説明

車両接近報知装置および安全杖

【課題】視覚障害者が周辺車両の接近を容易に認識できる装置を安価に提供する。
【解決手段】周辺車両の接近を検出するための電波を定期送信する車々間通信装置2を搭載した車両から送信される電波を受信する受信回路を有し、受信回路により受信された電波から車々間通信装置を搭載した車両2との距離が基準値以下であるか否かを判定し、車々間通信装置を搭載した車両2との距離が基準値以下であると判定された場合、車両2の接近を振動および/または音響でユーザに報知する車両接近報知装置1を安全杖1aに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の接近をユーザに報知する車両接近報知装置および安全杖に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、杖本体に、人センサと、杖本体の位置を検出するGPS受信機と、無線装置とを内蔵し、人センサにより人が検知されたことを条件に、無線装置を介してGPS受信機により検出された位置情報をセンタ等へ通報する位置通報機能を備えた杖が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、交通安全ヘルメットを着用して自動二輪車や原動機付き自転車などを運転する聴覚障害者の安全を確保するため、交通安全ヘルメットに、緊急自動車から送出される電波を受信する受信部と、この受信部により電波が受信されると発光する表示部を設け、交通安全ヘルメットを着用した聴覚障害者等が表示部を視認して緊急自動車の接近を感知できるようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−14990号公報
【特許文献2】特開2002−13019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電気自動車やハイブリッド車両等においては、エンジン音を発生させることなくモータを動力源として走行することが可能であるため走行音が極めて小さく、車両周辺の歩行者が車両の接近に気付きにくいという問題がある。特に、視覚障害者は車両の接近を視認するのが困難なため、視覚障害者の安全を確保するためにも、車両の接近を振動や音等で報知するシステムが必要となっている。
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載された杖は、GPS受信機により検出された位置情報をセンタ等へ通報するものであり、視覚障害者に周辺車両の接近を報知するといったことはできない。
【0007】
また、特許文献2に記載された装置についても、安全ヘルメットを着用した聴覚障害者等が、緊急自動車の接近を認識することは可能であるが、視覚障害者等が緊急自動車の接近を認識できるようにするといったことはできない。
【0008】
また、特許文献2に記載された装置は、緊急自動車の接近を知らせるための電波を送信する専用の送信機を緊急自動車に搭載しておき、交通安全ヘルメットを着用した聴覚障害者等に、緊急自動車の接近を知らせるものであり、緊急自動車以外の一般車両の接近を使用者に知らせることはできない。そこで、緊急自動車に搭載した専用の送信機を一般車両にも搭載するようにして、聴覚障害者等に緊急自動車の接近を知らせることも技術的には可能であるが、高価なシステムとなってしまうため現実的でない。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みたもので、視覚障害者が周辺車両の接近を容易に認識できる装置を安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、周辺車両の接近を検出するための電波を定期送信する車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波を受信する受信回路と、受信回路により受信された電波から車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、距離判定手段により車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であると判定された場合、車両の接近を振動および/または音響でユーザに報知する報知手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、周辺車両の接近を検出するための電波を定期送信する車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波を受信し、受信した電波から車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定し、車両との距離が基準値以下であると判定された場合、車両の接近が振動および/または音響でユーザに報知されるので、視覚障害者が周辺車両の接近を容易に認識できる装置を安価に提供することができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、報知手段は、バイブレータを振動させて車両が接近したことをユーザに報知することを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、バイブレータを振動させて車両が接近したことをユーザに報知するので、ユーザは車両が接近したことを振動により認識することができる。また、騒音の大きな場所であっても、ユーザは車両が接近したことを認識することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、報知手段は、距離判定手段により判定された車両との距離が短くなるほど、振動の大きさが大きくなるようにユーザに報知することを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、車両との距離が短くなるほど、振動の大きさが大きくなるようにユーザに報知するので、ユーザは振動の大きさから車両との距離が短くなっているのか否かを認識することが可能である。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、報知手段は、スピーカより警告音を発出させて車両が接近したことをユーザに報知することを特徴としている。
