説明

車両検知装置

【課題】本発明の目的は、機器費が節約される車両検知装置を提供することである。
【解決手段】本発明による車両検知装置(100、100’)は、発光器(11)と、車線(99)を挟んだ一方側に配置された光線分離器(12)と、前記車線を挟んだ他方側に配置された第1受光器(22又は23)と、前記他方側に配置された第2受光器(21)と、判定部(24)とを具備している。ここで、前記光線分離器は、前記発光器が出力する光線から第1光線(52又は53)と第2光線(51)とを分離する。前記第1受光器は前記第1光線を検出し、前記第2受光器は前記第2光線を検出する。前記判定部は、前記第1受光器による検出結果と、前記第2受光器による検出結果とに基づいて、前記車線を通行する車両を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的手段を用いて車両を検出する車両検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的手段を用いて車両を検出する車両検知装置が知られている。車両検知装置は、有料道路の料金所や有料駐車場等において車両の車種を判別するために利用されている。
【0003】
特許文献1は、発光器受光器対を車両の進行軸上離れた位置で2組使用することにより、それぞれの検知タイミング差及び期間から、車両の進入速度及び車両長を算出する車両検知装置を開示している。
【0004】
特許文献2は、車両の前輪の中心位置を検出するセンサと、車両の前端部及び後端部を検出する前端部検出装置及び後端部検出装置と、高さ測定装置と、幅測定装置と、最低地上高測定装置とを備え、それぞれの測定値から総合的に判断して車両の車種を判別する車種判別装置を開示している。
【特許文献1】特開平10−326399号公報
【特許文献2】特開平9−217514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、機器費が節約される車両検知装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、(発明を実施するための最良の形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための最良の形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0007】
本発明による車両検知装置(100、100’)は、発光器(11)と、車線(99)を挟んだ一方側に配置された光線分離器(12)と、前記車線を挟んだ他方側に配置された第1受光器(22又は23)と、前記他方側に配置された第2受光器(21)と、判定部(24)とを具備している。ここで、前記光線分離器は、前記発光器が出力する光線から第1光線と第2光線とを分離する。前記第1受光器は前記第1光線を検出し、前記第2受光器は前記第2光線を検出する。前記判定部は、前記第1受光器による検出結果と、前記第2受光器による検出結果とに基づいて、前記車線を通行する車両を検出する。
【0008】
さらに、本発明による車両検知装置(100、100’)は、前記第1光線を反射する第1反射板(31若しくは33、又は、32’若しくは33)を具備している。ここで、前記第1光線は、前記光線分離器と前記第1受光器とを結ぶ第1経路を通過する。そして、前記第1反射板は前記第1経路上に配置されている。
【0009】
さらに、本発明による車両検知装置(100、100’)は、前記第1経路上に配置され、前記第1反射板によって反射された前記第1光線を反射する第2反射板(32、34)を具備している。ここで、前記第1反射板は前記一方側に配置され、前記第2反射板は前記他方側に配置されている。
【0010】
さらに、本発明による車両検知装置(100)においては、前記光線分離器と前記第1反射板(31)は、前記車線に沿う方向に間隔を設けて配置されている。また、前記第2反射板(32)は前記車線を挟んで前記第1反射板と対向しており、前記第2受光器は前記車線を挟んで前記光線分離器と対向している。
【0011】
また、本発明による車両検知装置(100、100’)においては、前記光線分離器と前記第1反射板(33)は、上下方向に間隔を設けて配置されている。そして、前記第2反射板(34)は前記車線を挟んで前記第1反射板と対向しており、前記第2受光器は前記車線を挟んで前記光線分離器と対向している。
