一体ユニットに完成されている。
【0113】
第16図で説明したように完全一体ユニットは、この実施例で示した差動反作用油圧/機械式パワートランスミッション58であり、セカンダリパワー入力駆動ラインで作用力を制御するための反作用機構はサーキュラコンケーブカムトラックを走るボールを備えたピストンである。これはまた、軸受とシャフトによってピストンの端部に取り付けられたピストンリングとローラを装着することもでき、ローラは複数のローラの周りを自由に回ることができ、適切な形状のカムトラックに当接することができるピストンを使用する別の実施例を使用することもできる。このアセンブリはまた高トルクがピストンに伝達されるのを防止するためにサイドローラを装着することもできる。一つの実施例を後で第23図に示し、さらなる実施例は第24図に示す。
【0114】
第16図で説明したように本発明は、ミッド・メインパワートランスミッションユニット11と内部駆動差動装置9を備えたアウター油圧制御差動パワー制御ユニットを包含する。
【0115】
車両に適用する差動キャリヤは通常のエンジン回転数に対して約4:1の比で回転するということがさらに理解されるであろう。この理由から本発明で使用する差動反作用油圧/機械式パワートランスミッション58では、全速エンジン回転数であるいわゆる4、000rpmはすべての構成品のロングライフおよび耐久性のためにただ1,000rpmで回転する。
【0116】
外周にローテーティングピストングループ53を設置することによって、低速での高トルクを保証し、またハーフアクスル18、19の間の幅が前輪駆動車両のフロントホイールの間のマウンティングを最小に保持することを保証し、またはハーフアクスルなしの標準スペースおよび標準アクスル内に車両、トラックおよびトラクタの標準差動装置を換装するために保証し、また無段反作用トランスミッションに説明したようなマイクロプロセッサコントローラの一体組み込みを含む。
【0117】
第16図において、速度および反作用力はポートA56とポートB57の油圧作動油圧力および流量によって制御が影響されるということで説明を完結するものとする。第17図において、パワーユニットからのプライマリパワー入力はスプロケットまたは歯車20と噛合い、スプロケットまたは歯車20は次にスプロケットまたは歯車42と噛合い、歯車20は軸62に装着されていて、軸62は軸受63によって担持され、次に曲がり軸可変吐出ポンプ69を駆動し、可変吐出ポンプ69は次にポートA60とポートB61を介して油圧作動油を供給および受入れる。
【0118】
曲がり軸可変吐出ポンプのレンズ64は、制御スクリュー65の回転によってゼロから最大流量まで制御され、次に第14図に示すマイクロプロセッシング制御ユニットからのコマンドを介して動かされるモータ66によって連続的に制御される。曲がり軸可変吐出アキシャルピストンポンプのポート60、61についてはユニット化された差動反作用油圧/機械式パワートランスミッション58のポート67、68とほぼ相互接続され、ピストンローテーティンググループ53の反作用力と速度の制御を既述したように作用で行うことができる。
【0119】
第17図で説明したように本発明は、コミュテータプレート51に固定され、カムプレート49に関して差動回転できるようにピストングループ53と軸A−Aのシャフトの周りを回転するように担持されたカムトラック40の同様の配置に作動可能に接続された曲がり軸可変吐出ポンプユニット69とともに使用することもでき、そのサポーティング部材はまた上述のようにオフセットポートを介して曲がり軸ポンプアセンブリ69に接続されたユニット58とともに軸A−Aの周りを回転するが、しかし両方のユニットはパワートランスミッションユニット10から独立した存在として第13図で説明したような同じ方法でパワートランスミッションユニット10に作動可能に接続される。また本発明のさらなる実施例では、ローテーティングピストングループを備えるために、上述の方法を使用したとき、記述したような同じ効果を得るためにアキシャルまたはラジアルピストンの形状でカムプレートに当接して作用するように位置させ、フラットサイデッドローラ付き、アクスルカーブドサイデッドローラ付き、アクスルまたはボールまたはローラ付き、またはアクスルなしで(当該実施例の一つについて後で第23、24図で示す)アキシャルまたはラジアル位置のいずれかでマッチングクローズドカムトラックに当接して作用する。
【0120】