【0017】
このような構成によれば、スピーカより警告音を発出させて車両が接近したことをユーザに報知するので、ユーザは車両が接近したことを聴覚的に認識することができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、報知手段は、距離判定手段により判定された車両との距離が短くなるほど、警告音の音量が大きくなるようにユーザに報知することを特徴としている。
【0019】
このような構成によれば、車両との距離が短くなるほど、警告音の音量が大きくなるようにユーザに報知するので、ユーザは警告音の大きさから車両との距離が短くなっているのか否かを認識することが可能である。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波には、当該車々間通信装置の位置を特定するための車々間通信装置位置情報が含まれており、現在位置を特定するための現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、受信回路より出力される受信信号から受信情報を抽出する受信情報処理回路と、を備え、距離判定手段は、受信情報処理回路により抽出された受信情報に含まれる車々間通信装置位置情報および現在位置情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離を算出し、当該車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、受信情報に含まれる車々間通信装置位置情報および現在位置情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離を算出し、当該車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定するので、精度良く周辺車両との距離を判定することが可能である。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、受信回路は、車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波の電界強度に応じた受信信号強度情報を出力するようになっており、距離判定手段は、受信信号強度情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することを特徴としている。
【0023】
このような構成によれば、受信回路から出力される受信信号強度情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することができるので、受信回路より出力される受信信号から受信情報を抽出する受信情報処理回路を備えることなく、簡易な構成で車々間通信装置を搭載した車両との距離を判定することができる。
【0024】
また、請求項8に記載の発明は、受信回路より出力される受信信号から予め規定されたプリアンブル信号を検出するプリアンブル検出回路を備え、距離判定手段は、プリアンブル検出回路によりプリアンブル信号が検出されたことを判定した場合、受信信号強度情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することを特徴としている。
【0025】
このような構成によれば、プリアンブル検出回路によりプリアンブル信号が検出されたことを判定した場合、受信信号強度情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定するので、車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波に対する雑音による誤検出を防止することができる。
【0026】
また、請求項9に記載の発明は、受信回路より出力される受信信号のパケット長に基づいて受信回路より出力される受信信号が車々間通信装置を搭載した車両からの送信データであるか否かを判定する送信データ判定手段を備え、報知手段は、送信データ判定手段により受信回路より出力される受信信号が車々間通信装置を搭載した車両からの送信データであると判定され、かつ、距離判定手段により車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であると判定された場合、車両の接近をユーザに報知することを特徴としている。
【0027】
このような構成によれば、受信回路より出力される受信信号のパケット長に基づいて受信回路より出力される受信信号が車々間通信装置を搭載した車両からの送信データであると判定され、かつ、距離判定手段により車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であると判定された場合、車両の接近をユーザに報知するので、車々間通信装置を搭載した車両からの送信データ以外のデータに基づいて誤って距離判定が行われてしまうことを防止することができる。
【0028】