【0012】
さらに、本発明による車両検知装置(100、100’)においては、前記第1受光器(23)は前記第1光線が遮断されたことを示す第1光線遮断信号を出力し、前記第2受光器(21)は前記第2光線が遮断されたことを示す第2光線遮断信号を出力する。そして、前記判定部は、前記第1光線遮断信号と前記第2光線遮断信号とに基づいて、前記車両の高さを判定する。
【0013】
また、本発明による車両検知装置(100、100’)においては、前記判定部は、前記第1受光器(22)及び前記第2受光器(21)の検出タイミング差に基づいて前記車両の進行方向を判定する。
【0014】
また、本発明による車両検知装置(100、100’)は、前記他方側に配置された第3受光器(23又は22)を具備している。ここで、前記光線分離器は前記光線から第3光線を分離する。前記第3受光器は前記第3光線を検出する。前記判定部は前記第3受光器による検出結果に基づいて前記車両を検出する。
【0015】
さらに、本発明による車両検知装置(100、100’)においては、前記第1受光器(22又は23)は前記第1光線が遮断されたことを示す第1光線遮断信号を出力し、前記第2受光器(21)は前記第2光線が遮断されたことを示す第2光線遮断信号を出力し、前記第3受光器(23又は22)は前記第3光線が遮断されたことを示す第3光線遮断信号を出力する。そして、前記判定部は、前記第1光線遮断信号と、前記第2光線遮断信号と、前記第3光線遮断信号とに基づいて、前記車両の進行方向と前記車両の高さとを判定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機器費が節約される車両検知装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
添付図面を参照して、本発明による車両検知装置を実施するための最良の形態を以下に説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る車両検知装置100を図1に示す。図1(a)は車両検知装置100の平面図を示し、図1(b)は車両検知装置100の正面図を示し、図1(c)は車両検知装置100の側面図を示している。車両検知装置100は、発光部1、受光部2、反射板31〜34、及び支柱33a、34aを具備している。
【0019】
発光部1と受光部2は、車線99を挟んで対向している。発光部1から出力された基準光線51は、基準光線経路61を通過して受光部2に入射する。基準光線経路61は、発光部1と受光部2とを結ぶ経路である。基準光線経路61は、水平であり、車線99に沿う方向に垂直である。
【0020】
反射板31と反射板32は、車線99を挟んで対向している。反射板31は、車線99に対して発光部1と同じ側に設置されている。反射板31と発光部1とは、車線99に沿う方向に間隔を設けて設置されている。反射板32は、車線99に対して受光部2と同じ側に設置されている。反射板32と受光部2とは、車線99に沿う方向に間隔を設けて設置されている。発光部1から出力された進行方向判定用光線52は、進行方向判定用光線経路62を通過して受光部2に入射する。進行方向判定用光線経路62は、進行方向判定用光線経路第1部分62aと、進行方向判定用光線経路第2部分62bと、進行方向判定用光線経路第3部分62cとを有している。進行方向判定用光線経路第1部分62aは、発光部1と反射板31とを結ぶ経路である。進行方向判定用光線経路第2部分62bは、反射板31と反射板32とを結ぶ水平な経路であり、車線99に沿う方向に垂直である。進行方向判定用光線経路第3部分62cは、反射板32と受光部2とを結ぶ経路である。進行方向判定用光線52は、発光部1から出力され、進行方向判定用光線経路第1部分62aを通過し、反射板31によって反射され、進行方向判定用光線経路第2部分62bを通過し、反射板32によって反射され、進行方向判定用光線経路第3部分62cを通過し、受光部2に入射する。
【0021】