本発明は、すべての形式の車両、トラックおよびトラクタ用の種々の実施例に適している。トラクタおよびトラックの場合には、要求条件および本発明の適用について理解するために、トラックおよびトラクタの両方に対する例外的なトルクの要求および外部の大幅に変動するエネルギー需要の極端さを受ける。高負荷および極度に変動するトルク要求条件に適合する現在利用でき最も進歩した技術および方法を探究することは、トラクタ、トラックおよび他の重負荷運搬および各種機械のモードに本発明の機能と適用をよりよく理解するためには有益なことである。第18図は24段ギヤトランスミッションのスタート時の1段ギヤを69で示し、3.4km/hの前進速度が得られ、変速段が進むにつれて各変速段のギヤにおいてエンジンは各変速段のサイクルをそれぞれ繰り返していく、各サイクルはエンジンが低回転速度で始まり、高トルク負荷要求はエンジンが低速の間である。これはまたローパワーを作り出す点では結果として高い燃料消費を引き起こし、燃料空気混合気のパワーへの変換は低効率となる。エンジン回転数が増加するにつれて、エンジン回転数とトルクがバランスするまで、パワー出力が増加する。この点は通常各ギヤの中央部(ミッドレンジ)にあり、燃料消費が最も効率的な点である。エンジンが引き続いて回転数を増加すると、特別な変速ギヤにおいて、燃料消費が増加し、パワーに対する燃料変換効率が減少する。第18図において、このサイクルは24段ギヤを通してグラフで表されるように繰り返され、上記のようにエンジンがサイクルする。曲線70は望ましい平均ギヤ比を表し、変数として、エンジンがエンジン回転数とトルク負荷の間でコンスタントにバランスして作動し、この点で燃料消費が最低であり、エンジン効率は燃料をパワーに変換するのが最大になる。エンジンを常にこのバランスした状態で運転し最大効率を得ることが本発明の目的である。
【0121】
第19図は、第18図に示した24段変速ギヤを達成するために必要な複合パワートレインの線図である。
【0122】
第19図のパワートレインの線図は、エンジン71で始まる。エンジントルクおよび馬力(パワー)は、ギヤチェンジおよびクラッチの手動または自動のいずれかでの切り換え時に発生する衝撃負荷を滑らかにするためにトルクコンバータ72を通して伝達され、またトルクコンバータは特に低速、高負荷始動時に使用される。トルクコンバータのエネルギー伝達の効率的な観点についてはさらにエネルギーのスリップによる熱として放散されるパワー損失を引き起こすことである。第19図に示すようにトラクタについては、24段の前進ギヤのほかにパワーシフト後進セット73、ドライビングクラッチ74、6段走行ギヤ75およびクローラギヤ/ワーキングギヤ76を必要とする。
【0123】
第20図は、24段ギヤトランスミッションの図解切断図であり、許容レベルまでパワー性能曲線を滑らかにする24段またはギヤ比を有するように達成された複雑で高価なトランスミッションを示している。最小作動部品を使用し、低コストで一方パワートレインの効率を増大し、衝撃負荷を減少し、エンジンのあえぎまたはオーバースピードを排除し同時に燃料経済の改善および汚染の減少を備えた無段ギヤ比変換を達成することが本発明の目的である。
【0124】
第20図はターボクラッチ/トルクコンバータ76、パワーシフト後進セット77、ドライブクラッチ78、6段走行ギヤ79、クローラギヤ/ワーキングギヤ80、フロントアクスルへの4輪駆動出力81を示す。
【0125】
第21図は、ターボクラッチ/トルクコンバータ76の図解切断図である。
【0126】
第22図は、燃料効率の観点からエンジンのバランスした回転数およびトルクの効果のグラフである。ベースライン82はトラクタの応用で使用されるようなディーゼルエンジンの実際の回転数範囲を示す。トルクレベルはニュートン・メータ(Nm)83の単位で示し、トルクのグラフを84で示している。パワーはキロワット(KW)85の単位で示し、パワー曲線は86で示される。燃料消費に対するエンジンの回転数とトルクの影響はグラフ上に燃料消費曲線87としてみることができる。エンジンが1,000rpmの低回転数88のとき640Nmの高トルクで、燃料消費が215g/kwhであることが注目されるであろう。エンジン回転数が1,400rpmと1,600rpmの間89のときに、トルクが650Nmであり、燃料消費が92で最低の195g/kwhであり、エンジン回転数が90で2,200rpmに増加すると、トルクは91で85Nmに減少する。燃料消費は92で225g/kwhに増加する。