また、請求項10に記載の発明は、受信情報処理回路により抽出された受信情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波の送信電力を特定する送信電力特定手段を備え、距離判定手段は、送信電力特定手段により特定された送信電力が低いほど基準値が低くなるようにして車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することを特徴としている。
【0029】
このような構成によれば、距離判定手段は、送信電力特定手段により特定された送信電力が低いほど基準値が低くなるようにして車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定するので、車両により、車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波の送信電力が異なるような場合でも、車々間通信装置を搭載した車両との距離が同一距離以下になったときに車両の接近をユーザに報知するようにすることが可能である。
【0030】
また、請求項11に記載の発明は、使用者の歩行を助ける安全杖であって、請求項1ないし10のいずれか1つに記載された車両接近報知装置を備えたことを特徴としている。
【0031】
このように、請求項1ないし10のいずれか1つに記載された車両接近報知装置を備えた安全杖として捉えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両接近報知装置の構成を示す図である。
【図2】車両接近報知装置、車両に搭載された車々間通信装置および路側機の関係を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る車両接近報知装置のブロック構成を示す図である。
【図4】車々間通信装置のブロック構成を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車両接近報知装置における制御部のフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両接近報知装置のブロック構成を示す図である。
【図7】車々間通信装置からの距離と、車々間通信装置から送信される電波の受信信号強度の関係を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る車両接近報知装置における制御部のフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態に係る車両接近報知装置のブロック構成を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る車両接近報知装置における制御部のフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係る車両接近報知装置のブロック構成を示す図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る車両接近報知装置における制御部のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る車両接近報知装置の構成を図1に示す。(a)は、車両接近報知装置の外観図、(b)は、(a)中のA部概略断面を示す図である。本車両接近報知装置1は、図1(a)に示す視覚障害者の歩行を助ける白色の安全杖1aに内蔵されている。車両接近報知装置1は、車々間通信用アンテナ10、通信装置11、GPSアンテナ12、電池13、バイブレータ14およびスピーカ15を備えている。
【0034】
本車両接近報知装置1は、図2に示すように、車両に搭載された車々間通信装置2から送信される電波を受信して、車両の接近を使用者に報知する。車両の接近を判定するためには、車両から定期的に送信される電波を受信する必要がある。インフラ協調システムに用いられる車々間通信装置2は、他の車両に搭載された車々間通信装置2、あるいは、路側等に設置された路側機3と、定期的にデータの送受信を行うようになっている。本車両接近報知装置1は、このようなインフラ協調システムに用いられる車々間通信装置2から定期的に送信される電波を利用して、車両の接近を振動および警告音で使用者に報知する。
【0035】
車々間通信装置2および路側機3は、それぞれ、予め定められた通信プロトコルに従って、定期的(例えば、100ミリ秒)毎に各種情報を送信する。
【0036】
車々間通信装置2は、定期的に、位置情報(緯度経度情報)、自車走行速度、走行方向、車両状況情報、走行履歴等の車両情報をパケット送信する。車々間通信装置2から送信される車両情報は一般的に100バイト程度、パケット長は0.3ミリ秒程度となっている。
【0037】
一方、路側機3は、定期的に、周辺交通状況、危険情報、信号機情報等の路側機情報をパケット送信する。路側機3から送信される情報は、1000バイト以上でパケット長が3〜20ミリ秒程度となっている。
【0038】
車々間通信装置2は、他車に搭載された車々間通信装置2から送信される車両情報と自車の状態から危険認知を行うとともに、路側機3から送信される路側機情報から危険認知を行い、運転支援ECU等に危険を回避するための指示等を送信する。
【0039】
図3に、車両接近報知装置1のブロック構成を示す。車両接近報知装置1は、車々間通信用アンテナ10、通信装置11、GPSアンテナ12、電池13、スピーカ15およびバイブレータ14を備えている。
【0040】
車々間通信用アンテナ10は、車々間通信装置2から送信される電波を受信するためのアンテナである。
【0041】
通信装置11は、車々間通信用無線回路11a、受信情報処理回路11b、制御部11cおよびGPS受信回路11dを備えている。
【0042】