反射板33と反射板34は、車線99を挟んで対向している。反射板33は、発光部1の上方に設置されており、支柱33aによって支持されている。反射板34は、受光部2の上方に設置されており、支柱34aによって支持されている。したがって、反射板33は車線99に対して発光部1と同じ側に設置されており、反射板34は車線99に対して受光部2と同じ側に設置されている。発光部1から出力された車高判定用光線53は、車高判定用光線経路63を通過して受光部2に入射する。車高判定用光線経路63は、車高判定用光線経路第1部分63aと、車高判定用光線経路第2部分63bと、車高判定用光線経路第3部分63cとを有している。車高判定用光線経路第1部分63aは、発光部1と反射板33とを結ぶ経路である。車高判定用光線経路第2部分63bは、反射板33と反射板34とを結ぶ水平な経路であり、車線99に沿う方向に垂直である。車高判定用光線経路第3部分63cは、反射板34と受光部2とを結ぶ経路である。車高判定用光線53は、発光部1から出力され、車高判定用光線経路第1部分63aを通過し、反射板33によって反射され、車高判定用光線経路第2部分63bを通過し、反射板34によって反射され、車高判定用光線経路第3部分63cを通過し、受光部2に入射する。
【0022】
光線51〜53が赤外線光線である場合には、アルミニウム板、又は反射面にアルミニウム被膜を有する板を反射板31〜34として好適に用いることが可能である。
【0023】
基準光線経路61と進行方向判定用光線経路第2部分62bとは、車線99に沿う方向に距離L1だけ離れている。基準光線経路61と進行方向判定用光線経路第2部分62bとは、車線99から測った高さがともにH1である。車高判定用光線経路第2部分63bは、車線99から測った高さがH2である。
【0024】
車両検知装置100においては、反射板33を発光部1の下方に設置し、反射板34を受光部2の下方に設置することも可能である。
【0025】
矢印Aは、車線99上を通行する車両が発光部1と受光部2の間を先に通過して反射板31と反射板32の間を後に通過する場合の進行方向を表している。矢印Bは、車線99上を通行する車両が反射板31と反射板32の間を先に通過して発光部1と受光部2の間を後に通過する場合の進行方向を表している。
【0026】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る車両検知装置100’を図2に示す。図2(a)は車両検知装置100’の平面図を示し、図2(b)は車両検知装置100’の正面図を示し、図2(c)は車両検知装置100’の側面図を示している。車両検知装置100’は、発光部1、受光部2、反射板32’、33、34、支柱33a及び34aを具備している。
【0027】
発光部1と受光部2は、車線99を挟んで対向している。発光部1から出力された基準光線51は、基準光線経路61を通過して受光部2に入射する。基準光線経路61は、発光部1と受光部2とを結ぶ経路である。基準光線経路61は、水平であり、車線99に沿う方向に垂直である。
【0028】
反射板32’は、車線99に対して受光部2と同じ側に設置されている。反射板32’と受光部2とは、車線99に沿う方向に間隔を設けて設置されている。発光部1から出力された進行方向判定用光線52は、進行方向判定用光線経路62’を通過して受光部2に入射する。進行方向判定用光線経路62’は、進行方向判定用光線経路第1部分62a’と、進行方向判定用光線経路第2部分62b’とを有している。進行方向判定用光線経路第1部分62a’は、発光部1と反射板32’とを結ぶ水平な経路であり、車線99を斜めに横切っている。進行方向判定用光線経路第2部分62b’は、反射板32’と受光部2とを結ぶ経路である。進行方向判定用光線52は、発光部1から出力され、進行方向判定用光線経路第1部分62a’を通過し、反射板32’によって反射され、進行方向判定用光線経路第2部分62b’を通過し、受光部2に入射する。
【0029】