【0127】
本発明の目的は、常に大きく変動する負荷およびパワー要求にかかわらず最大効率範囲でエンジンを運転すること、これはグラフに示すように1,450rpmでトルクが640Nmで燃料消費が195g/kwhである当該特定のエンジンについて回転数およびトルクがバランスした点であることがわかる。
【0128】
第22図のグラフは、本発明が提供する高度に変動する回転数とトルク範囲で最適に選択され反作用的に連続的に入力を変化させ、既述したように第14図に示したマイクロプロセッシング制御ユニットから出力を制御することについての図解説明だけに使用するものである。
【0129】
第23図は、高トルク高負荷の車両、特にトラックによる重牽引並びにトラクタの前進および後進での高トルク作業負荷に適した本発明の実施例である。
【0130】
メイントランスミッション11は高負荷およびトルク要求に従う大きさになっているが第9図で説明した同じ原理を具現し、メイントランスミッション11と差動歯車アセンブリ9の二つの入力に関してパワートランスミッションユニット10を形成するために組み合わされる。傘歯車5の間に要求される速度変動はプライマリパワー入力駆動ラインと環状ピニオンキャリヤ13から機械的にパワーが供給され、第4、5、6および7図で説明したように同じ反作用力が生起して制御する。
【0131】
第23図は、本発明の一部として油圧/機械式差動パワー制御ユニットのコンパクトな一体組合せを示し、第16図での説明と同じパワートランスミッション10を一体化し、既述したように速度変動と反作用力を制御する。
【0132】
第23図は本発明のこの実施例のコンパクトな特徴と高トルク特性を特に表現している。プライマリパワー入力駆動ライン42は環状支持部材92に装着され、環状支持部材92は次に環状内部コンボリュートカム93を支持し固定している。カムトラックおよびアキシャルピストンアセンブリの部分切断端面図は第25図に示す。第23図において、カム93はポーテッドバルブボデー94に固定されていて、カム93と一緒に回転し、したがって回転位置にかかわらず油圧作動油ギャラリ95と96を正しく整列させて、高圧を供給しオイルの流れをリターンさせ、そして第25図に示すカムホール97に対して正しく位置させる。
【0133】
第23図において、静止ハウジング98はバルブボデー99の非回転部分に装着されていて、部品100、101によって該当するセパレート内部ギャラリに相互接続され、ローテーティングピストングループ102と連通し、それによって高圧およびリターンオイルがシリンダチャンバ103(a)、103(b)内部に正しい時点に送り込み、ピストン104(a)、104(b)を伸張し、ローラ105(a)、105(b)がカムトラックの適切な位置で当接するように噛合い、ピストン104(a)、104(b)の直線スラストを回転運動に接続しおよび/または傘歯車5に対する環状ピニオンキャリヤ13の回転速度を制御するために拘束ユニットとして作用させる。これは直線状および放射状に分離している、対応するシリンダチャンバ103(a)、103(b)と連通している直線ギャラリを含み、ギャラリ95、96によって達成され、他のシリンダは半径方向に配置されローテーティングピストングループ内に均一に配置され、この部分の断面図は第25図に示す。
【0134】
内部に配置された遊星傘ピニオン歯車7を回転可能に担持する環状ピニオンキャリヤ13に直接装着されているローテーティングピストングループ102の作用によって、出力速度の変化とトルク力を引き起こし、これはローテーティングピストングループ102によって拘束され、既述したように油圧差動方法でカムトラック93に対して作用し合う。
【0135】
第23図において、油圧差動速度制御はアキシャルピストンローラ105(a)、105(b)によって、最大効率と最大トルク適用のためにパワートランスミッションパワートレインアセンブリ106の外周でカムトラック93に対して作用し合う。
【0136】
ダイナミック油圧差動パワー制御は環状ピニオンキャリヤ13の片側に位置していて、パワートランスミッションユニット10とコンパクトに統合され一体アセンブリに形成される。
【0137】