車々間通信用無線回路11aは、車々間通信用アンテナ10により受信された電波の電界受信強度に応じた信号を出力する電界受信強度検出回路(図示せず)を有しており、制御部11cからの制御信号に応じて車々間通信用アンテナ10により受信された電波の電界受信強度に応じた信号を受信情報処理回路11bへ出力する。
【0043】
受信情報処理回路11bは、車々間通信用無線回路11aより出力される受信信号を復号して受信情報を抽出する回路である。
【0044】
制御部11cは、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0045】
GPS受信回路11dは、GPSアンテナ12を介して入力される受信信号に対する復調等の処理を行い、制御部11cからの制御信号に応じて受信信号に含まれる現在位置情報(緯度経度情報)、時刻情報等を出力する。
【0046】
電池13は、車両接近報知装置1の各部へ電力を供給するためのものである。バイブレータ14は、振動を発生させるモータ(図示せず)を有し、制御部11cより入力される信号に応じてモータを回転させることにより振動を発生させる。スピーカ15は、制御部11cより入力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0047】
図4に、車々間通信装置2のブロック構成を示す。車々間通信装置2は、アンテナ20、車載通信機21および表示部22を備えている。
【0048】
アンテナ20は、図2に示した車両に搭載された車々間通信装置2および路側機3と無線電波を送受信するためのアンテナである。
【0049】
車載通信機21は、無線回路21a、受信情報処理回路21b、送信情報処理回路21c、制御部21d、送信許可情報記憶部21e、時計回路21f、表示制御部21g、車両LANインタフェース(図中、インタフェースをI/Fと記す)21hを備えている。
【0050】
無線回路21aは、アンテナ20により受信された受信信号を増幅、検波して受信回路処理回路21bへ出力するとともに、送信情報処理回路21cより入力される送信信号に応じた信号を高周波信号に変換してアンテナ20より無線送信させる。
【0051】
受信情報処理回路21bは、無線回路21aより入力される受信信号を復調してデータを抽出する。
【0052】
送信情報処理回路21cは、制御装置13から入力されたデータに対して変調、周波数変換、増幅等を施し、その結果の信号をアンテナ20へ出力する。
【0053】
送信許可情報記憶部21eは、送信が許可された情報を記憶するためのものである。送信許可情報記憶部21eは、EEPROMによって構成されている。
【0054】
時計回路21fは、時間を計測するための回路である。時計回路21fは、クロック信号に同期して動作するカウンタを有し、このカウンタの出力を制御部21dへ出力する。
【0055】
表示制御部21gは、制御部21dよる入力される信号に基づいて表示部22のディスプレイに表示させる画像を生成し、生成した画像を表示部22へ出力する。
【0056】
車両LANインタフェース21hは、車両LANに接続された各機器とデータの送受信を行う。
【0057】
車両LANには、運転支援ECU4a、ナビゲーションECU4b、各種センサ4c等が接続されている。各種センサ4cには、車速センサ、ジャイロスコープ、地磁気センサ等が含まれる。
【0058】
制御部21dは、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。制御部21dの処理としては、ナビゲーションECU4bから現在位置を特定するための情報を取得して現在位置情報(車々間通信装置位置情報に相当する)を特定する現在位置情報特定処理、アンテナ20を介して周辺車両の接近を検出するための電波を定期送信する処理、アンテナ20を介して周辺車両の車両または路側機3より送信される電波を受信して周辺車両の車両あるいは歩行者等の危険認知を行う危険認知処理、運転支援ECU等に危険を回避するための指示を送信する危険回避処理等がある。
【0059】
次に、本車両接近報知装置1の処理について説明する。図5に、本車両接近報知装置1における制御部11cのフローチャートを示す。運転者の操作に応じてイグニッションスイッチがオン状態になると、本車両接近報知装置1は動作状態となり、制御部11cは、図5に示す処理を実施する。
【0060】
まず、車々間通信信号を受信したか否かを判定する(S100)。車々間通信装置2を搭載した車両が近くに存在しない場合、車々間通信信号は受信されないため、S100の判定はNOとなり、S100の判定を繰り返し実施する。また、車々間通信装置2を搭載した車両が接近し、車々間通信用無線回路11aにより車々間通信信号が受信されると、次に、GPS信号を受信して現在位置を特定する(S102)。具体的には、GPS受信回路11dから現在位置情報(緯度経度情報)を取得して現在位置を特定する。
【0061】
次に、受信した車々間通信信号に含まれる車両情報を解析する(S104)。具体的には、車両情報に含まれる位置情報(緯度経度情報)と現在位置情報(緯度経度情報)から車両接近報知装置と車両との直線距離を算出する。また、前回算出した距離と今回算出した距離の差分から車々間通信装置2を搭載した車両が車両接近報知装置に近づいているか遠ざかっているかを判定する。また、車両の位置情報の推移から車両の走行方向を特定する。
【0062】
次に、使用者(障害者)にとって危険な車両があるか否かを判定する(S106)。具体的には、車々間通信装置2との距離が基準値以下である場合には、使用者(障害者)にとって危険な車両があると判定し、車々間通信装置との距離が基準値よりも長い場合には、使用者(障害者)にとって危険な車両がないと判定する。