反射板33と反射板34は、車線99を挟んで対向している。反射板33は、発光部1の上方に設置されており、支柱33aによって支持されている。反射板34は、受光部2の上方に設置されており、支柱34aによって支持されている。したがって、反射板33は車線99に対して発光部1と同じ側に設置されており、反射板34は車線99に対して受光部2と同じ側に設置されている。発光部1から出力された車高判定用光線53は、車高判定用光線経路63を通過して受光部2に入射する。車高判定用光線経路63は、車高判定用光線経路第1部分63aと、車高判定用光線経路第2部分63bと、車高判定用光線経路第3部分63cとを有している。車高判定用光線経路第1部分63aは、発光部1と反射板33とを結ぶ経路である。車高判定用光線経路第2部分63bは、反射板33と反射板34とを結ぶ水平な経路であり、車線99に沿う方向に垂直である。車高判定用光線経路第3部分63cは、反射板34と受光部2とを結ぶ経路である。車高判定用光線53は、発光部1から出力され、車高判定用光線経路第1部分63aを通過し、反射板33によって反射され、車高判定用光線経路第2部分63bを通過し、反射板34によって反射され、車高判定用光線経路第3部分63cを通過し、受光部2に入射する。
【0030】
光線51〜53が赤外線光線である場合には、アルミニウム板、又は反射面にアルミニウム被膜を有する板を反射板31、32’、33、及び34として好適に用いることが可能である。
【0031】
基準光線経路61と進行方向判定用光線経路第1部分62a’は、車線99から測った高さがともにH1である。車高判定用光線経路第2部分63bは、車線99から測った高さがH2である。
【0032】
車両検知装置100’においては、反射板33を発光部1の下方に設置し、反射板34を受光部2の下方に設置することも可能である。
【0033】
矢印Aは、車線99上を通行する車両が発光部1と受光部2の間を先に通過して反射板32’の前を後に通過する場合の進行方向を表している。矢印Bは、車線99上を通行する車両が反射板32’の前を先に通過して発光部1と受光部2の間を後に通過する場合の進行方向を表している。
【0034】
(第1及び第2の実施形態に係る発光部及び受光部の内部構成)
発光部1の内部構成について図3を用いて説明する。発光部1は、発光器11と、プリズム12a及びプリズム12bを有する光線分離器12とを備えている。発光器11は、赤外線発光器のような光源であり、光線50を出力する。プリズム12aは、光線50から進行方向判定用光線52及び光線50’を分離する。プリズム12aによって分離された進行方向判定用光線52は進行方向判定用光線経路第1部分62a又は62a’を通過して反射板31又は32’に到達する。したがって、進行方向判定用光線経路第1部分62aは光線分離器12と反射板31とを結ぶ経路であり、進行方向判定用光線経路第1部分62a’は、光線分離器12と反射板32’とを結ぶ経路である。プリズム12bは、光線50’から基準光線51及び車高判定用光線53を分離する。プリズム12bによって分離された基準光線51は基準光線経路61を通過して後述する受光器21に到達する。したがって、基準光線経路61は、光線分離器12と受光器21とを結ぶ経路である。プリズム12bによって分離された車高判定用光線53は車高判定用光線経路第1部分63aを通過して反射板33に到達する。したがって、車高判定用光線経路第1部分63aは、光線分離器12と反射板33とを結ぶ経路である。ここで、光線分離器12は、光線50から光線51〜53をどのような順番で分離しても良く、光線50から光線51〜53を同時に分離しても良い。また、光線分離器12は、入射光の一部を反射して一部を透過する半透鏡をプリズム12a及び12bの代わりに有していても良い。
【0035】
受光部2の内部構成について図4を用いて説明する。受光部2は、受光器21〜23と、判定部24とを備えている。受光器21は、光線分離器12と車線99を挟んで対向しており、基準光線経路61を通過して受光器21に到達した基準光線51を検出し、基準光線51が遮断されたことを示す基準光線遮断信号71を出力する。受光器22は、進行方向判定用光線経路第3部分62c又は進行方向判定用光線経路第2部分62b’を通過して受光器22に到達した進行方向判定用光線52を検出し、進行方向判定用光線52が遮断されたことを示す進行方向判定用光線遮断信号72を出力する。進行方向判定用光線経路第3部分62cは、反射板32と受光器22とを結ぶ経路であり、進行方向判定用光線経路第2部分62b’は、反射板32’と受光器22とを結ぶ経路である。受光器23は、車高判定用光線経路第3部分63cを通過して受光器23に到達した車高判定用光線53を検出し、車高判定用光線53が遮断されたことを示す車高判定用光線遮断信号73を出力する。車高判定用光線経路第3部分63cは、反射板34と受光器23とを結ぶ経路である。判定部24は、基準光線遮断信号71と、進行方向判定用光線遮断信号72と、車高判定用光線遮断信号73とに基づいて車両を検出し、車両検出信号74を出力する。なお、判定部24は、受光部2とは別体的に設置されていても良い。