第23図は、記述したすべての適用のために特に車両、トラックおよびトラクタに差動装置を直接換装するために適したコンパクト高トルクで効率的な形状で、後進からオーバドライブまでを無限小に可変できる無段トランスミッションと一方また差動エネルギーを両アクスル18、19に提供することの両方の作用をする本発明を示す。一つの実施例(図示していない)において、差動装置9は限定されたスリップまたは制御可能の差動ロックアセンブリを組み込んだものにすることもできる。本発明は第23図で説明したように、第26図に示すように4輪駆動車またはトラクタのユニバーサルおよびプロペラシャフトをフロントおよびリヤ差動装置とアクスルアセンブリに接続されていてハーフアクスル18、19付きの4輪駆動トラクタのミッドポイントに有利なように位置させることもできる。
【0138】
第24図は、ピニオン107および傘歯車108を通して傘歯車5に伝達されまた歯車およびスプロケット42を介して歯車またはスプロケット20に伝達されこれは次に曲がり軸可変吐出ポンプ69に装着され、これは次にポート60と61を介して油圧作動油を供給および受け取り、第23図に説明したように一体化差動反作用油圧/機械式パワートランスミッション106内のポート100、101と適切に接続されているポート60と61に適切に接続され、プライマリ機械式駆動ラインを備えた第23図で説明した本発明の実施例である。第24図で説明したように本発明はトランスミッションおよび差動装置の換装に特に適したものであり、車両および特にトラックおよびトラクタの差動装置の標準位置に位置していて、内蔵されていてA点で入力する高速テイルシャフトのみを必要とし、A点はピニオン107に接続され、他の外部入力は第17図で説明したようにモータエナージャイズドリードスクリュウ66上の第14図で説明したマイクロプロセッシング制御ユニット45からの入力による制御装置である。
【0139】
既述したすべての差動油圧/機械式パワー制御ユニットについてはすべての図面において本発明との関連で説明したように、反作用力の逆転を受けるであろう、そして適切な箇所で、キャビテーションを防止するために油圧回路の低圧側に油圧作動油を引き込み可能なチェック弁が装着されるであろう。エネルギーの逆転が起きると、回路の両側のチェック弁は、回路の交互に低圧になる側に低圧油圧作動油を供給するために、圧力レリーフ弁および/または充填ポンプと一体化することもできる。
【0140】
第25図は第23図で既述したように機能する。第25図においてカムトラック93の扇形部分には、端面から見て、ローテーティングピストングループ102、シリンダチャンバ103(a)、103(b)、103(c)、ピストン104(a)、104(b)、104(c)、ローラ105(a)、105(b)、105(c)が示してある。カムトラック93には対向する波形形状のトラックがあり、これは対称になっていてこのためバランスが得られる。ピストン104(a)、104(b)、104(c)および他のピストンは半径方向に配置され、回転のバランスを維持するように作動される。ラジアルピストンローテーティンググループ102のシリンダおよびピストンの半径方向配置によって、カムトラック93の波形形状に対応するように位置し、一方でピストン104(c)とローラ105(c)はカムトラック93の波方形状にまたは波方形状からのいずれかでエネルギーの伝送の位置に入り、ローラ105(b)とピストン104(b)はサイクルを完了し、シリンダチャンバ103(b)は最大吐出である。この作用はアセンブリの完全な円周の周りに複数のピストンと波形形状の上に段階的な方法で均一に占めるようにして、回転からオイルロッドの往復運動にスムースに移行し、第24図に示す曲がり軸可変吐出アキシャルピストンポンプ69によって連続的に移送され制御される。
【0141】
第26図は第17図で説明したように本発明106の一つの実施例についての4輪駆動トラクタの図解切断図を示し、これは好適には、フロントおよびリヤアクスル108と109に差動パワーを提供するために好都合なように装着されている。
【0142】
第27図は、第23および24図で説明したように、本発明111の一つの実施例についてメイントランスミッション/ギヤボックスおよびプライマリ駆動差動装置を換装するタンデムドライブアセンブリ110の図解切断図を示す。
【0143】
直列設置エンジンからの機械的プログラムシャフトはパワーを提供し、109で接続され、エンジン機械的入力パワーが矢印112の方向である。トランスミッションアセンブリとともに取り付けられた差動装置デファレンシャル・ハウジングは矢印113で表示され、トランスミッション・デファレンシャル・フルアクスルは114と115で接続され、所定の位置にあれば両アクスル116、117にパワー出力を提供したであろう。一体組込みパワーユニット111は第27図で説明されるようにタンデムおよび/または単一アクスル機械として使用することができるということが理解されるであろう。