【0063】
ここで、車々間通信装置2を搭載した車両との距離が基準値よりも長い場合、車両の接近の報知は行われない。そして、車両が接近し、車々間通信装置2との距離が基準値以下になると、S106の判定はYESとなり、車両の接近を使用者に報知する。具体的には、バイブレータ14を駆動して振動を発生させるとともに(S108)、スピーカ15を鳴動させて警告音を発生させる(S110)。
【0064】
なお、S108において、車々間通信装置2を搭載した車両との距離が短くなるほど、バイブレータ14の振動の大きさを大きくする。また、S110において、車々間通信装置2との距離が短くなるほど、スピーカ15から発出させる警告音を大きくする。
【0065】
したがって、更に、車両が近づくと、バイブレータ14の振動の大きさは徐々に大きくなり、スピーカ15から発出される警告音も徐々に大きくなる。
【0066】
また、車々間通信装置2を搭載した車両が遠ざかると、バイブレータ14の振動の大きさは徐々に小さくなり、スピーカ15から発出される警告音も徐々に小さくなる。
【0067】
そして、車々間通信装置2を搭載した車両との距離が基準値よりも長くなると、車両の接近の報知は行われなくなる。
【0068】
上記した構成によれば、周辺車両の接近を検出するための電波を定期送信する車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波を受信回路にて受信し、当該受信回路にて受信した電波から車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定し、車両との距離が基準値以下であると判定された場合、車両の接近が振動および/または音響でユーザに報知されるので、視覚障害者が周辺車両の接近を容易に認識できる装置を安価に提供することができる。
【0069】
また、バイブレータを振動させて車両が接近したことをユーザに報知するので、ユーザは車両が接近したことを振動により認識することができる。また、騒音の大きな場所であっても、ユーザは車両が接近したことを認識することができる。
【0070】
また、車両との距離が短くなるほど、振動の大きさが大きくなるようにユーザに報知するので、ユーザは振動の大きさから車両との距離が短くなっているのか否かを認識することが可能である。
【0071】
また、スピーカより警告音を発出させて車両が接近したことをユーザに報知するので、ユーザは車両が接近したことを聴覚的に認識することができる。
【0072】
また、車両との距離が短くなるほど、警告音の音量が大きくなるようにユーザに報知するので、ユーザは警告音の大きさから車両との距離が短くなっているのか否かを認識することが可能である。
【0073】
また、受信情報に含まれる車々間通信装置位置情報および現在位置情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離を算出し、当該車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定するので、互いの位置関係を特定して、精度良く周辺車両との距離を判定することが可能である。
【0074】
上記実施形態では、車両の走行速度と関係なく、使用者に車両の接近を報知するようにしたが、例えば、S106にて、車両情報に含まれる自車走行速度に基づいて車両の走行速度を段階的に判断し、車両が規定の速度以上で近づいていると判断した場合には、S108、110にて車両が規定の速度以上で近づいていることを報知するようにしてもよい。
【0075】
また、例えば、S104にて、安全杖1aの使用者の現在位置の推移から使用者の走行方向(東西南北)を特定するとともに、車両の位置情報(緯度経度情報)の推移から車両の走行方向(東西南北)を特定し、使用者から見てどの方向に車両が位置するかを報知するようにしてもよい。例えば、使用者の後方から車両か近づいているのか、使用者の前方から車両か近づいているのかを判定して報知するようにしてもよい。
【0076】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る車両接近報知装置のブロック構成を図6に示す。本車両接近報知装置1は、第1実施形態に係る車両接近報知装置と比較して、GPSアンテナ12、GPS受信回路11d、受信情報処理回路およびスピーカ15を備えていない点が異なる。以下、上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0077】
上記第1実施形態では、車々間通信装置2と車両接近報知装置1との位置情報から車々間通信装置2と車両接近報知装置1との距離を算出し、車々間通信装置2と車両接近報知装置1との距離が基準値以下か否かを判定するように構成したが、本実施形態では、車々間通信装置2から送信される電波の電界受信強度の大きさから、車々間通信装置2と車両接近報知装置1との距離が基準値以下か否かを判定する。
【0078】
本実施形態における車々間通信用無線回路11aは、車々間通信用アンテナ10により受信された電波の受信信号強度に応じた受信信号強度情報を出力する受信信号強度検出部(図示せず)を有し、この受信信号強度検出部から制御部11cへ受信信号強度情報が出力されるようになっている。
【0079】
図7に、車々間通信装置2からの距離と、車々間通信装置2から送信される電波の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)の関係を示す。図に示すように、車々間通信装置2からの距離が短いほど、受信信号強度の変化量が大きくなっている。本実施形態では、このような特性を利用して、受信信号強度を適切な閾値(例えば、車々間通信装置2の直近の受信信号強度を基準とし、閾値を−35dBmとする)で判定することにより、復号等の処理を行うための受信情報処理回路や、現在位置を特定するためのGPS受信回路やGPSアンテナ用を備えることなく、簡素な構成で車両の接近を判定する。