【0036】
(第1及び第2の実施形態に係る車両検知装置の動作)
車両検知装置100及び100’の動作について図5を用いて説明する。図5は、車両A、及び車両Bが車両検知装置100又は100’を通過したときに判定部24に入力される基準光線遮断信号71と、進行方向判定用光線遮断信号72と、車高判定用光線遮断信号73のタイミングチャートを示している。基準光線遮断信号71がONの状態は、基準光線51が遮断されたことを表す。同様に、進行方向判定用光線遮断信号72がONの状態は進行方向判定用光線52が遮断されたことを表し、車高判定用光線遮断信号73がONの状態は車高判定用光線53が遮断されたことを表す。基準光線遮断信号71においては、遮断開始時刻をts1、遮断終了時刻をte1、遮断時間をΔt1=te1−ts1で表す。進行方向判定用光線遮断信号72においては、遮断開始時刻をts2、遮断終了時刻をte2、遮断時間をΔt2=te2−ts2で表す。
【0037】
判定部24は、ts2−ts1>0のとき、車両の進行方向は矢印Aの方向であると判定し、車両の進行方向が矢印Aの方向であるという情報を含む車両検出信号74を出力する。そして、判定部24は、ts2−ts1<0のとき、車両の進行方向は矢印Bの方向であると判定し、車両の進行方向が矢印Bの方向であるという情報を含む車両検出信号74を出力する。したがって、判定部24は、車両Aの進行方向は矢印Aの方向であると判定し、車両Bの進行方向は矢印Bの方向であると判定する。
【0038】
車両検知装置100においては、判定部24は、車両の速さvを式v=L1/|ts2−ts1|により計算し、車両の速さvの情報を含む車両検出信号74を出力する。さらに、判定部24は、車両の長さLを式L=v×Δt1により計算し、車両の長さLの情報を含む車両検出信号74を出力する。ここで、判定部24は、車両の長さLを式L=v×Δt2により計算しても良く、式L=v×(Δt1+Δt2)/2により計算しても良い。
【0039】
判定部24は、基準光線遮断信号71と車高判定用光線遮断信号73の両者が同時にONになったことを検出した場合、車両の高さHがH≧H2であると判定し、車両の高さHがH≧H2であるという情報を含む車両検出信号74を出力する。判定部24は、基準光線遮断信号71がONになったことを検出し、基準光線遮断信号71がONになっているときに車高判定用光線遮断信号73がONになったことを検出しない場合、車両の高さHがH1≦H<H2であると判定し、車両の高さHがH1≦H<H2であるという情報を含む車両検出信号74を出力する。したがって、判定部24は、車両Aの高さHはH≧H2であると判定し、車両Bの高さHはH1≦H<H2であると判定する。
【0040】
車両検知装置100及び車両検知装置100’においては、1個の発光器11を用いて複数の光線51〜53を発生させているため、発光器の機器費が節約される。また、反射板31〜34、及び32’は、電気回路を有していないから、防水が完備した筐体に収容する必要がなく、配線と配線工事の必要がない。したがって、筐体に係る機器費と、配線の費用と、配線工事の費用とが節約される。車両検知装置100及び車両検知装置100’は、配線が通行の妨げとならないから、交通量調査の目的で道路上に一時的に設置する場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両検知装置を示し、図1(a)は車両検知装置の平面図を示し、図1(b)は車両検知装置の正面図を示し、図1(c)は車両検知装置の側面図を示す。
【図2】図2は、本発明の第2の実施形態に係る車両検知装置を示し、図2(a)は車両検知装置の平面図を示し、図2(b)は車両検知装置の正面図を示し、図2(c)は車両検知装置の側面図を示す。
【図3】図3は、発光部の内部構成について示す図である。
【図4】図4は、受光部の内部構成について示す図である。
【図5】図5は、判定部に入力される信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0042】