【0144】
第28図は本発明の実施例を示し、第9図で説明されるようにアウターメイントランスミッション11には、遊星傘ピニオン歯車7を回転可能に担持する外部に配置した環状ピニオンキャリヤ13を備えたアウターメイントランスミッション11の片側に装着された差動装置歯車アセンブリ9を有することもできる。この手段によって非常に高トルクパワーのトランスミッションユニット10を第1軸A−Aの周りを回転するように同軸に配置した第1傘歯車5と遊星アセンブリ12を含むメイントランスミッション11の最大直径を受け入れできる外径に減少して備えることができる。遊星歯車アセンブリ12は内部に装着され、内部環状ピニオンキャリヤ13上に担持されている。スピンドル4は放射状に出ていて、中空環状ピニオンキャリヤ13に固定されている。スピンドル4は傘ピニオン歯車7を担持し、傘ピニオン歯車7は軸受8によってスピンドル4の周りを自由に回転する。スピンドル4の外側端部には歯車またはスプロケット43が取り付けられる。トランスミッションユニット10の機能は第8、9図で説明されていて、Aとして第28図で示すプライマリ駆動ライン、Bとして示すセカンダリ可変駆動ライン43を備え、およびCとして示す第2傘歯車6を介するパワー出力は次にDで差動キャリヤ20に直接固定される。
【0145】
これによって、メイントランスミッション11の第2傘歯車6を介する出力駆動はメイントランスミッション11の片側に伝達され片側に装着されている大きな直径の差動歯車アセンブリ9に伝達され、傘歯車5、6と等しい直径にすることができ、非常に高トルクパワーの標準デファレンシャル・トランスミッションを受入れできる。
【0146】
標準差動装置(デファレンシャル)機能はパワーをサイド歯車17を介してアクスル19にサイド歯車16を介して中空傘歯車6、キャリヤアセンブリ118および傘歯車5を通してアクスル18によってパワーが供給する。
【0147】
差動装置は左または右に配置することができ、原則的には第9、12、13、14、15、16、17、23、24、26図に示し説明したように各種の実施例に組み込むこともできることが理解されるであろう。第28図に説明した本発明は、特に第24および27図で説明した実施例の応用に適していて、特に標準デファレンシャルの直接換装のために適し、第27図に示すようにトラクタ、トラックおよび高負荷荷重車両のような極端に高トルク応用に使用するとき、それによってギヤボックスとデファレンシャルの機能の両方を狭い半径方向スペース内にグランドクリアランスのために直径の減少を受け入れている。第28図で説明したように同じ技術を使用するためのスケールの問題だけであり、一体組込み先進パワートレインとしてすべての形式の車両、トラックおよびトラクタにデファレンシャルと同様の無段変速切替えを提供するメインパワートランスミッションユニットおよびサイド搭載デファレンシャルを備えた油圧制御油圧/機械式差動パワー制御ユニットの既述した実施例を組合せるということが理解できるであろう。
【0148】
さて本発明について好適実施例を特に参照して説明してきたが、本発明は種々の変更および改修について、先行する明細書に記載する事項から特に異なるものでも具現することを受け入れ可能である。これらの変更および改訂は本発明の範囲を逸脱しない限り可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一回転入力からの可変相対回転速度を有する二つの回転出力を備えた動力分割装置において、該装置は、回転軸の回りを回転駆動され第1回転出力を有する第1回転エレメントと、該回転軸の回りを回転可能で第2回転出力を有する第2回転エレメントと、該第1回転エレメントと接続する第1流体チャンバと、該第1回転エレメントの回転に応じて該第1チャンバの容積を変えるための第1レギュレータと、該第2回転エレメントと接続する第2流体チャンバと、該第2回転エレメントの回転に応じて該第2チャンバの容積を変えるための第2レギュレータと、該第1および第2回転エレメントの回転中に第1および第2チャンバの間の閉じた流体流れの伝達を確立するために該第1回転エレメントの回転に応じて回転可能なコミュテータとを含み、該第1回転エレメントの回転に応じた該第2回転エレメントの回転速度は、該第1および第2チャンバ内の流体の容積変化それぞれによって決められる、動力分割装置。