【0080】
図8に、本実施形態に係る車両接近報知装置1における制御部11cのフローチャートを示す。運転者の操作に応じてイグニッションスイッチがオン状態になると、本車両接近報知装置1は動作状態となり、制御部11cは、図8に示す処理を実施する。
【0081】
まず、車々間通信信号を受信したか否かを判定する(S100)。車々間通信装置2を搭載した車両が近くに存在しない場合、S100の判定はNOとなり、S100の判定を繰り返し実施する。また、車々間通信装置2を搭載した車両が接近し、車々間通信用無線回路11aより車々間通信信号が受信されると、次に、受信信号強度を解析する(S200)。具体的には、断続的にパケット送信される車両情報について、複数回分(例えば、3周期分)の車両情報の受信信号強度情報をRAMに記憶させる。
【0082】
次に、RAMに記憶させた複数回分の受信信号強度を平均化する(S202)。具体的には、RAMに記憶させた複数回分の受信信号強度情報を読み出して、複数回分の受信信号強度を加算し、その回数分で除算することにより受信信号強度を平均化する。このように、受信信号強度を平均化するのは、車々間通信装置2より送信される車両情報のパケット長が0.3ミリ秒程度と短く、誤ってノイズと認識されないようにするためである。
【0083】
次に、平均化した受信信号強度が一定以上の信号強度か否かを判定する(S204)。ここで、平均化した受信信号強度が一定以上の信号強度となっている場合、S204の判定はYESとなり、車両の接近を使用者に報知する。具体的には、バイブレータ14を駆動して振動を発生させる(S108)
また、平均化した受信信号強度が一定以上の信号強度となっていない場合、S204の判定はNOとなり、車両の接近を使用者に報知することなく、本処理を終了する。
【0084】
上記した構成によれば、受信回路から出力される受信信号強度情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することができるので、受信回路より出力される受信信号から受信情報を抽出する受信情報処理回路を備えることなく、簡易な構成で車々間通信装置を搭載した車両との距離を判定することができる。
【0085】
なお、この第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様に、車々間通信装置2を搭載した車両との距離が短くなるほど、バイブレータ14の振動の大きさを大きくしたり、車々間通信装置2を搭載した車両との距離が短くなるほど、バイブレータ14の振動の大きさを徐々に小さくしたりするようにしてもよい。
【0086】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る車両接近報知装置1のブロック構成を図9に示す。本車両接近報知装置1は、第2実施形態に係る車両接近報知装置と比較して、プリアンブル検出回路11eを備えた点が異なる。
【0087】
このプリアンブル検出回路11eは、パケットの先頭に配置された規定パターンの信号列(プリアンブル)を検出するための回路である。このプリアンブル検出回路11eは、車々間通信用無線回路11aよる入力されるプリアンブルと、予め設定されたデータとを比較して、プリアンブルが検出されたか否かを表す情報を制御部11cへ出力する。
【0088】
図10に、本実施形態に係る車両接近報知装置1における制御部11cのフローチャートを示す。運転者の操作に応じてイグニッションスイッチがオン状態になると、本車両接近報知装置1は動作状態となり、制御部11cは、図10に示す処理を実施する。
【0089】
まず、車々間通信信号を受信したか否かを判定し(S100)、車々間通信用無線回路11aより車々間通信信号が受信されると、次に、プリアンブルを検出できたか否かを判定する(S300)。具体的には、プリアンブル検出回路11eより入力されるプリアンブルが検出されたか否かを表す情報に基づいてプリアンブルを検出できたか否かを判定する。
【0090】
ここで、プリアンブルが検出されない場合、S300の判定はNOとなり、S100へ戻る。また、プリアンブルが検出された場合、S300の判定はYESとなり、受信信号強度を解析する(S200)。以下、図8に示した処理と同様であるため、説明を省略する。
【0091】
上記した構成によれば、受信回路から出力される受信信号強度情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することができるので、受信回路より出力される受信信号から受信情報を抽出する受信情報処理回路を備えることなく、簡易な構成で車々間通信装置を搭載した車両との距離を判定することができる。
【0092】
また、受信回路より出力される受信信号から予め規定されたプリアンブル信号を検出するプリアンブル検出回路によりプリアンブル信号が検出されたことを判定した場合、受信信号強度情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定するので、車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波に対する雑音による誤検出を防止することができる。
【0093】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る車両接近報知装置1のブロック構成を図11に示す。本車両接近報知装置1は、第1実施形態に係る車両接近報知装置と比較して、GPS受信回路11d、GPSアンテナ12、スピーカ14を備えていない点が異なる。