100、100’…車両検知装置
1…発光部
11…発光器
12…光線分離器
12a、12b…プリズム(半透鏡)
2…受光部
21〜23…受光器
31〜34、32’…反射板
33a、34a…支柱
50、50’…光線
51…基準光線
52…進行方向判定用光線
53…車高判定用光線
61…基準光線経路
62、62’…進行方向判定用光線経路
62a、62a’…進行方向判定用光線経路第1部分
62b、62b’…進行方向判定用光線経路第2部分
62c…進行方向判定用光線経路第3部分
63…車高判定用光線経路
63a…車高判定用光線経路第1部分
63b…車高判定用光線経路第2部分
63c…車高判定用光線経路第3部分
71…基準光線遮断信号
72…進行方向判定用光線遮断信号
73…車高判定用光線遮断信号
74…車両検出信号
99…車線
A、B…車両の進行方向を示す矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光器と、
車線を挟んだ一方側に配置された光線分離器と、
前記車線を挟んだ他方側に配置された第1受光器と、
前記他方側に配置された第2受光器と、
判定部と
を具備し、
前記光線分離器は、前記発光器が出力する光線から第1光線と第2光線とを分離し、
前記第1受光器は前記第1光線を検出し、
前記第2受光器は前記第2光線を検出し、
前記判定部は、前記第1受光器による検出結果と、前記第2受光器による検出結果とに基づいて、前記車線を通行する車両を検出する
車両検知装置。
【請求項2】
請求項1の車両検知装置であって、
前記第1光線を反射する第1反射板を具備し、
前記第1光線は、前記光線分離器と前記第1受光器とを結ぶ第1経路を通過し、
前記第1反射板は前記第1経路上に配置される
車両検知装置。
【請求項3】
請求項2の車両検知装置であって、
前記第1経路上に配置され、前記第1反射板によって反射された前記第1光線を反射する第2反射板を具備し、
前記第1反射板は前記一方側に配置され、
前記第2反射板は前記他方側に配置される
車両検知装置。
【請求項4】
請求項3の車両検知装置であって、
前記光線分離器と前記第1反射板は、前記車線に沿う方向に間隔を設けて配置され、
前記第2反射板は前記車線を挟んで前記第1反射板と対向しており、
前記第2受光器は前記車線を挟んで前記光線分離器と対向している
車両検知装置。
【請求項5】
請求項3の車両検知装置であって、
前記光線分離器と前記第1反射板は、上下方向に間隔を設けて配置され、
前記第2反射板は前記車線を挟んで前記第1反射板と対向しており、
前記第2受光器は前記車線を挟んで前記光線分離器と対向している
車両検知装置。
【請求項6】
請求項5の車両検知装置であって、
前記第1受光器は前記第1光線が遮断されたことを示す第1光線遮断信号を出力し、
前記第2受光器は前記第2光線が遮断されたことを示す第2光線遮断信号を出力し、
前記判定部は、前記第1光線遮断信号と前記第2光線遮断信号とに基づいて、前記車両の高さを判定する
車両検知装置。
【請求項7】
請求項1乃至4から選択される1請求項の車両検知装置であって、
前記判定部は、前記第1受光器及び前記第2受光器の検出タイミング差に基づいて前記車両の進行方向を判定する
車両検知装置。
【請求項8】
請求項1の車両検知装置であって、
前記他方側に配置された第3受光器を具備し、
前記光線分離器は前記光線から第3光線を分離し、
前記第3受光器は前記第3光線を検出し、
前記判定部は前記第3受光器による検出結果に基づいて前記車両を検出する
車両検知装置。
【請求項9】
請求項8の車両検知装置であって、
前記第1受光器は前記第1光線が遮断されたことを示す第1光線遮断信号を出力し、
前記第2受光器は前記第2光線が遮断されたことを示す第2光線遮断信号を出力し、
前記第3受光器は前記第3光線が遮断されたことを示す第3光線遮断信号を出力し、
前記判定部は、前記第1光線遮断信号と、前記第2光線遮断信号と、前記第3光線遮断信号とに基づいて、前記車両の進行方向と前記車両の高さとを判定する
車両検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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