【請求項2】
該第1または第2レギュレータの一つが該第2回転エレメントの回転速度を調整するために選択的に調整可能である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
該第1および第2レギュレータの中の少なくとも一つが、チャンバの対応する容積を変えるために該第1流体チャンバまたは該第2流体チャンバ内で可動できるピストンを含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
該第1回転エレメントに接続する第3流体チャンバと、該第3チャンバの容積を該第1回転エレメントの回転に応じて変える第3レギュレータと、該第2回転エレメントに接続する第4流体チャンバと、該第2回転エレメントの回転に応じて該第4チャンバの容積を変える第4レギュレータと、およびその際、該第1および第3チャンバの組と該第2および第4チャンバの間の閉じた流体流れの伝達を選択的に確立する該コミュテータとをさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項5】
該第1および第3チャンバが該回転軸を横切って半径方向に向い合っていて、また該第2および第4チャンバが該回転軸を横切って半径方向に向い合っている請求項4に記載の装置。
【請求項6】
該ピストンが該回転軸に対して平行な方向に可動でき、さらに該ピストンを操作する第1および第2スワッシュプレートを含む請求項3に記載の装置。
【請求項7】
該スワッシュプレートの少なくとも一つが該第1または第2チャンバの対応する一つの容積の変化を制御するために選択的に調整可能である請求項6に記載の装置。
【請求項8】
該コミュテータが該回転軸を円周方向に取り巻いている一つまたはそれ以上の開口を含む請求項1に記載の装置。
【請求項9】
該開口がC形状である請求項8に記載の装置。
【請求項10】
該第1回転エレメントが該第2回転エレメントを少なくとも部分的に取り巻く中空円筒ハウジングを含む請求項1に記載の装置。
【請求項11】
該第1流体チャンバ、該コミュテータおよび該第2流体チャンバが該ハウジングの内部に収まっている請求項10に記載の装置。
【請求項12】
該第1流体チャンバが回転しないように固定され、該コミュテータが該ハウジングとともに回転し、および該第2流体チャンバが該第2回転エレメントとともに回転する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
該第1および第2チャンバの容積の変化のそれぞれが、該第1および第2回転エレメントが互いに結合して回転するために調整できる請求項1に記載の装置。
【請求項14】
該第1および第2チャンバの容積の変化のそれぞれが、該第1回転エレメントの回転速度の半分で該第2回転エレメントが回転するように調整できる請求項1に記載の装置。
【請求項15】
該流体チャンバがオイルで充填されている請求項1に記載の装置。
【請求項16】
該第1および第2チャンバは、該第1および第2チャンバの容積を変えるために該第1および第2チャンバ内で可動のピストンを含む請求項1に記載の装置。
【請求項17】
該第1流体チャンバに圧力流体を供給するべく該第1回転エレメントの回転によって駆動される可変吐出流体ポンプをさらに備えている請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
該可変吐出流体ポンプは、曲がり軸ポンプである請求項17に記載の装置。
【請求項19】
該ピストンは、該第1回転エレメントのカムトラック面によって作用させられる請求項3に記載の装置。
【請求項20】
動力分割装置、アウターメイントランスミッションおよびインナー差動歯車アセンブリを含み、動力分割装置は可変相対回転速度を有する二つの回転出力を備え、
該装置は、パワーユニットによって回転軸の回りを駆動され第1回転出力を有する第1回転エレメントと、該回転軸の回りを回転可能で第2回転出力を有する第2回転エレメントと、該第1回転エレメントと接続する第1流体チャンバと、該第1回転エレメントの回転に応じて該第1チャンバ内の流体圧力を変えるための第1レギュレータと、該第2回転エレメントと接続する第2流体チャンバと、該第2回転エレメントの回転に応じて該第2チャンバ内の流体圧力を変えるための第2レギュレータと、第1および第2回転エレメントの回転中に第1および第2チャンバの間の閉じた流体流れの伝達を確立するために該第1回転エレメントの回転に応じて回転可能なコミュテータとを含み、該第1回転エレメントの回転に応じて該第2回転エレメントの回転速度は、該第1および第2チャンバ内の流体圧力変化それぞれによって決められる、パワートランスミッションユニットにおいて、