【0094】
図12に、本実施形態に係る車両接近報知装置1における制御部11cのフローチャートを示す。運転者の操作に応じてイグニッションスイッチがオン状態になると、本車両接近報知装置1は動作状態となり、制御部11cは、図12に示す処理を実施する。
【0095】
まず、車々間通信信号を受信したか否かを判定し(S100)、車々間通信用無線回路11aより車々間通信信号が受信されると、次に、受信信号強度を解析する(S200)。具体的には、断続的にパケット送信される車両情報について、複数回分(例えば、3周期分)の車両情報の受信信号強度情報をRAMに記憶させる。
【0096】
次に、平均化した受信信号強度が一定以上の信号強度か否かを判定する(S204)。
【0097】
ここで、平均化した受信信号強度が一定以上の信号強度となっている場合、S204の判定はYESとなり、次に、受信信号のパケット長を測定する(S400)。なお、車々間通信装置2から送信される車両情報のパケット長は、0.3ミリ秒程度、路側機3から送信される情報のパケット長は、3〜20ミリ秒程度となっている。
【0098】
次に、受信信号のパケット長が一定以上の長さか否かを判定する(S402)。具体的には、0.3ミリ秒と3ミリ秒の間に判定閾値が設けられており、車々間通信装置2から送信された受信信号はパケット長が一定以上の長さでないものと判定され、路側機3から送信された受信信号はパケット長が一定以上の長さであるものと判定されるようになっている。
【0099】
したがって、車々間通信装置2から送信された受信信号が受信された場合、S402の判定はNOとなり、車両の接近を使用者に報知する。具体的には、バイブレータ14を駆動して振動を発生させ(S108)、S100へ戻る。
【0100】
ここで、車々間通信装置2を搭載した車両との距離が短くなると、徐々にバイブレータ14の振動の大きさを大きくし、車々間通信装置2を搭載した車両が遠ざかると、徐々にバイブレータ14の振動の大きさを小さくする。
【0101】
そして、車々間通信装置2を搭載した車両との距離が基準値よりも長くなると、車両の接近の報知は行われなくなる。
【0102】
また、路側機3から送信された受信信号が受信された場合、S402の判定はYESとなり、ユーザへの報知は行われることなくS100へ戻る。
【0103】
上記した構成によれば、受信回路より出力される受信信号のパケット長に基づいて受信回路より出力される受信信号が車々間通信装置を搭載した車両からの送信データであると判定され、かつ、距離判定手段により車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であると判定された場合、車両の接近をユーザに報知するので、車々間通信装置を搭載した車両からの送信データ以外のデータ、例えば、路側機3から送信されるデータに基づいて誤って距離判定が行われてしまうことを防止することができる。
【0104】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0105】
例えば、上記実施形態では、本車両接近報知装置1を視覚障害者の歩行を助ける白色の安全杖1aに内蔵するように構成したが、白色以外の安全杖1aに内蔵または付加するように構成してもよい。また、本車両接近報知装置1を、杖と切り離して、携帯装置として構成してもよい。また、使用者は視覚障害者、視聴覚障害者等に限定されるものではない。
【0106】
また、上記各実施形態では、車両の接近を振動および警告音、あるいは振動のみで使用者に報知する例を示したが、警告音のみで使用者に報知するようにしてもよい。
【0107】
また、上記第2実施形態では、車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波の受信電界強度に応じた受信信号強度情報に基づいて車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定するように構成したが、例えば、受信回路より出力される受信信号から受信情報を抽出する受信情報処理回路を備え、この受信情報処理回路により抽出された受信情報に基づいて当該車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波の送信電力を特定し、当該送信電力電界強度が低いほど基準値が低くなるようにして車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定するようにしてもよい。このような構成によれば、車両により、車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波の送信電力が異なるような場合でも、車々間通信装置を搭載した車両との距離が同一距離以下になったときに車両の接近をユーザに報知するようにすることが可能である。すなわち、車両により、車々間通信装置を搭載した車両から送信される電波の送信電力が異なるような場合でも、同じ距離で報知することができるように報知タイミングを補正することが可能である。
【0108】
また、上記第1実施形態では、車両との距離が短くなるほど、警告音の音量が大きくなるようにユーザに報知するようにしたが、例えば、車両との距離が短くなるに伴って、車両との距離が短くなることを音声案内するようにしてもよい。
【0109】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、車々間通信用アンテナ10および車々間通信用受信回路11aが受信回路に相当し、S106、S204が距離判定手段に相当し、バイブレータ14、スピーカ15、S108、S110、S206が報知手段に相当し、S102が現在位置情報取得手段に相当し、S400、S402が送信データ判定手段に相当する。