メイントランスミッションは該動力分割装置の第1回転出力と第2回転出力によってそれぞれ駆動される二つの回転入力手段を有し、二つの入力手段は回転出力手段に回転可能に接続され、それによって出力手段の回転速度が二つの入力手段の回転速度の代数平均に比例して変化し、
差動歯車アセンブリはメイントランスミッションの内部に配置されていて、二つの差動回転出力手段に作動可能に接続された回転入力手段を有し、その際、メイントランスミッションの出力手段と差動歯車アセンブリの入力手段は作動可能に接続されている、パワートランスミッションユニット。
【請求項21】
該第1流体チャンバが回転しないように固定され、該コミュテータが該ハウジングとともに回転し、および該第2流体チャンバが該第2回転エレメントとともに回転する請求項20に記載のパワートランスミッションユニット。
【請求項22】
単一パワーユニットと、
動力分割装置と、アウターメイントランスミッションと、インナー差動歯車アセンブリを含むパワートランスミッションユニットとを含む、設定された作動範囲にわたって連続的に制御できる車両パワートレインにおいて、
前記動力分割装置は、可変相対回転速度を有する二つの回転出力を提供し、前記動力分割装置は、該パワーユニットによって回転軸の回りを駆動され第1回転出力を有する第1回転エレメントと、該回転軸の回りを回転可能で第2回転出力を有する第2回転エレメントと、該第1回転エレメントと接続する第1流体チャンバと、該第1回転エレメントの回転に応じて該第1チャンバ内の流体圧力を変えるための第1レギュレータと、該第2回転エレメントと接続する第2流体チャンバと、該第2回転エレメントの回転に応じて該第2チャンバ内の流体圧力を変えるための第2レギュレータと、第1および第2回転エレメントの回転中に第1および第2チャンバの間の閉じた流体流れの伝達を確立するために、該第1回転エレメントの回転に応じて回転可能なコミュテータとを含み、該第1回転エレメントの回転に応じた該第2回転エレメントの回転速度は、該第1および第2チャンバ内の流体圧力変化それぞれによって決められ、
該メイントランスミッションは、該動力分割装置の第1回転出力と第2回転出力によってそれぞれ対応して駆動される二つの回転入力手段を有し、二つの入力手段が回転出力手段に作動可能に接続されていて、その結果、出力手段の回転速度が二つの入力手段の回転速度の代数平均に比例して変化し、
該差動歯車アセンブリは、メイントランスミッションの内部に配置されていて、二つの異なる回転出力手段に作動可能に接続されている回転入力手段を有し、その際、メイントランスミッションの出力手段と差動歯車アセンブリの入力手段が作動可能に接続されている、車両パワートレイン。
【請求項23】
該第1流体チャンバが回転しないように固定され、該コミュテータが該ハウジングとともに回転し、および該第2流体チャンバが該第2回転エレメントとともに回転する請求項22に記載の車両パワートレイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図26A】
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【図27】
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【図27A】
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【公開番号】特開2010−101497(P2010−101497A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294941(P2009−294941)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【分割の表示】特願2000−551178(P2000−551178)の分割
【原出願日】平成11年5月27日(1999.5.27)
【出願人】(501002699)
【Fターム(参考)】