【符号の説明】
【0110】
1 車両接近報知装置
1a 安全杖
2 車々間通信装置
10 車々間通信用アンテナ
11 通信装置
12 GPSアンテナ
13 電池
14 バイブレータ
15 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺車両の接近を検出するための電波を定期送信する車々間通信装置を搭載した車両から送信される前記電波を受信する受信回路と、
前記受信回路により受信された前記電波から前記車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定する距離判定手段と、
前記距離判定手段により前記車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であると判定された場合、前記車両の接近を振動および/または音響でユーザに報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする車両接近報知装置。
【請求項2】
前記報知手段は、バイブレータを振動させて前記車両が接近したことをユーザに報知することを特徴とする請求項1に記載の車両接近報知装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記距離判定手段により判定された前記車両との距離が短くなるほど、前記振動の大きさが大きくなるようにユーザに報知することを特徴とする請求項2に記載の車両接近報知装置。
【請求項4】
前記報知手段は、スピーカより警告音を発出させて前記車両が接近したことをユーザに報知することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両接近報知装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記距離判定手段により判定された前記車両との距離が短くなるほど、前記警告音の音量が大きくなるようにユーザに報知することを特徴とする請求項4に記載の車両接近報知装置。
【請求項6】
前記車々間通信装置を搭載した車両から送信される前記電波には、当該車々間通信装置の位置を特定するための車々間通信装置位置情報が含まれており、
現在位置を特定するための現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
前記受信回路より出力される受信信号から受信情報を抽出する受信情報処理回路と、を備え、
前記距離判定手段は、前記受信情報処理回路により抽出された前記受信情報に含まれる車々間通信装置位置情報および前記現在位置情報に基づいて前記車々間通信装置を搭載した車両との距離を算出し、当該車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両接近報知装置。
【請求項7】
前記受信回路は、前記車々間通信装置を搭載した車両から送信される前記電波の電界強度に応じた受信信号強度情報を出力するようになっており、
前記距離判定手段は、前記受信信号強度情報に基づいて前記車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両接近報知装置。
【請求項8】
前記受信回路より出力される受信信号から予め規定されたプリアンブル信号を検出するプリアンブル検出回路を備え、
前記距離判定手段は、前記プリアンブル検出回路により前記プリアンブル信号が検出されたことを判定した場合、前記受信信号強度情報に基づいて前記車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の車両接近報知装置。
【請求項9】
前記受信回路より出力される受信信号のパケット長に基づいて前記受信回路より出力される受信信号が前記車々間通信装置を搭載した車両からの送信データであるか否かを判定する送信データ判定手段を備え、
前記報知手段は、前記送信データ判定手段により前記受信回路より出力される受信信号が前記車々間通信装置を搭載した車両からの送信データであると判定され、かつ、前記距離判定手段により前記車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であると判定された場合、前記車両の接近をユーザに報知することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両接近報知装置。
【請求項10】
前記受信情報処理回路により抽出された受信情報に基づいて前記車々間通信装置を搭載した車両から送信される前記電波の送信電力を特定する送信電力特定手段を備え、
前記距離判定手段は、前記送信電力特定手段により特定された前記送信電力が低いほど前記基準値が低くなるようにして前記車々間通信装置を搭載した車両との距離が基準値以下であるか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の車両接近報知装置。
【請求項11】
使用者の歩行を助ける安全杖であって、
請求項1ないし10のいずれか1つに記載された車両接近報知装置を備えたことを特徴とする安全杖。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−48799(P2013−48799A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189216(P2011−189216)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】